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目 次 はじめに 第 1 章 現 状 分 析 第 1 節 日 本 プロ 野 球 界 の 現 状 第 2 節 問 題 設 定 第 2 章 先 行 研 究 第 1 節 先 行 研 究 事 例 第 2 節 本 稿 の 位 置 付 け 第 3 章 実 証 分 析 第 1 節 分 析 の 枠 組 み 第 2

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プロ野球の経営改革

‐統計解析による集客分析‐

大阪大学経済学部

4 回生

大澤 諒介

阪口 慶次朗

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目次

はじめに

1 章 現状分析

1 節 日本プロ野球界の現状

2 節 問題設定

2 章 先行研究

1 節 先行研究事例

2 節 本稿の位置付け

3 章 実証分析

1 節 分析の枠組み

2 節 プロ野球の観客動員数に影響を与える要因

3 節 観客動員数に影響を与える地理的要因

4 節 収容人数の多い球場を持つ市の特徴

4 章 結論

1 節 本拠地移転すべき球団

2 節 理想の本拠地移転先

3 節 結論

おわりに

謝辞・参考文献

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20 0 10000 20000 30000 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 1試合平均観客動員数(単位:人)

はじめに

「プロ野球の不人気」が叫ばれるようになって久しい。子供のなりたい職業ランキング1 は、野球選手が 2004~2009 年まで 1 位だったものの、その後はサッカーに首位の座を譲 り、2013 年には 4 位となった。また、かつては地上波放送の夜の定番であったプロ野球中 継も視聴率が低迷し、最近ではオールスターゲームや日本シリーズなどを除き、ほとんど 見かけなくなってしまった。事実、2005 年には巨人主催試合を年間 62 試合地上波で放送 していた日本テレビも、2013 年には 22 試合(ナイトゲームは 7 試合)まで減らしている。 とは言え、CS スポーツチャンネル「G+」では全主催試合の完全中継を行い、インターネッ トテレビ「日テレオンデマンド」でも同様に全主催試合をライブ配信している。 また、1 試合当たりの年間平均観客動員数(図 1)についても、実数発表となった 2005 年から2013 年までほぼ横ばいとなっており、実際に球場へ足を運んで野球を観戦する人の 数が減っているとは言い難い。ゆえに、単にプロ野球の人気が低下しているというよりも、 プロ野球を取り巻く環境が大きく変化していると考えた方が適切ではないだろうか。 本稿では、そのような変化する日本プロ野球界の現状と問題点を整理した後、その解決 策を述べていきたい。 図1:日本プロ野球平均観客動員数(2005~2013 年) 出典:日本野球機構オフィシャルサイト 1 第一生命保険株式会社「大人になったらなりたいもの」調査

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1 章 現状分析

1 節 日本プロ野球界の現状

第1 項 プロ野球球団のビジネスモデル プロ野球球団の収入は主に球場収入、放映権収入、グッズ収入、広告宣伝費などである。 球場収入は主にチケット収入、広告収入、飲食収入に分けられる。費用については、選手 の年棒や球場使用料などが主である。各球団の売上は表 1 の通りで、その売上構成比率は 球団によって大きく異なっている。(図2) 表1:各球団売上高(2011 年) セントラルリーグ 売上 パシフィックリーグ 売上 読売ジャイアンツ 248 億 日本ハムファイターズ 100 億 ヤクルトスワローズ 53 億 楽天イーグルス 83 億 横浜DeNA ベイスターズ 85 億 西武ライオンズ 100 億 中日ドラゴンズ 110 億 千葉ロッテマリーンズ 101 億 阪神タイガース 130 億 オリックスバファローズ 60 億 広島カープ 117 億 ソフトバンクホークス 205 億 出典:週刊東洋経済 図2:売上構成比率(2011 年) 出典:週刊東洋経済 日本ハム チケット 放映権 飲食 グッズ 広告費 その他 ヤクルト チケット 放映権 飲食 グッズ 広告費 その他 巨人 チケット 放映権 飲食 グッズ 広告費 その他 楽天 チケット 放映権 飲食 グッズ 広告費 その他 西武 チケット 放映権 飲食 グッズ 広告費 その他 阪神 チケット 放映権 飲食 グッズ 広告費 その他

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22 第2 項 日本プロ野球の仕組み 日本プロ野球(以下NPB)は、日本野球機構という中央組織のもと、日本プロフェッシ ョナル野球組織とパシフィック野球連盟(パリーグ)、セントラル野球連盟(セリーグ)と いう下部機関が存在する形で成り立っている。 パリーグにおいては、パシフィックリーグマーケティングという会社を 6 球団共同出資 で設立し、リーグやクライマックスシリーズ2のスポンサーを探したり、パリーグ各球団の Web サイトを一本化したりと、様々な事業を行っている。また、パリーグの理事会を取り 纏める理事長は固定され、迅速に意思決定ができる体制となっている。一方、セリーグの 理事長は各球団持ち回りで毎年交代しており、引き継ぎがほとんど行われていない。それ ゆえ、理事会が意思決定をする際、その指揮命令系統が不明瞭であると言われている。 第3 項 リーグと球団の役割 NPB において、リーグが行う事業は主にオールスターゲームと日本シリーズのみとなっ ている。それ以外のレギュラーシーズンやクライマックスシリーズは、試合を主催するホ ーム球団がチケット料金や放映権料、グッズ販売などの権利を保有している。このように 各球団がそれぞれ事業を行う方針であるため、強い球団は売り上げを伸ばしていくことが できるが、弱い球団は苦労せざるを得ないという構造になっている。 一方でアメリカのメジャーリーグ(以下MLB)は、リーグによって事業が一括管理され ており、各球団はチケットやローカルの放映権、ローカルスポンサーの収入を直接管理す る一方、これ以外の全ての権利をリーグに譲渡、リーグがビジネス展開を行って収入を各 球団に分配している。事実、MLB 全体における 5,000 億~5,500 億円の収入のうち、各球 団の収入は3,500 億~4,000 億円程度で、リーグ事業として MLB プロパティ(MLBP)と いう会社が1,000 億円以上を売り上げている。そして、地上波やインターネット放映権料、 リーグスポンサー収入、オールスターゲームやワールドシリーズの興行収入はMLBP が一 括管理している。これらの権利は30 球団分を一括にして販売することで高額になり、単体 で販売すると大幅に金額が安くなってしまう。他方、日本の球団には中央組織からの収益 分配は基本的にされていない。MLB では、収益力のある球団で収入の約 15%、最も売上が 少ない球団では70%近くがリーグからの分配金となっている。(図 3) 2 日本野球機構が 2007 年シーズンから導入したポストシーズンゲームの名称。リーグ優勝による日本選手 権シリーズ進出決定後の消化試合を減らすことを目的に導入されている。

