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ディジタル画像における曲線検出,座標変換及び修復 に関する研究

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Kyushu University Institutional Repository

ディジタル画像における曲線検出,座標変換及び修復 に関する研究

小野, 直樹

https://doi.org/10.11501/3081245

(2)

第5章

反復法による画像の修復

5.1

まえカてき

画像修復とは、何らかの原因で画質の劣化した観測画像から 、 できるだけ元の画 像に近い画像を推定することである。本章では、 ある線形系によって劣化した雑立 の含まれる劣化画像の修復方法につい て研究している。すなわち、原画像をf(.r.ω、

劣化画像をg(:r,y)、画像の劣化系を 表す点拡がり関数(PSF)をhO(.l、y、乙17)とし、

付加雑音をη(:l・,.IJ )としたとき 次の式によって表わされる劣化系における画像の修 復を問題としている。

川〕

j に 二 コ jr 7

h孔ω伽包丸町、♂1山 ここ で、空間不変な 劣化系 であれば、 式(5.1 ) は、

川)

=

.

l 仁 仁 7二一

I

( 仁 仁 ::;

1 も吠(x ω

の仇w州fれ川f(

なる畳み込み積分によつて表すことがでで、き 、さらに周波数領域上で次の関係式が成 り立つ。

G(υ,ぅυ)

=

H(u,v)F(u,り+ N(u,υ) (.5.3) 但し、F(u,υ)ぅG(u,υ), H(u,υ), JV(uぅυ)は、それぞれf(x,y)ぅg(x,ω, h(:ど,V),川X,V) のフーリエ変換であり、u,vはそれぞれムグ方向の周波数を表す。 ま た 、H(仏υ)

は光学的伝達関数(Optical Transfer Function:OTF)と呼ばれる。

劣化画像に雑音が含まれ ていな いときIJ(uぅv) がわかっていれば、形式的には G(uうりに1/H(uうりをかけ て、逆フーリエ変換することによって原画像を得ること

(3)

ができる。 このため1/1-J(u、u)は逆フィルタと呼ばれる。 しかし、Il(u.けがOと なる周波数(11 •けが存在する場合には、 その周波数においてG(U.l1)も0となり、

C( U,川)/11(仏けが不定になるため一意的に修復することができない。

万、}-1 (1ムu)に零点がない場合については、(;(1/., u)/ H(υゥu)を計算することが できるので、 雑音がない場合には原画像を得ることができる。 しかしながら、 雑白 が含まれる劣化画像の場合には逆フィルタによる修復画像は次のようになる。

G(民υ) 八T(民υ)

= F(u, v) + T'T� -" �� (5.,1) H(lI"υ) - - -; I II('uグ)

ここで、l-I(ιu)に零点がない場合でもH(u,りが0に非常に近い他を取る周波数 (u.v)があるときには、 雑音に関する画像成分JV(u.v)/H(u..υ)がその周波数の近傍 において非常に大きな値となり、 修復された画像は原画像とは全く異なったものと なる。 例として図5.1に雑音を含む劣化画像とそれの逆フィルタによる修復結巣を /J、す。

このように OTFが、0もしくはOに非常に近い値をとる状態は、 悪条件(I]l­

conclition)と呼ばれ、 雑音を含む悪条件なOTFによる劣化画像の修復には、 単純 に逆フィルタを用いるのではなく何等かの対策が必要である。 このような、 困像修 復時のOTFの悪条件に起因する雑音強調を緩和するための対策は正則化と呼ばれ 多くの研究がなされている[83][84]0

正則化の一方法として修復フィルタ

H* (u,υ) A('u,v)=

IH(u,υ)12 +γ (.5.5 )

を用いる方法がある。 ここで*は複素共役を表す。 このフィルタにおいて、γは雑 日に応じて与える正の数であり、γ=0とすればA(u,υ)= 1/ H(u,りとなることか ら、 このフィルタが逆フィルタを正則化したものであることがわかる。 この方法は、

非常に簡便でありしかも雑音の抑制にも効果があるが、 このフィルタによって得ら れる画像は、 本来求められるべき画像に比べて、 濃度値が低下しコン卜ラストの些 い画イ像象となつてしまう。 画像修復におけるこのような現象は、 これまでさほど問題 にされなかった。 しかし、 実際には画質はコントラストによって大きく左右される ので、 修復画像における画像濃度の低下は重要な問題である。

本章では、 上記の正則化フィルタを取り上げ、 まず雑音とパラメータγの与え万 との関係について考察した。 次に、γと修復画像の濃度低下との関係を示した。 さ

(4)

( a)原画像

(5)

らに、それらの結果をも とに濃度の低下を考慮し た画像の修復 万法を提案している。

なお、 雑音とパラメータゥとの関係、ゥと 修復画像との関係については、解析の簡 単のために、 主に周波数空間において議論している。 一方、画像修復の万法につい ては、位置によって異なるPSFによる劣化画像への適用も考慮し、画像空間での反 復法を示している。

5.2

離散システムにおける画像修復のための逆フィルタ

原画像を表すベクトルfが、線形劣化系 H と付加雑音πとによって劣化画像g となる場合を考えよう。 すなわち、

g= Hf十n (5.6)

の場合である。 原画像がJVj個の画素からなり、 劣化画像が的個の画素からなる 場合には、ベクトルfはJVj次元ベクトルであり、g及びnはJVg次元ベクトル であって、 それぞれ

f = (.1しんv・. ,.fNJ)t

1

g=(91,92,"',9Ng)t

1

n = (ηhηゎ ?印日)t

J

(5.7)

によって表される。 また、 Hは劣化系のPSFから決定されるJVj行内列の行列 である。

例えば、 一次元の横ブレによる画像の劣化の場合には、縦方向( ,lj方向 )には独 立して 横方向( x 方向)のみに劣化が生じており、劣化画像のz方向の大きさが JVg で、横ブレがL画素の時には原画像のz方向の大きさはJVj= JVg十L-1である。

すなわち、原画像は、一般に劣化画像よりも劣化系のPSFの拡がり(PSFがOでな い範囲)に相当する分だけ大きい。

ここで、 修復画像を次の評価関数を最小にするものとして求めよう。

Jo(f) = IIH f - 9 112 (5.8)

.]o(f)が最小 となる推定値f。は、.]o(f) のfに関する微分を0と置くことによっ て求められる。 すなわち

dJo(f)

ゴ子= 2Ht(Hf -g) = 0 (5.9)

(6)

を解いて、 次のように求められる。

fo = (HtH)-lHtg (,).10) ここで、f。はl\IIoore-Penroseの意味での一般逆行列フィルタ[82J

Ao = (HtH)-lHt (5.11)

による修復画像となっている。

7'G間不変なPSFによる劣化系であって、 更に原画像、 劣化画像がともに八r X八i 画素からなる場合すなわち、 八rf = Jv,y =八'2の場合を考えよう。 このとき、 式(.5.6) に対応して周波数空間で

σ(たうl)= H(kぅl)F(んうl)+l\T(kぅl) kぅl = 1 ,之 、JV (5.12)

が成り立つ。但し、F(ムl)、U(ム1), H(ムl)ぅlV(ム1)は、原画像、 劣化画像、 劣化系の PSF及び雑音を離散フーリエ変換したものである。 同様に、 式(5.10)に対応して

F(ム1)

九(んうl)= G(ム1) (5.13)

