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中国北部の地下水と環境

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(1)

神戸女子大学文学部紀要 52 巻 35-46 2019

はじめに

21世紀は「水戦争の世紀」といわれ、世界各地で淡水資源の争奪戦が激化することは確実といわれ ている。そのなかで地下水は、比較的容易に利用できる水資源として開発が進んできた。世界に目を 向けると、アメリカでは人口の50%が、カナダでは人口の35%が、日本では人口の13%が、それぞれ 地下水を利用している。さらにベルギー・フィンランド・フランス・ドイツ・アイルランド・ ルク センブルク・オランダは、50 〜 75%の公共用水源が地下水である

1)

。こうした先進国に比べても過 大に地下水を利用し、地下水資源の持続問題に直面しているのがインドであり

2)

、中国の北部である。

インドや中国のように巨大な人口を抱え、慢性的に不足している地表水を補って、消費に見合う用水 量を確保するためには、地下水はアクセスしやすい貴重な資源であり、その乱開発と汚染は大きな問 題となっている。

本稿が考察対象とする中国は、水資源が偏在しており、水に比較的恵まれた南部に対し、北部や西 北部、東北部は欠乏しがちである。北京や天津など水資源が欠乏している地域に比較的水資源に恵ま れた長江流域から通水するプロジェクトが南水北調である。この計画には地下水の問題も関係してい る。筆者はこれまで南水北調の諸々の問題点を指摘してきたが

3)

、この問題を多角的に分析するには、

地下水の問題を避けて通ることはできない。

筆者は20世紀末から中国で公刊された地下水に関わる研究書や報告書を集めてきたが、その多くが 水文地質学関係で、地下水資源の所在や地質構造、地下水の開発と利用方法等に関する内容が中心で、

汚染問題など生態環境問題への言及は部分的なレベルに止まっている。各研究書には、詳細な地下水 関係のデータも掲載されているが、やや古い時期のものが大半である。本稿の依拠するデータが最新 のものでないのは、こうした中国での研究状況によるものであることをまずはお断りしておきたい。

本稿は欠水状況が目立つ黄河上中流域、黄河下流域と海河流域、西北部と東北部と大きく三つに分 けて、それぞれの地下水資源の現状と汚染問題を中心に考察し、それぞれの地域が抱える課題を明ら かにし、今後の展望を考えたい。

中国北部の地下水と環境

小 林 善 文

Groundwater and the Environment of Northern China

Yoshifumi K

obayashi

論 文

(2)

1、黄河上中流域の地下水資源と環境

黄河上中流域で最初に黄河水を本格的に引水しているのは銀川平原であり、次いで内蒙古自治区に 入った黄河が東に向かい湾曲して南下する地帯にある河套平原である。この地域は乾燥していて蒸発 が激しい。例えば、1992 〜 93年の賀蘭試験区の観測結果では、地下水の蒸発量は年間742㎜となって おり、銀川平原全体では年間11.41億㎥の地下水が蒸発していると見積もられている。蒸発量の大き さは、土壌に塩分を残す塩漬化につながり、銀川平原だけでも塩漬化面積は3,330㎢に達する

4)

。た だし黄河上中流域は現時点では断流という現象は生じていない。銀川平原や河套平原の地下水資源量 のうち50 〜 80%を地表水が補っているとされるのは

5)

、黄河からの引水が可能なためである。その 一方で、20世紀末の段階の黄河中流域では地下水開発量は、地表径流量の約4分の1を占めていて、

地下水が河谷に排出される量は急激に減少している

6)

渭河は黄河の最大の支流である。データはやや古いが、1990年の渭河流域の年間用水量は45.59億

㎥で、その内訳は地表水は22.02億㎥、地下水は23.57億㎥となって地下水利用の方が多くなっており、

とくに都市生活用水では地下水が90%以上、工業用水は78%前後を占めている

7)

。渭河流域の中心都 市である西安では、過剰な地下水の揚水が目立ち、地下水位の低下とともに地割れの問題も生まれて いる

8)

。黄河本流に近い銀川、渭河流域の西安の他に黄河流域の蘭州・太原・晋城・運城・銅川・韓城・

呼和浩特・包頭・石嘴山などの都市は、全域の地下水が汚染されている。汚染は浅層地下水が中心だ が、銀川・呼和浩特・包頭などでは、深層地下水も影響を受け始めた。汚染物質については、塩素・

硫酸塩・硝酸塩などが基準値を超え、局所的にはフェノール・シアン化物・クロム・水銀などが検出 され、塩漬土壌の拡大も見られる

9)

。20世紀末の河套平原では地下水の資源補給量を超える揚水が続 いている上に、中央政府が割り当てた黄河からの引水許容量である年間58.6億㎥を10億㎥近く上回る 年間68.5億㎥を引水していて、黄河の径流量逼迫の一要因となっている

10)

