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(a) No.561/2004 (b) No.217/2007 (c) No.563/2004 ( : Ministry of Education, Youth and Sports, z/uploads/soubory/zakony/zakon563uprave

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1.1 雇用労働関係法令一覧

(1) 全般 (a) 民法:法令 No.40/1964 (b) 商法:法令 No.513/1991 (c) 取引法:法令 No.455/1991 (d) 所得税法:法令 No.586/1992 (e) 投資優遇措置法:法令 No.72/2000 (2) 労働関係法令 (a) 労働法:法令 No.262/2006 (全文は労働・社会政策省のウェブサイトを参照のこと) (b) 雇用法:法令 No.435/2004 (c) 団体交渉法:法令 No.2/1991 (d) 労働安全衛生に関する法令:法令 No.309/2006 (e) 事業者が破産したときの労働者保護に関する法令:法令 No.118/2000 (f) 祝祭日法:法令 No.245/2000 (g) 労働監督法:法令 No.251/2005 (h) 最低賃金及び劣悪環境下の労働の定義と割増賃金に関する法令:法令 No.567/2006 (i) 労働者の労働障害に関する規則:政府規則 No.590/2006 (j) 妊産婦の就業制限及び年少者の職業訓練を目的とした労働と労働条件 に関する政令:政令No.288/2003

*参照:The Ministry of Labour and Social Affairs (MoLSA), 「チェコ労 働法」(英文), http://www.mpsv.cz/files/clanky/3221/labour_code.pdf, Accessed on 23 June 2008. (3) 保険及び社会保障に関するもの (a) 疾病保険法(2009 年 1 月 1 日より実施予定):法令 No.187/2006 (b) 一般健康保険に関する法令:法令 No.592/1992 (c) 社会保障及び雇用保険負担法:法令 No.589/1992 (d) 年金保険に関する法令:法令 No.155/1995 (e) 追加年金保険法:法令 No.42/1994 (f) 労働者災害補償保険法:法令 No.266/2006 (g) 労働者の疾病保険に関する法令:法令 No.54/1956 (h) 出産休暇の延長、出産手当、育児手当に関する法令:法令 No.88/1968 (i) 公衆衛生法:法令 No.258/2000 (j) 公衆衛生保険に関する法令:法令 No.48/1997 (k) 社会保障の組織・実施に関する法令:法令 No.582/1991 (l) 疾病保険、疾病手当に関する法令:法令 No.165/1979 (m) 疾病保険の金銭的補償に関する法令:法令 No.143/1965 (4) 職業能力関係法令

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(a) 就学前、初等、中等、高等職業教育等に関する法令(教育法):法令 No.561/2004

(b) 教育法改正法:法令 No.217/2007 (c) 教員に関する法令:法令 No.563/2004

(全文: Ministry of Education, Youth and Sports, http://www.msmt.c z/uploads/soubory/zakony/zakon563upraveno.doc, Accessed on 23 Ju ne 2008) (d) 高等教育機関(大学以上)に関する法令:法令 No.111/1998 (e) 継続職業教育訓練結果検証・認証に関する法令:法令 No.179/2006 (f) 初等・中等・高等職業教育のプログラムに関する政府規則:政府規則 No.689/2004 (g) 投資優遇措置として交付される新規雇用創出補助金、教育訓練補助金に関 する政府規則政府規則No.515/2004 (h) 求職者、労働者の再訓練に関する政令:政令 No.519/2004 (i) 学校の目標設定、年次報告、自己評価に関する政令:政令 No.15/2005 (j) 学校検査局による教育機関の監査に関する政令:政令 No.17/2005 (k) 中等教育、コンセルヴァトワール(芸術学校)に関する規定:政令 No.13/2005 (l) 中等教育機関(高校)の入学試験に関する政令:政令 No.671/2004 (m) 中等教育及び見習訓練センターの修了に関する政令:政令 No.442/1991 (n) 最終卒業試験による中等教育(高校)及びコンセルヴァトワール(芸術学 校)の修了に関する法令:法令No.47/2005 (o) 継続職業教育訓練の成果検証に関する政令:政令 No.208/2007 (p) 高等専門教育に関する政令:政令 No.10/2005 (q) 才能に恵まれ特別の教育ニーズがある児童、生徒、学生の教育に関する政 令:政令No.73/2005 (r) 学位プログラムの認証手続きに関する政令:政令 No.42/1999 (s) 教 員 の 研 修 、 キ ャ リ ア シ ス テ ム 、 認 証 委 員 会 に 関 す る 政 令 : 政 令 No.317/2005 (t) 求職者再訓練機関の認証手続きに関する政令:政令 No.524/2004 (5) 特定職種の訓練に関する法令 (a) 電気工学の専門的能力に関する政令:政令 No.50/1978 年 (b) 海運に関する法令:法令 No.61/2000 (c) 鉄道に関する法令:法令 No.266/1994 (d) 医師、歯科医、薬剤師の専門的能力の習得と認定に関する法令:法令 No.95/2004 (e) 学校教育スタッフに関する法令:法令 No.563/2004 (f) 地方自治体の行政スタッフに関する法令:法令 No.312/2002 (6) 手続法、行政法 (a) 行政法:法令 No.500/2004

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(b) 民事手続法:法令 No.99/1963 (c) 高等行政単位の設立に関する法令:法令 No.347/1997 (d) 外国人のチェコ滞在に関する法令(滞在法):法令 No.326/1999 年 (e) 国際司法及び手続法:法令 No.97/1963 (f) 行政手数料に関する法令:法令 No.634/2004 (g) 税、手数料の管理に関する法令:法令 No.337/1992 (h) 外国人の一時的保護に関する法令:法令 No.221/2003 (i) 市民協会法:法令 No.83/1990 (j) 政府印紙に関する政令:政令 No.192/1993

(k) EEC 域内労働者の自由移動に関する EEC 評議会規則 No.1612/1968 (l) 外国人労働者統計の編集に関する EEC 評議会規則 No.311/1976

(全文:International Labour Organization, http://www.ilo.org/public/ english/employment/skills/hrdr/instr/eu_19.htm, Accessed on 23 Jun e 2008)

