デンドリティックポリリジンヲリヨウシタヤクブツ ソウタツホウノカイハツニカンスルケンキュウ
渡部, 和人
Graduate School of Systems Life Sciences, Kyushu University
https://doi.org/10.15017/21713
出版情報:Kyushu University, 2011, 博士(工学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
九州大学大学院システム生命科学府 システム生命科学専攻
博士論文
デンドリティックポリリジンを利用した 薬物送達法の開発に関する研究
平成 24 年 3 月
渡部 和人
৯次
第1章 デンドリマーを利৷したドラッグデリバリーシステム ... 1
1-1 デンドリマーとは ... 1
1-2 デンドリマーの構造を利৷した動態制御 ... 5
1-3 遺伝キャリアとしてのデンドリマーの利৷ ... 12
1-4 ৵分抗がん剤キャリアとしてのデンドリマーの利৷ ... 19
1-5 MRI 造影剤キャリアとしてのデンドリマーの利৷ ... 24
1-6 本論の構成 ... 33
1-7 参考ધ献 ... 34
第2章 デンドリティックポリリジンを利৷した肝臓への核酸デリバリー .... 39
2-1 緒 2-1-1 デンドリティックポリリジンを利৷した肝臓へのオリゴ核酸 デリバリー ... 39
2-1-2 劇症肝炎 ... 40
2-1-3 ৈコレステロールഷ症 ... 43
2-2 結果と考察 2-2-1 劇症肝炎の治療を指標とした肝శ実質細胞への核酸送達能の評価 ... 47
2-2-2 ৈ脂ഷ症の治療を指標とした肝実質細胞への核酸送達能の評価 ... 54
2-3 結語 ... 62
2-4 実験項 ... 63
2-5 参考ધ献 ... 70
第3章 デンドリマー修飾型オーバーハウザー効果 MRI 造影剤の開発 ... 73
3-1 緒 3-1-1 MRI の感度を向上させる次世代技術・超偏極 MRI ... 73
3-1-2 オーバーハウザー効果 MRI の原理とその現状 ... 77
3-1-3 DDS を適৷したオーバーハウザー効果 MRI 造影剤にেじる 戦略のဤ盾 ... 83
3-2 結果と考察 3-2-1 ニトロキシルラジカルの修飾形式と造影能の相関関係 ... 86
3-2-2 シグナル OFF→ON 型オーバーハウザー効果 MRI 造影剤の開発 ... 92
3-3 結語 ... 100
3-4 実験項 ... 101
3-5 参考ધ献 ... 109
目次
第4章 α/εオルソゴナルデンドリティックポリリジンの合成とその応৷ . 112 4-1 緒
4-1-1 デンドリマーのオルソゴナル合成への挑戦 ... 112
4-1-2 オルソゴナル合成によるデンドリマーの機能発現 ... 112
4-1-3 オルソゴナルデンドリティックポリリジンの合成とその応৷ ... 115
4-2 結果と考察 4-2-1 α/ε-オルソゴナル合成のための保護リジンの検討 ... 118
4-2-2 単分オリゴ核酸キャリアの合成とその基礎物性の評価 ... 124
4-2-3 抗がん剤キャリアへの適৷とその特性の評価 ... 136
4-3 結語 ... 148
4-4 実験項 ... 149
4-5 参考ધ献 ... 158
第5章 結論 ... 161
謝辞 ... 165
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デンドリマーとは、枝分かれしたモノマー分 子が樹状に規則正しく結合した高分子化合物で ある。枝分かれを開始する中央部分を「コア」、
樹状の部分を「デンドロン」と呼び、コア分子か らのデンドロン部分の結合の繰り返し単位を「世 代」と呼ぶ。図 1-1の模式図は、デンドリマーを 平面に表したものであるが、実際は分岐構造が 3 次元的に広がり、高世代なものは球状の構造を呈 する。図1-2は、市販されており最も汎用される ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーの3
次元構造を表している 1。一般的な直鎖状高分子とは異なり、一定の粒径の球状構造で ある事がわかる。また、青色で示した部分は末端のモノマー部位のアミノ基を、黄色は それ以外の骨格を示している。末端の官能基はいずれも分子の表面に位置し、世代が大 きいほどその表面は同一の官能基で被覆される。つまり高世代のデンドリマーは、末端 の官能基が分子表面の物性を、骨格部分が分子内部の物性を決める、内と表面の概念が ある高分子化合物である。
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第1章 デンドリマーを利用したドラッグデリバリーシステム
2 デンドリマーの合成法
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デンドリマーは、ダイバージェント法あるいはコンバージェント法という逐次的手 法で合成される。ダイバージェント法は、コア分子を反応の出発点として、モノマー分 子を順次結合させていく方法である。合成過程で反応点が常に表面に露出するため、効 率良くモノマー分子を結合できる。また、合成中間体が常にデンドリマーであり、世代 の異なるデンドリマーのラインナップに有効である。しかし、この手法は反応時にデン ドリマー分子表面の劇的な物性変化を伴うため、モノマー、反応中間体、生成物の全て の溶解性を確保できる条件を満たさなければ利用できない。一方のコンバージェント法 は、数世代分のデンドロンユニットを先行合成し、これをコア分子に結合させてデンド リマーとする方法である。デンドロンユニットの合成は、一般的な有機合成に近く、ダ イバージェント法に比べてハンドリング性に優れる。また、異なるデンドロンをビルデ ィングブロックに利用すれば、簡単にヘテロなデンドリマーを合成できる。しかし、デ ンドロン同士の結合は高分子高分子間の反応となり、完全に反応を進行させる事が難 しい。このような合成の難しさが、デ
ンドリマーの実用化の障害となってい る。
しかしながら、このような合成法 を採用するが故に、デンドリマーは他 の高分子にはない高い単分散性を誇る。
PAMAMデンドリマーのGPCスペクト
ルを図1-4に示す1。一般的な高分子と 比較して、高い単分散性を有する事が わかる。また、デンドリマーこのよう なシャープなスペクトルとなるのは、
他の直鎖状高分子のようなランダムな 高次構造と取らず、体積変化のない一 定の構造を維持している事にも起因し ている。
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一般的な高分子合成の分野では、物性の指標として多分散度を表す。一方でこのよ うな単分散性の高いデンドリマーの合成研究では、多分散度はもはや純度の指標たりえ ず、しばしばMSスペクトルが示される。構造が明確に定まり、単一分子量を持つデン ドリマーは、高分子よりもタンパク質に近い存在と言える。
