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日本 に お け る貨 幣 供 給 プ ロ セ ス の 実 証 分 析

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(1)

33

日本 に お け る貨 幣 供 給 プ ロ セ ス の 実 証 分 析

EmpiricalAnalysisoftheMoneySupplyProcessinJapan

釜 国 男

KunioKAMA

1。 じ め に

2・ マ ネ ー サ プ ラ イ 及 び 決 定 要 因 の 変 動

3.マ ネ ー サ プ ラ イ 決 定 要 因 の 分 析

4.む

1.は

欧 米 主 要 国 は!970年 代 に 入 っ て,そ れ まで の マ ネ ー マ ー ケ ッ ト金 利 を 金 融 政 策 運 営 上 の めや す とす る や り方 を 改 め,マ ネ ー サ プ ライ を 重 視 す る傾 向 を 強 め て い る.特 に米 国 で は,連 邦 議 会 の 決 議 を 受 け て1975年 か ら連 邦 準 備 制 度 が 各 種 の マ ネ ー サ プ ライ に つ い て具 体 的 な 目標 値 を 設 定 して これ を 公 表 し て い る.わ が 国 で も,第1次 石 油 危 機 前 後 の2け た イ ン フ レ とい う苦 い 経 験 を経 て,昭 和50年 代 以 降 マ ネ ーサ プ ラ イ重 視 の政 策 姿 勢 が 次 第 に 鮮 明 とな り,日 本 銀 行 は 53年7月 か らM2+CDに つ い て 前 年 同 期 比 増 減 率 の 見 通 しを 公 表 して い る.

以 上 の よ うに 現 実 の 金 融 政 策 運 営 面 で は マ ネ ー サ プ ライ の動 きが 重 要 視 され る よ うに な った が,肝 心 の マ ネ ー サ プ ラ イが どの よ うな メ カ ニ ズ ムで 決 定 さ れ て い る のか わ が 国 で は 現 在 まだ 十 分 解 明 され て い な い.マ ネ ーサ プ ラ イ の 決 定 メ カ ニ ズ ム を 真 正 面 か ら論 じた 文 献 は 非 常 に 少 な く,し か もそ の 多 くは も っぱ ら理 論 的 分 析 に と ど ま って い る1).こ れ とは 対 照 的 に 貨 幣 需 要 の研 究 は か な り精 力 的 に 進 め られ,既 に 幾 つ か の 興 味 あ る論 文 も発 表 され て い る.貨 幣 市 場 の 分 析 に お け る この よ うな ギ ャ ッ プ を い さ さか な り とも埋 め る た め に,本 稿 で は 日本 に お け る貨 幣 供 給 決 定 プ ロセ ス を 実 証 的 に分 析 す る.

2.マ ネ ー サ プ ライ及 び決 定 要 因 の変 動

マ ネ ー サ プ ライ は 民 間 非 銀 行 部 門 の保 有 す る 現 金 通 貨 と預 金 通 貨 の 和 と して定 義 さ れ る.そ して 現 金 通 貨 と預 金 通 貨 は 各 種 の 取 引 主 体 の資 産 選 択 行 動 に 基 づ い て 決 定 され る の で,理 論 的

1)例 え ば 岩 田=浜 田 〔1〕,堀 内 〔4〕,古 川 〔3〕な ど.

(2)

34季 集Vo1.XVII,No.1

に は 資 産 市 場 の 一 般 均 衡 分 析 の 枠 組 み の な か で マ ネ ー サ プ ラ イ の 決 定 を 分 析 す る の が 望 ま し い.し か し金 融 市 場 の 一 般 均 衡 モ デ ル は 実 証 分 析 に な じ ま な い の で,こ こ で はC.A.Phillips 以 来 の 伝 統 的 な 貨 幣 乗 数 理 論 を 用 い る こ と に す る.

い ま,任 意 の 時 点 に お け る マ ネ ー サ プ ラ イ をM,ハ イ パ ワ ー ド ・マ ネ ー をH,現 金 通 貨 をC, 預 金 通 貨 をD,銀 行 部 門 の 保 有 現 金(vaultcash)をRc,準 備 預 金 をRdと す る と,貨 幣 ス ト

ッ クは 次 のFisher‑Friedman式 に よ っ て 決 定 さ れ る.2) 1+CIDM

=mH ,m=(1)c/D十R4/D十Ro/D

yY',は貨 幣 乗i数(moneyr【1ultiplier)で あ り,民 間 非 銀 行 部 門 の 現 金 一 預 金 比 率,銀 行 部 門 の 現 金 一預 金 比 率,お よ び 準 備 一 預 金 比 率 に よ っ て 決 定 さ れ る.こ れ ら3つ の 比 率 は 家 計,企 業 や 銀 行 の 金 融 資 産 選 択 行 動 を 反 映 して お り,金 融 情 勢 と と も に 変 化 す る 。

図1は,昭 和45年 第1四 半 期 か ら60年 第4四 半 期 ま で の 期 間 に つ い て 期 末 のM2+CDと イ パ ワ ー ド ・マ ネ ー(以 下,HPMと 略)の 推 移 を 示 し て い る.3)図 を 見 る と,両 方 の 系 列 と も 強 い ト レ ン ド要 因 を 含 ん で お り,49年 頃 を 境 に ト レ ン ドが 下 方 ヘ キ ン ク し て い る の が 分 か る.

(兆 円)図1M 2+CDと ハ イ パ ワ ー ド・マ ネ ー の 推 移(昭 和45年 第1四 半 期 一60年 第4四 半 期) 1000

700 500 300

100 70 50 30

()751

1     uロ      0

45年46年47年'48年49年50年51年52年53年54年55年56年57年58年59年60年

2)M.Friedman〔7〕,pp.105‑106参 照.但 し こ こ で は 銀 行 部 門 の 支 払 準 備 を 日銀 預 け 金 と手 許 現 金 に 区 別 した.

