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サトウキビの茎・根・葉の遊離アミノ酸-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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サトウキビの茎・根・棄の

遊離アミノ酸

松井年行・北川博敏

FREE AMINO ACIDSIN STALKS,

ROOTS AND LEAVES OF SUGARCANES

Toshiyuki MATsUI and Hirotoshi KITAGAWA

We report on the changes of contents of free amino acidsin stalks,rOOtS andleaves of two varieties

Of sugarcane,‘Chikusha’,and’N:CO310’Asparagine was the predominant free amino acid,fo1lowed by

glutamic acidin themiddle stalks of both varietiesin NovemberAsparagine contentsinthe roots were

highduring the period of rapid growth(in August),While alanine contentsinleaves were high at the same

periodThe observation that asparagine showed the highest contentin the stalk at harvest season andin

the root during rapid growthindicatesthatit mayact asstorage type of aminoacid

サトウキビ品種‘竹蕉’と‘N:CO310’の茎,根,其の遊離アミノ酸含量の変化について報告する..アスパ ラギソは11月の両品種の茎中部において−・香合畳の多い遊離アミノ酸で,次いでグルタミン酸であった‖ 根のア スパラギン酸含量は,急速生長期(8月)に高く,−・万葉のアラニン含量は,同時期に高かった‖ アスパラギン が収穫期の茎と生長期の板で最大含量を示すという観察は,それがアミノ酸の貯蔵形態の一つである可能性が考 えられる 緒 口 四国地方で和三盆糖の原料として栽培されている品種は,在来種の‘竹蕉’と高宜種の‘N:CO310,であ り,前者の反収は4..5∼5トン,後名は7.5∼8トンであると言われている。また,和三盆糖を‘N:CO,だけか ら作ると風味の良い製品とはならない(l)い これは遊離アミノ酸含意の多い‘竹薦,を使用した方が,‘N:CO, よりもアミノ酸と還元糖から生じたカルポニル化合物が多くなるためと考えられている(1)けサーウキビの茎の圧 搾汁からの遊離アミノ酸組成は,収穫期で変動することがすでに知られている(2X8).しかしながら,サトウキビの 部位別の遊離アミノ酸の変動については不明な点が多い。そこで,全遊離アミノ酸含量,アスパラギン,アラニ ン,ヒスチジン含盈等と新鮮重が大きく異なる‘竹薦’と‘N:CO,をとり上げ,窒素の施肥盈を両品種−定 にして栽培したサトウキビの茎・根・菓における遊離アミノ酸の収穫時期による消長を見たので報告する.同時 に,両品種の生育の相異を全遊離アミノ酸と特徴的な各遊離アミノ酸の消長から推定した 試料及び実験方法 1一 試 料 1984年4月上旬,香川大学農学部付属農場実験圃場濫‘竹簾,と‘Ⅳ:CO,の2品種を2節苗とし挿首し た‖濁床を温室(23℃)に入れ発芽し,4月下旬圃場に植えかえた‖肥料は4月中旬,囲場10Ⅰ正当り堆肥,米糠

