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セグメン ト新型継手の開発

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Academic year: 2021

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西松建設技報 vOL.24

セグメン ト新型継手の開発

De ve l o pme nto fNe wTypeSe gme ntJ o i nt

野本

雅昭車

MasaakiNomoto 小林 正典*

MasanoriKobayashi 荒井 紀之*

NoriyukiArai

渡辺 徹 敷革 ToruWatanabe

三戸 * 車 *

KenjiMito 大江 郁 夫***

IkuoOe

要 約

ス ライ ドロ ックジ ョイ ン トは,ボル トの締結作業 を不要 とす ることで高速施工 を可能 とし,セグ メ ン ト内面の平滑 なシール ドトンネルを構築す る 目的で開発 した新型継手である.

セグメ ン ト間の結合 に必要 な継手部材がすべ てセ グメ ン ト継手金物 に取 り付 け られているため, 継手部材 の新 たな供給が不要 である. また,セ グメ ン ト内面 に継手構造が露出 しないため内面が平 滑 とな り,二次覆工が省略で きる.

開発では,新型継手単体 の性能確 認試験 お よび平板型セ グメン トに よる性能確認試験 を行 った.

その結果,セ グメ ン ト継手, リング継手 ともに所定の耐力 を有す ることが確認 された.

日次

§ 1. は じめに

§2.セ グメ ン ト継手の概要

§3.リング継手の概要

§4.セ グメ ン ト継手性 能確認試験

§5.リング継手性 能確認試験

§6.BKセ グメン ト組立性 能試験

§7.おわ りに

S l. は じめに

ス ライ ドロ ックジ ョイ ン トは高速施工,内面平滑 トン ネルに対応可能 なセ グメ ン ト継手お よび リング継手であ る. この うち,セ グメ ン ト継手 は飲食式の継手であ り, 倣合時,セ グメ ン ト継手 には大 きな締結力が生 じるため, 一度組立位置が決 まる と,位置調整 をす るのは難 しい.

リング継手 は,セ グメ ン ト組立 の施工性 を高めるため, 組立誤差 を吸収で きる構造 とした.

開発 にあたっては,従来型 ボル ト締結式 のセグメ ン ト の継手 と同等以上の耐力 を確保す ることを 目標 とした.

そのため,開発 したセ グメ ン ト継手お よび リング継手の

* 技術研究所技術研 究部土木技術研 究課 串串技術研究所技術研究部

*串*土木設計部設計課

性 能確認試験 を行 った.

本報文では,スライ ドロ ックジ ョイ ン トの概要 と性能 確認試験 の結果 につ いて報告す る.

§2.セグメン ト継手の概要

雄金物のボル トを雌金物 に配合 させ る

,

倣合式のセグ メ ン ト継 手 で あ る (図‑1).雄 金物 側 に弾性 部材 (ゴ ム) を組 み込むことで,雄金物 のボル トを安定 させて倣 合 させ ることがで き,締付力 を発生 させ ることがで きる.

雄 金物 はボル ト頭 部が セ グメ ン ト面か ら出 た構 造 で あ る.その雄金物 のボル トは雌金物 のガイ ドに沿 ってス ラ イ ドしなが ら雌金物側 に引 き込 まれる. また,雌金物 は テーパ構造 なのでボル トに締付力が発生す る.

このセ グメ ン ト継手 は,従来のボル ト締結式の継手 と 比較 した場合,ボル トの締結作業お よび増締め作業が な く,内面

滑 とす る場合 に,ボル トボ ックス を充填す る 作業が不安 となることが特徴 である.

$3.リング継手の概要

図‑2に示す ように,雄継手頭部 を雌継手側 の受 け部 に挿入す る と, ロ ック リングが少 し開 くことによ り,挿 入可能 な状態 とな り, さらに挿入す る と, ロ ックリング が雄継手の港 にはま り込む.溝 にはま り込んだ ロ ックリ

1

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セグメン ト新型継手の開発

図‑1 セグメン ト継手構造概要図

写真‑1 セグメン ト継手

写真‑2 セグメン ト継手配置状況

ングがバ ックア ップゴムによ り雌継手内のテーパ部に押 しつけ らjtることによ り,強固な締結状態が得 られる.

