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“女性を中心としたケア—妊娠期尺度”の開発とその妥当性と信頼性の検討

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Academic year: 2021

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聖路加看護大学大学院(St. Luke's College of Nursing, Graduate School)

2010年5月10日受付 2010年11月12日採用

原  著

“女性を中心としたケア−妊娠期尺度”の開発と

その妥当性と信頼性の検討

Developing and testing of an instrument to assess

women-centered care during pregnancy

飯 田 真理子(Mariko IIDA)

* 抄  録 目 的  本研究の目的は,医療者が妊娠中の女性に対して行う女性を中心としたケア(Women-Centered Care: WCC)を,ケアの受け手である女性がどのように認識したかを測定する女性を中心としたケア - 妊娠期 尺度(WCC-pregnancy尺度:WCC-preg尺度)を作成し,その妥当性と信頼性を検討することである。 対象と方法  本研究の対象者は研究協力施設にて出産をし,入院中の女性である。  WCC-preg尺度は文献検討とインタビューを基に作成し,もとは60項目から構成された尺度である。 回答は5段階リッカート尺度であり,得点が高いほどWCCの認識が高いことを示す。妥当性の検討の ために用いた測定用具は,母親の愛着質問紙(MAQ)と出産時のコントロール感尺度(LAS)であり,妊 婦健診時の満足度に関しては10段階で評価してもらった。  研究の第1段階は妥当性,内的整合性の検討を行い,第2段階では安定性を検討した。第1段階では質 問紙を13施設591名に配布し,回収できた500名のうち482名を分析対象とした。第2段階では1施設100 名に配布し,1次調査と2次調査の両方の回答が得られた60名を分析対象とした。 結 果  表面妥当性の検討によりWCC-preg尺度は50項目となった。そして因子分析を行った結果,次の6つ の要素:【励まし】【尊重】【医療者への信用】【良好な相互作用】【意思決定への支援】【負担が少ない】が 抽出され,構成概念妥当性は支持された。基準関連妥当性の検討では,WCC-preg尺度とMAQは弱い (r=0.22, p=0.00)関連があり,LASとは中程度(r=0.48, p=0.00)関連があり,妊婦健診時の満足度とは強い (r=0.79, p=0.00)関連があるという結果であった。これらのことから基準関連妥当性は確認できた。  内的整合性に関しては,クロンバックのα係数は0.98であり,WCC-preg尺度は高い内的整合性を示 した。安定性に関しては1次調査と2次調査の相関係数は0.55であり,安定性にやや課題が残った。 結 論  本研究ではWCC-preg尺度を開発し,その妥当性と信頼性の検討を行った。その結果,尺度の妥当性 は確認できた。信頼性に関しては,安定性に課題が残されたものの,高い内的整合性があることが確認

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女性を中心としたケア­妊娠期尺度 の開発とその妥当性と信頼性の検討 できた。

キーワード:女性を中心としたケア,尺度開発,妥当性,信頼性

Abstract Purpose

The purpose of this study was to develop a "Women-Centered Care (WCC)" pregnancy questionnaire (WCC-preg questionnaire) that measured women's perceptions of care they received during (WCC-pregnancy and to test its va-lidity and reliability.

Methods

Participants were women who had a single-child birth and were hospitalized at the participating settings. The WCC-preg questionnaire is a self-administered questionnaire, which was developed based on interviews and substantive studies. This instrument originally contained 60 questions focused on their perceptions of women-centered care they received during pregnancy. Women were asked if they agreed or disagreed using a 5-point Likert-type scale. The higher the points, the more women felt that they received WCC. To examine criterion-related validity, the following scales were used; the Maternal Attachment Questionnaire (MAQ), the Labour Agentry Scale (LAS), and the 10-point Likert-type Care Satisfaction Scale.

To test validity and internal consistency, 591 women from 13 settings were recruited. Among these women, 500 responded and 482 were included in the analysis. To test stability using test-retest, questionnaires were distributed to 100 women at one setting. Among these women, 60 responded and all were included in the analysis.

Results

In testing face validity, the WCC-preg questionnaire ended up to be a 50-item questionnaire. To test the con-struct validity, factor analysis was conducted. Eventually six factors emerged: "feelings of encouragement", "being respected", "trusting the caregiver", "effective interaction", "help in decision-making", and "non-threatening man-ner". These were found to be suitable components of WCC. The correlation with WCC-preg questionnaire and MAQ showed low correlation (r=0.22, p=0.00) while LAS showed moderate correlation (r=0.48, p=0.00) and the Care Satisfaction Scale showed high correlation (r=0.79, p=0.00) thus confirming the WCC-preg questionnaire's criterion-related validity.

