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「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性 質

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(1)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性

著者 新井 京

雑誌名 同志社法學

巻 61

号 1

ページ 1‑54

発行年 2009‑05‑31

権利 同志社法學會

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000011727

(2)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質同志社法学 六一巻一号

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質

新   井       京

  (一)

     

はじめに

  昨今の「テロとの戦争」は新しい戦争であるから、既存の武力紛争法では十分に対処できないと言われることがある

1)

しかし「テロリズム」や「テロリスト」は武力紛争法の歴史において目新しいものではない。たとえば、九・一一以降

(3)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質同志社法学 六一巻一号

議論となっている「非正規兵」の地位は、一八七四年のブリュッセル会議以来、陸戦法規法典化の主要論点でありつづ

けている。また、グアンタナモ基地に抑留された「テロリスト(テロ被疑者)」の人身保護をめぐるアメリカの国内裁判で繰り返し言及され、その適用が争いになる先例であるキリン事件

やアイゼントレーガー事件 2

は、第二次世界大戦に 3

関わる判例である。さらに、武力紛争時の紛争当事者による「テロ行為」の多くは、「恐怖を与えることを目的とした攻撃」または「無差別攻撃」として、武力紛争法により禁止されており(一九七七年の第一追加議定書五一条二項第二

文、同条四項)、すでに国際法の規制を受けている。

  それでは、「テロとの戦争」が既存の武力紛争法に突きつけている挑戦とは何か。それはテロリスト(以下、特に断

らない限り、「テロリスト」は複数形のテロリストまたはテロリスト集団を含むものとする)の非国家主体としての次のような特異性、およびそうしたテロリストが所在する領域国の環境の特異性であろう。今日問題となるテロリストの

特異性とは、第一に、国家正規軍の行動に匹敵しうる力を国境を越えて行使しうること。第二に、当該非国家主体が従来の武力紛争法が想定していた反乱団体と異なり、領域的支配、政府打倒、国家としての独立などを主たる目標として

いないこと。第三に、当該非国家主体がいかなる国家の指示、支援、統制も受けずに行動していること、などであろう。またそのようなテロリストが所在する領域国の環境が特異であるのは、第一に、当該テロリストに対して領域国の統制

が及ばず、テロの取り締まりを国内法上の問題として処理できず、テロ犯罪の抑圧のために、国家の領域主権を尊重した国家間協力の伝統的枠組みが機能しないことである。第二に、それゆえに、被害を受けた国家(以下、被害国または

反撃国)による当該テロリストに対する直接反撃を、越境攻撃という形で招来していることである。

  伝統的に武力紛争法が想定していたのは、国家相互間の武力紛争およびそれに準じる武力紛争(民族解放闘争および

交戦団体承認をうけた反乱団体と政府の間の武力紛争)(国際的武力紛争)、ならびに一国内での憲法上の正統政府と反

  (二)

(4)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質同志社法学 六一巻一号 乱団体との間の武力紛争および一国内における二以上の武装組織間の武力紛争(非国際的武力紛争)であった。今日まで、それぞれの種類の武力紛争に適用される武力紛争法が整備されてきたが、右のような「テロとの戦争」は、そうし

た伝統的枠組の中で捉えきれるのであろうか。

  本稿では、そのようなテロリスト、すなわち「所在領域国の支配に服することなく」「国家正規軍の行動に匹敵しう

る力を越境的に行使する」武装集団との戦闘が武力紛争法によって規律可能であるのかを、そのような戦闘が「武力紛争」の概念にあてはまるのかどうか、あてはまるとすればそれは「国際的武力紛争」なのか「非国際的武力紛争」なの

かという観点から検証する。

s”29vention, ; , Vol., NCo.23200611, pp.-ona ev de Nevers, R., odernizing the Gen99Intewrvie with Quarterlyashington WThe “ME.g.1)  National Security Advisor Condoleezza Rice, on Fox News Sunday, 10 November 2002, cited in Dworkin, A., “The Yemen Strike: The War on Terrorism Goes Global”,Crimes of War Project︿www.crimesofwar.org/onnews/news-yemen.htmllast visited 31 January2009.