1.2 労働基準関係法令

1.2.1 労働契約 雇用契約は労働法(法令No.262/2006、第 33-47 条)に規定されている。 (1) 雇用契約 雇用契約は、雇用者と被雇用者が書面によって締結(1 部を被雇用者に手 交)しなければならない。契約書には、職種、就業場所、就業開始日を必 ず明記しなければならない。このほか、雇用者は被雇用者に対し、職務の 基本的特徴(年次休暇、労働日程、賃金、労働安全衛生など)を書面で通 知しなければならない。 (2) 試用期間 最長3 カ月の試用期間を設けることができる。試用期間中は、労使いずれ かの文書による事前通告により、理由に関わらず契約を解除することがで きる。疾病などの労働障害が原因で労働できない日数は、試用期間に含め てはならない。 (3) 契約期間 ・無期限雇用契約:特段の取極めがない限り、期限の定めのない契約とな る。 ・有期雇用契約:最長2 年以内の一定期間とし、更改契約についても当初 契約と同じ期間が適用される。 (4) 非競争契約 雇用者と被雇用者は非競争契約(労働法 第 310 条)を締結することがで きる。非競争契約とは、雇用者が被雇用者に対し退職後の一定期間、雇用 者と競争関係にある事業の実施を禁止する契約である。契約期間は1 年以

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内とし、被雇用者がこの義務を履行した場合、雇用者は被雇用者に対し、 少なくとも該当期間の平均月額賃金に相当する金銭的補償をしなければな らない。 (5) 雇用関係外で履行される業務の契約 労働法(法令No.262/2006)によれば、雇用者の事業は、通常、雇用契約 関係にある被雇用者によって履行されるものである。より弾力的な契約を 締結することも可能であり、この種の契約では労働時間、休憩時間、労働 障害、退職金などの規定は適用されない。以下の2 つのタイプがある。 ・職務実績契約:労働は年間150 時間を超えてはならず、雇用主に社会保 険負担義務は生じない。 ・職務活動契約:労働は通常の週当たり労働時間の2 分の 1 を超えてはな らない。契約内容には業務内容、労働時間、契約期間を含めなければな らない。雇用主に社会保険負担義務がある。 1.2.2 解雇規則 (1) 雇用契約の解除 雇用契約は以下の方法により解除できる。 (a) 書面による労使の合意 合意した日に契約解除される。 (b) 契約解除通告 以下の事由がある場合のみ、被雇用者を解雇することができる。 ・事業所の閉鎖、移転 ・組織・事業の改編に伴う人員整理 ・被雇用者が健康上の理由で職務遂行責任を果たせないとき ・被雇用者が法令・職務上重大な義務違反を犯したとき 雇用者は、被雇用者が疾病・出産休暇などの保護期間中及び公職に就いて いる期間中は解雇できない。この規定は、組織・事業改編や被雇用者の義 務違反があった場合には適用されない。事業所の閉鎖、移転、組織・事業 改編によって解雇された場合、被雇用者は通常の月額賃金の最低3 倍の退 職金を受給する権利がある。被雇用者は理由を問わず、また理由を開示す ることなく退職することができる。 解雇は2 カ月前の事前通告が必要で、契約解除は事前通告から 2 カ月が経 過した日に成立する。 (2) 即時解雇 被雇用者が罪を犯した場合、就業規則に著しく違反した場合は、雇用者は 被雇用者を即時解雇できる。被雇用者が健康上の理由で職務遂行不能とな り、15 日以内に他の適切な代替職務に配置転換されなかった場合で、かつ 雇用者がこの 15 日間の賃金を支払っていない場合には、被雇用者は即時 に離職することができる。 (3) 試用期間中の契約解除

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労使は理由を問わず、また、理由を開示することなく雇用契約を解除する ことができる。しかし、試用期間中に被雇用者が病気に罹った場合、発病 から14 日間は契約を解除できない。 (4) 外国人の雇用契約解除 上記の事由による契約解除のほか、滞在許可証、労働許可証が失効した場 合には、契約は解除される。 (5) 大量解雇 会社の解散、廃業などに際して大量解雇を行う場合、雇用者は事前に労働 組合と労働局に対し、解雇理由、解雇対象職種と人数、人選基準などの詳 細を事前に書面で通知しなければならない。また、労働組合との協議結果 を労働局に報告しなければならない。労働組合がない場合は、解雇対象と なる各々の従業員に通知しなければならない。 1.2.3 賃金、労働時間、休憩、休日、年次有給休暇、時間外及び休日労働、時間外の割 増賃金 (1)賃金 被雇用者は、労働法(第109-150 条)の定める条件に合致した契約に基づ き、賃金、給与、報酬を受け取る権利を有する。 (2)最低賃金 賃金・物価動向を考慮して、毎年初めに政令によっ公示される。2007 年の 週40 時間労働の法定最低賃金は、月額 8,000 コルナまたは 1 時間当たり 48.10 コルナ1である。時間外勤務、休日勤務などの割増賃金は含まない。 16 歳以下の未成年者、18-21 歳の若年者、身体障害者などの賃金は最低賃 金を下回ることもある。 (3)時間外割増賃金 労使間で時間外割増金支払いの代わりに、代休取得を義務付けている場合 を除き、超過勤務の割増率は 25%である。法定祝祭日の勤務は有給とし、 かつ代休を取得することができる。法定祝祭日が通常の労働日に掛かり労 働しなかった場合は、平均日額賃金に相当する補償金の支払いを受ける権 利がある。土曜、日曜出勤は最低10%の割増賃金、夜間勤務は団体協約で 他の定めがない限り10%の割増賃金、危険有害な環境(政令 No.567/2006 で定義)における労働についても、最低10%の割増賃金の支払いを受ける 権利がある。 (4)配置転換 主として健康上の理由(労働法第 41 条)により、被雇用者が合意なしに 賃金の低い部署に配置転換させられた場合、賃金差額の支払いを請求する ことができる。 1 2008 年 7 月の為替レートは、1 コルナ=約7