Cronbach's alpha was 0.98 indicating high internal consistency. However, the correlation of the test-retest was 0.55 and therefore stability remains an issue.

Conclusion

This study developed a questionnaire to measure women's perception of WCC during pregnancy and tested its validity and reliability. As a result, the validity of the WCC-preg questionnaire was confirmed. Although there re-mained an issue concerning stability, the internal consistency was high.

Key words: women-centered care, instrument development, validity, reliability

Ⅰ.序   論

 2008年の日本の合計特殊出生率は1.37であり,妊 娠・出産は女性にとって非常に貴重な経験となってい る。女性にとって妊娠期は我が子を胎内で育て,出産 と育児に向けて心身の準備をしていく時期である。そ れと同時に自分の体に改めて目を向け,自分や家族の 健康を考える時期でもある。そのため妊娠期をどのよ うに過ごすかが,その後の女性と家族の健康に影響す ると考えられる。それゆえ妊娠期のケアを行う医療者 には,女性が妊娠中に安全に快適に過ごせるようにだ けでなく,女性とその家族の長期的な健康を考慮した 関わりを持つことが求められる。  女性が妊娠期に求めることとして,自分と子どもの 健康状態に関する情報や説明,検査や処置の説明,出 産・育児に向けたサポート,家族を巻き込んだケアな どが挙げられる(Kennedy, 1995; Hildingsson &

Thom-as, 2007)。さらに助産師との関係性の中では,母親と

して自ら責任を取るためのサポートや自分や家族への 尊重,安心感を求めている(Bondas, 2002; Luyben & Fleming, 2005; Hildingsson & Thomas, 2007)。このよ うな女性のニーズに応え,その経過を支えるために は,医療者は女性とパートナーシップを組む必要があ る。その基盤となる考え方をWomen-Centered Care:

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 研究期間は2008年7月から2009年11月までであっ た(第1段階が2008年7月から11月,第2段階が2009 年8月から11月であった)。 3.研究方法 1 )WCC-preg尺度の作成 (1)項目の作成

 Horiuchi, Kataoka, Eto, et al. (2006)のWCCの概念 分 析 と,Bondas(2002),Luyben & Fleming(2005), Hildingsson & Thomas(2007)の研究を主として,特 に妊娠期のケアの特徴に着目してWCCを表している 言葉を抽出した。なおこれらのレビューをもとに,本 研究においてWCCを次のように定義した:医療者が 女性に対して行う,尊重,安全,信頼,協働の4つの 要素を含んだケアであり,このケアの過程を通して女 性のエンパワーメントを目指す。  さらに病院で行われている妊婦健診の場面の観察と, 妊婦3名と褥婦5名へのインタビューを行い,そこか らもWCCを表している言葉を抽出した。これらから WCC-preg尺度の基となる60項目を作成した。  回答は「全くそう思わない:1点」から「大変そう思 う:5点」の5段階リッカート尺度であり,得点が高い ほどWCCの認識が高いことを示す。 (2)表面妥当性の検討  表面妥当性を検討するために,研究者間で項目の内 容の検討や表現が重複しているものを削除し,50項目 とした。前述のWCCの4つの要素に当てはまる質問 項目数は次の通りである:「尊重」12項目,「安全」11 項目,「信頼」13項目,「協働」14項目。  さらに出産経験のある女性5名にプレテストを行い, 項目の言い回し等の修正と加筆を行った。質問紙の回 答に要した時間は5分程度であった。 2 )データ収集方法 (1)第1段階:構成概念妥当性,基準関連妥当性と信 頼性(内的整合性)の検討のためのデータ収集  調査対象施設の担当者の了承を得た後,研究者もし くは研究補助者(施設とは無関係の者,もしくは対象 者の出産に直接関わっていない施設のスタッフ)が対 象者に研究協力依頼を行った。質問紙の回収は返信用 封筒を用いた留め置き回収法とし,質問紙の回答と返 信をもって研究協力の同意を得たものとした。 全」「ホリスティック」「パートナーシップ」の4つの要

