民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性
著者 竹中 勲
雑誌名 同志社法學
巻 69
号 4
ページ 1301‑1337
発行年 2017‑09‑30
権利 同志社法學會
URL http://doi.org/10.14988/pa.2019.0000000432
( )民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性同志社法学 六九巻四号一一三〇一
民 法 七 五 〇 条 違 憲 訴 訟 の 再 開 の 必 要 性
竹 中 勲
︱目次︱はじめに
(
一)二〇一五年一二月一六日の最高裁大法廷判決多数意見(民法七五〇条合憲判決)と﹁国民のための司法﹂
(
二)二〇一五年の二つの大法廷判決多数意見に関する基本的評価一 上告理由にみる原告弁護団の主張に関する疑問点
(
一)事実の概要と原告団の構成内容と訴訟形式
(
二)上告理由における
張条主のとるす反違に三法一法憲が条〇五七 < 民
いつて > に
(
三)上告理由における
張一主のとるす反違に項条法四一法憲が条〇五七 < 民
いつて > に
(
四)上告理由における
張条主のとるす反違に四法二法憲が条〇五七 < 民
目に項査審るけお訟訴法憲二 つてい > に
(
一)自由権保障規定適合性審査における審査項目
( )同志社法学 六九巻四号二民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性一三〇二
(
二)憲法一四条一項違反が主張される憲法訴訟における審査項目
(
三)憲法一三条適合性審査における審査項目三 最高裁大法廷判決多数意見(民法七五〇条合憲判決)の構造と問題点
(
一)憲法二四条適合性に関する多数意見の構造と問題点四 最高裁大法廷判決少数意見(民法七五〇条違憲判断)の構造と問題点
(
一)岡部喜代子裁判官の意見の構造と問題点
(
二)木内道祥裁判官の意見の構造と問題点むすび︱︱民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性
は じ め に
最 高 裁 判 所 は 、 二 〇 一 五 年 の 二 つ の 大 法 廷 判 決 ︱ 最 大 判 平 成 二 七 ・ 一 二 ・ 一 六 ( 最 高 裁 平 二 五 ( オ ) 一 〇 七 九 号 )
)1(
と 最 大 判 平 成 二 七 ・ 一 二 ・ 一 六 ( 最 高 裁 平 二 五 ( オ ) 一 〇 二 三 号 )
)2(
︱ に お い て 、 民 法 七 三 三 条 一 項 と 民 法 七 五 〇 条 の 憲 法 適 合 性 ( 合 憲 性 ) に 関 す る 憲 法 判 断 を 示 し た 。
こ の 大 法 廷 判 決 多 数 意 見 は 、 民 法 七 五 〇 条 に つ い て は 憲 法 一 三 条 、 一 四 条 一 項 、 二 四 条 の い ず れ に も 違 反 す る も の で は な い と す る 合 憲 判 断 を 下 し 、 民 法 七 三 三 条 一 項 に つ い て は 憲 法 一 四 条 一 項 お よ び 二 四 条 二 項 に 違 反 す る と の 法 令 違 憲 判 決 を 下 し た 。
本 稿 は 、 二 〇 一 五 年 一 二 月 一 六 日 の 最 高 裁 大 法 廷 判 決 多 数 意 見 ( 民 法 七 五 〇 条 合 憲 判 決 ) を 疑 問 と し 、 民 法 七 五 〇 条 違 憲 訴 訟 の 再 開 の 必 要 性 に つ い て 、 若 干 の コ メ ン ト を 行 お う と す る も の で あ る 。
( )民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性同志社法学 六九巻四号三一三〇三
二 〇 一 五 年 の こ の 大 法 廷 判 決 か ら 、 約 一 年 半 余 を 経 た 。 こ の 大 法 廷 判 決 多 数 意 見 ( 民 法 七 五 〇 条 合 憲 判 決 ) の 問 題 点 を 指 摘 す る 諸 論 稿 が 公 刊 さ れ
)3(
、 ま た 、 こ の 民 法 七 五 〇 条 違 憲 訴 訟 原 告 弁 護 団 か ら も ( 反 省 も 含 め て ) 新 た な ﹁ 憲 法 訴 訟 ﹂
の 提 起 の 必 要 性 が 示 唆 さ れ る に 至 っ て い る
)4(
。
( 一 ) 二 〇 一 五 年 一 二 月 一 六 日 の 最 高 裁 大 法 廷 判 決 多 数 意 見 ( 民 法 七 五 〇 条 合 憲 判 決 ) と 「 国 民 の た め の 司 法 」
二 〇 一 五 年 の 最 高 裁 大 法 廷 判 決 多 数 意 見 ( 民 法 七 五 〇 条 合 憲 判 決 ) を 、" ﹁ 国 民 の た め の 司 法 ﹂ の 実 現 の 観 点 か ら 最 高
裁 判 例 の 現 段 階 ・ 到 達 点 を 分 析 す る 作 業 " の 一 環 と し て 検 討 す る に 際 し て は 、 同 日 に 下 さ れ た 最 高 裁 大 法 廷 判 決 多 数 意
見 ( 民 法 七 三 三 条 一 項 違 憲 判 決 ) と あ わ せ て 検 討 し て お く 必 要 が あ ろ う 。
こ こ で い う ﹁ 国 民 の た め の 司 法 ﹂ の 概 念 に つ い て は 、 今 後 煮 詰 め る べ き 筆 者 自 身 の 研 究 課 題 で あ る が 、 さ し あ た り 、
﹁ 国 民 の た め の 司 法 ﹂ と い う 場 合 に 考 え て い る 基 礎 的 な 事 柄 と し て 、 三 点 指 摘 し て お き た い 。
第 一 に 、﹁ 国 民 の た め の 司 法 ﹂ と は 、① ﹁ 国 民 の 基 本 的 人 権 の 憲 法 的 保 障 を よ り 十 分 な も の と す る こ と を 企 図 す る 司 法 ﹂
で な け れ ば な ら な い 。 法 律 専 門 家 で あ る 法 曹 三 者 ( 裁 判 官 ・ 検 察 官 ・ 弁 護 士 ) は 、 基 本 的 人 権 の 擁 護 に つ き 憲 法 上 ・ 法
律 上 の 義 務 を 課 せ ら れ て い る ( 公 務 員 の 憲 法 尊 重 擁 護 義 務 規 定 ︹ 憲 法 九 八 条 ︺、 裁 判 官 の 独 立 ・ 身 分 保 障 規 定 ︹ 憲 法 七 六 条 三 項 、
七 八 条 ︺、 弁 護 士 法 一 条 ︹﹁ 弁 護 士 は 、 基 本 的 人 権 を 擁 護 し 、 社 会 正 義 を 実 現 す る こ と を 使 命 と す る ﹂︺ 参 照 ) こ と が 確 認 さ れ る
べ き で あ ろ う 。
第 二 に 、﹁ 国 民 の た め の 司 法 ﹂ で あ る た め に は 、﹁ 国 民 に と っ て わ か り や す い 司 法 ﹂ で な け れ ば な ら な い 。 二 〇 〇 二 年
( )同志社法学 六九巻四号四民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性一三〇四
七 月 に 、 司 法 制 度 改 革 推 進 本 部 ・ 顧 問 会 議 は 、 司 法 制 度 改 革 審 議 会 意 見 書 ( 二 〇 〇 一 年 六 月 ) を 具 体 化 ・ 実 現 す べ く 、 " 三 つ の F の 司 法 " ︱ ① ﹁ 国 民 に と っ て 身 近 で わ か り や す い 司 法 ( F am ilia r )﹂ 、 ② ﹁ 国 民 に と っ て 頼 も し く 、 公 正 で 力 強 い 司 法 ( F air )﹂ 、 ③ ﹁ 国 民 に と っ て 利 用 し や す く 、 速 い 司 法 ( F as t )﹂ ︱ を 国 民 に 約 束 し 、 国 民 に 応 援 し て ほ し い と 訴 え た
)5(
。 こ れ は ﹁ 国 民 の た め の 司 法 ﹂ の 考 え 方 を 改 め て 明 確 に し た も の で あ り 、 第 一 番 目 に 掲 げ ら れ た F は ﹁ 国 民 に わ か り や す い 司 法 ﹂ の 重 要 性 を 確 認 し た も の で あ る 。 こ の こ と か ら す れ ば 、法 曹 三 者 に は ﹁ 国 民 に わ か り や す い ﹂ 判 決 文 ・ 法 廷 で の 弁 論 ・ 訴 状 な ど を 実 現 す る こ と が 憲 法 上 要 請 さ れ て い る と い っ て よ い
)6(
。
第 三 に 、﹁ 国 民 に わ か り や す い 司 法 ﹂ に い う ﹁ 国 民 ﹂ と は 、 ① 日 本 国 憲 法 の 最 も 基 礎 的 な 条 文 で あ る 憲 法 一 三 条 の 念 頭 に 置 く 国 民 像 、 お よ び 、 ② 日 本 国 憲 法 の 国 民 主 権 原 理 の 下 で の 国 民 像 ( 主 権 者 と し て 想 定 さ れ て い る す べ て の 国 民 像 ) で あ る 。 私 見 に よ れ ば 、 私 的 生 活 ・ 公 的 生 活 を 含 め 日 々 日 常 に お い て 自 己 人 生 創 造 の 希 求 の 営 み を 行 っ て い る 国 民 で あ る ( 自 己 人 生 創 造 希 求 権 論 )。 具 体 的 に は 、﹁ 国 民 に わ か り や す い 司 法 ﹂ と い う 場 合 の ﹁ 国 民 ﹂ と は 、 現 行 法 制 を 念 頭 に 置 く と " 中 学 校 の 課 程 を 修 了 し て 社 会 に 出 、 自 己 人 生 創 造 希 求 の 営 み を 行 っ て い る 人 々 " を 指 す
