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浅大腿動脈病変に対する S.M.A.R.T. CONTROL ステントの長期成績 J-SMART Registry 一般財団法人厚生会仙台厚生病院循環器内科医長 鈴木健之先生 [ 背景 ] 浅大腿動脈病変治療におけるステントの使用には議論の余地が残されている 積極的な内科的治療と組み合わせたナイチ

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[ 文献紹介 ]

浅大腿動脈病変に対する

S.M.A.R.T.

®

CONTROL

®

ステントの長期成績

J-SMART Registry

J-SMART

鈴木 健之

先生

一般財団法人 厚生会

仙台厚生病院 循環器内科 医長

Suzuki K, et al., Long-Term Results of the S.M.A.R.T. ControlTM Stent for Superficial Femoral Artery Lesions, J-SMART Registry.

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 末梢動脈疾患(PAD)の罹患率および死亡率は、成人集 団においてより高いと考えられている1-4。PADに対する外科 的バイパス手術は心血管合併症のリスクが高くなる傾向が あり5, 6、血管内治療(EVT)は広く施行されているPADの治 療手段である7。EVT技術およびステントの開発により、より長 く、より複雑な大腿膝窩動脈病変の治療が可能となった8。多 くの研究では、大腿膝窩動脈病変治療におけるステントの使 用は技術的な初期成功率が高く、合併症のリスクが低いこと が分かっている9-11。さらに、Trans-Atlantic Inter-Society Consensus(TASC)Ⅱ分類別のEVTの適用は、カテーテル 治療の有効性によって拡大している。  腸骨動脈病変に対するステント留置は初期成功率および 長期開存率が高い12。しかし浅大腿動脈病変治療における ステントの使用には議論の余地が残されている。大腿膝窩動 脈病変に対するEVTの初期成功率は、狭窄病変では98~ 100%、閉塞病変では81~94%と報告されている。対照的に、 血管内治療、S.M.A.R.T.® CONTROL®ステント、浅大腿動脈 バルーン血管形成術による長期一次開存率はわずか33~ 62%であった3。さらに、浅大腿動脈病変におけるステント留置 の長期成績は良好ではない。無作為化対照試験では、大腿 膝窩動脈病変におけるステンレス鋼製ステントに関して有益な 効果は示されなかった13, 14。しかしナイチノールステントでは、単 純なバルーン血管形成術または臨時のステント留置と比較し て優れた開存率が達成されている10, 15, 16  しかし、これらの従来の浅大腿動脈病変におけるステント留 置試験では、被験者数が少なく、ステント留置後の観察期間 は最大でわずか24ヵ月と限定的であった。ナイチノールステン ト留置と従来の浅大腿動脈病変治療との成功率を比較する には、長期の経過観察が可能な、より多くの症例を分析する必 要がある。したがって我々は、浅大腿動脈病変治療におけるナ イチノールステントの使用に関する多施設試験データをレトロ スペクティブに解析した。

浅大腿動脈病変に対する

S.M.A.R.T.

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CONTROL

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ステントの長期成績

J-SMART Registry

キーワード [ 背景 ] 浅大腿動脈病変治療におけるステントの使用には議論の余地が残されている。積極的な内科的治療と組み合わせたナイチ ノールステント留置は長い浅大腿動脈病変に有効であるが、長期大規模試験はほとんど実施されていない。 [ 方法および結果 ] 新規浅大腿動脈病変の治療にS.M.A.R.T.® CONTROL®ステントを使用した多施設共同試験のデータをレトロスペクティブに 分析した。対象は432例の合計528病変とした。患者の平均年齢は72.5±9.1歳、平均ステント長は15.7±8.1cmで、259病変(49%) はTrans-Atlantic Inter-Society Consensus(TASC)Ⅱ分類に従ってC/Dに分類した。治療後4年での一次開存率および二 次開存率は、それぞれ66%および87%であった。シロスタゾール非投与(再狭窄群の41%vs.非再狭窄群の29%、P<0.01)、女性 (42%vs.26%、P<0.01)、若年(70.7±9.3歳vs.72.9±9.0歳、P<0.05)、および慢性完全閉塞(72%vs.52%、P<0.01)は再狭窄の独 立した予測因子であった。 [ 結論 ] S.M.A.R.T.® CONTROL®ステントは浅大腿動脈病変治療において良好な長期開存性を示し、シロスタゾール非投与、女性、 若年、慢性完全閉塞は再狭窄と関連づけられた。 一般財団法人 厚生会 仙台厚生病院 循環器内科 医長 

