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Microsoft Word - 倫理 第44講〜第53講(除45,46) テキスト.docx

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(1)

明治期の代表的思想家②

キリスト者の思想

1. 内村鑑三

① 内村鑑三の著作

『基督信徒の慰め』・『余は如何にして基督信徒なりし乎』

② 内村鑑三の思想と行動

(1) 思想形成 札幌農学校でクラークの影響を受ける。 (2) 武士道とキリスト教 l 二つのJ(Jesus・Japan)「武士道に接木されたるキリスト教」 武士道の清廉潔白精神がキリスト教の真理を実現する土台となると考える。 l 無教会主義 教会や儀式に束縛されず聖書の言葉を唯一のよりどころとする。 (3) 不敬事件 教育勅語に対する敬礼をしなかったため辞職。 (4) 非戦論 日露戦争反対の主張(日清戦争は義の戦争として支持していた) 「余は日露非戦論者であるばかりではない。戦争絶対廃止論者である」 (5) 公害問題 『万朝報』の記者として足尾銅山鉱毒事件を批判。

(2)

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2. 新渡戸稲造

① 新渡戸稲造の著作

『武士道 BUSHIDO: The Soul of Japan』 日本人の精神を海外に紹介。

② 新渡戸稲造の思想と行動

(1) 思想形成 l 札幌農学校在学中にキリスト教徒となる。 l 「太平洋の橋とならん」 米国留学・在来のキリスト教に不信感をつのらせクウェ ーカー教徒となる。 (2) 思想と行動 l 『武士道』を英語で出版。 l 国際連盟事務次長就任。

3. 新島 襄

同志社英学校を設立。開かれた教会、共和主義精神の育成を説く。

4. 植村正久

日本プロテスタント教会の中心的指導者。東京神学社創設

文学者の思想

1. 北村透谷

① 北村透谷の主要作品

『文学界』・『内部生命論』

(3)

② 北村透谷の思想

l ロマン主義文学の先駆者・文学の世界で「個」の確立をめざす。 l 「実世界」(現実の世界)ではなく「想世界」(文学の世界・個人の内面的世界)にお ける自由と幸福を重んじ信仰と愛によって根源的な内部生命を実現する。 l ロマン(浪漫)主義 固定的な形式な規則をしりぞけて、自由な感情や豊かな想像力 を強調し、自我・個性の尊重と解放を主張する文学・芸術運動。

2. 夏目漱石

① 夏目漱石の主要作品

『吾輩は猫である』・『坊っちゃん』・『それから』・『三四郎』・『こゝろ』・『明暗』・『私 の個人主義』・『現代日本の開化』)

② 夏目漱石の思想

l イギリス留学中に「自己本位」に目覚める。 l 自己本位 伝統的社会関係から解放され自我の内面的要求にしたがって生きる (従来の日本人は他者に迎合する浮草のような「他人本位」の生き方として否定)。 l 個人主義 自己の個性だけでなく他者の個性も同時に尊重しなければならない。個 人主義(自我の要求)を貫こうとするとエゴイズム(自己中心主義)がともない他者と 衝突してしまう(エゴイズムを超える倫理を追求し苦悩する)。 l 「外発的開化」ではなく「内発的開化」へ 外からの圧力による文明開化ではなく自然発生的な文明へ移行しなくてはならな い。 l 則天去私 運命のままに身を委ねる(東洋的・宗教的な心境)。

3. 森鴎外

① 森鴎外の主要作品

『舞姫』・『阿部一族』・『高瀬舟』

(4)

54

② 森鴎外の思想

l 諦念(レジグナチオン) 個人と社会の葛藤において自己を貫くのではなく自己の 置かれた立場を見つめ受け入れる。現実を受け入れつつも自己にこだわる・諦めの 哲学。 l 「かのように」の哲学 神や義務は事実として証拠立てられないが、それが「ある かのように」見なすことで社会生活が成り立つ。

4. 島崎藤村

l ロマン主義の詩人・『若菜集』(みずみずしい感覚)。 l 自然主義に転ずる・『破戒』。

5. 石川啄木

l 自然主義を批判、国家や社会を抜本的に打開道模索。 l 『時代閉塞の現状』

6. 武者小路実篤

l 白樺派・理想主義文学・トルストイに傾倒。人道主義提唱。「新しき村」建設。 l 自己の個性の成長を通じて人類の意思を実現(楽天的・求道的)。

(5)

次の文章中の ア ・ イ に入る人物の組合せとして最も適当なものを、以下の①∼④ のうちから一つ選べ。 [2008・センター・本試験] 近代のキリスト教徒のなかには、自尊のよりどころを、いわゆる武士道精神に求めようと した者たちがいた。札幌農学校に学び、後に米国に渡ってフレンド派(クエーカー)の信仰の あり方に影響を受けた教育者である ア は、「武士道」の語を海外へ紹介した。彼のよう なキリスト教指導者の多くが、武士道を精神的な基盤とし、そのうえにキリスト教の信仰を 受け入れようとした。横浜の教会でキリスト教に入信し、東京神学社を創設して日本の神学 界において指導的な役割を果たした イ もその一人である。彼らの考えた武士道は、実際 にはどの時代の武士の実像にも対応しない独自のものであったが、その後の武士に対する一 般的なイメージに影響を与えた。 ① ア 内村鑑三 イ 植村正久 ② ア 内村鑑三 イ 井上哲次郎 ③ ア 新渡戸稲造 イ 植村正久 ④ ア 新渡戸稲造 イ 井上哲次郎

