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ムタントゥ ンセレ ピエール 論文内容の要旨

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Academic year: 2022

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ムタントゥ ンセレ ピエール 論文内容の要旨

主 論 文

Development and Evaluation of Quantitative Immunoglobulin G Enzyme-Linked Immunosorbent Assay for the Diagnosis of Coronavirus Disease 2019 Using

Truncated Recombinant Nucleocapsid Protein as Assay Antigen

発現 N タンパク質を用いた新型コロナウイルス特異的 IgG 抗体測定法の開発と評価

Pierre Nsele Mutantu, Mya Myat Ngwe Tun, 鍋島武, Fuxun Yu , Patrick Kakoni Mukadi, 田中健之, 田代将人, 藤田あゆみ、蟹江信宏, 大城亮作, 高園貴弘, 今村圭文,

平山達朗, Meng Ling Moi, 井上真吾, 泉川公一, 安田二朗, 森田公一

International Journal of Environmental Research and Public Health, 18巻18号 9630、2021年

https://doi.org/10.3390/ijerph18189630

〔14 ページ〕

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科新興感染症病態制御学系専攻

(主任指導教員:森田公一教授)

緒 言

Severe acute respiratory syndrome coronavirus-2 (SARS-CoV-2) は新型コロナウイルス 感染症(COVID-19)の原因ウイルスである。このウイルスは 2019 年 12 月に中国武 漢で出現し世界に伝搬して 2020 年 3月に世界保健機関はパンデミックを宣言するに 至った。すでに世界では2億5千万の人々が感染し、500万人を超える死者が報告さ れている。急性期の診断はRT-PCR法などウイルス遺伝子の検出が重要であるが、不 顕性感染も多く存在することから、ウイルス特異抗体検出による血清診断、血清疫学 解析は重要であり、抗体検査法の開発、改良は感染対策上も重要な研究項目である。

本研究では大腸菌で発現したウイルス N タンパク質を用いた安価で簡便な抗体検出 法の開発と評価を目指した。

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対象と方法

SARS-CoV-2 の N タンパク遺伝子は 2019-nCoV/Japan/TY/WK-521/2020 株の遺伝子 RNA から RT-PCR 法により完全長の N タンパク遺伝子断片とコロナウイルスに高い相同性 がある N 末端(121 残基)を欠損させた遺伝子断片(rNΔ121)を増幅し、それぞれ pQE-30 プラスミドの His タグの下流に組みこみ E. Coli XL-1 Blue に導入した。形質転換し た大腸菌は大量培養後に IPTG により組み換えタンパク質の発現を誘導したのち、細 胞を 8M 尿素存在下に破壊し内部の組み換えタンパクをニッケルカラム、続いて尿素 を除きコバルトカラム精製を用いる 2 段階の精製を行った。精製したタンパク質を 96 穴 ELISA プレートに固定して間接 ELISA 法により N タンパク抗体を定量的に測定した。

評価には 177 検体の新型コロナウイルス感染疑い例の血清、155 検体の陰性血清(新 型コロナウイルス出現前に採取された検体)を用いて、ウイルススパイク(S)タン パク質を用いた間接 ELISA 法やウイルス中和試験との比較を行い感度・特異度を算出 した。血清の利用については長崎大学熱帯医学研究所倫理審査委員会の了承を得た。

結 果

コ ロ ナ ウ イ ル ス 間 で 保 存 さ れ た 領 域 を 欠 損 さ せ た rNΔ121 抗 原 を 用 い た 間 接 IgG-ELSIA 法では 177 例の新型コロナ感染疑い例のうち、118 例が陽性、59 例は陰性 と判定された。155 例の陰性血清では 8 例は陽性、147 例が陰性であった。完全長の N 抗原を用いた間接 IgG-ELSIA 法では、177 例の疑い症例中 124 例が陽性、53 例が陰性 となった。155 例の陰性血清については 17 例が陽性、138 例が陰性となった。新型コ ロナウイルスSタンパク質を抗原とする市販の間接 IgG-ELSIA キットを用いて同じ血 清を測定したところ、疑い例 177 検体のうち 121 例が陽性、56 例が陰性であり、陰性 コントロール血清 155 例では 2 例のみ陽性となった。ウイルス中和試験では疑い例 177 検体中 124 例が陽性、陰性コントロール血清では陽性は 0 例であった。以上の結果か ら、rNΔ121抗原を用いた間接 IgG-ELSIA 法では S タンパクを用いた間接 IgG-ELSIA 法、

およびウイルス中和試験と比較して、それぞれ感度は(91.1% vs. 91.9%)、特異度は (93.8% vs. 93.8%)と算出された。

考 察

新型コロナウイルスの rNΔ121抗原を用いた間接 IgG-ELSIA 法は中和抗体法や S タ ンパク質を用いる間接 IgG-ELISA 法と比較して同等の感度・特異度を持つ安価な新型 コロナウイルス血清診断法であることが示された。また現在、新型コロナウイルス S タンパク質を成分とするワクチンが全世界で普及しているが、ワクチンでは産生され ない抗 N タンパク抗体を検出できる本システムはワクチン接種が進む地域での血清疫 学調査を実施するうえで極めて有用な手法となることが期待される。

参照

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