)7(
。
最 高 裁 大 法 廷 自 身 、 こ の ﹁ 国 民 に わ か り や す い 司 法 ﹂ の 考 え 方 を 確 認 す る も の が あ る
)8(
。
さ ら に 、﹁ 国 民 に わ か り や す い 司 法 ﹂ の 視 点 は 、﹁ 国 民 に わ か り や す い 立 法 ・ 国 会 ﹂ の 視 点 を 導 出 す る も の で あ り 、 国 会 自 ら 、 法 律 の 中 で こ の こ と を 確 認 し て い る も の が あ る
)9(
。
( 二 ) 二 〇 一 五 年 の 二 つ の 大 法 廷 判 決 多 数 意 見 に 関 す る 基 本 的 評 価
二 〇 一 五 年 の 違 憲 判 決 と 合 憲 判 決 と い う 最 高 裁 大 法 廷 判 決 多 数 意 見 の あ り 方 に つ い て は 、" 両 者 を あ わ せ れ ば そ れ な り の バ ラ ン ス の と れ た 対 応 で あ る ( い わ ゆ る 一 勝 一 敗 で あ る )" と い っ た 評 価 も 見 ら れ な い で は な い 。 し か し 、 民 法 七
( )民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性同志社法学 六九巻四号五一三〇五
三 三 条 一 項 ( 女 性 の み 再 婚 禁 止 期 間 規 定 ) に つ い て は 、 こ れ ま で の 最 高 裁 判 例 の 動 向 お よ び ( 憲 法 ・ 民 法 ) 学 説 の 動 向 に 照 ら せ ば 、 ( 六 か 月 の 再 婚 禁 止 期 間 規 定 の う ち 一 〇 〇 日 を 超 え る 部 分 に つ い て の 一 部 無 効 法 令 違 憲 か 全 部 無 効 法 令 違 憲 か の 差
異 は あ る と し て も ) 憲 法 一 四 条 一 項 違 反 の 法 令 違 憲 判 決 が 下 さ れ る べ き 段 階 に あ っ た と い っ て よ い 。 今 回 の 二 〇 一 五 年 の 最 高 裁 大 法 廷 判 決 も 民 法 七 三 三 条 一 項 自 体 が 違 憲 で あ る と す る 点 で は 、
判 官 全 員 一 致 の 違 憲 判 決 < 裁
₁₀)(
。 か 方 適 否 の 分 析 に 置 ・ れ る べ き こ と に な ろ う 多 決 大 判 廷 法 意 数 断 見 の 憲 法 判 の あ り 高 裁 最 析 照 る 分 、 と す ら に 重 と こ た し う こ の 点 条 け 、 民 法 七 五 〇 は 違 憲 訴 訟 に お て し 下 い る 。 > を
二 〇 一 五 年 の 最 高 裁 大 法 廷 判 決 多 数 意 見 ( 民 法 七 五 〇 条 合 憲 判 決 ) に つ い て は 、 こ の 合 憲 判 断 に は 異 論 ・ 問 題 が あ る と す る 立 場 に お い て も 、 ⅰ 憲 法 二 四 条 二 項 の ﹁ 個 人 の 尊 厳 と 両 性 の 本 質 的 平 等 ﹂ 規 定 の 大 法 廷 判 決 多 数 意 見 に よ る 解 釈 が
性 憲 能 可 る け づ 枠 に 的 法 を 今 使 行 権 量 裁 法 立 ) の 後 < (
務 責 指 を 題 課 ・ 務 ・ し 指 任 の 会 国 、 て 摘 た 摘 評 と る れ ら み も 釈 る 判 す 価 評 を 分 部 決 し
₁₁)論 会 国 、 は 方 り 在 の 度 制 の 種 の こ 、﹁ し と ﹂ い で い ぜ 柄 ﹂ は な ら な か ほ に 事 ら き べ る れ さ 断 判 、 れ な で の も る ず 断 と い た を 示 し は 後 に で 判 あ 断 い 憲 合 て 、 つ に 条 〇 五 七 法 民 る が な 夫 な が 性 理 合 に ︺ お 氏 別 婦 制 的 う 択 、﹁ そ の よ な 制 度 ︹ 選 す や 釈 評 る ⅱ 価 評 を 点 つ 、 も こ の 大 法 廷 判 決 多 数 意 見 が > を
(
。
し か し 、 今 回 の 民 法 七 五 〇 条 違 憲 訴 訟 は 、 一 九 九 六 年 二 月 二 六 日 の 法 制 審 議 会 で 決 定 さ れ た ﹁ 民 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 案 要 綱 ﹂ で 夫 婦 同 氏 夫 婦 別 氏 選 択 制 ( 民 法 七 五 〇 条 を ﹁ 夫 婦 は 、 婚 姻 の 際 に 定 め る と こ ろ に 従 い 、 夫 又 は 妻 の 氏 を 称 し 、 又 は 各 自 の 婚 姻 前 の 氏 を 称 す る ﹂ と い う 条 文 に 改 正 す る 提 案 ) の 提 示 ・ 公 表 か ら き わ め て 長 き に わ た り 放 置 さ れ る と い う 国 会 の 懈 怠 ・ 怠 慢 に 抗 し て 提 起 さ れ た も の で も あ る こ と
)₁₂(
、 そ し て 、 今 回 の 二 〇 一 六 年 一 二 月 一 六 日 の 最 高 裁 大 法 廷 判 決 多 数 意 見 ( 民 法 七 五 〇 条 合 憲 判 決 ) に み ら れ る
" の 譲 敬 " の へ 会 国 見 高 意 数 多 廷 法 大 裁 < 最
憲 実 す る 気 配 さ え 見 せ て い な い 現 を 開 前 に し て 、 原 告 弁 護 団 ・ 実 務 ・ 始 が 夫 択 夫 婦 同 氏 会 婦 別 氏 選 制 に 関 す る 審 議 を 国 上 一 年 半 以 ら を 経 て も 、 > か
( )同志社法学 六九巻四号六民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性一三〇六
法 学 説 は 、( こ れ ま で の 反 省 も 踏 ま え て )﹁ 民 法 七 五 〇 条 違 憲 訴 訟 の 再 開 の 必 要 性 ﹂ を 銘 記 し た 、 新 た な 歩
あゆみを 進 め ざ る を 得 な い よ う に 思 わ れ る 。
無 論 、 問 題 の あ る 最 高 裁 大 法 廷 合 憲 判 決 で あ っ て も 、 基 本 的 人 権 の 保 障 の 将 来 に お け る 十 分 な 実 現 に 向 け て 、 そ の 合 憲 判 決 か ら も
業 と 作 析 分 例 判 ・ 釈 解 法 憲 う い る 来 す 出 析 を 分 部 る う し 用 活 に 的 < 将
。 る あ で の も 義 る あ の 意 、 な 要 重 、 体 自 れ そ > は
し か し な が ら 、 基 本 的 人 権 の 憲 法 的 保 障 の 十 全 な 実 現 を 企 図 す る と い う ﹁ 国 民 の た め の 司 法 ﹂ の 実 現 と い う 観 点 か ら す れ ば 、 そ も そ も 、 二 〇 一 五 年 の 最 高 裁 大 法 廷 判 決 多 数 意 見 ( 民 法 七 五 〇 条 合 憲 判 決 ) に つ い て は 、 こ と さ ら 、 民 法 七 五 〇 条 に つ い て の 合 憲 判 断 を 示 す 必 要 が あ っ た の か と い う 点 に つ い て の 検 討 も 行 っ て お く 必 要 が あ ろ う 。 今 回 の 原 告 弁 護 団 が ﹁ 立 法 不 作 為 攻 撃 型 ﹂ 違 憲 国 賠 訴 訟 の 形 式 を 用 い た ( 援 用 し た ) 本 件 憲 法 訴 訟 に お い て は 、 違 憲 国 賠 請 求 に つ い て
件 違 一 一 項 に い う 条 法 な る た め の 要 と し が 仮 に 違 憲 と 家 て も 国 賠 償 法 作 為 不 成 民 一 七 年 大 法 廷 判 決 ( 在 外 日 本 国 選 法 件 立 、 う い に ) 事 挙 求 請 等 認 確 権 < 平
>
)₁₃
(
を 充 足 す る に は 至 っ て い な い と し て 上 告 を 棄 却 し 、 そ の 後 で 、" な お 、 本 判 決 は 夫 婦 同 氏 夫 婦 別 氏 を 並 列 的 に 選 択 す る 制 度 に 合 理 性 が な い と 断 ず る も の で は な く 、 こ の 種 の 制 度 の 在 り 方 は 、 国 会 で 論 ぜ ら れ 、 判 断 さ れ る べ き 事 柄 に ほ か な ら な い と い う べ き で あ る " と の 部 分 を 付 記 す る と い う 判 決 文 の 手 法 も ( よ り 適 切 な も の と し て ) あ り 得 た の で は な い か と い う 評 価 も 不 可 能 で は な い よ う に 思 わ れ る
)₁₄(
。
最 高 裁 合 憲 判 決 に 関 す る こ の よ う な 分 析 は 、 住 民 基 本 台 帳 ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム ( 住 基 ネ ッ ト ) 差 止 等 請 求 事 件 に お け る 二 〇 〇 八 年 の 最 高 裁 合 憲 判 決
)₁₅(
に つ い て も 妥 当 す る と い え よ う 。 す な わ ち 、 ⅰ こ の 住 基 ネ ッ ト を 合 憲 と す る 最 高 裁 判 決 に は 異 論 ・ 問 題 点 が あ る と し つ つ も 、 基 本 的 人 権 ( 自 己 情 報 コ ン ト ロ ー ル 権 等 ) の 保 障 の よ り 十 分 な 実 現 の た め に
