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平成29年度森林林業振興助成事業成果報告書

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Academic year: 2021

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積雪寒冷地域におけるスギコンテナ苗短期生産技術確立のための実証事業報告書(概要)

はじめに

私たちは、秋田県南の半年間が積雪寒冷地域にある大仙市南外において、スギコンテナ苗の短期生産技術の確立を図り、生産活動の通年化による労務雇用の通年化を

図りたいとの考えから「実正事業申請系統図」を作成し、その入り口である「発芽室」を地元有識者とともに設置し、冬季発芽の実証を試みた。

(3)

使用した種子

秋田県林業研究研修センターから購入 採取園 純量率 千粒重量 千粒容積 発芽率 充実率 発芽効率 発芽勢 豊作 % g cc % % % % 不作 kg kg kg 2017 3 96.9 2.70 6.4 37.6 47.3 36.4 21.3 3.0 購入 種子採取年 一般精英樹

大仙市南外の気候環境

30年 最高 最低 設定温度 最高 最低 土壌含水率 湿度 野外 ハウス内 3月1日 4.0 3.0 47 31 170 2 4.0 0.0 23.0 12.0 273 166 170 3 7.0 0.0 25.0 20.0 68% 205 115 160 10 4.0 3.0 25.0 25.0 73% 198 106 130 20 8.0 4.0 25.0 26.0 70% 651 222 90 30 10.0 6.0 25.0 25.0 68% 633 311 30 4月1日 8.0 4.0 25.0 25.0 73% 147 79 15 10 12.0 4.0 23.0 23.0 63% 649 286 20 18.0 10.0 20.0 20.0 672 270 積雪 発芽室 室内温度 環 境 記 録 簿 天気 外気温 照度 ×100 3月2日

播種前事前処理

コンテナ直まき

農業用ピットトレー直ま

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3

実証に用いた培土

種子の ウットンバイオスター 漬け処理による効果検証

使用ピットトレー

試験 1枚のピットトレーに①・②を播種

ブレンド内容

ブレンド割合

2時間 漬け込み

ピートモス

9割

17時間(16時~9時)漬け込み

ハイコントロール

391

5g/ℓ

実証試験培土等

区分

覆土

a

カケハタブレンド

鹿沼土細粒

覆土の厚さは、コンテナ上辺から10mm

b

鹿沼土細粒

覆土の厚さは、コンテナ上辺から10mm

c

鹿沼土細粒

覆土の厚さは、コンテナ上辺から10mm

d

ピートモス

鹿沼土細粒

① ・ ②

覆土の厚さは、コンテナ上辺から10mm

(農業用ピットトレーを用いた発芽試験)

プラグトレー#128 8×16 128穴   28mm*28mm*50mm

主体培土

主体培土に1割をブレンド

播種する種子の事前処理

100倍

希釈液

① ・ ②

ココピート

① ・ ②

鹿沼土細粒

① ・ ②

将来、発芽室の運転経費の効率化を図るには、農業用ピッ トトレーを使用する方が効果的との想定から、実証検体とし て選定した。 使用培土 備考 当会オリジナル 200ℓ 実証試験はこの主体培土を替え実施 通称 100ℓ カケハタブレンド 1.5kg 区分 覆土 備考 A 鹿沼土細粒 B 黒土 C 鹿沼土細粒 D 鹿沼土細粒 追加実証試験