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(5)交代要員 労使の合意に基づき、通常のシフト勤務の後に、別の職場で追加労働をす る場合は、最低10%の割増となる。追加労働は従業員の合意を要する。企 業が破産状態となり、賃金未払いが生じた場合、被雇用者はその支払いを 請求することができる。(法令No.118/2000)また、被雇用者は労働局に未 払い賃金の支払いを申し立てることができる。 (6)労働時間(労働法第 78-87 条) 労働時間は原則として、週5 日労働を基準としている。基準労働時間は週 40 時間(食事休憩時間を含まず)である。ただし、団体協約や内規によっ て、これより短い時間を定めることができる。坑内労働に従事する者及び 3 交替制の職場では週 37.5 時間に、2 交替体制の職場では週 38.5 時間に、 18 歳未満の被雇用者は週 30 時間(1 日 6 時間以内)に、それぞれ労働時 間は短縮される。労働時間が各週均等に配分されている場合、1 シフトの 労働時間は 9 時間を超えてはならない。労働時間が均等配分でない場合、 1 シフトの労働時間は 12 時間を超えてはならず、連続する 26 週間の週平 均労働時間は、通常の週労働時間を超過してはならない。ただし、団体協 約で労働時間を延長することができる。始業・終業時刻は雇用者が決定す る。定時労働のほかに、フレックスタイムを採用することもできる。 (7)休憩・休日(労働法第 88-92 条) 被雇用者は休憩・休暇を取る権利を有する。連続する6 時間労働(16 歳以 下の場合は4.5 時間)につき最低 30 分の食事・休憩時間をとることができ る。これを 15 分ごとに細分化することも可能である。休憩時間は労働時 間に含まれない。他の関連規定により、安全上の理由による休憩をとるこ とができ、それは労働時間に含まれる。雇用者は休息期間を、二つのシフ ト間、週単位、または日単位で設定することができる。被雇用者は、連続 する24 時間内のシフト勤務明けから次のシフト勤務まで最低 12 時間の休 息、または週35 時間の連続休息を取ることができる。ただし、18 歳以上 の被雇用者が連続作業やサービス業などの特定業務(労働法第90-92 条) に従事する場合には、休息時間を12 時間から 8 時間に、35 時間を 24 時 間に短縮することができる。未成年者の場合、連続休息時間は週 48 時間 である。 休日は土曜、日曜及び法定祝祭日(祝祭日法:法令No.245/2000)である。 雇用者は従業員に休日出勤を命じることができるが、緊急修理、輸送、棚 卸、決算等の必要な業務があるときに限る。 (8)年次有給休暇(労働法第 211-223 条) 民間部門の年次有給休暇は最低4 週間である。最低 60 日勤務した被雇用 者は有給休暇を取得する権利を有する。勤続日数が1 年に満たない場合は 比例配分される。特定の重労働、健康に有害な作業(労働法第215 条)に 従事する者は、1 週間の有給休暇を追加取得することができる。有給休暇 の取得時期は、雇用者が被雇用者の利益を考慮して決定する。原則として

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毎暦年末までに一括取得するが、2 回以上の分割取得を認めている場合は、 他に労使の取極めがない限り、1 回の休暇期間は 2 週間以上でなければな らない。 雇用者が緊急業務を行う必要がある場合や、被雇用者に事情がある場合は、 有給休暇の取得を延期することができるが、遅くとも次暦年末までには取 得しなければならない。そうでない場合、被雇用者の権利は消滅する。労 働組合との協定がある場合、雇用者は操業上の理由で、被雇用者に年次休 暇の一斉取得をさせることができるが、期間は2 週間以内とする。被雇用 者が転職する際、未消化の有給休暇は買い上げるか、新しい勤務先に引き 継ぐことができる。ただし、被雇用者が新旧の勤務先と取極めがある場合 に限る。 (9)超過勤務(労働法第 93 条) 雇用者は重要な操業上の理由がある場合は、二つのシフト間の休息時間中 や休息日であっても、被雇用者に超過勤務を命ずることができる。ただし、 最長で各週8 時間、年間 150 時間を超えてはならない。被雇用者との合意 があれば、超過勤務時間は延長できるが、連続する 26 週間(団体協約で 52 週まで延長可能)の週平均時間は 8 時間を超過してはならない。 (10) 休日出勤(労働法第 115-118 条) 雇用者は、平日に行うことのできない業務(健康管理、輸送、棚卸、決算 など)のために、被雇用者に休日出勤を命ずることができる(労働法第91 条)。 1.2.4 年少者、女性、労働安全衛生、アウトソーシング(委託業務や派遣労働) (1) 未成年者の労働条件 15 歳未満の年少者、15 歳以上で義務教育を修了していない者の就労は禁 止されている。15∼18 歳の未成年者の雇用は、肉体的、精神的成長度(定 義は政令No.288/2003 を参照)に適した業務に従事させる場合にのみ認め られる。18 歳未満の被雇用者の労働時間は、週 40 時間、1 シフトの時間 は8 時間を超過してはならない。2 日続けてシフトがある場合は次のシフ トまで12 時間以上の休息時間を設ける、週の休息時間は 48 時間を下回っ てはならない。また、未成年者は、超過勤務、夜間勤務(例外は労働法 第 245 条参照)、地下採掘作業、危険度の高い作業をしてはならない。 (2) 女性の労働条件 女性を地下採掘作業者、母性を危険にさらす肉体労働者として雇用しては ならない。(政令No.288/2003 参照)妊婦及び授乳中の産婦、生後 9 カ月 以下の乳児を持つ女性に、医療診断書の記載内容に合致しない労働に就か せてはならない。他の業務への配置転換が必要な場合は、同一賃金を支払 うか、または賃金が減額されるときは差額補償をしなければならない。必 要に応じ作業スケジュールの変更、パートタイム労働その他により、週間 の労働時間を調整することができる。授乳のための休憩は認められていな

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い。雇用者は、妊婦及び1 歳未満の子供を養育中の男女に超過勤務をさせ てはならない。 (3) 労働安全衛生 雇用者と被雇用者の労働安全衛生上の危険回避義務は、労働法 第 101-108 条に規定されている。雇用者は、適切な労働安全衛生と危険回避措置をと ることによって、安全で健康な労働環境、労働条件を整備しなければなら ない。関連するコストは雇用者が負担する。労働安全衛生を保証する雇用 者の義務は、従業員のみならず職場にいる他のすべての者にも適用される ものである。 労働安全衛生に関する主な雇用者の義務は以下のとおりである。 ・禁止作業、従業員の能力・健康状態を超える作業をさせてはならない。 ・従業員に対する保健衛生規則の周知及び保健衛生に起因して賃金の減少 が生じた場合の補填。 ・従業員に対する定期訓練を含めた労働安全衛生に関する十分かつ適切な 情報・ガイドラインの周知。 ・応急措置の提供。 ・従業員に対する防護機器・衣服の提供。 被雇用者の権利及び義務は以下のとおりである。 ・個人の生命・健康に重大な脅威を及ぼすとみられる作業を拒絶する権利 ・労働安全衛生に関する規則の順守及び防護機器・衣服の着用 ・勤務時間中のアルコール飲料、常習性薬物の服用、非喫煙者に影響を与 える場所における喫煙の禁止 労働安全衛生に関わる規則及び団体協約の順守義務は、国家労働監督署と その地方監督局が管理している。

* 参 照 : The State Labour Inspection Office (SUIP チ ェ コ 語 ), http://www.suip.cz, Accessed on 23 June 2008.