素から構成されており(Horiuchi, Kataoka, Eto, et al., 2006),女性の総合的なwell-beingを目標とする。そし て医療者の取るべき基本姿勢として,個人としての女 性を尊重すること,相手を脅かさないケアを行うこと, 対等な立場で協働すること,女性の希望を最優先する ことが挙げられている(Horiuchi, Yaju, Kataoka, et al., 2009)。  このように医療者側からのWCCは述べられている が,ケアの受け手である女性がそれをどのように認識 しているかは明らかになっていない。妊娠中から助産 師によるサポートを受けることで女性は自尊心や自 己効力感が高まり,エンパワーされ,妊娠・出産・ 育児のプロセスを克服することができると海外の研 究(Kennedy, 1995; Tinkler & Quinney, 1998; Luyben & Fleming, 2005)では述べられており,我が国において も現状を明らかにする必要があると考えた。しかしな がら妊娠中の女性に対するWCCを測定する尺度は見 当たらず,本研究を実施するに至った。  本研究は,医療者が妊娠中の女性に対して行う女性 を中心としたケアを,ケアの受け手である女性がどの ように認識したかを測定する 女性を中心としたケア ­妊娠期尺度(WCC-pregnancy尺度:WCC-preg尺度) を作成し,その妥当性と信頼性を検討することである。

Ⅱ.研究の対象と方法

 本研究は,WCC-preg尺度の開発とその妥当性と信 頼性を検討する方法論的研究である。本研究は2段階 から成り,第1段階は尺度の構成概念妥当性,基準関 連妥当性,内的整合性の検討を行い,第2段階では尺 度の安定性を検討した。 1.対象施設と対象者  対象施設は,妊婦健診から出産までのケアを行って いる病院,診療所,助産所とした。  対象者の条件は,研究対象施設で単胎児を出産し, 研究期間に入院し,日本語で書かれた質問紙の理解と 回答ができ,研究の趣旨に同意が得られた女性とした。 帝王切開や早期産の女性も含んだが,心身の健康状態 が著しく不良な女性は除いた。なお,第1段階と第2 段階は別の集団に行った。

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女性を中心としたケア­妊娠期尺度 の開発とその妥当性と信頼性の検討 (2)第2段階:安定性の検討のためのデータ収集  研究対象施設の担当者の了承を得た後,研究者が対 象者に研究協力依頼を行った。その際には,1ヶ月健 診時に行う2次調査への協力依頼も行った。質問紙の 回収は封筒を用いた留め置き回収法とし,質問紙の回 答と返信をもって研究協力の同意を得たものとした。  1次調査の協力が得られた対象者には,1ヶ月健診時 に質問紙(2次調査用)を施設の1ヶ月健診担当者から 配布してもらった。質問紙は,その場で記入し回収箱 に入れるか,もしくは自宅で記入し,投函してもらっ た。質問紙の返信をもって研究協力の同意を得たもの とした。なお,対象者毎に1次調査と2次調査で得ら れた結果を一致させるために,質問紙には番号を記入 しておき,データの管理は番号で行った。 3 )妥当性の検討のための測定用具  本尺度は,妊娠中のWCCと女性の出産経験は関連 があるのではないだろうかという仮説のもとに作成を した。そこで女性の出産経験を測定するために,下記 の測定用具を用いた。

(1)母親の愛着質問紙(Maternal Attachment Ques-tionnaire: MAQ)  MAQは中島(2002)によって開発され,子どもに対 する母親の愛着を測定する質問紙であり,8項目から 構成される。回答は「ほとんどない:1点」から「非常 にある:4点」の4段階リッカート尺度である。得点の 範囲は8点から32点をとり,得点が高いほど母親の子 どもに対する愛着が高いことを示す。  中島(2002)によってMAQの信頼性と妥当性の確認 がされている。 (2)出産時のコントロール感尺度(Labour Agentry Scale: LAS)

 LASはHodnett & Simmons-Tropea(1987)が作成し 毛利(1994)が翻訳した,出産時のコントロール感を 測定する尺度である。この尺度は29項目から構成され, 回答は「全くそう思わない:1点」から「非常にそう思 う:7点」の7段階リッカート尺度である。得点の範囲 は29点から203点をとり,得点が高いほど出産のコン トロール感が高かったことを示す。