鈴木 健之

先生

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血管内治療、S.M.A.R.T.® CONTROL®ステント、浅大腿動脈

対象

 J-SMART Registryは、日本における医師主導型の多 施設共同レトロスペクティブ試験である。我々は2004年1月 ~2009年1月に、多施設(仙台厚生病院、関西労災病院、 済生会横浜市東部病院、小倉記念病院)において、浅大腿 動脈病変に対するステント留置術が施行された症例を分析 した。全ての患者に間歇性跛行または重症下肢虚血(CLI) (Rutherford分類2~6)が認められた。連続して合計1,493 例(2,037肢)の患者に浅大腿動脈病変に対するEVTを施 行した。このうち918例(1,323肢)は、バルーンによる血管形成 術単独、再狭窄病変、またはステンレス鋼製ステント使用の 理由から除外した。さらに、143例(186肢)はLuminexxステ ント使用のために除外した。したがって本試験では、新規の 浅大腿動脈病変に対してS.M.A.R.T.® CONTROL®ステン トによる治療が成功し、6ヵ月間以上の経過観察を受けてい た432例(528肢)を対象とした。患者は、再狭窄群と非再狭 窄群の2群に分けた。全ての患者から書面によるインフォーム ドコンセントを得た。本試験は各施設の倫理委員会より承認 を得て、医学雑誌編集者国際委員会の推奨に従いUMIN 臨床試験登録システム(UMIN-CTR)に登録した(登録番 号 : UMIN000003588)。

手技

 EVTは経皮的に実施し、順行性またはクロスオーバーアプ ローチにより6~7Fr.シースを留置した。膝窩アプローチが使用 されることもあった。治療介入前に、5000単位の未分画ヘパリ ンを投与し、活性化凝固時間を≧200秒に維持した。4Fr.のマ ルチパーパスカテーテルを併用して0.035inch、0.018inch、ま たは0.014inchのガイドワイヤーを標的病変まで進め、病変を 通過させた。次に最適サイズのバルーンを拡張させた。バルー ン拡張時間は最短で60秒とした。残存圧格差>10mmHg、 残存狭窄>30%、または血流を制限する解離がある場合に S.M.A.R.T.® CONTROL®ステントを使用した。日本では、浅 大腿動脈病変に対するステント留置は承認されていないこと から、S.M.A.R.T.® CONTROL®ステントが使用されるのは浅 大腿動脈病変のベイルアウトのためのみである。このような症 例では、ステントは標的病変の近位および遠位10mmをカバー するように留置し、ステントサイズは対照血管径より1~2mm 大きくなるように選択した。複数のステントが必要な場合、オー バーラップするステント部位は<10mmとした。全ての患者にア スピリン(100mg/日)を無制限に、シロスタゾールまたはチクロ ピジン(200mg/日)を少なくとも4週間投与した。これらの薬剤 は少なくとも治療の2日前に開始した。

経過観察および成績

 評価はベースライン時と治療後1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月に 実施し、その後は12ヵ月間隔で実施した。評価項目には、主要 有害イベント(死亡、下肢大切断、標的病変再血行再建術)、 Rutherford分類によるPADの重症度診断、足関節上腕血 圧比(ABI)、超音波検査で評価した病変開存性、およびX 線検査で評価したステント破損が含まれた。再狭窄は超音波 検査における収縮期最大血流速度比≧2.4と定義し、これは >50%の狭小化を示すものと考えられる。信号が検出不可能 な場合は完全閉塞とした。ステント破損の評価のために4方向 からX線写真を撮影した。一次開存は、治療血管に再狭窄あ るいは再血行再建術がないことと定義した。二次開存は、再 血行再建術による閉塞または狭窄血管の再開通または再拡 張と定義した。