業 と 作 析 分 例 判 ・ 釈 解 法 憲 う い る 来 す 出 析 を 分 部 る う し 用 活 に 的 < 将
>
)₁₆
(
は そ れ 自 体 重 要 な も の で あ る が 、 こ れ に と ど ま
( )民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性同志社法学 六九巻四号七一三〇七
る こ と な く 、 あ わ せ て 、 ⅱ そ も そ も 、 こ の 住 基 ネ ッ ト 事 件 最 高 裁 合 憲 判 決 に つ い て は 、 こ と さ ら 住 基 ネ ッ ト に つ い て の 合 憲 判 断 を 示 す 必 要 が あ っ た の か と い う 点 の 検 討 ︱ た と え ば 大 阪 高 裁 違 憲 判 決 の い わ ば 初 歩 的 な 誤 り を 指 摘 し 、 最 高 裁 と し て は 合 憲 判 断 を 明 示 的 に 示 す こ と な く ︹ 憲 法 判 断 に 入 る こ と な く ︺ 処 理 す る と い う 判 決 手 法 の 検 討 ︱ も 行 っ て お く 必 要 が あ ろ う
)₁₇(
。
ま た 、 二 〇 一 五 年 の 最 高 裁 大 法 廷 判 決 多 数 意 見 の 民 法 七 五 〇 条 合 憲 判 断 に 対 し て 、 違 憲 判 断 ( 民 法 七 五 〇 条 が 憲 法 二 四 条 に 違 反 す る と の 法 令 違 憲 の 判 断 ) を 示 し た 三 裁 判 官 ( 裁 判 官 岡 部 喜 代 子 ・ 櫻 井 龍 子 ・ 鬼 丸 か お る ) が い ず れ も 女 性 で あ っ た こ と を 指 摘 し 、 本 件 憲 法 訴 訟 お よ び 大 法 廷 判 決 は " 女 性 差 別 解 消 に 向 け て の 意 義 を 有 す る と す る 評 釈 " も み ら れ る 。 し か し 、 民 法 七 五 〇 条 の 憲 法 適 合 性 に 関 す る 今 回 の 大 法 廷 判 決 の 対 立 構 造 は 、 一 〇 ( 合 憲 ) 対 五 ( 違 憲 ) で あ り 、 五 ( 違 憲 ) の 内 訳 は 四 ( 岡 部 裁 判 官 の 違 憲 判 断 、 お よ び こ れ に 同 調 す る 櫻 井 ︹ 意 見 ︺・ 鬼 丸 ︹ 意 見 ︺・ 山 浦 善 樹 ︹ 反 対 意 見 ︺) と 一 ( 岡 部 意 見 と は 異 な る 立 論 に よ り 違 憲 判 断 を 下 し た 木 内 道 祥 ︹ 意 見 ︺) で あ る こ と を 確 認 し て お く べ き で あ ろ う 。
ま た 、 あ え て 付 言 す れ ば 、 そ も そ も 、 今 回 、 民 法 七 五 〇 条 違 憲 訴 訟 が " 女 性 差 別 訴 訟 ・ 間 接 差 別 訴 訟 " と し て も 提 起 さ れ た こ と 自 体 ( 原 告 ・ 原 告 弁 護 団 の 思 い と し て は 、 む し ろ 、 そ こ に 力 点 が 置 か れ た の で あ ろ う か ) に 適 切 で は な い と こ ろ が あ っ た よ う に も 思 わ れ る
)₁₈(
。
民 法 七 五 〇 条 違 憲 訴 訟 は 、 基 本 的 に は 、" ( 女 性 で あ れ 男 性 で あ れ ) か け が え の な い 個 人 の 生 き 方 の 多 様 性 の 尊 重 の 原 理 に か か わ る も の 、 個 人 の 尊 重 ・ 尊 厳 原 理 ( 憲 法 一 三 条 前 段 ・ 憲 法 二 四 条 二 項 の ﹁ 個 人 の 尊 厳 ﹂) に か か わ る も の " で あ る こ と に 着 目 す る 違 憲 訴 訟 と し て 立 論 を 構 成 し 、 再 度 、 提 起 さ れ る べ き も の で は な か ろ う か 。
( )同志社法学 六九巻四号八民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性一三〇八
一 上 告 理 由 に み る 原 告 弁 護 団 の 主 張 に 関 す る 疑 問 点
( 一 ) 事 実 の 概 要 と 原 告 団 の 構 成 内 容 と 訴 訟 形 式
﹁ 事 は ﹂ 要 概 の 係 関 実 た 原 し 定 確 に 法 適 の 審 、
告 上 人 < ⑴
X ( 氏 )
1x ( 名 )( 戸 籍 上 の 氏 名 は ﹁
1x A ﹂ で あ る 。) は 、
1Aa と て し と 氏 の 称 通 、 が た め 定 る と す 称 を 氏 の 夫 、 際 の 姻 婚 の ﹁
X ﹂ を 使 用 し て い る 。 ⑵ 上 告 人
1X
2x と 上 告 人
2X
3人 と 後 の 氏 が 選 択 さ て い な い れ し れ て 上 ⑶ 。 た 告 さ と 理 受 不 出 婚 姻 届 を 提 が し た 再 、 婚 姻 度 、 、 す が た め 定 と る 称 協 を 氏 の 夫 、 際 の 後 議 婚 上 の そ 、 は ら 人 告 同 上 。 た し を 婚 離 の 姻 x 、 は
3X
4x ( 戸 籍 上 の 氏 名 は ﹁
4x B ﹂ で あ る 。) は 、
4﹁ と て し と 氏 の 称 通 、 が た め 定 る す 称 を 氏 の 夫 、 際 の Bb と 姻 婚 の X ﹂ を 使 用 し て い る 。 ⑷ 上 告 人
4X
5x ( 戸 籍 上 の 氏 名 は ﹁
5で あ る 。) は 、 x C ﹂
5Cc と て し と 氏 の 称 通 、 が た め 定 る と す 称 を 氏 の 夫 、 際 の 姻 婚 の ﹁
X ﹂ を 使 用 し て い る 。
5る あ 。 と い う も の で > 、
ま た 、 訴 訟 形 式 は
る を づ き 害 賠 償 損 求 る 事 案 で あ め と と ら な い 法 い う 立 不 置 を を 措 法 立 る す 廃 改 為 定 規 件 本 作 法 の 、 基 に 項 一 条 一 法 違 賠 家 国 償 し 、 対 を 理 由 に 被 上 告 人 に す 等 に 違 反 二 る と 主 張 し 、 項 び 下 ( と 定 規 件 本 ﹁ 以 定 う 規 の 条 〇 五 七 及 い ﹂ 。) 条 項 一 条 四 二 、 は 一 項 四 三 憲 一 法 条 、 一 婦 め 定 に 際 の 姻 婚 が 件 夫 、 が ら 人 告 上 、 は と る 民 こ を 法 る め 定 と る す 称 氏 ろ の 妻 は 又 夫 い 従 に < 本
> 。
〔 コ メ ン ト 1 〕 = 原 告 団 に は 、" 結 婚 ・ 婚 姻 を 約 束 し 、 し か も 婚 姻 後 は お 互 い を 尊 重 し て こ れ ま で の 氏 を 用 い た い ( 夫 婦 別 氏 で の 婚 姻 を し た い ) と 考 え て い る が 、 民 法 七 五 〇 条 の た め に 萎 縮 し 婚 姻 届 を 提 出 す る に は 至 っ て い な い 男 女 ・ 女 男
)₁₉(
カ ッ プ ル " は 、 含 ま れ て い な い 。 こ れ は ど の よ う な い き さ つ ( 戦 術 論 な ど ) か ら な の で あ ろ う か 。
( )民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性同志社法学 六九巻四号九一三〇九
本 件 事 案 に 関 し て 原 告 弁 護 団 が 援 用 し う る 訴 訟 形 式 と し て は 、 さ し あ た り 、 ① 婚 姻 届 不 受 理 に 対 し て 、 戸 籍 法 一 二 一 条 (﹁ 戸 籍 事 件 ( 第 百 二 十 四 条 に 規 定 す る 請 求 に 係 る も の を 除 く 。) に 関 す る 市 町 村 長 の 処 分 を 不 当 と す る 者 は 、 家 庭 裁 判 所 に 不 服 の 申 立 て を す る こ と が で き る ﹂) に 基 づ き 家 庭 裁 判 所 に 対 し て 行 う 不 服 申 し 立 て 、 ② 婚 姻 届 不 受 理 を ﹁ 処 分 ﹂ と と ら え て の 婚 姻 届 不 受 理 処 分 の 取 消 訴 訟 ( 行 政 事 件 訴 訟 法 三 条 二 項 )、 ③ 立 法 作 為 ・ 立 法 不 作 為 を 違 憲 と し て 攻 撃 す る 国 家 賠 償 請 求 訴 訟 ( 国 家 賠 償 法 一 条 一 項 )、 が 考 え ら れ う る 。 ② の 取 消 訴 訟 に つ い て は 、 最 高 裁 は 十 分 な 理 由 を 付 す る こ と な く 、 利 用 で き な い と し て い る
)₂₀(
。 原 告 弁 護 団 が 、 今 回 、 ① の 争 訟 方 法 を 援 用 せ ず 、 ③ の 訴 訟 形 式 の み を 援 用 し た 理 由 は ど こ に あ っ た の で あ ろ う か 。
仮 に 、 ③ の 訴 訟 形 式 を 選 択 し 用 い る 場 合 に も 、 原 告 弁 護 団 が ﹁ 立 法 作 為 ﹂ 攻 撃 型 違 憲 国 賠 訴 訟 ( 民 法 七 五 〇 条 自 体 が 憲 法 二 四 条 一 項 等 の 保 障 す る 婚 姻 の 自 由 を 違 憲 的 に 制 約 す る と の 立 論 ) で は な く 、 今 回 の ﹁ 立 法 不 作 為 ﹂ 攻 撃 型 違 憲 国 賠 訴 訟 を 援 用 し た 理 由 は ど こ に あ っ た の で あ ろ う か 。
( 二 ) 上 告 理 由 に お け る
張 条 主 の と る す 反 違 に 三 法 一 法 憲 が 条 〇 五 七 < 民