Ex parte Quirin, 317 U.S. 11942.2)  .. 5019376.S U933, . EisentragerJohnson v3) 

一  国際的武力紛争と非国際的武力紛争の定義   現在の武力紛争法は、宣言された戦争のみならず、すべての武力紛争に適用されるが、それを初めて規定した一九四

九年のジュネーヴ諸条約は、何が武力紛争に該当するのかを定義しなかった。しかし今日までに、赤十字国際委員会(I

  (三)

(5)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質同志社法学 六一巻一号

CRC)が公刊したジュネーヴ諸条約および追加議定書のコメンタリー

デ判タの)YTCI(所裁事刑際国ゴーユ旧と 4

ィッチ事件中間判決(控訴裁判部決定

は)らえ考とのもたし立確義る定の争紛力武、りよにれ 5)

6)

  それによれば、国際的武力紛争は、国家間の紛争であって「軍隊が介入すれば」いつでも存在しうる。ICRCのコ

メンタリーは、「紛争の継続期間」、「紛争の烈しさ(捕虜条約のコメンタリーによれば「どれ程の殺戮が発生し、またはどれ程の軍隊が参加しているか」)」とは無関係に、軍隊の関与するすべての国家間紛争が武力紛争であると述べて

いる

間。てし襲踏を釈解のこも決判中る件事チッィデタのYTCIい 7)

8)

  それに対して非国際的武力紛争は、ICTYのタディッチ事件中間判決に基づき、「長期化した」暴力行為が存在す るものと定義するのが妥当であろう

的がるれらめ狭に当不囲と範用適、は」争紛こを武さ体具はたま、ずれ義避定に的図意めたるけ力いさ有を質性的際な 。Iコはーリタンメ捕約条虜ュのCRC、ジ条ネ適国「るれさ用がー条三通共約諸ヴ 9)

列挙もされなかったと指摘している。そのうえで、共通三条にいう紛争は可能な限り広いものでなければならないことを強調し、「いずれかの側が敵対行為に従事している軍隊間の武力紛争、すなわち多くの意味で国際的戦争と同じであ

るがただ一国の内側で発生しているような紛争」を指すのだと述べている

と質内国等為行の性おるす類にられこにけの態くな少、は」事るの急緊び及乱騒他そ立為動、独の又は散発的な暴力行 三通共が、しだは条、「明示していない。暴た 10

も非国際的武力紛争には該当しないと考えられる。このような制限的文言は、一九七七年の第二追加議定書一条において導入された。しかし今日では、第二追加議定書が適用される条件としてのみならず、一般的に非国際的武力紛争が存

在するための条件としても、単に暴力行為が存在するだけではなく、一定の組織性や継続性が必要であると考えられる。タディッチ事件中間判決で、ICTYが非国際的武力紛争を「長期化した暴力行為が存在する」ことと定義し、国際的

武力紛争の定義とは異なるより高い敷居を想定しているのは、「国内における騒乱及び緊急の事態」との区別のためで

  (四)

(6)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質同志社法学 六一巻一号 あるとされる

11

  さらに内戦について広範な戦争犯罪を規定した国際刑事裁判所(ICC)規程は、八条二項のd号およびf号でその

適用範囲としての非国際的武力紛争を次のように定義している。すなわちジュネーヴ諸条約共通三条の著しい違反の規定(c号)の適用対象について、「国際的性質を有しない武力紛争について適用するものとし、暴動、独立の又は散発

的な暴力行為その他これらに類する性質の行為等国内における騒乱及び緊張の事態については、適用しない」(d号)と消極的な定義のみを規定する。また「国際的性質を有しない武力紛争に適用される法規及び慣例に対するその他の著

しい違反」の規定(e号)の適用範囲について、d号と同じく消極的な定義を置き、さらにそれに加えて「政府当局と組織された武装集団との間又はそのような集団相互の間の長期化した武力紛争がある場合において、国の領域内で生ず

るそのような武力紛争に適用する」との積極的な定義を含んでいる(f号)。d号とf号の規定ぶりからは、非国際的武力紛争として二種類の武力紛争が想定されているように見える。すなわち、共通三条のみが適用される非国際的紛争

と、その他の規則も適用される非国際的武力紛争が存在し、前者の敷居は「組織性や期間」の要件を伴わず、相対的に低く設定されているのではないかと。しかしICC規程起草者の意図は、非国際的武力紛争に関して単一の敷居を想定

していたと考えられる

義定っかなれさ付がはなのうよのそに号d。た 12

趣スのてしとドーダンタ・ムマニミの条三通共、 13

旨をふまえてその適用範囲を狭める可能性のある規定を排除する意図であると思われる

14

  その他、共通三条がいう「国際的性質を有しない武力紛争」の語は、非国際的武力紛争に適用されることを意図した

様々な条約規則で「暴動、独立の又は散発的な暴力行為その他これらに類する性質の行為等国内における騒乱及び緊張の事態については、適用しない」という文言とともに繰り返されている。例えば「武力紛争の際の文化財の保護に関す