3)(1)式 に 含 まれ る変 数 の統 計 デ ー タ はす ぺ て 日銀r経 済 統 計 月 報 』 の 「マ ネ タ リーサ ー ベ イ」 か ら と る こ とが で き る.す な わ ち 通 貨 当局 勘 定 の現 金 通 貨 発 行 高 と預 金 通 貨 銀 行 預 り金 を 合 計 す れ ぽ ハ イ パ ワ ー ド ・マ ネ ー と な る.民 間 非 銀 行 部 門 保 有 の 現 金 は 総 括表 に 載 っ て お り,こ れ を 通 貨 当局 勘 定 負 債 欄 の現 金 通 貨 発 行 高 か ら差 し 引 くと銀 行 部 門保 有 の現 金 が 得 られ る.な お,す べ て の デ ー タ は季 調 済 み で あ る.

(3)

June1987釜 国 男:日 本 に お け る貨 幣 供 給 プ ロセ スの 実 証 分 析35

図2現 金 一 預 金 比 率 、準 備 一 預 金 比 率,及 び 銀 行 保 有 現 金 一 預 金 比 率 の 推 移

9

8

73420864208642222111

(x10‑3)

,,,

45年46年47年48年49年50年51年52年53年54年55年56年57年58年59年60年

次 に 図2は,貨 幣 乗 数 を 決 定 す る3つ の 比 率 を プ ロ ッ トした も の で あ る.民 間 非 銀 行 部 門 の 現 金 一預 金 比 率 は 昭 和47年 か ら49年 に か け て い った ん 上 昇 した あ と,再 び 緩 や か な低 下 傾 向 を た ど っ て い る.銀 行 部 門 の現 金 一預 金 比 率 は47年 まで 低 下,48年 か ら49年 に 一 時 上 昇 した も の の,54年 後 半 か ら翌 年 に か け て の一 時 期 を 除 く と50年 以 降 は ほ とん ど変 化 して い な い.そ れ 故 この 比 率 は 貨 幣 乗 数 の動 き を 説 明す る上 で 大 して 重 要 で は な い.以 上 の比 率 とは 対 照 的 に,銀 行 部 門 の 準 備 一預 金 比 率 は 相 当 大 幅 な 変 動 を 示 して い る.な か で も48年 の 急 激 な 上 昇 と50年 の 落 ち込 み が 目立 つ.

表1は,HPIV1と3つ の 比 率 の変 動 を 数 量 的 に示 した も の で あ る.変 動 係 数 はHPM供 量 が 最 大,最 小 は 現 金 一預 金 比 率 で あ る.ま た,準 備 一預 金 比 率 の 変 動 係 数 は 現 金 一預 金 比 率 の2倍 以 上 の 大 き さ と な る こ とが 分 か る.

表1M2+CD決 定要 因の変動

一̲平 均値 最小値 最大値 変蘇 数

HPM供 給 量

金 一 予頁 金 上ヒ率 銀 行 現 金 一 預 金 比 率 備 一 預 金 比 率

16.079 0.0862 0.0124 0.0121

4.752 0.0'725 0.0093 0.OO48

27.186

!1':

0.0176 0.0235

0.422 11:1 0.145 0.355 (注)HPM供 給 量 の単 位 は 兆 円.

以 上 で 貨 幣 供 給 決 定 要 因 が そ れ ぞ れ ど の よ うな 動 き を 示 し て い る か ほ ぼ 明 らか と な っ た の で,次 に,MZ十CDの 変 動 に 各 決 定 要 因 が ど の 程 度 寄 与 し て い る か を 検 討 し よ う.

い ま 記 号 を 簡 単 に す る た め に,c/Dをa,Rd/Dをb,RcJDをCで 表 わ す こ と に す る と,

(4)

36季 集Vo1.XVII,No .1 (1)式

1十aM=H

a十b十c

と 書 け る.両 辺 の 対 数 を と る と

In11/1=ZnH+ln(1+の 一Zn(a十b+C) .Mの 変 化 率 は

●lnNI=lnM‐lnM̲1(2)

で 定 義 さ れ る.図1か ら 明 らか な よ うに,Mの 決 定 要 因 は 実 際 に は 同 時 に 変 化 し て い る が,1 つ の 決 定 要 因 だ け が 単 独 に 変 化 す る と 想 定 し てMの 変 化 率 を 計 算 す る と

∠Hの 効 果 二 肋H一 伽 石「一・(3)

daの 効 果=ln(lea)‐Zn(1十a‑1)十Zη(a̲1十 ろ一1‑i‑c̲1)‑ln{a十 ろ一1十C‑1)(4) dbの 効 果=ln(α 一1十ろ一1十C‑1)一一ln(α.1十 ∂十c‑1)(5)

QCの 効 果=ln(a‑1十 ろ一1十C‑1)‑Zn(a̲1十 ろ一1十の(6)

と な る.(3)〜(6)の 各 式 は,そ れ ぞ れMの 変 化 率 の う ちHPM供 給 量,CID,Rd/D,Re/D

の 変 化 に 帰 着 さ せ る こ と の で き る 部 分 を 表 わ し て い る.但 し時 間 が 不 連 続 で あ る た め に,そ ら を 合 計 し て も41nMに 等 し くな ら な い.つ ま り(2)と(3)〜(6)の 和 は,交 叉 項

交 叉 項=伽(a+b̲、+C‑1)+伽(a‑1+ろ+C̲、)

十 〃2(6z̲1‑十ろ̲1十C)‑ln(α 十 ろ十C)‑21n(α̲1一 トろ̲1十̲̀1)(7) だ け く い 違 う.

