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④澤聡美.pwd

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1.問題の所在と本稿の目的 近年運動する子どもとそうでない子どもの二極化 や,一週間の総運動時間が60分未満である子ども の多さが指摘されている。2012年全国体力調査報 告書(1)によると,運動時間が少ない中学生女子は 運動が「苦手」「嫌い」「楽しくない」と答えており, 一週間の総運動時間が長い人ほど「運動やスポーツ が得意」「運動やスポーツが好き」に加えて「保健 体育授業は楽しい」と回答している。子どもの体力 低下,不活動,肥満は世界的な問題として認識され ており(2),幼児期からの遊びや体育授業を充実させ, 積極的に体を動かす環境を整えていくことは今日的 課題(3)(4)である。また運動する子もそうでない子 も全ての児童が運動している時間は体育の授業しか ないため,体育授業の充実が期待されている(5) 富山大学は教養教育において健康スポーツを必修 としている。著者は様々な学部においてフィットネ スを担当し,積極的に体を動かすことを楽しみに受 講する学生と必修だからというネガティブな選択で 受講する学生に出会い,運動の二極化が見られるの は大学においても同様であると感じてきた(6)(7)。こ のような大学生は高等学校までに受けてきた体育授 業に関してどのような意識を持って来たのだろうか。 体育授業研究の方法の一つとして「子どもによる授 業評価法」がある。この方法は授業を直接受けた学 習者に評価させ,授業改善のための情報を得ようと するものである(8)。子どもによる体育授業評価構造 を最初に明らかにしたのは小林である(8)。小林は 1958年に高校生198名に行った体育授業の意識調 査の結果(9)(10)をもとに「体育授業に喜びを感じる ことのできない生徒は,その原因を教師に求める傾 向が強く」,「教師の運動技術の指導に対する不満・ 恨みが体育方法に対する評価と強く結び付いている」 と報告している。深見ら(11)は高橋(12)の「体育授業 に対する総合的評価に対して最も規定力をもつのは 『楽しさ』に代表される『意欲・関心』次元であり, 体育授業の成否を決定づける要因であるといっても 過言ではない」という考えや複数の先行研究から運 動・スポーツに対する生徒の満足度を規定する主要 因が「楽しさ」であることから,「楽しい」という 評価を「満足度」としている。「体育授業は運動嫌 いの学習者が運動に参加する最後のチャンス」(13) 人間発達科学部紀要 第 11 巻第 3 号:31-37(2017) 学術論文

楽しい体育授業の満足度に影響する要因

聡美

Factors Affecting the Satisfaction of Physical Education Class

Satomi SAWA

摘 要 本論は1958年に小林が高校生を対象に行った体育授業の意識調査と2013年~2016年に大学生,短大生,保育士を対 象に行った体育授業の意識調査の結果を比較し,近年の学生達が高等学校までに経験した体育授業に対する満足度とそ の理由及び要因にはどのような特徴があるのかを明らかにし,大学におけるこれからの体育授業のあり方を検討した。 近年の学生達は高等学校までの体育授業に対して約7 割が楽しかったと回答し,約 3 割が楽しくなかったと回答してい た。先行研究では体育授業の楽しさの要因は「自分」であったが本研究では「友人」という回答が得られた。一方で, 先行研究において体育授業が楽しくなかったと回答した約半数が「教師」を要因として挙げていたが本研究では「自分」 であった。理由の分析から体育授業の楽しさや満足度の背景には教師の工夫された授業計画や指導行為が関与し,教師 と生徒,生徒同士の肯定的な相互作用が多く,それが体育授業の楽しさに影響していることが分かった。一方で,体育 授業が楽しくなかった人は教師や友人との相互作用において肯定的な経験が少ないことが分かった。多くの人が最終教 育機関となる大学は運動や体育授業に対する満足度を高め,生涯にわたって運動に親しむための運動の価値観を定着さ せる重要な時期である。今後の授業において教師と受講者,受講者同士の関わりや学びあいを多く取り入れた,社会的 相互作用を高める授業づくりが望まれる。 キーワード:体育授業,学生の授業評価,ラベルワーク