H(k,l)fI本(人,l)

が成り立つ。 ここで、 九(k, l)はf。をフーリエ変換したものである。 従って、 一般 逆行列フィルタA。は、 周波数空間で

F(ム1)

Ao ( k, l) = I I��T( �Il(たう1)12" ';

;

') ( 5 .14 )

と表すことができる。 一方、 逆フィルタ1/H(たうりの分母を有理化すれば式(5.14) を導くことができ、逆フィルタ1/H(k,l)は式(5.14)と等価である。 従って、以下 では式(5.14)を逆フィルタと呼ぶことにする。

まえがきで述べたように、 Ao(k,l)が特異点を持つとき、 つまりH(k,l)が0と なる(ん うりがあれば、 雑音がない場合でも 九(k, l)は不確定になってしまい修復凹 像は一意的に定まらない。 また、 H(kぅl)が零点を持つ場合だけでなく、fI(ん,l)が Oに非常に近い値をとる(たうりがあるときには、 雑音がわずかでも含まれている劣 化画像を式(5.14)の逆フィルタによって修復すると、 雑音が非常に強調された戸伽 の悪い修復画像となる。 従って、 修復画像の雑音強調を抑制するために、 逆フィル タの正則化が必要である。

(7)

5.3

逆フィルタの正則化と雑音

雑音の付加された劣化画像を修復するための正則化されたフィルタの構成方法が、

文献[48][49] [50]などにいくつもあげられており、 それぞれ画像の復元の忠実さにつ いての評価方法と雑音の抑制方法とに工夫がみられる。

ここでは、 正則化フィルタの1っとして、 式(5.14)の逆フィルタの分母に、 ある 正数ゥを付加した比較的簡単な形式のフィルタ

H*(丸1) A1(k,l) =

IIi(k./)12 +γ (S.J5)

を考える。 これは.5.1節に示した式(5..5)を離散系で表したものであり、 パラメータ γによって解の不確定さに対処し、 雑音の強調を抑えることができる。

γをk, Lの関数として与える方法が考えられる。 例えば、 H(kヲ1) がOに近い他 を取る場合についてのみγを加える方法や、 γ を画像信号と雑音との比の関数とし て表したウィーナフィルタによる方法である。 しかしながら、 ウィーナフィルタを 構成するためには原画像と雑音との電力スペクトルがわかっている必要がある。 さ らに、 周波数空間での画像修復は空間不変なPSFによる劣化画像についてのみに その適用が限られるので、 位置によって異なるPSFによる劣化画像の修復には、ゥ をた, 1の関数として与えることはできない。

また、計算機によってフーリエ変換する方法としては、FFTが有効で、あるが、FFT は処理対象とする信号を周期関数と仮定している。 ところが、 実際に扱う劣化画像 は、 画像の劣化系全体から見るとその一部を切り出して観測されたものであり、 回 転方向のボケを除き一般に周期関数とはならない。 このような有限の大きさの劣化 画像を、 周波数空間において単純に修復すると、 エッジ誤差と呼ばれる誤差成分の ために画質の悪いものとなる[60][85] 。 更に、 数学的な意味での最適性と心理的な 意味での画質の良さとは一般に必ずしも一致しないことを併せて考慮すると、 パラ メータが少なくできるだけ簡単な形式のフィルタが実用的である。 従って、 ここで

は、γを正定数とした方法を取り上げている。

周波数空間での処理が困難な劣化画像の修復のためには、 画像空間上での反復処 理が有効である。 また、 反復法を用いれば、 修復画像を観測しながら適当な段階で 処理を打ち切ることもでき、 対話的に画像を処理する際には都合がよい。 式(5.15)

(8)

のフィルタによる修復画像は、 画像空間において評価関数

JI(ゥ‘f)=γIIfl12十I gl - Hfl12

(5.16)

を最小化するfの値として求めることができる。

式(5.1.5)のフィルタは、 正則化の考慮された最も簡単なフィルタの一つであり、

則化ノぞラメータゥは、 主に原画像と雑音との関係から定められる値である。 実際 にこのフィルタによって画像を修復する場合には、 いくつか正則化パラメータを変 えて修復を行い各々の修復画像を観測しながら、 最良の修復画像を試行錯誤的に見 つけることになる。 パラメータγ と雑音との関係については次の5.:3.1項で述べる。

また、 反復法による画像の具体的な修復方法については、5.5釘jにi&べる。

5.3.1

雑音とパラメータγとの関係

画像修復を式(5.15)のフィルタによって実行する場合には、 正則化パラメータγ として適当な正数を与える必要がある。 従って、 正則化パラメータの値の与え方に ついて、 ある程度の目安を与えておくことは処理の効率化を図る上で重要である。

ここでは、 雑音とパラメータγとの関係を調べる[81

]0

式(5.15)のフィルタによって求められる画像を周波数空間上で表したものをF1(んうl) で表せば、

H本(丸l)

F1(ムl)= G(K1l) たう1=l,2,...,JV

(5.17)

IH(k, l)12 +γ

と記述でき、 修復画像Fl(kうりにおける残差JV(ん, l)は

JV(kうl)= G( k, l) - H( k, l)FI(ム1)

(5.l8)

と評価することができる。 従って、 この残差のパワースペクトルの2乗和pfは次 式で計算される。

P; -工工(G(k,

l) - H(k, l)ム(k,l))2

=

2 2 (

G(kj)-|

山i

|()LG(kj)

)

2

=

51 2 (

G(kj)

(

l-l

jmu

(9)

=LL

G(k.I)

(

) �

K=1 l=1

l \ |

H

(

i l)12 + ゥ

) J

二 工工1G (

�'. /)

1 '2

(

}

=1l=l

U

H(ム1

)

1'2+ ゥ/

ここで、画像の伝達系 h(心グ)に損失や増IIJ高の無い画像の劣化系の場合を考えよ う。 すなわち

1/

h(之、:y

)(h'dy

= 1

h(�rlY)どO

の場合である。このとき、h(川;ゲ)の離散フーリエ変換H(ムl)については 0三IH(ん,

l)

12三l

(5.L9)

(5.20) なので\

l > γ > γ

- III(k, 1)12十γ-γ+1

(5.21)

が成り立つO 従って、

G NZ同 N乞同 \111111/

γ

一 川

/fili--\

>一

ρ'

(5.22)

なる関係式が導かれる。

ここで、信号と雑音のパワーの比κが、

11π11'2

f\.