地下水の過剰揚水と汚染という状況は、河套平原の南方にあって黄河本流の東部に位置する山西省 でも見られる。山西省には黄河の支流となっている汾河・沁河・三川河・昕水河・涑水河などの河流 の他に、桑乾河から海河流域に繋がる水系や河北省に流れる滹沱河などの河流がある。これら山西省 内の河流の地表水量は、1956年から2000年までは年平均で86.77億㎥であったが、1980年から2000年 までに限ると年平均で72.89億㎥と減少している。しかも最大流量は7、8月に集中し、冬季を中心 とする枯水期は地下水で補給せざるをえない。山西省を流れる黄河本流からの取水や省内での降水量 が生み出す水資源量から省外に流出する水量を差し引いた出境水量は、1956年から2000年にかけての 年平均に比べて1980年から2000年までの年平均が32.8%減少しており、同期間の地表水量の減少幅よ り大きく、山西省内での水資源消費量の増加が明らかとなる

11)

水資源消費量の増加を支えているのは、地下水である。2000年の山西省内の井戸総数は99,868本で、

そのうち農業灌漑用が70.59%を占め、農村生活用が16.64%、工業用が7.06%、都市生活用が3.95%

となっている。これらのなかで浅層井戸は46.3%、中深層井戸が52.0%、その他が1.7%となってい

12)

。ここから地下水開発の方向が中深層井戸に向かっていることが見えてくる。山西省は石炭産

出で知られ、産出量は中国全省区で第一位である。加えていささか古いデータしかないが、山西省の

(3)

1985年の有害廃棄物は、主に化学廃棄物で55.8万㌧、冶煉廃棄物で21.6万㌧であり、石炭・冶金・化 学工業・電力の4つの産業分野の固体廃棄物は、全産業分野の88.65%を占めている。

山西省の石炭を中心とした工業活動は、排気や廃水を通して地下水を汚染している。まず大気汚染 については、農作物の生長に直接影響し、酸性雨などを通して金属や建築物を腐食し、人々の健康に 危害を及ぼし、地下水の汚染に繋がることもある。1985年の統計によれば、山西省内の工場廃水の 94%が処理されることなく河道に流入し、残りの6%が地下に浸透している。工場廃水(排水)は生 活排水や医療関係の排水などを含めた全排水量の85%に達し、工業関係が大半を占めていることが分 かる

13)

2000年段階では、観測対象となっている山西省全体の河長のなかで利用可能なⅠ・Ⅱ・Ⅲ類の河長 は1,829.7㎞で全体の32.8%を占めているが、Ⅳ類以下の汚染された河長は67.2%で、特に超Ⅴ類とい う深刻な汚染を受けている河長は2,554.6㎞と観測対象となっている河長の45.8%に達している

14)

山西省の河川汚染は地下水汚染と連動している可能性が大きいが、地表水と地下水の利用比率から も状況の変化を見ていきたい。山西省の地下水利用量は1984年の24.83億㎥から1993年の34.55億㎥と 平均して毎年3.36%増加しており、こうした増加の趨勢は現在も続いていると考えられる。1993年の 取水量のうち地表水は30.3%、地下水が61.7%、泉源からが8%である

15)

。山西省ではこのように地 下水利用が中心となっているが、その汚染も浅層地下水を中心に進んでいる。さらに山西省内にあっ て黄河や海河の支流となっている河川の汚染が進んでいることも、これらの下流域の地下水資源に影 響していることは確かであろう。そこで山西省内の主要河川について、20世紀末段階の状況を見てい きたい。

黄河の支流であり山西省内では最大の河川である份河は、汚染が深刻で汚染物資はCOD(化学的 酸素要求量)、窒素、フェノールが主である。沁河は径流量が大きく自浄能力もあるが、フェノール 汚染が目立つ。昕水河は流域の化学肥料工場や発電所の影響でシアン化合物などが検出された。桑乾 河は大同市が排出する汚水のためフェノール、COD、アンモニア窒素が基準値を超えている。滹沱 河は上流部の水質は良いが、中下流域で化学肥料工場や製紙工場の廃水の影響でアンモニア窒素・

COD・フェノール汚染が進み、農業用の灌漑だけが可能な水質となっている。漳河も同様の工場廃 水でCOD・アンモニア汚染を生んでいる

16)

。こうした汚染源の中心は都市部にあり、地表水の汚染 は地下水に影響している可能性が大きい。

例えば1985年段階で太原市南郊の郷鎮にある96本の井戸を検査したところ、基準値超過はフェノー ルが56%、シアンノーゲンが20%、水銀が29%などとなり、硝酸塩・亜硝酸塩・アンモニア窒素も井 戸の約3分2が基準値を超過している。大同市では1985年の検査結果で160本の井戸の48%がフェノー ルなどの基準値を超過している

17)

。こうした状況が21世紀に入ってから改善されたとは考えにくい。

洛河は、三門峡ダムから小浪底ダムを経由する黄河本流に流れ込む支流の一つである。洛陽は、こ

の洛河下流域にある古都である。洛陽は、周辺の黄土丘陵と同様に水資源が欠乏しており、用水確保

のため多数の動力井戸が分布し、地下水開発が進んでいる

18)