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23 図3:MLB 球団の売上構成比(2008 年) 出典:ビジネスメディア誠 第4 項 放映権料 放映権とは、球団がラジオやテレビ、インターネット、携帯電話等を通じた主催試合の 放送を許可する権利のことである。この対価として試合主催者は放映権料を得る。表 2 が 主なプロスポーツにおける放映権料の金額の例である。(放映権料というは一般に公表され るものではないため、あくまで推測という域を出ない)日本プロ野球界では、近年この放 映権料の低下が問題となっている。かつての巨人戦では 1 試合当たり 1 億円~1 億 2,000 万円が相場であったと言われていたが、今ではその半分程度の金額となった。これはBS・ CS 放送の充実や人々のライフスタイルの変化、娯楽の多様化などに伴う視聴率の低下が主 な原因ではないかと考えられる。(図4) アナハイムエンゼルス (売上4位) ローカル放映権 その他ローカル 収入 チケット リーグからの分 配金 シアトルマリナーズ (売上13位) ローカル放映権 その他ローカル 収入 チケット リーグからの分 配金 タンパベイレイズ (売上26位) ローカル放映権 その他ローカル 収入 チケット リーグからの分 配金 マイアミマーリンズ (売上30位) ローカル放映権 その他ローカル 収入 チケット リーグからの分 配金

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24 表2:主なプロスポーツの放映権料 地上波での巨人戦中継 7,000 万円 巨人戦以外の地上波放送 200~2,000 万円 ラジオでのプロ野球放送 100~150 万円 プロ野球日本シリーズ 1 億円 サッカー日本代表戦 1 億円 女子サッカー日本代表戦 2,000 万円 ロサンゼルスドジャース(MLB) 5,000 億円(25 年総額) ナショナルフットボールリーグ3 3,600 億円(年間約 260 試合) マンチェスターユナイテッド4 90 億円(年間) 出典:NHK オンライン、フットボールチャンネル、日経ビジネスオンライン 図4:巨人戦の地上波視聴率(1965~2012 年) 注:ビデオリサーチ調査(関東地区) 出典:朝日データ年鑑 第5 項 ドラフト制度 ドラフト会議(正式名称:新人選手選択会議)とは、プロ野球各球団に対して、新人選 手との契約交渉権の振り分けを行うものである。 NPB のドラフト会議は 1 巡目が抽選、2 巡目以降はウェーバー方式と逆ウェーバー方式 を繰り返して行われる。ウェーバー方式とは、シーズン最下位のチームから順に選手を指 名していく方式のことで、逆に上位のチームから順に指名することを「逆ウェーバー方式」 と呼ぶ。一方、メジャーリーグでは完全ウェーバー制度を採用している。1 巡目から最終巡 まで、成績が下位のチームから順に選手を一人ずつ指名していくというものである。この 際、あるチームが指名した選手を他のチームが指名することはできない。全チームが 1 人 3 アメリカ合衆国のプロアメリカンフットボールリーグ 4 イングランドのサッカー1 部リーグ「プレミアリーグ」に所属するチーム 0 5 10 15 20 25 30 19 65 19 67 19 69 19 71 19 73 19 75 19 77 19 79 19 81 19 83 19 85 19 87 19 89 19 91 19 93 19 95 19 97 19 99 20 01 20 03 20 05 20 07 20 09 20 11 巨人戦の地上波視聴率(単位:%

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25 ずつの指名を終えると2 巡目に入り、また下位チームから順に 1 人ずつ選手を指名する。 これを繰り返して、各チームに選手を割り当てた後、チームは指名した選手と契約交渉を 行う。 ルール・ファイブ・ドラフト(Rule 5 draft)とは、MLB 特有の制度であり、有望な若 手の選手(在籍4 年以上)が十分な試合出場機会を与えられずにマイナーリーグ5で飼い殺 し状態になることを防ぐ目的で、他球団の所属選手を指名し獲得できる制度である。獲得 した球団はその選手を 1 年間はマイナーリーグへ落とすことができず、また、元球団へ $50,000 支払いうことが義務付けられている。もしマイナーリーグへ落とした場合、獲得元 の球団へ選手を返却しなければならない。この制度のメリットは、①他球団であれば活躍 できる可能性のある選手を潰さずに済むこと②戦力均衡化を図れること、である。 第6 項 FA 制度 フリーエージェント(Free Agent)とは、所属チームとの契約を解消し、他チームと自 由に契約を結ぶことができるスポーツ選手のことである。このFA の権利が得られる条件は 表3 の通りである。 表3:FA 権が得られる条件 NPB 国内移籍 06 年までに入団した全選手:累計 8 年6(通算1160 日) 07 年以降入団した高校生選手:累計 8 年 07 年以降入団した大学生・社会人選手:累計 7 年(通算 1015 日) 海外移籍 全選手累計9 年 MLB 国内外移籍 累計6 年(通算 1032 日) FA 権を行使して移籍した選手が補償対象(後述)を満たす場合、移籍先の球団は前球団 に対して選手の旧年俸による金銭補償、および移籍先球団が保有する支配下選手のうち、 前球団が指名した選手 1 名を与える人的補償をしなければならない。(①プロテクト7した 28 名の選手②FA 権取得により日本人扱いになった選手を含む外国人選手③直近のドラフ トで獲得した新人選手を除く)ただし、前球団が人的補償を求めない場合は追加の金銭補 償を以って人的補償とすることができる。球団ごとに日本人選手の前球団の旧年俸順に上 位3 位までをランク A、4 位から 10 位までがランク B、11 位以下がランク C とランク付け され、ランクA とランク B の選手が補償対象選手となる。 5 MLB 傘下のマイナーリーグベースボール 6 NPB では 1 軍登録 145 日、MLB ではメジャー枠登録 172 日が 1 年とされている 7 チームの所属選手のうち、来シーズンの戦力として残留させる事。主に選手分配ドラフトやフリーエー ジェントにおける人的補償などの際に使われる

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26 ※NPB における補償 ランクA ランクB ランクC 人的補償なし 旧年俸の0.8 倍の金銭 旧年俸の0.6 倍の金銭 なし 人的補償あり 選手1 名 +旧年俸の0.5 倍の金銭 選手1 名 +旧年俸の0.4 倍の金銭 なし ※MLB における補償 野球データ分析会社エライアス・スポーツ・ビューローがMLB 機構の委託を受け直近2 年間の成績に基づいて選手に順位をつける。タイプA が上位 20%の選手、タイプ B が上位 21-40%の選手である。 タイプA 選手の補償…タイプ A 選手を獲得した球団がメジャーリーグ上位 15 球団の場 合、その球団のドラフト1 巡目指名権が選手を失った球団に譲渡される。タイプ A 選手を 獲得した球団が下位 15 球団の場合、2 巡目指名権を譲渡する。選手を失った球団には、1 巡目と2 巡目の間の「サンドイッチ指名権」を付与する。 タイプB 選手の補償…FA で選手を失った球団にサンドイッチ指名権を付与する。 第7 項 球場のボールパーク化 現在、集客戦略の王道となっているのが球場の「ボールパーク化」である。年間通して 安定した観客動員を実現するためには、試合に勝っても負けても球場に足を運びたくなる ような球場作りが必要となる。このための必須条件が「球場一体型経営」である。ここで 鍵となるのが球場の「営業権」であり、球団がこの営業権を握ると、球場の看板広告や飲 食収入が全て球団に入り、飲食店の選定やシートプランの多様化といったような、観客動 員数増加のための施策を幅広く行うことができるようになる。2004 年時点ではこの営業権 を保有している球団は無かったが、2005 年シーズンから NPB に新規参入した楽天イーグ ルスが、県立宮城球場の改修費を自ら負担することで球場の営業権を手にした。結果、球 場内の飲食、グッズ、看板広告収入が全て球団の収入となり、楽天球団は初年度の黒字経 営に成功した。 現在、球団と球場との関係は表 4 の通りとなっており、球場営業権を所有しているのは 広島、楽天、西武、ロッテ、オリックス、ソフトバンクの 6 球団である。これらの球団は 「球場一体型経営」を行っていると言うことができ、事実、観客動員数もこの 9 年間で 2 割増となっている。(図5)他方、巨人、ヤクルト、横浜 DeNA、中日、阪神、日本ハムの 6 球団は、プロ野球の試合開催日に球場所有者から賃借するという形をとっているが、その 球場所有者に違いがある。中日、阪神の本拠地であるナゴヤドーム、阪神甲子園球場は、 その所有者が親会社である中日新聞、阪神電鉄のグループ会社となっているため、その収 入がスポンサー料という形で球団に入ってくる。巨人、ヤクルト、横浜 DeNA、日本ハム の4 球団の本拠地は、球団と全く利害関係に無い民間企業あるいは第 3 セクターであるた