一一一一一一

IIfl12

(5.2:3)

の場合を考えよう。このとき雑音のパワースペクトルの2乗和バは

N N

p;=llnI12二κIIfl12=κLLIF(んぅ/)12 (5.24)

ん=1 1=1

と表すことができる。更に、fと nとの相関が小さいときには

玄乞IG(kぅl)

12 =

(1

+κ)乞乞 IF(ムl)12

(5.25)

kニ1 1=1 ん=11=1

となる。このようなG(ム1)をフィルタA1(ん, 1)によって 修復すると、修復結果に今 まれる残差P7は式(5.22)に式(5.25)を代人して

7に F NZ同 NZM

κ +

\Illi--/ γ一川

/JIl--\

>一

ηγ

(5.26)

(10)

と評価できる。

方、 原画像F(ιl)については、

r 八「

ρ7=I::I::(G(んぅ1)

-

Il(ん l)F(k.l))2 (5.27)

であるから、修復結果として原画像F( んう l) が推定さ れた場合には、 雑音の2乗ノ ルムρ?に等しい大きさの残差 が生じOにはならない[8:3]。従って、雑音の含まれて

いる 劣化画像から原画像を推定する ためには、修復画像の残差の2乗ノルムp?を

、、,に最小化するのではなく、修復前の雑音の2乗ノルムρ?と等しくするべきであ ろう。そこ で、

pf=p? (5.28 )

としたときについてγとκの関係を調べよう。なお、 式(5.28)のもとで劣化画像を 修復するフィルタは拘束条件付き最小2乗フィルタ( Constra.j凶Lea.st Squa.re FdtCl・

CLSF)[83]と呼ばれている。

式(5.26)のp?をp?とおいて、 更に式(5.24)を用いれば κ > 卜L l ( l+κ)

\

γ+ 1) (5.29)

が得られ、こ の式は

κ(γ2+2γ+ 1)三γ2(1 +κ)

γ2

_

2γκ-κ:::;0 (5.30) と書き換えられる。式(,5.:30)を解し1て、 更に

κ三0, γ三0

を考慮すると、P7=p?を満足するγ が

ι

+ κ

<一 作I <一 ハU

(5.:31) の範囲に存在することがわかる。図5.2 に

γ0=κ+ぷ可三 (5.32)

(11)

のグラフを示す。 式(5.:31)は、 正則化ノミラメータゥを与える際の目安となる。 例え ばκ= 1;:3のときにはCLSFのゥの値は0:::;,三lの範囲にある。 なお、κ= 1/3 は通常用いられているSN比の表記に従えば約4.8dBに相当し、 画質が非常に劣悪 な場合である。 従って、 ほとんどの劣化画像においては、 修復処理の|療にゥを0か らlの範囲で動せば十分である。 表5.1にSN比とゥを動かす 範囲の日安を示すo SN比40dBの画像は、 雑音に関してはほとんど視覚的に気にならない程度の良好な

画像である。 しかし、 その程度の雑音でもゥ=0による修復画像は、 著しく雑音の 強調された劣悪なものとなる。 従って、 ほとんどの劣化画像の修復においてはゥ> 0 を与える必要がある。

γ。

うL nu QU ぷU 4ム うL nU QU 氏U A吐 つ臼 nu う- nL I- -i lA li -i nU ハu nU ハU ハU

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0

図5.2:γ。とκとの関係

κ

表5.1:劣化画像のSN比とγとの関係

(12)

5.4

逆フィルタの正則化による濃度の低下[86][87]

γを与えることによって、 F1(k, l) の雑音強調を抑えることができるが、 推定値 FI( k, l) が全ての周波数においてγを付加しない逆フィルタを用いた修復結果に比 べて小さな値になってしまう。 これは、 実際の画像において、 コントラストの低下 として観測される。

図5.4は、 図5.3(b) に示す雑音を含まないポケ画像を正則化しない逆フィルタを 用いて修復したときの画像とそれの濃度のヒストグラムである。 一方、 図.5.5は同 じ劣化画像を式(5.15)の正則化フィルタを用いて修復した時の修復画像とそれの濃 度のヒストグラムである。 図5.5では、 画素の値が全体的に濃度値の小さい方に偏っ て分布しており、 ある階調以上の濃度値を持つ画素が存在していないことがわかる。

すなわち、 画像の表示に使われている濃度のダイナミックレンジが小さくなってお り、 コントラストの低下した画像となっている。 ここでは、 雑音を抑制するための γが本来の修復画像に及ぼす影響を調べるために、 あえて雑音を含まない劣化画像 の修復結果を示した。 従って、 γ=0のときに良い修復結果となっているが、 雑音 を含む劣化画像に対しては5.1節に述べたようにγ>0を与える必要がある。

ここでは、 正則化ノぞラメータによる濃度の変化を検討する。

(a)原画像 (b)雑音を含まないボケ画像

図 5.3:原画像と雑音を含まないボケ画像

(13)

画素数 500 400

図5.4:正則化しない逆フィルタを用いたときの修復画像と濃度ヒストグラム

画素数

250濃度値

図5.5:正則化逆フィルタを用いたときの修復画像と濃度ヒストグラム(γ= 0.2)

(14)

5.4.1

正則化による濃度の変化

フィルタAl(k,/)による修復画像Fl(k. 1)を次のように信号成分と雑音成分とに 分けて表すことにする。

Fl ( �'. 1) = J-h ( k) 1) G (人" /)

= A1(k.l)H(k, l)F( k. l) + A1(ん1)JY ( k. /) ( .5 .:3:3 )

式(5.:3:3)の右辺の第1項が原画像本来の修復画像に相当し、 右辺第2項は雑音成分 である。 ここで、 逆フィルタAo(k.l)の分母にゥを付加することによる第1項の変 化について調べよう。 これは、 雑音が付加されていない場合の修復画像について考 察することと等価である。 そこで、 雑音の含まれていない劣化画像の修復結果につ いて、 γの付加に起因する修復画像の変化を調べよう。

γが付加されていないフィルタAo(k, 1)による結果をFrバ人ゅうりとし、 γを付加し たフィルタム(ん,1)による結果をFη1 (たうl)とする。 ここでは、 修復結果を

F凡l(k,l) A1(ム1) IIi(んう1)12

α(kヲl)= 《 = = (534)

Fηo(ム1) Ao(k.l) Ili(ん.1)12+γ によって比較する。 ここで、 γ三0なので

0三α(k) 1)三l (5.:35)

が成り立つから、 それぞれのフィルタによる修復画像については

IF,川たう1)1二α(kう1)IF,ηo(kぅ1)1 三 IFno(k,

L) 1

(5.36)

となる。

画像濃度の変化量を調べるのに、 5.3.1項と同様に画像の伝達系h(xぅ;ゲ)に損失や 増幅の無い画像の劣化系

0三IIi(kぅ1)12三l の場合を考えよう。 式(5.:3Ll)にこの式を代入すると、

的ぅ1) �ー1

-1+γ (5.:37)

(15)

が得られる。 すなわち、α(k, 1)は、IH(ι1)12 = 1のときに最大値となり、 ほとんど の周波数において1/(1+ゥ)よりも小さな値になる。

以上のことから、γを付加することによって修復画像のパワースペクトルは、

(5.:38) IFn1(ん.l)12< 1

2

|

川k.1) 1之

一(1十ゥ)

(.5.:39)

これを画像全体のパワーで考えると

人r N N N 1

L L IFn1(んぅl)12くLL (1

,j_ N \21九。( k �

1)12

-kl l=1(l + γ) となる。

であり、 パーシバルの定理より画像の2乗ノルムについても次の式が成り立つ。

(5.40)

||fJ12<

一(1 +γ)

1 2||fη0112

但し、f川1

fnO

';ì" それぞれ凡1 (たうl), FnO(たうl)を画像空間で表したものである。

は、 画像濃度の低下を画像全体でみたときの関係である。 しかしながら、 実験 画像の視察からは、 各画素毎の濃度の低下がほぼ1/(1+γ)倍であることが観測さ れている。 さらに濃度低下に従って生じる階調数の低下に関しでも、

(5.41)

nu

~一 l一山

が成り立っている。 例えば、256階調の画像をγ= 0.2で修復した場合、21:3 I}皆調 程度の画像になる。 .5.4.2項にこのことを確かめるために行った実験を示す。