多価効果
デンドリマーのこのような構造的性質は、様々な機能を発現させる。例えば、高密 度に存在するデンドリマー末端の官能基に、静電相互作用、水素結合性といった結合力 を持つ官能基を導入すれば、多点での相互作用となり、単一の官能基の場合より強い結 合力を得られる。結合力の増加には、相互作用点の単純な数だけでなく、密度の高さが エントロピー的有利さとして寄与している。この効果を多価効果と言う。
Wang らは、末端にグアニジノ基を持ち、自由度の高いエチレングリコールをモノ マーとするデンドリマーを合成した。ケイ酸やカルボン酸と水素結合を形成するが、こ の結合力を多価効果によって高める事で、ケイ酸塩を主成分とする粘土細粒を3次元的 に架橋できた。親水性のデンドリマー部分が水分子を保持し、組成の95%が水で構成さ れるハイドロゲルを作製できた。この新材料はアクアマテリアルと名付けられている 2。
多価効果は、一般的な直鎖状高分子でも同様の効果を得られる。しかし、用途に応 じた相互作用力の調整という面で、デンドリマーはより優れると言える。多様な高次構 造を取り得る直鎖状高分子では、モノマー分子の物性や重合度の選択によって相互作用 の強さの調節できるが、再現性の点で比較的難しい。一方のデンドリマーは、再現性の 高い合成が可能である他、相互作用力を世代の選択によっても調節できる点で有利であ る。
このデンドリマーの多価効果は、薬剤、生体物質との相互作用を狙うドラッグデリ バリーの様々な場面で威力を発揮する(第1章24項)。
第1章 デンドリマーを利用したドラッグデリバリーシステム
4 秩序だった高次構造
様々な構造構造を取り得る直鎖状高分子と異なり、デンドリマーは中央のコア分子 から放射状に枝を伸ばした一定の構造を取る。この秩序だった構造は、特に光・電子化 学の分野で注目されている。Choi らは、ポルフィリンを骨格とするデンドリマーを作 製した。ポルフィリンの励起光を照射すると、各ポルフィリンで吸収された後に中央の コアのポルフィリン分子へと集約される現象が起こった。方向性を持ったエネルギー移 動は、デンドリマーの骨格がちょうどアンテナのように機能しており、光捕集効果とし て知られる。人工光合成の実現、太陽電池の効率化などに期待されている3。
医療の分野では、一重項酸素の障害性を利用した光線力学療法への応用が期待され ている。可視域から近赤外域の光は組織透過性が低く、標的組織へ到達するまでに減衰 する。光捕集効果によって密度の低下したフォトンを増幅できれば、治療効果の増大が 期待できる4。
外部と隔離された内部環境
デンドリマーの骨格部分には一定のサイズの隙間が存在しており、この空間の利用 が報告されている。Kojima らは、分岐部分に還元力のある 3 級アミンを持つ PAMAM デンドリマーに着目し、その内部空間を還元反応の反応場として利用した。金ナノ粒子 の調製法の一つに、塩化金酸を化学還元する手法が知られている。PEG 修飾した
PAMAMデンドリマー存在化で同手法を適用したところ、3級アミンが還元反応の開始
点となり、デンドリマー内部に内包された金ナノ粒子が生成された。生成した金ナノ粒 子は、デンドリマーの内部空間によってサイズが規定される事から、極めて微小かつ単 分散性の高いものであった5–7。
このように、デンドリマーには内部環境に小さな構造体を内包する事ができる。こ の戦略は、ドラッグデリバリーにも適用されている(第1章4項)。
# ドラッグデリバリーシステム
ドラッグデリバリーシステム(DDS)とは、体内の薬物分布を量的・空間的・時間 的に制御し、薬物の効果の増強や副作用の低減を狙う考え方である。多くの薬物は基本 的に毒物と紙一重の存在であり、意図しない組織あるいは細胞に、意図しない濃度で蓄 積された時、毒性を示す。最もこの傾向の強い薬物は抗がん剤であり、正常な組織・細 胞に蓄積してダメージを与え、重篤な副作用を引き起こす。正常組織への分布を抑える 事ができれば、QOLの向上を望める。
また、身体には異物を排除する機能があり、薬物が薬効を示す組織・細胞内への到 達を妨げる。体内のバリアを突破する機能を付与できれば、これまで利用できなかった 薬物を新たに利用できる可能性がある。遺伝子治療が期待されて久しいが、遺伝子は薬 効を示す核内へ運ばれるまでに幾多のバリアと突破せねばならず、実用化を妨げている。
遺伝子は体内でヌクレアーゼによる急速に分解を受けるため、これらから遺伝子を守る 機能が必要である。また、遺伝子は親水性で負電荷を帯びているため、細胞内に取り込 まれない。よって、この物性を細胞に取り込まれる性質に変更しなければならない。さ らに、細胞にエンドサイトーシスを経由して取り込まれた後も、エンドソームから細胞 質へ脱出し、核へ移行しなければならない。このようなバリアを突破する機能の付与も、
DDSの役割の一つである。
DDS の考え方は、薬物に留まらない。疾患の早期発見や疾患経過の把握を目的と して、X線CTやMRIといった画像診断が広く利用されている。これらの造影剤にDDS を適用し、特定の組織に集積する機能を付与すれば、画像診断の用途の拡大を望める。
DDS の目的を達成する一つの戦略として、薬物あるいは造影剤をキャリアに乗せ てデリバリーする方法論が挙げられる。組織特異的に集積する機能や、バリアを突破す る機能を付与したキャリア分子に、薬物や造影剤を担持してデリバリーする。そのキャ リアの一例としてデンドリマーが研究されている。
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第1章 デンドリマーを利用したドラッグデリバリーシステム
6
分子サイズを利用した動態制御(パッシブターゲティング)
デンドリマーは世代に応じて特定の粒径を持つ。この分子サイズを利用して体内動 態の制御が可能である。Kobayashi らは、異なる世代の PAMAM デンドリマーに MRI
造影剤のGd-DTPAを修飾し、デンドリマー分子サイズと集積組織の相関関係を報告し
ている(図1-8)8。低世代のデンドリマーの場合は、投与後すぐに腎排泄され、膀胱か ら強いシグナルが認められるが、G3 以上では世代の増加に伴って腎排泄が減少し、血 中から強くシグナルが検出されている。一般に、5 nm 以下の水溶性粒子は腎臓から迅 速に排泄されると言われており、したがって、デンドリマーもその例に漏れない粒子と 言える。さらにG9の場合は、ほぼ腎排泄が起こらず肝臓から胆嚢を経由した排泄へと 変化している。G9の表面は、末端官能基間の距離が0.5 nm以下と極めて近接しており、
運動性が低く低世代よりも脂溶性である。このような表面の性質の変化が、肝臓集積性 を高めていると考えられている。これらをまとめると、G3より低世代は腎臓、G3 ~ G6 は血液プール、G9 は肝臓に効率良く集積する性質があると考える事ができる。このよ うに、特定の相互作用を利用しない、受動的に得られる組織選択性をパッシブターゲテ ィングという。