い つ て > に
最 高 裁 判 決 文 に よ れ ば ( な お 、原 告 弁 護 団 か ら す れ ば 、上 告 理 由 に つ い て の 最 高 裁 判 決 文 の ま と め 方 は 適 切 で は な い と の 批 判 ・ 反 論 も あ り う る か と も 思 わ れ る が 、 こ こ で は 立 ち 入 ら な い ) 、
る あ で の も い 当 不 を ﹂ 由 自 さ な れ 侵 制 強 を 更 変 に 、 害 反 う い を 旨 る す 違 し に 条 三 一 法 憲 氏 の ﹁ 障 格 て 保 さ れ る る 人 権 の 一 内 容 で あ 民 、 は ︺ 由 旨 理 告 上 ︹ 七 法 の 五 〇 条 が 、 憲 法 上 権 利 と し < 論
> 。
〔 コ メ ン ト 2 〕 = 原 告 弁 護 団 に よ る " 憲 法 一 三 条 を 根 拠 と す る ﹁ 氏 の 変 更 を 強 制 さ れ な い 自 由 ﹂" と い う 新 し い 人 権 ( 日
本 国 憲 法 典 自 体 に 明 記 さ れ て い な い 基 本 的 人 権 ) の 主 張 に つ い て 、 原 告 弁 護 団 の 立 論 は 、" 新 し い 人 権 の 司 法 的 承 認 の 要 件
( )同志社法学 六九巻四号一〇民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性一三一〇
の 一 つ で あ る ﹁ 新 し い 人 権 の 特 定 性 ・ 明 確 性 ・ 独 自 性 の 要 件 ﹂" を 充 足 す る に 足 る も の で あ っ た か の 点 に つ い て の 慎 重 な 検 討 を 要 し よ う 。 憲 法 一 三 条 違 反 の 主 張 に つ い て は 、 憲 法 一 三 条 の 補 充 的 保 障 説 ・ 補 充 的 適 用 説 に 照 ら せ ば 、 主 張 す る 基 本 的 人 権 に つ い て の 個 別 的 保 障 規 定 ( 本 件 で は 、 婚 姻 の 自 由 を 保 障 す る 憲 法 二 四 条 一 項 等 ) が あ る 場 合 に は 、 そ の 個 別 的 保 障 規 定 ・ 条 文 を 優 先 的 に 主 張 ・ 立 論 す べ き で あ ろ う 。
な お 、 民 法 七 五 〇 条 が 憲 法 一 三 条 に 違 反 し な い と す る 多 数 意 見 に 対 し て は 、 個 別 意 見 は 付 さ れ て い な い 。
( 三 ) 上 告 理 由 に お け る
張 一 主 の と る す 反 違 に 項 条 法 四 一 法 憲 が 条 〇 五 七 < 民
い つ て > に
最 高 裁 判 決 文 に よ れ ば 、
る あ で の も う せ 規 る す 有 を 果 効 る を わ 負 で 益 利 不 に み の 定 か あ 項 い を 旨 る す 反 違 に 一 る 条 四 一 法 憲 、 ら 女 性 ど を ん と ほ 、 せ さ 生 発 別 、 九 告 六 % 以 条 が 、﹁ 〇 五 七 法 民 の は 由 理 上 て 夫 択 差 性 う い と る す 選 婦 を 氏 の 夫 い お に < 上
> 。
〔 コ メ ン ト 3 〕 = 憲 法 一 四 条 一 項 適 合 性 を 争 う 憲 法 訴 訟 に お い て は 審 査 項 目 Ⅰ ( 後 述 ) の 段 階 で 、 ま ず 、 ① ﹁ 誰 と 誰 と の 区 別 ﹂ を 問 題 と す る の か を 明 確 に し な け れ ば な ら な い が 、 民 法 七 五 〇 条 は ﹁ 夫 又 は 妻 の 氏 ﹂ と 規 定 し て い る の で 、 法 律 の 文 言 上 は ﹁ 男 女 区 別 ﹂ は 存 在 し な い こ と に な る 。 に も か か わ ら ず あ え て 女 性 差 別 効 果 論 ・ 間 接 的 差 別 効 果 論 を 主 張 し た の は ど の よ う な 理 論 的 分 析 に 基 づ く も の で あ っ た の か 。 憲 法 一 四 条 一 項 の ﹁ 差 別 さ れ な い ﹂ 規 定 違 反 と し て
論 果 立 の て し 拠 依 に 論 効 的 別 差 ︺ の 定 規 律 法 < ︹
、 こ ば せ ら 照 に と こ る あ が ろ と 学 い な で 分 十 お な も に 的 説 > が
論 法 立 の 反 違 項 一 条 四 一 憲 の て し 拠 依 に 論 別 果 効 的 < 差
。 よ 討 を す る 要 う に 思 わ れ る か 検 な 重 慎 、 お な 、 る は る 、 裁 判 所 を 説 得 し う に い 足 る も の に な り え て > に
憲 法 一 四 条 一 項 違 反 を 立 論 す る 場 合 は 、 憲 法 一 四 条 一 項 を 援 用 す る こ と に よ り 個 別 の 自 由 権 等 保 障 規 定 を 援 用 す る よ
( )民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性同志社法学 六九巻四号一一一三一一
り も " 審 査 の 厳 格 度 を 高 め る こ と が で き る 場 合 " に 限 定 さ れ る べ き で あ ろ う こ と に 照 ら せ ば 、 本 件 で は 、 ま ず は 、 憲 法 二 四 条 違 反 を 主 軸 に 展 開 ・ 立 論 さ れ る べ き で あ っ た よ う に 思 わ れ る 。
な お 、 民 法 七 五 〇 条 が 憲 法 一 四 条 一 項 に 違 反 し な い と す る 多 数 意 見 に 対 し て は 、 個 別 意 見 は 付 さ れ て い な い 。
( 四 ) 上 告 理 由 に お け る
張 条 主 の と る す 反 違 に 四 法 二 法 憲 が 条 〇 五 七 < 民
い つ て > に
最 高 裁 判 決 文 に よ れ ば 、
る 尊 の も る す 害 侵 を 厳 人 し 個 が 条 〇 五 七 法 民 と の て る 、 あ で の も う を 旨 い 反 違 に 条 四 二 法 す 憲 ま の 裁 法 立 た 会 国 、 の 量 も 存 在 を 考 慮 し た と し て 、 り 、 あ す 的 で の 要 件 と る こ と で 、 質 実 に 侵 の も る す 婚 害 を 由 自 の 姻 な 〇 に 婦 夫 、 が 条 告 五 七 法 民 、 は 由 理 う ろ と と め 出 届 姻 婚 を こ る 改 す を 氏 が 方 一 の 者 る < 上
> 。 二 憲 法 訴 訟 に お け る 審 査 項 目
二 〇 一 五 年 一 二 月 一 六 日 の 最 高 裁 大 法 廷 判 決 多 数 意 見 ( 民 法 七 五 〇 条 合 憲 判 決 ) の 検 討 に 入 る 前 に 、 概 括 的 で は あ る が 、﹁ 憲 法 訴 訟 に お け る 審 査 項 目 ﹂ に つ い て 言 及 し て お く こ と と す る 。 本 稿 で は 、﹁ 憲 法 訴 訟 ﹂ を さ し あ た り 、﹁ 具 体 的 訴 訟 形 式 に お い て 憲 法 違 反 の 主 張 や 憲 法 判 断 ( 法 令 の 憲 法 適 合 的 解 釈 に よ り 処 分 違 法 判 決 が 下 さ れ る 場 合 を 含 む ) が 示 さ れ る 訴 訟 ﹂ と 定 義 し て 論 を 進 め る
)₂₁(
。 本 稿 に い う ﹁ 憲 法 訴 訟 に お け る 審 査 項 目 ﹂ と い う 用 語 は 、 最 高 裁 判 決 自 体 に お い て 用 い ら れ て い る 用 語 で は な い が 、 最 高 裁 多 数 意 見 が 行 っ て い る 憲 法 適 合 性 審 査 ( 違 憲 審 査 ・ 合 憲 性 審 査 ) の 作 業 内 容 ・ 用 語 を 念 頭 に 置 い て 、 最 高 裁 が 実 際 に 行 っ て い る こ と を 表 現 す る た め の 用 語 で あ る 。
( )同志社法学 六九巻四号一二民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性一三一二
( 一 ) 自 由 権 保 障 規 定 適 合 性 審 査 に お け る 審 査 項 目
自 由 権 保 障 規 定 ( 思 想 良 心 の 自 由 を 保 障 す る 憲 法 一 九 条 、 表 現 の 自 由 を 保 障 す る 憲 法 二 一 条 、 婚 姻 の 自 由 を 保 障 す る 憲 法 二 四 条 等 ) 適 合 性 審 査 に お け る 審 査 項 目 と し て は 、 以 下 の Ⅰ か ら Ⅴ を あ げ る こ と が で き る
)₂₂(
。
審 査 項 目 Ⅰ ︱ 訴 訟 当 事 者 が 援 用 す る 憲 法 条 文 に よ り 保 障 さ れ る 憲 法 上 の 権 利 利 益 の 内 容 の 審 査 ・ 確 定 、 お よ び 、 ② 争 わ れ る 公 権 力 の 行 為 ( 法 令 、 処 分 な ど ) は 当 該 憲 法 上 の 権 利 利 益 を 制 約 す る も の と と ら え ら れ う る か ( お よ び 、 当 該 制 約 は 当 該 憲 法 上 の 権 利 利 益 の 直 接 的 制 約 か 間 接 的 な 制 約 か な ど ) の 審 査 ・ 確 定 。