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72.6% 76.3% 27.4% 23.7% 0% 20% 40% 60% 80% 100% ᧄ⎇ⓥ n=800 వⴕ⎇ⓥ n=198 ᭉߒ߆ߞߚ ᭉߒߊߥ߆ߞߚ 35.3% 62.3% 8.7% 17.2% 50.1% 15.2% 5.9% 5.3% であることから,多くの人が最終教育機関となる大 学は運動や体育授業に対する満足度を高め,生涯に わたって運動に親しむための運動の価値観を定着さ せる重要な時期である。 本研究の目的は,1958年に小林が高校生を対象 に行った体育授業の意識調査の結果(以下先行研究 とする)(9)(10)と2013年~2016年に大学生,短大生, 保育士を対象に行った体育授業の意識調査の結果 (以下本研究とする)を比較し,近年の学生達が高 等学校までに経験した体育授業に対する満足度とそ の理由及び要因にはどのような特徴があるのかを明 らかにし,大学におけるこれからの体育授業のあり 方を検討することである。 2.方法 1)調査の対象と期間 対象者は2013年度~2016年度に著者が担当した 大学及び短期大学の授業と保育士を対象とした実技 講習会に参加した受講者であった。授業や講習会の 初めに受講者を対象にアンケート調査を依頼し,協 力を得られた800名を対象者とした。対象とした授 業科目は健康スポーツ実技科目フィットネス,健康 スポーツ論,スポーツと発育発達,幼児体育,保育 内容(健康)である。 2)調査票の内容と手続き アンケート調査を実施するにあたり,授業前に受 講者に調査の内容と説明を行った。表 1は体育授業 に関する調査票を示したものである。小林の先行研 究(9)(10)に倣って,①体育授業は楽しかったかどう か,②①の理由,③①の要因について調査するもの である。 調査のインフォームドコンセントと許可を得られ た受講者には,この調査は成績とは関係ないこと, 無理に回答する必要はないことを説明した。 3)統計解析の方法 統計解析の手続きは IBM SPSSStatics21を用い て Pearsonのχ2検定を行った。危険率はいずれも 5%未満とした。体育授業が楽しかったかどうかの 理由の分析は調査で得られた362名の自由記述の回 答のうち,内容が一つになるように文を区切り体育 授業が楽しかった群274センテンスと体育授業が楽 しくなかった群106センテンスに分けラベル図 考(14)(注 1)を用いて分析を行った。 3.結果 性別による要因の差は認められなかったため,本 研究の分析ではまとめて取り扱うこととした。 1)体育授業の楽しさ,体育授業の満足度 図 1は体育授業が楽しかったと回答した人と楽し くなかったと回答した人の割合を先行研究(9)(10) 比較したものである。約 7割の人が体育授業は楽 しかったと回答し,約 3割の人は楽しくなかった と回答しており,先行研究と同等の割合であった。 2)体育授業の楽しさ,体育授業に対する満足度の 要因について 図 2は体育授業が楽しかったと回答した人の要 因を先行研究(9)(10)と本研究の結果を比較したもの である。先行研究において,体育授業が楽しかった と回答した 6割以上が「自分」を要因として挙げ ており,約 2割が「教師」と「友人」であった。 一方,本研究において最も多かった要因は約半数が 「友人」であり,次に約 4割が「自分」であった。 図 3は体育授業が楽しくなかったと回答した人 の要因を先行研究(9)(10)と本研究の結果を比較した ものである。先行研究において体育授業が楽しくな かったと回答した約半数が「教師」を要因として挙 表1.体育授業に関する調査票 これまで小学校,中学校,高等学校で受けてきた体育 授業について教えてください。 ① 体育授業は楽しかったですか (楽しかった / 楽しくなかった) ② その理由は何ですか。(自由記述) ③ その要因は何ですか。以下から選んでください。 (自分 /教師 /友達 /その他) 図1.体育授業に対する満足度の比較 (n=998,χ(1)=1.2 074,p=0.172)