。洛陽市政府は、1998年10月から洛河

の水を浸透させて地下水補給に当てる工事をおこない、地下水を通して用水量確保を計画した。毎年

(4)

7〜9月の雨季には地下水位が上昇し、都市部の供水のピークに合致するためである

19)

洛陽では、洛河北岸の水源地の一つである后李水源地が水質汚染により利用を停止したことに見ら れるように

20)

、洛河の水が汚染されていれば地下水も汚染されるのである。一方で、洛陽は長期に わたる「多竜治水」と称せられる統一的な水資源管理なき状態が続いていたので、数ヵ所の水源地を 建設したが、下地水源地や臨澗水源地は設計揚水量の2分の1前後の揚水にとどまり、東郊水源地で は揚水量は計画のわずか5.5%に止まっている。結局、洛陽市は汚染防止に取り組むとともに用水量 の節約に努めざるをえないとの提言に帰着する

21)

2、黄河下流域と海河流域の地下水と環境

黄河下流域にある山東省では、20世紀後半に断流が頻発したように黄河からの引水が保証されない ことから、用水源を地下水に頼る傾向が続いてきた。1993年末の段階で山東省全体の動力井戸は 406,730本で1㎢当たり5.64本となっており、供水量全体の49.63%を揚水していた

22)

。2000年には山 東省全体の地表水が全供水量の45.65%であるのに対して地下水は52.63%、その他が1.75%となって、

地下水への依存度が年々高まっている。黄河断流のピークは1997年の年間226日であり、1999年には 本流の断流が年間41日と改善されたとはいえ、山東省全体を見れば90%以上の河流は断流してい た

23)

20世紀末の段階で、山東省の工業用水と生活用水の地下水利用比率は95%に達しているといわれて いたが

24)

、農業用水の地下水利用も増加し、結果として地下水位の低下と地盤沈下につながってい る。上中流域と同様に蒸発量の大きさと毛細管現象によって土壌の塩漬化が進行し、20世紀末の山東 省の塩漬化した土地面積は75.2万haに達している

25)

地下水の過剰な揚水は、沿海部の地層への海水侵入を生んでいる。山東半島の萊州市では、20世紀 後半の降水量の減少と農業生産の発展が地下水開発を加速しており、1974年に海水の浸入が確認され ている

26)

。萊州市の地下水位は海平面より低く、海水浸入区域は拡大の一途である。21世紀に入っ てから黄河の断流は基本的になくなっているとはいえ、黄河からの引水量を拡大することが難しいこ ともあって地下水への依存は続き、2003年末に山東省の浅層地下水の過剰揚水地域は1.375万㎢に達 しており、さまざまな悪影響を生んでいる

27)

。特に1㍑当たり2.5㌘を超える塩分を含んだ水は直接 の飲用が難しく、長期にわたる飲用は血管関係の病気を誘発する可能性が大きい

28)

その一方で、低濃度の塩水による灌漑の実験が、河南省で1970年代におこなわれている。河南省の 廃黄河に近い虞城の試験田で、1㍑当たり3〜5㌘の塩水を含む農業用水による灌漑をおこなって、

平均して小麦で35.3%、棉花で32.7%、夏トウモロコシで50.7%、春トウモロコシで37.6%と、それ

ぞれ増産できたとしているが

29)

、これだけの増産効果があるならば、各地で実際に大規模に推進さ

れているだろう。しかし、各地に普及し顕著な成果を生んだという情報は、管見の限りでは見られな

い。むしろ塩分を含む水質に転化したことで動力井戸は廃止され、良好な耕地はその特質を失い、塩

水の浸入によって普通の年で減収が20%、日照りの年の減収が40%以上になるという報告の方が信用

できる

30)

。さらに水資源確保のために南水北調東線工程の利用によって、年間600万㌧の塩を含む水

(5)

を山東半島や天津に送ることになり、後世に災いを残すことになるとの指摘もある

31)

山東省の主要な都市が直面する水資源状況はどうか。黄河最下流に位置する浜州は深層地下水に海 水が入り、塩分濃度の上昇によって一般住民の飲水が困難となった

32)

。済南は「泉城」と称せられ るほど泉が多かったが、豊水期でも泉水が吹き出す光景が見られなくなり、乾期には泉水が絶たれる ようになった。その背景には工業用水や生活用水の浪費、「大水漫灌」ともいわれる農業用水の浪費 があると指摘されている

33)

。淄博は地下水が主要な供水源で、動力井戸による井灌面積は総灌漑面 積の92.1%を占めている

34)

。棗庄では地下水の過剰揚水で地下水位が低下し、土壌の脱水化が進んで 地割れが出現している

35)

。威海では海浜で塩田を設置した後、地下水の塩分濃度が高まった

36)

