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根巻きコンクリートに着目した地震後の鋼製橋脚の損傷度判定に関する研究

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Academic year: 2021

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土木学会第73回年次学術講演会(平成30年8月) 1 -394 鈴 木 森 晶 宗 本 理

根巻きコンクリートに着目した地震後の鋼製橋脚の損傷度判定に関する研究

正 会 員 正 会 員 愛知工業大学 愛知工業大学 0嶋口儀之 鈴 木 洋 平 正会員 学生会員 愛知工業大学 愛知工業大学 1.はじめに 高速道路は極大地震発生後の緊急輸送道路として位置付けられており,本震後に発生が予想される余震およ び連動地震に対応するためには,発災後の速やかな機能確保が求められる.都市部の高架橋などに多く用いら れる銅製橋脚について,早急な機能確保を行うためには,地震発生後の初動点検において橋脚の損傷度を適切 に判定し,損傷度や構造パラメータに適した修復を施す必要がある. そのため本研究では,地震動を受けた銅製橋脚に対する損傷度合の判定方法の提案を目的として,根巻きコ ンク リートまで再現した矩形鋼製橋脚供試体を用いて静的繰り返し載荷実験を行った.ここでは,初動点検に おいて比較的簡便に点検が可能な項目として,根巻きコンクリートの損傷状況に着目し,その変状に関しての デ、ータ収集を行った.

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研究概要 2. 1 実験供試体 本研究では,昭和49年に竣工した既設矩形鋼製 橋脚を基に,約1/3スケールの供試体を使用した. 橋軸方向および橋軸直角方向を各 1体の合計2体 の供試体を使用した.図ーlに供試体の概要図,図. 2に根巻きコンクリートの概要因,表-1に供試体の 諸元を示す.根巻きコンクリートについては,コン クリートは呼び強度21N/mm2のものを使用し,補強 鉄筋は D6とし,ベースプレートと溶接し固定した. 2. 2 実験載荷方法 実験では,一定鉛直荷重下での水平 1方向繰り 返し載荷を行った.載荷パターンは,降伏水平変位 dyを基準にした漸増変位繰り返し載荷を行い,サ イクルご、とに根巻きコンクリートの変状を確認す 多│ 750 (b) 断面図 (a)側面図 。 ↑ 回 ⑨ 回 実験供試体概要因 す吋「加一

嗣困 。 ∞ ∞ 実験供試体諸元 載荷方向 橋 軸 橋軸直角 幅厚比パラメータ RR 0.398 0.530 幅厚比パラメータ RF 0.580 0.526 細長比パラメータ λ 0.358 0.311 軸力比 PlPy 0.078 降伏水平荷重 Hy (kN) 413 380 降伏水平変位 8y (mm) 20.7 16.5 表-1 る. 根巻きコンクリート概要因 図-2 キーワード 銅製橋脚,耐震性能,損傷状況,根巻きコンクリート 連絡先:〒470・0392 愛知県豊田市八草町八千草 1247 TEL: 0565-48-8121, FAX: 0565-48-0030 55

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1 -394 土木学会第73回年次学術講演会(平成30年8月)

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実験結果 水平荷重ー水平変位の履歴曲線の例として橋軸方向の結 果を図'3に示す.比較として根巻きコンクリートなしの結 果を重ねて示す.なお,縦軸はHy,横軸はらで無次元化 したものである.図-3より,根巻きコンクリートの有無に よる違いは,マイナス側で根巻きコンクリートありの荷重 がやや大きいものの,おおむね同様の履歴となっており, いずれも終局時には急激な荷重の低下がみられる. 根巻きコンクリートの変状について,図-4に35yにおけ るひび割れ状況を示す.根巻きコンクリートは土15yでは フランジ面の基部および中央に横方向のひび割れが発生 した.ウェブ面ではフランジ面で発生した横方向のひび割 れが進展し,横方向のひび割れを確認した.また,ロゼッ ト解析により求めた主応力方向と直交する方向にひび割 れが生じた.土25yではフランジ面天端から発生したひび 割れが下に向かつて縦方向に進展した.ウェブ面について は基部角部から中央上部に向かつて斜め方向のひび割れ を確認した.またウェブ面の天端隅角部に斜め方向のひび 割れが確認できた.土3'"'-'45yでは横方向のひび割れ発生位 置のひずみゲージが 2000011を超え,縦方向のひび割れが 橋脚の基部付近まで進展した.土55yでは根巻きコンクリ ート隅角部の剥落し,天端の全周にひび割れを確認した. また,根巻きコンクリートと橋脚フランジ面に発生した 隙間の関係の関係について,橋脚の変位の増加とともに残 留隙聞の増加を確認した.残留隙間は座屈や傾き等の確認 が非常に困難で,橋脚の損傷レベルの判定が難しい小変位 から発生した.残留隙間の判定はクラックゲージを用いる ことで,簡便に判定を行うことが可能で、あった.

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おわりに 本研究では,鋼製橋脚の損傷度合に対する簡便な判定方法の提案を目的として,根巻きコンクリートを再 現した矩形鋼製橋脚供試体を用いて静的繰り返し載荷実験を行った.得られた結果を以下にまとめる. 1) 矩形断面鋼製橋脚の繰り返し載荷実験の実験結果をまとめた.基本的な荷重一変位関係を明らかにし,根 巻きコンクリートによる履歴の違いを確認した. 2) 損傷度判定手法として,限界状態に対応した判定基準に対応させる場合,根巻きコンクリート天端のひび 割れ状況およひやパネル面の隙間量を点検項目とすることが,簡便さという点からも有効と考えられる. 参考文献 1) (社)日本道路協会 :道路橋示方書・同解説 V耐震設計編, 2017.11. 2) 嶋口儀之,鈴木森晶,太田樹,青木徹彦 ・損傷レベルが異なる矩形断面銅製橋脚のコンクリート充填修復と耐 2.5 2.0 I一一一根巻きなし 1.5 I │・・・・・根巻きあり 1.0 I 0.5 ' " ' 更0.0 コ=0.5 n u R J v n u t 1eη4

-d/dy 図-3 荷重一変位履歴曲線 (橋軸方向) ~IIUI 4ïl.J図i・ I義lfiI同"ニ M

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tHlJ f 判ー!'..!~ザ!間早-(a)フランジ面 (b)ウェブ面 (c)天端 図-4 根巻きコンクリート損傷状況 (3δy) 震性能に関する研究,構造工学論文集, Vo1.59A, pp.484・492,2013.3. 3) 中村訓大,嶋口儀之,鈴木森晶 ・耐震補強された銅製橋脚の発災後における初動点検方法の提案,愛知工業大 学研究報告第51号2016.3.

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参照

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