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77.1% 42.6% 11.2% 44.7% 2.1% 12.8% 9.6% 0.0% 85.3% 37.5% 12.4% 9.2% 2.4% 53.3% 0% 20% 40% 60% 80% 100% ᭉߒߊߥ߆ߞߚ n=170 ᭉߒ߆ߞߚ n=413 ⥄ಽ ᢎᏧ ෹ੱ 77.1% 42.6% 11.2% 44.7% 2.1% 12.8% 9.6% 0.0% 0% 20% 40% 60% 80% 100% ᧄ⎇ⓥ n=188 వⴕ⎇ⓥ n=47 ⥄ಽ ᢎᏧ ෹ੱ ߘߩઁ 85.3% 37.5% 12.4% 9.2% 2.4% 53.3% 72.6% 76.3% 27.4% 23.7% 35.3% 62.3% 8.7% 17.2% 50.1% 15.2% 5.9% 5.3% 0% 20% 40% 60% 80% 100% ᧄ⎇ⓥ n=439 వⴕ⎇ⓥ n=151 ⥄ಽ ᢎᏧ ෹ੱ ߘߩઁ げており,ついで約 4割が「自分」を挙げていた。 本研究において最も多かった要因は「自分」であり 約 8割を占めており,その他の要因は約 1割以下で あった。 3)体育授業が楽しかった人と楽しくなかった人の 要因の比較 図 4は本研究において体育授業が楽しかったと 回答した人と楽しくなかったと回答した人のその要 因を比較した結果である。「その他」に回答した人 と複数回答した人を除外し「自分」「教師」「友人」 の要因で分析した結果,体育授業が楽しかった人に おいて約半数が「友人」を最大の要因としており, 次に「自分」,「教師」の順であった。一方で体育授 業が楽しくなかった人の最大要因は「自分」であり 約 9割を占めており,「教師」は約 1割,「友人」は 2.4%という,わずかな回答だった。 4)授業に対する意識の自由記述の分析 図 5は体育授業が楽しかったと回答した人の自 由記述,図 6は体育授業が楽しくなかったと回答 した人の自由記述の分析結果である。図 5より, 体育が楽しかった人に最も多い記述は「13.友達と 運動するのが楽しかった」であり,次いで「3.体 を動かすことが楽しい,好き」,「2.体育や運動が 好き」であった。図 6より,体育が楽しくなかっ た人に最も多い記述は「2.体育や運動が苦手」で あり,次いで「12.内容によっては楽しくなかった」, 「18.教師の授業の仕方が嫌だった」であった。 図 5より体育授業が楽しかったと回答した人の 自由記述によると,「友人と一緒に運動すると,運 動が苦手でも楽しかった」,「上手な人もあまり上手 でない人も楽しめる仲の良さがあったから」等,運 動を通じた友人との関わりを体育授業の楽しさと感 じていることが分かった。また,幼少期からの運動 経験があったことから抵抗なく運動に参加すること ができ,体を動かすことや体育や運動そのものが好 きで課題の克服や達成感も感じていた。「20.教師 の授業計画や指導行為が良かった」というカテゴリー に分類した記述内容は「好き・嫌い・得意・苦手な ど関係なく全員参加できたし,先生も運動が苦手な 子のことをしっかり考えてくれていたから」,「教師 の指導がよく,友人と協力・競争して楽しかった」, 「教師の授業が分かりやすく,友達と楽しくできた」 と記載されており,受講者が回答した体育授業の楽 しさや満足度の背景には教師の工夫された授業計画 や指導行為が関与していることが分かった。受講者 は生徒自らが選択できるような主体性を促す仕組み や強制されない自由な雰囲気を評価し,教師と生徒, 生徒同士の肯定的な関わりを持つ運動に対し満足し ていることが分かった。 図 6より体育授業が楽しくなかったと回答した 人は,体育や運動が苦手だと感じてきた人が多く, 「3.元から運動神経が悪い」と感じていた。「9.座 学の方が得意」や「10.楽しくなく,興味もなく, 楽しい体育授業の満足度に影響する要因 図2.体育授業が楽しかった人の要因の比較 (n=590,χ(3)=60.2 19,p=0.000) 図3.体育授業が楽しくなかった人の要因の比較 (n=235,χ(3)=44.2 52,p=0.000) 図4.本研究の体育が楽しかった人と楽しくなかっ た人の要因の比較 (n=583,χ(2)=135.2 83,p=0.000)