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一般的な直鎖状高分子も、平均粒径の違いを利用したパッシブターゲティングが期 待できる。しかし、直鎖状高分子は瞬間的な粒径の振れ幅が大きいため、図1-7のよう な明確な動態変化にはならない。比較的柔らかい直鎖状高分子は、ほどいた紐の様に腎 臓の網目構造を通過し、かなり高分子量であっても腎排泄される事が報告されている9。 デンドリマーは、流動的なサイズ変化がなく常に一定であるという点で、パッシブター ゲティングに適したキャリアと言える。
EPR効果
パッシブターゲティングの中でも特筆すべきものとして、1986 年にMaeda らが提 唱したenhanced permeability and retention(EPR)効果と呼ばれる、腫瘍特異的な集積効 果が挙げられる10。腫瘍組織は、栄養を積極的に補給するために血管を発達させる性質 がある。この新生血管壁組織の構築性が低く、数百nm程度の間隙がある事が報告され ている。そのため、腫瘍組織からのびている新生血管は、正常な組織の血管と比べて物 質透過性が高く、高分子化合物が組織内部へ漏出しやすい。また、腫瘍組織では排泄機 能を司るリンパ管が未発達であるため、漏出した高分子化合物は組織内に滞留しやすい。
この2つのファクターにより、特定のサイズの高分子化合物が腫瘍組織に蓄積する現象 が、EPR効果である(図1-9)。
EPR効果は、一般にポリエチレングリコール(PEG)の修飾によって血中滞留性が 向上したキャリアに認められる。PEGには、水素結合により水和水を保持して他の分子 の非特異的な吸着を抑制する効果がある。よって、PEG を修飾したキャリアは血中の 種々のタンパク質が吸着しにくく、また、肝臓や脾臓に常駐する貪食細胞(細網内皮系, RES系)にも取り込まれにくい。このようなステルス性を獲得したキャリア分子は、長 期間血中を滞留し続ける事ができ、腫瘍組織にアクセスする頻度が向上して EPR 効果 が発揮される。
EPR 効果の研究は PEG化リポソームを利用した例が多く、また血管間隙のサイズ が百nm程度と報告されていた事から、デンドリマーのような微小キャリアでは得られ ない効果と考えられてきた。しかし、2006 年に第 6 世代のリジンデンドリマー(デン ドリティックポリリジン、KG6)にPEGを修飾したPEG-KG6が、EPR効果によって腫
第1章 デンドリマーを利用したドラッグデリバリーシステム
8
瘍へ集積したと報告されてからは、10数nm程度の粒子にも適用できる概念として広く 認知されるようになった(図1-10)11, 12。
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この報告以降、PEG化デンド リマーの体内動態に関する報告 が相次いでいる。Kojima らは、
G3以上のPAMAMデンドリマー
に、分子量2,000以上のPEGを修 飾すれば、十分な血中滞留性を得 られると報告した 13。Foxらは、
抗がん剤のカンプトテシン(CPT) と分子量5,000のPEGを修飾した 第2世代のリジンデンドリマーが、
48 時間以上血中を滞留し、 EPR 効果で腫瘍に集積する事を報告 した14。StarPharma社の研究グル ープは、第3 ~ 5世代のリジンデ ンドリマーに単一分子量のPEG
を修飾し、分子量と血中滞留性の相関関係を報告している。一連の検討の結果、デンド リマー骨格とPEGを合わせた総分子量が20,000以上であれば、EPR効果を得られる高 い血中滞留性を持つ事、PEGの分子量は最小600程度であっても十分な血中滞留性を持 つ事が明らかとなった(表1-1, 図1-11)15, 16。さらに、最適化されたPEG修飾リジン デンドリマーを利用し、抗がん剤のメトトレキサート(MTX)あるいはドキソルビシ ン(DOX)を腫瘍へデリバリーできたと報告した17。
EPR 効果は高い血中滞留性故に得られる効果であり、PEG のステルス性が重要と なる。反応点が表面に露出するデンドリマーは、PEGを立体障害なく高い導入率で修飾 でき、必ずPEG修飾面が外側に位置するため、ステルス性を獲得しやすい。また、EPR 効果はパッシブターゲティングの一種であり、先に述べた通り、一定の球状構造を取り 一様の粒径となる点はデンドリマーの長所である。
多価効果を利用したアクティブターゲティング
分子サイズを利用したパッシブターゲティングに対して、標的細胞との相互作用を 駆動力とした動態制御法、つまりアクティブターゲティングが知られる。細胞表面に存 在する、外部環境との情報・物質伝達のためのレセプター分子は、特定の臓器あるいは 特定の疾患細胞で発現が亢進している事が知られている。したがって、これらのレセプ ター分子に結合するリガンド分子をキャリアに修飾すれば、相互作用力を利用して標的 をターゲティングできる。
最も有名なリガンドは、細胞の接着や遊走に関与するインテグリンに結合する RGD ペプチドである。インテグリンは、特定の腫瘍細胞や炎症性マクロファージにお いて過剰発現している。したがって、RGD ペプチドをリガンドとして、これらの疾患 4 58%& &!%#(3 '/-,)0 26$".
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第1章 デンドリマーを利用したドラッグデリバリーシステム
10
関連細胞をターゲティングできる18。本来のリガンドタンパク質であるフィブロネクチ ン内の配列から探索されたR・G・Dのトリペプチドは、Gurrathらの詳細な構造活性相 関の解析により、さらに高い結合活性を持つ環状RGDfXペプチドとして最適化された
19。また2011年には、特定の配列のペプチドがニューロフィリン1を介して細胞内に取 り込まれる C エンドルールとの組み合わせにより、インテグリン結合活性と共に組織 透過性を獲得した次世代RGDペプチド、iRGDが報告された20。このようにRGDペプ チドは、発見から 20 年以上経過した今日においても、風化することなく第一線で研究 利用されるターゲティングリガンド分子であり、実用性の高さが覗える。
RGDの他にも、p32/gC1qレセプターに結合するLyP-121, 22、腫瘍結合性のCREKA23、 F324といったペプチド性リガンドが報告されている。ペプチド性リガンドは、化学的手 法・遺伝子工学的手法の両者で作製できる点で汎用性が高く、様々なキャリアに適用さ れている。また、糖鎖リガンドも常套的なアクティブターゲティング手段である。ガラ クトースは、肝実質細胞に発現するアシアロ糖タンパク質レセプター(ASGPR)に結 合するリガンドとなり25、一方のマンノースは肝臓のKupffer細胞に発現するマンノー スレセプターのリガンドとなる26。また、代謝が亢進しているがん細胞では、いずれの 糖も効率良く取り込まれる(表1-2)。
表 1-2 アクティブターゲティングに利৷されるリガンドレセプター相互作৷