審 査 項 目 Ⅱ ︱ 当 該 憲 法 上 の 権 利 利 益 を 制 約 す る 当 該 公 権 力 の 行 為 の 法 令 上 の 根 拠 規 定 の 有 無 ・ 十 分 性 の 審 査 ( 行 政 活 動 に 対 す る 立 法 部 に よ る 授 権 の 原 則 ・ 憲 法 四 一 条 等 )、 当 該 処 分 等 の 直 接 の 根 拠 規 定 と な っ て い る 行 政 規 則 は 法 律 の 委 任 の 範 囲 内 に あ る か の 審 査 ( 憲 法 七 三 条 六 号 、 国 家 行 政 組 織 法 一 三 条 ) 、 当 該 根 拠 規 定 と な っ て い る 条 例 は 法 律 の 範 囲 内 に あ る か な ど の 審 査 ( 憲 法 九 四 条 、 地 方 自 治 法 一 四 条 ・ 一 五 条 ) 。
審 査 項 目 Ⅲ ︱ 目 的 審 査 ( 当 該 憲 法 上 の 権 利 利 益 の 制 約 の 目 的 の 確 定 と そ の 正 当 性 の 審 査 )。
審 査 項 目 Ⅳ ︱ 手 段 審 査 ( 当 該 制 約 目 的 を 達 成 す る た め の 手 段 の 確 定 と そ の 相 当 性 の 審 査 )。
審 査 項 目 Ⅴ ︱ 救 済 方 法 の 審 査 ( 当 該 憲 法 上 の 権 利 利 益 の 制 約 が 違 憲 と 判 断 さ れ た 場 合 に 付 与 さ れ る べ き 救 済 方 法 の 審 査 )。
( 二 ) 憲 法 一 四 条 一 項 違 反 が 主 張 さ れ る 憲 法 訴 訟 に お け る 審 査 項 目
憲 法 一 四 条 一 項 違 反 が 主 張 さ れ る 憲 法 訴 訟 に お い て 、 判 例 は 、 以 下 の Ⅰ か ら Ⅴ の 審 査 項 目 に つ い て 審 査 を 行 っ て い る と と ら え る こ と が で き る 。 な お 、 憲 法 一 四 条 解 釈 論 を 展 開 す る 場 合 、 用 語 法 と し て 、﹁ 区 別 ﹂ と ﹁ 差 別 ﹂ と を 区 別 ・ 識
( )民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性同志社法学 六九巻四号一三一三一三
別 す る 用 語 法 が 採 用 さ れ る べ き で あ る
)₂₃(
。
審 査 項 目 Ⅰ ︱ 憲 法 一 四 条 一 項 違 反 と し て 取 り 上 げ る 区 別 に 関 す る 三 つ の 論 点 の 審 査 ・ 確 定 。 ① ﹁ 誰 と 誰 と の 間 の 区 別 か ﹂ の 審 査 ・ 確 定 。 ② ﹁ 何 に 基 づ く 区 別 か ﹂ と い う 区 別 事 由 ・ 区 別 理 由 ・ 区 別 の 基 準 は 何 か の 審 査 ・ 確 定 。 ③ ど の よ う な 権 利 ・ 法 的 利 益 に 関 す る 区 別 か の 審 査 ・ 確 定 。 そ し て 、 ④ こ れ ら ① ② ③ に 照 ら し て 、 そ の 事 案 類 型 で の 憲 法 一 四 条 一 項 適 合 性 に お け る 審 査 の 厳 格 度 ( 学 説 の い う 厳 格 審 査 基 準 、中 間 審 査 基 準 、緩 や か な 審 査 基 準 な ど ) が 決 定 さ れ る こ と に な る 。 た と え ば 、 ② に つ き 、 A ( 女 性 ) と B ( 男 性 ) と の 区 別 は 、﹁ 性 別 に 基 づ く 区 別 ﹂ と い う こ と に な る が 、﹁ 性 別 に よ る 区 別 ﹂ は 憲 法 一 四 条 一 項 後 段 列 挙 事 項 の 一 つ で あ る ﹁ 性 別 ﹂ に 基 づ く も の で あ る た め 、 学 説 の い う 特 別 意 味 説 ︱ 憲 法 一 四 条 一 項 後 段 列 挙 事 項 に 特 別 の 意 味 を 認 め 、 当 該 事 由 に 基 づ く 区 別 の 憲 法 一 四 条 一 項 適 合 性 審 査 ( 区 別 の 合 理 的 根 拠 の 有 無 の 審 査 ) に 際 し て は 、 審 査 の 厳 格 度 が 高 め ら れ る と す る 説 ︱ を 原 告 等 は 主 張 す る こ と に な る 。
審 査 項 目 Ⅱ ︱ 当 該 区 別 ( 不 利 益 的 区 別 的 取 扱 い ︹ に よ る 原 告 の 法 的 利 益 の 制 約 ・ 剥 奪 ︺) に つ い て の 法 律 上 の 根 拠 の 審 査 。
審 査 項 目 Ⅲ ︱ 目 的 審 査 ( 当 該 区 別 の 目 的 の 確 定 と そ の 正 当 性 の 審 査 )。
審 査 項 目 Ⅳ ︱ 手 段 審 査 ( 当 該 区 別 の 目 的 を 達 成 す る 手 段 ︹ 区 別 的 取 扱 い の 内 容 ・ 態 様 ・ 程 度 ︺ と 目 的 と の 関 連 性 の 審 査 )。
審 査 項 目 Ⅴ ︱ 救 済 内 容 に つ い て の 審 査 ( 違 憲 判 断 が 下 さ れ た 場 合 に 付 与 さ れ る べ き 救 済 内 容 の 審 査 ・ 確 定 )。
( 三 ) 憲 法 一 三 条 適 合 性 審 査 に お け る 審 査 項 目
憲 法 一 三 条 適 合 性 審 査 に お け る 審 査 項 目 の 内 容 は 、 憲 法 一 三 条 を 根 拠 と す る 新 し い 人 権 と し て 主 張 さ れ る も の の 差 異
( )同志社法学 六九巻四号一四民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性一三一四
︱ 基 本 的 に は 、 そ の 人 権 が 不 作 為 請 求 権 的 ( 自 由 権 的 ) な も の か 作 為 請 求 権 的 な も の か ︱ に よ り 、 二 つ に 類 型 化 さ れ る 。 本 件 で 原 告 弁 護 団 が 主 張 す る ﹁ 新 し い 人 権 ﹂ で あ る ﹁ 氏 の 変 更 を 強 制 さ れ な い 権 利 ﹂ は 、 前 者 の 類 型 に 属 す る 。 ⅰ 憲 法 一 三 条 を 根 拠 と し て 主 張 さ れ る 新 し い 人 権 が 不 作 為 請 求 権 的 ( 自 由 権 的 ) な も の で あ る 場 合 、 憲 法 一 三 条 適 合 性 審 査 に お け る 審 査 項 目 は 、 前 述 の ﹁ 自 由 権 保 障 規 定 適 合 性 審 査 に お け る 審 査 項 目 ﹂ と 基 本 的 に は 、 同 様 の も の と な る 。 異 な る 点 は 、 審 査 項 目 Ⅰ に 、 憲 法 一 三 条 の 補 充 的 保 障 説 に 伴 う 審 査 項 目 が 追 加 さ れ る 点 で あ る 。 ⅱ 憲 法 一 三 条 を 根 拠 と す る 新 し い 人 権 が 作 為 請 求 権 的 な も の ( 抽 象 的 権 利 ) で あ る 場 合 の 審 査 項 目 は 異 な り 、 同 抽 象 的 権 利 を 具 体 化 し た 法 律 の 法 令 違 憲 や 憲 法 適 合 的 解 釈 が 問 題 と な る が 、 こ れ ら に つ い て は 別 稿 で 論 ず る 。
三 最 高 裁 大 法 廷 判 決 多 数 意 見 ( 民 法 七 五 〇 条 合 憲 判 決 ) の 構 造 と 問 題 点
( 一 ) 憲 法 二 四 条 適 合 性 に 関 す る 多 数 意 見 の 構 造 と 問 題 点
最 高 裁 判 決 文 の ﹁ 第 4 上 告 理 由 の う ち 本 件 規 定 ︹ 民 法 七 五 〇 条 ︺ が 憲 法 二 四 条 に 違 反 す る 旨 を い う 部 分 に つ い て ﹂ の 構 造 ・ 内 容 は 、 次 の と お り で あ る 。
判 決 は 、 ま ず 、﹁ 第 4 ︱ 1 ﹂ で 上 告 理 由 の 内 容 ( 前 述 ) に 言 及 し た 後 、﹁ 第 4 ︱ 2 、 3 、 4 ﹂ で 、 次 の よ う に 判 示 し た ( な お 、 ① な ど の 番 号 、︹ ︺ と 見 出 し ( ゴ チ ッ ク )、 傍 線 は 筆 者 が 付 加 し た )。 憲 法 二 四 条 一 項 に つ い て
、 し よ に 力 協 の 互 、相 て と 、維 本 基 を と こ る す 有 を り 持 権 と ろ こ と る い て し 定 規 。﹂ さ い な ら な ば れ け な れ 利 の 同 が 婦 夫 等 > 二 に 項 一 、 は 条 四 ) 法 憲 い 1 ( 2 ︺ 4 第 お ︹ て み 、 し 立 成 て い 基 に の ﹁ 意 合 の 性 両 、 は 婚 姻
( )民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性同志社法学 六九巻四号一五一三一五
① こ れ ︹ 憲 法 二 四 条 一 項 ︺ は 、 婚 姻 を す る か ど う か 、 い つ 誰 と 婚 姻 を す る か に つ い て は 、 当 事 者 間 の 自 由 か つ 平 等 な 意 思 決 定 に 委 ね ら れ る べ き で あ る と い う 趣 旨 を 明 ら か に し た も の と 解 さ れ る 。 ② 本 件 規 定 ︹ 民 法 七 五 〇 条 ︺ は 、 婚 姻 の 効 力 の 一 つ と し て 夫 婦 が 夫 又 は 妻 の 氏 を 称 す る こ と を 定 め た も の で あ り 、 婚 姻 を す る こ と に つ い て の 直 接 の 制 約 を 定 め た も の で は な い 。 ③ 仮 に 、 婚 姻 及 び 家 族 に 関 す る 法 制 度 の 内 容 に 意 に 沿 わ な い と こ ろ が あ る こ と を 理 由 と し て 婚 姻 を し な い こ と を 選 択 し た 者 が い る と し て も 、 こ れ を も っ て 、 直 ち に 上 記 法 制 度 を 定 め た 法 律 が 婚 姻 を す る こ と に つ い て 憲 法 二 四 条 一 項 の 趣 旨 に 沿 わ な い 制 約 を 課 し た も の と 評 価 す る こ と は で き な い 。 ④ あ る 法 制 度 の 内 容 に よ り 婚 姻 を す る こ と が 事 実 上 制 約 さ れ る こ と に な っ て い る こ と に つ い て は 、 婚 姻 及 び 家 族 に 関 す る 法 制 度 の 内 容 を 定 め る に 当 た っ て の 国 会 の 立 法 裁 量 の 範 囲 を 超 え る も の で あ る か 否 か の 検 討 に 当 た っ て 考 慮 す べ き 事 項 で あ る と 考 え ら れ る 。