引抜力が加わると, ロックリングが雌継手内のテーパ部 に押 しつけ られ,抵抗す るため,引 き抜 きが阻止 される.

雄継手には,軸心ずjt用 クリアランス (±1,5mm)を 設けてお り,そのクリアランス分だけ雄継手は動 くこと がで きるため,雄雌塑継手部材同士の軸心が少々ずれて

も継手 を挿入,締結で きることが大 きな特徴である.

西松建設技朝 voL24

写真‑3 リング継手

オス経手本体

メス経亭組立状態 オス飴手組立状態

図‑2 リング継手構造概要図

S4.セグメン ト継手性能確認試験 4‑1 セグメン ト継手蔵合試験

図‑3に示す ように,弾性部材 はセグメ ン ト組立前 の ボル トの固定お よびセグメン ト組立時の緩衝材であ り, 最終的に保証す るボル ト締結力は金属 ワッシャーによる 反発力 となる. この ような締結機構 よ りボル 吊 こ導入 さ れる軸力 を確認す るために,セグメン ト継手単体で継手

(3)

西松建設技 VOL24

.gCZJJr<・'.L

弾性部有分担 金属ワッシャー分担

図‑3 ボル ト締結力の概念 (セグメン ト継手)

写真‑4 セグメン ト継手儀合試験状況

飲食試験 を行 った.

(1)哉荷装置

セグメン ト継手金物 を載荷装置に固定 した段 階で,ボ ル トが1/20の角度 を形成するように した.雄金物側の固 定ボ ックス下側 にリニアガイ ドを設置す ることによ り回 転 を拘束 し,能力100kNの油圧 ジャッキで雄金物側 をス

ライ ドさせ雌金物 と歌合 させ る.

(2)試験方法

駿合前 にボル トを回転 させ ることにより内部 に導入 し た ゴム材 (¢95/¢44,t‑8)を1.5mm変形 させ,ボル ト に初期軸力 を与 え,配合試験 を開始す る

.

猷合時に発生 す るボル トの軸力

,

軸 ひずみ,軸方向の変位量お よび支 圧板, ワッシャーの変位量 を測定 した.

(3)我荷方法

載荷装置に政合試験用継手金物 (雌金物) を固定 し, 雄金物側 を油圧 ジャッキでスライ ドさせ ることによ り

合 を行い,加力 はジャッキス トロークによる変位制御 と した.

(4)試験結果

試験結果 として継手金物 (雄金物 と雌金物)の敵合時 におけるジャッキス トロークとボル トに導入 された軸力 の関係 を図‑4に示す.ス トロー ク量90mmで軸力60kN (シール材の反発力相当)以上 を確保 した.

セグメント新型継手の開発

写 真 ‑ 5 セグメン ト継手引張試験状況

20 40 60

ス トE]‑ ク(m )

80 100

図‑4 セグメン ト継手素食試験結果

00000005050532211(≡)〜:

1000 2000 ひずみ(〟)

3000 4000

図‑5 セグメン ト継手引張試験結果 4‑ 2 セグメン ト継手引張試験

セグメン ト継手の耐力 を把握することを目的 として, セグメ ン ト継手金物単体で継手引張試験 を行 った.

(1)載荷装置

試験体のア ンカ一筋部分 に引張試験用治具 を潜接 し, 能力20001tNのアムス ラー試験機 により加力 した.

(2)試験方法

セ グメン ト継手金物単体のアンカー筋 を固定 し,軸方 向引張力 を与 えた場合の性能確認試験である.引張試験 用継手金物のア ンカー筋 を加力用治具 に潜接 しア ンカー 筋に引張力 を与 え,継手ボル トひずみ,アンカ一筋 ひず み,お よび継手ボ ックス部の変位量 を測定 した.

(3)我荷方法

3

(4)

セグメント新型継手の開発

写真‑6 セグメン ト継手曲げ試験状況

00005432

・Ntj1)

f

i.+)召

0.01 0.02 0.03 0104 継手の回転角 β(Fad)

図‑6 セグメン ト継手曲げ試験結果

引張試験用継手金物 に取 り付 けたPC鋼棒 (¢32)を能 力2000kNのアムス ラー試験機 に装着 し,継手金物 に

張力 を与 えることによ り行 った.加力 は,アムスラー試 験機の荷重制御 とし,破壊 まで5kNピッチで載荷 した.