 Hodnett & Simmons-Tropea(1987)と毛利(1994)が 信頼性と妥当性の検討を行っており,妥当性にある程 度課題があったものの,信頼性は確保されていた。 (3)妊婦健診の満足度  妊婦健診の「ケアの満足度」と「医療者との満足度」 を「1:とても不満足」から「10:とても満足」の10段 階で回答してもらう2項目から成る。 4.分析方法  分析にあたり,WCC-preg尺度,MAQ,LASの項目 に1割以上の無回答がある質問紙は分析から除外した。 また,この基準以下であったものについては,欠損値 を最頻値に置き換えて分析を行った。  各変数の基本統計量を算出し,構成概念妥当性を検 討するために探索的因子分析を行い,基準関連妥当性 の検討にはMAQ,LAS,「妊婦健診時の満足度」を用 いた。内的整合性を検討するためにクロンバックの α係数を求め,安定性の検討のためには同一対象に 行った2度の調査間の得点間の相関係数を算出した。  分析には統計ソフトSPSS version17.0 J for Windows を使用し,統計の専門家のスーパーバイズを受けた。 5.倫理的配慮  研究にあたり,下記のことを研究依頼文書に明記し た。 ・本研究の参加は自由意思によるものであり,参加を 断ったとしても何ら不利益を被らないこと。 ・質問紙は無記名で回収し,個人が特定できるような データは使用しないこと。 ・本研究は学会や専門雑誌に発表する予定であること。 ・得られたデータは研究目的以外には使用せず,一定 期間が過ぎた後はデータをすべて破棄すること。  なお,本研究は聖路加看護大学研究倫理審査委員会 の承認(第1段階:承認番号08-016,第2段階:承認番 号09-032)を受けてから実施した。

Ⅲ.結   果

1.第1段階:構成概念妥当性,基準関連妥当性,内 的整合性の検討 1 )研究協力施設と質問紙の配布と回収  研究協力は21施設へ依頼し,協力を得られたのは 13施設であった(病院2施設,診療所4施設,助産所7 施設)。  質問紙は合計591部配布し,500部回収できた(回収 率84.6%)。そのうち,回答が不十分であったもの18 部を除外したところ,有効回答は482部であった(有 効 回 答 率96.4%)。 な お,482部 の う ち44部 はWCC-preg尺度,LAS,MAQのいずれかに欠損値があり,

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2 )対象者の特性  対象者(以下,女性とする)の平均年齢は31.2歳(SD 4.9)であり,初産婦は217人(45.0%),経産婦は265 人(55.0%)であった。9割以上の女性が正期産であった。  出産様式は,病院と診療所で出産した女性の8割弱 (病院78.5%,診療所77.0%)が経腟分娩であった。帝 王切開も病院(16.0%)と診療所(14.6%)はほぼ同様の 割合であった。新生児の体重が「2,500g未満」だった のは全体で22人(4.6%),新生児が「NICUに入院した」 のは全体で20人(4.2%)であった。  対象者のほとんどが,正常分娩で正常新生児を出産 した女性たちであった。 3 )各尺度の得点 (1)WCC-preg尺度の得点  WCC-preg尺度の最小点は105点,最大点は尺度の 最高点である250点,平均点は211.0点(SD31.6)であ った。項目に対する回答の得点が最も低かったのは「個 別的なケアを受けた」の3.69点(SD1.14)であり,最も 高かったのは「赤ちゃんの健康状態をみてくれた」の 4.62点(SD0.59)であった。このように各項目の平均 点は3.7から4.6点であり,「4点:少しそう思う」前後 に集中していた。つまり,WCC-preg尺度は全体とし て高い得点を示していた。 (2)MAQの得点  MAQの全ての項目の平均点は「3点:かなりある」 以上の3.8点以上(SD0.4から0.5)だった。尺度得点の 平均は30.6点 3.0であり,最高点の32点に近かった。 (3)LASの得点  LASの最小点は54点,最大点は尺度の最高点である 203点,平均点は156.7点(SD24.5)であった。各項目 の平均点は3.8から6.2点であった。 (4)「妊婦健診時の満足度」の得点  「妊婦健診時の満足度」は,「ケアの満足度」と「医療 者との関係の満足度」を回答してもらった。この相関 をみたところ,r=0.90(p=0.00)と強い相関がみられた ため,「ケアの満足度」と「医療者との関係の満足度」 の得点を合計して「妊婦健診時の満足度」として分析 を行った。その結果「妊婦健診時の満足度」は最小点 2点,最大点は最高点である20点,平均点は16.3点 (SD3.5)であった。 マックス回転を用いて探索的因子分析を行った。固有 値が1以上の因子を抽出した結果,6つの因子が抽出さ れた。なお,表1の項目番号の左には,WCC-preg尺 度作成時に挙げたWCCの4つの要素:「尊重」「安全」 「信頼」「協働」を記載している。  因子分析の結果,それぞれの因子を次のように命名 した。  第1因子は『医療者の励ましを得て前へ進もうと思 えた』という意味で【励まし】と命名した。第2因子は 『私との時間や私の価値観,過去の体験,家族も含め て,私のことを大切にしてくれた』という意味で【尊 重】と命名した。第3因子は『医療者の知識・技術を信 用できた』という意味で【医療者への信用】と命名した。 第4因子は『対等な立場で話ができた』という意味で【良 好な相互作用】と命名した。第5因子は『意思決定への 支援を得られた』という意味で【意思決定への支援】と 命名した。最後に第6因子は『心身への負担を感じた』 という意味の逆転項目から成るため,【負担が少ない】 と命名した。 5 )基準関連妥当性の検討  基準関連妥当性の検討のために,WCC-preg尺度の 尺度得点とその他の尺度得点のピアソンの積率相関 係数を算出した。その結果それぞれの相関は,WCC-preg尺 度 とMAQはr=0.22(p=0.00),LASと はr=0.48 (p=0.00),「妊婦健診時のケアの満足度」とはr=0.79 (p=0.00)であった。  WCC-preg尺度の下位尺度と「妊婦健診時の満足度」 との関連を検討した結果,「妊婦健診時の満足度」は, 【良好な相互作用】(r=0.76, p=0.00),【励まし】(r=0.74, p=0.00),【尊重】(r=0.73, p=0.00)との間に強い相関が みられた。そして【医療者への信用】(r=0.67, p=0.00), 【意思決定への支援】(r=0.66, p=0.00),【負担が少ない】 (r=0.52, p=0.00)との間にも中程度の相関がみられた。  つまり,WCC-preg尺度とMAQは弱い関連があり, LASとは中程度関連があり,「妊婦健診時の満足度」と は強い関連があるという結果であった。 6 )内的整合性の検討  内的整合性の検討のために,クロンバックのα係数 を算出した。その結果,クロンバックのα係数は,全 項目でα=0.98であり,WCC-preg尺度は内的整合性が