(6)

56 日本の代表的なキリスト教思想家に内村鑑三がいる。内村の思想に関する説明として適当 でないものを、次の①∼④のうちから一つ選べ。 [2007・センター・本試験] ① 英文で『武士道』を著して日本人の道徳を欧米に紹介し、自らのキリスト教を「武 士道に接木されたるキリスト教」であると説いた。 ② イエスと日本は矛盾するものではなく、近代化の中で混迷する日本人の精神的再生 のために、イエスへの純粋な内面的信仰の大切さを説いた。 ③ 人間は、神の前に独り立つ存在であり、教会や儀式に囚(とら)われず、直接聖書を読 むことに基づく信仰を重んじるべきであると説いた。 ④ 日本は純粋な信仰が行われ信義を重んじる国であり、拝金主義や人種差別が蔓延 まんえん す る外国よりも、真のキリスト教が根づく国であると説いた。

(7)

内村鑑三はイエス(Jesus)と日本(Japan)という「二つのJ」を説いている。彼の考え方を 述べた文として最も適当なものを、次の①∼④のうちから一つ選べ。 [1999・センター・本試験] ① イエスへの愛と日本への愛は矛盾するものであるから、イエスへの愛と信仰に基づ く直接行動によって、日本の強権的な国家と対決していかなくてはならない。 ② イエスへの愛と日本への愛は両立しうるものであるから、日本は軍事的な国家とし てではなく、イエスへの愛と信仰に基づいた道義的な国家として世界の中に存在しな くてはならない。 ③ イエスへの愛と日本への愛は対立するものであって、日本はイエスへの愛と信仰に 基づいたキリスト教国になり、旧(ふる)いアジアから脱して、進んだ欧米の仲間入りを しなくてはならない。 ④ イエスへの愛と日本への愛は一致しうるものであって、イエスへの愛と信仰に基づ いた献身の精神によって、日本の伝統的な清明心を再生していかなくてはならない。

(8)

58 日露戦争の際に非戦論を唱えた人物に内村鑑三がいる。彼についての記述として最も適当 なものを、次の①∼④のうちから一つ選べ。 [2005・センター・追試験] ① 国を愛するとは、平和を守って日ごろから勤勉に正しく生きることだと説いた。ま た、聖書の言葉に直接向き合うことを重視し、イエスと日本に自分の生涯をささげる ことを誓った。 ② 日本の独立のためには科学技術の習得が必要だと考え、幕末に国禁を犯してアメリ カに渡った。その地でキリスト教信仰を深め、帰国後は同志社を設立し、多くの人材 を養成した。 ③ キリスト教的人道主義・博愛主義から出発し、労働者の生活を改善し、社会の不公 平を是正することなどを目指して活動した。やがて政党を結成するが、政府から弾圧 された。 ④ キリスト教が日本に定着するためには武士道精神が不可欠であると考え、武士道に ついての著作を著した。また、「太平洋のかけ橋」となることを目指し、国際社会で活 躍した。

(9)

苦しむ人々とともに生きたイエスの行為について、このようなイエスの営みを学び、実践 した人物の記述として最も適当なものを、次の①∼④のうちから一つ選べ。 [2000・センター・本試験] ① 新島襄は、「自由と基督(キリスト)教の道徳」が欧米の文明の根底にあると考えて、 物質文明のみを輸入することの無益さを説き、社会的圧迫を受けながらも聖書に基づ く信仰に支えられて、自由・自治の精神に溢(あふ)れた人格教育を行った。 ② マザー・テレサは、イギリスの植民地支配に対してインドの独立と民族解放の運動 を始めるために、「死を待つ人の家」や「平和の村」を開き、カトリック教徒として、 身体的・精神的に虐げられた人々に奉仕した。 ③ 孫文は、国外での学生生活をきっかけとしてキリスト教に帰依し、そのヒューマニ ズムの立場から自由・平等・博愛の三原則からなる三民主義を唱えて、革命運動を推 し進めた。 ④ マーティン・ルーサー・キングは、社会正義の実現が「愛と非暴力の結合」にある と考えて、力(パワー)を不必要なものとみなし、無抵抗主義を貫くことによって、人種 差別をはじめとするあらゆる抑圧に反対した。 以下の文章の に当てはまる語句を選びなさい。 [2005・センター・追試験] 北村透谷は、内面の「 」に直観される「内部生命」の発露としての恋愛を、現実の 世界に対抗する拠点とした。こうした考え方は、官能を大胆に肯定し情熱的な短歌を残した 与謝野晶子らのロマン主義運動へと展開していく。 ① 想世界 ② 実世界 ③ 幽冥界 ④ 清浄界