(4)試験結果

継手金物 (雄金物 と雌金物)の引張試験 における引張 力 とボル トに発生 したひずみの関係 を図‑5に示す.求 ル1、 (M24,8.8)の許容引張荷重 (100kN)を十分 に確 保 していることを確認 した.

4‑ 3 セグメン ト継手曲げ試験

スライ ドロックジ ョイン トを用いたセグメン ト継手間 の【鋸 デに対す る性能 を確認す ることを目的 として,セグ メン ト継手曲げ試験 を平板型セ グメン トにて行 った.

(1)載荷装置

セグメン ト継手曲げ載荷試験装置 を使用 した.

(2)戟荷方法

加力 はRC平板 モデルに2点で線載荷 し,そのスパ ン を900mm,支点間隔は3600mmとした.装置 ・試験体 を な じませた後,破壊荷重 まで漸増載荷で行 った.

(3)試験結果

セグメン ト継手部に作用す る曲げモーメン トと継手部 の回転角の関係 を示 した ものを図‑6に示す.

セグメン ト継手部における曲げ破壊モーメン トの設計 値 (45.3kNm)を十分 に確保 していることを確認 した.

試験体の破壊状況か ら,破壊モー ドは雌金物 アンカー

西松建設技朝 VOL.24

写真‑7 リング継手引張試験状況

KN 1695KN

図‑7 リング継手引張試験結果

筋の定着破壊であると考え られる.金物 自体の剛性 は高 く,特 に雌金物面板 はほ とん ど変形がなかった.全供試 体 において最大荷重 は設計破壊荷重 を上回 り,セグメン

ト継手の曲げ性能が確認 された.

$5. リング継手性能確認試験 5‑ 1 リング継手引張試験

リング継手の耐力 を把握することを目的 として, リン グ継手金物単体で継手引張試験 を行った.

試験の結果, リング継手単体の引張耐力 は,M22(6.8) のボル トの降伏引張荷重値150kN以上 を確保 しているこ とを確認 した (図‑7参照).

5‑ 2 リング継手せん断試験

リング継手の組立性能お よびせん断耐力 を確認す るこ とを目的 とす る.

(1)試験方法

3ピースか らなる供試体 をリング継手によ り締結 し, 最大荷重5000kNの載荷装 置により載荷 を行 った.

( 2

)載荷方法

リング継手 を介 して組み合わせ た3ピースか らなる供 試体の うち,中央の供試体の上面 をジャッキにて等分布 荷重 となるように加圧 し, リング継手のせ ん断荷重,破 壊状況 を調べ る.なお,軸力は導入 しない もの とする.

(3)試験結果

(5)

西松建設技報 voL.24

写真‑8 リング継手せん断試験組立状況 (その 日

写真‑9 リング継手せん断試験組立状況 (その2)

写真‑10 リング継手せん断試験状況

リング継手の組立はスムーズに完了 した.試験の結果, せ ん断耐力は510kNとな り,M22 (6.8)のボル トのせ ん 断耐力421kN以上 を確保 していることを確認 した (図‑

8参照).

$6.BKセグメン ト組立性能試験

Kセグメ ン トの挿入方法 は,軸方向挿入 とす る.Bセ グメン トの切羽側お よびKセ グメン トの坑 口側 にス ライ ドロックジ ョイン トのガイ ドとなるような切 り欠けを設 けることによ り

,

倣合方式であるスライ ドロックジョイ ン トを配 したKセグメン トの軸方向挿入 を容易 に してい る. この ようなBKセグメン トの構造が組立性 能 に与 え る影響 を確認することを 目的 として試験 を行 った.Kセ

セグメント新型継手の開発

. .

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0 1,0 2.0 3.0 4.0 せん断変位(nw)

図‑8 リング継手せん断試験結果 表 ‑1 リング継手せん断試験結果 M22ボルトから 試験結果 計算した荷重値

許容荷重 破壊荷重 破壊荷重 228kN 421kN 510kN

写真‑ll Kセグメン ト組立状況 グメン トの構造概要 を図‑9に示す.