る条約の第二議定書」二二条一項、二項、「特定通常兵器使用禁止制限条約(二〇〇一年改正)」一条二項、三項、「地雷、

  (五)

(7)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質同志社法学 六一巻一号

ブービートラップ及び他の類似の装置の使用の禁止又は制限に関する議定書(議定書Ⅱ)(一九九六年改正)」一条二項、

三項である。ICC規程およびこれらの条約規定によれば、共通三条の「国際的性質を有しない武力紛争」には「独立の又は散発的な暴力行為」が含まれないことは明らかであろう。

  非国際的武力紛争に関して、一九七七年の第二追加議定書は、さらに厳格に、「持続的にかつ共同した軍事行動および武力紛争法の実施のために必要な支配を責任ある指揮の下で一定領域を支配している」ことが議定書適用の条件であ

るとしている。このような領域的支配に至らない場合にも、持続的な武力の行使をしている非国際的武力紛争の場合には、ジュネーヴ諸条約共通三条は適用可能である。しかし第二追加議定書一条によれば、共通三条に言うような最低限

度の人道規則を越えた武力紛争法の規則を非国際的武力紛争に適用するためには、非国家主体による領域的支配が必要であるとも解釈しうる。しかし、一九七七年以降の発展により、そのような制限的解釈は妥当ではないと考えられる。

まず、内戦に適用される広範な(第二追加議定書の規定を越える)武力紛争法の慣習法規則が承認されたタディッチ事件中間判決において、前提とされていた非国際的武力紛争は、先のような定義のとおりであり、非国家主体による領域

支配は要件とされていない。また、ICTY判例の影響を受けたICC規程も同様である。したがって今日では、非国際的武力紛争に武力紛争法が適用されるために、非国家主体による領域支配は前提とされていないと考えられる。

  ところで、非国際的武力紛争において必要とされる武力衝突の「組織性、継続性」の条件は、国際的武力紛争においても武力紛争の当然の含意とされているのだろうか

そ定。るれらえ考とだきべるれさ否ばれよに義定のYTCIの先。 15

もそも非国際的武力紛争において、武力紛争とそうではない騒乱・緊急状態とを区別する必要があるのは、「国の主権又は、あらゆる正当な手段によって、国の法及び秩序を維持し若しくは回復し若しくは国の統一を維持し及び領土を保

全するための政府の責任」(第二追加議定書三条、ICC規程八条三項)を慮っているからであるところ、国家間武力

  (六)

(8)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質同志社法学 六一巻一号 紛争においてはそのような配慮は必要ではない。またジュネーヴ諸条約は、「一締約国の領域の一部又は全部が占領されたすべての場合について、その占領が武力抵抗を受けると受けないとを問わず、適用する」ことになっており(共通 二条二項)、武力衝突が一切存在しない場合にも国際的武力紛争が存在しうることが示唆されている。さらに国家実行も、国際的武力紛争において武力紛争の敷居が非常に低いことを示している

16

IIIinRC, 1960hereaftar: er cited as GCICCommentaryWGeneva Pictet, J.S., ed., Convention relative to the Treatment of Prisoners of 4) )( Commentary, p.23; Sandoz, Y., et al., eds.,Commentary on the Additional Protocols of 8 June 1977 to the Geneva Conventions of 12 August 1949Nijhoff, 1987hereinafter cited as AP Commentary, p.40, paras.61-62.

2erthe Defence Motion for Intlo ocutory Appeal on Jurisdiction, n onR72ase No. IT-94-1-Aisiv. TadicAppeals ChamberProsecutor , Dec, C5)  October1995hereinafter cited as Tadic1995, para.70.

)、﹄( 6) 

; A.40. prytaenmom CP23. prytaenmom CIIICG7) 

ovmber, Judgment, 16 Neml Cber 1998, para.184.haria, Cas95, para.70; Prosecutor v. Delalic et al.Te Nico. IT-96ad-21-TT198) 

Tadic1995, para.70.9) 

10GCIII Commenry, pp.35-37.ta) 

11, op.cit., para.184.Prosecutor v. Delalic et al.)  12nae Statute of the Internatiol CRriminal Court: An Analysis of tome hethCullen, A., he Definition of Non-International Armed Conflict in “T)  Threshold of Application Contained in Article82)(f”, Journal of Conflict and Security Law, Vol.122008, pp.419-445; Bothe, M., ‘War Crimes’, in Cassese, A. , Gaeta, P., and Jones, J. R.W.D., eds., The Rome Statute of the InternationalCriminal Court: A CommentaryOxford UP, 2002, p.423; Kress, C., ‘War Crimes Committed in Non-International Armed Conflict and the Emerging System of International Criminal Justice’,Israel Yearbook on Human Rights, Vol.302001, p.118.