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女性を中心としたケア­妊娠期尺度 の開発とその妥当性と信頼性の検討 表1 WCC-preg尺度の因子分析結果(主因子法、プロマックス回転) N=482 第1因子 【励まし】【尊重】第2因子 第3因子 【意思決定 への支援】 第4因子 【良好な相 互作用】 第5因子 【意思決定 への支援】 第6因子 【負担が少 ない】  因子抽出後 の共通性  第1因子(12項目)【励まし】   協働 48 態度や言葉から頑張ろうと思えた 0.76 -0.06 0.09 0.15 0.04 -0.03 0.84   協働 49 頑張りを認めてくれた 0.73 0.05 0.09 -0.11 0.14 0.08 0.77   協働 50 妊婦健診を通して、これから出産と育児を頑張ろうと思えるようになった 0.72 -0.01 0.14 0.00 0.02 0.00 0.69   協働 47 一緒に頑張ろうという姿勢で接してくれた 0.68 0.05 -0.09 0.19 0.12 -0.01 0.78   協働 45 自信が持てるようにしてくれた 0.62 0.02 0.02 0.02 0.33 -0.06 0.77   信頼 34 精神的に支えてくれた 0.53 0.22 -0.01 0.18 0.05 -0.06 0.71   協働 40 母親になるという自覚を持たせてくれた 0.47 0.07 0.14 -0.09 0.34 -0.12 0.61   安全 22 触れる手に優しさを感じた 0.47 0.22 0.22 0.02 -0.07 -0.01 0.60   信頼 27 自分のことをわかってもらえた 0.39 0.27 -0.02 0.31 0.02 -0.02 0.74   協働 44 一方的にではなく,相談ができた 0.36 -0.07 0.01 0.33 0.34 0.03 0.78   信頼 26 思いやりを感じた 0.32 0.15 0.14 0.28 -0.03 0.11 0.70   安全 23 必要な時は他の医療者に相談してくれた 0.30 0.23 0.16 0.02 0.02 -0.07 0.37 第2因子(10項目)【尊重】   尊重 7 名前と顔を覚えてくれた 0.29 0.86 -0.13 -0.15 -0.15 0.11 0.71   尊重 8 以前に話したことを覚えていた 0.21 0.77 -0.15 -0.03 -0.16 0.14 0.60   尊重 6 家族への配慮をしてくれた -0.03 0.70 0.06 -0.04 0.12 -0.05 0.58   尊重 9 健診の時間を確保してくれた 0.21 0.65 0.03 -0.06 -0.14 0.03 0.52   尊重 5 個別的なケアを受けた 0.00 0.58 0.03 0.05 0.14 -0.22 0.45   尊重 3 価値観を大切にしてくれた -0.12 0.56 0.02 0.18 0.25 0.03 0.69   尊重 11 妊娠・出産が自分にとって大きな意味があるとわかって接してくれた 0.22 0.48 0.19 -0.07 0.08 -0.06 0.60   尊重 4 今までの体験に耳を傾けてくれた -0.25 0.47 0.05 0.31 0.26 0.00 0.63   安全 13 プライバシーに配慮してくれた -0.13 0.38 0.27 -0.04 0.19 0.06 0.42   尊重 2 希望を受け入れてくれた -0.14 0.33 0.16 0.28 0.16 0.07 0.58 第3因子(8項目)【医療者への信用】   安全 21 赤ちゃんの健康状態をみてくれた 0.00 -0.04 0.82 0.15 -0.09 -0.10 0.64   安全 17 医療者の技術を信用できた 0.06 -0.11 0.80 0.00 -0.01 0.16 0.71   安全 16 医療者の知識を信用できた 0.06 -0.05 0.77 -0.06 0.01 0.13 0.66   安全 19 妊娠・出産を病気ではなく,正常なこととして扱ってくれた 0.04 0.08 0.73 -0.17 0.10 0.04 0.60   安全 20 自分の健康状態をみてくれた 0.11 0.10 0.66 -0.09 0.09 -0.01 0.64   安全 18 生活の中で気をつけることを教えてくれた 0.19 0.18 0.50 -0.04 -0.03 -0.04 0.51   信頼 25 検査や処置の説明をしてくれた 0.11 -0.13 0.42 0.38 -0.07 0.10 0.55   信頼 24 赤ちゃんと自分のことを任せられた 0.15 0.09 0.42 0.06 -0.02 0.16 0.53 第4因子(13項目)【良好な相互作用】   信頼 28 いつでも質問ができた 0.14 0.06 -0.17 0.88 -0.06 0.01 0.76   信頼 33 恥ずかしがらずに質問ができた 0.01 -0.08 0.01 0.82 0.01 0.04 0.63   信頼 32 話がしやすかった 0.21 0.07 -0.09 0.69 0.00 0.11 0.80   信頼 29 わかる言葉で説明してくれた 0.11 0.03 0.08 0.62 -0.07 0.17 0.71   協働 37 自分のことに関して必要な情報が得られた 0.03 0.05 0.40 0.59 -0.11 -0.15 0.71   信頼 30 聞きたいことがないか聞いてくれた 0.14 -0.18 0.03 0.58 0.11 0.06 0.47   協働 46 言いたいことが言えた 0.39 -0.03 -0.17 0.58 0.16 0.00 0.76   協働 38 赤ちゃんのことに関して必要な情報が得られた 0.06 -0.05 0.47 0.51 -0.03 -0.14 0.70   尊重 1 自分の気になっていることに対して,関心を示してくれた -0.24 0.36 0.15 0.49 0.02 0.02 0.59   信頼 36 質問することで心配が和らいだ 0.27 0.01 0.18 0.48 -0.07 -0.08 0.59   信頼 35 心配事を真剣に受け止めてくれた 0.37 0.18 0.01 0.44 0.00 -0.11 0.73   信頼 31 正常と異常の見分け方を教えてくれた 0.12 0.12 0.03 0.37 0.19 -0.06 0.50   尊重 12 話に耳を傾けてくれた -0.03 0.33 0.12 0.33 0.05 0.13 0.64 第5因子(4項目)【意思決定への支援】   協働 43 決めたことの後押しをしてくれた 0.34 0.05 -0.11 -0.08 0.73 0.02 0.78   協働 42 自分で決められるようにサポートしてくれた 0.29 -0.10 -0.03 -0.02 0.72 0.11 0.76   協働 39 何かを決める時,いくつかの選択肢を示してくれた 0.10 0.01 0.08 0.04 0.53 0.05 0.51   協働 41 意思を確認してくれた 0.18 -0.01 0.10 0.16 0.49 0.04 0.69 第6因子(3項目)【負担が少ない】   安全 14 必要以上の検査や治療,薬の処方を受けた(逆転) -0.10 0.03 0.04 0.00 0.08 0.71 0.53   安全 15 検査や処置を負担に感じた(逆転) -0.04 0.00 0.07 0.04 0.11 0.58 0.43   尊重 10 威圧的な態度だった(逆転) 0.11 0.02 0.06 0.20 -0.07 0.39 0.37 *(逆転)とある項目は、値を逆転して分析を行った。 因  子 【励まし】【尊 重】【医療者への信用】【良好な相互作用】【意思決定への支援】【負担が 少ない】 【励まし】 1.00 0.68 0.66 0.74 0.62 0.43 【尊重】 1.00 0.70 0.75 0.64 0.43 【医療者への信用】 1.00 0.75 0.64 0.47 【良好な相互作用】 1.00 0.69 0.48 【意思決定への支援】 1.00 0.28 【負担が少ない】 1.00 〈 因子間相関〉