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27 め、チケット料以外の球場収入が全く球団に入っていない。 ではなぜこのような状態になっているのであろうか。これには税制上のからくりが潜ん でいる。現在、球団単独で黒字経営を行っているのは巨人、阪神、広島の 3 球団のみであ り、莫大な経費が掛かる球団経営は親会社からの赤字補填があって初めて成り立つ状態と なっている。そして、この赤字補填は「広告宣伝費」あるいは「スポンサー料」として計 上されるが、50 年以上前の国税庁の通達によって、この「広告宣伝費」には通常掛かるは ずの法人税の対象外とされている。ゆえに、球団は親会社からの赤字補填に依存してしま うのである。これは、戦後にプロ野球を庶民の娯楽として定着させようという狙いがあっ たと言われている。 表4:NPB における球団と球場の関係 球団 球場営業権2005 球場営業権2009 読売ジャイアンツ 東京ドーム 東京ドーム ヤクルトスワローズ 神宮球場 神宮球場 横浜DeNA ベイスターズ 横浜スタジアム 横浜スタジアム 中日ドラゴンズ ナゴヤドーム ナゴヤドーム 阪神タイガース 阪神電鉄 阪神電鉄 広島カープ 広島市民球場 球団 日本ハムファイターズ 札幌ドーム 札幌ドーム 楽天イーグルス 球団 球団 西武ライオンズ 西武鉄道 球団 千葉ロッテマリーンズ 千葉マリンスタジアム 球団 オリックスバファローズ 大阪ドーム 球団 ソフトバンクホークス 福岡ドーム 球団 出典:週刊東洋経済 図5:営業権有無による球団平均観客動員数の違い 出典:日本野球機構オフィシャルサイト 15000 18000 21000 24000 27000 30000 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 平均観客動員数(単位:人) 営業権を保有 しない球団 営業権を保有 する球団

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28 第8 項 関東集中 2004 年に日本ハムが東京ドームから北海道への本拠地移転を行った契機は、在京球団が 多すぎたことと、北海道民のニーズが上手く適合したことにあったと言われている。当時 は、日本ハム、巨人、ヤクルト、西武、千葉ロッテ、横浜の 6 球団が関東に本拠地を置い ていたが、依然として現在でも5 球団が関東に残っている。また、実数発表となった 2005 年から2013 年までの観客動員数の推移(図 6)を見てみると、巨人を除く 4 球団の観客動 員数が軒並み低くなっていることが分かる。これは、5 球団による関東圏の人々の奪い合い の結果、実力と伝統を兼ね備える巨人の一人勝ち状態になってしまっていると考えられる。 図6:各球団の観客動員数推移(2005~2013 年) 出典:日本野球機構オフィシャルサイト 0 10000 20000 30000 40000 50000 観客動員数推移(単位:人)

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2 節 問題設定

第1 項 NPB の特徴 前節の現状分析をもとに、特にNPB の大きな特徴であると思われる以下の 4 点について 述べていく。 (1)各球団主義 MLB ではリーグが事業を一括管理しており、各球団はチケットやローカル放映権、ロー カルスポンサー収入以外の権利を全てリーグに譲渡している。つまり、MLB のコンセプト はリーグ全体で売り上げを伸ばしていこうという「全体主義」である。これに対してNPB は、リーグが行う事業はオールスターゲームと日本シリーズのみであり、それ以外の権利 は各球団が保有している。つまり、NPB は各球団の利益が優先される「各球団主義」なの である。90 年代半ばまで、NPB も MLB も総収益は 1,000 億円程度でほとんど同じであっ たにも関わらず、その後MLB は 5 倍の 5,000 億円まで収益を伸ばした。他方、NPB は約 20 年間ほぼ横ばいで推移してきた。 (2)放映権料 近年の地上波放送では、プロ野球の他にフィギュアスケートやサッカー、バレーなど以 前より多くのスポーツを目にするようになってきた。当然、これらのスポーツの放映権料 は以前より上がっており、特に「なでしこJAPAN」の愛称で親しまれている女子サッカー の代表戦は、2011 年のサッカー女子ワールドカップの優勝を機に倍の 2,000 万円に跳ね上 がったと言われている。これに対して地上波での巨人戦放送の視聴率は、90 年代まで 20% を超えていたものの、現在では 1 桁まで落ち込んでおり、それに伴って放映権料も半分近 くまで落ち込んでいる。 (3)ボールパーク化 球団が球場営業権を保有し、球場一体型経営による「ボールパーク化」を行うことで、 飲食や看板広告などの球場収入を得ることができ、かつ観客動員のための球団独自の施策 も行うことができる。楽天イーグルスを皮切りに、徐々にこの営業権を取得する球団が増 えてきている。しかし、セリーグの球団は、かつてのチケットと放映権収入、親会社から の赤字補填に依存した経営体制から抜け出せていない。 (4)関東集中 現在、NPB12 球団のうち 5 球団が関東に集中しており、そのうちの 1 つがリーグ優勝 44 回、日本一22 回を誇り、長嶋茂雄、王貞治、松井秀喜などを輩出した、人気と実力を兼ね 備えた巨人である。観客動員数を見てみても、巨人と他の 4 球団には大きな差があること が分かる。この 4 球団にとって、現在の本拠地球場の配置は好ましくない状態であると考 えられる。