  (七)

(9)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質同志社法学 六一巻一号

it.Cullenp.c, o, p.436)。 Inerss. A.CT.M., Honour BosAdriaan of in Essays ICC: ituthe stJ.,utkinReflections J.G., & Schukg, , e54., pds9919on )。 . A Hebel, Hs, . M., Lammer voninertioMeron, T., “Crimes und the Juricisdn nart”ouCal inrimofl Ctionaernte I th, 13)  14) 

⑵3)、

Conventions, anReproduced in Schindler, D. &om T, J., The Laws of Armed Conflicts: A Collection of nsityinte 、﹃ 15、「)  Resolutions and Other Documents4th rev. and completed ed., Nijhoff, 2004, pp.814-815)。)。

   」(Military Commission Instruction No. 2, Crimes and Elements for Trials by Military Commission, 30 April, 2003, Section5c, ︿www.defenselink.mil/news/

May2003/d20030430milcominstno2.pdflast visited 31 January2009))

.ed48-46p., p0820P, d Uorxf., O 16licScLaw2ndppf Ae oop., “International Cd, oowenre GSeeHumanitarian of atawion of Humanitarian L”, Handbook inleck, D., ed.,The F) 

  (八)

(10)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質同志社法学 六一巻一号 二  テロリストに対する直接越境攻撃の諸相と武力紛争の存在   以上のように定義される国際的武力紛争または非国際的武力紛争が、昨今のいわゆる「テロとの戦争」においても存在すると言えるのだろうか。

  アメリカのブッシュ政権は

力すカリメア、ちわな。、るれわ思にうよるいは公し定武的際国「いなれさ限式に的間時的間空、にて用てめ込を意使 ン呼的治政を名び」ういとロ争戦のとロプダパず含的法の定一、らガなみのてしと、「テ 17

紛争」がアルカイダとの間に存在することを主張しているのである

すのリストを撲滅るテまで終わらないロ べてす統はらにブッシュ大領。が「テロとの戦争さ 18

あての者を含む全の未「テロリスト」知、こ」うよる分らかとにるいてべ述と 19

るいは「テロリズム」という抽象的概念を相手にした武力紛争の存在を想定している。しかしこのような立場は、アメリカ以外では支持する者はいないように思われる

ドテ、「は方び呼ういと」争戦のとロ、「にうよるいてべ述がCRCI。 20

ラッグとの戦い」や「貧困との戦い」というのとかわりない修辞にすぎない

法の分に争紛力武個さ別の数複、ど割れ争ぞ争紛力武にれれ、そ争紛のられそな紛ラやとは、イクアフガニスタンでの グーロ争、ろしルバ」な「テロとの戦。む 21

が適用されるのであって、諸紛争の総体に対して適用されるのではない

22

  それではそのような「個々の局面」において、テロリストとの武力紛争は存在しているのであろうか。まず注意すべき点は、そもそも他国の国家軍によるテロ行為の場合、または他国の「事実上の国家機関」としてまたはその指揮命令 に基づいてテロリストが行動する場合を除いて、非国家主体による越境的な第一撃テロそのものが武力紛争を引き起こすことはないということである

性力て、はじめて武紛よ争が存在する可能っにに撃境的テロ攻撃対。する被害国の反越 23

が生じるのである。ただしその場合には、公海上(の無国籍船)に所在するテロ組織に攻撃を加えているような想定し

  (九)

(11)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質一〇同志社法学 六一巻一号

がたいケースを除けば、武力を行使する反撃国(テロ被害国)とテロリストが所在する領域国との関係が必然的に問題

となる。したがって以下では、領域国とテロ組織との関係、領域国と反撃国との関係を考慮して、どのような性質の武力紛争が、どの主体の間に生じうるかを整理してみよう。

 

1

領域国が反撃国による武力行使に同意している場合

  テロリストによる攻撃の被害を受け直接反撃する国(反撃国)による武力行使に当該テロリストが所在する国(領域国)が同意する場合には、反撃国と領域国の間に武力紛争は存在しない。例えば、二〇〇二年六月のロヤジルガ以降の アフガニスタンでは、アフガニスタン政府の要請・同意によって「国際治安支援部隊」が活動している。また二〇〇四年夏の戦時占領終了後のイラクでは

軍。が行動しているこ籍れらの例では、軍国府多しいイラク政の、要請によって新 24

隊派遣国と領域国との間に国際的武力紛争は存在していない

」が継に闘戦、りあ性性織組の上以定一続が)立的発散はたまの独あ「ちわなす、ばれに団る(トスリロテ該当、が集 撃テと国の反、合場のリロ関ストとの間。係が問題となそ 25