表2は,以 上 の 方 法 で 計 算 した 各 決 定 要 因 の 寄 与 率 をMZ+CDの 変 化 率 と と も に 示 し た も の で あ る.M2+CDは,昭 和45年 の 平 均 値3.9%,46年5.4%,47年5.5%0,48年3.9%と 四 半 期 と し て は 異 常 に 高 い 伸 び 率 を 記 録 した が,こ れ は 主 と し てHPM供 給 量 の 急 増 に よ る も の で あ っ た.50年 以 降 はHP.M供 給 量 の 伸 び 率 が 大 幅 に 低 下 した こ と か ら,Mz+CDの 増 加 率 も か な り低 くな っ て い る.54年 か ら 翌 年 に か け て の 第2次 石 油 危 機 に 直 面 し て 日 本 銀 行 は い わ ゆ る ホ ー ム メ イ ド ・イ ン フ レ ー シ ョ ン を 回 避 す る た め マ ネ ー サ プ ラ イ 管 理 を 強 化 した と さ れ て い る が,事 実,M2+CDは 目 立 っ た 増 加 を 示 し て お ら ず,一 応 日 銀 の 意 図 は 達 成 さ れ た と い え よ う.HPM以 外 の 要 因 を み る と,現 金 一 預 金 比 率7準 備 一 預 金 比 率,銀 行 の 手 許 現 金 一預 金 比 率 は ど れ も 寄 与 率 が 小 さ く,し か も プ ラ ス と マ イ ナ ス の 値 が 混 在 し て い る.ま た 交 叉 項 は ほ と ん ど ネ グ リ ジ ブ ル で 無 視 し て も か ま わ な い.

表2の 数 値 は 各 決 定 要 因 が 単 独 で 変 化 した と き の マ ネ ー サ プ ラ イ の 変 化 率,つ ま り各 要 因 の 絶 対 寄 与 率 を 表 わ し て い る.次 に(3)〜(7)をMの 変 化 率 で 割 る と 相 対 寄 与 率 が 得 ら れ る.

表3は 表2か ら計 算 し た 相 対 寄 与 率 を 示 し て い る.期 間 全 体 を 平 均 す る と,HPM供 給 量:

0.899,現 金 一預 金 比 率:0.177,準 備 一 預 金 比 率:‑0.013,銀 行 の 現 金 一 預 金 比 率:‑0.061 と な り,FPM供 給 量 が9割 の ウ エ イ トを 占 め て い る.4)こ の こ と は ハ イ パ ワ ー ド ・マ ネ ー の

(5)

June1987釜 国 男:日 本 に お け る貨 幣 供 給 フ.ロセ ス の 実 証 分 析

表2マ ネ ー サ プ ラ イ 決 定 要 因 の 寄 与 度(四 半 期 変 化 率,単 位: パ ー セ ソ ト)

37

1970 9

ρQU4

1971

QU4

1972

004

1973

94

1974

OJ4

1975 噌⊥

9〇〇4

1976

04

1977 1

20δ4

X978

Qe4

ユ979

904

"1

34

1981

0ρ4

X982 19

QJ4

1983 9

04

1984

34

1985 9

D4

ハ イ パ ワ ー ドマ ネ ー

7.53 ユ.01 2.40 4.74ρ000 04nδρ0 FDD4∠4

5.40 4.39 6.94 8.73

8.33 7.61

一 〇.24 8.38 1.74 5.38

1・ 4.38 2.51

‑‑3 .03

0.91 3.28 2.20 1.26740 FOln64

3(U9

3.17 3.13 2.71 5.00

II .,

4.98 0.63

.・.

1.96 1.71

‑1 .12

一 〇.77

‑1.07

..

2.19 0.30 2.67 1.54 1.53

2.03

‑0 .33 2.as ユ.46

2.45 2.81 1.37 1.36 1 5.05

‑2 .79 2.09

現 金 一 預 金 比 率

0.01 一 ユ.03

1.18 1:・

1.22 0,88 1.92 1....

1.43

‑0.84

‑0 .95

‐a .sa

3.09

‑0.98 1

‑2 .42

0.53

1.10

‑1 .02

ρU(9i90G

0V

一 〇.48 1.12 0.43 0.63 一 〇.02

0.76 0.27

‑‑0 .13 〇.15

1' 一一1.30

‑一一2.01 2.04 1.36 一 ユ.37

1.07 一 〇.83

2.45 'II 1.2ユ

0.17

‑0.601.64 2.46

一 〇.25 1・

‑1.15 ]..85

準備一 預 金 比 率

一2 .37 3.00 0.39

‑2.00 一1 .39

2.56

‑‑1.57 1.78 一1 .50

f:'

‑0 .50 1.01 一6.18

‑‑1.76

‑1 .37

‑4 .34

1.86

‑1 .46 0.63

‑2 .57

・:

‑1.96 0.02 4.16

3.47 1 t!:

0.30

一一〇.61 ユ.29 0.a5 1.239Q40 7000

1111

o.07

‑0.37

‑0.98 ユ.68 一2.63

‑2 .85

‑0 .94 1.39

2.75 2.10 0.14

‑‑1 .91

2.56

‑一一1.31 1.39

‑2.39

9407490

1'・

‑1 .14 1.29 1.06 一 〇 .41

‑1 .34 2.31

1.47

1.49 111 0.60

‑1.97

一 〇.02 0.59

‑0 .42 0.15

‑1 .632.00 1.51

‑0.51

銀行 現金一 預 金 比 率

一1 .81 0.54 0.27 2.69 一1 .52

0.71 0.66 2.10 一1 .22

0.21 1 0.53 一 〇.59 ..0.56

‑0 .55

‑0 .65

1:1

‑1 .440.42 1.27

一 〇.99 0.26 0.10 1.05 一 〇.23 1!' 0.26 0.37 一一一a.15 0.02

1・' Ta .51

9μ7()7441U

OOO(

4.59

‑0.13 1

‑2 .56 1.26

‑0 .490.19 0.32 0.23 0.70 0.44 0.51(UOVO 4VQUQJ 067ρ0ハ0

一 〇.33 11:

o.zz

! o.71

‑0 .56 0.59 一 ユ.72

2.54

‑0 .46

‑0.17 1・1

0.04

‑0 .03 0.of 1!・

一 〇.02 0.05

‑0 .03 11:

一 〇.02

‑O.01 111 '̀E 一 〇,ユ9

0.03 0.01 0.16

0.03

‑0 .020.05

‑O .02 111

‑O .01 111 0.16

一 〇.03

‑0 .01 111 0.01

111 0.01 111

‑‑0 .01

一 〇.01

‑0 .04

‑0 .02

‑0 .02 0.02

‑0.01 0.of

‑一一〇.05 一 〇.02 11:

111 0.03

0.01 0.07 111

‑0 .04

99﹁0000(U

OOOO

一 〇.02 111

‑0.01

‑0 。06 一 〇.01

1!1 111

‑0 .02

0.03 0.04 0.03

‑O .01

マ 不 一 サ フ ラ イ 変 化 率

3.39 3.49 4.24 4.47 4.34 5.64 6.32 5.48 4.09 4.64 5.67 7.63 4.45 4.35 4.20 2.550800 81﹁⊥0

QJ

..

2.87 3.56 4.25 3.65 3.49 2.97 2.57040 704

2.45 3.69 2.68 3.47 2.27 2.70 3.02 0.77

2.73 ユ.68 0.72 ユ.84 2.40 3.44 :・

2.80

2.11 2.11 Z.13 1.30 1.75 2.00 1.78 1.52 2.17 1.70.,

! 3.39 ユ.65 0.89 2.43

(注)小 数 点 第 三 位 を 四 捨 五 入 の た め, る.

決定要 因 と交叉項 の合 計が現実 の増 加率に等 し くない場 合があ

(6)

38 季 刊 表3マ ネーサプ ライ決 定要因寄 与率 の分布

Vol.XVII,No.1

1970

904

1971

OQ4

1972 9

QJ4

1973

04

1974 9

34

1975 9

OJ4

1976 9

04

1977

004

1978 9

OU4

1979 つ⊥9

34

・'1 934

1981 9

δ4

1982

004

1983 9

04

・ ・. 234

ユ985 1

9ρD4

2.22 0.29 0.56 1.06 1.39 0.25 0.84 0.12QeQV9 9594

(U

1.87 1.75 1.52 3.85

11:

・・

0.86 1.77D07 00

(U)0

0.25 0.94 0.74 0.49 1.26 0.05 0.59 1:1 1.29 1 1.01 1.44

一 〇.20 1・S ユ.65 1

1.81 1.17

‑0 .61.2.39

一 〇.32

‑0.31 1.01 0.78 0.Ig ユ.26 0.72 ユ.18

‑0 .171.16 1.16

!'.

1.13 1.66 0.4$

1.64

一 〇.23 3.05

‑3 .13 :・

現金一 預金 比率

111

‑0.29

‑‑0 .201

1 0.16 0.30 0.ユ6 0.35

‑0 .ユ8

‑0 .17

‑0.34

!・'

‑0 .23

‐o .07

‑0.95 1' 一 ユ.63

0.55

‑0.33

0.40 0.07 0.26 Q.45 a.1s O.32 0.14 0.24

一 〇.01 0.35 0.11

‑0 .04 一〇.06 0.56

‑0 .48 1 1・1 0.50

‑0 .45 1.39 一 〇.30

1.46 0.61 1..

o.07 1

‑0 .32 0.73

一一p .12 0.33

‑0 .54 ユ.42 一 〇.SI ユ.12

‑0 .62 1.76 一 〇 .44

‐a.67 0,46

1.28 一 〇 .12

‑0 .81 2.58 0.6ユ

準備一 預金比 率

一 〇.70 1:.

1i・

一一〇.45 一 〇.32 0.45

‑0 .25 0.33 一 〇.37

0.19 f!・

0.13 一1 .39

‑0 .40

‑0 .33

‑1.70

3946Q000

00(U()

1.28 1.:

0.01 0.98

‑0 .230.95 0.03 0.12

一 〇.20 0.59 0.02 0.42 一 〇.52

‑0 .5ユ 0.54 0.3ユ

498()00

000(

一 〇.97 一 ユ.70

‑1 .31 0.761ρ00ρ0 080Q

)A))

1.21

‑0 .62 0.66

.,

0.85 1!1

‑1 .290.34

一 〇.0!

0.35

‑0.15 f

0.59

‑0 .99

‑0.211.70

銀行 現金一 預金 比率

一 〇.53 0.15 0.06 1・i 一 〇.35

0.i3 0.11 1

a.30 0.04 a.os O.07O

e00ρ0111

()000

0.27 0.15

‑0 .71 0.42

一 〇.34 11' 0.03 0.25)QO1 ハ030﹁D

0QOO

一 〇.05 0.01 1

‑0 .17 0.29 0.ユi 11・

‑0 .ユ7

‑o0.26.05

‑3a.1s.31 0.46 0.11 1.:

a.17

O.ユ0 0.20 0.24 1 一 〇.23

a.03 0.17 1 一 〇.ユ9

0.04 0.12

‑0.38

Q.33

‑0 .33 0.21

‑2 .08 a.75

‑0 .28

‑0 .1.9

‑0.25

(V0(UO(U

OOO(U

[ (U)00A)0

(VOVAU 0010(VO(U

OOOO

一 〇.04 0.01

t!i O.06(UAUO(U 000()

111 111 1/i O.04

一 〇.01 111 /11

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111 0.OI

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‑0.0ユ ー0 .01

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一 〇.0ユ ー0.05

111 0.020VOV 901

OAUAUO 10140(VOO

OOO()

‐o .of 111 111

‑0,04

111 11/

i1!