これらのリガンド分子は、単独でも効果を発揮する。しかし、高分子キャリアに修 飾すると、多価効果によって結合活性が飛躍的に向上する。また糖の場合は、複数の糖 を高密度に表面に露出した糖タンパク質が本来のリガンド分子であるため、それを模倣 する効果(クラスター効果)も働くと考えられている。
デンドリマーが多価効果に向く事はすでに述べたが、世代の選択によりリガンド間 距離を精密に制御できる事も利点の一つである。合成リガンド分子は、その多くが生体 内の高分子の一部分を模倣したものであり、単に高密度な状態よりも、特定の密度で効 果が向上する。例えば、フィブロネクチン由来のインテグリン結合活性ペプチドとして、
リガンド化合物 標的レセプター 標的細胞
RGDペプチド αVβ3インテグリン がん細胞、腫瘍ഷ管内ຜ細胞、炎症性マクロファージ LyP-1ペプチド p32/gC1qR がん細胞(MBA-MB-435xenograft)
CREKAペプチド ഷ漿凝固タンパク質 間質腫瘍、ഷ管内ຜ細胞 F3ペプチド HMGN2 がん細胞(HL-60xenograft) ガラクトース ASGPR 肝実質細胞、がん細胞
マンノース マンノースR Kupíer細胞、類洞内ຜ細胞、がん細胞
ヒアルロン酸 類洞内ຜ細胞(特異的に代謝される)
トランスフェリン トランスフェリンR がん細胞
葉酸 葉酸R がん細胞
RGDだけでなく、YIGSR27、PHSRN28が報告されているが、これらはRGDペプチドと 特定の距離に配置された時、相乗的に結合活性が高まる。これは、フィブロネクチンの 構造の3次元的な配置の模倣によって得られる効果である。リガンドの空間的な配置を 制御できるデンドリマーを基材とすれば、このようなタンパク質の模倣効果によって、
より高効率なアクティブターゲティングが可能と考えられている(図1-12)。
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尚、多価効果は動態の制御に留まらない。レセプターに競合的に結合して薬効を示 す阻害剤は、多価効果によって薬効の向上が期待できる。RNA ポリメラーゼ阻害活性 を持つナフタレノイド系抗菌剤を、第4世代のリジンデンドリマーに多価修飾したHIV 阻害剤SPL7013(VivaGel ® , StarPharma社)は、臨床第2相試験中にある29。また、AlJamal らは、第 6 世代リジンデンドリマーそのものが抗腫瘍活性を示す事を報告している 30。 がん細胞の増殖でキーとなる血管の新生は、細胞間質にヘパリンが多いほど促進される とされている。ポリカチオン性のリジンデンドリマーがポリアニオン性のヘパリンに静 電的に結合する事で、ヘパリンの機
能を阻害し、血管新生の阻害を伴う 腫瘍の成長抑制が認められた(図 1-13)。当然ながら、アミノ酸のリジ ン単分子にこのような効果はない。
デンドリマーの末端アミノ基の多価 効果により薬効が発現した例と言え る。
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第1章 デンドリマーを利用したドラッグデリバリーシステム
12
遺伝子デリバリー
遺伝子治療とは、遺伝子を薬剤として利用する治療法である。試験開始当初は、先 天的な遺伝子欠損症に対する補充治療法として期待されていた。近年では、疾患関連遺 伝子の同定が急速に進んだ事を背景に、がんやウィルス感染症といった後天的難治性疾 患の治療法として有望視されている。
1-2 項で触れたが、遺伝子を目的地にデリバリーするには、いくつもの生体内バリ アを突破しなければならず、現状の臨床報告はいずれもウィルスをキャリアに利用した システムに限られている。一方で、ウィルスの利用は、不活化させた病原性の再発現や 変異による副作用を誘発する恐れがある。そこで、非ウィルスの遺伝子キャリアの開発 が進められている。
研究されている非ウィルス性のキャリアのほとんどは、カチオン性のポリマーかカ チオン脂質である。このうち後者では疎水性相互作用の凝集力が働くため、両者は共に 多価効果の働くカチオン性物質と捉える事ができる。遺伝子はこれらと混合すると、静 電相互作用により小さく折りたたまれながら複合体となる。この性質が、遺伝子デリバ リーの過程で最初に直面する2つの問題点、すなわち、
・ヌクレアーゼによって分解される。
・分子があまりに巨大であり、またアニオン性のため細胞に取り込まれない。
を同時に解決し、遺伝子を分解されないままエンドサートーシス経由で細胞内に導入で
きる(図 1-14)。この複合体化を必須条件として、細胞選択性、エンドソームからの脱
出、核への移行性などの、遺伝子デリバリー過程の他の障害を克服できるキャリア開発 が進められている。
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デンドリマー型遺伝子キャリアの特徴
デンドリマーの遺伝子デリバリーキャリアとしての有用性は、1996年にSzokaらの 研究グループよって報告された。Szokaらは、加熱分解によりデンドロンユニットの密 度を低下させたG5, G6-PAMAMデンドリマーが、ポリエチレンイミン(PEI)に匹敵す る高い遺伝子導入能を持つ事を示した31。PEIとは、1980年代の非ウィルス性キャリア の研究の初等から、高い遺伝子導入能を持つとして有力視されるカチオン性ポリマーで ある。1-1にて示したように、高世代のPAMAMデンドリマーの末端アミノ基は、高密 度で運動性に欠ける。加熱分解によってカチオン部分の運動性が確保され、遺伝子との 十分な相互作用が強化された事が、発現量に影響を与えたと考えられる。
この報告から6年後、我々の研究グループは、アミノ酸のリジンをモノマーとする デンドリティックポリリジンが、市販されたPAMAMデンドリマー型キャリアSuperfect
®qiagen同程度の遺伝子発現能を持つ事を報告した32, 33。デンドリティックポ
リリジンは、熱分解を施さない完全長の状態でも高い遺伝子発現能を示す。!位と"位 で鎖長が異なるリジンで世代を伸長した場合、それぞれの「枝」の長さが異なる非対称 型のデンドリマーとなるが、この非対称型な形状が、熱分解を施した PAMAM デンド リマーと類似した性質を与えたと考えられる。
その後の当研究室で行った追試により、第 6世代のKG6は、市販のPEI型キャリ ア jetPEI ®(Polyplus Transfection 社)や、カチオン脂質型キャリアの代表格である Lipofectamine 2000(Invitrogen社)と同等以上の効率を持つ事が明らかとなった(図1-15)。
また、カチオン密度の高い第7世代のKG7、第8世代のKG8で、発現効率が低下する 事から、やはりカチオン部分の運動性も重要である事が示唆されている。
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第1章 デンドリマーを利用したドラッグデリバリーシステム
14
デンドリマー型キャリアが高い遺伝子導入能を持つ理由
デンドリマー型キャリアが高い遺伝子発現能を持つ理由について、明確な答えは示 されていない。信憑性の高い2つの仮説をここで述べておく。