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30 第2 項 問題設定 前項で挙げたNPB の特徴をもとに、本稿での問題設定を行う。まず「各球団主義」につ いて、約20 年間で収益を 5 倍にした MLB に倣い、NPB もリーグの権限を強化すれば良い のだろうか。しかし、NPB の各球団も長年に渡って自らの球団の収益を伸ばそうとしてき た営業努力があり、「リーグ全体での収益最大化」に方針転換することは容易ではない。ま た、放映権料の減少について、確かに地上波ではプロ野球放送をほとんど見かけなくなっ たものの、現在は BS・CS 放送やインターネットテレビを通じてプロ野球は放送されてお り、「プロ野球が放送されなくなった」というより「プロ野球放送のコンテンツが多様化し た」という方が表現として適切なのではないかと考えられる。球団として、経営の柱であ る放映権収入が減ってしまうものの、この変化は時代の流れに沿ったものではないかと考 えられる。 ボールパーク化と関東集中については大きな問題があると考えられる。球場営業権を保 有しておらず、かつ球場収入が全く球団の収入とならないのは、巨人、ヤクルト、横浜DeNA、 日本ハムの 4 球団である。このうち巨人は、圧倒的な観客動員数を誇り、親会社からの補 填無しでも毎年 20 億近くの黒字経営を達成している。また、2004 年に本拠地移転をした 日本ハムは、チーム名を「北海道日本ハムファイターズ」としたうえで、地元密着経営を 行った結果、ファンクラブ会員は3 倍、観客動員数も 4 割増という結果をもたらし、今後 も更なるビジネス展開が見込まれている。他方、横浜 DeNA、ヤクルトは球場一体型経営 を行うことができておらす、観客動員数も慢性的に伸び悩んでいる。横浜DeNA の本拠地 である横浜スタジアムは、運営会社8の株主である地元市民の意向により、ヤクルトの本拠 地である神宮球場は元々アマチュア野球専用球場であったことから、共に球団が営業権を 持つことは難しいと言われている。このように、観客動員数の低さに悩み、球場との一体 化が困難な両球団は、本拠地を移転するべきではないだろうか。この点を踏まえて、更に 第3 章で実証分析を行っていく。 8 株式会社横浜スタジアム。横浜市、テレビ朝日、DeNA ベイスターズ、東京放送 HD、フジ・メディア HD がそれぞれ 5.74%の株を保有している。

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2 章 先行研究

1 節 先行研究事例

プロ野球の観客動員数増加のための施策については現在までに多くの研究が行われてき ている。 「プロ野球本拠地住民の観戦意図に影響を及ぼす要因」(原田、三浦、宮田1998)では、 福岡ダイエーホークス(当時)の本拠地である福岡市の住民を研究対象とし、プロ野球の 観戦意図に影響を及ぼす要因について考察されている。福岡市在住の男女を対象に実施し たアンケートデータに対して回帰分析を行った結果、本拠地住民の観戦意図に影響を及ぼ す要因として、「球団に関する情報接触度」、「年齢」、「チームロイヤルティ」、「性別」、「球 団の地元への貢献の期待度」、「プロ野球観戦に対する態度」、「過去の観戦経験の有無」の7 つの要因が認められた。中でも、最も影響を及ぼす要因が「球団に関する情報接触度」で あった。 「プロ野球を対象とした顧客ロイヤルティ向上要因に関する研究」(坂田、田中、富田、 後藤2008)では、プロ野球界を対象とし、どのような要因が顧客ロイヤルティに影響を与 えるのかが考察されている。研究手法は、まずWeb 上のコメントデータを分析し、顧客ロ イヤルティに影響を与えると考えられる要因を抽出。これを基にアンケート調査を行った 後、顧客ロイヤルティ高低間による母平均の差検定、因子分析を行うことでプロ野球球団 の顧客ロイヤルティ向上要因を明らかにした。結果、顧客ロイヤルティが低い層には「特 定の選手」、「地元意識」、「球団ブランド」が、顧客ロイヤルティが高い層には「応援」、「フ ァンサービス」、「球場の雰囲気」が大きな影響を及ぼしていることが明らかになった。

2 節 本稿の位置付け

前節で挙げた「プロ野球本拠地住民の観戦意図に影響を及ぼす要因」、「プロ野球を対象 とした顧客ロイヤルティ向上要因に関する研究」のように、人々がどのようなきっかけで 球場に足を運ぶようになったか、リピーターは何故何度も球場に通うのかなど、人々の内 面についての研究は多くみられる。一方で本稿は、客観的な統計データを用いて観客動員 数への影響を明らかにするという意味で、これまでにない新しい結論を導き出したい。

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3 章 実証分析

1 節 分析の枠組み

本稿では複数の統計データ9を用いて分析を行い、プロ野球の観客動員数に影響を与える 要因、さらにはその影響度合いについて明らかにする。 本稿の分析では分析を以下の2 つに分けて構築した。 ① プロ野球の観客動員数に影響を与える要因 ② プロスポーツの観客動員数に影響を与える地理的要因

2 節 プロ野球の観客動員数に影響を与える要因

この節では、「①プロ野球の観客動員数に影響を与える要因」について分析を行い、考察 を加える。 第1 項 変数選択 1.被説明変数 被説明変数には、NPB の統計データをもとに 2005 年から 2012 年の 8 年間における平均 観客動員数を用いている。2005 年からのデータを用いたのは、客動員数の実数発表が始ま りそれ以前のデータでは正確な動員数を把握できないためである。 2.説明変数 説明変数については、経済BANK 及び政府統計のデータを用いて作成している。本稿で は以下の6 つを説明変数として選択し、分析を行った。 (1)年間勝利数 2005 年から 2012 年の 8 年間における各球団の平均年間勝利数を用いる。各球団のファ ンは勝ち試合の観戦を望み、勝利数が多ければ多いほど球場に足を運ぶと考えられるため、 観客動員数に正の影響を与えると推測される。 (2)1 地域 1 球団ダミー 各球団の本拠地所属地域10を本拠地とする他球団が存在しない球団を1、他球団が存在す る球団を0 としてダミー変数を作成し、用いる。各球団の所属地域に他球団が存在する場 合、その地域の人気球団に観客動員が集中すると考えられるため、観客動員数に正の影響 を与えると推測される。 9 日本野球機構オフィシャルサイト、J リーグ公式サイト、経済 BANK、政府統計のデータ 10 北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国、四国、北部九州、南部九州の各地域

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33 (3)セ・リーグダミー セントラルリーグ11に所属する球団を1、所属しない球団を 0 としてダミー変数を作成し、 用いる。従来から人気のセ(セントラルリーグ)・実力のパ(パシフィックリーグ)とさ さやかれることも多いため、観客動員数に正の影響を与えると考えられる。 (4)各球団ダミー プロ野球の観客動員数は球団ごとの人気に大きく左右されると考えられ、その影響をコ ントロールするために各球団のダミー変数を作成する。本稿では、歴史のある球団である 読売と阪神、逆に歴史の浅い東北楽天のダミー変数を用いる。読売ダミー及び阪神ダミー に関しては、その歴史からファンも多いと考えられるため、観客動員数に正の影響を与え ると推測される。一方で、東北楽天ダミーに関しては、その歴史の浅さから観客動員数に 負の影響を与えると考えられる。 第2 項 分析結果 以上のような変数を用い、実際に最小二乗法による分析を行った。 表5:記述統計量(プロ野球観客動員数) 変数 サンプル数 平均 標準偏差 最小値 最大値 観客動員数 12 1776938 667758.3 1110756 3027894 年間勝利数 12 69.14583 7.526248 54.75 78.125 1 地域 1 球団ダミー 12 0.416667 0.514929 0 1 セ・リーグダミー 12 0.5 0.522233 0 1 読売ダミー 12 0.083333 0.288675 0 1 阪神ダミー 12 0.083333 0.288675 0 1 東北楽天ダミー 12 0.083333 0.288675 0 1 表6:分散拡大要因(プロ野球観客動員数) 説明変数 VIF 1/VIF 年間勝利数 2.25 0.444459 読売ダミー 2.01 0.498202 1 地域 1 球団ダミー 1.96 0.51064 東北楽天ダミー 1.93 0.517068 阪神ダミー 1.77 0.56587 セ・リーグダミー 1.74 0.575528 Mean VIF 1.94 11 読売、阪神、広島東洋、中日、横浜DeNA、東京ヤクルトの 6 球団

