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大阪府立産業技術総合研究所 No.

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酸化チタン、光触媒、薄膜、スパッタリング、アセトアルデヒド 概要

概要概要 概要 概要

光触媒作用を示す酸化チタンは太陽の光で NOx を分解したり、臭い除去、汚れ防止や殺菌 作用などを示すため、最近盛んに商品開発が検 討されています。酸化チタンが光触媒作用を示 す原因は酸化チタンに光(波長 400nm 以下の紫 外線)が当たると表面に酸化力の高いヒドロキ シルラジカル(・OH)が生じ、有機物を酸化分解 すると言われています。他にも光触媒作用を示 す材料は見つかっていますが、酸化チタンは高 い酸化作用を示し、化学的に安定で、工業用材 料としてよく使われている安全な材料です。当 初、酸化チタンの粉末が無機のバインダー(シ リカなど)と混ぜ合わせて塗布され使われてい ましたが、最近は液状で塗布できる薬品が出さ れています。しかしながら、やはり無機のバイ ンダーが混ぜ合わされるため光触媒作用は酸化 チタン粉末より低下します。また、酸化チタン による光触媒は太陽光の紫外光で起こってお り、大きな負荷には適さないと言えるでしょ う。光触媒作用が太陽からの可視光で実現でき ればよいのですが、残念ながらまだ実用化には 至っていません。

最近の家屋は密閉構造となり、内装材から発 生するホルムアルデヒドやタバコから発生する アセトアルデヒドなど様々な有機気体が充満 し、人体に悪影響を及ぼすことが指摘されてい ます。また、冷蔵庫からの臭いや老人臭なども 問題となっており、改善策として空気清浄器や 空気清浄機能を付与したエアコンなどが盛んに 検討されているのが現状です。

当研究所ではスパッタリングという成膜方法 で、室内空気環境を改善するための酸化チタン 膜をガラス基板やアルミ基板上に作製し、アセ トアルデヒドの光分解特性を検討しましたので 紹介します。

酸化チタン膜の作製法 酸化チタン膜の作製法 酸化チタン膜の作製法 酸化チタン膜の作製法 酸化チタン膜の作製法

酸化チタンは主に3つの結晶構造が知られて おり、そのなかでアナターゼ構造が最も光触媒 効果を発揮することが報告されています。その ためまずアナターゼ構造の膜生成条件を探すこ とが中心になります。その後、光触媒効果を調 べます。当所で検討していますスパッタリング は真空容器の中で一定割合の酸素を添加したア ルゴン気体中で放電させ、そのプラズマ中に出 来たアルゴンまたは酸素イオンがターゲット材

(ここでは金属チタンや酸化チタン)をはじき とばして、近くにおいた基板に膜を堆積する方 法です。この方法は液晶テレビ、携帯電話など の中の半導体部品を作る時によく使われていま す。この方法の長所は比較的低温で種々の基板 に直接膜を成膜でき、成膜条件で結晶構造を調 整できることです。短所としては成膜速度が遅 く、そのため高価となります。しかしながら、光 触媒は膜表面で起こり、膜厚は薄くても良いた め、今後は、本方法での製造が期待されていま す。表1に当所の装置でターゲット材に金属チ タンを使用した時の酸化チタン成膜条件を示し ます。ターゲットに酸化チタン焼結体を用いる 場合、ターゲットは絶縁体なので高周波電源を 使用しますが、いずれのターゲットを用いても 目的の酸化チタン膜は作製できます。

表1 酸化チタン成膜条件 表1 酸化チタン成膜条件 表1 酸化チタン成膜条件 表1 酸化チタン成膜条件 表1 酸化チタン成膜条件

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酸化チタン光触媒膜の作製

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基板はガラスを用いましたが、他の材料でも かまいません。但し、ナトリウム(Na)など のアルカリ金属を含む基板は光触媒活性が低下 するため使えません。

光触媒評価法 光触媒評価法光触媒評価法 光触媒評価法 光触媒評価法

図1はアセトアルデヒドの光分解に用いた評 価装置です。5リットルのアクリルボックス中 に6Wのブラックライト(紫外線を照射)を設 置し、酸化チタンを成膜した試料をブラックラ イト下に設置した後、アセトアルデヒドを注射 器で 100ppmの濃度に投入します。アセトアルデ ヒド濃度はブラックライトを点灯後、検知管で 一定時間ごとに測定し、その濃度減少を観察し ます。

光触媒効果 光触媒効果光触媒効果 光触媒効果 光触媒効果

成膜条件により光触媒効果は変わりますが、

ガラス基板(30mm × 60mm)に酸化チタンを厚み 600nm に成膜した試料のアセトアルデヒド分解 特性の一例を図2に示します。図からアセトア ルデヒドは紫外線照射により急速に分解し 1.5 時間でほとんど分解されることが分かります。

アルミニウムを基板に用いても光触媒特性は認

められます。また、作製した酸化チタン膜は一 酸化窒素(NO)の分解も起こることを確認して います。残念ながら、アセトアルデヒドはフィ ルターで紫外線を除いた光を酸化チタン膜に照 射した場合、酸化分解しません。

まとめ まとめまとめ まとめまとめ

以上のように、30mm × 60mm の小さなガラス 基板の上に作製した酸化チタン膜は100ppmのア セトアルデヒドを容易に分解します。しかしな がら前述したように紫外線の照射が必要となり ます。室内で使用する場合、紫外線照射は出来 るだけ避けたいところです。今のところ室内に 設置されている蛍光灯からもわずかに紫外線が 出ており、その紫外線を利用してアセトアルデ ヒドを分解することは可能です。実際に蛍光灯 のそばに酸化チタン膜を置いておくと、ブラッ クライトに比べて分解特性は著しく低下します が、アセトアルデヒドは徐々に二酸化炭素と水 に分解します。今後は紫外線を利用せずに、可 視光で光触媒を示す材料の研究が望まれます。

文献 文献文献 文献文献

特願平 10‑301475 光触媒体の作製方法

作成者 材料技術部 薄膜材料グループ 野坂俊紀 Phone:0725‑51‑2667 発行日 1999年12月15日

図2 酸化チタン膜の光触媒効果 図2 酸化チタン膜の光触媒効果図2 酸化チタン膜の光触媒効果 図2 酸化チタン膜の光触媒効果図2 酸化チタン膜の光触媒効果

図1 光触媒評価装置 図1 光触媒評価装置 図1 光触媒評価装置 図1 光触媒評価装置 図1 光触媒評価装置

参照

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