使用ピットトレー ブレンド内容 ブレンド割合 ピートモス 9割 ハイコントロール 391 5g/ℓ 実証試験培土等 区分 覆土 1 カケハタブレンド 鹿沼土細粒 覆土の厚さは、コンテナ上辺から10mm 2 鹿沼土細粒 覆土の厚さは、コンテナ上辺から10mm 3 鹿沼土細粒 覆土の厚さは、コンテナ上辺から10mm 4 鹿沼土細粒 覆土の厚さは、コンテナ上辺から10mm 5 カケハタブレンド 100% 鹿沼土細粒 ホーマイ水和剤 覆土の厚さは、コンテナ上辺から10mm 発芽実証試験基本培土 ココピートオールド 鹿沼土 細粒 ハイコントロール391 主体培土 (農業用ピットトレーを用いた発芽試験) プラグトレー#128 8×16 128穴   28mm*28mm*50mm 主体培土 主体培土に1割をブレンド 種子殺菌剤粉衣処理 ホーマイ水和剤 ホーマイ水和剤 ブレンド内容 ホーマイ水和剤 ホーマイ水和剤 覆土の厚さは、コンテナ上辺から10mm ココピートオールド ココピート ピートモス ココピートオールド 実証試験で使用する培土は、「カケハタブレンド比率」に準拠 種子殺菌剤粉衣処理 ホーマイ水和剤 ホーマイ水和剤 主体培土 ホーマイ水和剤 ホーマイ水和剤 ココピート 鹿沼土細粒 ピートモス 一般的なホーマイ水和剤処理に加え、宮崎みどり製薬株式会社「ウットンバ イオスター」希 釈液漬け処理を試み、コンテナの一週間遅れで農業用ピットト レーに播種した。 その結果、ウットンバイオスター希釈液漬け処理種子の発芽茎が、ホーマイ水和剤処理種子に比 して太く、葉の開きが大きいことを視認した。 この傾向は、希釈液漬け時間の長かった種子の方がより顕著であった。 また、立ち枯れの症状視認において、ホーマイ水和剤処理種子に比して著しく少なく、かつ未 発芽穴率も低位にあった。 試みた検体数が少なかったが、この成果は、今後活かして行くべく観察する考えである。 なお、コンテナに移植後の幼苗の現時点での発育状況は、他の検体と同程度 と判定している。

(5)

発芽室の設備

天 井 アン グ ル 電 球 ソケ ッ ト取 り 付 け用 木 材 ボ ル ト吊 り 下げ ボ ルト 土 間 照 明用 吊 り 下げ ア ング ル 概 要図 通路 コ ン テナ 台 コン テ ナ台コ ンテ ナ 台 通 路 通 路 天井 コン テ ナ 台 コ ン テナ 台 コ ン テ ナ台 使用電球 LED 昼光 43w 単位 : 百ルックス 播種準備室側 10cm 柱 51 58 56 51 51 51 50 48 48 51 56 57 51 52 53 54 49 49 50 52 55 53 55 55 55 46 46 49 50 53 55 58 57 54 47 43 47 50 53 58 63 59 54 43 41 45 52 54 59 65 60 54 49 41 50 56 55 55 64 59 55 50 43 51 59 56 54 58 55 55 53 4652 59 57 52 50 50 55 54 46 20cm 照度試験結果表 照射角120度 センター通路

(1) 本実証事業の実施に先立ち、設定温度25度のビニールハウスに播種したコンテナの育苗を行った。

この観察結果に比して発芽室では、発芽開始・発芽揃いに要した日数が約半分であった。 更に、ビニールハウス育苗での経験から、播種時からの立ち枯れ病対策を講じたこともあり、立ち枯れは散見程度 であった。 (2) 発芽環境は、室温25度、湿度70%前後、LED点灯16時間で設定した。 (3) 発芽室での育苗期間は、事前目標は有していなかったが、発芽揃いの判断の後、発芽室から出した時の環境 順応措置 (設定温度を最後の二週間に23度・20度と調整)を行った結果、発芽室から出すまでに要した日数は、コン テナは44日、ピットトレーは37日となった。 (4) 照度変更による成長への悪影響は、無かったと考えている。 (5) 部屋の床・壁・天井が断熱構造の発芽室は、室内温度管理が容易と考えて いたが、使用したLED球の基板 から発する熱量が想像を超えるものであった。この度の実証にあっては、設置したLED球の約半分程度しか点灯し なかったこともあり、室内最高温度が27度程度に済ますことができた。 しかし、全球点灯とした場合、室内温度が30度を超える恐れがあり、今後、室温 27度を超えないよう電球の籠り熱 を自動排気する何らかの対策が必要と判断している。 一方、発芽室内での気温等変動が、室外に出した時の環境順応に役だっているのではとも考えられ、引き続き観察 を行うこととしている。 (6) 発芽室内湿度の管理は、コンテナ等への潅水、床への散水で 65%以上乾燥しないよう注意した。 1坪/5個とするため、照射角120度のLED電球を使用 電球色は昼白色(他色電球はきわめて高価過ぎる) 現場照度 4,000lx以上を確保 アイリスオーヤマ LED-H-E39を採用