濃度低下に関する実験

γを大きくするのに従って修復画像の濃度値が低下することを定量的に調べるた めに実験を行った。 入力画像は雑音の付加されていない64 x 64画素からなる16階 5.4.2

調の画像である。 ボケのPSFとして

ハU li つL 4ム つム li

nu

li つω A吐

A吐 っ,L li 2

4

同8

4

2

4 8 16 20 16

4

2 4

MW8

4

2

1 2 48 42 i nu lょ っム

・4 つム 1lムハU PSF

ff�lj:土

22

(16)

を用いた。このPSFによって劣化した画像に対し、ゥをいくつか変えて修復を行 い、各々の修復画像のノルムを調べた。

結果を表.5-2に示す。参考のために、γ=0の時の修復画像のノルム11九。11 を用 いて計算した2乗ノルム

Ilf

:

lol12二 (1 +γ)2 l l|九112 (.5.42)

も合わせて示す。表からγが大きくなるのに従って、2乗ノルムが小さくなってい ることがわかる。また、実験値11九112は式(5.42)を用いて計算された|lklol12より 少し小さくなっており、式(.5.40)が成り立っている。

� 5.2:修復画像の2乗ノルムの変化

γ

0.0

01 . 0.2 0. 3

OA 0.5

0.6

0.7

0.8 0.9

1.0

原画像IIfl12= 393977 2乗ノルム

実験値Ilf 叫112 計算値Ilfη0112

389662

304212 322035 2L1919:3 270,599

208542 230569 177352 198807

152799 173173 113083 152212 116995 134831 103683 120266

92539 107940

83112 97416

(17)

5.5

濃度低下の補正を含む正則化逆フィルタ[86][8ï]

式(,5.1.5)のフィルタは、いくつかの文献において正則化されたフィルタの- -っと して取り上げられている。 !)A節で述べたように、 正員Ij化フィルタペ1によって修復 された画像の濃度は、 ほぼ1/(1十ゥ)倍程度に低下するため画像のコントラストが 低下し画質が悪くなる。 ところが、ゥを加えることに伴うこの様な濃度の低Fを考 慮した修復方法について述べたものはない。 ここでは、 正則化フィルタによる濃度 の低下に対する対策を考えよう。

画像修復の方法としては、 画像を2次元フーリエ変換することによって周波数笠 間上で行う万法もあるが、 ここでは、 画像空間上での反復法によって修復する万法 を提案する。 画像空間上で行えば、 劣化系が位置変化している場合でも修復処理が 実行でき、 修復がある程度実現できたところで反復処理を打ち切ることもできる。

また、 比較的小さいメモリによって実行することも可能である。

ここでは、 画像空間における画像修復のための評価関数として、

J2(γぅf)=γIIfl12+ 11(1 +γ)g-HfI12 (5..1:3 )

を考えよう。 この式において、 第1項は一種の平均化操作を行う項であり画像の泊・

らかさを制御する項として、 第2項は修復画像の忠実さを制御する項として働く。

.]2 (ウぅf) のfに関する偏微分は、

\7JJ2=2γf + 2Ht(Hf - (1 +γ)g)

=2γf + 2HtHf -2(1 +γ)Htg

= 2(γ1 + Ht H)

-1 f

- 2 (1 +γ)Htg

である。 従って、 式(5.43)を最小化する修復画像f2は、 \7JJ2二Oを解し1て

f2二(γ1 + HtH)-l(1 +γ)Htg (5.44 ) によって求められる。 一方、 式(5.16)を最小化する画像f]は

f1二(γ1 + HtH)-lHtg (5.45) となるので、式 (5.44 )は、 フィルタA1(k,l)による結果f1を(1 +γ)倍したもの であることがわかる。

(18)

ここで、

件 1

2

7 (5.cf6)

によって正則化ノミラメータγをグで置き換えると式(,5 .4Ll)は、

九=

(占

I+H'H

)

-1

= {Iれ(1ーが)HtH}-l H'g (.5.47) となる。 従って、f2を求める逆フィルタんは、

A2 =

{グ1

+ (1ーが)HtH}-lHt

(.5

A8)

と表すことができる。 なお、 式(5.47)(5.48)を周波数上で眺めると、 それぞれ r(kう1)

九(ムl)=/, C(ん、l) (.5.49)

である。

)IH(丸l)12 +グ H災(k)

1)

A2(k,l)ニ(,

fl\ITTハ 7\ Iつ

(5.50 )

方、 評価関数.]2をグを用いて表すと

付 、 1

h(ß,f) = - Iー IIfl12+ (1

0\') Ilg - (1

-

/3)HfI12

(5.51)

l-ß"J"

' (1 -ß)2 となるから、この式に基づいて行う繰り返し過程は、

fん+1 二

\ -

-.

J

)

fk Ht

( �

g -Hfk

)

(5.52)

1 -

ß ) J /Ç , ._-- \

1 _ ßiJ --J

)

になる。 ここで、αは反復法の収束性を制御する正実数であり、 その値としては繰 り返し過程が収束するできるだけ大きな値を与える。 更に、

とおくと、

/ α

α=亡7 (5.5:3)

fk+l = (1- a'ß)fk +α'Ht{g - (1-ß)Hfk} (5.54) と書くことができる。 すなわち、 式(5.54)によって表される反復法によって、 濃度 低下を考慮した画像の修復を行うことができる。

(19)

なお、 式(.5..5--1)が収束するための条件は、

11 - a'ß

-

0.'(1- d)入。1< 1 (5.55) であり、 この式から係数イに関する条件式

0<α/ く 2

、 グ+(1 - ß)入O

が導かれる。 但し、 入。はHtHの最大固有値である。

式(.5.:31)に式(5.46)を代入すると

(;3.56)

町一川

(5.57)

良 中JO

中」日

1u 一仇

せ 応ν

々C

, レ】

ょ 、 、 f n l ヵ 変

いハで.

北 掴 ふ) T ' ' d dr su.

1

RY

の‘

1

6音l-33

雑<一\か

阪川市川山初

!

l

i J

二 守 的防 - - K H

, 凋1z

同 た

の で

\

一辺 レ' 生巾 し バ HH1 1 抑

用 代

音を

心リ Fhυ

r、u

。 ま代い

o � ß � 0.5 の範囲で変えて修復を行うことになる。 図5.6に

ßo = ぷすτz1+κ (5.58) のグラフを示す。 また、 表.5.3にグとSN比との関係を示す。

(20)

i九

0.8

司i

自v vhゾ aパT qJリ つ中 1i nu ハU ハU ハU ハU nu nU ハU nU

0.1 0.2 0.:3 0.4 0..5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 人.