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34 表7:分析結果(プロ野球観客動員数) サンプル数:12 変数 係数 標準誤差 T 値 有意性 年間勝利数 32385.11 12311.33 2.63 ** 1 地域 1 球団ダミー 377813.2 167878.5 2.25 * セ・リーグダミー 27318.05 155920.1 0.18 読売ダミー 1158012 303170.7 3.82 *** 阪神ダミー 1402394 284466.8 4.93 *** 東北楽天ダミー -436137 297588.7 -1.47 修正済み決定係数 0.9059 F 値 18.64 ***は 1%水準で、**は 5%水準で、*は 10%水準でそれぞれ有意なことを表す。 表7 が本稿の「プロ野球の観客動員数に影響を与える要因」についての分析結果である。 結果として、「年間勝利数」、「1 地域 1 球団ダミー」、「読売ダミー」、「阪神ダミー」が観客 動員数に対して正の影響を与えるということが明らかになった。しかしながら、「セ・リー グダミー」、「東北楽天ダミー」に関しては有意な結果は得られなかった。 第3 項 考察 上述の分析結果に対し、考察を加える。表 7 中で説明力を持つという結果を得た「年間 勝利数」に関しては、観客はチームの勝ち試合を見ることを望んでいるため、年間勝利数 が多くなればなるほど球場に足を運ぶと考えられる。また、年間勝利数が多くなれば優勝 争いやCS(クライマックスシリーズ)争いのために白熱した試合が多くなり、観客動員数 に正の影響を与えると捉えることができる。次に、「1 地域 1 球団ダミー」に関しては、1 つの地域に 1 球団しかないことで、同一地域内での観客の奪い合いが発生せず、その結果 特定の球団に観客動員数が偏ってしまうことがないために、観客動員数に正の影響を与え ると考えられる。「読売ダミー」及び「阪神ダミー」に関しては、それぞれの球団の歴史か ら、球界を代表する人気球団であるために、観客動員数に正の影響を与えていると捉える ことができる。 上述の考察より、観客動員数を増やす要因が明らかになった。しかしながら「年間勝利 数」に関しては、いずれかの球団の年間勝利数が増えれば、いずれかの球団の年間勝利数 が減るという性質上、リーグ全体から見れば観客動員数を増加させるために対策を打つこ とは困難である。また、「読売ダミー」及び「阪神ダミー」に関しては、歴史のある人気球 団という 2 球団の特徴による結果であるため、これについても対策を打つことは難しい。 一方で「1 地域 1 球団ダミー」については、現時点で本拠地とする他球団がない地域に移転 するという対策を打つことで観客動員数を増加させることが可能である。

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35 そこで本稿では、本拠地移転という形で観客動員数の増加を目指す。次節以降では、実 際にどの地域のどこに本拠地移転するべきであるかについて分析を行い、その結果をもと に理想の本拠地移転候補地を挙げる。

3 節

観客動員数に影響を与える地理的要因

この節では、第2 節における分析結果及び考察を踏まえ、「②プロスポーツの観客動員数 に影響を与える地理的要因」に関する分析を行い、考察を加える。しかしながら、プロ野 球12 球団は本拠地が都市部集中しているという性質上、プロ野球のサンプルだけでは観客 動員数の観点から理想的な地理的要因導き出すには不十分と考えられる。そこで、都市部 だけではなく全国に幅広く本拠地を持つJ リーグ(J1・J2 計 40 チーム)のサンプルも用 いて、2 種類の分析を行うことでプロスポーツの観客動員数に影響を与える地理的要因を明 らかにすることで理想の本拠地移転候補について言及する。 第1 項 変数選択 1.被説明変数 プロ野球の分析における被説明変数には、第2 節の分析と同じく NPB の統計データをも とに2005 年から 2012 年の 8 年間における平均観客動員数を用いている。 また、J リーグの分析における被説明変数には、J リーグ公式サイト内の統計データをも とに2013 年の観客動員数を用いている。2013 年のデータのみを用いたのは、J リーグに は毎年3 チームの J1(1 部リーグ)への昇格及び J2(2 部リーグ)への降格が存在するた め、所属するリーグが変わると観客動員数が大きく変化するという性質を考慮し、複数年 の平均観客動員数を用いるには適さないためである。 2.説明変数 説明変数については、2 種類の分析とも経済 BANK 及び政府統計のデータを用いて作成 している。この分析の目的は、あくまでプロスポーツの観客動員数に影響を与える純粋な 地理的要因のみを考慮しているため、球団のブランド力等及び競技の種類は一切考慮しな い。そのため、プロ野球の分析においては以下の(1)から(7)を、J リーグの分析におい ては以下の(1)から(9)を説明変数として選択し、分析を行った。 (1)収容人数 各球団の本拠地球場の収容人数を用いる。収容人数が多ければ多いほど、1 試合あたりに 来場可能な観客数が増えるため、観客動員数に正の影響を与えると考えられる。

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36 (2)人口 各球団の本拠地球場(スタジアム)がある市の人口を用いる。人口が多ければ多いほど、 球場に足を運ぶ絶対数が増えると考えられるため、観客動員数に正の影響を与えると推測 される。 (3)15 歳-64 歳人口割合 各球団の本拠地球場(スタジアム)がある市の15 歳から 64 歳人口割合を用いる。スポ ーツ観戦に訪れる客層は主にこの世代であると考えられるため、観客動員数に正の影響を 与えると推測される。 (4)65 歳以上人口割合 各球団の本拠地球場(スタジアム)がある市の65 歳以上人口割合を用いる。この層がス ポーツ観戦に訪れる頻度は高くないと考えられるため、観客動員数に負の影響を与えると 推測される。 (5)昼間人口率 各球団の本拠地球場(スタジアム)がある市の昼間人口率を用いる。昼間人口率が高い 市はその周辺地域の中心部であるために多くの集客が見込まれると考えられ、観客動員に 正の影響を与えると推測される。 (6)財政力指数 各球団の本拠地球場(スタジアム)がある市の財政力指数を用いる。財政力指数が高い 市は財政に比較的余裕があるために、金銭的に余裕のある人が多く、娯楽であるプロスポ ーツ観戦に訪れる機会が増えると考えられ、観客動員数に正の影響を与えると推測される。 (7)失業率 各球団の本拠地球場(スタジアム)がある市の失業率を用いる。失業率が高い市は金銭 的に余裕がない人が多いために、娯楽であるプロスポーツ観戦に訪れる機会が減ると考え られ、観客動員数に負の影響を与えると推測される。 (8)代表校決勝進出回数 J リーグ各球団の本拠地スタジアムがある、各都道府県の高校サッカー代表校の全国高等 学校サッカー選手権大会における決勝進出回数12を用いる。高校生の各都道府県における代 表の大きな大会での決勝進出回数は、各地域のそれぞれのスポーツ文化の定着度合に比例 すると考えられる。そのため、観客動員数に正の影響を与えると推測される。 12 1948 年の旧制中学校廃止以後