(4) アウトソーシング 人材派遣労働者(労働法第 308-309 条) 派遣労働契約は書面によらなければならない。派遣労働者の業務は派遣先 企業が指揮・管理し、労働安全衛生を含めた良好な労働条件を整えなけれ ばならない。人材派遣会社は、派遣先の名称・所在地、就業場所、派遣契 約の期間、就業条件、賃金などの事項を記載した指図書に基づいて労働者 を派遣する。人材派遣会社と派遣先企業は、派遣労働者の就業条件と賃金 が、派遣先企業で類似業務に従事している者に劣らないことを保証しなけ ればならない。人材派遣会社は、派遣労働者が希望しない限り、同一労働 者を同一派遣先に12 カ月以上派遣してはならない。 1.2.5 就業規則、労働協約 (1) 雇用関係から生じる基本的義務(労働法第 13-17 条、38 条) 雇用者の義務

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・雇用契約に基づく労働の提供、賃金の支払い、職務遂行の条件整備 ・すべての被雇用者に対する平等な待遇 ・労使関係に関する情報提供 被雇用者の義務 ・雇用契約に基づく労働時間内での職務の遂行 (2) 雇用関係の変更(労働法第 43 条) 被雇用者は合意のある場合を除き、雇用契約で決められた就労場所以外に 配置転換されることはない。しかし、以下の場合には、雇用者は被雇用者 を配置転換することができる。 ・被雇用者が健康上の理由で職務を遂行できない場合 ・刑事訴訟、勤務成績などの理由により解雇通告を受けた場合 (3) 労働の障害(労働法第 191-210 条) 以下の事由がある場合、雇用者は被雇用者の休職を承認しなければならな い。 ・疾病、傷害 ・出産、育児 ・10 歳以下の子供の養育及び他の家族の介護 (疾病保険法に規定されたもの) この場合、被雇用者に賃金は支給されず、代わりに疾病保険の給付を受け る。また、以下の場合、被雇用者は休暇を取得することができる。(労働法 200-205 条) ・研修への参加、献血、労働組合活動など(有給休暇) ・国会、地方議会活動(無給休暇) また、政令No.590/2006 では、健康診断・治療、家族の冠婚葬祭について は有給休暇を、転居、就職活動については無給休暇を取得できるとしてい る。原材料・電力の供給不足など、雇用者側の理由で休業する場合は、被 雇用者は理由に応じて60%-100%の賃金補填を受けることができる。 (4) 従業員のサポート 雇用者は従業員が安全に職務を遂行できるよう、以下のような就業環境を 整備しなければならない。 ・従業員用施設の設置、維持管理、改善 ・職場の装備と設計の改善 ・文化・レクレーション・体育活動を実施する場所の設置 ・労働衛生管理 また、雇用者は現在の職場に5 年間在職している従業員に対し、資格向上 の職業訓練を行わなければならない。これは、資格認定協定の締結と連動 している。(労働法228-231 条) この訓練は職務として有給で実施される。 身体障害者の雇用規則は、雇用法第67-84 条)に規定され、従業員 25 名 以上を雇用する企業は、従業員数の 4%以上の身体障害者を雇用しなけれ

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ばならない。この義務を履行する代替策として、従業員数の50%以上を身 体障害者が占めている企業から製品・サービスを調達する方法、あるいは 本来雇用すべきとされている身体障害者数の平均賃金の2.5 倍の課徴金を 国庫に納付するという方法がある。 (5) 労働協約 企業は有効な法令及び団体協約に抵触しない限り、独自の内部ガイドライ ンを設けることができる。労働組合を有しない場合には、雇用者は内部規 定を策定し、賃金その他、被雇用者の権利を盛り込むことができる。就業 規則は労働法や他法令の規定により詳細に決めるものである。(労働法第 305-306 条)

1.3 労使関係法令

1.3.1 労働組合 (1) 労働組合の役割 雇用関係における労働組合の役割については、労働法(法令No.262/2006) 及び団体交渉法(法令No.2/1991)に規定されており、労働組合に対し以 下の行為を認めている。 ・組合員の労働、経済、賃金、社会的・文化的利害のための条件確立 ・雇用者との交渉で非組合員を含めた全従業員を代表する ・労働法、雇用法、労働安全衛生関連法その他の労働法規の順守状況のチ ェック 労働組合が機能していない場合は、労働評議会及び労働安全衛生関連の代 表者が選任される。(労働法第 281 条)労働組合と労働評議会のステータ スは同じではない。労働評議会の目的は、唯一、従業員への報告を保証し、 従業員を代表して雇用者と交渉(団体交渉ではない)することにある。労 働評議会のメンバーは、労働組合員とは異なり、罷免、雇用契約の即時解 除に対しては保護されていない。 (2) 労働組合に関する雇用者の権利・義務 労働法第278 条の定めにより、雇用者は労働組合、労働評議会または従業 員に、以下の事項を報告しなければならない。 ・賃金または給与の変化 ・雇用者の経済的・財政的状況 ・雇用者の法的地位とその変更、労働関係の中で雇用者を代表する内部組 織と個人 ・基本的な就労条件と労働安全衛生対策 ・従業員の平等な処遇を保証する措置 この他に特記された問題点、特に労働安全衛生に関わる事項については、 雇用者は労働組合に報告し、交渉をしなければならない。(労働法第 278