な衝突を越えるものであれば、領域国とともに行動する反撃国と当該テロリスト集団との間に非国際的武力紛争が存在すると考えられる。

  ここで問題となりうるのは、当該国家の憲法上の正統政府(中央政府)の要請によるものとはいえ、外国軍の介入によって、内戦全体が国際化され、外国軍とテロリスト集団との間の関係も国際的武力紛争とみなしうるのではないかと いう点である。伝統的には、中央政府の要請による外国軍の介入が内戦を国際化するわけではないと考えられてきた

央対れたからである。これにしとて、近年では、たとえ中さる助あ家には他国に軍事的援を含む支援を求める権利が国 。 26

政府の要請によるものであっても、外国軍の介入により紛争が国際化されるという立場も有力に主張されるようになっ

  (一〇)

(12)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質一一同志社法学 六一巻一号 ている

見し止禁は入介の国外もてとれるあが請要の府政央中さるめ議にうよるあが立対の論にとうよのこ。るあでのうい、た にの法際国、は府政央中家い国るいてっ陥に態状戦的国。、なはで効有は請要のそれ家わ疑が格資るす表代を内 27

えるが、結局のところ、次のような説明が妥当であろう。すなわち傀儡政権の同意に基づく軍事介入の例は枚挙に暇がなく、「中央政府の要請」が濫用されることも大いにある。しかし、「中央政府の要請」が必然的に疑わしいわけではな

く、要請が正当であるとみなしうる場合もある。したがって、「要請が真正とみなされるかどうかは、具体的な状況(反乱の程度、中央政府の実効的支配の程度など)に照らして、個別的にしか決定できない

」と。 28

  このような理解によれば、中央政府による真正な同意の場合には、武力紛争は国際化しない。その場合、当該国家の領域内に所在するテロリスト集団と介入軍との間に武力紛争が存在しうるとしても、それは非国際的なものである。テ ロリスト集団は、反徒と同じく、国際法主体ではないからである

武内に隊軍国外ので国る域領、ばれあでよ軍い活、りまどとに動行事執法内国は動行のなど織とまり、組的性格を持た リ集トス的ロテ、おの団」行為が「散発。なものにな 29

力紛争ではないと評価される

節す的武力紛が存在争る考えられ、次と と反撃国際の間に国家と国意該対に、中央政府による同が。不真正である場合には、当反 30

2

の分析があてはまる。

 

2

領域国が反撃国による武力行使に同意していない場合

  領域国による明示または黙示の同意がない状況でのテロリストに対する越境的反撃は、国家間に軍隊の介入を含む紛

争が生じているとみなされ、先の定義によれば、領域国と反撃国の間に国際的武力紛争が存在しうるということになる。領域国自体による武力抵抗がない場合にも、ジュネーヴ諸条約共通二条二項の規定によれば、武力紛争が存在するとい

える

の対降にアフガニスタンにし日て行われたアメリカなど以七ロ月・一一の同時多発テを。うけて二〇〇一年一〇九 31

  (一一)

(13)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質一二同志社法学 六一巻一号

武力行使は、アフガニスタンと各国との国際的武力紛争であった。また、二〇〇六年七月に開始されたレバノン南部で

のイスラエルによるヒズボラに対する攻撃では、レバノン軍による組織的な抵抗はみられなかったが、イスラエルの行動とレバノンの声明から考えて、両国間の国際的武力紛争が存在しているとみなすべきであろう

32

  そこで問題となるのは、領域国・反撃国間に生じるそのような国際的武力紛争と、反撃国・テロリスト集団間の戦闘行為とがどのように関係づけられるかである。これは、当該テロリスト集団が領域国政府・軍隊とどのような関係にあ

るかによって評価がわかれる。

1

  テロリストの行為の領域国への帰属

  テロリスト集団のような非国家主体と国家との関係は、いかなる場合に私人の行為が国家に帰属し、国家の行為とみ

なされるか、という国家責任法の文脈で議論されてきた。

  国家責任条文は、四条において「国のいかなる機関の行為も⋮国際法上その国の行為とみなす」、「機関には、その国 の国内法に基づいて機関としての地位を有するすべての者または実体が含まれる」と規定し、法的な機関(

de jure or ga n

)のすべての行為が国家の行為とみなされるとしている。したがって、正規軍の系列に属さないものの法的に国

家機関と位置づけられる武装集団(例えば警察組織)が行う戦闘行為は、その国家と外国との間の国際的武力紛争の一部となるだろう。

  国内法上裏付けのある機関ではない集団についても、一定程度の関係があれば、当該非国家主体の行為は国家に帰属する。一九八六年のニカラグア事件本案判決

う国アメリカ合衆に為帰属するといが行Jにラトンコ、はのCI、ていお 33

ためには、コントラがアメリカに「依存しているために、法的な意味でコントラをアメリカ政府の機関と同一視しうる、

  (一二)