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37 (9)J2 ダミー J リーグの規模は J1 と J2 では大きく異なると考えられ、その影響をコントロールする ために、J2 に所属する球団を 1、J1 に所属する球団を 0 としてダミー変数を作成し、用い る。J2 と比較して J1 の規模は非常に大きいために、観客動員数に負の影響を与えると考え られる。 第2 項 分析結果 以上のような変数を用い、実際に最小二乗法による分析を2 種類行った。 表8:記述統計量(プロ野球観客動員の地理的要因) 変数 サンプル数 平均 標準偏差 最小値 最大値 観客動員数 12 1825482 611710.5 1194379 2906035 収容人数 12 35845.25 6916.357 22187 47808 人口 12 1377862 1076792 206626 3688773 15 歳-64 歳人口割合 12 66.52868 2.345877 63.06178 71.15372 65 歳以上人口割合 12 19.72652 1.398607 17.35858 22.46771 昼間人口率 12 119.1527 41.35562 86.4505 229.8803 財政力指数 12 0.919167 0.108415 0.69 1.06 失業率 12 6.35 1.346713 4.0 9.1 表9:分散拡大要因(プロ野球観客動員の地理的要因) 説明変数 VIF 1/VIF 15 歳-64 歳人口割合 4.16 0.240596 65 歳以上人口割合 3.05 0.327401 昼間人口率 2.94 0.340351 失業率 2.12 0.47136 財政力指数 1.77 0.56352 人口 1.5 0.668033 収容人数 1.47 0.67804 Mean VIF 2.43

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38 表10:分析結果(プロ野球観客動員の地理的要因) サンプル数:12 変数 係数 標準誤差. T 値 有意性 収容人数 82.71608 14.49605 5.71 *** 人口 -0.02318 0.093805 -0.25 15 歳-64 歳人口割合 -48506.7 71747.24 -0.68 65 歳以上人口割合 -235245 103161.9 -2.28 * 昼間人口率 -2610.55 3421.818 -0.76 財政力指数 596686 1014404 0.59 失業率 28726.74 89290.07 0.32 修正済み決定係数 0.7996 F 値 7.27 ***は 1%水準で、**は 5%水準で、*は 10%水準でそれぞれ有意なことを表す。 表11:記述統計量(J リーグ観客動員の地理的要因) 変数 サンプル数 平均 標準偏差 最小値 最大値 観客動員数 40 208755.7 119846.1 66665 630701 収容人数 40 27882.2 14966.77 10050 72327 人口 38 850725.5 903096.6 61513 3688773 15 歳-64 歳人口割合 38 69.84995 23.59117 60.72538 178.3235 65 歳以上人口割合 38 21.44181 2.329399 16.64651 26.53585 昼間人口率 38 101.8869 8.647889 87.65302 132.7639 財政力指数 38 0.893421 0.190948 0.56 1.36 失業率 39 6.158974 0.934631 4.4 9.1 代表校決勝進出回数 40 4.625 5.452299 0 20 J2 ダミー 40 0.55 0.503832 0 1

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39 表12:分散拡大要因(J リーグ観客動員の地理的要因) 説明変数 VIF 1/VIF 財政力指数 1.99 0.502251 15 歳-64 歳人口割合 1.82 0.550911 失業率 1.71 0.585765 昼間人口率 1.65 0.606448 収容人数 1.47 0.678791 J2 ダミー 1.47 0.679596 人口 1.36 0.73735 代表校決勝進出回数 1.3 0.770541 65 歳以上人口割合 1.27 0.785636 Mean VIF 1.56 表13:分析結果(J リーグ観客動員の地理的要因)サンプル数:38 観客動員数 係数 標準誤差 T 値 有意性 収容人数 4.71216 0.926527 5.09 *** 人口 0.007955 0.014977 0.53 15 歳-64 歳人口割合 -717.386 555.4427 -1.29 65 歳以上人口割合 -4763.78 6717.611 -0.71 昼間人口率 -48.7234 1724.616 -0.03 財政力指数 -106541 85827.2 -1.24 失業率 -20609.9 16022.48 -1.29 代表校決勝進出回数 2035.202 2394.522 0.85 J2 ダミー -95808.2 27959.7 -3.43 *** 修正済み決定係数 0.6641 F 値 9.13 ***は 1%水準で、**は 5%水準で、*は 10%水準でそれぞれ有意なことを表す。 表10・表13が本稿の分析の結果である。結果として、プロ野球観客動員の地理的要因で は「収容人数」、「65 歳以上人口割合」が観客動員数に対して正の影響を与えることが明ら かになった。しかしながら、その他の変数については有意な結果は得られなかった。ま た、J リーグ観客動員の地理的要因では「収容人数」が正の影響を与える一方、「J2 ダミー」 が負の影響を与えることがわかった。しかしながら、その他の変数に関しては有意な結果 を得ることができなかった。

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40 第3 項 考察 上述の分析結果に対し、考察を加える。表10・表 13 中で共通して説明力を持つという 結果を得た「収容人数」に関しては、収容人数が多ければ多いほど、1 試合あたりに来場可 能な観客数が増えるため、観客動員数に正の影響を与えると考えられる。しかしながら、 すべてのチームが毎試合満員になるということはない。そのため、収容人数が多い球場(ス タジアム)では座席にゆとりが生まれリラックスして観戦できることによって観客動員数 に正の影響を与えているとも捉えられる。次に、表10 中で説明力を持つという結果を得た 「65 歳以上人口割合」に関しては、高齢者が階段等の多い球場に足を運ぶハードルが高い ために、観客動員数に負の影響を与えていると考えられる。また、表13 中で説明力を持つ という結果を得た「J2 ダミー」に関しては、J2 は J1 と比較して規模や注目度が小さいた めに、観客動員数に負の影響を与えると捉えられる。 上述の考察より、プロスポーツの観客動員数を増やす地理的要因が明らかになった。第2 節及び第 3 節の分析結果を合わせて考えると、観客動員数を増やすための理想的な本拠地 移転先候補となる条件は「現時点で本拠地とする他球団がない地域」の中で、「収容人数が 多い球場がある」かつ「その球場がある市の65 歳以上人口割合が低い」場所である。