(10)

60 ロマン(浪漫)主義の説明として最も適当なものを、次の①∼④のうちから一つ選べ。 [2011・センター・本試験] ① 旧来の道徳に真に従うために、自然な感情を尊重し、感情のなかに含まれる道徳へ の志向に基づく自我を確立すべきだと主張した。 ② 伝統的な権威から離脱し、新たな生活や社会制度のあり方を築くことができる理性 的な主体としての自我を確立すべきだと主張した。 ③ 伝統的な道徳に囚われず、現実をありのままに直視することで、自己の自然なあり 方に基づいた自我を確立すべきだと主張した。 ④ 旧来の社会で必要とされてきた価値観の束縛から脱し、自然な感情や情熱を肯定す ることを通じて、自我を確立すべきだと主張した。 夏目漱石は、日本の文明開化の特殊性のために多くの日本人が「神経衰弱」に陥らざるを えないと述べている。そのことについて論じた次の文章中の a ・ b に入れるのに最も 適当な組合せを、以下の①∼④のうちから一つ選べ。 [2006・センター・本試験] それで現代日本の開化は前に述べた一般の開化とどこが違うかというのが問題です。もし 一言にしてこの問題を決しようとするならば私はこう断じたい、西洋の開化(すなわち一般 の開化)は a であって、日本の現代の開化は b である。 (夏目漱石「現代日本の開化」) ① a 自然的 b 人為的 ② a 内発的 b 外発的 ③ a 先進的 b 後進的 ④ a 民主的 b 封建的

(11)

夏目漱石の考え方を述べた文として最も適当なものを、次の①∼④のうちから一つ選べ。 [1999・センター・本試験] ① 「自己本位」とは、他者への依存を捨てると同時に、他者をも尊重するものであり、 エゴイズムを克服していこうとするものである。 ② 「自己本位」とは、個性を自由に伸ばし、生まれながらの善意を生かすことによっ て、人類の意志を実現していこうとするものである。 ③ 「自己本位」とは、内面的自己としての人格を自覚し、古今東西の文化を広く摂取 して、人格を成長発展させようとするものである。 ④ 「自己本位」とは、自己の内面の醜い現実を見つめ、一切の束縛を脱したありのま まの自己と社会の実相を表現しようとするものである。 近代になると、武士階級の消滅に伴って、自尊は西洋由来の個人主義と結びついた形で現 れてくる。これは夏目漱石の理解によればどのようなものであったか。それを表す記述とし て最も適当なものを、次の①∼④のうちから一つ選べ。 [2008・センター・本試験] ① 真の利己心を発揮すれば、それが人類全体のためになるように人間はつくられてい る。そこにこそ人間の価値がある。 ② 単なるエゴイズムは否定されるべきもので、自己の義務を自覚し、他人の自由をも 認める者が、あるべき個人である。 ③ 小なる自己が乗り越えられ、自己と世界が統一されることによって、独我論を超え た真の個人に到達することができる。 ④ 古い思想や世間の常識をうち破り、宇宙・自然を我が身で直接感受することによっ て、自由な個人となることができる。

(12)

62 夏目漱石が晩年になって求めたとされる考え方として最も適当なものを、次の①∼④のう ちから一つ選べ。 [2011・センター・本試験] ① 小さな自我に対するこだわりを捨て、自我を超えたより大いなるものに従って生き るという、東洋の伝統的な思想にみられる考え方。 ② むやみに自我を主張するのではなく、現実的な世俗社会の中で生きる自己をありの ままに受け入れ、そこに安んじようとする考え方。 ③ 主観と客観とが未分化で、知・情・意も未分化な状態こそ、人格が真に実現された あり方であり、そこに真の自我があるという考え方。 ④ 真の自我は、個人と社会との弁証法的な相互作用によって成立すべきであり、どち らか一方のみに片寄ることが悪だとする考え方。 森鷗外が自らの立場とした「諦念」について説明した記述として最も適当なものを、次の ①∼④のうちから一つ選べ。 [2005・センター・本試験] ① 自我と社会の矛盾に遭遇したとき、あくまで自己を貫くのではなく、自らの社会的 な立場を冷静に引き受けながらも、なおそこに自己を埋没させまいとする立場。 ② 自我と社会の矛盾に遭遇したとき、小さな自我に対するこだわりを捨て、自我を超 えたより大きなものへと自らを委ねることで、心の安らぎを得ようとする立場。 ③ 自我と社会の矛盾に遭遇したとき、あくまで自己を貫くのではなく、欲求の実現を 断念し現実から逃れることで、社会から独立した自己を実現しようとする立場。 ④ 自我と社会の矛盾に遭遇したとき、小さな自我に対するこだわりを捨て、社会的要 請に応えることに自らの理想を見いだして、人格の完成を目指そうとする立場。

参照

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