統計解析

 統計解析はDr.SPSS を使用して実施した。データは平均 値±SDとして報告する。連続変数は対応のないt検定または Mann-WhitneyのU検定を用いて分析した。カテゴリー変数 はχ2 検定を用いて比較した。時間依存型データはKaplan-Meier法を用いて分析し、log-rank検定により比較した。多重 ロジスティック回帰分析を用いて開存性に関連する独立因子 を決定した。予測因子(年齢、性別、ABI、病変長、慢性完全 閉塞、ステント破損、シロスタゾール投与)を多変量モデルの変 数として選択した。TASCⅡ分類およびステント数は、慢性完 全閉塞および病変長に関連することから、多変量モデルに加 えなかった。P<0.05を統計的に有意とみなした。

患者背景

 本試験には、2004年1月~2009年1月までに、新規の浅大 腿動脈病変に対して、S.M.A.R.T.® CONTROL®ステントに よる治療が行われた432例(528肢)を組み入れた。患者背景 を表1に示す。再狭窄群では、非再狭窄群と比較して女性の 割合が高く(42% vs. 26%、P=0.004)、患者の平均年齢は低 かった(70.7±9.3歳 vs. 72.9±9.0歳、P=0.041)。再狭窄群の ABIは非再狭窄群よりも有意に低かった(0.50±0.23 vs. 0.60 ±0.24、P=0.008)。再狭窄群と非再狭窄群間の動脈硬化リス ク因子に有意差は認められなかった。

病変背景および治療介入

 標的病変の背景および治療介入データを表2に示す。再 狭窄群では、非再狭窄群よりも慢性完全閉塞の割合が有意

方 法

結 果

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浅大腿動脈病変に対するS.M.A.R.T.

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CONTROL

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ステントの長期成績 J-SMART Registry

全症例 再狭窄群 非再狭窄群 P値 患者数 432 88 344 年齢(歳) 72.5±9.1 70.7±9.3 72.9±9.0 0.041 男性 306 (71) 51 (58) 255 (74) 0.004 BMI 22.3±3.1 21.6±2.9 22.4±3.1 0.1 高血圧症 374 (88) 78 (89) 296 (86) 0.602 脂質異常症 157 (36) 32 (36) 125 (36) 1 LDLコレステロール(mg/dL) 110±33 108±36 110±33 0.763 糖尿病 250 (58) 51 (58) 199 (58) 1 喫煙 124 (29) 24 (27) 100 (29) 0.793 末期腎不全 83 (19) 22 (25) 61 (18) 0.131 冠動脈疾患 231 (53) 52 (59) 179 (52) 0.281 脳血管疾患 122 (28) 22 (25) 100 (29) 0.508 ABI 0.58±0.24 0.50±0.23 0.60±0.24 0.008 末梢動脈疾患(PAD)重症度診断 Rutherford分類 2, 3 Rutherford分類 4 Rutherford分類 5, 6 334 (77) 30 (7) 68 (16) 62 (70) 8 (9) 18 (20) 272 (79) 22 (6) 50 (15) 0.233 間歇性跛行 334 (77) 62 (70) 272 (79) 0.116 重症下肢虚血 98 (23) 26 (29) 72 (21) 全症例 再狭窄群 非再狭窄群 P値 病変数 528 116 412 新規病変 528 (100) 116 (100) 412 (100) 病変長 15.7±8.1 18.6±6.9 14.9±8.2 <0.001 慢性完全閉塞 297 (56) 83 (72) 214 (52) <0.001 石灰化病変 195 (37) 49 (42) 146 (35) 0.193 runoff血管 0/1/2/3 39/143/181/165 8/33/37/38 31/110/144/127 0.678 TASCⅡ分類 A, B C, D 269 (51) 259 (49) 36 (31) 80 (69) 233 (57) 179 (43) <0.001 ステント径(mm) 6 7 ≧8 191 (36) 76 (14) 261 (49) 50 (40) 14 (11) 61 (49) 141 (35) 62 (15) 200 (50) 0.243 ステント数 1 2 ≧3 249 (47) 122 (23) 157 (30) 32 (28) 33 (28) 51 (44) 217 (53) 89 (22) 106 (26) <0.001 シロスタゾール投与 361 (68) 69 (59) 292 (71) 0.024

TASC : Trans-Atlantic Inter-Society Consensus 表1 患者背景

表2 病変背景

症例数(%)または平均値±SD

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浅大腿動脈病変に対するS.M.A.R.T.