‑0 .03 0.01 0.02 0.04

‑0 .01 (注)小 数 点 第 三 位 を 四 捨 五 入 の た め,決 定 要 因 の合 計 が1・00に等 し くな い 場 合 が あ る.

(7)

June1987釜 国 男:日 本 に お け る貨 幣 供 給 プ ロセ ス の 実 証 分 析 39 管 理 が 貨 幣 供 給 を コ ン ト ロ ー ル す る 上 で い か に 重 要 で あ る か を 示 す と と も に,逆 に,貨 幣 乗 数

の 変 動 は 量 的 に は あ ま り重 要 で な い こ と を 意 味 し て い る.と こ ろ で 従 来 の 研 究 は,主 と し て 貨 幣 乗 数 の 変 動 を 分 析 の 対 象 と し て い る.そ こ で こ れ に な ら っ て 貨 幣 乗 数 の 伸 び 率 を 要 因 分 解 し て み る と,現 金 一 預 金 比 率:1.718,準 備 一預 金 比 率:‑0.126,̀銀 行 の 現 金 一預 金 比 率:

‑0 .592と な り,現,.預 金 比 率 が 大 き な 割 合 を 占 め て い る こ と が 確 認 で き る.5)

3.マ ネ ー サ プ ライ 決 定 要 因 の分 析

前 節 に 続 い て 本 節 で は,マ ネ ー サ プ ラ イ 決 定 要 因 が ど の よ う に し て 決 定 さ れ て い る の か 検 討 す る.但 し}HPIM供 給 量 は 四 半 期 と い う タ イ ム ・ス パ ン で は 日本 銀 行 に よ っ て 直 接 制 御 可 能 と み られ る こ と か ら,分 析 の 対 象 か ら 外 す こ と に す る.そ の 分 析 は 政 策 論 や 金 融 史 の 領 域 に 属 す る.本 節 で は ま た,貨 幣 乗 数 と コ ー ル ・ レ ー トの 関 係,さ ら に ま と め と し て 貨 幣 供 給 関 数 の 分 析 も 行 う.

(1)民 間 非 銀 行 部 門 の 現 金 一 預 金 比 率

預 金 通 貨 が も っ ぱ ら 企 業 間 の 大 口 取 引 に 使 用 さ れ る の に 対 し て 現 金 通 貨 は 主 と し て 家 計 対 企 業 の 小 口 取 引 に 使 わ れ る.従 っ て 民 間 非 銀 行 部 門 の 現 金 一 預 金 比 率 は 経 済 の 好 ・不 況 に あ ま り 左 右 され な い よ う に み え る が,実 際 に は そ うで は な い.と い うの は,現 金 通 貨 は 家 計 と企 業 の 消 費 取 引 や 賃 金 ・俸 給 の 支 払 い 以 外 に,中 小 企 業 な ど の 企 業 間 取 引 に も 使 用 さ れ て い る か らで あ る.こ の 点 を 確 認 す る 意 味 で 回 帰 推 定 を 行 う と

In(C/D)=‐6.022‐0.0129T十 〇.3731nY(8) (‑19.70)(‑16.63)(12.06)

RZ=0.919D.W=0.747S.E=0.0231

こ こ でR2は 自 由 度 調 整 済 決 定 係 数,D.Wは ダ ー ビ ソ ・ワ ト ソ ン 比sS.Eは 残 差 の 標 準 誤 差 を 表 わ し,カ ッ コ 内 の 数 値 はt値,計 測 期 間 は1970/1〜1985/1Vで あ る.Tは1970/1を1と る タ イ ム ・ ト レ ン ド,Yは 名 目GNPで あ る.6)・7)タ イ ム ・ト レ ン ドを 説 明 変 数 と し て 加}た は,現 金 一 預 金 比 率 と 名 目GNPの ト レ ン ド要 因 を 除 去 す る こ と に よ っ て 両 者 の 短 期 的 関 係 を 明 ら か に す る た め で あ る.計 測 結 果 を み る と 名 目GNPは 統 計 的 に 有 意 性 が 高 く,名 目GNP1

4)1875〜1955年 の 米 国 の 貨 幣 ス ト ッ ク を 研 究 し たCagan〔6〕 に よ る と,米 国 で は 貨 幣 ス ト ッ ク の 趨 勢 変 動 の91%は ハ イ パ ワ ー ド ・マ ネ ー で 説 明 さ れ る.

5)四 半 期 ベ ー ス よ り さ ら に 長 期 の 変 動 を み る た め に7期 移 動 平 均 値 を と っ て み て も,や は りHPM供 給 量 が 圧 倒 的 に 重 要 で あ る.

6)名 目GNPは 経 企 庁r国 民 経 済 計 算 年 報 』 昭 和58年,62年 版 に よ る.

7)ダ ー ビ ソ ・ワ ト ソ ン 比 か ら み て(8)式 の 誤 差 項 は 強 い 正 の 系 列 相 関 を も っ て い る.そ こ でBeach

=Mckinnonの 方 法 で 再 推 定 す る と

In(CJD)=‑5.965‐0.0128T十 〇.3681nY (‑10.85)(‑9.14}(6.60)

Rz=O.978p=0.618D.W=2.284S.E=0.0181

S・Eは(8)式 よ り も 小 さ く な るが,係 数 推 定 値 は ほ と ん ど 変 わ ら な い.

(8)

40季 集Vol.XVII,No .1

%の 増 加 は 現 金 一 預 金 比 率0.37%の 上 昇 を も た ら す.他 の 事 情 が 不 変 で あ れ ば,名 目所 得 の 増 加 は 現 金 一 預 金 比 率 の 上 昇 を 介 し て 貨 幣 乗 数 の 低 下,従 っ て マ ネ ー サ プ ラ イ の 減 少 を も た ら す ・ こ の よ う な 現 金 一 預 金 比 率 の 循 環 的 変 動 はMitchel1〔10〕 やHawtrey〔8〕 が 景 気 循 環 の 説 明 で 強 調 した 点 で あ り,こ れ をCagan〔6〕 「ミ ッ チ ェ ル=ホ ー ト レ イ 理 論 」 と よ ん で い

る.