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条) 罷免及び即時解雇については、雇用者は事前に労働組合と交渉しなければ ならない。さもなければ、罷免、即時解雇は無効となる。(労働法第62-64 条) 雇用者は従業員代表が職務を適切に履行できるよう、事務所、家具、備品 を設置・配備し、その費用を負担しなければならない(労働法第277 条)。 雇用者は労働組合による調査の便宜を図らなければならない。 労働関係の中で保証されている権利・義務に関する労働者の苦情について は、雇用者は従業員または労働組合ないしは労働評議会と協議しなければ ならない(労働法第14 条)。 雇用者は、労働者を同意なしで他の職場に配置転換することができるが、 労働組合と事前に協議が必要である。ただし、当該労働者の勤務日数が年 間に21 日以下の場合は、協議しなくてよい。(労働法第 46 条) 労働組合での活動を終了した者は、元の職場に復帰させなければならない。 (労働法第47 条) (3) 団体交渉 団体協約は団体交渉法(法令No.2/1991)に規定されており、以下の二種 類がある。 ・工場協約(労働組合と雇用者間) ・上部労働組合組織とそれに対応する雇用者協会とのハイレベル協約 工場協約はハイレベル協約を尊重しなければならない。工場協約は、(a) ハイレベル協約で決められた内容より劣る被雇用者の権利を規定した場合、 (b) ハイレベル協約で決められた金額を上回る賃金を被雇用者に保証する 決定をした場合は無効である。 個人協約においては、個人は交渉により法定最低賃金を上回る賃金を要求 することができる。団体協約が締結されていない非営利部門、業界団体に ついては、法定最低賃金を上回る範囲で最低限の賃金が保証される。 協約の有効期限が明記されていないときは1 年間と見なす。 1.3.2 労働争議解決システムに関する法令 集団労働争議の解決手続きは、団体交渉法に規定されている。 (1) 調停 団体交渉法は雇用契約に関する集団争議について規定している。個々の従 業員の申し立ては除外される。集団争議が発生した場合、当事者は合意に より調停者を指名する、もしくは労働・社会政策省に指名を要請する。(第 10-12 条) (2) 仲裁 調停が成立しなかった場合、当事者は争議の解決を仲裁者に申し出る。(第 13-15 条) (3) ストライキとロックアウト

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団体交渉法は、労働争議解決の最終手段としてのストライキについて規定 している。同法は、ストライキとは被雇用者による一部または全部の労働 の中断であると定義している。また、ロックアウトとは雇用者による一部 または全部の労働の中断であると定義している。ストライキは事案に関係 する労働組合のみが宣言することができる。(ストライキ:第 16-21 条、 ロックアウト:第27-31 条) (4) 違法ストライキ 団体交渉法は、ストライキとロックアウトが禁止されている事業所、職種 を規定している。(第20 条以降) (5) 個人の労使紛争の解決 個人の労使紛争に関する特別の法律はなく、民亊裁判によって解決される。 (民亊訴訟法、法令No.99/1963) (6) 労働監督 労働関係、労働環境の保全などに関する条件と義務は、労働監督法(法令 No.251/2005)に規定されている。監督機関は国家労働監督局(State Labour Inspection Office)である。労働安全、予防保健対策、労働形態、 労働関係・労働条件等に関する法令順守について検査・監督する。

1.4 労働保険関係法令

1.4.1 労働者災害補償保険 被雇用者は労働者災害補償保険法(法令 No.266/2006)の定めにより、労働者 災害補償保険(強制保険)に加入しなければならない。保険料は雇用者が支払う。 保険料は税引き前賃金をベースにした料率によって決められる。料率は雇用者の 職務内容によって異なるが、基本料率は 0.56%、最高料率は 5.04%(ウラン鉱 の採掘作業)、最低料率は0.28%(人文科学分野の研究開発業務)である。 労働者災害補償保険は、(a) 労働事故、疾病、苦痛、就業不能、健康被害などに 見舞われた従業員及び(b) 従業員の治療費、葬式費用を負担した者、に対して支 払われる金銭的補償である。同法は、補償額の計算方法や傷害度の査定手続きを 定めている。 労働安全衛生面の危害防止に関する雇用者と被雇用者の義務は、労働法 第 101-108 条に規定されている。 1.4.2 雇用保険 雇用保険負担は、社会保障及び雇用保険負担法(法令 No.589/1992)に規定さ れている。雇用者及び被雇用者は保険料の支払い義務を負う。自営業者は年金保 険に加入している場合にのみ、支払い義務がある。拠出額は同法に定める査定ベ ース(基本的には税引き前賃金)に対する料率で決められており、雇用主負担は 1.2%、従業員負担は 0.4%、自営業者の負担は 1.6%である。雇用者は従業員の 賃金から保険料を控除し、納付しなければならない。

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1.4.3 健康保険 (1) 健康保険 健康保険については、公衆衛生保険法(法令No.48/1997)及びチェコ国家 評議会法(法令No.592/1992)が規定している。 以下の者は健康保険に強制加入しなければならない。(a) チェコの永住権 を有する者、(b) チェコの永住権を有しないが、チェコで登記された事業 所の従業員である者(以下、両者を合わせ保険契約者という)。 健康保険拠出者は、(a) 保険契約者、(b) 雇用者、(c) 国家(主として児童、 学生、年金生活者、失業者のために拠出する)、の三者である。拠出金は保 険会社に支払われる。 拠出額はチェコ国家評議会法に定める査定ベース(税引き前賃金)の13.5% で、その3 分の 2 (9%)を雇用主が、3 分の 1 (4.5%)を従業員が負担する。 保険契約者は、(a) 保険会社、医師、医療センターの選択の自由、(b) 同法 に定める条件の範囲内での無料診療の受診、(c) 医師が処方した医薬品の 無料提供などの権利が保証されている。また同法は、医療行為の範囲を、 健康保険で全額負担されるもの、部分負担されるもの、負担されないもの に分け、それぞれを定義している。健康保険は、チェコの総合健康保険会 社(法令No.551/1991)及び、分野別、職種別、企業別の保険会社(法令 No.280/1992)によって運営されている。公衆衛生保険法の適用を受けな い者(チェコの永住権を有しない者、チェコで登記された事業所の従業員 でない者、外国企業の従業員の妻子など)は、総合健康保険会社の保険に 加入できるが、保険料は全額自己負担となる。 (2) 疾病保険 疾病保険については、疾病保険法(法令No.187/2006 2009 年 1 月に修 正予定)が規定している。病気、妊娠、家族の介護、その他、同法で定め ているケースに対し保険金が支給される。チェコ人従業員は強制加入であ る。自営業者及び外国人従業員は任意加入できる。雇用者と被雇用者は、 社会保障及び雇用保険負担法(法令No.589/1992)の規定に基づき拠出金 を支払う義務がある。拠出額は同法に定める査定ベース(基本的には税引 き前賃金)に対する料率で決められており、雇用主負担は3.3%(2009 年か らは2.3%)、従業員負担は 1.1%、自営業者の負担は 4.4%である(2009 年 からは2.5%)。拠出率は 2010 年 1 月に再度変更される。雇用主は従業員 の賃金から保険料を控除し、納付しなければならない。疾病保険から給付 されるのは次の四つである。 (i) 疾病手当 (ii) 介護手当 (iii) 出産補償金 妊娠期間中または 9 カ月未満の幼児の養育期間中の配置転換によ って賃金が減額される場合は、以前の賃金との差額が補填される。