。日 照では塩分濃度が1㍑当たり2㌘を超え、飲水に適さなくなったので、供水停止に追い込まれた

37)

。 このように地下水の過剰な開発は地盤沈下を生み、汚染水の通り道を作り出し、汚染された水は含 水層に入り、地下水汚染を生んでいるのである。汚染物質には、硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、アンモ ニア窒素、塩素化合物、フッ素化合物、鉄、マンガンなどである

38)

。山東省における塩水の浸透と 塩分濃度の上昇は、水資源の活用にとっても大きな制約条件となっている。欠水状況の続く山東省で は、黄河を初め省内の各河川からの渤海や黄海に流入する地表径流は無駄と考え、山東半島に地下ダ ムを建設すべしという提言があるが

39)

、河川水が入海することは生態環境の保持にとっても意義が ある。その一方で、巨費を投じて地下ダムを建設しても、塩分濃度の上昇や汚染の進行があれば供水 源としての価値を失ってしまうことになるので、意味があるとは思えない。

河南省と山東省の北に位置する河北省と北京市・天津市は、ほとんどの地域が海河流域に含まれて いる。山西省も一部が海河流域の供水地となっている。海河流域は降水量が少なく、乾燥が目立つ地 域であり、これまで地下水に頼らざるをえなかった。山西省を水源とする滹沱河流域の大都市である 石家庄の用水源は、20世紀末の段階で90.7%が地下水に頼っており、補給を上回る揚水量は年間5,000 万㎥以上となり

40)

、地下水位の低下が目立っている

41)

。同時期の河北省の地下水による灌漑面積比 は81.5%に達し、華北の周辺省区の比率を凌駕している

42)

河北省では23 ヵ所の地下水位低下地区があり、海平面より低い地域の面積が7万㎢に達する複合 水位低下地域であって、世界最大規模である。地下水位の低下によって動力井戸が廃止に追い込まれ、

石家庄・衡水・滄州の3地区だけで1996年に廃止が報告された動力井戸は19,000本以上になり、地下 水の揚水経費も増加の一途をたどっている

43)

北京は南水北調中線工程の終着点であり、2004年には地下水利用が全供水量の77%に達してい る

44)

。北京は首都であるとともに工業区を持つ大都市であって、7つの主要な水源地はいずれも北 京の近郊にある。北京の東北に位置する密雲ダムは、本来農業灌漑への供水を主要な目的としてきた が、北京の慢性的な水不足のため工業用水や生活用水として活用せざるをえなくなっている

45)

。密 雲ダムと並ぶ巨大ダムである官庁ダムは、山西省から流れ込む桑乾河が主要な供水源であるが、長期 にわたる汚染で用水源として利用することが困難となっている

46)

20世紀末に北京水文地質公司は、主要な水源地の供水能力を高めるために聯合して貯水する計画を 打ち出したが、その中心となるのは地下ダムの構想である

47)

。この構想を実現する前提となるのが、

(6)

当然ながら汚染の防止である。北京の汚水排出量は増加を続けており、21世紀初頭には年間16億㌧に 達し、その中の60%が処理されているので、再生可能水資源は年間10億㌧前後といわれる。この水資 源を地下ダムの重要な供水源とするというのである

48)

。さらに北京周辺の工場は用水源確保のため の動力井戸を約2,000本保有していて、揚水する地下水の総量は年間3〜4億㎥になるが、そのうち 空調冷却用水は約2億㎥で、この大部分を管道式の閉鎖循環にして水資源の節約を図るべきという主 張もあり

49)

、節水の必要性からも当然である。

北京では未処理で排出される汚染水は依然として多く、ゴミ等の埋立も土壌への浸透によって地下 水汚染につながっている。2000年の調査では、北京のゴミ埋立処分地のうち5ヵ所だけが衛生的な埋 立地であり、40 ヵ所以上が簡易埋立地では汚染防止は容易ではない。さらに北京の約30 ヵ所の石油 ステーションが貯蔵タンク漏れの問題を抱え、流域での過剰な農薬や化学肥料の使用も地下水汚染に つながっている

50)

北京周辺で汚染された水は、海河を通して渤海湾に排出されるが、21世紀初頭段階で14.38万㎢の 広さのこの流域で汚染された地下水資源量は171.5億㎥となり、地域の地下水資源量の63.1%を占め ている。この地域では61.7%の面積の地下水が飲用に適さず、34.1%の面積の地下水は農業灌漑の標 準にも達していない

51)

。沿海部の天津では、過剰な地下水揚水による地下水位の低下が続き、結果 として1㍑当たり2㌘以上の塩分濃度の地下水の広がりが見られる

52)

3、西北地方と東北地方の地下水資源と環境

祁連山脈の水は河西回廊に流れ下り、シルクロードの経済活動を支えてきた。この河西回廊の東部 にあるのが石羊河であり、この流域の地下水利用率は20世紀末段階で87%に達し、騰格里砂漠にある 民勤オアシスの水資源を逼迫させてきた。民勤オアシスの耕作放棄地は拡大し、動力井戸は使えなく なり