1つ目の仮説として、プロトンスポンジ効果によるエンドソーム脱出能の向上が考 えられている。プロトンスポンジ効果とは、キャリア分子のpH緩衝作用に起因するエ ンドソーム膜の破壊現象に関する仮説を指す(図 1-16)。エンドソーム膜内は他の部分 と比べて酸性環境であり、初期エンドソームではpH 6.2程度であるが、後期ではpH 5.0
~ 5.5まで減少する。このpH領域でキャリア分子がpHを緩衝すると、pHを減少させ
るためのプロトン及び塩化物イオンと、浸透圧を保持するための水がエンドソーム内に 運ばれる。その結果、エンドソーム内部の圧力が上昇し、やがて膜の破裂に至るという 仮説である。
プロトンスポンジ効果は、PEI が高い遺伝子導入能を持つ考察の一つとして 1995 年に提唱された34。2005年には、Akincらによって、プロトンポンプ阻害剤のバフィロ マイシンを添加した条件、あるいはアミノ基とイミノ基を4級化した場合では遺伝子発
現効率が 1/100 未満に低下する事が示され、その信憑性は高まった 35。ところが 2011
年、エチレンイミンユニットの繰り返し回数が偶数回の場合に、エンドソーム膜の破壊 作用が強くなる事が示され、pH 緩衝作用だけではなく、構造もまた重要である事が指 摘されている36。
憶測は尽きないが、デンドリマーもまたプロトンスポンジ効果を持つキャリアであ る可能性が示唆されている。図1-17は第6世代のデンドリティックポリリジン(KG6)
の酸塩基滴定曲線である。リニアポリリジンがpH 7.5 ~ 9.0付近で緩衝能を持つ事に 対し、KG6は幅広いpH領域で緩衝作用を示し、特にpH 5.0 ~ 6.0において高い緩衝能 を持つ事が示されている。PEIの場合は、イミンに由来する2級、3級アミンのpKaが 低く、弱酸性領域でのpH緩衝作用を持つ。一方のデンドリマーの場合は、分子末端の 1 級アミンしか存在しないが、リニアポリリジンと比べて高密度である。したがって、
この密度の効果によりアミノ基のpKaが低下し、エンドソーム内環境でのpH緩衝作用 を持つと考えられる。また図 1-18 は、赤血球の溶血活性からエンドソーム膜の破壊活
性を擬似的に評価したものである。高 pH に緩衝域を持つリニアポリリジン(○)は、
いずれのpH領域においても強くプロトン化しており、高い溶血活性を示す。中性域で の溶血作用は、すなわち細胞膜を破壊する細胞毒性を持つという事である。一方のKG6
(●)は、pH 5.0でのみ溶血活性を示している。つまり、エンドソーム内の弱酸性環境 でプロトンを受容すると共に、エンドソーム膜に対して作用する事を示唆している。
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2つ目の仮説として、細胞質まで到達してから遺伝子がキャリアから解離しやすい と考えられている。Yamagataらが報告した第6世代デンドリティックポリリジンKG6 のエチジウムブロマイド(EtBr)の滴定実験の結果を図1-19 aに示す37。EtBrはDNA にインターカレートして蛍光を示すが、キャリア分子によってDNAがコンパクション されると、DNA鎖から追い出されて消光する。つまり、EtBrの蛍光輝度の度合いから、
キャリア分子の凝縮の強さを評価できる。結果を見ると、デンドリティックポリリジン
第1章 デンドリマーを利用したドラッグデリバリーシステム
16
(●)の場合は、リニアポリリジン(○)の場合と比較して蛍光減少率が低く、凝縮力 が弱い事がわかる。また、図1-19 bは複合体とした場合のDNase耐性の評価結果であ る。デンドリティックポリリジンの複合体の方が、リニアポリリジンよりも遺伝子の切 断が早い事がわかる。この結果は、デンドリティックなキャリアは、DNA との相互作 用が弱い事を示している。
分子構造の観点からも、この違いは理にかなっている。直鎖状の高分子は高次構造 の自由度に富みDNAに絡み合う様に複合体となるが、デンドリマーは球状構造で末端 のカチオン部分の自由度が低いため、弱い複合体となると考えられる。この特徴は、遺 伝子の安定性の面では一見不利である。しかし有利に働くとすれば、それは核へ移行す る過程でのキャリアからの解離であると考察されている。
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このような特徴を持つデンドリマーは、有用な遺伝子デリバリーキャリアとして注 目され、様々な誘導体が報告されている。Takahashiらは、コアに脂質を修飾したPAMAM デンドロン脂質を利用し、遺伝子との静電相互作用の弱さを疎水性相互作用で補う事で、
遺伝子発現能を向上させた38。Kiharaらは、シクロデキストリンを修飾して膜透過性を 向上させたG3-PAMAMデンドリマーを利用し、細胞間の差の少ない均一な遺伝子導入 を達成した39。また、我々の研究グループは、KG6の末端リジンをヒスチジンに変更し た誘導体がpH応答的な遺伝子導入能を持つ事、あるいは末端をアルギニンに変更した 誘導体で遺伝子発現が向上する事を報告している40。
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核酸医薬への用途拡大
デンドリマーは確かに高い遺伝子導入能を持つが、これまでの報告はいずれも in
vitroの培養細胞に対しての結果である。In vivoでの遺伝子発現はわずかには認められる
ものの、実用にはほど遠いと言える41(これは他の非ウィルス性キャリアも同じである)。
難易度を高める要因として、遺伝子の分子量があまりにも大きい点が挙がられる。一般 的な小分子薬剤が分子量 1,000 未満であるのに対し、遺伝子は分子量 1,000,000 を超え る巨大分子である。溶液の場合の投与量の限界は質量濃度で決まるため、物質量で考え ると、遺伝子は他の薬物と比較して僅かな量しか投与できないのである。
遺伝子治療が停滞する中、近年注目を浴びているのが核酸医薬である。核酸医薬は、
標的となる mRNA、DNA、タンパク質と結合する機能性オリゴ核酸を指し、転写、翻 訳過程の制御、タンパク質の阻害などにより、特定の疾患の治療に利用できる。遺伝子 導入によって発現させたタンパク質で治療する遺伝子治療とは根本的な機構が異なる。
以下に代表的な核酸医薬について簡単に紹介する(図1-20)。
アンチセンスは mRNA を標的とする一本鎖オリゴ核酸である。アンチセンスが細 胞内に導入されると、標的mRNAと配列特異的に結合し、翻訳が抑制される。
アプタマーはタンパク質などの生体内在性分子との結合能を有した一本鎖オリゴ 核酸である。核酸配列はライブラリーからの網羅的な探索により選出され、抗体のよう
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第1章 デンドリマーを利用したドラッグデリバリーシステム
18 な高い特異性と親和性を備える42。
リボザイムは元々自然界に存在する相補配列のRNAを切断するRNA酵素である。
