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免震機能を有するピン挿入型リング継手構造の開発

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Academic year: 2022

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免震機能を有するピン挿入型リング継手構造の開発

鹿島建設株式会社 正会員 ○鈴木 義信 ジオスター株式会社 尾上 聡

シールドトンネル用セグメントのリング間を繋ぐ継手は,従来はボルト継手構造が多く用いられていたが,

施工の高速化やセグメント内面の平滑化を目的として,ピン挿入型継手構造が用いられるようになってきてい る.地震時等のトンネル縦断方向の変形に対して,ボルト継手構造の場合は,弾性ワッシャーなどによる曲げ 剛性を低下させる免震構造が用いられていたが,ピン挿入型継手構造では,この技術を組み合わせることが困 難であった.そこで,免震機能を有するピン挿入型継手構造を開発した.本稿は,この免震機能を有するピン 挿入型継手構造の性能確認試験結果を報告するものである.

1.従来のリング継手の免震構造

ボルト継手構造のシールドセグメントでは,地震対策 又は地盤沈下対策として,図-1に示すようなウレタン ゴム等による弾性ワッシャーを用いて,トンネル軸方向 の引張剛性及び曲げ剛性を低下させ,地盤の変形に追随 できる構造とする事例がある.

2.免震機能付きピン式リング継手(SP継手)の概要 シールドセグメントのピン挿入型リング継手として,

図-2に示す四つ割りゴマによる楔構造を利用したリ ング継手(SP継手)を開発し,今までに多数のシール ドセグメントに適用してきた.この継手は,凸型金物の ピンを凹型金物に挿入するだけで締結が可能であり,ボ ルトボックスが不要のため内面を平滑にできる.

継手の締結機構は,ピンボルトの挿入時は,四つ割り コマが一時後退して広がり,これによりピンボルトが挿 入される.挿入後は,バックアップ材により四つ割りコ マがピンボルトとリングの間に押し込まれ、四つ割りコ マ内面のネジ部とピンボルトのネジ山がかみ合い,引張 力発生時に前蓋でリングを抑えることで,四つ割りコマ とリングが嵌合して締結する.この構造により,小さな 押込み力で締結が可能で,大きな引張耐力を有する継手 構造となっている.

免震機能付きSP継手は図-3に示すように,前蓋と リングの間に免震材としてリング状のウレタンゴムを 挟むことで,リング間に引張力が作用した場合に,ウレ タンゴムが圧縮変形することでリング間の引張力を吸 収低減させる構造としている.また,免震材の厚さや硬 度を変えることで,リング継手の引張剛性を変化させる ことも可能である.

キーワード シールドトンネル,セグメント,リング継手,ピン挿入型,免震,地震 連絡先 〒107-0052 東京都港区赤坂 2-14-27 鹿島建設(株) 東京土木支店土木部 TEL03-6838-2091

図-1 従来の免震構造(弾性ワッシャー)

図-2 ピン挿入型リング継手(SP継手)

図-3 免震機能の概要図(SP継手)

リング

ピンボルト 前蓋

四つ割りゴマ 免震材 メスケース

バックアップ材

ワッシャー

インサート

締結前

締結後 凹型金物

凹型金物

凸型金物

凸型金物 変形(目開き)

ナット 継手ボルト

継手金具 弾性ワッシャー

(圧縮)

免震材

(圧縮)

四つ割りゴマ リング

前蓋 ピンボルト

変形(目開き) 嵌合部

引張力 引張力

土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月)

‑1197‑

Ⅵ‑599

(2)

3.締結試験(必要押込み力の確認)

免震機能付きSP継手(M30(10.9)相当タイプ)の 締結に必要な押込み力を確認することを目的として,

写真-1のように押込み試験を行った.図-4に示 す試験結果より,SP継手は1本当たり 10kN 以下 の小さな押込み力で締結ができることを確認した.

4.引張試験 (引張性能の確認)

免震機能付きSP継手の引張特性の確認を目的として,写真-2のように引張試験を行った.免震機能付き SP継手には,厚さ6mm・硬度95のウレタンゴムによる免震材を用いた.比較対象として,免震材を設置し ないSP継手(M30(10.9)相当;引張耐力527kN/本)の引張試験も実施した.試験結果を図-5に示す.

免震材を設置しないSP継手の引張試験結果は,M30(10.9)相当の引張耐力(527kN/本)を上回り,十分な 引張耐力を有することを確認した.また,免震材を設置しないSP継手の引張バネ定数(K1)は,短期許容 荷重相当(320kN)までの割線勾配として,K1=290kN/mm(目開き量1.1mm)となった.

免震機能付きSP継手の引張試験結果は,M30(10.9)相当の引張耐力(527kN/本)を上回り,十分な引張耐 力を有することを確認した.また,免震機能付きSP継手の引張バネ定数(K1’)は,短期許容荷重相当(320kN)

までの割線勾配として,K1’=89kN/m(目開き量3.6mm)となった.

5.まとめ

引張試験結果より,免震材を設置した場合の引張バネ定数

(89kN/mm)は,免震材を設置しない場合の引張の引張バ ネ定数(290kN/mm)の 30%程度となり,免震材を設置す ることでリング継手の引張剛性を大幅に低下させられるこ とが分かった.リング継手の引張剛性が低下すれば,図-6 に示すように,セグメントリングのトンネル軸方向の引張剛 性及び曲げ剛性を低減でき,シールドトンネル軸方向の免震 化が図れる.

施工の高速化やセグメント内面の平滑化等に対応したシ ールドセグメントのリング継手としてSP継手を開発し,更 に地震対策等に対応できるように免震化構造を開発した.免 震機能付きピン式リング継手(SP継手)は,写真-3に示 すように,実用化を完了している.

写真-1 押込み試験 写真-2 引張試験

図-5 引張荷重-目開き量関係図

写真-3 免震機能付きSP継手 図-6 セグメントリングの曲げ剛性 図-4 押込み荷重-変位量関係図

引張バネ領域

中心軸 中立軸

M M

リング継手

(引張バネ)

0 100 200 300 400 500 600 700 800

0 1 2 3 4 5 6 7

引張荷重(kN)

目開き量(mm)

SP継手:M30(10.9)免震材有り SP継手:M30(10.9)免震材無し

引張強度荷重 583 kN 降伏点荷重 527 kN

短期許容荷重 320 kN

長期許容荷重 213 kN 免震材無し

K1=276 kN/mm 免震材無し K2=357 kN/mm

免震材有り K1'=89 kN/mm

免震材有り K2'=247 kN/mm

0 5 10 15 20 25

0 10 20 30 40

押込み荷重(kN)

変位量(mm)

免震材 前蓋

リング ピンボルト

土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月)

‑1198‑

Ⅵ‑599

参照

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