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都市下水道管渠網における空気・雨水流動解析に関する検討

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Academic year: 2022

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都市下水道管渠網における空気・雨水流動解析に関する検討

愛媛大学大学院 学生会員 〇佐々木悠平 愛媛大学 学生会員 浦 弘樹 愛媛大学大学院 正会員 友近榮治 愛媛大学大学院 正会員 渡辺政広

1.はじめに

近年,各地の都市流域で集中豪雨が多発している.こうした豪雨時には,計画を大きく上回る雨水が下水 道管渠に流入し,浸水氾濫現象や管渠内空気圧が高まることによるマンホール蓋飛散現象が発生している.

特にマンホール蓋飛散現象の発生については,人命が奪われる事故も発生しており,下水道管渠網内の豪雨 時における空気と雨水の流出(流動)を精度高くシミュレートできる解析モデルを早期に開発することが喫 緊の課題となっている.

本報告では,はじめに,下水道管渠模型による流出実験を行い,遷移流れ(開水路流れ

圧力流れ)が発 生してこれが伝播する管渠流出現象が現れるとき,下水道管渠内の空気圧変動を組み入れた管渠流出解析が 必要であることを観察・確認するとともに,こうした流れの遷移部の空気・雨水流出の数値計算(特性曲線 法)手法について検討した結果を述べる.

2.下水道管渠模型による空気・雨水流出 実験

2.1 下水道管渠模型

下水道管渠模型を図-1に示す.その下水 道管渠部は,直径

10cm,長さ約 11m,勾配 2‰の透明アクリルパイプ製である.管渠部

の中間には

2

つのマンホール(直径

15cm)

が,管渠頂部には

16

本の取付管(直径

1cm)

が設置(着脱)できるようになっている.

また,マンホール蓋には複数個の空気孔が 設けられている.

管渠内の空気圧と水深の場所的・時間的 変動は,管渠の頂部と底部およびマンホー

ル蓋の

16

カ所に設置された圧力センサー 図-1 下水道管渠模型(上図:取付管を設置,下図:マンホールを設置)

により計測・記録される.

2.2 空気・雨水流出実験結果

流出実験1:取付管が

6

本接続する下水道管渠模型(図-1の上図)において,図-2に示すように,初期の 定常等流流れ(t = 0 s)に対して,下流端

Gate

を急閉鎖して堰上げ背水流れ(比較的緩やかなサージ)を発 生させ,これが上流へと伝播してゆく非定常開水路流れの流出実験を行った.雨水(水深,水面)および空 気圧の時間的(t =0,

14, 28 s)

・場所的変動状況を図-2に示す.図より,開水路流れ状態の非定常流の場合,

管渠内空気は取付管を通じてスムーズに排気され,流出期間を通じて,管渠内空気圧はほぼ大気圧(1気圧)

のまま推移していることが分かる.すなわち,このような管渠流出では,必ずしも,空気圧の変動を組み入 れた雨水流出解析を行う必要はないであろうことが分かる.

流出実験2:取付管が

7

本接続する下水道管渠模型(図-1の上図)において,図-3に示すように,初期の 定常等流流れ(t = 0 s)に対して,下流端

Gate

を急閉鎖して開水路流れから圧力流れへの遷移流れ(急激な サージ)を発生させ,これが上流へと伝播してゆく非定常流れの流出実験を行った.雨水(水深,水面)お よび空気圧の時間的(t =0,8,15 s)・場所的変動状況を図-3に示す.図より,遷移流れを伴う非定常流の場

10,900

1,000 700

Pump

Gate

P

Pressure Gauge Unit : mm Sewer Pipe

⑦ ⑤

⑥ ④

: 100 Lateral Sewer

10,900

1,000 700

Pump

Gate

P

Pressure Gauge Unit : mm

Sewer Pipe

⑥ ④

: 100 Lateral Pipe

Manhole

65

(2)

合,空気は取付管を通じても充分には排気されず,管渠内空気圧は大気圧(1気圧)から

1.01

気圧にまで推 移していることが分かる.すなわち,このような流れの遷移を伴う管渠流出(非定常流れ)では,空気の流 動と空気圧の変動を組み入れた雨水流出解析を行う必要があることが分かる.

0 5 10

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

Depth (cm)

Distance (m)

Distance (m)

Depth (cm)

9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 0

5 10

0.99 1 1.01 1.02

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

Pressure head (atm)

Distance (m)

Distance (m)

Pressure head (atm)

9 8 7 6 5 4 3 2 1 0

1 0.99 1.01 1.02

0s 14s 28s

14s 28s 0s

0 5 10

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

Depth (cm)

Distance (m)

Distance (m)

9 8 7 6 5 4 3 2 1 0

Depth (cm)

0 5 10

0.99 1 1.01 1.02

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

Pressure head (atm)

Distance (m) Distance (m)

Pressure head (atm)

9 8 7 6 5 4 3 2 1 0

1 0.99 1.01 1.02

0s 8s 15s

0s 8s 15s

図-2 空気圧・水深の変動(開水路流れ) 図-3 空気圧・水深の変動(遷移流れを伴う流出)

3.遷移流れ(開水路流れ

圧力流れ)の数値計算手法

空気流動の流れの基礎式を特性曲線表示すると,次の特性曲線式(1)および特性方程式(2)が得られる.

a dt V

dx = ±

Φ

+

Ψ

(1), 0

2 1 4

1 − ′ ± =

⎟ +

⎜ ⎞

∂ + ∂

± ∂

± A

a m V V R V x f

V A t A A a dt d a dt dV

D

ρ

ρ

ρ (2)

ここに,

V

:空気の断面平均流速(風速),

A

:空気の流動断面積,

ρ

:空気の密度,

a

:音速,

f

D:ダ ルシー・ワイスバッハの摩擦損失係数,

R

:空気の流れの径深,

m′

:管渠単位距離当たりの空気の排気質量流量(取付管から流 出する),

t

:時間,

x

:距離.

従来の数値計算手法では,特性曲線が途中で消滅する,特性 曲線が存在し得ない(空気が存在しないため),などの問題が発 生する(図-4).そこで,①満管流においても管渠頂部に僅かな 空間の空気溜まりが存在する(仮定),②空気溜まりでの粗度係 数は膨大な値とする(空気の流動を生じさせないため),③図-4 に示すように,

Δ t

を数

10

分割し,特性曲線式と特性方程式を逐 次積分する差分近似(差分法)を採用す

る,ことを考えた.

4.おわりに

本報告では,はじめに,流出実験を行 って,遷移流(開水路流れ

圧力流れ)

が発生する非定常流れでは空気流動・空

気圧変動を組み入れた管渠雨水流出解析が必要で あることを明らかにした.次に,遷移流れ部にお

ける流れの数値計算(特性曲線法)手法を新たに提案した.

管頂

管底 管底

管頂

取付管 取付管

水面

水面

図-4 特性曲線法と空気溜り(仮想,D:直径)

66

参照

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