銀 行 部 門 の 準 備 一 預 金 比 率

わ が 国 で は 昭 和32年 に 「準 備 預 金 制 度 に 関 す る 法 律 」 が 制 定 さ れ,34年9月 に 法 定 準 備 率 が 設 定 さ れ て 準 備 預 金 制 度 が ス タ ー ト し た.こ の 制 度 の 下 で 対 象 金 融 機 関 は 対 象 債 務 に 準 備 率 を 乗 じ た 額 を 準 備 預 金 と し て 日本 銀 行 に 預 入 す る こ と を 義 務 づ け ら れ て い る.こ れ よ り準 備 一 預 金 比 率 の 説 明 変 数 と し て,先 ず 預 金 準 備 率 が 考 え ら れ る.こ の 関 係 を 推 定 す る と

In(Rd/1))=‑1.082十 〇.8401n.,(9) (‑5.93)(18.63)

.RZ=0.846D.W‑‑1.394S.E=0.1416

こ こ でRRは 法 定 準 備 率 を 表 わ し,定 期 性 預 金 に 対 す る 最 高 準 備 率 とそ の 他 預 金 に 対 す る 最 高 準 備 率 を 各 々 の 預 金 の 総 預 金 に 占 め る 割 合 を ウ エ イ ト と し て 加 重 平 均 し た も の で あ る.予 想 ど お り法 定 準 備 率 は 符 号 が プ ラ ス で 統 計 的 に 強 く有 意 で あ り,準 備 一 預 金 比 率 の 変 動 の8割 以 上 を 説 明 す る.次 に,コ ー ル ・ レ ー トの 影 響 を 検 討 し よ う.同 レ ー トは 銀 行 に と っ て 準 備 金 保 有 の 費 用 ま た は 機 会 費 用 と な る の で,準 備 金 需 要 へ 影 響 を 与 え る 可 能 性 が あ る.Meigs〔9〕 Teigen〔11〕 の 研 究 に よ る と,米 国 で は 銀 行 の 超 過 準 備 や 自 由 準 備 は,TBレ ー トや フ ェ デ ラ ル フ ァ ン ド ・ レ ー トが 上 昇 す る と減 少 す る と い う関 係 に あ る.し か し わ が 国 で は 銀 行 はidle balanceを ほ と ん ど 保 有 し て お らず,「 日本 銀 行 当 座 預 金 は 準 備 預 金 制 度 で 要 求 さ れ て い る 額 を 持 っ て い る だ け で あ っ て,準 備 に 余 裕 が 生 ず れ ば,そ れ で 日本 銀 行 か ら の 借 入 金 を 返 済 す る の が 普 通 で あ る 」8)と い う現 状 か ら,準 備 〜 預 金 比 率 は コ ー ル ・ レ ー トに 影 響 さ れ な い と い う の が こ れ ま で の 通 説 で あ っ た.と こ ろ が,岩 田=浜 〔1〕 や 古 川 〔3〕 の 説 に よ る と,銀 行 の 超 過 準 備 ま た は 準 備 需 要 関 数 は コ ー ル の 減 少 関 数 と な る.こ の よ う に コ ー ル ・ レ ー ト と 準 備 預 金 の 関 係 に つ い て は,い ま だ 定 説 と い え る も の は な い と い う の が 現 状 で あ る.こ こ で は こ う し た 点 を 念 頭 に お い て コ ー ル の 影 響 を 調 べ る こ と に す る.そ こ で 先 ず(9)式 に コ ー ル ・レ ー ト (CAL)を 加}て 再 推 定 す る と

Zn(Rd/D)=‑o.744十 〇.760zηRR十 〇.2491nCAL(10) (‑4.15)(17.26)(4.31)

Rz=0.880D.W=1.793S.E=0.1250

コ ール の 係 数 は 通 常 の 水 準 で 統 計 的 に 有 意 で あ るが 符 号 は プ ラ ス で あ る 。 従 っ て 集 計 デ ー タに よ る と,上 述 した 通 説 も岩 田,古 川 の 説 も と もに 棄 却 され る.こ れ は 次 の よ うに 解 釈 で き る.

8)呉 〔2〕,p・53参 照 ・

(9)

June1987釜 国 男:日 本 に お け る 貨 幣 供 給 プ ロ セ ス の 実 証 分 析 41

一 般 に コ ー ル ・レ ー トが 上 昇 して い る と き は ,現 金 リー クの増加 や財政 の大幅 揚げ超 な どか ら 金 融 機 関 の 資 金 ポ ジ シ ョ ンが 悪 化 して お り,銀 行 は 貸 出や 有 価 証 券 投 資 を 抑 制 す る.こ の結 果 派 生 預 金 が 減 少 して 準 備 一預 金 比 率 が上 昇 す る訳 で あ る.法 定 準 備 率 の 引 き上 げ は通 常 コー ル

・レー トの上 昇 を 伴 う.そ れ 故 この解 釈が 正 しい とすれ ば,(9)式 は 準 備 一預 金 比 率 に 対 す る 預 金 準 備 率 の 直 接 ・間 接 の 効 果 を 表 わ して い る.以 上 は 集 計 デ ー タ に よる結 果 で あ るが,次 都 市 銀 行 ・地 方 銀 行 ・相 互 銀 行 ・信 用 金 庫 とい う4つ の 業 態 別 に ブ レイ ク ・ダ ウ ン して 準 備 一

預 金 比 率 を 分 析 し よ う.