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5.ㆇേ䈏ህ䈇(3) 3.ర䈎䉌ㆇേ䈏䈪䈐䈭䈇(10) 1.ㆇേ䈏ᓧᗧ䈪䈲䈭䈇䇮ਅᚻ䈣䈦 䈢䇮ㆇേ␹⚻䈏ᖡ䈎䈦䈢(8) 9.ᐳቇ䈱ᣇ䈏ᓧᗧ(2) 12.ౝኈ䈮䉋䈦䈩䈲ᭉ䈚䈒䈭䈎䈦䈢(13) 2.૕⢒䉇ㆇേ䈏⧰ᚻ(22) 6.㒽਄䈏⧰ᚻ䈪ህ䈣䈦䈢䈎䉌(6) 7.⃿ᛛ䈏⧰ᚻ䈪ህ䈣䈦䈢䈎䉌(3) 8.ེ᪾ㆇേ䈏⧰ᚻ䈪ህ䈣䈦䈢䈎䉌(3) 11.ቇᩞ䈮䉋䈦䈩ᭉ䈚䈘䈮ᄌൻ䈏䈅䈦䈢(3) 4.᦯ⵝ䉇ⅣႺ䈏ህ(3) 15.䉂䉖䈭䉋䉍䈪䈐䈝๟䉍䈮ㅅᖺ䈎䈔๟䉍䈱㔓࿐᳇䉕ᖡ䈒䈜䉎(5) 14.๟䉍䈮䈧䈇䈩䈇䈔䈭䈇(4) 18.ᢎᏧ䈱᝼ᬺ䈱઀ᣇ䈏ህ䈣䈦䈢(11) 10.ᭉ䈚䈒䈭䈒䇮⥝๧䉅䈭䈒䇮ᔅⷐ䈫ᕁ䈋䈭䈎䈦䈢䈎䉌(4) 17.䈪䈐䈭䈇䈖䈫䈏ᄙ䈒䈩䉇䉌䈘䉏䈢ᗵ䈏䈅䈦䈢(2) 16.䈪䈐䉎ੱ䈣䈔䈪⋓䉍਄䈏䈦䈩䈇䈢䈎䉌(1) ㆇേ䈏⧰ᚻ䊶ህ䈇䊶䈪䈐䈭䈎䈦䈢(58) ㆇേ䈮⥝๧䈏ᜬ䈩䈝ᭉ䈚䈒䈭䈎䈦䈢(25) ๟䉍䈫Ყセ䈚䈩䈪䈐䈭䈎䈦䈢䈎䉌(10) ᢎᏧ䈱ᜰዉⴕὑ䈏⦟䈒䈭䈎䈦䈢䋨13䋩 13.ห䈛⒳⋡䈚䈎䉇䉌䈭䈎䈦䈢䈎䉌(3) 必要と思えなかったから」の記述内容から,体育や 運動に対しての価値観は「できる,できない」,「嫌 い」に固執していた。「自分が苦手なのが一番だが 教師もしっかり教えてくれないし友人にも迷惑をか けるし,クラスの人がバカにしてきたから」,「教師 も運動が得意な人中心の授業をしていたから」,「教 師には努力を認めてもらえず,存在を無視されてい たから」,「できないことが多くてやらされた感があっ た」,「先生によっては苦手な生徒も参加できるよう な授業だったのでその時は楽しかった。自分と先生 との相性もあると思う」という記述内容から,自分 が運動に対し苦手意識を持っていたことが楽しくな かった最大要因であると認めてはいるものの,苦手 でも運動に参加できる授業内容で,できなくても努 力したことを教師に評価して欲しかったという教師 への思いがあることも分かった。 