4 節

収容人数の多い球場を持つ市の特徴

前節の分析結果より、「収容人数が多い球場がある」ことが観客動員数を増やすための理 想的な本拠地移転先候補となる条件の 1 つとなることが明らかになった。しかしながら、 新しい球場を作ることで現時点では理想の本拠地移転先候補とならない場所であっても、 将来的には理想の本拠地移転先候補となる可能性がある。そこで、この節では「収容人数 の多い球場を持つ市の特徴」に関する分析を行い、考察を加える。 第1 項 変数選択 1.被説明変数 被説明変数には、J リーグ公式サイト内の統計データをもとに J1・J2 計 40 球団の本拠 地収容人数を用いる。J リーグの本拠地収容人数を用いたのは、幅広い地域に本拠地があり、 十分なサンプル数が得られるためである。 2.説明変数 説明変数については、前節の分析と同じく経済BANK 及び政府統計のデータを用いて作 成している。本稿では以下の7 つを説明変数として選択し、分析を行った。 (1)人口 各球団の本拠地スタジアムがある市の人口を用いる。人口が多ければ多いほど、球場 に足を運ぶ絶対数が増え、収容人数の多いスタジアムの必要性が高まると考えられるため、

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41 収容人数に正の影響を与えると推測される。 (2)15 歳-64 歳人口割合 各球団の本拠地スタジアムがある市の15 歳から 64 歳人口割合を用いる。スポーツ観 戦に訪れる客層は主にこの世代であり、収容人数の多いスタジアムの需要が見込まれると 考えられるため、収容人数に正の影響を与えると推測される。 (3)65 歳以上人口割合 各球団の本拠地スタジアムがある市の65 歳以上人口割合を用いる。65 歳以上の高齢者 層はあまりスポーツ観戦に訪れないために、収容人数の多いスタジアムの需要が小さいと 考えられるため、収容人数に負の影響を与えると推測される。 (4)失業率 各球団の本拠地スタジアムがある市の失業率を用いる。失業率が高い市は失業率対策 に追われ、収容人数の多いスタジアムの建設及び維持費の捻出が難しいと考えられるため に、収容人数に負の影響を与えると推測される。 (5)財政力指数 各球団の本拠地スタジアムがある市の財政力指数を用いる。財政力指数が高い市は財 政に比較的余裕があるために、収容人数の多いスタジアムの建設及び維持費の捻出に対す るハードルが低いと考えられるため、収容人数に正の影響を与えると推測される。 (6)代表校決勝進出回数 J リーグ各球団の本拠地スタジアムがある、各都道府県の高校サッカー代表校の全国高 等学校サッカー選手権大会における決勝進出回数を用いる。高校生の各都道府県における 代表の大きな大会での決勝進出回数は、各地域のそれぞれのスポーツ文化の定着度合に比 例し、そのスポーツの注目度も高まるために集客が見込まれると考えられる。そのため、 収容人数に正の影響を与えると推測される。 (7)歳入額 各球団の本拠地スタジアムがある市の歳入額を用いる。歳入額が多ければ多いほど、 スタジアム建設費用を出しやすいとために、収容人数に正の影響を与えると考えられる。

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42 第2 項 分析結果 以上のような変数を用い、実際に最小二乗法による分析を行った。 表14:記述統計量(収容人数の多い球場の立地) 変数 サンプル数 平均 標準偏差. 最小値 最大値 収容人数 40 27882.2 14966.77 10050 72327 人口 38 850725.5 903096.6 61513 3688773 15 歳-64 歳人口割合 38 69.84995 23.59117 60.72538 178.3235 65 歳以上人口割合 38 21.44181 2.329399 16.64651 26.53585 失業率 39 6.158974 0.934631 4.4 9.1 財政力指数 38 0.893421 0.190948 0.56 1.36 代表校決勝進出回数 40 4.625 5.452299 0 20 歳入額 39 174.0116 363.0946 0.019585 1642.643 表15:分散拡大要因(収容人数の多い球場の立地) 説明変数 VIF 1/VIF 財政力指数 1.85 0.540138 人口 1.82 0.54938 歳入額 1.81 0.553987 65 歳以上人口割合 1.7 0.587207 失業率 1.3 0.771042 代表校決勝進出回数l 1.24 0.805838 15 歳-64 歳人口割合 1.24 0.809714 Mean VIF 1.56 表16:分析結果(収容人数の多い球場の立地) サンプル数:38 変数 係数 標準偏差 T 値 有意性 人口 0.000874 0.003268 0.27 15 歳-64 歳人口割合 14.79957 103.0403 0.14 65 歳以上人口割合 46.03171 1225.415 0.04 失業率 -703.439 2630.119 -0.27 財政力指数 21551.72 15586.77 1.38 代表校決勝進出回数 -296.38 440.9768 -0.67 歳入額 21.54412 8.011414 2.69 ** 修正済み決定係数 0.2353 F 値 2.63 ***は 1%水準で、**は 5%水準で、*は 10%水準でそれぞれ有意なことを表す。 表 16 が本稿の分析の結果である。結果として、「歳入額」が収容人数に対して正の影響

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43 を与えることが明らかになった。しかしながら、その他の変数については有意な結果は得 られなかった。 第3 項 考察 上述の分析結果に対し考察を加える。表16 中で説明力を持つという結果を得た「歳入額」 に関しては、歳入額が多ければ多いほど、スタジアム建設費用を出しやすいとために、収 容人数が多いスタジアムが建設されやすいと考えられる。 つまり、現時点では収容人数の多い球場がないために理想の本拠地移転先候補とならな い場所であっても、歳入額が多い市では将来的に収容人数の多い新球場の建設によって理 想の本拠地移転先候補となり得ると言える。

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4 章 結論

本稿の分析結果から、球団本拠地のある地域に他球団の本拠地がない場合、観客動員数 に正の影響を与えることが明らかになった。そこで本稿では、球団の本拠地移転を前提に プロ野球の経営改革について言及する。

1 節 本拠地移転すべき球団

第 1 章で述べた通り、ボールパーク化と関東集中については大きな問題があると考えら れる。また、それらの問題が大きいのはヤクルト及び横浜DeNA であり、観客動員数も慢 性的に伸び悩んでいる。この点を踏まえ、本拠地移転すべき球団は、ヤクルト及び横浜DeNA の2 球団であると考えられる。

2 節 理想の本拠地移転先

本稿での分析結果を踏まえて、理想の本拠地移転先を導き出す。候補地となるのは表13 の通りである。 表17:理想の本拠地移転先候補13 所在地 球場名 NPB 公式戦開催実績 収容人数 富山市

富山市民球場アルペンスタジアム

有 30,000 新潟市

新潟県立鳥屋野潟公園野球場

有 30,000 松山市 松山中央公園野球場 有 30,000 長野市 長野オリンピックスタジアム 有 30,000 徳島市 徳島県営蔵本球場 無 15,976 高松市 香川県営野球場 有 22,000 高知市 高知市野球場 無 6,000 福井市 福井県営球場 有 22,000 金沢市 石川県立野球場 有 17,126 甲府市 山梨県小瀬スポーツ公園球場 無 19,955 宮崎市 宮崎県総合運動公園硬式野球場 有 30,000 鹿児島市 鹿児島県立鴨池野球場 有 21,000 表12 の分析結果より「収容人数が 1 人増加するごとに、年間観客動員数が 82.71608 人 増加する」、「65 歳以上人口が 1%増加するごとに、年間観客動員数が 235245 人減少する」 13 2014 年 1 月現在で本拠地とする球団がない地域に含まれる県の県庁所在地にある球場