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(iv) 出産給付金 出産休暇中の28 週間は、賃金の 69%が支給される。 以上、いずれの場合も医師作成の必要書類を添付し、給付申請をしなけれ ばならない。 1.4.4 年金 (1) 一般年金保険 年金制度は、年金保険に関する法令No.155/1995 及び社会保障の組織・運 営に関する法令No.582/1991 に準拠している。 年金保険はすべての経済活動を行うものに対して支給される。年金保険料 は、査定ベース(通常は税引き後賃金)の 28%で、雇用者負担は 21.5%、 従業員負担は6.5%である。自営業者の保険料は、毎月の査定ベースの 28% である。(所得税に関する法令 No.586/1992)年金保険は以下の給付を保 証する。 (a) 老齢年金 (b) 完全障害年金 (c) 部分障害年金 (d) 寡婦、寡夫年金 (e) 孤児年金 (2) 追加年金保険 18 歳以上の者でチェコの永住権を有する者は、年金基金と追加年金契約を 結ぶことができる(追加年金保険に関する法令No.42/1994)。これに基づ いて毎月の保険料を支払う者は、国からの給付を受ける権利が付与される。 国の負担額は、加入者が決める保険額に比例するが、月額150 コルナが上 限である。雇用者も従業員の追加年金基金に拠出することができるが、こ れは一種の従業員手当のような形で利用されている。さらに、18 歳以上の 者で他のEU 加盟国に居住する者は、チェコの年金保険または公的健康保 険に加入している場合に限り、追加年金基金に加入することができる。 (3) 定年 老齢年金の受給資格は、最低加入期間の 25 年を満たし、かつ定年年齢に 達したときに発生する。この条件を満たすことができない場合は、最低加 入期間を15 年とし、65 歳に達したときに受給資格が発生する。定年年齢 は1996 年から段階的に(1 年ごとに、男性は 2 カ月、女性は 4 カ月)引 き上げられている。男性及び子供のいない女性の場合は、2013 年までには 63 歳に統一される見込みである。子供のいる女性の定年年齢は、子供の人 数によって異なるが、59-63 歳となる。年金加入者が最低 25 年の加入期間 を満たしている場合、定年年齢に達するまで3 年未満であれば、早期老齢 年金を受給することができる。しかし、この場合は、年金額は引き下げら れる。すなわち、定年年齢に達したときに、通常の老齢年金の受給資格を 失う。

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1.5 職業能力開発法令

1.5.1 職業能力開発制度 (1) 初期職業教育訓練 (a) 中等職業教育と高等専門教育(高等技術学校、高等職業学校など) 高等専門教育までの初期職業教育訓練については、「就学前・初等・中等・ 高等職業教育、その他の教育に関する法令」No.561/2004(教育法)によ って、学校教育の条件、施設、入学条件、教育結果の評価、教育達成の方 法、教育水準達成度の認証などが規定されている。これは教育の国家管理、 自己管理、検査、教育制度の評価などに携わる機関の任務と責任を明確に するものである。また同時に、教育法をより詳細に規定した教育・青年・ スポーツ省の省令・政令その他の法令が施行されている。職業能力開発制 度を関する主な法令は、以下のとおりである。 ・中等職業教育とコンセルヴァトワール(芸術学校)を規定する教育・青 年・スポーツ省の政令 No.13/2005。中等職業教育の種類、生徒数、教育 結果の評価、理論的・実務的教育の編成、職業訓練、職業実習などを規定。 ・初等・中等・高等レベルの職業教育のシステムとプログラムを定める政 府規則No.689/2004。見習終了証書を授与する中等教育、卒業証書を授与 する中等教育及び高等専門教育における履修プログラムの概要を規定。 ・高校入学試験の実施に関する教育・青年・スポーツ省の省令 No.671/2 004。入学願書、試験科目、試験結果発表などの詳細を規定。 ・高等技術高校の終了に関する教育・青年・スポーツ省の省令 No.442/1 991。技術教育を履修する中等技術学校の卒業試験について規定。 ・卒業試験による中等教育の終了に関する教育・青年・スポーツ省の省令 No. 47/2005。見習修了証書を取得するための中等職業教育機関の卒業試 験及びコンセルヴァトワール(芸術学校)の最終試験の内容、構成、評価 などについて規定。 ・高等専門教育に関する教育・青年・スポーツ省の省令No.10/2005。高 等専門学校の種類、入学試験の方法、授業編成、教育結果の評価、卒業試 験、教育プログラムの認定などを規定。 ・教員に関する法令 No.563/2004 は、教員の身分、職務遂行に必要な資 格・要件、継続職業訓練、キャリアシステムなどについて規定している。 この法令は高等専門学校レベルの職業学校として登録された学校の教員 (法令 No.561/2004)に対して適用されるもので、大学教員(法令 No.1 11/1998)には適用されない。また、教員の研修、キャリアシステム、認 定委員会などについては、法令 No.563/2004 及び教育・青年・スポーツ 省の省令No.317/2005 で詳細が規定されている。 (b) 高等職業教育(大学以上) 高等教育機関については、法令No.111/1998 が規定している。高等教

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育機関は研究開発面で重要な役割を果たしている。また、学位プログ ラムや生涯学習プログラムを提供している。学位プログラムは、学士、 修士、博士課程がある。学位を授与する権限を持つのは高等教育機関 だけである。公立、私立、国立の機関がある。公立大学は法律に基づ いて設立される。私立大学は教育・青年・スポーツ省の認可が必要で ある。 (c) 継続職業教育訓練 継続職業教育訓練を包括的に規定する法律はないが、他分野の振興策に関 連する個別法令の中で触れられている。 (i) 学校が行う成人教育について規定した初期教育訓練に関する法 令(前出) (ii) 労働・雇用関係の法令 ・従業員の職能開発に関する法令No.262/2006、第 222-235 条 ・雇用法 ・求職者・従業員の再教育に関する法令No.435/2004、第 108-111 条 ・労働・青年・スポーツ省の省令No.519/2004 ・投資優遇措置と他法令改正に関する法令No.72/2000 ・投資優遇措置として交付される新規雇用創出補助金、教育訓練補助金に 関する政府規則No.515/2004(投資企業は従業員の再教育に必要な経費の 35%まで、国の補助金を受給することができる。) (iii)業種、職業ごとの教育訓練(法定訓練を含む)に関する法令 ・医師、歯科医、薬剤師の専門的能力の習得と認定に関する法令 No.95/ 2006 ・教員に関する法令No.563/2004 ・地方自治体の行政スタッフに関する法令No.312/2002 ・海運に関する法令No.61/2000 ・鉄道に関する法令No.266/1994 ・電気工学の専門的能力に関する法令No.50/1978 これらの法律・法令により、職業資格は専門教育を修了するか、所定 の試験に合格した場合に授与される。無資格の就業は禁止されている。 各分野の教育機関の管理運営は、所管省によって行われるものもあれ ば、商業ベースで経営される研修センターなどもある。 2007 年 8 月 1 日から継続職業教育訓練の検証・認証に関する法律 No.179/2006 が施行されたことにより、継続教育訓練の包括的システ ムが確立した。この法律によって、非公式教育で取得した資格の認定 についての法的枠組みが整った。同時に、法律の効果を高めるために 必要な制度的条件確立への取り組みが開始された。とりわけ、現在準 備されている国家資格綱領(国家資格や認定基準などのリスト、資格 認定機関のネットワーク構築、資格認定書の発行)の作成作業は特筆 に価する。この法律の施行細則は、教育・青年・スポーツ省の省令