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にα係数を算出した。その結果,第1因子【励まし】 がα=0.96,第2因子【尊重】がα=0.91,第3因子【医療 者への信用】がα=0.91,第4因子【良好な相互作用】が α=0.95,第5因子【意思決定への支援】が α=0.90,第6 因子【負担が少ない】がα=0.70であり,全ての因子で 高い信頼性係数が得られた。 2.第2段階:安定性の検討 1 )質問紙の配布と回収  第2段階は病院1施設で行った。  1次調査用の質問紙は入院中の女性100名に配布し た。そのうち質問紙の返信があった76名のうち75名 に2次調査用の質問紙を配布し,60名から返信があっ た(回収率,有効回答率ともに80%)。 2 )対象者の特性  第2段階の女性の平均年齢は32.3歳(SD4.5)であり, 初産婦は29人(48.3%),経産婦は31人(51.7%)であり, 正期産は59人(98.3%),経腟分娩は48人(80%),鉗 子・吸引分娩は2人(3.3%),帝王切開は10人(16.7%) であった。  第2段階も第1段階の対象者と同様,ほとんどが正 常分娩をした女性たちであった。  1次調査への回答は産後平均3.08日(SD1.29)であり, 2次調査への回答は産後平均31.95日(SD4.64)であった。 3 )WCC-preg尺度の得点  1次調査のWCC-preg尺度の最小点は142点,最大 点は249点,平均点は202.8点(SD27.91)であり,各項 目の平均点は3.3から4.7であった。  一方,2次調査のWCC-preg尺度の最小点は131点, 最大点は250点,平均点は202.6(SD30.0)点であり, 各項目の平均点は3.6から4.5であった。 4 )安定性の検討  1次調査と2次調査の得点間の相関係数は,最も 低い値を示したのが次の2項目であった:「赤ちゃん の健康状態をみてくれた(r=0.28, p=0.03)」「プライバ シーに配慮してくれた(r=0.28, p=0.03)」であり,最も 高い値を示したのが,「言いたいことが言えた(r=0.72, p=0.00)」であった。  50項目中3項目がr=0.20から0.39と弱い相関を示し  WCC-preg尺度全体の相関係数の平均はr=0.55であ り,比較的強い相関がみられた。

