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修 士 論 文 概 要 書 Summary of Master’s Thesis

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Academic year: 2022

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(1)修 士 論 文 概 要 書 Summary of Master’s Thesis Date of submission: _2 /_6 /2012 (MM/DD/YYYY) 専攻名(専門分野) Department. 情報理工学. 氏 名 Name. 情報ネットワーク 学籍番号 研究指導名 Student ID Research guidance システム研究 number 研究題目 Title. 伊藤 恭英 CD. 5110B018-4. 指 導 教 員 Advisor. 甲藤 二郎. 印 Seal. 話者照合システムにおけるウルフ攻撃とその対策に関する研究. 1. 研究の背景と目的 近年,インターネットなどの通信技術の発達によ り,機密情報を扱う業務もネットワーク上で行われる ようになり,オンラインで飛び交う情報の重要性が高 くなってきた.このため,本人確認手段の1つとして, 本人の身体的特徴や行動的特徴などを用いた生 体認証が注目されている.しかし,生体認証には一 般的な情報システム共通な脆弱性に加え,生体認 証特有の脆弱性が存在する.それら脆弱性への対 策を施すことで,高い安全性が確保された生体認 証システムが求められる. 本研究では話者認証におけるウルフ攻撃とその 対策について検討を行う.ウルフ攻撃は数多くのテ ンプレートに対してなりすましが可能であり,大きな 被害が想定される攻撃である.ウルフ攻撃に関する 検討の多くは生体情報として指紋や虹彩が用いら れ,音声に関する検討は未だない.話者認証は他 の生体認証と比較すると精度が劣り,生体情報間 の類似度も高いことから,ウルフ攻撃の対象とされ やすい認証手法であるといえる.そこで本研究では 音声を生体情報として使用し,一般的な話者照合 システムに対するウルフ攻撃を想定し,システムの 評価を行い,対策を検討する. 2. 話者照合システムにおけるウルフ攻撃 従来研究では生体認証の照合アルゴリズム特 有の脆弱性に着目することで,高い WAP を示すウ ルフの存在を明らかにしている.しかし,作成された ウルフはアルゴリズムに誤認識させることのみを目 的としている.そのため,システムを欺くことは可能 でも,人の判断による識別が容易である可能性があ る.それでは,人によるリアルタイムな監視を含む認 証システムにおいて,ウルフ攻撃は失敗してしまう ため,有用な攻撃であるとはいえない.以上のよう なアルゴリズムの脆弱性を利用した攻撃をアルゴリ ズムベース型ウルフ攻撃と呼ぶ. それに対し,本論文では生体特徴の性質を利用 した特徴ベース型ウルフ攻撃について検討を行う. 多人数に共通して表れる特徴に着目することで,ア ルゴリズムに依存せず,人による監視を欺き,尚且 つ高い WAP を示すウルフの存在を示す.. 話者認証におけるウルフ攻撃の流れを図1に示す.. 図1:ウルフ攻撃のフロー図 3. 話者照合システムにおける特徴ベース型ウルフ音 声の作成手法 本研究で検討するウルフ音声作成手法は大きく2つ の段階で構成される.第1 段階ではウルフテンプレート と呼ばれる,特定のグループに共通する特徴を持つテ ンプレートを作成する.そして,第2 段階では前段階で 作成されたウルフテンプレートを用いてウルフ音声の作 成を行う.. 図2:ウルフ音声作成の概要.

(2) ウルフテンプレートとは多人数より集められた生体 情報の代表ベクトルの集合である.ウルフテンプレー トは性別や年齢別などの属性に基づいて複数作成 する.ウルフテンプレートの作成をグループに分けて 行うことで,特定のグループに対して高いWAP を目 指す. 4. ウルフ攻撃実験 本研究では,以下の2点に着目し,実験を行う. ・ 男女別のテンプレートを用いたウルフ攻撃 ・ 音声特徴量とウルフ攻撃に対する安全性との 関係 また,本実験では音声合成は行わず,フォルマント 変換したものをウルフとする. 4.1 男女別のテンプレートを用いたウルフ攻撃 音声は,男性間および女性間で高い類似性がある と考えられる.そこで,男女別にウルフテンプレートを 作成し,男女別のウルフ音声による攻撃について検 討を行う.性別を考慮した場合のWAPを“ウルフテン プレートの性別[m,f]WAP(登録者の性別[m,f]-詐称 者の性別[m,f])”表記する. まずは特徴量としてLPCを用い,mWAPを求める. 認証システムのスコアとして音声のフォルマント情報 と個人コードブックとのデータ間距離を使用する.デ ータ間距離が判定閾値未満であれば受諾,以上で あれば拒否とする.結果を図3に示す.. 図3:登録者と詐称者を男女別に確認した mWAP FAR と比較して,mWAP が高いことから,ウルフテ ンプレートを用いたウルフ音声作成手法が WAP の 上昇に有効であることがわかる.また,EER=10%に おける判定閾値を 用いたと き (図3の破線部) , mWAP の平均は約 61%であり,提案したウルフ攻撃 作成手法は一般的なシステムに対する大きな脅威 となりえることがわかる.また,女性テンプレートを用 いた場合も同様な結果が得られている. 次に,一度の認証で複数回の攻撃を想定した際 のウルフ攻撃実験を行った.男性テンプレートと女 性テンプレート両方の場合でウルフ音声を作成し, 攻撃を行った場合の結果を図4に示す.男女それ ぞれのウルフテンプレートで作成したウルフで2回 攻撃を行ったときの WAP を mfWAP と表記する.. 図4:男女別テンプレートを用いて2つのウルフで攻撃 したときの WAP EER を示すときの判定閾値において mfWAP は約 70%と,高い攻撃確率を得られることがわかる.人をグ ループに分けず作成するウルフテンプレートを用いた 攻撃より,男女それぞれのグループに特化したテンプ レートを用いた複数回攻撃のほうが,高い攻撃確率を 得られた. 4.2 音声特徴量とウルフ攻撃に対する安全性との関係 特徴量として LSP を用いて前節と同等の実験を行い, 音声特徴量に起因する攻撃確率の違いを確認する. 結果として,LPC の場合と比較して同様な傾向が見ら れたが,WAP は低下した. 5 ウルフ攻撃の対策手法に関する考察 既存の対策手法を,照合アルゴリズムの変更による 対策と生体検知による対策の2種類に大別して考える. 前者の手法では,多くのデータに対して誤一致を示す というウルフの性質を利用し,通常の 1 対 1 認証に加え, 他の登録ユーザとも照合を行うことで,ウルフの検知を 可能としている.後者の手法は再現が困難な行動をユ ーザに実行させることで生体を検知し,ウルフを排除 する. 両者を組み合わせることで,WAP を低く抑えられる可 能性もあるが,現状では処理が膨大になるため,短時 間でウルフを検知することが課題である. 6. まとめと今後の課題 本論文では話者照合システムにおける,特徴ベース 型ウルフ攻撃とその対策について検討した.提案した ウルフ攻撃は照合アルゴリズムに依存せず,人による 監視を含むシステムに対しても攻撃が可能である.評 価 実 験 で は , 特 徴 量 と し て LPC を 用 い た と き , EER=10%における判定閾値では,mfWAP=70%を実現 するウルフ音声が作成できる可能性を示した. 今後の課題として,ウルフテンプレート作成に関する 各種パラメータの検討と,音声合成プロセスを考慮した WAP の検討があげられる.以上を踏まえ,話者認証シ ステムに対するウルフ攻撃についての対策を検討する ことが重要である..

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参照

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