<
〔 コ メ ン ト 4 〕 = 憲 法 二 四 条 一 項 に よ る ﹁ 婚 姻 の 自 由 ﹂ の 保 障
前 記 多 数 意 見 の 判 決 部 分 ① の 傍 線 部 分 の 理 解 と し て は 、 多 数 意 見 は 、" 婚 姻 し な い 自 由 " は 憲 法 二 四 条 の 保 障 の も と に あ る と す る も の の よ う で も あ る が ( も っ と も 、 こ の 点 に つ い て 必 ず し も 明 言 さ れ て い る わ け で は な い ) 、" 婚 姻 す る 自 由 、 判 決 文 で は ﹁ 婚 姻 を す る に つ い て の 自 由 ﹂" は 端 的 に 憲 法 二 四 条 一 項 の 保 障 の も と に あ る と は し て い な い 。
こ の 点 は 、 同 日 の 民 法 七 三 三 条 一 項 違 憲 判 決 に お い て 、 判 決 部 分 ① の 傍 線 部 分 と 同 一 の 文 言 が 判 示 さ れ た 箇 所 に 続 け て 次 の よ う に 述 べ て い る 部 分 が 前 提 な い し 一 体 の も の と な っ て い る も の と 解 す る こ と が で き る 。﹁
示 ① 傍 線 部 分 と 同
< 判一 の 文 言
な と の 子 が 嫡 出 子 と な る こ ( 婦 同 法 七 七 二 条 一 項 等 ) 間 夫 婚 者 姻 は こ れ に よ り 、 配 偶 の や 相 続 権 ( 民 法 八 九 〇 条 )
> 。ど の 重 要 な 法 律 上 の 効 果 が 与 え ら れ る も の と さ れ て い る ほ か 、 近 年 家 族 等 に 関 す る 国 民 の 意 識 の 多 様 化 が 指 摘 さ れ つ つ も 、 国 民 の 中 に は な お 法 律 婚 を 尊 重 す る 意 識 が 幅 広 く 浸 透 し て い る と 考 え ら れ る こ と を 併 せ 考 慮 す る と 、 上 記 の よ う な 婚 姻 を す る に つ い
て の 自 由 は 、 憲 法 二 四 条 一 項 の 趣 旨 に 照 ら し 、 十 分 尊 重 に 値 す る も の と 解 す る こ と が で き る 。 ﹂。
( )同志社法学 六九巻四号一六民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性一三一六
ⅰ ﹁ 婚 姻 を す る に つ い て の 自 由 ﹂ を (" 憲 法 二 四 条 一 項 の 保 障 の も と に あ る " と す る の で は な く )﹁ 憲 法 二 四 条 一 項 の 趣 旨 に 照 ら し 、 十 分 尊 重 に 値 す る も の ﹂ と 位 置 付 け た 点 の 問 題 点 に つ い て は 検 討 さ れ る べ き で あ る が 、 民 法 七 五 〇 条 合 憲 判 決 を 導 出 す る に 際 し て は 、 ⅱ 民 法 七 五 〇 条 を 婚 姻 の 自 由 に 対 す る 直 接 的 制 約 で は な い と し た 点 ( 判 決 部 分 ② ) が よ り 大 き な 要 因 と な っ て い る よ う に 思 わ れ る 。 〔 コ メ ン ト 5 〕 = 民 法 七 五 〇 条 は 婚 姻 の 自 由 の 直 接 的 制 約 か 否 か
判 決 部 分 ② に つ い て は 、 大 法 廷 多 数 意 見 は 民 法 の 編 別 を そ の ま ま 説 明 す る に と ど ま る も の で あ る 。 が 、 そ の 規 定 の も つ 憲 法 解 釈 論 上 の 意 味 に つ い て は 別 途 検 討 さ れ る べ き で あ る と い え る 。 現 行 の 民 法 の 編 別 を み る と 、 第 二 章 ︹ 婚 姻 ︺ 第 一 節 ︹ 婚 姻 の 成 立 ︺ 第 二 款 ︹ 婚 姻 の 要 件 ︺ の も と で 婚 姻 適 齢 規 定 ( 民 法 七 三 一 条 )、 再 婚 禁 止 期 間 規 定 ( 七 三 三 条 一 項 )、 婚 姻 の 届 出 規 定 ( 民 法 七 三 九 条 ) な ど が 置 か れ 、 民 法 七 五 〇 条 は 第 二 節 ︹ 婚 姻 の 効 力 ︺ の も と に 置 か れ て い る 。 が 、﹁ 婚 姻 は 、 戸 籍 法 ( 昭 和 二 二 年 法 律 第 二 二 四 号 ) の 定 め る と こ ろ に よ り 届 け 出 る こ と に よ っ て 、 そ の 効 力 を 生 ず る ﹂( 民 法 七 三 九 条 一 項 )、 民 法 七 五 〇 条 (﹁ 夫 婦 は 、 婚 姻 の 際 に 定 め る と こ ろ に 従 い 、 夫 又 は 妻 の 氏 を 称 す る ﹂) は 戸 籍 法 七 四 条 一 項 一 号 (﹁ 婚 姻 を し よ う と す る 者 は 、 左 の 事 項 を 届 書 に 記 載 し て 、 そ の 旨 を 届 け 出 な け れ ば な ら な い 。 一 夫 婦 が 称 す る 氏 ﹂) と あ わ さ っ て 、 婚 姻 届 書 に ﹁ 夫 婦 が 称 す る 氏 ﹂ の 記 載 が な け れ ば 法 律 婚 と し て の 効 力 が 生 じ な い 構 造 に な っ て お り 、 従 っ て 、 民 法 七 五 〇 条 は 、 法 律 婚 を 望 む 当 事 者 カ ッ プ ル に と っ て 、 当 事 者 の い ず れ で も よ い が 、 い ず れ か 一 方 が 必 ず 他 方 の 氏 に 変 更 ・ 統 一 す る よ う に と 一 律 画 一 的 に 強 制 す る 法 的 構 造 と な っ て お り 、 憲 法 解 釈 論 的 に は 、 民 法 七 五 〇 条 は 一 律 画 一 的 に 夫 婦 同 氏 を 強 制 す る 規 定 で あ り 、 夫 で あ れ 妻 で あ れ 憲 法 二 四 条 一 項 が 保 障 す る ﹁ 婚 姻 の 自 由 ﹂ を 直 接 的 に 制 約 す る も の で あ る と と ら え る べ き で あ る 。 こ の 立 場 で は 、 こ の 婚 姻 の 自 由 と い う 重 要 な 基 本 的 人 権 の 制 約 に は 厳 格 審 査 基 準 が 妥 当 し 、 制 約 目 的 が 極 め て 重 要 な も の で 、 か つ 、 制 約 手 段 が 必 要 最 小 限 度 の も の ( 当 該 制 約 目 的 達 成 に と っ て 必 要
( )民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性同志社法学 六九巻四号一七一三一七
不 可 欠 な も の ) で な け れ ば 憲 法 二 四 条 違 反 と な る と の 基 準 が 導 出 さ れ 、 こ の 基 準 の も と で 民 法 七 五 〇 条 の 法 令 違 憲 の 可 能 性 が 生 じ る こ と と な ろ う 。
多 数 意 見 の ﹁ 直 接 的 な 制 約 で は な い ﹂ と す る 理 解 が ゆ る や か な 審 査 基 準 の 採 用 を 導 出 し て い る と と ら え る こ と が で き る
)₂₄(
。 こ の た め 、 多 数 意 見 は 、 憲 法 二 四 条 二 項 は ﹁ 立 法 裁 量 に 限 定 的 な 指 針 を 与 え る も の ﹂ と は 述 べ る が 、 立 法 裁 量 を 憲 法 的 に 枠 づ け 憲 法 二 四 条 二 項 違 反 の 違 憲 判 断 を も た ら し う る 場 合 は 容 易 に は 想 定 し が た い 立 論 構 造 と な っ て い る 。 憲 法 二 四 条 二 項 に つ い て