53)

、土壌の塩漬化は農産物の大幅な減産につながっている。必要な用水量である年間約5億㎥

を確保するためには、1990年に甘粛省政府が決定した上下流の分水比率を守っていくしかない

54)

。 黒河流域では、末端湖の復元をめざして地表水の使用を規制し、正義峡以下の径流量を年間9.5 億㎥確保することになった。その結果、野菜や棉花などの商品作物栽培は地下水に頼ることになって、

地下水位の急速な低下を生んでいる

55)

疏勒河流域では、石羊河と同様にダムを建設し、地表水の利用率を高める方法をとったが、地下水 への補給量が急減して地下水位が大幅に低下した。地表水は蒸発によって20%以上の資源量を失い、

大規模な土壌塩漬化を生んで、生態環境を悪化させた

56)

。疏勒河下流域に近く党河下流域に位置す る敦煌では、1997年から2007年にかけて地下水の揚水量を年平均で20%増加させ、地下水位を低下さ せた

57)

。結果として鳴沙山の山麓にある月牙泉の水位は1986年からの10年間で2㍍低下し、水面は 38.6%に縮小した

58)

新疆ウイグル自治区東部のトルファン盆地では、カレーズ(坎児井)という地下水道が長期にわたっ

てブドウや瓜などの生産を支えてきた。この地域では、さらなる生産力増強をねらって1965年より動

力井戸が建設され始めたが、無秩序な動力井戸の掘削とカレーズとの競合などから揚水量や流量が大

(7)

幅に減少してきている

59)

。新疆ウイグル自治区南部の内陸河川であるタリム河は、上中流での取水 によって下流が断流し、地下水位が低下して胡楊林や紅柳林を枯死させ、地下水の含塩量を大幅に増 加させている

60)

中国の東北地方は、地下水資源の確保と汚染などの環境問題への対処に追われている。東北三省の 中で最大の面積を持つ黒竜江省の東北部に、10.88万㎢の広さの三江平原がある。黒竜江と烏蘇里江 の氾濫と河流の移動が形成した沖積平原は、世界の三大黒土地帯の一つに数えられる

61)

。黒竜江省 は中国第2位の米の生産高を維持しているが、三江平原はその中核をなしており、動力井戸の灌漑に よる水稲栽培面積は、1,400万畝(1畝は約6.67㌃)余りで、地下水の揚水量は毎年約1,000億㎥に達 している。この動力井戸による灌漑が盛んになったのは1990年代以降のことであるが、地下水位の低 下を招き、年平均で0.5 〜1㍍、部分的には2.2 〜 2.8㍍の地下水位低下を招いている

62)

烏蘇里江の支流である撓力河流域は水稲栽培を担う地域の一つであるが、年間の平均降水量は 505㎜で、降雨の大部分は6〜9月に集中し全年降水量の70%を占めている

63)

。2005年の撓力河流域 の水資源開発総量は19億3,312万㎥で、地表水と地下水の開発比率は30.11%と69.89%となっており、

地下水の中での浅層地下水と深層地下水の開発比率は97.27%と2.73%で

64)

、圧倒的に浅層地下水の 揚水比率が高い。それは当然コスト面を反映していると考えられるが、地下水位の低下とともに深層 地下水の使用比率が高まっていくことになるし、水資源の持続可能性という面でも問題がある。一方 で、撓力河流域の年平均地表水資源量は10.81億㎥で、利用率が46%に止まるため、地表水利用のた めの工程の補修・強化が必要である

65)

。農田の灌漑や用水路の漏水は地下水の重要な補給源となっ ていて、灌漑水の回帰係数が0.1 〜 0.24の間にあるが

66)

、動力井戸が1万本を超えて一部に地下水位 の低下に加えて湿地の退化や地盤沈下も指摘されるなどの状況が見られ、総合的な水資源対策が求め られている

67)

中国の東北地方は、黒竜江省だけでなく吉林省・遼寧省の両省も年間の降水量が500 〜 700㎜程度 に止まっているため、水資源確保は大きな課題となっている。瀋陽は遼河沖積層での水源確保に努め ており、渾河から取水する李官堡など8ヵ所の水源地を持っているが、供水を担う井戸水自体が汚染 されており、一部ではアンモニア窒素が基準値の35倍、マンガンは85倍を超えるなど汚染が深刻化し ている

68)

黄海に面する大連は、1960年代に地質部門の調査を経て南関嶺などに水源地を設けた。その後、当 地の農民も水源地の近くで井戸を掘り、大量の地下水を汲み上げた。その結果、1970年代には60年代 に比べて揚水量が3倍増えた。当然、地下水位は低下し、海に近いことから地層中に海水が浸透し、

海水浸透面積は平均して毎年11.5㎢のペースで拡大した

69)

。遼寧省には重厚長大型企業が立地し、汚 染水対策が不十分であることはすでに指摘したが

70)

