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財務諸表論④

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Academic year: 2021

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2018 年 12 月号 財務諸表論 つぶ問 4問目 【問題1】 有価証券の売買について受渡日ではなく約定日に認識する理由を説明しなさい。(100 文 字程度) 【問題2】 資産や負債の測定にあたっては、さまざまな割引価値(割引現在価値)が用いられている。 そこで、次の①~④の測定方法について、選択肢a~c の割引価値のいずれに該当するか答 えなさい。(解答できる方は、a~c の意味も説明してください。) ①貸倒引当金を設定する際のキャッシュ・フロー見積法 ②固定資産の減損会計を適用する際の使用価値 ③金銭債権の償却原価法(利息法) ④債券の時価(合理的に算定された価額) <選択肢> a 資産の利用から得られる将来キャッシュ・フローを測定時点で見積り、その期待キャ ッシュ・フローをその時点で割り引いた測定値 b 市場で平均的に予想されているキャッシュ・フローと市場の平均的な割引率を測定時 点で見積り、前者を後者で割り引いた測定値 c 資産の利用から得られる将来キャッシュ・フローを測定時点で見積り、その期待キャ ッシュ・フローを資産の取得時点(もしくは割引価値による測定開始時)における割 引率で割り引いた測定値

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【問題1】 〔解答例〕 金融資産を対象とする取引については、当該取引の契約時から当該金融資産の時価の変 動リスクや契約相手方の財政状態に基づく信用リスクが契約当事者に発生する。そのため、 リスクや成果を財務諸表へ適切に反映させるため、約定日に認識する。 〔解説〕 本誌の84 ページの内容です。金融商品の中でも商品の売買等から生じる金銭債権債務は、 商品の受渡しをすることによって債権を認識します。これは、一般的に商品の受渡しと同時 に売掛金等が生じるため、契約時点では請求権がない=信用リスクも存在しない(仮に相手 方の信用リスクが高ければ商品の受渡しをしないことで回避できる)ためです。それに対し て、債券を購入した場合は受渡し前であっても時価の変動リスクや信用リスクが取得者側 に生じます。 【問題2】 〔解答〕 ①…c ②…a ③…c ④…b 〔解説〕 「財務会計の概念フレームワーク」の第4 章の測定からの出題です。 a と b は、測定のつど将来キャッシュ・フローと割引率を見直しますが、c は割引率の見 直しを行わないという違いがあります。そして、a と b の違いは、市場で平均的なキャッシ ュ・フローと割引率を用いるのか(簡単に言えば普通の会社)、それとも企業固有の事情等 を反映させたキャッシュ・フローと割引率を用いるのかという違いがあります。それぞれの 測定値の意味は次のとおりです。 a の測定値は、報告主体の主観的な期待価値であり、市場価格に無形ののれん価値を含ん だものとなります。減損会計の使用価値は、まさに企業が使用しつづけることを前提とした 測定値であり、かつ有形固定資産等は使用する企業によって期待されるキャッシュ・フロー も異なるため、このa に該当します。ただし、無形ののれん価値を含む測定値は自己創設の れんの計上にもつながることから常にこの測定を行うことはできず、取得原価基準の枠内 として取得価額よりも低い金額へ切り下げる減損会計で用いられるとなります。 b の測定値は、市場価格が存在しない資産について、市場価格の代理の金額となります。 通常の有価証券はどの企業が保有しても期待されるキャッシュ・フローに違いがないこと からも、時価が適切な測定値といえます。

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c の測定値は、回収可能性の変化のみを反映させているため、必ずしも回収リスクのすべ てや金利のリスクを反映しておらず、資産価値を表したものとはなりません。しかし、貸倒 引当金のキャッシュ・フロー見積法では回収可能額の改訂分を損益に反映させるため、償却 原価法では当初用いた割引率にも合う利息収益を損益とするためにそれぞれ用いられます。

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