。 も を 与 え る 針 の い え る と に て も 十 分 た 配 し 法 律 つ い 図 に 等 と こ る 制 に う よ い な の の 慮 定 で を な 的 定 限 に 量 裁 法 立 も 指 点 の の め る も 求 で あ り 、 こ 図 よ う に と る こ 姻 、 婚 れ る な た 保 が 等 平 的 質 実 の 性 両 度 制 制 の 事 内 こ る れ さ 約 に 当 不 上 実 と が 婚 と に よ り 容 姻 を す る こ 、憲 あ っ て 直 法 上 障 接 保 い で う な は で の も い と る り 足 で れ さ の た 的 と こ き べ す 重 尊 も を 益 利 、 権 人 い な え い は で ま と 利 格 の す る も つ で な く 、 か 侵 害 格 に 当 不 を 権 人 る れ さ 障 保 両 、 の 性 容 そ ば れ れ さ 定 制 が 律 法 の れ 内 れ た 保 が 等 平 な 的 式 形 た を 、 指 針 る 明 示 し て い 要 請 用 の 上 法 立 て え あ て し 対 に と こ 上 か 、 ら て し と 権 の 法 憲 、 に 単 利 は そ 針 る 、 と の 要 請 、 指 す 質 法 本 、 が 条 四 二 ︺ 憲 、 て し そ 行 改 。︹ に 的 れ 様 わ え 作 法 立 き べ る 行 々 て し 討 検 を 素 要 な る い 量 の も た し 画 を 界 限 の と 的 両 性 の 本 項 平 等 に 立 厳 と つ 尊 の 人 個 、 つ す し と 提 前 も 脚 質 べ 示 き の そ 、 て っ よ に と こ す 裁 を す 針 あ る と で 要 請 、 る 指 理 に 一 次 的 会 は 国 の 合 を 第 な 築 構 の 度 制 的 体 具 、 は 項 な 的 っ 立 の 一 条 同 、 は て た 法 に 法 立 当 そ ね 裁 、 に 委 量 る と と も に 度 制 法 該 当 、 ら か と こ る あ で の も く い て れ ら め 定 が 容 制 の 意 度 あ 設 二 四 二 法 憲 、 ろ こ と る 条 で な の が 重 要 計 味 を 持 つ も 及 定 婚 ︺ 行 改 。︹ る い て 姻 ら 規 と 。﹂ い な な ば れ け な 家 れ び し 族 制 に 的 体 具 の そ て い お に 度 内 法 項 る す る 事 関 は 、 関 連 す そ て し 関 に 項 事 の 他 の は 家 る す 関 に 族 び 及 姻 婚 に び 法 、 質 律 平 婚 さ 定 制 、 て し 脚 立 に 等 的 は 本 の 性 両 と 厳 尊 の 人 個 、 並 > 離 条 い お に 項 二 、 は 四 ﹁ 二 法 憲 ⑵ 2 ︺ 4 第 て 配 、 相 定 選 の 居 住 、 続 、 偶 権 産 財 、 択 選 の 者 ︹
<
( )同志社法学 六九巻四号一八民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性一三一八
婚 姻 ・ 家 族 に 関 す る 立 法 が 憲 法 二 四 条 の 要 請 ・ 指 針 に 適 合 し て い る か に つ い て 審 査 す る 際 の 観 点
。 す 判 断 す き も の と べ る が 相 当 で あ る の 範 法 裁 量 の え 囲 を 超 も の 立 合 会 国 、 き 欠 を 性 理 と て し ら の る み た ざ か 点 観 う い と か 否 か る ら 当 い に を 得 な る よ な 場 合 う 生 に よ り 影 ず る 響 に こ つ と 度 る す 用 採 を 制 同 や 旨 趣 の 検 き 要 討 両 し に 請 の 等 平 的 質 本 の 性 照 と 定 厳 当 該 規 、 が 人 の 尊 個 合 な い 場 更 に 、 に 憲 反 法 し 四 違 に 項 一 条 一 、 条 三 一 法 条 二 四 に さ 制 法 該 当 、 は か 否 か る れ 度 認 て し と の も る す 合 適 も 是 で る も の ら あ る こ と か て い 断 れ ら ね 委 に 判 と 討 検 た わ れ す る ば 度 、 が 定 規 の 律 法 た め 定 を 憲 制 家 法 婚 及 び 姻 族 に 関 す る え な う よ の ど に 的 体 具 て 請 応 に 針 指 、 要 の 条 四 二 法 法 憲 立 講 措 ⑴ に 置 方 多 の 会 国 り お と の 面 記 の 上 ず る か を 選 択 決 定 が は じ て は な ら な い こ と と 当 然 で あ る は い え 、 を 講 置 置 て 措 立 法 措 や 不 合 理 な 差 を 定 め 別 憲 違 法 立 る 法 反 す に 一 条 四 一 項 法 と 、 憲 利 上 の 権 す と る も う そ ⑵ 行 改 。︹ る あ で の き て し ︺ 保 し 障 反 違 に 条 三 一 法 る 憲 て す 害 さ に 当 不 を 権 格 人 る れ 侵 お け る 社 、 会 的 条 件 々 に 方 時 の そ 、 は り 在 の 現 実 の 民 ら 国 の 生 関 べ る れ ら め 決 活 い お に 係 て の 家 と の 状 況 、 族 在 り 方 等 え で は い と 利 な い 人 格 的 ま 内 利 権 た れ さ 障 保 接 直 上 法 憲 や 益 様 実 な 質 そ 、 れ ら え 考 が の も れ 多 そ 的 等 は 、 平 の 容 と し て 据 見 を 律 規 の 体 全 の て い や に 係 関 子 親 代 婦 夫 る け お に た え つ 総 る 合 に 特 。 る あ で の も き べ 、 れ に ら な 判 断 的 よ っ て 定 め 国 を 情 感 民 国 や 統 伝 の 含 す 、 は 項 事 る 関 に 族 家 び 及 た め を 社 ま 婚 時 の れ ぞ れ そ 、 つ つ え 踏 会 因 要 の 々 種 る け お に 況 状 姻 > 、 で 方 他 ⑴ 3 ︺ 4 第 ︹
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民 法 七 五 〇 条 の 憲 法 二 四 条 適 合 性 に つ い て
の ろ い お に 下 の 法 民 の 行 、 こ も と る あ が 義 意 の て し と 称 て 現 、 な 家 、 れ ら え 捉 と 位 単 団 集 そ 的 の 礎 は 社 会 族 自 か つ 基 然 れ 採 用 さ 社 が 、 我 国 の し て 国 と 度 制 法 の が 我 に 年 一 三 に 会 、 定 記 呼 の 族 家 、 着 氏 り お と の は 前 も ⑥ し て き た の で あ る 。 の 法 律 第 九 号 ) 明 施 行 さ れ た 治 一 年 三 治 は 昭 ( 法 民 旧 、 制 二 氏 同 夫 る す 称 を 和 婦 二 よ 年 明 の 前 改 る 正 に 二 二 二 第 律 号 法 家 定 着 性 ・ 呼 族 の 称 制 性 の 行 氏 同 婦 夫 ︹ ア ⑴ ︺ 改 。︹ る 等 つ い に い 氏 の 一 同 が 婦 夫 伴 に 姻 婚 ⑤ ︺ 解 理 の 見 意 数 多 の て す > 検 本 第 4 ︺ 4 討 以 上 の 観 点 か ら 、 件 て 規 定 の 憲 法 二 四 条 適 合 性 に つ い ︹
( )民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性同志社法学 六九巻四号一九一三一九
呼 称 を 一 つ に 定 め る こ と に は 合 理 性 が 認 め ら れ る 。︹ 改 行 ︺ そ し て 、 夫 婦 が 同 一 の 氏 を 称 す る こ と は 、 上 記 の 家 族 と い う 一 つ の 集 団 を 構 成 す る 一 員 で あ る こ と を 、 対 外 的 に 公 示 し 、 識 別 す る 機 能 を 有 し て い る 。 特 に 、 婚 姻 の 重 要 な 効 果 と し て 夫 婦 間 の 子 が 夫 婦 の 共 同 親 権 に 服 す る 嫡 出 子 と な る と い う こ と が あ る と こ ろ 、 嫡 出 子 で あ る こ と を 示 す た め に 子 が 両 親 双 方 と 同 氏 で あ る 仕 組 み を 確 保 す る こ と に も 一 定 の 意 義 が あ る と 考 え ら れ る 。 ま た 、 家 族 を 構 成 す る 個 人 が 、 同 一 の 氏 を 称 す る こ と に よ り 家 族 と い う 一 つ の 集 団 を 構 成 す る 一 員 で あ る こ と を 実 感 す る こ と に 意 義 を 見 い だ す 考 え 方 も 理 解 で き る と こ ろ で あ る 。 さ ら に 、 夫 婦 同 氏 制 の 下 に お い て は 、 子 の 立 場 と し て 、 い ず れ の 親 と も 等 し く 氏 を 同 じ く す る こ と に よ る 利 益 を 享 受 し や す い と い え る 。︹ 改 行 ︺ 加 え て 、 前 記 の と お り 、 本 件 規 定 の 定 め る 夫 婦 同 氏 制 そ れ 自 体 に 男 女 間 の 形 式 的 な 不 平 等 が 存 在 す る わ け で は な く 、 夫 婦 が い ず れ の 氏 を 称 す る か は 、 夫 婦 と な ろ う と す る 者 の 間 の 協 議 に よ る 自 由 な 選 択 に 委 ね ら れ て い る 。︹ 改 行 ︺
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〔 コ メ ン ト 6 〕 = 判 決 部 分 ⑤ の
婦 同 氏 制 が ﹁ 定 着 ﹂ し て き た も の < 夫
文 疑 決 判 。 る あ が 問 は す に 拠 根 の 解 理 る > と
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婚 姻 に 伴 い 夫 婦 が 同 一 の 氏 を 称 す る 夫 婦 同 氏 制 は 、 旧 民 法 ( 昭 和 二 二 年 法 律 第 二 二 二 号 に よ る 改 正 前 の 明 治 三 一 年 法 律 第 九 号 ) の 施 行 さ れ た 明 治 三 一 年 に 我 が 国 の 法 制 度 と し て 採 用 さ れ 、 我 が 国 の 社 会 に 定 着 し て き た も の で あ る
制 る な り あ で 果 結 の 度