(14)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質一三同志社法学 六一巻一号 またはアメリカ政府のために行動しているとみなしうる」必要があるとした。そのうえで、本件においては、コントラに一切の自主性が認められないほどのアメリカに対する「全面的依存」が立証されていないと結論づけた

。さらにアメ 34

リカがコントラに対して与えた様々な支援によって、コントラの行為がアメリカそのものの責任を引き起こすかどうかについて検討し、責任が生じるというためには「(国際人道法・人権法などの)違反が行われたという軍事的・準軍事

的活動に対して実効的支配(

ef fe ct iv e co nt ro l

)」を及ぼしていたことが証明されなければならないと述べた。ここでICJが具体的に挙げている「実効的支配」とは、国際人道法や人権法に反する行為の実行を「指示または強制」するこ とである

機と準基のめたるれさなみるああで為行の家国がてべでり為家家国の上実事「は体主国、非ばれれさ足充がれこす行の ら考とるあに係関なうよの次はトステのつ二の上えれ。、体主家国非に的般一はるトステ」存依的面全。「以 35

関(

de facto o rg an

)」とみなされることになる。それに対して「実効的支配」テストは、そのような事実上の機関ではない個人や集団が行う個別の行為がどのような場合に国家の行為とみなされるかに関わるものである

。いずれの場合に 36

も、非国家主体と国家の間に非常に高い関連性を求めている。国家責任条文は、この判決に基づいて「人または人の集団の行為は、その人またはその集団が当該行為を実行する際に、事実上その国の指示に基づきまたはその国の指揮もし

くは支配の下に行動している場合には、国際法上、国の行為とみなす」と規定した(八条

)。 37

  このような厳格かつ具体的な関連を求めるニカラグア・テストは、その後ICTYにより否定された。一九九九年のタディッチ事件控訴裁判部判決において、ニカラグア・テストは「説得力がない」と決定されたのである

。本件の第一 38

審裁判部の判決は、ニカラグア事件を踏襲して

ス実け受を」配支的効「いの)ログネテンモてなアアボの後退撤軍邦連ビいラスゴーユ、めた・ビセ(国和共邦連アル 人ェ国ナビゴアツルヘ・のニス内軍セルビア、事部隊がユーゴスラビボ 39

ニア内戦は国際紛争ではない(したがってジュネーヴ諸条約の「重大な違反」の責任は問えない)と判示した。控訴裁

  (一三)

(15)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質一四同志社法学 六一巻一号

判部判決は、これを覆すためにニカラグア・テストを否定したのである。タディッチ事件におけるICTYとニカラグ

ア事件におけるICJでは、前者が武力紛争の性質決定、後者が国家責任の帰属という異なる問題に取り組んでいたのであるが、ICTYはこのとき、実効的支配の基準が国家責任法の論理と合致していないとも述べたのである

。そのう 40

えで同裁判部は、実効的支配の概念にかわって、よりゆるやかな「全般的支配(

ov er all c on tr ol

)」の概念を提唱して、セルビア人軍事部隊の行為がユーゴスラビア連邦共和国に帰属し、ボスニア内戦が国際的武力紛争となりうるとした。

ここでいう全般的支配とは「財政支援、訓練、装備の提供または作戦上の支援を提供するのみならず、当該軍事集団の軍事行動を組織し、調整し、または計画する役割」を負っていることと説明されている。ただしこの全般的支配の基準

は「軍隊または民兵組織もしくは準軍事組織」にあてはまる支配の程度であり、個人または軍事的に組織されていない集団については「個々の行為の実行について具体的な指示」が存在することが証明されなければならないという