人工的に作成したリボザイムは核酸医薬として注目されている。リボザイムのタイプは いくつか有り、RNase P型、ハンマーヘッド型、ヘアピン型などが挙げられる。
RNA 干渉(RNAi)は標的遺伝子と相同配列を有した二本鎖 RNA により、転写産 物の相同配列が特定的に破壊される現象である。siRNAは、21 ~ 25 bpの末端部分が2 塩基ずつ突き出したオーバーハング型の二本鎖RNAで、RNAi を利用した標的mRNA の抑制が期待される。アンチセンスが阻害剤様の活性であるのに対し、siRNAは酵素様 の活性を示し、アンチセンスの103倍以上の効率で遺伝子の発現を抑制する。2006年に ノーベル医学・生理学賞を受賞した期待度の高い技術である。
デコイ核酸は転写因子あるいは転写調節因子の阻害により、特定経路で発現する一 連の遺伝子発現を抑制する二本鎖オリゴ DNAである。デコイ核酸の配列は DNAと転 写因子の結合配列を含み、細胞内に導入されると転写因子と結合し、プロモータ活性、
それに続く転写を制御する。生体内では、疾患や刺激によって一つの遺伝子が変動する のではなく、関連した複数の遺伝子群が複雑に変動する。そのため、複数の遺伝子発現 を抑制可能なデコイ核酸は、他の核酸医薬と比べても高い効果が期待される。
核酸医薬は遺伝子と比較して格段に分子量が小さく、また図 1-18 に示した様に、
核酸医薬は細胞表面あるいは細胞質内で機能し、核で機能する遺伝子と比較してデリバ リー過程でのバリアが少ない。したがって、遺伝子のデリバリーと比較して実現可能性 の高い技術である。しかし、酵素による分解や排泄の問題は共通であり、安定に標的組 織へデリバリーする手法が求められている。現在、数例のアプタマー、デコイ核酸が認 可されており、今後も様々な核酸医薬が臨床適用されると期待できるが、局所投与など 限定的な利用の報告が多い。そこで、核酸医薬のデリバリーの効率向上や用途拡大の方 法論として、遺伝子デリバリーで培われたキャリアシステムが期待されている。
1-4 ৵分抗がん剤キャリアとしてのデンドリマーの利৷
小分子抗がん剤は、それ単独で細胞内に取り込まれるよう設計されており、遺伝子 デリバリーのようなデリバリー上の障害は少ない。しかし、抗がん剤は基本的に強力な 毒物であり、正常細胞の取り込みを抑制して副作用を低減させるデリバリー法が強く求 められている(図 1-21)。また、水に対する溶解性が低いものが多く、十分な濃度をデ リバリーするために長期間の点滴やアルコールの共投与を要するなど、副作用以外の面 でも患者の負担が大きい。よって、溶解性の改善もキャリアに求められる能力の一つで ある。
1-2にて述べた通り、PEG修飾したデンドリマーはEPR効果によって効率良く腫瘍 に集積する。よって、この性質を利用した抗がん剤の腫瘍特異的なデリバリーが期待で きる。
ドキソルビシン(DOX) カンプトテシン(CPT)
パクリタキセル(PTX) シスプラチン(CDDP)
図 1-21 代表的な৵分抗がん剤とその構造式
キャリア毎の抗がん剤の担持法とその特徴
現在主流となっている、デンドリマー型のキャリアで抗がん剤をデリバリーするス トラテジーは、2つに分ける事ができる。その両者の特徴を述べるためにも、まず、他 の代表的なキャリアでの抗がん剤のデリバリー法について整理する。
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第1章 デンドリマーを利用したドラッグデリバリーシステム
20 リポソーム型キャリア
最も主流なリポソーム型キャリアは、作製に一 定のノウハウを必要とする。しかし、エクスト ルーダによってある程度サイズ制御が可能で、
体内動態を制御しやすい。また、官能基修飾し た脂質を組み込む事で、リポソームを表面修飾 できる。PEG 修飾によって血中滞留性を向上さ せたSTEALTH® liposomesにDOXを内包させた 製剤は、Doxil®として臨床利用されている。薬
剤は、リポソームの形成過程で混合する事で受動的に内包できる他、薬剤の持つ官能基 に合わせて膜の内外でpH勾配を形成させ、溶解性の差を駆動力として高効率に内包で きる。
ミセル型キャリア
ミセル型キャリアは、多くの抗がん剤のデ メリットである難水溶性を逆手に取ったキャリ アで、近年活発に研究されている。両親媒性の ポリマーを水中で自己組織化させ、形成させた 疎水相に薬剤を内包させる。薬物自身の凝集が 駆動力となってより安定なミセルが形成される 事から、先に挙げたDOX等のアントラサイクリ
ン系、CPT 等のタキサン系、PTX 等のアルカロイド系の高疎水性の抗がん剤は、特に 効率よく内包できる。ポリマーの組成の変更によって容易に物性を変更できる反面、重 要ファクターであるサイズ及び臨界ミセル濃度の制御を総当たり的な検討に委ねる事 となる。
ポリマーコンジュゲート型キャリア
ポリマーコンジュゲート型キャリアの報告 は比較的少ない。薬剤の活性を低下させない条件 を維持しつつ、可逆的な結合でコンジュゲートす る必要があり、比較的高度な有機合成技術を要す るためである。言い換えれば、新規のプロドラッ グを合成する事に等しい。しかし、一度確立され たストラテジーは種々のキャリアに相次いで適
用され、結果として類似した報告も多い。エステル結合を介したコンジュゲートは薬剤 側・キャリア側の両者にとって汎用性が高い。また、エンドソーム内pHでの切断が期 待できる、ヒドラゾン結合を介した DOX のコンジュゲートが数多く報告されている。
異質な例としては、配位子交換を利用したシスプラチン(CDDP)のコンジュゲートが 挙げられる。
CDDPは、アンミンと塩化物イオンを配位子に持つシス配座の白金錯体型抗がん剤 である。トランス効果の優先度から、アンミン配位子の対角の2点において積極的に配 位子交換が起こる。この部分が活性点となり、アデニンとグアニンのN7位に架橋的に 結合して、抗がん活性を示す。よって、必ず塩化物イオンである必要性はなく、トラン ス効果の優先度が維持されるカルボキシル基や水でも活性は維持される(実際に DNA と結合する際は水に置換されている)。1,1-シクロブタンジカルボン酸の二座配位子に置 換したカルボプラチンは、腎毒性を低減させた誘導体として臨床適用されている。
このような機序に着目し、カルボキシル基を複数持つポリマーにコンジュゲートし てデリバリーする試みが、1990年代から盛んに報告されている43, 44 。Kataokaらを中心 としたナノキャリア社が開発する、PEGポリグルタミン酸ブロックコポリマーに CDDP を担持させたポリイオン複合体(PIC ミセル、NC-6004)は、最も成功している 例である。CDDPが配位したグルタミン酸ユニットは親水性が低下する事から、自発的 にミセルを形成する45, 46 。平均粒径が30 nmとミセルとしては極めて小さく、腫瘍深 部への到達が期待できる47 。2011年現在、欧州にて臨床第Ⅱ相治験中である。
CDDPは水溶性の低い錯体であるものの、他の抗がん剤と比べて比較的親水性であ る。よって、リポソームや疎水場を持つミセルへの非共有結合的な内包は不向きであり、