4.考察 本研究の結果から,近年の学生達は小学校・中学 校・高等学校で受けてきた体育授業に対して約 7 割が楽しかったと回答し,約 3割が楽しくなかっ たと回答していた。この結果は1958年の小林の先 行研究(9)(10)で高校生を対象に行った調査と同程度 であり,体育授業に対する満足度の割合は今も昔も 図5.体育が楽しかった理由の分析 ( )は回答数を示したもの 図6.体育が楽しくなかった理由の分析 ( )は回答数を示したもの 25.⦡䇱䈭䉴䊘䊷䉿䈏䈪䈐䈢䈎䉌(4) 24.ᅢ䈐䈭⒳⋡䈏䈪䈐䈢䈎䉌(4) 10.⿛䉎䈱䈏ᅢ䈐䈣䈦䈢䈎䉌(2) 9.⃿ᛛ䈏ᅢ䈐䈣䈦䈢䈎䉌(10) 26.ౝኈ䈏⦟䈎䈦䈢(6) 21.⥄↱䈭㔓࿐᳇䉇ㆬᛯᕈ䈏⦟䈎䈦䈢(8) 23.ౝኈ䉕⥄ಽ䈢䈤䈪ㆬᛯ䈜䉎䈖䈫䈏䈪䈐䈢䈎䉌(8) 8.⚻㛎䈏䈅䈦䈢䈎䉌ᛶ᛫䈭䈒䈪䈐䈢(2) 27.ౝኈ䉇ᤨᦼ䈮䉋䈦䈩䈲ᭉ䈚䈎䈦䈢(6) 5.⹜ว䈏ᭉ䈚䈎䈦䈢(2) 4.ᭉ䈚䈇(8) 11.᳇ಽォ឵䇮䉴䊃䊧䉴⸃ᶖ(16) 20.ᢎᏧ䈱᝼ᬺౝኈ䈏⦟䈎䈦䈢(5) 19.ᢎᏧ䈏⦟䈎䈦䈢(9) 18.ᢎᏧ䈏ⶋ䉄䈩䈒䉏䈢䈎䉌(4) 17.ખ⦟䈚䈭㔓࿐᳇䈣䈫ㆇേህ䈇䈪 䉅ᭉ䈚䉄䉎(4) 2.૕⢒䉇ㆇേ䈏ᅢ䈐 (38) 6.૕䉕േ䈎䈞䉎䈖䈫䈏䈪䈐䉎䈎䉌(6) 1.૕⢒䈏ᓧᗧ(4) 3.૕䉕േ䈎䈜䈖䈫䈏ᭉ䈚䈇䇮ᅢ䈐(46) 7.㆐ᚑᗵ䈏䈅䈦䈢䇯䈪䈐䈭䈇䈖䈫䈏䈪䈐䉎䉋䈉䈮 䈭䉍䇮ಽ䈎䉎⚻㛎䈏䈅䈦䈢(9) 13.෹㆐䈫ㆇേ䈜䉎䈱䈏ᭉ䈚䈎䈦䈢(60) 14.๟䉍䈱ੱ䈏ㆇേᅢ䈐䈣䈦䈢䈎䉌(3) 12.෹㆐䈫ㆇേ䈜䉎䈖䈫䈮䉋䈦䈩ᓧ䉌䉏䈢䈖䈫䈏䈅䈦䈢䈎䉌(5) 22.╉㗻䈱ᄙ䈇㔓࿐᳇䈱䈇䈇᝼ᬺ䈣䈦䈢(3) 15.෹㆐䈏ബ䉁䈚䈩䈒䉏䈢(1) 16.ౝኈ䈪䈲䈭䈒⺕䈫䉇䉎䈎䈏㊀ⷐ(1) ㆇേ䉇૕⢒䈏ᅢ䈐䈪䇮ᭉ䈚䈇⚻㛎䉇㆐ᚑᗵ䈏䈅䈦䈢(143) ᢎᏧ䈱᝼ᬺ⸘↹䉇ᜰዉⴕὑ 䈏⦟䈎䈦䈢(18) ᅢ䈐䈭⒳⋡䉕ㆬᛯ䈪䈐䇮㔓࿐᳇䈱䈇䈇 ᝼ᬺౝኈ䈏⦟䈎䈦䈢(39) ৻ੱ䈪ㆇേ䈜䉎䉋䉍䉅䇮෹㆐䈫ㆇേ䈜䉎䈖䈫䈏ᭉ䈚䈎䈦䈢(74)