。この 41

基準は、ICTYにおいて後の事件でも踏襲されており、同法廷においては一定程度の定着をみたと思われる

42

  このときICTYが紛争の国際性の有無を判断するのみならず、国家責任の問題にまで言及する必然性があったのか 疑問であるが

考るるあでのたれらえいと 負帰属と責任のし担を当然含意為ての行国、力紛争を国際化するような家、と非国家主体の結びつきは武 43

年決本件事用適約条ドイサノェジの七判て。これに対しI〇CJは、二〇案 44

において、国家 45

責任法と武力紛争の性質決定とに異なる基準を当てはめることも排除されないという前提で

セビイドを実行したボスニア・セルアノ人組織の指導者の行為は、被告サェ言レ関してジば、スえブニツァにおけるレ 帰なくともに属の問題、少 46

ルビアの実効的支配を受けていないため、同国には帰属しないと判示して、実効的支配の基準を支持した。

  ニカラグア事件判決・ジェノサイド条約適用事件判決とタディッチ事件判決の関係をどのように考えるかには議論が

ある

提に質決定とは異なる基準よのり判断されうるという前性争事紛ェノサイド条約適用件。では、国家責任と武力ジ 47

  (一四)

(16)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質一五同志社法学 六一巻一号 で、国家責任法に限って実効的支配の基準を認めており、武力紛争の性質決定を含む国家責任の帰属以外の問題にそれ以外の基準があてはまるどうか不明確なままにしている。それに対してタディッチ事件控訴裁判部判決では、国家によ

る支配の対象が個人であるか組織であるかによって基準が区別されるが、国家責任と武力紛争の性質決定は同一の基準により判断されるという。ICTYによれば、ニカラグア事件はコントラに属する個人の個別的行為の帰属に関して実

効的支配の基準を適用しているのであるが、「組織された武装集団」に関しては、外国との関係がより緩やかな結びつきにとどまる場合であっても、当該武力紛争が国際化すると述べた

のニその決判件事アグラカるよにYTCIしかし。 48

ような読み方には問題がある

れにもりよ配支的般全は係接関的般一なうよの家密なと存さ用適がトステの」依関的面全「るめ求を係国体全団集装武 事支的効実、はで件基アグ配カニ、ちわなラ準のケ、てえ加にスーの。人個るれさ用適がす 49

ると判示しているからである

もスニカラグア・テトるを同様に理解し、件いジ。二〇〇七年のェ事ノサイド条約適用て 50

。とく関係づけるこは盾不可能であろう無矛るをのように考えと、三つの判例こ 。 51

  いずれにしても、少なくとも「実効的支配」とみなしうる強固な結びつきが存在すれば、非国家主体の行為は国家に帰属する。そのような関係がテロリスト集団とその所在国(領域国)との間に存在する場合には、テロリストの行為は

領域国の行為であるということになり、テロリストと反撃国との間の戦闘は領域国と反撃国との間の国際的武力紛争に

包摂されることになる。それでは、領域国の「実効的支配」を受けていないテロリストの行為は、領域国・反撃国間の国際的武力紛争の一部とはなりえないのだろうか。

2

  「紛争当事国に属する」の意味

  ここで注目されるのは、武力紛争法においては、紛争当事国と民兵組織などの非国家主体を結びつける法的関係とし

  (一五)

(17)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質一六同志社法学 六一巻一号

て、ICJがいうところの「実効的支配」よりも希薄な関係が想定されていたことである。

  陸戦法規においては、ハーグ陸戦規則以来、正規軍構成員の他に民兵や義勇兵などに一定の条件の下で戦闘員資格を与えてきた。その中でも、第二次世界大戦の経験をふまえて起草された一九四九年の捕虜条約は、四条Aにおいて、敵

の権力内に陥った場合に「捕虜」とみなされる者(すなわち戦闘員資格を持つ者)に、「紛争当事国の軍隊の構成員」および「軍隊の一部をなす民兵隊又は義勇隊の構成員」のほか、一定の条件付で「その他の」、すなわち軍隊の一部を

なさない「民兵隊及び義勇隊の構成員」をも含めている。その条件としては、責任ある指揮官の存在、識別可能な標章、武器公然携行、戦争法遵守のいわゆる「四条件」に加えて、「紛争当事国に属する(

be lo ng t o

)」ことが求められてい

る(四条A二項)。このように捕虜条約では、正規の軍隊構成員ではなくても、紛争当事国に「属して」いれば、非国家主体に軍隊構成員と同様の戦闘員資格が認められる可能性がある。そのような正規軍並みの戦闘員資格を認められる

非国家主体の行為を、当該紛争当事国が従事している武力紛争と切り離して捉えることは、おおよそ合理的とは言い難い。したがって、「紛争当事国に属する」という語により意味される関係の具体的意味によっては、先に挙げた「実効

的支配」や「全面的依存」の基準を越えない緩やかな結びつきであっても、テロリスト集団の行為が当該集団の所在する領域国と当該集団を攻撃する反撃国との間の国際的武力紛争の一部となる場合を想定できることになる。