報告は僅かである48。つまり、ポリマーへコンジュゲートするストラテジーを最大限に 活かせる抗がん剤と位置づける事ができる。
デンドリマー型小分子抗がん剤キャリアの特徴
近年のデンドリマー型小分子抗がん剤キャリアの研究報告は、コンジュゲート型と ミセル型に大別される。両者の特徴を以下に述べる。
コンジュゲート型キャリア
デンドリマーを利用した抗がん剤デリバリーでは、コ ンジュゲート型の報告が圧倒的に多い。これは、1-2 で述 べた内容と一部重複するが、リニアポリマーと比較してい くつかの優位性・独自性を持つからである(図1-22)。
デンドリマーもリニアポリマーも、共通のモノマーユ ニットで構成されるならば、質量当たりの官能基数は同じ である。しかし、修飾点周辺の自由度の違いが、薬剤担持
効率に影響を与えうる。コンジュゲート対象となる抗がん剤は、上述にように疎水性が 高いものが多い。よって、リニアポリマーに担持量を稼ぐべく高密度に修飾すると、抗 がん剤は自身の疎水性相互作用によって分子内凝集し、立体障害によって更なるコンジ ュゲートを妨げてしまう。一方、剛直な構造を持つデンドリマーは、分子内凝集が起こ
第1章 デンドリマーを利用したドラッグデリバリーシステム
22
りにくく、高密度な修飾が期待できる。また、同問題は分子間の凝集によっても誘起さ れる。リニアポリマーではこれを防ぐ事は難しいが、デンドリマーでは、分散安定性を 向上させる親水性基を表面修飾する事で回避できる(最も、この凝集を駆動力としてミ セル形成させるストラテジーも有効である)。大抵の場合は、溶解性の向上だけでなく EPR効果も期待できるPEGが採用される。
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KonoらはPEG修飾したG4-PAMAMデンドリマーにヒドラゾン結合を介してDOX
を修飾した。pHに応答的に迅速にDOXが放出され、DOX耐性がん細胞の有意な殺傷 効果が認められた49。Leeらは、コアにPEGを修飾したG4-PAMAMデンドロンにヒド ラゾン結合を介してDOXをコンジュゲートし、担がんマウスに投与した。投与量依存 的に生存率が改善し、最も投与量の多い処置群では、Doxil®を投与した場合と同等以上 の生存率が認められた50。Foxらは、PEG修飾した第2世代のリジンデンドリマーにエ ステル結合を介して CPT を投与し、投与量依存的に生存率が改善したと報告した 14。
StarPharma社の研究グループは、第5世代のリジンデンドリマーに、弱酸性で切断され
るヒドラジノスルホニル安息香酸を介してDOXをコンジュゲートした。Doxil®を投与 した場合と同等以上の制がん効果が認められたと報告している 17。
このように、コンジュゲート型では抗がん剤の種類を問わず、in vivoでの抗がん効 果が報告されている。特に DOXのデリバリーでは、市販のDoxil® に劣らないという 結果が複数の研究機関から報告されており、有用な抗がん剤デリバリー法である事が示 されている。
単分子ミセル型キャリア
デンドリマーには内部空間という概念があり、1分子をミセル様に利用して内包さ せるというストラテジーが僅かながら報告されている。Kojimaらは、PEG修飾した第3
~ 4世代のPAMAMデンドリマーにDOXやPTXを内包したと報告している51。デンド
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リマー1分子当たりの内包量は、DOXが6~7分子、PTX が26分子であった。PAMAMデンドリマーの分岐点の3 級アミンはカチオンとして振る舞うと考えられ、薬剤と の静電相互作用が内包の駆動力となったと考察されてい る。他にも内包を報告している研究例はいくつか存在す る。Sideratou らは、数本の PEG を修飾した G5-DAB デ ンドリマーに、ステロイド系抗炎症剤のbetamethasone
valerate(BV)あるいはbetamethasone dipropionate(BD)内包できたと報告している52。 最新の例では、トランスフェリンリガンドとなる T7 ペプチドと PEG を修飾した
G5-PAMAM デンドリマーに DOX を内包させてデリバリーし、腫瘍の成長が有意に抑
制されたと報告されている53。
しかしながら、いずれもキャリアの分子内に担持させたという明確な証拠は乏しく、
複数の分子が会合して内包している可能性も拭いきれない。PAMAMデンドリマーにポ リカプロラクタムの薬剤内包相を介してタンデムに PEG を修飾したキャリアの報告で は、複数の分子が会合してミセルを形成している事が示唆されている 54, 55。会合が想定 される場合は、粒径や表面物性の違いに基づく動態の変化が考えられ、十分な注意が必 要となる。現在の様にEPR効果を期待したPEG修飾が一般化する以前は、デンドリマ ーは、難溶性抗がん剤を複数の分子で複合体とし、溶解性を向上させるストラテジーで 研究されていた 56。PTX を人血清アルブミンで 100 nm 程度の粒子として分散させた Abraxane ®に代表される、アルブミン製剤の代替という位置付けである。内部空間への 内包は、PEG修飾によって想像しやすいストラテジーとなったが、デンドリマーが会合 せず分散している確からしい証拠を示す必要があるだろう。
第1章 デンドリマーを利用したドラッグデリバリーシステム
24
1-5 MRI 造影剤キャリアとしてのデンドリマーの利৷
デンドリマーは、画像診断用の造影剤のキャリアとしても優れており、基礎・臨床 研究で広く利用されている。中でも核磁気共鳴撮像法(MRI)の造影剤は、デンドリマ ーに修飾するだけで造影能が数倍以上に向上するという、異様な効果を得られる。
この効果は、MRI造影剤の役割が他のイメージングの造影剤とは本質的に異なる事 に起因している。これを理解するには、まずMRI及びMRI造影剤の原理を理解しなけ ればならない。
MRIの原理57
全ての荷電粒子は静磁場下においてゼーマン効果によるエネルギー準位の分裂を 生じる。このとき、特定の周波数の電磁波を照射すると共鳴する現象を核磁気共鳴
(NMR)という。MRI は、生体内で最も多量の物質である水分子のプロトンを対象と して、NMR 現象に基づいて生体を画像化する方法である。以下に、撮像の流れと共に MRIの原理を示す。
撮像の流れ
1. 撮像対象をMRI用の磁場の中に置き、静磁場をかける。
2. RFパルスを照射し、NMR現象を誘導する。
3. RF パルスを停止する。停止と共に起こるプロトンの緩和現象を、FID 信号として 回収し、コンピューターにより画像処理する。
4. 「2 ~ 3」を繰り返して断層画像を得る。
各段階でのプロトンの核スピンの動向 1. 静磁場の照射