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ステントの長期成績 J-SMART Registry

に高く(72% vs. 52%、P<0.001)、病変長は有意に長く(18.6 ±6.9cm vs. 14.9±8.2cm、P<0.001)、ステント数は多かった。 しかし、膝下runoffは両群間で統計的有意差は認められな かった。再狭窄群ではシロスタゾール投与患者は少なかった (59% vs. 71%、P=0.024)。

治療成績および多変量解析

 治療後、Rutherford分類は3.13±1.03から1.33±0.76まで 改善した。ABIスコアも0.58±0.24から0.84±0.19まで増加し た。平均観察期間は540±236日であった。得られたKaplan-Meier曲線(図1)から、12ヵ月、24ヵ月、36ヵ月、48ヵ月における 一次開存率はそれぞれ81%、72%、66%、66%、二次開存率 はそれぞれ91%、89%、87%、87%であった。TASCⅡ分類 A /B群の一次開存率は良好であったが、TASCⅡ分類 C/D 群では不良であった(81% vs. 51%、P<0.001、図2)。シロスタ ゾール投与の有無による一次開存のKaplan-Meier曲線を 図1 S.M.A.R.T.® CONTROL® ステントを用いた 浅大腿動脈ステント留置後の 528肢における 一次開存率および二次開存率 図2 TASCⅡ分類A/BとC/Dの 一次開存率 ステント留置後 経過期間(日) 0 365 730 1095 1460 病変数 二次開存 528 334 108 19 2 一次開存 528 300 87 9 2 % 二次開存 100 91 89 87 87 一次開存 100 81 72 66 66 0 100 80 60 40 20 0 365 730 ステント留置後経過期間(日)    二次開存率    一次開存率 一次開存率 お よ び 二次開存率 ( % ) 1095 1460 ステント留置後 経過期間(日) 0 365 730 1095 1460 病変数 TASCⅡ AB 269 166 54 6 1 TASCⅡ CD 259 137 35 5 1 % TASCⅡ AB 100 87 84 81 81 TASCⅡ CD 100 74 59 51 51 0 100 80 60 40 20 0 365 730 ステント留置後経過期間(日)    TASCⅡ AB    TASCⅡ CD P<0.001 一次開存率 ( % ) 1095 1460

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浅大腿動脈病変に対するS.M.A.R.T.

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ステントの長期成績 J-SMART Registry

図3に示す。シロスタゾール投与群では非投与群より一次開 存率が優れていた(70% vs. 58%、P=0.0008)。観察期間中 に死亡38例、下肢大切断9例、標的病変における再血行再 建術50例が認められた。死亡および下肢大切断に関しては、 再狭窄群と非再狭窄群に有意差はなかった。経過観察時 のステント破損は再狭窄群で頻度が高かった(19% vs. 9%、 P=0.007、表3)。多変量解析の結果を表4に示す。シロスタ ゾール非投与、女性、若年、慢性完全閉塞は、再狭窄の独立 した予測因子であった。  浅大腿動脈病変に対するステント留置には高い再狭窄率 が伴うことから、依然として議論の余地がある。本試験では、 浅大腿動脈病変治療におけるS.M.A.R.T.® CONTROL® テントの使用に関する多施設からの大規模な長期データを評 価した。  治療後12ヵ月、24ヵ月、36ヵ月、48ヵ月の一次開存率は、それ