図5.6:グ。とκとの関係

表,5.3:劣化画像のSN比とグとの関係

SN比

人;

グの目安

(21)

5.6 修復実験

線形劣化系によって劣化した画像の修復の例として、 横ブレ画像修復の実験を 行った。

5.6.1

横ブレ画像のPSF

カメラ及び被写体が動いていないときに得られる画像をf(.L.l))とする。 つまり これが原画像である。 被写体の動きは一様で、ュ・ 方向のみであり、 露光中に結像面

ヒで、 画像が/だけ動くものとする。 この結果得られる劣化像以t'、ク)は、

今・4 7 ''L O

〆t

川y 今べ ,d''' pitt-F Z 1i一1L 一一 UJ fl\ nud

(5.50)

となる。

方、 一般に画像の2・方向への線形空間不変劣化系の入出力関係は、 次のように 表すことができる。

g(.1'�ω= f h(l-af)爪ゲ)d<t'

(5.60)

ここで、h(ユ- x')は劣化系のPSFである。 式(5.59)と式(5.60)とを比較すると

h(じ)=

1

0三:1'くl

l 0 その他の場合 (5.61)

であることがわかる。 すなわちこの系のPSFは、11屈lの矩Jf;関数である。

横ブレ画像は、 言うまでもなく縦方向(v方向)に関しては劣化していないため、J 方向のみの修復をy方向には独立して行えばよい。 すなわち、2・ 方向の]次元修復 処理を繰り返すことによって、 横ブレ画像は修復できる。 また、 ディジタル画像に おいては、5.2節で述べたように、111:; L画素の横ブレによる劣化画像のz方向の大 きさが内 画素の場合には、入力画像のz方向の大きさ JVJは JVJ=八ら+L-1で ある。

5.6.2

横ブレ画像の修復実験

画像の修復実験をノミーソナルコンビュータを用いて行った。 入力画像としては、

図,5.7に示す128 x 128画素256階調の画像を用いている。

(22)

[実験I画像空間における反復法と周波数空間で・の修復との比較]

まず、雑音の含まれない横ブレ画像を画像空間における反復法と周波数空間での 方法とで修復し、両者の結果を比較した。 図 5.7に示す入力画像を11届10画素の矩形 関数によって畳み込むことにより、図5.8に示す横ブレ画像を生成した。 ここで、劣 化画像として128x 128の 10画素横ブレ画像を得るためには、入力データとして は、1:3 7 x 128画素からなる入力画像が必要となる。 ここでは、図5 7の入力画像の

境界外に濃度値0の画素が存在するものとしてブレ画像を構成した。

FFTを用いた周波数空間による修復結果を図5.9に、反復法による修復結果を図 5.10に示す。 5.:3節に述べたように、周波数空間による修復画像には、画像を周期|刻 数と仮定したことによるエッジ誤差の影響が生じている。 -}j、反復法による結呆 にも、画像の右側に縦線状のゴース卜が若干生じている。 これは、端効果によって じたものである[88]。 画像全体を修復するためには、画像の境界外にブレIIJffiに相 当する大きさの情報が必要であるが、本実験ではJ 28 x 12 8の劣化画像から同じ大 きさの修復画像を得ている。 すなわち、境界外の情報不足のために生じた問題であ る。 しかしながら、反復法による結果は、周波数空間による結果よりも良好なもの となっている。

[実験11濃度補正による修復画像の変化]

濃度補正をしない場合の正則化逆フィルタによる結果と濃度補正を含む修復処理 による結果の画像 とを比較した。

入力画像は、実験Iと同じく図5.7に示す J28 x J28 画素256階調の画像 であ る。 劣化画像としては、横方向に20 画素ブレの生じた画像に正規分布雑音を付加 したものを計算機によって構成した (図5.1J)。 つまり、長さ20画素の矩形関数 が劣化系のPSFである。 また、ブレ画像 に付加した雑音と原画像とのSN比は、

κ= 0.00013(39.0dB)である。

図5.12に通常の正則化逆フィルタを用いたときの修復結果、すなわち評価関数と して .]1 (γぅf) を用いたときの修復画像を示す。 図,5.J2(a),(b)( c)はそれぞれγ二 0.0、0.1ぅ0.:3 の場合である。 また、図5.12( d)はκ=0.00013を式(5.:32)に代入して 求められたγ0=0.0114によって修復した結果である。 図から、γ=0の1]寺に雑 が強調されていることがわかる。 また、γが大きくなるのに従って、画像濃度が低

(23)

下していく様子がわかる。

図.s.1:3には、 評価関数としてみ(仇f) を用いたコントラスト補正を含むアルゴリ ズムによる結果を示している。 上に与えたγと同程度の雑音抑制効果を得るために、

jJ = 0.0.0.0909う0.2308とした。 コントラスト補正のない方に比べて、 画像の濃度低 による画質低下はなく、 特にß= 0.2308(ゥ= 0.3) の場合における補正効果が大 きいことがわかる。 しかしながら、ß= 0.2308ではブレの修復は十分ではなく、 修 復画像としては問題がある。 式(5.58)によって求めたßo= 0.0112をがとして与え て修復した結果を図5.13( d)に示す。 γ= 0.0114の場合との違いはごくわずかであ るが、 この画像が正則化によるボケが比較的小さく、 雑音も抑制されており他の修

復結果に比べて良い結果となっている。

般に、 コントラストの低下した画像を補正するためには、 画像を構成している 画素の濃度値の最大、 最小を求めて表示可能な最大の階調数に引き伸ばす方法がと られることが多い。 しかし、 画像修復においては、 修復画像の忠実さとの兼ね合い で雑音を完全に押さえることは難しい。 従って、 強調された雑音の濃度が修復画像 の最大濃度値になることが多いため、 画像の濃度の最大値、 最小値をもとにコント ラストを補正することはできない。 ところが、 ここで提案するようにγに応じて画 像濃度を調整すれば、 雑音が残った画像に対しでも、 本来の画像に近くなるように コントラストを補正することができる。

(24)

図5.7:入力画像

図5.8:雑音を含まない劣化画像(10画素横ブレ〉

(25)

図.5.9:周波数空間での修復画像

ヌI 5.10:提案している反復法による修復画像

(26)

図5.11:横ブレに雑音が加わった劣化画像(20画素横ブレ)

(27)

(a.)γ= 0.0 (b)γ= 0.1

(c)γ= 0.3 (d)γ=γ。=0.0114

図5.12:通常の正則化逆フィルタによる修復画像

(28)

(a)ß = 0.0 (b)ß = 0.0909

(c)ß = 0.2308 (d)ß = ßo = 0.0112

図5.13:濃度補正正則化逆フィルタによる修復画像

(29)

5.7

むすび

線形劣化系によってボケた雑音の含まれる劣化画像を修復するための一つのj_El�iJ 化フィルタについて考察した。 このフィルタには、画像修復における雑音の強調を 抑えるパラメータゥが含まれており、このパラメータの与え万を雑背との関係でけ丈 した。 次に、 ゥと修復画像の2乗ノルムとの聞に成り立つ関係式を示し、 実験から もそれが確かめられた。 さらに、それらの結果をもとに、 濃度の低下を考慮したplJj 像空間での反復法による画像の修復方法を提案した。

般に、 コントラストの低下した画像を補正するためには、 画像を構成している 幽素の濃度値の最大、最小を求めて表示可能な最大の階調数に引き伸ばす方法がと られることが多い。 しかし、画像の修復処理においては、強調された雑音がその画 像の濃度値の最大値を取ることも多いので、画像の最大最小の濃度値によるコント ラストの補正は必ずしも有効ではない。

方、 ここで提案するように正則化ノマラメータに応じて濃度を補正するようにす れば、雑音が残った画像に対しても、本来の画像に近くなるようにコントラストを補 正することができ、実験からも提案している方法が有効であることが確かめられた。

(30)