、地下水に関しても硝酸塩・鉄・マンガン・フェ ノールなどの含有量が大きく

71)

、塩分濃度の上昇も地下水利用の可能性を小さくしている。

おわりに

従来から「地下水はこれを取っても尽きず、これを用いても喝

かれ

72)

」という認識が幅をきかせて

(8)

きた。しかし、地下水は地球の水体積全体の0.61%しかなく

73)

、特に塩分濃度が1㍑当たり1㌘より 小さい淡水はきわめて貴重である

74)

。地下水は再生可能な水資源であり、飲用水の水源ともなる戦 略的で生態系統を支える役割を持っている

75)

。ただし地下水の循環については、浅層地下水の更新 周期が数ヵ月から数十年であるのに対して、深層地下水は数十年から数十万年に及び

76)

、 「再生可能」

という表現で包括できない水資源でもある。

21世紀に入ってから世界各地で地下水の過剰使用と資源量の減少、地下水位の低下、汚染といった 問題が深刻化してきている。地下水科学では、地質環境を研究対象とすることが多く、地下水の開発 利用という面での分析に重点がおかれている。これに対し、地下水の過剰使用と汚染がもたらす環境 問題の解明を主要テーマとしている研究は少ない。本稿の最初に述べたように、21世紀に入ってから 発行された研究書でも、基本データ取得への取り組み姿勢が甘いのか、20世紀後半のデータに拠るな ど最新の状況を解明する上での制約が多い。

黄河流域は年間降水量が少なく、黄土高原の環境破壊とあいまって、黄河本流の径流量増加が見込 めない。黄河上中流域では河水から地下水への補給があるため、用水量は確保できているが、蒸発量 が大きく土壌の塩漬化を生んでいる。最大支流である渭河の流域にある西安などでも地下水位の低下 や地盤沈下が続いている。黄河中流域では主として石炭や鉄鋼などの重工業の影響で、河流だけでな く地下水の汚染も進んでいる。山西省に源を持つ桑乾河の汚染は、北京の水源となってきた官庁ダム を汚染させ、北京での汚水処理の不徹底もあって、下流の海河の水質を悪化させるなど、流域相互の 関係も無視できない。

洛陽の洛水や地下水に頼る水源地運営は、統一管理の欠如で、計画揚水量が確保できていない。20 世紀後半に黄河の断流に直面した山東省は、地下水に頼る比率が高く、過剰な揚水は地層への海水浸 透を生み、土壌の塩漬化は農産物の減産をもたらしている。地下水中の塩分濃度の上昇は、都市の市 民生活や経済活動に影響している。海河流域でも過剰な地下水使用が、山東省と同様の影響を生じて いる。沿海部はいずれも地下水位低下にともなう地下水中の塩分濃度上昇に直面しているのである。

河西回廊では祁連山脈に近い上中流部での用水量増大が、下流での地下水位低下と生態難民を生ん でいる。新疆ウイグル自治区ではタリム河の下流域での断流が地下水位を低下させ、含塩量を増加さ せ、胡楊林・紅柳林を枯死させている。上流と下流の統一的な水管理ができないことが、下流域の地 下水資源への悪影響と生態環境破壊を生んでいるのである。

東北地方では、黒竜江省の三江平原などでの水稲栽培に地下水を大量に使用することから、地下水 資源の持続可能性に問題を生じている。遼河流域では、地表水汚染が地下水汚染に繋がり、沿海部で の過剰な揚水は海水の浸透を生んでいるのは、他の沿海部と同様である。

地下水利用増加の背景となっている水不足対策の有力な手段は、用水価格の引き上げによる節水効

果である。しかし、地下水は一般的に用水権は設定されていない。動力井戸を設置し、稼働させる資

金があれば、その恩恵にあずかることができる。それが動力井戸の乱掘を生み、地下水位の低下に応

じて、開発は浅層地下水から深層地下水へと向かうことになる。ただし深井戸になれば建設・運用コ

ストの増加は避けられない。さらにフッ素などの溶解物質を含む深層地下水を揚水することにもな

(9)

り、再生不可能なまでに地下水開発を進めることになるであろう。「地下水は誰のものか」という問 いかけも必要で、資金面で恵まれた者だけが独占的に使用してよいものではないし、汚染された地下 水の治理の困難さを考えれば、汚染の要因を可能な限り除去する努力が求められる。「多竜管水」と いう管理責任の分散体制の是正と水資源の統一管理体制の確立が求められる。

南水北調は、華北の水不足を解決する手段として運用されている。そのうち東線工程は「汚水北調」

にならないよう淮河流域などでの汚染防止が必要であるし、中線工程では丹江口ダムから南流する漢 水流域の用水量との調整が不可欠である。汚染防止と節水は、地下水資源の持続可能性にとって最も 重要な取り組みであり、中央政府と地方政府が連携して計画的に確実に進めていかなければならな い

77)

[註]