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変化していないということが分かった。 先行研究(9)(10)では体育授業の楽しさの要因は 「自分」であったが本研究では半数以上の人が「友 人」を最大要因としており,自由記述で最も多い内 容は「友達と運動するのが楽しかった」であった。 体育科に関しては平成11年に改定された学習指 導要領(15)において「体操」から「体つくり運動」 に領域名が変更し,心と体の健康の維持増進を目的 とした運動内容が取り入れられた。「体つくり運動」 の領域には体力を高める運動と,体ほぐしの運動が あり,後者は「自己の体に気づき,体の調子を整え たり,仲間と交流したりするいろいろな手軽な運動 や律動的な運動をすること」をねらいとした,「技 能」ではなく運動するという「経験」を重視してい る。高橋(16)は近年の体育授業の教材作りにおいて 「体ほぐし運動が位置づいたように,体と心の発達 や社会的発達の観点から運動の価値が再評価される ようになっており,そのような発達にふさわしい教 材作りが求められている」と述べている。アメリカ のナショナル・スタンダードにおける学習成果の基 準の一つにも「健康,楽しみ,挑戦,自己表現及び 社会的相互作用のための身体活動に価値をおく (Valuesphysicalactivityforhealth,enjoyment,

challenge,self-expression,and/orsocialinterac

tion)」(17)とされている。このことから近年の国内 外の保健体育科の内容は他者との関わりを重視した 社会的相互作用にも価値が置かれるようになってお り,本研究のアンケート調査に協力した受講者が高 等学校までに受けてきた体育授業にもその効果は反 映されているのではないかと推察する。 杉原(18)は運動が好きになるきっかけは「能力」 「面白さ」「対人的交流」,高田(19)は子どもが好む 体育授業は「快適な運動」,「技術の伸長」,「明るい 交友」,「新しい発見」としている。両者ともに交流 を挙げていることからも教師や友人との関わりの楽 しさ,つまり社会的相互作用の価値に気づくことが できることは体育授業に対する満足度を上げるので はないかと考える。 岡澤(20)は運動が上手にできるという自信である 「身体的有能さの認知」,努力すれば,練習すればで きるようになるという自信である「統制感」,指導 者や仲間から受け入れられているという自信である 「受容感」の 3つの因子で構成した運動有能感尺度 を開発し,運動が苦手な学習者を内発的に動機づけ るためには「統制感」と「受容感」を高める方法を 検討することが有効であるとしている。本研究でも 運動が楽しかった人の自由記述には「7,達成感が あった。できないことができるようになり,分かる 経験があった」という内容があり,「統制感」を感 じている。さらに友人や教師との関わりを肯定的に 評価していたことから「受容感」も高いと推察され る。しかし,運動が楽しくなかった人の自由記述に は運動有能感を推察できる内容は見られなかった。 杉原(21)は運動場面で練習しても上達しないという 事実に気づき,上達しない原因は自分に能力がない ためだと考え,努力しても上達しないと考えると学 習性無気力感に陥るとしている。本研究の図 6の 「運動が苦手・嫌い,できなかった」,「運動に興味 が持てず楽しくなかった」に属する記述からは幼少 期からの運動経験の不足により,「元から運動がで きない」と思い,「体を動かす行為に興味はない」 というような学習性無力感を感じさせる内容であっ た。