表4は,(10)式 と同'じ式 を 業 態 別 に 推 定 した 結 果 で あ る.9),10)それ に よ る と,信 用 金 庫 以 外 の金 融 機 関 で は 法 定 準 備 率 と コ ー ル の 係 数 は す べ て 統 計 的 に 有 意 で は な い.か く して表4の 果 は(10)式 と く異 な って い る.準 備 率 が 有 意 で な い 原 因 と して 色 々考 え られ るが,最 も重 要 な 原 因 とみ られ る の は 「預 け 金 」 の 定 義 が 異 な る こ とで あ る.つ ま り業 態 別 の 「預 け 金 」 は,

日銀 預 け 金 の 外 に 他 の 民 間 金 融 機 関 へ の 預 け 金 も含 ん で い る.預 金 準 備 率 が 引 き上 げ られ る と 当 然 日銀 預 け 金 は 増 加 す るが,増 加 した 預 け 金 の一 部 が 他 の金 融 機 関 へ の預 け 金 を 取 り くず し て 調 達 され る な らぽ,準 備 率 を 引 き上 げ て も 「預 け 金 」 自体 は あ ま り増 加 しな い.こ の た め準 備 率 と 「預 け 金 」 は 見 か け 上 相 関 を もた な い.コ ー ル ・レー トの係 数 が 有 意 で な い 理 由 と し て,先 に 指 摘 した 派 生 預 金 を 通 ず る 間 接 的 効 果 が コ ー ル の 機 会 費 用 と して の 効 果 に よ って 相 殺

され る こ とが 考}ら れ る.恒 常 的 に ロ ー ン ・ポ ジ シ ョ ンに あ って 比 較 的 厚 め の 支 払 準 備 金 を保 有 す る信 用 金 庫 で コ ー ル の 係 数 が 有 意 で 負 と な るの は,こ の解 釈 を 裏 付 け て い る.な お,日 本 銀 行 の 都 市 銀 行 等 に 対 す る貸 出 増 加額 規 制 も準 備 一預 金 比 率 に 影 響 を 与 え る可 能 性 が あ る が,

表4準 備 一 預 金 比 率 の 推 定

\ 懸 数項

1nRR ln(SAL

都 市銀行 地 方銀行 相 互銀行

信 用金庫

一2 .472 (‑5.00)

一2 .549 (‑3.27)

一3 .663 (‑3.4ユ)

一2.846 (‑13.10)

0.171 (ユ.40)

0.23」.

(1.19) 一 〇.255 (‑0.98)

一一〇.oao (‑0.38)

0.133 (0.93)

0.ユ49 (0.68)

0.258

<o.7s>

一4.272 (‑4.62)

R2 D.W S.E P

0.684

0.457

0.076

0.790

2.218

2.779

2.391

1.710

0.X298

0.1892

0.3794

0.0486

0.769

0.832

0.566

0.903

(注)Pは 誤 差 項 の 一 階 自 己 回 帰 係 数,()内 はt値.推 定 期 間 は1970/1〜1985flV.

9)古 川 〔3〕も コー ル ・レー トと準 備 金 の 関 係 を み る た め に 業 態 別 に 準 備 金 需 要 関 数 を 計 測 して い る.

コー ル の 係 数 は マ イ ナ ス とな り.こ れ よ り彼 はわが国 で も市場金 利の上昇 は現金準備 の圧縮を もた ら す る と判 断 して い る.し か し コ ー ル の 係 数 が マ イナ ス とな る こ とか ら直 ち に そ の よ うな 判 断 を 下 す の は危 険 で あ る.と い うの は コ ー ル と預 金 残 高 は 負 の相 関 を も っ て お り,ま た預 金 の増 加 は 必 要 準 備 の 積 み 増 し を伴 うので,た とtル が 準 備 金 に 直 接 影 響 を与 え な くて も見 か け 上 両 者 の 間 に は 負 の相 関 が 生 じ る可 能 性 が あ るか らで あ る.

10)デ ー タ と して 日銀r経 済 統 計 年 報 』 に 掲 載 さ れ て い る各 金 融 機 関 勘 定 資 産 欄 の 「預 け 金」,お よ び 負 債 ・資 本 欄 の 「預 金 」と 「譲 渡 性 預 金 」 の合 計 を使 用.

(10)

42季 集Vol ・XVII,No.1 正 確 な デ ー タ が 公 表 さ れ て い な い の で 説 明 変 数 と し て 用 い る こ と が で き な か っ た.

(3)銀 行 部 門 の 現 金 一 預 金 比 率

先 に 図2で 示 した よ う に,こ の 比 率 は 長 期 的 に は 低 下 傾 向 に あ る.こ れ は 急 速 な エ レ ク ト ロ ニ ク ス 化 を 背 景 に 銀 行 の 資 金 管 理 技 術 が 進 歩 して 手 許 現 金 の 必 要 額 が 次 第 に 減 少 し て い る た め で あ る.技 術 進 歩 に 伴 う現 金 一 預 金 比 率 の 低 下 は,以 下 の 回 帰 分 析 で は タ イ ム ・ ト レ ン ドで 表 わ す ・ も う ひ と つ の 説 明 変 数 は コ ー ル ・ レ ー トで あ る.個hの 銀 行 に と っ て 日銀 預 け 金 は 法 的 に 強 制 さ れ た も の で 調 整 の 余 地 は 限 られ て い る.し か し現 行 法 の 下 で は 手 許 現 金 は 必 要 準 備 と し て カ ウ ン ト さ れ な い の で,コ ー ル の 変 動 に 応 じ て 比 較 的 自 由 に 調 整 可 能 で あ る.以 上 の 二 変 数 を 説 明 変 数 と し て 現 金 一預 金 比 率 を 推 定 す る と

Ln(Rc/D)̲‑3.7'78‑0.00589T十 〇.1631'nCAL(11) (‑55.35)(一 一14.2ユ)(6.38)