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No.208/2007 に規定されている。 1.5.2 職業能力評価制度 (1) 中等教育(ISCED 3C,3A)と高等専門教育(ISCED 5B)の評価に関する法令 学校と教育内容の評価は、自己評価と外部評価によって行われる。これに 関連する法令としては以下のものがある。 (a) 教育法(第 12 条、第 173-176 条) (b) 教育・青年・スポーツ省の省令 No.15/2005 (c) 政令 No.17/2005 外部評価機関としては、チェコ学校検査局(CSI)がある。CSI の活動範 囲は全国的である。教育の現状、教育の遂行と成果、学校単位で策定され るカリキュラムの順守、全体のフレームワークと学校単位のカリキュラム との適切な関係などを明確にし、評価する役割を担っている。学校の評価 は、その設立母体によっても行われている。 自己評価は、教育・青年スポーツ省の定める規則とスケジュールに則って 行われ、評価結果は、学校の年次報告書の中核部分として盛り込まれる。 (2) 中等教育(ISCED 3C,3A)の評価 後期中等教育の改革が進められている。中等職業学校(ISCED 3C レベル) の職業プログラムの修了認定試験(最終試験)は、目的指向型に改革する。 このため、筆記試験、口頭試問、最終試験の実務面などに社会的パートナ ーが広く参画することが求められている。各種プログラムの専門的能力と その評価基準は、現在、開発が進められている。評価基準の開発は、統一 的な最終試験の開発と一体をなすものとなる。2008 年末までには原案をま とめ、すべてのISCED 3C レベルのプログラムで試験的に施行される。な お、高等職業学校の一部では、ISCED 3A レベルのプログラムの教育も行 われている。 中等技術学校(ISCED 3A レベル)の Maturita と呼ばれる卒業試験は改 訂され、(a) 全国学力試験と(b) 適性・職種別試験の二つで構成されること になる。全国検定試験は中央が管理するもので、チェコ語、外国語、選択 科目(数学、人間科学の基礎、科学技術の基礎、IT 基礎)などの学力検定 がなされる。語学の全国検定試験は2010 年から一部導入され、2012 年に はさらに追加部分が実施される見込みである。一方、適性・職業別試験の 実施と評価は、個別の学校の責任において行われる。 Maturita に合格した者は、高等専門学校(ISCED 5B レベル)や高等教 育機関(ISCED 5A, 6 レベル)に進学することができる。 教育成果検証センターは、教育・青年・スポーツ省直轄の機関で、その主 な役割は、(a) 改訂された卒業試験 Maturita の準備、(b) 教育成果を評価 する基準の作成準備、(c) 教育成果の評価形式・手段・方法の研究開発― の3 つである。 (3) 高等教育機関(ISCED 5A,6)の評価

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研究プログラムの認定に関しては、法令No.119/1998、第 8-81 条が規定し ている。高等教育機関が開発する研究プログラムは、その内容・品質を評 価する教育プログラム認定機関の報告を参考に、教育・青年・スポーツ省 が認定する。研究プログラム認定機関のメンバーは、同省の提案に基づき 政府が任命する。認定は一定の期間が付されるが、延長も可能である。認 定手続きの詳細は、省令No.42/1999 に規定されている。 (4) 品質保証 公立、私立の高等教育機関の品質評価を促進する目的で、法令No.111/1998 が施行されている。同法は高等教育機関が定期的に活動評価を行い、その 結果を年次報告書で公表することを義務付けている。高等教育機関の内部 評価(内容、条件、頻度)においては、教育、科学、研究開発、芸術、そ の他の創造的活動について5 年間の長期計画を策定・提示し、それを毎年 改訂しなければならない。公立、私立学校の包括的な外部評価は認定機関 が行い、評価結果を公表する。 (5) その他の外部評価 国内外の専門家や国際機関による外部評価は、権威ある学会に加盟する際 の要件になっているため、高等教育機関では、これに対する関心が高まっ ている。 (6) 継続職業教育訓練の質 継続職業教育訓練の質は、認可訓練コースに関する限りは、国によって保 証されている。訓練の質は、認可手続きが行われる過程で教育・青年・ス ポーツ省が査定する。認可は一定の期間が付されるが、延長も可能である。 認可教育機関が行う継続職業教育訓練については、労働法の中に再訓練コ ースに関わる規定がある。教育・青年・スポーツ省の省令No.524/2004 は、 (求職者を対象にして)再訓練を行う機関の認可手続きを定めている。認 可再訓練コースの修了者には、全国で有効な資格証明書が授与されるが、 この証明書は公的教育制度の枠組みの中で授与されものとは異なる。 一方、非認可再訓練コースの品質評価は、コースを提供する者と利用する 者の責任である。明確な品質基準がなく、他の組織・機関による品質評価 も行われないからである。

1.6 その他の雇用労働関係法令

1.6.1 職業紹介制度 雇用者は、個人と直接または労働局、職業紹介所の仲介により、従業員を雇用す ることができる。(雇用法) 労働局は直接的に就職斡旋に関わるが、助言機関、情報センターの役割も果たす。 業務は全国をカバーするとともに、国際条約に基づいて、外国での求職、外国か らの求職にも対応する。職業紹介は無料である。労働局は求職票を管理し、欠員 数、紹介数などの統計を公表しなければならない。