第6章

回転ブレ画像の修復

6.1

まえカゼき

様に回転している物体を撮影して得た画像は、 回転方向への流れ画像となる。

この画像は、 中心部分で‘の劣化が小さく、 周辺部分での劣化の大きい位置変化型の PSFによる劣化の例であり、 直角座標系において画像を記述し修復することは容ゐ ではない。 ところが、 そのような回転方向へのフゃレ(流れ)画像を極座標系を用いて 表せば、 その劣化系のPSFは回転方向を表す一次元の単純なものとなり、 その修復 も比較的容易である [60]。 従って、 回転ブレ画像の修復は極座標変換と一次元ぼけ 画像の修復というこつの操作を組み合わせることによって実行できる。

ところが、 ディジタル画像を直角座標から極座標へ変換する場合、 連続系とは呉 なり、 極座標変換に伴う画像の劣化は避けることができない。 そして、 そのような 劣化は、 画像修復を行う上で、 雑音として作用する [79]0 すなわち、 雑音のない|凶 転ブレ画像の修復は、 極座標変換と付加雑音を含むl次元画像修復の問題として捉 えることができる。

上述の"雑音"の大きさは、 もちろんディジタル座標変換の良否に依存する。 また、

極座標表示されたディジタル画像の画素数の大きさは画像の修復11寺聞に大きく影響 する。 このため回転ブレ画像の修復には、 ディジタル極座標変換の方式が重要な意 味を持ち、 その際生ずる雑音を考慮した効率の良い画像修復の方法を用いる必要が ある。

本章では、 比較的大きな回転ブレによって劣化したディジタル画像の修復を考察 している。 まず、 ブレの中心座標とその角度を求めるための方法を検討した。 次に

(31)

ーー

...

・ h

第4章で述べた効果的な極座標変換と、 第5章に示した反復法による画像修復法と を組み合わせて行う方法を提案している。 ここで用いるディジタル極座標変換法は、

従来の方法に比べて、 前述の要請を十分に満たしている。 また、 一次元画像修復の 為に用いる画像空間での反復法も、 必要とするメモリが比較的少ないので、 修復シ ステム全体で要するメモリが小さなものとなっている。 本方法の有効性を確かめる ために行ったノぞソコンによる実験結果も示す。

6.2 回転ブレのPSFの推定 [89]

劣化画像の修復を実際に行う場合、 その劣化系のPSFを推定することが 、 正う までもなく重要な問題となる。 回転ブレ画像の場合には、 回転の中心とブレの角度 を特定すればPSFが定められる。

本節では、 300程度以上の比較的大きな回転方向への一様な動きによって劣化し

た画像のブレの中心とそのブレの角度の検出のための一方法を提案する。 ここで提 案している方法は、 回転ブレ画像のエッジが回転方向のエッジとして、 すなわちブ レの中心を中心とする円弧となって現れるという特徴を用いたものである。 従って、

この方法は、 ブレ画像からエッジとして円弧抽出を行う画像処理と、 抽出された円 弧の中心座標及び中心角の計算というこつの過程よりなっている。

6.2.1

回車云ブレのPSF

定の早さで回転している物体を撮影した場合には、 露光中に画像が一様にある 角度。だけ回転することになる。 ここで画像を回転の中心を原点とする極座標で表 すことにしよう。 動きのないときの画像を原画像としてん(γ?ので表せば、 回転ブ

レ画像gp(T, B)は

少のうB)

=すよθん(1',

B')dB'

,,,E目、、 Fnu 11i 、、.,E,,,,

となるo B方向への線形劣化系のPSFをhp(B)と書けば、f'p(1', B)とgp(T, B)との 聞には一次元の横ブレ画像の場合と同様に

ハσーα 、、ESF'' ハσ P IT- Aσ ハV P 、L 7s'' π q,& flo -­ ハMV /11

p

nuJ

(6.2)

(32)

ー__.",.._

が成り立つので、 式(6.1)と式(6.2)とを比較して

hp(B) =

e 0三Oくθ

l 0 その他の場合

となることがわかる。 つまり、 この場合は回転方向へ11屈のの矩形関数で表される PSFによって劣化した画像である。 従って、 回転ブレ画像のPSFを定める問題は、

ブレの中心と角度。とを特定する問題と等価である。

、、BE,,、4・JPハU,e'aEt、

6.2.2

回転ブレのPSFを推定するための前処理

由像にブレが生じた場合、 ブレの方向に垂直な方向のエッジはブレによってぼけ ることになる。 一方、 ブレに平行なエッジはブレの程度に応じた長さのエッジとし て保存される。 回転ブレ画像においては、 ブレの中心を原点とする極座標系で見た ときに半径方向のエッジはぼけて薄くなり、 回転方向のエッジがブレの大きさに応 じた長さの成分として残る。 すなわち、 回転方向のエッジとして円弧が生じる。 従っ て、 このような回転ブレによって生じる円弧状エッジを用いて回転ブレのPSFを 推定する。

まず、 ブレによって生じた円弧を構成する座標点列を取り出すための方法を示す。

図6.1のフローチャートに示すように、 はじめに、 画像のエッジ強調を行う。 次に適 当なしきい値を与えてそれより大きな値を持つエッジを抽出し、 エッジの尾根線(局 所最大)を追跡するアルゴリズムなどによってそれらの細線化を行う。

これら一連の処理によって、 ブレによって生じた円弧が得られる。 ここで、 ブレに よって生じるそれぞれの円弧は、 互いに隣接し合う1つにつながった画素によって 構成されている。 従って、 それぞれの画素を独立に扱うのではなく、 互いに連結し ている画素の集合をここではクラスタと呼びまとめて扱うことにする。 このように して抽出されたクラスタの中には、 円弧以外のものも含まれている。 特に、 回転ブ レの中心付近ではブレの影響を受けにくいため、 半径方向のエッジが残り易い。 ま た、 エッジによってはそれを2値化し細線化すると、 円弧とは見なしがたい複雑な クラスタが生じることもある。 エッジ抽出の際のしきい値を大きくすれば、 このよ うなクラスタの発生をかなり防ぐことができるが、 しきい値が大きいと円弧の長さ が短くなるので、 中心検出の精度が悪くなる。 従って、画像処理で取り出されたエッ ジを、 円弧を表しているクラスタとそれ以外のクラスタとに選別する必要がある。

(33)

6.2.3

回転ブレによって生じた円弧の抽出[90]

第2章に提案した垂直2等分線を用いたHough変換によって画像中から円弧を 表す画素を抽出することができる。 ところが、 IIough変換ではそれぞれの画素に対 して、 円弧を情成しているかどうかをそれぞれ独立に判断していくため、 効率化を 図ったものであっても、 その処理に要するメモリと時間とが大きい。 -方、 ここで は、 与えられたそれぞれのクラスタが、 円弧であるかどうかを判断することが問題 である。 従って、 ここでは、 最小2乗法を用いて円弧状エッジを抽出する。

クラスタが円弧を構成していれば、 そのクラスタに対して最小2乗法によって推 定された円とそのクラスタをなすデータ点列との誤差が小さくなる。 逆に円弧でな いクラスタに対しては、 この誤差が大きくなる。 従って、 クラスタを構成するデー タ点列と推定された円との平均2乗誤差によってそのクラスタが円弧であるか判断

ブレ画像

エッジ細線化画像 エッジクラスタ 11

川6.1:円弧抽出のための前処理

(34)