R2=0.809D.W=1.635S.E=0.0607

(1.0)式 と 同 様,コ ー ル の 係 数 は プ ラ ス で,し か も 統 計 的 に 有 意 で あ る.従 っ て コ ー ル の 上 昇 は 現 金 一 預 金 比 率 の 上 昇 を も た らす.こ の 関 係 も,コ ー ル の 上 昇 → 貸 出 ・有 価 証 券 投 資 の 抑 制

→ 派 生 預 金 の 減 少 → 現 金 一 預 金 比 率 の 上 昇 と い う 径 路 で 生 じ る も の と み ら れ る .次 に 業 態 別 に ブ レ イ ク ・ダ ウ ン す る と表5の 結 果 が 得 ら れ る.信 用 金 庫 以 外 の 金 融 機 関 で は タ イ ム ・ ト レ ン ドが 効 い て お り,コ ー ル の 係 数 は 全 部 プ ラ ス で 有 意 で あ る.業 態 別 に デ ィ ス ・ア グ リ ゲ ー ト し て も コ ー ル ・ レ ー トは や は り現 金 一 預 金 比 率 に プ ラ ス に 作 用 す る こ と が 分 か る.な お,こ の 場 合 も他 の 金 融 機 関 に 比 べ て 相 互 銀 行 の 決 定 係 数 は 低 く,相 銀 の 特 異 な 行 動 パ タ ー ン が うか が わ れ る.

表5現 金 一 預 金 比 率 の 推 定

定 数 項TlnCALR・D.WS.Eρ 都市銀 行

地方銀行 相互銀行

信用金庫

一1 .907 (‑49.18)

一2 .497 (‑21.91)

一1.847 (‑5.26)

一3 .412 (‑25.94)

〇.00436 {‑18.59)

〇.00510 (‑6.67)

一一 〇.00770 (‑3.61)

一 ・0 .00180 (一 一1.79)

0.109

(7.48) 0.949 0.125

(2.93) 0.264 (2.00) 0.115 (2.36)

0.794

0.209

0.934

1.462

1.918

2.001

2.3ユ2

0.0482

0.0552

0.303

0.0528

一Q .X21

0.533

0.031

0.674

(注)表4の 注 を 参 照.

(4)貨 幣 乗 数 と コ ー ル ・ レ ー ト

と こ ろ で,(9)式 と(10)式 に よ る と 銀 行 部 門 の 預 金 比 率 は 両 方 と も コ ー ル ・ レ ー トの 増 加 関 数 と な る の で,(1)式 の 貨 幣 乗 数 は コ ー ル の 減 少 関 数 と な る は ず で あ る.こ の 点 を 確 か め

る た め に 貨 幣 乗 数 と コ ー ル ・レ ー トを プ ロ ッ ト し て み る と(図3),両 者 の 間 に は 負 の 相 関(相 関 係 数 は 一 〇.602)が 観 察 さ れ る.従 っ て 他 の 条 件 が 一 定 で あ る 限 り,コ ー ル ・レ ー トの 上 昇 は 貨 幣 乗 数 の 低 下,さ ら に は マ ネ ー サ プ ラ イ の 減 少 を も た ら す.こ れ は,コ ー ル 市 場 が 一 種 の

(11)

June1987釜 国 男:日 本 に お け る 貨 幣 供 給 プ ロ セ ス の 実 証 分 析

12

11

10

9

8 (%)ユ4

12

IO

8

6

図3貨 幣 乗 数 と コ ー ル ・レ ー トの 推 移

43

4

」̲̲4一 」̲̲4i  ロ ロ   ロ 

45年46年47年48年49年50年51年52年53年54年55年56年57年58年59年60年

"ビ ル ト ・イ ン ・ス タ ビ ライ ザ ー"と し て の 機 能 を 果 た し て い る こ と を 意 味 す る.す な わ ち, 景 気 の 上 昇 局 面 が 続 く と 次 第 に 銀 行 部 門 か ら 現 金 が 流 出 し て コ ー ル 市 場 の 需 給 が 逼 迫 し,コ ル ・ レ ー トが 上 昇 し て マ ネ ー サ プ ラ イ の 増 勢 が 鈍 化,景 気 の 過 熱 化 に ブ レ ー キ が か か る こ と に な る.こ の 効 果 は さ ら に,民 間 非 銀 行 部 門 の 現 金 一 預 金 比 率 の 景 気 同 調 的 な 動 ぎ に よ っ て 一 段

と 強 め ら れ る.

貨 幣 供 給 関 数

.M2+CDはHjPM供 給 量 と3つ の 預 金 比 率 に よ っ て 決 定 さ れ,預 金 比 率 は 既 に 論 じ た 変 数 に 依 存 し て い る の で,結 局,貨 幣 供 給 関 数 は

In(M2十CD)需 αo十alInH十a2T十asInY十a4ZnRR十asZnCAL(12)

と い う形 で 定 式 化 さ れ る,し か し,HとYの 観 察 デ ー タ はTと 強 い 内 部 相 関 を も っ て い る の で 推 定 に 際 し て はYとTは 省 略 した.ま た,コ ー ル の 変 化 に 伴 う貸 出 の 調 整 に は あ る 程 度 の 時 間 を 要 す る の で コ ー ル ・ レ ー トに は3次 の 多 項 式 ラ グ を 仮 定 し た.(12)式 を1971/皿 〜1985/IV の 期 間 に つ い て 推 定 す る と

In(M2十CD)=5.766十 〇.6951nH‑0.0157ZnRR‑0.0176ZnC'AL (6.23)(9.49)(‑O.70)(‑3.01)

‐0 .0235ZnCAL̲1‐0.02091nCAL̲z‐0.0128LnCAL̲3 (‑3.01)(‑2.86)(‑2.11)

一〇.00241nCAL̲4十 〇.00721nCAL̲5十 〇.01281nCAL̲s (‑0.40)(0.96)(1.62)

ユ1)宮 川 〔5〕も分 布 ラ グを 仮 定 した 貨 幣 供 給 関 数 を 推 定 して い る.

参照

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