Ⅳ.考   察

1.WCC-preg尺度の妥当性  構成概念妥当性と基準関連妥当性の検討を行った結 果,WCC-preg尺度の妥当性は確保されたと考えられ る。 1 )構成概念妥当性  WCC-preg尺度の作成時には,WCCを「尊重」「安全」 「信頼」「協働」の4つの要素として想定していた。構成 概念妥当性の検討のために因子分析を行った結果,次 の6つの要素:【励まし】【尊重】【医療者への信用】【良 好な相互作用】【意思決定への支援】【負担が少ない】が 抽出されたものの,当初のまとまりもみられた。「尊 重」の12項目中9項目が【尊重】に,「安全」の11項目中 6項目が【医療者への信用】そして2項目が【負担が少 ない】に,「信頼」の13項目中8項目が【良好な相互作 用】に,「協働」の14項目中7項目が【励まし】そして4 項目が【意思決定への支援】に集まった。このことから, 尺度作成時に挙げていた要素が,実際と大きくかけ離 れてはいなかったことがわかった。  本研究によって得られたWCCの6つの構成要素は, 前 述 し たWCCの4つ の 要 素(Horiuchi, Kataoka, Eto, et al., 2006)と医療者の取るべき基本姿勢(Horiuchi, Yaju, Kataoka, et al., 2009)と類似していると考えられ る。このことから,今回結果として出てきた【励まし】 【尊重】【良好な相互作用】【医療者への信用】【意思決定 への支援】【負担が少ない】はWCCを構成する要素と して妥当であり,WCC-preg尺度の構成概念妥当性は 確認されたといえる。 2 )基準関連妥当性  基準関連妥当性の検討のために,WCC-preg尺度と MAQ,LAS,「妊婦健診時の満足度」との関連を検討し た。その結果,WCC-preg尺度とMAQは弱い(r=0.22, p=0.00)関連があり,LASとは中程度(r=0.48, p=0.00) 関連があり,「妊婦健診時の満足度」とは強い(r=0.79, p=0.00)関連があるという結果であった。  飯田(2009)は,MAQの得点を女性の産科歴,分娩 様式,出産をした施設形態,子どもの体重(低出生体