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香川大学農学部学術報告 第41巻 第1号(1989) 70 各15kg,化成肥料(日産複合肥料525)10kgを施肥した。追肥は6月]:旬に化成肥料(同上)5kgを施肥した.,圃 場で栽培した‘竹薦’と‘N:CO’を5月から11月まで毎月25日に各品種3検体ずつランダムに採取し,これ を試料としたけ 水で洗浄した後,土,水分を取り除き,根・茎・菓に分け重畳を測定した‖ 8月以降は茎を上部 から3等分し,上小中り下部とし付属する各節の菓も上・中・下部とした 2 全遊離アミノ酸の定量 試料約10gに90%ェ・クノールを全体のエタノール濃度が80%になるように加え,約2gの海砂と共に乳鉢中で 磨砕したこれを85℃湯洛中で還流冷却器を付し30分間加熱抽出した.残法を再び80%エタノール200m∼で加熱 抽出した.さらに残睦ほ,ニソヒドリン反応が陰性となるまで洗浄し,これをひだ濾紙を用いて濾過し,濾液を 分析試料とした,検盈線は,あらかじめアスパラギソ酸で求め,試料液をニンヒドリン比色法で定量した(4X5) 3遊離アミノ酸の定量 全遊離アミノ酸試料をAmberliteIR−120B(H+型)カラム(20id XlOcm)に添加し,遊離アミノ酸だけを吸着し 十分水洗した後,0.5Nアンモニア水で遊離アミノ酸を溶出した..この溶出液を減圧濃縮しpH2..2の緩衝液で10mg に定容とした.従来のアミド定農法は酸加水分解によってアスパラギン酸,グルタミソ酸に分解して,分解前に 存在したそれぞれのアミノ酸畳を差し引いて求めていた(6)..しかし,この方法は誤差のほ入る可能性が大きいの で,835型日立高速アミノ酸自動分析計を用いて,リチウム緩衝液を使用する生体成分分析法にて分析した(7) 結果及び考察 1全遊離アミノ酸の消長 Figlにサトウキビ‘竹蕉’と‘N:CO’の茎・根・菓の重畳畳について示した‖ 7,8,9月が急速生長期 に当り重畳の著しい増加を示しているが,板では微増を示すに過ぎなかったい‘N:CO,の茎・其の重畳ほ,収 穫期で‘竹薦’の約2倍であった.−・般に‘竹薦’は分けつが多く,1本の茎に対するショ糖の歩止りは低いと されているが,‘N:CO’と比較すると茎の重畳からもこの事がいえる

Fig2に両品種の茎の全遊離アミノ酸含量を示した。7月までほ,節間が短かく上・中・下部に分けられない

︵.盲.占S巴−叫\叫○∈予dsS Pて烏︵岩七草qむ中〓5。↑ 20 0 0 0 0 0 0 0 3 2 1 ︵如︶l竜一むきエS巴︼ 0 0 0 0 5 400 300 200 100 0

May June July AugSep OctNov

Fig2Changesin the totalfree amino acid content of themiddle stalks of two varieties of sugarcane ●,tOp part;X,middle part;○,bottom part Values are meanswits SE(n=3)

May June July AugSepOct Nov

Fig1.Changesin wet weights of stalk,rOOt and leaf of two varieties of sugarcane Values

aremeanswith S E(n=3)

(3)

が,Fig1でも明らかなように両品種でほとんど茎・根・菓の重畳変化は見られなかった.Figlでは,7月から 8月に急速生長期となり‘竹薦,で約1い9倍,‘N:CO’で約4倍の重畳増加が見られた.7月から8月の全遊離 アミノ酸含盈変化を最も重畳変化の急な最上部で見ると(Fig2),‘竹蕉’で約2.9倍,‘N:CO’で約8倍の 全遊離アミノ酸の増加が認められた.同月の茎中部の全遊離アミノ酸含畳ほ,‘竹蕉’ではいずれも減少, ‘N:CO,の下部で増加した.茎の上・中・下部のアミノ酸を合計すると,茎重畳の傾向と同様に,‘N:

CO,のアミノ酸含盈が‘竹薦,よりも多かった8月から9月の重畳変化は,‘竹薦’で約2倍,‘Ⅳ:CO’

で約1..8倍の増加を示したこの月の全遊離アミノ酸含盈ほ,両品種とも茎上部で急激に減少するが,茎の中・下 部で増加が見られ全体として増加値向になった.茎の重畳増加と茎の全遊離アミノ酸含量の増加ほ両品種でかな りよく−致する傾向を示した.11月の収穫期での全遊離アミノ酸含量は,‘竹薦’の方が‘N:CO’より多く, 従来から言われている傾向とよく−致した Fig3に両品種の根・葉における全遊離アミノ酸含量を示した.8月の板では,‘N:CO’は‘竹蕉’よりも 1g当り約5〃mOlも多く,両品種とも他の月よりも極端に多い..この事ほ,茎の急速生長に使用される全遊離 アミノ酸が根から移行するためと推定される−・万葉では,根・茎のように急激な全遊離アミノ酸の増加は見ら れず,5月から11月にかけて減少傾向になり,全遊離アミノ酸の生成は板と茎で活発に行われていると考えられ る 0 0 0 0 1 2 2 ︵.盲‘S巴︼芸名:言s<︶p.6d O≡∈dむ巴〓d︺○↑