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5

発芽に要した日数等

(1) 現時点では、培土別成長量に大きな差を認め

られなかった。

しかし、今後の育苗において、それぞれの培土

特性が表れてくるものと考えられ、引き続き観察

する。

(2) 検体C(ココピート)・D(ピートモス)の空き穴

率が高く、通称カケハタブレンドの優位性を確認

した。

また、検体

Cに、ビニールハウス移動後衰弱が顕

著に表れたことから、その原因について森林総合

研究所東北支所に相談しているが、病気ではなく

同一条件下での潅水にあって当該検体の保水力が

低いことから、乾燥による現象と推定されている。

なお、細菌等の検査においても、異常ないとの

回答である。

(

3) コンテナの乾燥状態を把握するため、周囲か

ら水分を吸収する性質を持つ鹿沼土細粒を覆土に

使用することを基本としているが、これを市販の

黒土に替えてみたところ、最も早く発芽し、生育

も順調であった。

この結果から、発芽室での覆土は黒土が有利と

判定した

(7)
(8)

7

ピットトレー成長記録

(9)

育苗作業等整理図

コンテナ播種 生育 週 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 日曜日 20183.4 3.11 3.18 3.25 4 .1 4 .8 4.15 4.2 2 4.29 5.6 5.13 5.20 5.27 6 .3 6.10 6.1 7 6.24 7.1 7.8 7.15 7.22 7 .29 8 .5 8.1 2 8.1 9 発芽棟 3.2 25度 23度 22度 ビニールハウス 4.16 20度 15度 停止 露地 6.1  寒冷紗で覆い 立枯れ対策 タチガレン液剤 3.2 700倍 3.30 500倍 5.1 500倍 6.27 500倍 オーソサイド水和剤 3.12 700倍 4.13 500倍 5.15 500倍 6.12 500倍 7.10 500倍 3.16 700倍 病気対策 コジラミアクテリック乳剤 4.20 500倍 5.18 500倍 赤枯れジマンダイセン 5.3 700倍 5.31 700倍 追肥 7-20 . 10-5-8 5.7 700倍 5.28 700倍 6.18 500倍 7.17 300培 7.30 300倍 ピットトレー播種 生育 週 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 日曜日 20183.11 3.18 3.25 4 .1 4 .8 4.15 4.2 2 4.29 5.6 5.13 5.20 5.27 6 .3 6.10 6.1 7 6.24 7.1 7.8 7.15 7.22 7 .29 8 .5 8.1 2 8.1 9 発芽棟 3.9 25度 23度 22度 ビニールハウス 4.16 20度 15度 停止 露地 6.1  寒冷紗で覆い 立枯れ対策 タチガレン液剤 3.10 700倍 3.30 500倍 5.1 500倍 6.26 500倍 オーソサイド水和剤 3.19 700倍 4.13 500倍 5.15 500倍 6.12 500倍 7.10 500倍 病気対策 コジラミアクテリック乳剤 4.20 500倍 5.18 500倍 赤枯れジマンダイセン 5.3 700倍 5.31 700倍 追肥 7-20 . 10-5-8 5.7 700倍 5.28 700倍 6.18 500倍 7.17 300培 7.30 300倍

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成育記録写真

コンテナ直まき 平成30年3月2日播種

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成育記録写真

農業用ピットトレー直まき 平成30年3月9日播種

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まとめ

私たちが目指すものは、経常では4月末から5月中旬の播種作業を起点

に展開されている苗木生産活動について、その播種行為を通年化し、作

業の平準化を図るとともに、短期間生産を確保し、大量生産による低価

格化に結び付けるとともに、労務の通年化に直結する新しいシステムの

構築に取り組むというものであります。

この度の実証では、その入り口に当たる発芽行為を工場的施設で出来

ないか、試みるものでありました。

発芽室の制作には、金銭的、技術的難題に直面しましたが、多くの支

援者・協力者を得て、手作りの

”工場”を作ることが出来ました。そして、

その稼働結果については、満足出来るものであると自己評価いたしてお

ります。

この経験成果を丁寧に分析し、次のステップに繋げたいと考えており

ます。

そして、近い将来、加温等の設備を有するビニールハウスと連結させ、

大仙市南外に長い「春」を作りだし、いわゆる園芸農家的生産活動の通

年化に結び付けたいとも考えております。

苗木生産事業に参入したばかりで知識も技術的にも幼い我々でありま

すが、新たな発想でこの事業にチャレンジして参ります。

最後になりますが、(一財)日本森林林業振興会による助成事業のご支

援をもって本実証事業に挑戦出来ましたことを心から感謝申し上げます。

参照

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