静磁場が存在しない場合、スピンの向きは不均一である(図1-23 A)。ここで上向 きの静磁場をかけると、スピンは上向きか下向きに整列し、ラーモア周波数に応じ た歳差運動を開始する。このとき、エネルギー準位の低い状態である上向きのスピ ン数が多く存在するため、結果的に磁場の方向に沿ったベクトル(巨視的磁化)を 生じる(図1-23 D(1))。
2. RFパルス照射によるNMR現象の誘導
スピンの回転周波数に相当するRFパルスを照射すると、プロトンは電磁波のエネ ルギーを吸収して共鳴する。つまり、上向きのスピンはRFパルスのエネルギーを 吸収して励起し(図1-23 B)、上向きと下向きのスピン数が一致する。同時に、不 均一に歳差運動していたスピンが、位相を揃えて回転し始める(図1-23 C)。よっ て、上向きの磁化ベクトルは90°回転して倒れたと考えることができる(図1-22 D
(2))。このようなパルスを90°パルスといい、実際のRFパルスの大きさはRF強
度と照射時間の積で決まる。
3. RFパルス停止、プロトンの緩和現象
RF パルスを停止すると、励起したスピンは元のエネルギー準位の低い状態に戻っ ていく(図1-23 E, F, G)。この過程を緩和といい、MRI画像のコントラストを決定 する現象である。
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緩和現象
緩和現象は、縦緩和(T1緩和)と横緩和(T2緩和)の2つに分類される。下向き のスピンが上向きのスピンに戻り、縦方向の磁化ベクトルが回復する現象を T1緩和と いう。T1 値は、もとの値の 63%に戻るまでの時間と定義されている。一方、揃ってい た位相が不均一になり、横方向の磁化ベクトルが減少する現象をT2緩和という。T2値 は信号の最大値から36.8%に現象していく時間と定義されている。しかし実際の横磁化 は、静磁場の不均一性によりT2よりはるかに速く消失してしまい、この見かけの緩和 時間は T2*と定義されている。T1 緩和の原因は、分子運動に伴って変化する磁場(揺 動磁場)を介して起こる周囲組織へのエネルギーの放出である。一方T2緩和はエネル
第1章 デンドリマーを利用したドラッグデリバリーシステム
26
ギー移動を伴わず、主の原因は、揺動磁場や局所磁場の不均一性である。
このような T1 や T2 緩和は水分子の環境によって異なるため、組織や臓器によっ て違いが生じ、画像上にコントラストとして現れる。T1 強調撮像では、一般に脂溶性 の環境ほど緩和が早く、強い MRI シグナルとなる。これは、水分子の運動性の違いに 基づいている。疎水性分子に接触した水分子は、エントロピーの効果からその周囲を囲 むように自己組織化し、運動が拘束された状態となる(アイスバーグ構造)。分子の運 動性が低下すると、プロトン核種の自由運動(平行移動、回転、振動)の周波数も同様 に影響を受けて低下する。T1緩和の原因は周囲組織へのエネルギーの放出と述べたが、
この放出効率は自由運動周波数がラーモア周 波数に近づくほど高くなる。拘束状態の水分子 は、自由運動周波数がラーモア周波数に近づき、
エネルギーの放出が促進されてT1緩和が短く なる。対して親水性環境の拘束されていない水 分子は、自由運動周波数がラーモア周波数より かなり大きく、エネルギーの放出が遅いために、
T1緩和は長くなる(図1-24)。つまり、原理の 観点で言えば、T1 強調画像とは水分子の運動 性の違いを画像化したものである。
画像診断技術におけるMRIの位置づけ
現在臨床で用いられている画像診断技術は、放射性同位元素から放出される陽電子 の消失を利用したポジトロン断層法(PET)あるいは放出されるガンマ線を利用した単 一光子放射断層撮影法(SPECT)、超音波の反射性を原理とする超音波造影、X 線の透 過性を利用した X線造影・CT、そして生体内の水素原子のNMR 現象を利用したMRI である。また、in vitro など限定的な環境では、蛍光プローブを使った蛍光イメージン グ(FLI)も利用される。
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これらの画像診断技術には、それぞれ一長一短があり、用途に応じた使い分けが重
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要となる(表1-3)。X線CTは体全身を高解像度かつ高速に観測できるため、胸部や腹 部および頭部で広く用いられている。放射性同位元素を造影剤として利用する PET、
SPECTは被爆のリスクがあるものの、組織浸透性が高く、高感度な撮像が可能である。
PETは造影剤の寿命が短い事から、シンクロトロンを併設する拠点病院に限られる。し
かしSPECTの 100倍近い時間分解能を有し、リアルタイムに近い情報を取得できる事
から、代謝などの瞬間的・経時的な変化も画像化できる。18Fラベルしたグルコースは、
虚血領域診断用の血管造影剤であると共に、糖代謝亢進した腫瘍によく取り込まれる事 を利用した腫瘍診断法として実用化されている。超音波造影は、骨や肺など一部の組織 の浸透性が低く、また視野が狭いという欠点を持つ。一方で時間分解能は全技術中最も 高く、リアルタイムな画像化が可能である。そのため、胎児や消化管などの診断に用い られている。また、近年では蛍光イメージングが医療現場にも適用されつつある。低い 組織透過性から他の画像診断のような用途では利用できないが、開腹時や採取組織に対 しては、多彩な蛍光プローブを利用して簡便に画像診断できる技術として期待されてい る。
MRIは、高磁場環境の構築に超伝導磁石を必要とし、設備コスト・ランニングコス トは共に高い。よって、ある程度の設備投資が可能な拠点病院に限られる。感度の低い NMR 現象に基づく事からシグナルの積算が必要であり、時間分解能も高くはない。し かし、被爆のリスクがなく最も非侵襲的なほか、十分な高磁場環境が整えば、空間分解 能の高い撮像が可能である。また、多彩な撮像法が開発されており、体内の物理的情報・
形態的情報を得る事ができる。
また、MRIの別の重要な特徴として、造影剤自身は何ら造影シグナルを持たない事 が挙げられる。一般に、造影剤を利用する画像診断では造影剤自身のシグナルを検出す る。一方で、MRI造影剤は検出対象の環境を変える物質である。この間接性故に、MRI 造影剤は、他の画像診断法の造影剤にない複雑な機能設計が可能である。
MRI造影剤
MRI 造影剤とは、周囲の水分子のプロトンの緩和を促進させ、MRI 信号を変化さ せる物質である。MRI装置単独では造影困難である部位を鮮明に映し出すために、使用 されている。造影剤が有する緩和促進能は、緩和度 R として表され、緩和時間との関 係は次式で表すことができる。
ここで、T は造影剤投与後の組織の緩和時間、T0は造影剤未投与時の組織の緩和時間、
Cは造影剤濃度を表している。つまり、造影剤を目的組織特異的かつ高濃度にデリバリ ーできれば、よりMRIの画像コントラストを向上させる事ができる。
MRI の造影剤は、T1 緩和を促進し T1 強調画像で高信号を示す陽性造影剤と、T2
(T2*)緩和を促進しT2(T2*)強調画像で低信号を示す陰性造影剤に分類できる。代