1)仵彦卿編著『地下水環境監測網優化方法与実践』(中国環境出版社、2015 年、以下『地下水環境監測』と略す)

1頁。

2)インドは国土面積に対する耕地比率が世界一である一方で、水資源には恵まれていない。筆者は 2017 年3月 上旬にインドのデカン高原を旅したが、流域開発が問題となっているナルマダ川を除き、大半の中小河川が断 流かそれに近い状況にあり、各地に電力による揚水機能を持つ井戸が見られた。節水灌漑がおこなわれている とはいえ、地下水の枯渇の可能性が語られる実情が理解できた。

3)拙著『中国の環境政策〈南水北調〉』(昭和堂、2014 年)参照。

4)秦毅蘇・朱延華・曹樹林・余国光・李俊亭編著『黄河流域地下水資源合理開発利用』(黄河水利出版社、1998 年、以下『黄河流域地下水資源』と略す)14 頁。

5)『黄河流域地下水資源』16 頁。

6)同前書、18 頁。黄河から引水された用水の再生利用率で見ると、20 世紀末段階で上流域に位置する西寧で 53.1%であるのに対して、下流域の済南では 89.9%となっており(同前書、60 頁)、水資源逼迫の度合いが再生 利用率の差となっていると考えられる。

7)同前書、55 頁。

8)同前書、21 頁。

9)同前書、63 頁。黄河上中流域は比較的降水量が少ない上に蒸発量が大きく、20 世紀末段階で銀川平原の次生 塩漬化面積は耕地面積の 55%に達し、隴西と寧夏では塩分濃度が1㍑当たり3㌘以上の土地は 16,507㎢に達し、

「塩原」となっている(同前書、82 頁、85 頁)。

10)同前書、69 頁、81 頁。

11)周永昌・郭曉峰・趙小平・徐永勝主編『山西地下水資源与開発利用研究』(山西科学技術出版社、2013 年)21 頁。

12)同前書、56 頁。

13)同前書、642 頁。なお同前書、645 頁では、1985 年の汚水処理能力は5%に足らず、全省の 87%の河道が汚 染されていると述べている。山西省では、1980 年代中期より石炭採掘の規模が拡大を続けており、大気汚染に 加えて、関連産業の廃水や人口拡大に伴う生活排水、農業排水に含まれる農薬や化学肥料等の汚染源は多岐に わたっており、経済・技術条件の制約もあって汚染処理率は低い水準に止まっている。

14)同前書、22 頁。

15)同前書、666 〜 667 頁。地下水取水量の比率を流域で分けると、海河流域が 33.6%であるのに対して黄河流 域が 66.4%となっていて、黄河からの引水より地下水利用の方が優先されていることが分かる。また地下水の 過剰な開発によって泉源が枯渇しつつある(同前書、822 頁)。

16)同前書、645 〜 646 頁。

17)同前書、646 〜 647 頁。

(10)

18)王現国・王和平・葛雁・陳峰・周奇蒙・呉永建・陳衛里著『地下水資源保護研究』(黄河水利出版社、2012 年)

22 〜 23 頁。

19)同前書、28 頁。

20)同前書、37 〜 38 頁。

21)同前書、74 頁、119 頁。

22)『黄河流域地下水資源』56 頁。

23)王開章・孔凡亮・王令文編著『山東省地下水資源開発与環境問題』(黄河水利出版社、2002 年、以下『山東 省地下水』と略す)28 〜 29 頁。黄河の断流に関しては、前掲拙著 18 〜 19 頁、参照。

24)『山東省地下水』43 頁。

25)同前書、58 頁。

26)陳夢熊・馬鳳山著『中国地下水資源与環境』(地震出版社、2002 年、以下書名のみ示す)268 頁。莱州市の 年間降水量は 1954 〜 1974 年で平均して 658.6㎜であったが、1977 〜 1989 年には平均 425㎜に減少した。一方、

当地の小麦生産量は 1949 年と 1978 年を比較すると 4.38 倍増となっている。

27)劉江・孔憲芳・張静・楊淑華・李森「山東省地下水非宜人特徴及優化研究」(斉学斌・樊向陽主編『中国地下 水開発利用及存在問題研究』中国水利水電出版社、2007 年、以下『中国地下水開発利用』と略す。83 頁)。

28)周彬・王世楊・馬延龍・張星導「農村飲用非安全地下水成因及工程技術措施探討」『中国地下水開発利用』66 頁。

29)『中国地下水資源与環境』119 頁。華北平原に分布する濃度の薄い塩水は 60 億㎥に近く、開発利用のための 少なからぬ経験を得ているので、水文地質研究所が提供した 70 ヵ所近い地点では地下ダム建設の可能性が大き く、今後灌漑用水不足を解消する一つの重要な道であると、同前書、66 頁でも述べている。