  それでは「紛争当事国に属する」とはどのような関係を言うのか。一九六九年のイスラエル軍事裁判所カッセム他事件では、非正規軍が交戦当事者に「属して」いなければならないという条件こそが戦闘員資格の最も基本的な条件であ るとして、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)がいずれの政府からも承認されていないことを理由として、PFLP構成員たる被告人の「戦闘員資格」を否定している

」部るす属に国事当争紛、「は決判判裁訴控件事チッィデタの述先。 52

という語を検討の出発点とし、反徒が外国に「属する」場合に紛争が国際化すると述べている

。しかしICTYは、「属 53

  (一六)

(18)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質一七同志社法学 六一巻一号 する」という語の具体的中身がジュネーヴ諸条約などにおいて明らかにされていないため、一般国際法に立ち返る必要があるとして、国家責任法を参照し、ニカラグア事件の「実効的支配」の当否を検討したのである。したがってICT

Yは、結論として、紛争当事国の「全般的支配」を受けていることこそが当該国に「属する」関係にあることの内実であると述べたといえる。すなわちある国が、「財政支援、訓練、装備の提供または作戦上の支援を提供することに加えて、

非国家的軍事集団の軍事行動を組織し、調整し、または計画する役割」を果たしている場合には

。しと、るなにとこ」るいて属「 に国援支が団集該当、 54

  しかし起草過程からいうと、捕虜条約では、ICTYが述べるよりもさらに緩やかな関係が想定されているようにも思われる。捕虜条約が、「民兵隊及び義勇隊の構成員」に含まれるものとして、占領地の内外で活動する「組織的抵抗 運動団体(

or ga niz ed r es ist an ce m ov em en ts

)の構成員」に明示的に言及していることから明らかなように、この規定は第二次世界大戦時の抵抗運動の経験をふまえて起草されている。具体的には、ヨーロッパ大陸のドイツ占領下におけ

るレジスタンスと連合軍との関係をも含むと考えられたのである。ICRCコメンタリーによれば、

「戦争状態にある国際法の主体とレジスタンス組織との間にデファクトな関係 00000000が存在するべきであることは本質で あるが、そのような関係の存在で十分である。それは、具体的行動によりレジスタンスがどちらのために戦ってい 00000000000000000000000000

るのか明らかであれば 0000000000、黙示的な合意のみによって表現されうる 000000000000000000。⋮⋮(レジスタンスと)紛争当事者との関係づ

けは、例えば亡命政府の声明のような公式の声明によって補完され、または占領軍と戦う軍隊の最高司令官の公式承認によって確認されうる。これらの事例は、第二次世界大戦の経験に基づくものであり、条約起草者達はこうし

たケースを含めたかったのだ(傍点引用者

)。」 55

  (一七)

(19)

「テロとの戦争」における武力紛争の存在とその性質一八同志社法学 六一巻一号

このような起草者意思によれば、非国家主体と国家とが共通の敵と対峙しており、相互に承認しあう関係が事実上存在

するならば、非国家主体が当該国家に属しているというのに十分だということになる

56

3

  テロリストと領域国の関係が希薄な場合

  以上のように、テロリスト集団の行為が領域国に帰属する場合、またはそれ以外の何らかの関連があってテロリスト

集団が領域国に「属する」場合には、反撃国による「テロリストとの戦争」は、当該テロリストが所在する領域国との国際的武力紛争の一部となる。例えば、事実関係の詳しい論証が必要ではあるが、アルカイダの一部にはタリバンと共

に行動し、タリバンに「属する」とみなしうるものもあるだろう

57

  しかし、領域国とそのような法的関連が存在しない集団、もしくは捕虜条約起草時に想起された緩やかな関係すら存

在しない集団とそのような集団に対して武力を行使する外国との関係はどのように評価されるのだろうか。「テロとの戦争」において問題となっているのは、そのようなテロリストの扱いである。領域国に属さず、領域国とは無関係に活

動するテロリストが高度な軍事的組織性を有する場合、反撃国・領域国間の国際的武力紛争とは別の 00武力紛争が存在するのであろうか。存在するとすれば、それは国際的武力紛争であるのか非国際的武力紛争であるのか。この点について

は次章三で検討する。

  ところで、先述のような関係が存在しないため領域国に「属さない」テロリスト、もしくは領域国に属するが捕虜条

約が掲げる「四条件」を満たさないテロリストなど、その行動が反撃国・領域国間の国際的武力紛争の一部とはなりえないテロリスト、または次章三で検討対象とされるような程度まで「組織化」されているわけではないため反撃国と武

力紛争を戦っているとはいえないテロリストは、どのような法的地位を有するのだろうか。そのようなテロリストは、

  (一八)

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