できる。

あるクラスタが、 JVfl個の画素から成っており、 それらの画素の座標を (.r.J・.lJj).j

=

1.・・・JV(/とする。 このときこれらの画素に最も良く一致する円のパラメータは、 第 3章で導出した計算方法によって求めることが できる。 この方法によって求められ る中心座標と半径をそれぞれいうb)、?としよう。 ここで、 推定された円弧と与えら れた座標データl画素あたりの誤差を

Jn二品{(どJ一α)2

+

(れーめ2-72}2 (6.4)

によってを調べることにする。.]0 は与えられたクラスタが円弧に近い形をしている ほど、小さくなるので、 みの小さなものを円弧として選ぶ。 その際、 あるしきい値以 下のクラスタを円弧として抽出する方法が考えられるが、 そのしきい値の設定は難 しい。 そこで、 ここでは与えられた複数のクラスタの中から、 誤差,んが小さいも のすなわち円弧である可能性の高いものから順に、 いくつかを円弧として選び出す ことにする。

6.2.4

中心座標の検出[91]

6.2.:3項で抽出された複数の円弧は、 回転ブレによって生じたものとみなすことが でき、 いずれも同ーの中心を持っていると考えられる。 従って、 ブレの中心座標の 検出は、 抽出された同心円弧に最も適合する中心座標を求める問題と等価である。

本論文では、 これら円弧の中心座標と半径とを第3章に示した最小二乗法によって 求める。

同心円弧を構成するJìðc 個の円弧状クラスタが与えられているとする。 また、

第i番目の円弧はJVa.i個の画素よりなっているものとし、 それらの画素の座標を (1' iハYij)ヲJ = 1γ・・,JVαiとする。 このとき、 これら同心円弧の中心座標(αぅb)は、 第 3章に示した公式を用いて、

\1hE111111』111/

竹y ny 弘、合比乞凶

/III-IBtitti--\

\1211111111』11/

弘、白MP 2q σ

位、台 民 玄 凶

//111111Eli--1\

一肌Zd 一σ

一σ

一仏ε凶一σ 一仏工凶

\11111/

(35)

によって計算できる。 ここで、

山、、合 イバ 一 川

+ ルヤム凶

治 一り 2 =リ ルむ

凶 寸 σ =

ゾト

= 二 + ~hL同KL同2ん q y 一 同 凡ヤム 川 r

め い ルヤム川色合fwヤムM 2σl 九 1

とおいている。 また.1:i; .& iは、

I N

htE361

1 八「

.'}i二tzyt/

(6.7)

である。

この中心推定の方法は、 第3章にも述べたように中心座標からの距離が小さい円 弧よりも大きい円弧に対して誤差がより小さくなる解を導く傾向がある。 一方、 恒i 転ブレによって生じる円弧状エッジは、 回転の中心から離れるほどエッジとして抽 出しやすくなり、 その長さも大きくなるので、 中心推定に用いるデータとしても質 が高くなるといえる。 従って、 ここで与えられる円弧データと中心推定のための計 算方法とは相性がよい。

6.2.5

ブレの角度の推定

ブレによって生じた円弧の長さは、 ブレの大きさに応じて変わる。 例えば、 ある l画素だけが、 周辺と大きく異なる濃度値を有するような画像に対してブレが生じ たときには、 その画素の近傍に生じるエッジの長さがブレの長さにほぼ等しくなる。

実際に扱う一般の画像においては、 通常は線分や曲線の一部といったある程度の大 きさ(長さ)をもつものにブレが生じるため、 ブレ画像から抽出したエッジの長さを そのままブレの大きさとみなすことはできない。 また、 2値化や細線化の処理にお いて与えるしきい値によっても左右される。 しかし、 このようにして得られるエッ ジの長さは、 ブレの|隔を推定する上で有用である。

回転ブレ画像においては、 ブレの角度が大きくなるほど円弧の中心角も大きくなっ て現れる。 そこで、6.2.4項に従って求めた中心座標と各々の円弧の両端の座標とカ ら、 各々の円弧の中心角を求め、 それらの中心角の平均をブレの角度の推定値とし

ょう。

(36)

6.3 回転ブレ画像の極座標変換[92][93]

画像の回転方向への処理を行う場合、 先に述べたように用いる極座標変換の良否 によって、 雑音の大きさや計算時間の長さが決ってしまう。 ここでは、 この点極め て有利な座標変換である第l章の方法を用いることとし、 ノド章では、 回転ブレのII町 像修復における極座標での標本化の方法と、 その結果構成される極座標困素と白戸j

x標画素との対応付け万法を簡単に述べる。

6.3.1

ブレの中心を原点、とするディジタル極座標変換

直角座標画像の画素の大きさは一般性を失うことなく縦横ともlとする。 極座標 の標本化は、 半径及び回転両方向において行い、 その原点は回転ブレの中心とする。

まず、 直角座標画像を第4主主に述べた極座標変換に従って極座標に変換する。 こ こでは簡単のために、 直角座標画像

F(i,j)ぅ J 二一八rc, ぅ0,

• • • JV c , j == -JV c, • •

0、 ,JVc (6.8)

について回転ブレの中心が画像の中心にあるとき、 すなわちf(O,O)に中心があるも のとして考える。

極座標においてディジタル画像を構成する場合、 直角座標の持つ各々の情報が極 座標においても区別される必要がある。 このため半径方向には分割11届ム1・(三1)の標 本化を行う。 なお、 この ム? の値は4.4.4項に示したように0.8:3程度が望ましい。

次に回転方向への分割を考える。 一般に円環に含まれる直角座標画像の標本点の 数は、 その半径が大きいものほど多くなる。 そこで、 半径に応じて回転方向の分割 数を増やして行くことにする。 ここでは、 中心から第171,番目の円環(半径nzゐ) における円環の回転方向の総分割数lVTmを、

h二8ドマ?αl (6.9)

によって求める。 ここで、IJ・1はzを四捨五入することを表している。 α三1.0は 分割数を補正するために与える正数である。

以上のように半径に応じて分割数を変えるという標本化を行えば、 回転ブレ画像 を修復するときに効率的な処理が実現できる。 なお、 ここでは標本点が座標('i,j)に ある直角座標画素を[i,j]で表し、 標 本点が極座標 で(川ぅen)pにある極座標 画素を

(37)

[171. n]pで表すことにする。 ここで1'm -177.今1',B71二ηムOη1であり、 �Bmは中心か ら第m番目の円環に於ける回転方向の分割|隔であって、

7r

ムB" ,

=二一=

時間 417r7ì1ム1'0./41

rlt、 FHV l-- ハU 、、.aat'''

によって計算される。 但し、1ìl = 0のときにはム()m = 2πとする。

直角座標から極座標への変換、 また極座標系で修復した画像を直角座標系で再現 する際に必要となる逆の変換のためには、 先の極座標の標本化に加え両座標聞の対 応付けの規則を与える必要がある。 ここでは、 第4章に従って次のように行う。

先ず極座標への変換処理において、 極座標画素[1'n.η]pに対応付ける|直角座標画

素[i)

j]は、

i, = l1'm COS

On1 1

j =

l1'm

sin

Bn1 J

、、

•• ‘EEE,.,, li --FハU,,l目、、

によって決める。

次に、 逆に極座標から直角座標への変換において、 直角座標画素[i.j]に対応付け る極座標画素[177"n]pは、

m -

同 マ 1 1

η=

I | �a n ムB.." - 1

(j /i

L l

I

(

I (6.12)