さらに,「教師の指導行為が良くなかった」, 「周りと比較してできなかった」に属する記述から は「運動が苦手だし,教員には努力を認めてもらえ ず,存在を無視されていたから」,「皆の前で恥ずか しい思いをしたから」等が記載されており,教師や 友人との相互作用において肯定的な関わりの経験も 少ないことが分かった。 岡澤(22)は教材・教具づくり,指導スタイル,教 師の行動が運動有能感を高めると報告している。高 橋は(23)「実際の授業場面においては,教材でねら いとした事柄が子どもたちに正しく学習されないケー スがしばしば生じる。特に能力の低い子どもにおい てはそうであり,教師の適切な働きかけや導きが不 可欠になる」と,運動や体育授業に対してネガティ ブな気持ちを抱いる生徒への教師の状況に応じた柔 軟な対応の重要性を述べている。さらに,梶尾(24) は運動が苦手な子は教師から言葉をかけられた喜び を多く味わっておらず教師から助言されるという期 待感も少ないことを報告し,賞賛したり励ましたり 個人内の伸びを指摘したりして肯定的な言葉かけを 多くかけることが大事であると述べている。 今後の大学体育において運動や体育授業に対する 満足度を高め,生涯にわたって運動に親しむための 運動の価値観を定着させるためには,運動の得意不 得意に関わらず,各自の能力に応じた快適な運動で あること,個人の技術の伸長に気づくことができ, 楽しい体育授業の満足度に影響する要因

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友人との楽しい関わりを多く取り入れ,運動に対す る新しい価値観や意味づけを得られるような工夫が 望まれる。そのためには能力主義にとらわれず第一 に運動の経験を大切にすること,運動が苦手で運動 に対して消極的な受講者においては,教師の働きか けや導き方のさらなる工夫も必要であると考える。 教師や受講者同士の関わりが多い授業では,体育授 業が楽しかったと思う群が感じている「笑顔の多い 雰囲気のいい授業」,「仲良しな雰囲気だと運動嫌い でも楽しめる」というような,お互いを尊重し合え る学習集団になることができると考える。教師と受 講者,受講者同士の関わりや学びあいを多く取り入 れた,社会的相互作用の多い授業づくりが望まれる。 脚注 *注 1 ラベル図考(14) ラベルやカードなど付箋を学習や思考の道具とし て用いる方法は,日本では1960年代後半から散見 され,川喜田次郎の KJ法,梅託忠雄のこざね法, 中山正和の NM 法等,ビジネスマンの「知的生産 の創造性技術・技法」として用いられ始めた。教育 界では21世紀に入った頃から新しい学力観に立つ 教育の構想が具体化され,1995年頃から教育界に おいて林善樹のラベルワークの理論と実践が構築さ れた。 著者は2004年から林にラベルワークを習 い(25),授業実践や質的研究の分析方法(26)(27)とし て用いてきた。本研究では自由記述の内容の分析方 法として,ラベルを用いて図解づくりを行う「ラベ ル図考基本型」(14)を用いて分析を行った。 参考・引用文献 (1)文部科学省 HP.平成25年全国体力運動能力, 運動習慣等調査事例報告のまとめ第 7章運動が 苦 手 ・ 運 動 し な い 女 子 を つ く ら な い た め に p.168

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