修 士 論 文 概 要 書 Summary of Master’s Thesis
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(2) 3. 状態遷移を考慮したマルウェアトラヒック検知実験 3.1 実験概要 トラヒックデータにおける特徴量の時間的な状態遷 移がマルウェア感染検知に有効であるかを確認するた め,提案手法を実装した検知システムにおいて評価実 験を行った.本実験の概要を図 2 に示す.. れるわけではなく,トラヒックの系列終了による未判定 があるため,未判定確率を CR とすると, 感染データに対して TPR + FNR + CR = 1 正常データに対して TNR + FPR + CR = 1 が成り立つ. テストデータ 1,テストデータ 2,テストデータ 3 に対 する提案手法の識別率を表 2 に示す. 表2.提案手法の識別率. 識別対象. 識別率 % FNR 5.0% CR 2.8% TPR 86.6 % FNR 4.5% CR 8.96% TNR96.2 % FPR 3.15% CR 0.68% 表2より 90%前後の識別率で正しく識別できていること が示せた.そして誤検知率について感染トラヒックの TCP でのマルウェアの DL 挙動が正常トラヒックのファイ ル転送と類似性が高いこと,マルウェアの C&C サー バとの制御通信が正常の chat 通信などのテキスト通信 と類似性が高いことに FNR が関係していることが分か った.FPR に関しては,マルウェアの C&C サーバとの 制御通信と正常の chat 通信などのテキスト通信と類似 性が高いことだけが関係していた. 4. 状態遷移を考慮しない手法との精度比較 状態遷移を考慮しない検知手法との精度比較によ り,提案手法の有効性を示す.比較対象として,タ イムスロット毎に抽出し,クラスタリングにより識 別境界面を作成する識別方法(1),フロー単位で特徴 を抽出し,クラスタリングにより識別境界面を作成 する識別方法(2)と,状態遷移の頻度情報を用いない パターンスコア算出式を用いた手法(3)との精度比 較を行った.それぞれの手法の詳細はここでは割愛 する.実験諸元は 3.2 項と同じものを用いた.実験 結果として,識別率は提案手法が最も高かった.特 に(3)の手法との比較で,テストデータ2未知検体に 関して提案手法の方が TPR が 2.8%高く,FNR が 4.3%低かった.すなわち今回の未知検体のように, 同一挙動に滞在するデータが少なく,挙動の状態遷 移が頻繁なデータが多い場合,状態遷移情報を考慮 すると識別精度が向上することが示せた.また教師 データとしてパターン化されていない未知検体の状 態遷移に対して提案手法が有効であったとも言える. 5. まとめと今後の検討 マルウェア感染トラヒックを検知するための手段 として,トラヒックデータにおける特徴量の時間的 な状態遷移を考慮した識別のための,状態遷移の表 現方法を提案した.時間的な状態遷移を考慮しない 3 つの手法との精度比較を行い,未知のマルウェア を含め識別率において精度が向上し,時間的な状態 遷移のマルウェア感染検知への有効性を確認できた. 今後は使用するトラヒックデータ,識別器の構成, パラメータの検討をさらに進め,さらなる精度向上 を目指す.今回正しく識別できなかった挙動に関し て Boosting アルゴリズムの適用も検討する. テストデータ1 テストデータ2 テストデータ3. 図 2. 本実験の概要 3.2 実験諸元 本実験の実験諸元を以下に示す. 表1.パラメータの実験諸元 パラメータ タイムスロット幅 特徴量の組み合わせ ベクトル量子化レベル数 登録閾値 識別閾値. 実験に用いた値 1.0 秒 平均パケットサイズ SYN パケット割合 ACK パケット割合 16 20 45. 学習データ 感染データに CCCDATAset2011 マルウェア検体 14 種類の各単一感染トラヒック(未知検体を除く),正常デ ータに 1 種類ずつ動作させた正常サービスアプリケー ション 14 種類を用いた. テストデータ 学習データに使用していない学習データと同種のトラ ヒックから以下のテストデータ 1, テストデータ 2,テスト データ 3 を作成した. テストデータ 1 は,既存のマルウェア中心としたデータ であり,テストデータ 2 は未知検体に対して評価するた めのデータである.テストデータ 3 は同種の正常サービ スに対してのデータである. 3.3 実験結果と考察 本稿では識別器の精度評価として True Positive Rate,True Negative Rate(以下それぞれ TPR,TNR)を 用いる.TPR,TNR はそれぞれ,感染トラヒックを感染と 識別できた割合,正常トラヒックを正常と識別できた割 合である.誤検知指標としてその逆の False Positive Rate,False Negative Rate(以下それぞれ FPR,FNR)も 用いる.FPR は正常トラヒックを感染と識別してしまった 割合,FNR は感染トラヒックを正常と識別してしまった 割合である.本研究では,必ずしも正常・感染と判定さ. TPR 92.2.
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