によって求める。 ここでtan-1 (j /けはしjの符号によって一意的に定める。 また、

1二OうJ = 0のときには1n=n=Oとする。

上の方法に従って、 極座標変換すると直角座標で表された画像f(i,j)は、 極座標 において、

fp(ín,η)下川二0,1, • • • , JV1., n二Oう1) ・ ・ . )

JVTm

- 1 (6.1:3)

と表すことができる。 なお、 N1 は半径方向の標本化間隔を考慮しながら、 与えられ た直角座標画像が全て含まれるように与える。

6.3.2

ディジタル極座標におけるPSFの表現

ディジタル画像において、 回転ブレの生じていない原画像と回転ブレ画像とを回 転ブレの中心を座標原点とする極座標系で表したものをそれぞれん(?Tl,η

)

,gp(1T/'川)

(38)

で表すことにする。 このとき式(6.1 )に対応して、 次の離散表現式が成り立つ。

件(171,←

干L 土

-'-'nl. l二n-Lm+1 ん(171.1)

ここで、 LI1lは中心から第'171番目の円環においてブレに関わっている極座標画素の 数であって、 回転ブレの角度がOのとき

(6.1�)

レ(ま1

(6.15)

である。 従って、 回転方向への線形劣化系のPSFをhp(n) と書くことにすると か(17'1,ぅ川とgp(nìぅη)との聞には

gp(爪n) =

L

hp(n

-

l)f>(m, l) (6.16) が成り立ちhp(n)は、

L A口

くω rh場

<一 の

0 そ l 一rh o /111fEll-

一一 P

(6.17)

と表すことができる。

(39)

6.4 回転ブレ画像の修復アルゴリズム[92][9叩

極座標表示することによって、 回転ブ レ画像の修復は回転方向への l 次元修復と なる。 従って、 回転ブ レ画像を修復するためには、 各半径ごとに修復を行い最後に それらの結果を合わせて表示すればよい。

口|転ブ レ 画像を極座標表示したものと原画像を極座標-表示して回転ブ レに相ヨす るPSFによって畳み込んだ結果とは理論的には等しい。 しかし、 ディジタル阿像に おいては、 極座標変換に伴う種々の誤差のためにそれらの画像聞 で一致しない部分 が生じる。 本極座標変換を用いれば、 このようなことはごく僅かの画素にしか生じ ないが、 極座標変換に伴うこのような誤差は、 画像修復を行う上 で雑音として作用 する。 そこ で回転ブレ画像の修復方法としては、 雑音を考慮、した方法を用いる必要 がある。

修復処理は半径ごとに独立に行うので、 ここ では記述の簡単のために中心から第

nz番目の円環を取り出して半径nL�1'における修復を考えよう。極座標画素[m.n]p

の値をfm

(

1l )とすると O だけブ レた回転ブ レ画像の

[

1ì1ぅη

]

p でのgm(

は、

fハ +

η乞

i一rh 一一

円 。d

(6.18)

となる。 また、 んì(η) およびぁバ川は、 回転方向への周期関数で‘あるから、

んl(n+NTm) =ん(川l 9m(n十NTm) = 9m(η)

J

、‘BEE,,r ハud 'EEEA FハU J'tEt、、

である。 半径1ìLム?における原画像と劣化画像をそれぞれベクトル

fOì二(.1ん(0),んL(1) う ,1ん(NTm -

l))t 1

gm = (9m(0),gm(1),'" ,gm(lVTrn

-l))t J

とし、 劣化系を表すPSF行列をJVTm X NTm行列

(6.20)

(40)

liハUハU

I

l i t-

o

(6.21)

ハu nU ハU Ii li

li -- 11ム 1lょ

,laよ

ハHUハHUハリUハHU

Hm. =

Lm

人lTm

これらの聞には、

で表せば、

(6.22)

ここで nmは、 前述したように極座標変換時に発生する雑音を表すo Hm.とgmとが与えられたときにfmを推定する方法としては、 種々の方式が考 えられるが、 ここでは、 計算に要するメモリが少なくて済む画像空間領域での反復

gm�Hrnfm十nm が成り立つ。

体的には、5.5節で提案している方法によって修復 法によって修復処理を行おう。

(6.23) する。 すなわち評価関数を

M 司 l

J2(ß, fm) =

l-ß"l lf J mmll'2 " + I (/ lI - ßJ. () \)2 ) Ilgη一(トグ)Hmfml12 として、 次式で表される繰り返し処理によって画像を修復する。

ここで、f川はた回の繰り返しによって得られるfmの推定値、αは適当な

は前述したように雑音に応じて与える画質を制御するパラメータである。 こ の繰り返し過程が収束するためには、 係数αと画質制御ノマラメータグ及びH�nH川

(6.24 ) f 171,1.:+1 = (1 - aß)fmk +αH�1 {gm - (1 - ß)Hmf)

数で あり、

(6.25) 11-αß-α(1 -ß)入。1<1

値入。について

(41)

が満たされていなければならない。

劣化系を行列表現した場合には、上述のようにHIIlはl\'T!Il X八Tmの大きさとな る。 しかし、実際に画像を計算機を用いて処理する場合には、PSFがOでない部分 つまりLm個の要素に関する演算を行えばよい。 従って、計算に要する時間は、 Lm の大きさにほぼ比例する。 一方、 回転ブレの角度が同じであれば八rT川とL川との 比は変わらない。 このため、 回転方向への分割数をできるだけ小さくした万が修復 に要する計算時間が短くてすむ。

回転方向への分割を半径によらず一定分割数で行うと、画像の周辺部分の情報を 極座標においても正確に表すためには、 中心部分の標本化が非常に密なものとなる。

すなわち、 中心部分では冗長なe情報によって必要以上に画素数が増加する。 その結 果計算に関係する画素数Lm.も大きくなり、計算時間も大きくなってしまう。

方、 本稿で用いている極座標変換では、 回転方向への分割数を半径に応じて与 えているため、 各々の半径に適した分割がなされるので、半径毎に効率的な修復が できる。

6.5 回転ブレ画像の修復実験

6.5.1

PSFの推定実験

まず、 回転ブレによって劣化した画像のブレの中心座標及びその角度を検出する 実験をノぞーソナルコンビュータを用いて行った。 原画像は、 図6.2に示す9l x 9]

画素で借成される256階調の画像である。 座標原点を一般性を失うことなく、画像 の中心に位置する画素の中心とする。

ブレの中心座標及び角度の検出結果を正確に評価するため、 回転ブレ画像は計算 機によって構成した。 ブレの中心は、上で定めた座標原点(OiO)とした。 図6.:3(a.) に:300 ブレ画像、 図6.3(b)に600ブレ画像を示す。

6.2.2項の処理に従って、エッジ強調、2値化、細線化からなる一連の処理を行っ た結果を図6.4(a)(b)に示す。 図6.4(a)(b)は、 それぞれ図6.3(a)(b)に対応してい る。 黒及び灰色の画素が、エッジ強調画像をしきい値処理することによって得られ た結果である。 さらに、 尾根線追跡によって、 黒画素で表される細線化エッジデー

タが得られている。

得られたエッジデータの中から、まず10画素以上が連結しているものをクラス

参照

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