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割れ目の卓越した岩盤にも有効な原位置岩盤三軸試験法の開発

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. 割れ目の卓越した岩盤にも有効な原位置岩盤三軸試験法の開発 背 景 原子力発電所やダムの基礎岩盤の調査では、学会の指針や基準に基づく原位置岩盤の力学試験方法が採用さ れている。これらは強度と変形を別々の試験方法ならびに試験体で評価しなければならず、また試験体の整形 による乱れの影響を受けやすいなどの課題があった。当所はこれまでに、これらの課題を解決することができ る新しい試験法「原位置岩盤三軸試験法」を開発し、均質な軟岩や不均質な礫岩を対象とした原位置試験に よって、この試験法の適用性を検証した。しかしながら、割れ目の卓越した不連続性岩盤では自立した円柱試 験体の作製が容易でないため、本試験法の適用は困難な課題として残されていた(図 1)。. 目 的 不連続性岩盤にも有効な試験体作製装置の開発および原位置岩盤三軸試験装置の改良を行い、割れ目の卓越 した不連続性岩盤において、原位置岩盤三軸試験法の適用性を検証する。. 主な成果 (1)当所で開発した試験体作製装置により、試験体作製時の掘削荷重やトルク等を計測しながら掘進速度と水 量を制御して岩盤の掘削し、掘削後にはアクリル製コアパックを抜きながら三軸セルのメンブレンを設置 することにより、直径約 38cm、高さ約 100cm の自立した円柱状試験体の作製に成功した。これにより、 従来は不可能であった割れ目の卓越した岩盤で、原位置岩盤三軸試験用の試験体作製が可能となった (図 2)。 (2)ひずみ計測などの改良を加えた原位置岩盤三軸試験装置により、作製した岩盤試験体を用いて 4 つの拘束 圧条件で原位置岩盤三軸試験を実施した。また、得られた試験結果の妥当性をせん断面の発生状況等から 確認するため、試験終了後に試験体を回収した。これにより、従来極めて困難であった割れ目の卓越した 不連続性岩盤の高精度な応力とひずみの関係やポアソン比を、原位置で計測することが可能となった (図 2、図 3)。 (3)本試験法で得られた不連続性岩盤岩盤の試験結果から、変形係数とポアソン比のせん断応力依存性や変形 係数の拘束圧依存性が定量的に評価された。これにより、改良した原位置岩盤三軸試験法により、従来、 原位置岩盤に対しては測定できなかった詳細な力学特性を精度よく把握できるようになった(図 4)。 なお、本研究における装置の開発については当所が実施し、現場への適用については九州電力からの受託研 究として実施した。. 今後の展開 本試験法を割れ目の卓越した様々な不連続性岩盤に適用し、データを蓄積するとともに、不連続性岩盤の動 的な力学特性や引張∼せん断応力条件下の強度を評価することができるように試験装置の改良を行い、試験法 の実用化を目指す。 主担当者 関連報告書. 地球工学研究所 バックエンド研究センター 主任研究員 岡田 哲実 「原位置岩盤三軸試験法の開発(その 3)─大型円柱試験体作製装置の開発─」電力中央研 究所報告: N06036(2007年 5 月) 「原位置岩盤三軸試験法の不連続性岩盤への適用性検証─割れ目の卓越した砂岩の場合─」 電力中央研究所報告: N07513(2008 年 7 月). 120.

(2) 9.電力施設建設・保全. 試験体作製装置は,ケーシングに取り付けた掘削 モーターで6個の掘削ビットを回転させるとともに, それらを取り付けたケーシングをゴム車輪で回転・ 上下させれることにより円柱試験体を作製する。 作製した試験体はコアパックに収められる。. 掘削モーター. コア パック. ケーシング. 38cm. ゴム車輪 掘削 ビット. 三軸セル. 試 験 体. 試 験 体. 試 験 体. 100cm ①岩盤表面に試験体 作製装置を設置 後,掘削開始. ②試験体がコアパッ クに入った状態で 掘削終了. ③試験体作製装置の 上部およびゴム車 輪を取外す. ④コアパックを着け たまま三軸装置の セルを設置. 油圧ジャッキ他. せん断面. せん断面 試 験 体. 試 験 体. ⑤セルに圧力を加え ながらコアパック を抜く. 試 験 体. 試 験 体. ⑥ジャッキ類を設置 し,三軸試験を実 施. 図2 試験後回収した試験体. ⑦試験終了後,ジャッ キ類を撤去. 割れ目(写真で茶褐色の線が割れ目に 相当)の卓越した岩盤の試験体作製に 成功し,試験終了後には既存の割れ目 等に沿ったせん断面が観察できた。. ⑧試験体作製装置や セルとともに試験 体を回収. 図1 原位置岩盤三軸試験法の手順 ポアソン比  ν. 1. 1.6. 1.4. 0.6 0.4 0.2. 軸力F. 軸力 F. 0. 1. 0. 0.2. 0.4. 0.6. 0.8. 1. せん断応力比 q/ q f d d'. 0.8. ι. 変形係数 E50 (MPa). 軸差応力 q  (MPa). 1.2. 試験体No.T- 4 試験体No.T- 5 試験体No.T- 9 ① 試験体No.T- 9 ②. 0.8. ι'. 0.6. 0.4. 0.2. 周ひずみεr. 軸ひずみεa. =(d - d ' )/ d. =(ι- ι')/ ι. 軸ひずみεa. 試験体No.T-4 拘束圧σc:0.2MPa. 周ひずみεr. 350 300 250 200 150. 50 0. 0 -2. -1. 0. 1. 2. 3. 試験体No.T- 4 試験体No.T- 5 試験体No.T- 9 ① 試験体No.T- 9 ②. 100. 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 0.6. 0.7. 9 0.8. 拘束圧σ(MPa) c. ひずみ εa ,εr (%). 図3 応力とひずみの関係の一例. 図4 得られた岩盤の力学特性. 従来は計測できなかった割れ目の卓越した岩盤の 応力とひずみの関係を精度よく計測することが可 能となった。. 従来は測定できなかったせん断応力比 q/qf とポアソ ン比νの関係(上図)や拘束圧σcと変形係数 E50 の 関係(下図)を取得することが可能となった。. 121.

(3)

参照

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