考 察

図3 シロスタゾール投与群と 非投与群の一次開存率 ステント留置後 経過期間(日) 0 365 730 1095 1460 病変数 シロスタゾール投与 361 231 70 7 1 シロスタゾール非投与 167 72 18 6 1 % シロスタゾール投与 100 85 75 70 70 シロスタゾール非投与 100 72 62 58 58 0 100 80 60 40 20 0 365 730 ステント留置後経過期間(日)    シロスタゾール投与    シロスタゾール非投与 P=0.0008 一次開存率 ( % ) 1095 1460 全症例 再狭窄群 非再狭窄群 P値 患者数 432 88 344 主要有害イベント 死亡 下肢大切断 標的病変再血行再建術 97 (22) 38 (9) 9 (2) 50 (12) 58 (66) 5 (6) 3 (3) 50 (57) 39 (11) 33 (10) 6 (2) 0 (0) <0.001 0.345 0.577 <0.001 経過観察時のステント破損 59 (11) 22 (19) 37 (9) 0.007 ハザード比 95%信頼区間 P値 慢性完全閉塞 5.075 2.715–9.487 <0.001 男性 0.392 0.216–0.709 0.002 年齢 0.965 0.935–0.995 0.023 シロスタゾール投与 0.333 0.168–0.663 0.002 表3 治療成績 表4 一次開存率の多変量解析 症例数(%)

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ステントの長期成績 J-SMART Registry

ぞれ81%、72%、66%、66%であり、これは過去のデータと比較し て良好であった。さらに、FAST試験(平均病変長45mm)に おける12ヵ月の一次開存率はわずか68%であり11、ASTRON 試験(平均病変長82mm)では66%16、ABSOLUTE試験(平 均病変長101mm)では63%であった10。これに対して、膝上大 腿膝窩動脈バイパスの5年一次開存率は静脈グラフトでは74 ~76%およびPTFEグラフトでは39~54%であることが報告さ れている1  本試験でシロスタゾール投与の割合が高かったこと(68%) が長期成績の改善に寄与していた可能性がある。実際、いく つかの無作為化対照試験においてシロスタゾールが浅大腿 動脈病変治療において長期成績を改善することが示されて いる17-19。本試験では、シロスタゾールを一次開存と関連する 独立因子として同定した。  初期の無作為化試験の結果では、バルーン血管形成術で は、病変が長くなるに伴い治療成績も不良となることが示され ている。多重ロジスティック回帰による本試験の結果では、病 変長は再狭窄と関連する独立因子ではないことが示され、浅 大腿動脈病変に対するステント留置による長期開存性に対す る病変長の影響はわずかであることが示唆される。  本試験では二次開存性もまた良好であり、非侵襲的超音 波検査で十分に早い時期に再狭窄を検出できれば、再血行 再建術は容易に施行できる。長期一次開存性の点から静脈 グラフトによる膝上大腿膝窩動脈バイパスが依然として好まし いが、本試験の結果から、S.M.A.R.T.® CONTROL®ステント は外科的治療が適用困難な患者において血行再建術の効 果的な代替治療となることが示唆される。  さらに本試験では、再狭窄は女性および若年患者において 高い割合で発生する傾向があることが示された。運動はステ ント破損と関連することが報告されており20、ステント破損は再 狭窄と関連することが報告されている21。若年者は高齢者より も活動的であるため、再狭窄群における高いステント破損率 が説明できるかもしれない。一方で、女性患者の再狭窄率が 高い理由を説明することは難しいが、平均ステント径は女性 患者で有意に小さかった。(6.99±1.30mm vs. 7.25±1.06mm、 P=0.016)。この点を明らかにするには、さらなる研究が必要で ある。  本試験にはいくつかの限界があった。第一に、大規模かつ 長期のデータを評価したが、後ろ向き試験で非無作為化で あった。第二に、以前の報告に比べ、今回観察されたステント 破損率が低いこと、およびシロスタゾール投与率が高いこと が、全体の良好な治療成績の達成に寄与していた可能性は 否定できない。第三に、定量的血管造影法は実施しなかった。 しかし、これらの限界があったにもかかわらず、本試験では、浅 大腿動脈病変治療におけるS.M.A.R.T.® CONTROL®ステン トの使用について、許容可能な成績が示されたと考える。  S.M.A.R.T.® CONTROL®ステントは浅大腿動脈病変治 療において良好な長期開存性を示すことが分かった。シロスタ ゾール非投与、女性、若年、慢性完全閉塞は再狭窄と関連づ けられた。

結 論

参考文献

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