手続き型モデリングによる紙飛行機の制作過程の分析と考察
Analysis and Consideration on Process of Making Paper Airplane by Procedure Modeling Method
1W163113-5 堀 有輝 指導教員 坂井 滋和教授
Hori Yuki Prof. SAKAI Shigekazu
概要: 物の作成過程には共通した部分があるのではないか,という考えに基づき,手続き型モデリング によって作成過程をパラメータ化し,紙飛行機の作成過程の体系化を目指した。折り紙の“折る”動作をプ ロシージャルに行えるシステムを構築し,それを用いて16種類の紙飛行機のモデリングを行った。その 作成過程をパラメータに基づいて分析した結果,15種類の紙飛行機を体系化することに成功した。
キーワード: 手続き型モデリング,紙飛行機,折り紙 Keywords:procedure modeling,paper airplane,Origami
1 研究背景・目的
3Dモデリングの手法の一つに手続き型モデリ ングがある。手続き型モデリングでは,モデリン グにおける一連の変形作業をプログラムにより実 現する。
手続き型モデリングの利点は,パラメータの変 更・プログラムの追加・削除が可能なので,任意 の段階での任意の修正が容易である点だ。また,
その工程(プログラム)を俯瞰的に見ることによ って,客観的に自分のモデリングの工程を見直す ことができる。
これによりパラメータから数式的に今まで見え なかった,ものを構成する法則性を見つけること が本研究の目的である。
2 先行研究と本研究の研究対象
阿部の論文[1]では,折り紙のつるの手続き型モ デリングを通して,手続き型モデリングの優位性 を述べている。また,Nika Ragua[2]が基本的な 紙飛行機のモデリングまで実現しているが,多様 な紙飛行機は実現していない。
本研究では,手続き型モデリングの優位性を活 かして,作成過程が明確でかつ手頃なものとし
て,紙飛行機のモデリング過程のパラメータによ る体系化を目指す。また,本研究では手続き型モ デリングのツールとして,Houdiniを用いる。
3 研究内容
折る動作は,①折る線の決定,②折る線の周り に線を増やす,③折る,の3段階に分けられる。
また,折り方を変えるパラメータとして,①で 折る方向(Direction),折る線の中心(Origin),③ で折る角度(Angle)を,後に変更容易にするシステ ムを構築する。
基本的な紙飛行機として以下の図1に示す紙 飛行機をモデリングした。その後,同様の手段に より,折る動作を複合的に組み合わせ,16種類の 紙飛行機を作成する。
図1 基本的な紙飛行機の3Dモデル 4 結果
以下の図2,3に作成に成功した,15種類の紙飛 行機の3Dモデルを示す。なお,1種類は用意し
た関数の能力不足により工程が再現できず,完成 に至らなかった。
また,その工程を図4に示す。
5 考察
本研究では二つの問題点が生じた。一つは,“上 側だけ折る“挙動が実現できなかった。そのため,
羽根を折る段階と中央で折る段階を逆に実装し た。また,1種類の紙飛行機を再現できなかっ た。もう一つは,つるのくちばしのように“つぶす
“折り方が再現できなかった。
折る方向のパラメータを評価の基準とし,折り 方の種類を6種類に分類した。
また図4から,①折り目をつける,②形成,③ 羽根を折る,④中央で折る,という4段階で折ら れていることがわかる。
6種類の折り方をFold Type(FT)1~6とし,
分析・考察した結果,図5のような体系が得られ た。
6 結論と今後の発展
紙飛行機は4段階で折られ,折り方は大きく分 けて6種類あるということがわかった。また,図 5のように15種類の紙飛行機の作成過程を体系 化できた。
紙飛行機に限らず,生物,人工物,自然物など すべての折り紙の折り方を体系化することによっ て,折り紙全体の体系を作ることができるのでは ないか。
1枚の紙から作れる複雑な形がわかることによ り,少ない材料で物の形を作ることができるよう になることが期待できる。
7 参考文献
[1] 阿部修平,『動作の状態遷移関数化による手 続き型モデリング手法の提案』,早稲田大学大学 院基幹理工学研究科,2019年
[2] Nika Ragua,“Making Origami in Houdini part1・2”,Vimeo, 2016年3月,
https://vimeo.com/158338155(2019年12月10 日閲覧)
図2 11種類の紙飛行機の3Dモデル
図3 図2の①,④から派生した紙飛行機
図4 15種類の折り紙の作成過程
図5 紙飛行機の作成過程の体系