30)『山東省地下水』40 頁。

31)同前書、62 頁。

32)同前書、35 頁。

33)同前書、89 頁、92 頁。

34)同前書、99 頁。

35)同前書、107 頁。

36)同前書、131 頁。

37)同前書、134 頁。

38)同前書、50 頁。

39)同前書、77 頁。

40)『中国地下水資源与環境』321 頁。

41)『地下水環境監測』166 頁。

42)全達人主編『地下水利用』(中国水利水電出版社、1996 年)3頁。

43)周訓・胡伏生・何江濤・王旭升・趙亮編『地下水科学概論』(地質出版社、2009 年)194 〜 195 頁。

44)同前書、188 頁。

45)『中国地下水資源与環境』321 頁。修建中の高碑店汚水処理廠の設計浄化能力は日量 100 万㎥で、北京全体の 汚水の約 50%を再生できるとしており、官庁ダムは治理後に年間2〜4億㎥の供水能力を回復するとしている

(同前書、327 頁)。

46)同前書、317 頁。

47)同前書、350 〜 351 頁。

48)同前書、346 〜 347 頁。

49)同前書、348 頁。

50)趙勇勝編著『地下水汚染場地的控制与修復』(科学出版社、2015 年)3〜5頁。

51)『地下水資源保護研究』3頁。

52)『地下水利用』11 頁。地球温暖化の影響などで海面が 0.5㍍上昇すれば、天津市の 44%の面積が海面以下とな

り、地下水の塩分濃度の上昇などの悪影響が生じる(『中国地下水資源与環境』290 頁)。

(11)

53)『中国地下水資源与環境』156 頁によれば、民勤オアシスでは一時 17,000 本以上の動力井戸が建設され、

100㍍以上の深井戸は 8,000 本以上で、年間5億㎥を超える揚水量であったという。

54)同前書、52 頁、156 〜 158 頁。ただし民勤県の紅崖山灌区では用水価格の高さから、2001 年段階では分配予 定の年間 6,100 万㎥ではなく 4,500 万㎥の消費に止まっている(張蔚榛・張瑜芳「地下水超采対農業灌漑的影響 及其対策」『中国地下水開発利用』16 頁)。

55)『中国地下水資源与環境』158 〜 159 頁では、この工程を評価しているが、中尾正義『地球環境学と歴史学』(山 川出版社、2015 年)第7章では、地下水資源を食いつぶすことになって、中流域の農業も移住を強いられた牧 民の生活もともに成り立っていないと批判している。前掲拙著、68頁では、正義峡より下流では漏水や蒸発によっ て水量確保が困難で、オアシスを救う有力な手段とはなりえないと指摘している。

56) 『中国地下水資源与環境』160頁。疏勒河流域の双頭水庫は、上流域で塩漬土壌の処理を誤ったため「塩池」となり、

下流の安西オアシスの灌区を塩漬土壌化してしまった(前掲拙著、69 頁)。

57)『地下水環境監測』148 頁。

58)『中国地下水資源与環境』161 頁。

59)同前書、176 頁。

60)同前書、203 頁、『地下水利用』266 頁では、新疆ウイグル自治区の生産建設兵団農五師九十団は、塩漬地で 灌漑を実施して成果を生み、連年豊作と述べているが、拙稿「新疆ウイグル自治区南部の水環境」(『神戸女子 大学文学部紀要』第 50 巻、2017 年)で述べているように、塩漬土壌の地の農作物栽培は困難を伴っているケー スが大半であろう。

61)呉昌友著『三江平原地下水数値模擬及仿真問題研究』(中国農業出版社、2011 年)1頁。

62)同前書、2頁。

63)同前書、19 頁。

64)同前書、32 頁。

65)同前書、34 頁。

66)同前書、47 頁。

67)同前書、92 頁。

68)『中国地下水資源与環境』338 頁。

69)同前書、320 頁。

70) 拙稿「中国東北地方の水資源と環境-遼河流域を中心に-」 『神戸女子大学文学部紀要』第 49 巻、2016 年、参照。

71)『中国地下水資源与環境』343 頁。

72)『地下水利用』261 頁。

73)『地下水科学概論』1頁。

74)『黄河流域地下水資源』24 頁。

75)『地下水環境監測』1頁。

76)「地下水科学概論」58 頁。

77)2015 年4月2日に国務院が発表した「水汚染防治行動計画の通知」では、① 2020 年までに化学肥料の利用 率を 40%に高め、低農薬で生育する環境効益が突出した農作物の栽培、②動力井戸の建設規制と未公認の井戸 の閉鎖、③地下水の揚水禁止区と制限区の設定などを通して、2020 年までに全国の水環境の質と量は段階的に 改善される、と宣言している(国務院等『水汚染防治行動計画』人民出版社、2015 年、3〜 14 頁)。しかし、

法体系の整備、予算措置、統一的管理機構の整備と人員の配置など具体的な取り組みを時間をかけて進めない

と実効性を持たないし、2015 年に通知して 2020 年に効果を生むような簡単な取り組みではないことは指摘し

ておきたい。

(12)

キーワード:中国北部、地下水、環境

中国北部の地下水と環境関係略図

参照

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