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芦 田 宣 久

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Academic year: 2021

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(1)

特別支援教育における「交流教育」に関する研究 一 特 別 支 援 学 級 と 通 常 学 級 の 交 流 教 育 を 通 し て 一

障害児教育専攻 芦 田 宣 久

はじめに 問題の所在と目的

子どもたちは,さまざまな人と関わって生活 している。学校では子どもたちが,人とのかか わりを深めたり,広げたりするために,交流教 育が進められている。だが,交流教育の重要性 が指摘されている一方で,課題も挙げられてい る。本研究では,小学校の特別支援学級の児童 と,通常学級の児童の両方の立場から検討して 現状と課題について明らかにすることにした。

研究方法

1.

文献研究。小学校における交流教育でこ れまで行われてきた特別支援学級(特殊学級) と通常学級との交流教育に関して文献を収集し,

分析する

o

2. 実践研究。 T県A小学校の協力を受け,

特別支援学級と通常学級との交流について,教 師へのインタビュー調査,交流先児童への意識 調査,授業分析を行う。

本論

1

章特別支援学級と通常学級の交流に関す る動向

1

節では,交流教育の行政の動向について 述べた。辻村報告

(1969)

を受け,交流教育に 関する提言が教育課程審議会から行われた。

1970

年代の交流教育は障害児にとっての必要 性は挙げられていたが,非障害児についての教 育的効果等は挙げられず,障害児の側からしか 考えられていなかった

o

また,障害児の教育が

指導教員 八 幡 ゆ か り

非障害児の教育から遊離しないようにという考 え方も強かったことがわかった

01980

年代後半 になり,非障害児にとっての交流教育の教育的 意義が初めて取り上げられた。

1990

年代になり,

交流教育が,障害児にとって有意義であるばか りでなく,非障害児にとっても,また,地域社 会の人々にとっても,双方に意義のある教育と

されるようになった

o

現代においては,特殊教 育から特別支援教育へと法改正され,交流教育 も「交流及び共同学習

j

へと名称変更された。

そして,交流の充実のために,次のことが課題 に挙げられていた。①特殊学級を担当する教員 と通常の学級を担当する教員の連携。②特殊学 級に在籍する児童生徒が通常の学級で学ぶ機会 を適切にする。③交流の内容を,交流の機会を 増やすだけでなく充実した交流を行う。このよ うに,通常学校における校内の交流に対する重 要性が強調されていたことが明らかになった

O

2

節では,交流の実践の動向について述べ た 。

1980

年代初期の実践段階では,交流教育の 効果について,障害のある児童だけでなく,非 障害児,教師にとっても効果のある活動と捉え,

継続的な交流の蓄積や,教師聞の交流の重要性 が明らかになった。

1990

年代の実践では,交流 の重要性について,次のことが明らかになった

o

①共通した学習体験の場を計画し,交流の回数 を多くする継続的な交流を行う。②自己反省を する場を設けることで,相手のよいところをみ

‑236‑

(2)

つけ,自分を見直すよい機会になる。③交流の 授業を通して,全職員の共通理解を図る。現代 の実践では,

r

交流及び、共同学習

J

としづ名称に なり,行事等の交流だけでなく教科による共同 学習を進める必要性が出てきた。そして,交流 を進めるにあたって,次のことが必要であるこ とが明らかになったo ①校内支援体制の改善。

具体的には, T.  T.により, T 2を特別支援 学級担任が行ったり,教師間で障害を理解し障 害児に対する教職員の対応の仕方について共通 理解をする。②個々の教育的ニーズに応じた教 育実践。具体的には,事前にスケジュールや学 習内容を知らせ,視覚的に理解を促すような工 夫をすることが,挙げられている。

2

A

小学校における特別支援学級左通 常学級の交流

第2章では, A小学校を取り上げてその実態 を調べ,現状と課題について明らかにすること にした。第1節では, 2006年度における取り組 みとして,教師に対するインタビュー調査を実 施し, A小学校における特別な支援を要する児 童に対する支援体制がどのように行われている かを分析した。また,特別支援学級(特殊学級) と通常学級との交流教育の現状と一課題について 調べた。そして,筆者が授業の補助者として入

, B児(自閉症)に焦点を当て,交流学習の 授業分析を行った。その結果,特別支援学級担 任と通常学級担任の連携体制の強化が必要であ ること, T.  T.の必要性が明らかになったo

また,交流先児童の障害理解教育の客観的評価 の必要性が課題として残った。

第 2節では, 2007年度における取り組みと して,アンケート調査による交流先児童の障害 児に対する意識調査を行った。また,昨年から 引き続き

B

児に焦点を当て,筆者が授業の補助

者とじて入り,交流学習の授業分析を行ったo

その結果,交流先児童は

B

児や特別支援学級の 児童に対して,意識しているものの交流に対し て受身であることがわかった口そして,

r

明日の 予定プリント

J r

活動の様子シート」を利用し,

改善を図ったが,十分には活用されなかったo

そこで,引き続き特別支援学級担任教師と通常 学級担任教師の連携が課題として残った口

4 おわりに研究のまとめと今後の課題

A

小学校を取り上げ,研究から明らかになっ たこととして,①校内支援体制の充実,②個々 の教育的ニーズに応じた教育実践,という 2つ の大きな課題が明らかになったo ①校内支援体 制の充実では,校内委員会が十分に機能してい ないことが明らかになった。今後の課題として,

問委員会において個別の教育支援計画を作成す る必要性,また,教師聞の支援体制及び連携の 充実では,特別支援学級担任と通常学級担任の 連携体制を強化する必要が明らかになった。教 師聞の連携を深めて,

B

児を含めた特別な支援 を必要とする児童への支援をスムーズに行う必 要がある。そして,個別の指導計画について,

作成されたファイルを次年度の担任教師に引き 継ぐことが必要であることが明らかになった。

②個々の教育的ニーズに応じた教育実践で、は,

特別な支援を必要とする児童への支援として,

児童への支援を個別の指導計画の作成に位置付 けて,引き継ぎなどにおいて活用することによ り,適切な支援が可能になろう。また,

r

交流及 び共同学習

J

を行う上で,非障害児の障害理解 を進めることで障害児との「対等・平等

J

の意 識を育てる必要性があろう。

t

qt

u 

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