₂₅)、﹁ 手 の ﹁ 家 ﹂ に 入 り は 家 ﹂ に 居 る 者 り 同 氏 と 相 よ ﹂ に 旧 民 法 の 夫 婦 同 氏 制 は ﹁ 家 制 が 度 の も と で の も の 、 妻 は 婚 姻 、 す る > と
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、 日 本 国 憲 法 一 三 条 ・ 二 四 条 の 下 で は 違 憲 と し 、 存 在 し え な い も の で あ り 、 こ れ を ﹁ 定 着 性 ﹂ の 根 拠 と し え な い こ と は 明 ら か で あ る 。
〔 コ メ ン ト 7 〕 = 判 決 部 分 ⑥ に つ い て は 、 多 数 意 見 は 、﹁ 憲 法 二 四 条 一 項 を 前 提 と し た ﹂ 憲 法 二 四 条 二 項 の 憲 法 解 釈 論 と い う よ り も 、 民 法 七 五 〇 条 の 法 制 度 に 関 す る 立 法 政 策 の レ ベ ル の 分 析 を 行 っ て お り 、 こ の 立 場 に お い て は 、 既 に 存 在 し て い る 法 律 規 定 ( 民 法 七 五 〇 条 ) を め ぐ る 立 法 裁 量 に 憲 法 的 枠 づ け を 行 う 機 能 は 、 具 体 的 に は 期 待 し え な い よ う な 判 決
( )同志社法学 六九巻四号二〇民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性一三二〇
文 と な っ て い る よ う に 思 わ れ る 。
夫 婦 同 氏 制 の 下 に お い て 婚 姻 に よ っ て 氏 を 改 め る こ と に な る 当 事 者 の 受 け る 不 利 益 の 内 容
。 る 択 を す る が 存 在 す 者 こ も う か が わ れ る と が い ず れ か 不 こ れ ら の 者 の 、 る す と う ろ な と 婦 夫 を は に 益 利 受 え け う い と い な し を 姻 婚 て 選 あ に め た る け 避 を と こ る 、 が る 女 性 益 上 記 の 不 利 と な ら 妻 、 ば れ す か 状 現 る い て 受 を い け も る ら さ 。 る き で 認 推 と の ⑨ る 状 合 場 多 い が 況 が 生 じ て の 氏 、 て し そ ⑧ 。 い な と き で 定 否 は 合 こ る あ が 択 選 夫 に が る め 占 を 数 多 的 倒 圧 婦 関 る す 択 選 を 氏 の 夫 、 し 場 け を 益 利 受 の き 評 用 信 な 的 会 社 人 個 た 成 て し 、 形 で 中 る す 用 使 を 氏 価 、 名 困 不 の ど な る す り た っ 誉 に 難 な が こ る す 持 維 を 等 情 と 感 そ っ て 、 に の こ と に り と よ 者 る め 改 を 氏 て っ よ に 姻 婚 わ い る ゆ を 前 姻 婚 ︺ c 、︹ り た い 抱 の 感 喪 の ィ テ ィ テ ン デ イ ア 失 に 、 婚 姻 と 伴 い 、 夫 婦 て は 制 い お に 下 の 氏 同 婦 夫 ︺ a ろ な を う る ︺ b 、︹ ろ こ と る な に と こ め と 改 氏 ず 必 は 方 一 の 者 る す ︹ > 、( て し 対 に れ こ ⑦ イ ⑴
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。 和 よ り 一 定 程 度 は 緩 に さ 得 る も の で あ る れ ろ と こ の 、 上 記 い る に て っ ま 広 的 会 社 が 利 不 の 益 称 と こ る ま 広 が 用 使 通 は こ 氏 な う よ の こ 、 と る 用 使 て し と 称 通 を 氏 す > 通 の 氏 を 使 称 と し て 姻 前 氏 婚 、 は 制 す 同 婦 夫 ⑩ 、 し か 用 し る は の 前 姻 婚 、 時 近 、 く な で こ の も う い と い な さ で ま と 許
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〔 コ メ ン ト 8 〕 = 判 決 部 分 ⑦ ︹ a ︺ は 、 民 法 七 五 〇 条 の 問 題 性 が 女 性 差 別 の 問 題 で は な く 、﹁ 個 人 の 尊 厳 ﹂( 憲 法 二 四 条 二 項 )、 個 人 の 尊 重 ( 憲 法 一 三 条 後 段 )、﹁ 夫 婦 の 同 等 の 権 利 ﹂( 憲 法 二 四 条 一 項 ) の 問 題 の 分 析 を 促 し 得 る 指 摘 で あ る が 、 多 数 意 見 は こ の 点 に は 踏 み 込 ん で い な い (﹁ ア イ デ ン テ ィ テ ィ ︹ 自 己 存 在 ( 感 )︺ の 喪 失 ﹂ の 憲 法 上 の 重 み に つ い て よ り 論 じ ら れ る べ き で あ る )。 〔 コ メ ン ト 9 〕 = 判 決 部 分 ⑩ の ﹁ 氏 の 通 称 使 用 が 広 ま る こ と に よ り 一 定 程 度 は 緩 和 さ れ 得 る ﹂ と の 指 摘 は 疑 問 で あ り 、 こ の 点 に つ い て は 、 岡 部 意 見 お よ び 木 内 意 見 が 的 確 に 批 判 的 指 摘 を 行 っ て い る ( 岡 部 意 見 は ﹁ 通 称 は 便 宜 的 な も の で 、 使
( )民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性同志社法学 六九巻四号二一一三二一
用 の 許 否 、許 さ れ る 範 囲 等 が 定 ま っ て い る わ け で は な く 、現 在 の と こ ろ 公 的 文 書 に は 使 用 で き な い 場 合 が あ る と い う 欠 陥 が あ る 上 、 通 称 名 と 戸 籍 名 と の 同 一 性 と い う 新 た な 問 題 を 惹 起 す る こ と に な る 。 そ も そ も 通 称 使 用 は 婚 姻 に よ っ て 変 動 し た 氏 で は 当 該 個 人
の 同 一 性 の 識 別 に 支 障 が あ る こ と を 示 す 証 左 な の で あ る ﹂ と 指 摘 す る 。 木 内 反 対 意 見 は ﹁ 法 制 化 さ れ な い 通 称 は 、 通 称 を 許 容 す る か 否 か が 相 手 方 の 判 断 に よ る し か な く 、 氏 を 改 め た 者 に と っ て 、 い ち い ち 相 手 方 の 対 応 を 確 認 す る 必 要 が あ り 、 個 人 の 呼 称 の
制 度 と し て 大 き な 欠 陥 が あ る 。 他 方 、 通 称 を 制 度 化 す る と す れ ば 、 全 く 新 た な 性 格 の 氏 を 誕 生 さ せ る こ と と な る 。 そ の 当 否 は 別 と し て 、 法 制 化 が な さ れ な い ま ま 夫 婦 同 氏 の 合 理 性 の 根 拠 と な し 得 な い こ と は 当 然 で あ る 。﹂ と 指 摘 す る ) 。
総 合 的 に 考 慮 す る と 民 法 七 五 〇 条 は 憲 法 二 四 条 に 違 反 し な い
。 違 は 、 憲 法 四 条 に 二 反 る も の で は な い す て に 照 ら し 欠 合 理 性 を 要 請 と の 等 平 的 質 本 の 性 両 制 厳 尊 く こ 度 い 定 規 件 本 、 て っ が た し 。 な で き で は と る め 認 は と る あ 個 の 人 に 別 ち を と こ る す 称 を 氏 の が め 婦 夫 、 が 制 氏 同 婦 夫 た 認 な し 記 直 で 下 の 況 状 な う よ の 上 い 、 も て し と る あ で の も > 採 的 ウ 用 以 上 の 点 を 総 合 に の 考 慮 す る と 、 本 件 規 定 ⑴
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選 択 的 夫 婦 別 氏 制 に つ い て
。 か 断 さ れ る べ き 事 柄 に ほ 判 な な い と い う べ き で あ る ら こ な く 、 に の 点 の 状 況 な く す 少 が こ と る 拠 依 に 方 め 止 す 関 ろ る り 判 、 ら ぜ 論 で 会 国 、 は 方 れ 在 度 制 の 種 の こ 、 め 含 断 を の 用 の 採 は に つ い て 氏 、 制 と 同 婦 夫 、 り お の 記 上 。 い 出 な 嫡 度 子 在 け 受 の 会 社 る す 対 に の り 方 の ど 仕 組 氏 な み の 婚 姻 制 や 断 は で の も る ず と す い ろ こ る あ が 分 部 る を 上 摘 指 の て い つ に 点 る 、 と 記 う な が 性 理 合 に ( 制 な 度 よ 判 の ) の 1 断 は 、 そ 、 者 る す 望 希 を 氏 別 婦 夫 能 ば え 例 ( 度 制 る 係 に 氏 い さ こ に 余 れ 婦 あ が 地 る 採 を ) 制 氏 別 夫 を 的 択 選 る ゆ わ い る す と 可 小 > 度 、 婦 夫 、 は に 旨 論 お 氏 な の ⑵ 4 ︺ 4 第 同 制 程 こ の 制 規 も り よ れ 、 を 上 た え 捉 と 制 規 ︹
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( )同志社法学 六九巻四号二二民法七五〇条違憲訴訟の再開の必要性一三二二