May June July AugSepOctNov

Fig3.Changesinthetotal董reeaminoacidcontentoftherootsandleavesof

two varieties of sugarcane

●,‘chikusha’;○,‘N:CO310’ 2 遊離アミノ酸の消長

Tablelに急速生長期の8月と収麓期11月の茎中部における遊離アミノ酸組成を示した..Fig2の全遊離アミ

ノ酸含盈の変化のうちで茎中部は,‘竹蕉,で8月の5〃mOlから11月の15〟mOlへ増大した。−・方‘N:CO’ の場合10pmolから15FLmOlへ増大を示しているので∴茎中部の全遊離アミノ酸含盈(Tablel)も当然増大した。 ‘竹煮,の茎中部で遊離アミノ酸の合計(アンモニア,尿素を除外)に対するアスパラギソの割合は,8月で 60%,11月で71%に増大した,.−・方‘N:CO’でほ,58%から73%に増加した‖アラニソの場合は減少し,その 割合ほ‘竹蕉,で7い0%から3..8%,‘N:CO,では6%から5%となった遊離アミノ酸の合計は,8月では ‘竹蕉,の方が‘N:CO’より低い値を示すが,11月では‘竹薦’の方が‘N:CO’より高くなっている..キ

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香川大学農学部学術報告 第41巻 第1号(1989)

TablelFree amino acid contentin the middle stalks of sugarcane

(〃mOl/g fresh wt) 72

‘chikusha’ ‘N:CO310’

Aug Nov Aug Nov

P−Ser UI・ea Asp Thr Ser Asn Glu Gln PI・O Gly Ala Val Cys Ileu Leu Tyr Phe α−Ala γ−ABA NHき Hylys OI・n Lys IME−His His AI・g 0‖04 3.97 1.37 0.23 0.69 20.73 2..99 0..46 007 012 1.11 0小05 0一.11 0..04 005 0日02 0い02 0,60 31‖64 0‖26 0‖06 0.. 07 0い09 215475955280067393370 11489 0〇8つ1jjjてⅧ17jO110〇〇51一ⅧⅧ HOO”0 03000700000000000005 00000 1 0‖03 4.57 0.81 0.13 0.51 18.30 2.07 0..26 0..10 0..14 2ハhU2446150052147705314114306 00523562019301110063001010 06000700000000000000000000 1 0 74413009 313 j一一〇〇〇〇〇961一ⅧⅧ HO一 1 00000050 000 2 Tota1 28‖92 64..79 9 7 0 3

Values are means of duplicate

Table2Free amino acid contentin the roots of sugarcane

(jLmOl/gfreshwt。)

‘Chikusha’ ‘N:CO310’

Aug Nov Aug Nov

19490109427964297624 0020512〇一ⅧⅧ一一〇〇〇〇〇、34〇一月一〇一

〇2000300 01 00000020 0 0

1 641615040547557946300946162 07725122310201100109100010

040<UOOOOOO10000000090▲UOOOO

l l 26271352353673256362 〇う﹂Ⅷjj5﹂11〇6一一〇〇O HO一379一〇一〇一

〇4000200000 0000 063 0 0

1 323961130073254016606 35 9皮U O80256j六て﹂11ウル”301210〇75一ⅧⅧ一〇〇

〇O100900001000000<UO3 00 00

1 1 Total 29‖99 20..65

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ウリでアン㌦モニア態窒素の施肥盈が増加すると,インベルクー・ゼ活性が増大する(8)という報告があるが,‘竹 蕉,の方が‘N:CO,よりもアミノ酸含量が多いために,ショ糖分解系の酵素活性が強くなり,生長が悪いこ とも考えられる