(1)試験方法

あ らか じめ,Bセ グメ ン ト供試体2体 を所定の間隔で セ ッ トしてお き,後か らKセ グメ ン ト供試体 をBセ グメ ン ト供試体の間に挿入 し,組立性能 を試験す る.Kセ グ メン ト供試体の挿入は,ク レー ンにてKセグメ ン ト供試 体 を吊 り上 げ, 自重 にてBセ グメン ト供試体 の間に挿入 す る.その後,油圧 ジャッキにて完全 に挿入す る.Kセ

グメン ト組立状況 を写真‑11に示す.

(2)載荷方法

① 自重載荷

事前 にセ ッ トしたBセ グメ ン ト供試体 の間に,Kセ グ メン トをクレー ンにて吊 り上げ,セグメン トの 自重のみ にて挿入す る.

(む油圧 ジャッキによる我荷

試験治具にセ ッ トした2台の油圧 ジャッキによ り,K セグメン トを押 し込む.

(3)試験結果

Kセグメン ト挿入 に必要 なジャッキ推力 は300kN,そ

5

(6)

セ グメ ン ト新 型 継手 の開発

写真‑12 Kセグメン ト構造

の際 にボル トに導入 される軸力 は851tNであった.

Kセ グメ ン ト挿入時,Kセ グメ ン トが挿入 方 向 に対 し て傾 いて挿入 される傾 向が確認 されたが,挿入 は比較 的 スムーズに完了 した.

$7.おわ りに

性能確認試験 によ り,ス ライ ドロ ックジ ョイ ン トは, 従来型セ グメ ン トの継手 と同等以上の耐力 を確保 してい ることを確認で きた. また,Kセ グメ ン トが比較 的スム ーズに挿入可能であ ることを確認で きた,それ とともに, 実用化 に向けて解決すべ き問題点 も確認で きた.解決す べ き問題点 とその解決策 を以下 にまとめ る.

① リング継手 には,組立誤差 を吸収す る 目的で軸心ずれ 用 クリアラ ンスを設 けているが,その構造上,組立後 に セ グメン ト全体が下方 にずれる問題がある. このずれ を 防止す るために, リング間にほぞ を設けて貯処す る.

②Kセ グメン ト挿入時 にKセ グメン トが傾 くため にBKセ グメ ン ト間で 目違い を生 じる問題があった.その傾 向を 防止す るために,雄継手ボル トのガイ ドとなる雌継手金 物溝の幅 を狭 くして組立精度 を上げる. また, シール材 が組立性 能に悪影響 を与 えている可能性 も考 え られ るた め, シール材の形状や材 質について も再度検討す る.

③Kセ グメ ン トを軸方 向挿入す るため に,BKセ グ メ ン トにはガイ ドとなるような切 り欠けを設けている. この 切 り欠け長 を少 な くす るために,セグメン ト継手の設置 位置 をそれぞれ リング端両側 に移動す る.継手 を端面倒 に動かす ことで,Kセ グメ ン ト組立時のセ ッ トバ ック量 が′トさ くなる.

④今 回の性能確認試験 よ り,継手金物の耐力 は十分 に確 保で きている と考 え られる.現在,継手金物寸法か らセ

セグメン ト間継手 (雌側)

西松建設技報 voL,24

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セグメン ト構造概要図

写真‑13 Kセ グメン ト切 り欠 け部構造

グ メ ン ト最小桁 高 を200mmに設定 してい るが,継 手 金 物 をコンパ ク ト化す るこ とによ り,セ グメン トの最小桁 高 を小 さ くす ることがで き, コス トダウンに もつなが る 可能性がある.

今後 は, これ らの問題点 を解決 し,試験 によ りそれぞ れの性能 を確認す る予定である.

最後 にな りま したが,スライ ドロ ックジ ョイ ン トの開 発 にあた り御 協力いただいた, 日本鋼管 ライ トスチール

㈱ ・須藤修氏,長 岡省吾氏, 日本鋼管継手㈱ ・長谷川穂 積氏,中島昌身氏,坂 田和也氏 に感謝の意 を表 します.

参考文献

1)小林正典,三戸憲二,大江郁夫,町田能章 :スライ ド ロ ックジ ョイ ン トの開発 について一要素試験 (挿入 ・ 単体 引張)‑ ,土木学会第55回年次学術 講演 会講演概 要集Ⅵ,pp.62‑63,2000.9

参照

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