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職業紹介所は、労働・社会政策省から職業紹介業務の許可を取得した法人または 個人である。ここでの職業紹介は有料である。労働局同様に欠員数、紹介数など の統計を公表しなければならない。 1.6.2 外国投資法により進出した企業で、海外から招聘され就労する者の労働許可条件 (1) 外国人の雇用 外国人の雇用は雇用法(法令No.435/2004)に規定されている。外国人雇 用者と外国人従業員の労働関係についは、通常、外国人雇用者が会社登記 をした国の法律が適用される。この規則は雇用契約、健康保険、社会保険 についても適用される。雇用者は雇用契約の内容、保険料支払いに関して 全責任を負う。 EU 加盟国の外国人はチェコ国内において制限なく就職することができ、 また労働局から労働許可証を取得する必要はない。EU 域外国の外国人が 就労する場合は、労働許可証と滞在許可証を取得しなければならない。雇 用者は、外国人従業員が全就労期間をカバーする有効な労働許可証と滞在 許可証を所持していることを証明しなければならない。 (2) 労働許可証の取得 雇用者は空席になっているポストを外国人従業員(代表者ではない者)で 補充する場合は、所轄の労働局に「外国人雇用許可証」を申請しなければ ならない。手数料は従業員1 名につき 500 コルナ(約 3,000 円)。特に職 種、従業員数、就労期間が審査される。 次に、「外国人雇用許可証」が発給されると、外国人被雇用者は自らまたは 代理人を通して、「外国人労働許可申請書」を入手し、労働局に申請する。 申請書には、雇用法第91 条(2)に規定する証明書類(パスポートの写し、 資格・学歴証明書、外国人雇用許可証写しなど)と500 コルナの印紙を添 付する。労働許可証の有効期間は1 年間で、特記された業務及び勤務場所 に限り適用される。労働許可証の延長手続きは、失効日の3 カ月前から 30 日前までの間に行わなければならない。 *参照:Legal Migration, (チェコ外国人雇用許可証申請書(チェコ語)), http://www.imigracecz.org/download/hiring_employees/zadost_zamestn avatele.pdf, Accessed on 23 June 2008, and Institute of Organic Ch emistry and Biochemistry AS CR, v.v.i.,チェコ労働許可証申請書(英語 版), http://www.uochb.cas.cz/Zpravy/Postdoctoral/WORK_PERMIT_Engli sh.pdf, Accessed on 23 June 2008 (3) 滞在許可証の取得 外国人の滞在条件は、労働法No.326/1999 に準拠する。チェコとの査証免 除協定が締結されていない国の国民は、短期ビザ、90 日超滞在ビザ(有効 期間 1 年)、長期滞在ビザのいずれかを取得することによって入国・滞在 することができる。日本人は 90 日以内の滞在であれば、ビザなしで入国 できる。就労目的で滞在する場合は、「90 日超滞在のビザ」を、労働許可

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証、パスポート写し、日本の住民票(戸籍抄本)の翻訳など所定の書類を 添付し、原則としてチェコ入国前にチェコ国外のチェコ大使館に申請する。 しかし、申請書類の準備に時間を要するため、ビザなしで入国し、チェコ 国内で書類を整えて、近隣国のチェコ大使館、領事館で申請・取得する方 法も行われている。なお、滞在ビザ取得後3 日以内に、外国人・国境警察 に予定される居住地、滞在期間を通知しなければならない。 1.6.3 海外から招聘され就労する者の加入義務のある制度 調査中 1.6.4 その他雇用労働に関する法令 特になし 【参考文献等】

1. Institute of Organic Chemistry and Biochemistry AS CR, v.v.i., チェコ労働許 可証申請書(英語版), http://www.uochb.cas.cz/Zpravy/Postdoctoral/WORK_PERMI T_English.pdf, Accessed on 23 June 2008

2. International Labour Organization, "Council Regulation (EEC) No. 311/76 of 9 February 1976, on the Compilation of Statistics on Foreign Workers", http: //www.ilo.org/public/english/employment/skills/hrdr/instr/eu_19.htm, Accessed on 23 June 2008.

3. International Labour Organization, "Regulation (EEC) No 1612/68 of the Cou ncil of 15 October 1968 on Freedom of Movement for Workers within the Co mmunity", http://www.ilo.org/public/english/employment/skills/hrdr/instr/eu_26.h tm, Accessed on 23 June 2008.

4. International Labour Organization, http://www.ilo.org/public/english/employmen t/skills/hrdr/instr/eu_19.htm, Accessed on 23 June 2008)

5. Legal Migration, (チェコ外国人雇用許可証申請書(チェコ語)),http://www.imigrac ecz.org/download/hiring_employees/zadost_zamestnavatele.pdf, Accessed on 23 June 2008

6. Ministry of Education, Youth and Sports, http://www.msmt.cz/, Accessed on 2 3 June 2008.

7. Ministry of Education, Youth and Sports, http://www.msmt.cz/uploads/soubory/ zakony/zakon563upraveno.doc, Accessed on 23 June 2008

8. Ministry of Finance of the Czech Republic, http://www.mpsv.cz/en/, Accessed o n 23 June 2008.

9. Ministry of Health, http://www.mzcr.cz/, Accessed on 23 June 2008. (チェコ語) 10. Ministry of Interior, The Public Administration, http://portal.gov.cz/wps/portal/

_s.155/701?number1=&name=&text=, Accessed on 23 June 2008.(法令はチェコ 語のみ)

(21)

11. Ministry of Labour and Social Affairs (MoLSA), http://portal.mpsv.cz/sz/obecne /prav_predpisy/akt_zneni/z_118_2000, Accessed on 23 June 2008. (チェコ語) 12. Ministry of Transport, http://www.mdcr.cz/en/HomePage.htm, accessed on 23 J

une 2008.

13. NSP, http://www.nsp.cz/default.aspx, Accessed on 23 June 2008. (チェコ語) 14. State Labour Inspection Office, http://www.suip.cz, Accessed on 23 June 2008.

(チェコ語)

15. The Czech Social Security Administration, http://www.cssz.cz/duchodove/pensio n_insurance.asp, accessed on 23 June 2008.

16. The Ministry of Labour and Social Affairs (MoLSA), 「チェコ労働法」(英文), h ttp://www.mpsv.cz/files/clanky/3221/labour_code.pdf, Accessed on 23 June 2008 17. The State Labour Inspection Office (SUIP チェコ語), http://www.suip.cz, Acces

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