Table2に8月と11月の板の遊離アミノ酸組成を示した.板でほFig3に示したように,8月に全遊離アミノ酸

含量が最大となり11月に減少した日進離アミノ酸の合計(アンモニアと尿素を除外)に対するアスパラギソの割 合は,‘竹薦,で67%から29%に減少した.−・方‘N:CO’でも63%から51%に減少した・・根は生長に必要な遊 離アミノ酸を菓へ供給するものと考えられるが,ここでも11月には竹薦’の方が‘N:CO’よりも含量が高 かった∴アスパラギンは重安なアミノ酸の貯蔵形態と考えられているが(g),茎・板での含量を見るとこの考えを 支持しているものと推定される

Table3に8月と11月の集中部の遊離アミノ酸巌成を示した・菓でほノFig3でも示したように8月から11月ま

で増減をくり返し全体的に見て「減少傾向にあった∴‘竹蕉’,‘N:CO’とも遊離アミノ酸の合計に対するア スパラギンの割合は,‘竹煮,で3.4%から13..9%に,‘N:CO’でも3“4%から15‖9%に増大した・しかしなが ら,根・茎と比較すると著しくアラニンの割合が多く,11月の‘竹粛’で32%,‘N:CO’では67%となった 菓は,茎と異なり遊離アミノ酸を最終的にプールする場所ではないため,茎とは異なりアミノ酸組成が違うと考 えられる

Table3 Free amino acid contentinthe middleleves of sugarcane

(pmol/g heSh wt)

‘Chikusha’ ‘N:CO310’

Aug Nov Aug Nov

71683116203 用1∵イjA㍍ヤ月∩∵づJ涌一

〇5000100006

0‖03 9.30 0‖71 0‖45 0“67 0。38 0‖38 0,.10 0‖32 0。.29 3り06 0‥73 0。.08 0.35 0」16 0,.31 0,.38 0.10 1.81 21.87 0‖08 10 46 0。19 O 24 0 65 1.19 0.57 0..05 0.30 O 10 2..71 0.04 8.11 0小31 0..18 0..43 0.19 0い02 0い01 0.13 0.13 1.87 0.35 0.06 0‖16 0‖15 O 16 0,14 O 01 97409047 964 一一Jl∵リJn㍍空J7一﹄用用一 〇〇〇〇〇〇80 000 5 80772156 一1つJ﹂一1一7一、〇1一〇一 〇〇〇 〇 6 00 0 7 79 12260

96一〇1JOl

21340 03012 00000 本研究を行うにあたり,サトウキビの栽培,管理をお願いした香川大学農学部 樽谷 勝 名誉教授,遊離ア ミノ酸の測定をしていただいた中小企業同友会 池田−・夫氏,アミノ酸自動分析幾使ノ如こ御便宜をしていただい た四国農業試験場 山県 真人氏に感謝致します.

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74 香川大学農学部学術報告 第41巻 第1号(1989) 献 W:βわ亡ん♂れノ,68,111(1958) (7)日立株式会社編:835型高速アミノ酸分析計取 扱説明書,56(1984)日立製作所(東京) (8)Matsumoto,HOkamura,K小andTakahashi, E:Pgα乃fCeJgPんよ5まoJリ17,867(1976) (9)鈴木米三,増田芳雄:植物生化学,278 (1978),理工学社(東京) (1988年10月31日受理) (1)松井年行:香川大農学術報賃,32,135 (1981) (2)高橋 明:精糖技研誌,22,24(1970) (3)新崎輝子・美野典子:巣食誌,35,363 (1982) (4)Yemm,EW,and Cocking,EC:Anal.yst, 80,209(1955) (5)松井年行:日食工誌,27,307(1980) (6)Chibnall,AC,Mangan,JL,andRees,M

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高村 ゆかり 名古屋大学大学院環境学研究科 教授 寺島 紘士 笹川平和財団 海洋政策研究所長 西本 健太郎 東北大学大学院法学研究科 准教授 三浦 大介 神奈川大学 法学部長.