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45 ことが明らかになっている。そこで候補地となる市の球場収容人数及び65 歳以上人口割合 の中央値を基準とし、基準値からの年間観客動員数の増減を算出する。算出結果を以下の 表14・表 15 にまとめた。 表18:候補地の収容人数及び 65 歳以上人口割合 候補地 候補地球場収容人数 候補地65 歳以上人口割合 富山県富山市 30,000 24.31574133 新潟県新潟市 30,000 23.07806001 愛媛県松山市 30,000 21.70016878 長野県長野市 30,000 24.81579823 徳島県徳島市 15,976 23.23094486 香川県高松市 22,000 22.33202759 高知県高知市 6,000 23.27799344 福井県福井市 22,000 24.01497774 石川県金沢市 17,126 20.8629188 山梨県甲府市 19,955 24.60048645 宮崎県宮崎市 30,000 21.23105574 鹿児島県鹿児島市 21,000 21.03603886 中央値 22,000 23.155 表19:歳入額及び中央値を基準とした年間観客動員数の増減 候補地 増減(収容人数) 増減(65 歳以上人口割合) 増減合計 歳入額(億) 富山市 661728.6 -273174.4822 388554.1578 1660.76 新潟市 661728.6 17982.62149 679711.2615 3541.09 松山市 661728.6 342123.2651 1003851.905 1763.70 長野市 661728.6 -390809.8693 270918.7707 1508.90 徳島市 -498282 -17982.62149 -516264.2874 932.17 高松市 0 193482.2721 193482.2721 1530.39 高知市 -1323457 -29050.51745 -1352507.797 1433.25 福井市 0 -202421.6521 -202421.6521 1047.74 金沢市 -403158 539081.2999 135923.126 1760.14 甲府市 -169154 -340159.0644 -509313.448 726.41 宮崎市 661728.6 452479.2948 1114207.935 1556.36 鹿児島市 -82716.1 498355.8445 415639.7645 2364.92

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46 表14・表 15 は候補地となる市の歳入額、球場収容人数及び 65 歳以上人口割合の中央値 を基準とし、基準値からの年間観客動員数増減の算出結果である。

3 節 結論

前項の表14・表 15 の算出結果から、本拠地移転先候補として最も理想的であるのは宮崎 市であり、次に理想的であるのは松山市であるということが明らかになった。 ここで、宮崎市の宮崎県総合運動公園と神宮球場を例にとってみる。これまでの分析結 果をもとに算出すると、宮崎県総合運動公園よりも神宮球場の方が、年間55 万人ほど観客 動員数が多い結果になる。1 人あたりのチケット単価を 2,000 円とすると、チケット収入に 関しては神宮球場の方が年間約11 億円多くなる。しかし、球場営業権を保有した場合、球 場飲食収入だけで約12 億円を見込むことができる。(第 1 章表 1 図 2 より)更に看板広告 収入、グッズ収入などを考慮すれば、約11 億円のマイナスを十分カバーできると考えられ る。 また、第3 章での収容人数が多い球場は歳入額が大きい市にある傾向があるという本稿 の分析結果から、現在十分な収容人数の球場がない地域でも歳入額が大きければ将来的に は収容人数が多い球場が建設される可能性も考えられる。それを踏まえ、理想の本拠地移 転候補地の中で65 歳以上人口割合が 2 番目に低く、歳入額が 2 番目に大きい鹿児島市は将 来的に理想の本拠地移転先となり得ると結論付けられる。

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おわりに

本稿では、プロ野球界の現状を整理した後、統計解析による観客動員分析を行った。 まず、観客動員数と球場営業権の観点から、ヤクルトスワローズと横浜DeNA ベイスタ ーズの2 球団が本拠地移転を行うべきである球団だと位置付けた。そして統計解析により、 現時点で本拠地とする他球団がない地域に移転するという対策をとることで、観客動員数 を増加させることが可能であると分かった。更に、プロスポーツの観客動員数を増加させ る地理的要因として「球場の収容人数」と「65 歳以上の人口割合」が認められ、本拠地移 転先候補として最も理想的なのが宮崎市、次に松山市であることが分かった。また、収容 人数が多い球場は歳入額が大きい市にあるという傾向から、将来的には鹿児島市も本拠地 移転先候補になりうると結論付けた。 最後に、本稿が今後のプロ野球界の更なる発展の一助となることを願い、本稿を締めく くる。

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【謝辞】

本稿の作成に当たっては、ご指導を頂いた中川功一准教授(大阪大学大学院経済学研究 科)をはじめ、多くの方々から有益かつ熱心なコメントを頂戴した。ここに記して感謝の 意を表したい。

【参考文献】

・プロ野球本拠地住民の観戦意図に影響を及ぼす要因(原田、三浦、宮田1998) ・球団本拠地‐地域密着型経営へ変貌しつつあるプロ野球‐(山口2006) ・プロ野球における人気低下の原因とその対策に関する研究(荒木2006) ・プロ野球を対象とした顧客ロイヤルティ向上要因に関する研究(坂田、田中、富田、後 藤2008) ・プロスポーツビジネスにおける競争的使用価値の考察(田中2008) ・日本におけるスポーツ経営の課題と将来(植松、大賀、笠井、坂口、佐藤、徳中、水谷 2008) ・日本プロ野球界におけるフランチャイズ移転の可能性に関する研究(森本2009) ・日本プロ野球1 リーグ制導入の妥当性(栗林 2009) ・プロ野球の観戦動機に関する研究‐世代間およびJ リーグとの比較分析‐(ベク 2009) ・わが国のプロ野球におけるマネジメントの特徴とその成立要因の研究(福田2011) ・プロ野球経営に関する研究(佐藤2012) ・プロ野球の観客動員数増加のための試合日程編成問題(長谷川、牧野、永島2012) ・朝日新書『パ・リーグがプロ野球を変える 6 球団に学ぶ経営戦略』大坪正則 著(2011) ・NHK 放送文化研究所 HP(http://www.nhk.or.jp/bunken/index.html) ・公益財団法人野球体育博物館HP(http://www.baseball-museum.or.jp/) ・国税庁HP(http://www.nta.go.jp/index.htm) ・総務省統計局HP(http://www.stat.go.jp/) ・日本野球機構オフィシャルサイト(http://www.npb.or.jp/) ・日本プロ野球選手会 公式ホームページ(http://jpbpa.net/) ・プロ野球ライブ中継 パリーグ TV(http://www.pacificleague.jp/company/) ・J リーグ公式サイト(http://www.j-league.or.jp/) ・stckr 政府統計データをチャートで見る(http://stckr.net/) ・経済BANK(http://www.keizai-bank.com/)

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