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女性を中心としたケア­妊娠期尺度 の開発とその妥当性と信頼性の検討 重児の有無),NICU入院の有無による差があるかを 検討したところ,これらにいずれも有意差はみられ なかったと報告している。つまり子どもに対する女 性の愛着は,産科歴,分娩様式,出産施設の形態に 関わらず,また子どもの状態に関わらず高く,変動 しないという結果であった。一方,女性のWCCの認 識は出産施設の形態や医療者との会話の主導権の違い により変化するという結果であった。これらのこと から,WCCとMAQは異質の概念を測定しているため, WCC-preg尺度とMAQは0.22という弱い相関を示し たのだと考えられる。  Lundgren(2005)は女性が出産時の体験を「避けら れない状態」と語り,無力感を感じていると述べてい る。しかしその中で助産師からのサポートを受けるこ とが,その事態を乗り越えるための鍵となっていたと 述べている。そしてHildingsson & Thomas (2007)は, 女性にとって助産師が支持的で親切であることの重要 性を述べており,助産師の善し悪しが女性の体験を大 きく左右したと述べている。  つまり,女性は助産師からのサポートを必要として おり,そのサポートを得た女性は出産を乗り越えるこ とができたといえるのではないだろうか。そしてこの 関係性は出産時に急に築けるものではなく,妊娠中 からの両者の関わりの中で徐々に作り上げられていく ものだと思われる。このことから女性の出産のコント ロール感は助産師からのケアの影響をある程度受けて いるといえることから,WCCとLASは中程度の相関 がみられたと考えられる。  WCCの構成要素である【良好な相互作用】は「妊婦 健診時の満足度」に影響を及ぼしているとRowe, Gar-cia, Macfarlane, et al. (2002),Hildingsson & Radestad (2005),Hildingsson & Thomas (2007)は報告している。 Rowe, Garcia, Macfarlane, et al. (2002)は,女性が受け たケアを満足と評価するかは,良いコミュニケーショ ンをとれたかを中心に評価すると述べており,Hild-ingsson & Radestad (2005)は,妊娠中のケア内容の中 で,情報とコミュニケーションは満足度に大きく影響 していたと述べている。またHildingsson & Thomas (2007)は,女性にとって,助産師と話しをすることが 妊娠中のケアの重要な側面であると述べている。つま り,女性は医療者とのコミュニケーションを求めてお り,コミュニケーションが十分に図れたか否かが,女 性の妊婦健診に対する満足度を左右したのだと述べら れている。  WCCの構成要素の【尊重】と【励まし】も妊婦健診 の満足度に影響を及ぼしているとKennedy(1995)は 述べている。助産師からの尊重が,女性たちの自尊 心や自己効力感の高まりに結びついていた(Kennedy, 1995)と述べられているように,女性は医療者の【尊 重】によって励まされ,自信をつけていったといえる のではないだろうか。  以上のことからWCC-preg尺度は,女性の子どもに 対する愛着という概念とは別の概念を測定しているた めにMAQとは弱い相関がみられ,「妊婦健診時の満足」 は女性のケアの体験を測定しているために強い相関が みられたのだと考えられる。そして女性の出産体験に は助産師のケアが影響するために,中程度の相関がみ られたのだと考えられる。これらのことから,基準関 連妥当性は確認できたと考えられる。 2.WCC-preg尺度の信頼性  信頼性の検討のために,内的整合性と安定性の検討 を行った。 1 )内定整合性   ク ロ ン バ ッ ク のα係 数 は 全 項 目 でr=0.98あ り, WCC-preg尺度の内的整合性は高いといえた。 2 )安定性  尺度の安定性の吟味には,調査する2時点が独立で あること(吉田,1994),測定される概念は2時点で変 化しないこと(Burns & Grove, 2005/2008),その概 念が2時点の間で比較的安定していること(Brink & Wood, 1998)が前提となっている。

 本研究において,WCC-preg尺度の安定性を示す 相関係数はr=0.55であった。これはWCC-preg尺度 の安定性はある程度確保されたものの,0.7以上の 値を示す尺度が安定性が高いとするPolit & Hungler (1994/2006)の基準には達していない。その理由とし て,安定性の1次調査を出産後平均3日,2次調査を出 産後平均32日に行ったことが関係していると考えら れる。この2回の調査時期の間に,女性と医療者の関 わりの有無等といった出来事が,女性のWCCの概念 を変化させる可能性がある。  これらのことから,尺度の安定性を示す相関係数 がr=0.55であったことの要因は,調査時期の影響と WCCの概念の変化によるものと考えられる。  安定性に課題が残されたものの,WCC-preg尺度の 内的整合性は高く,尺度の信頼性は確認されたといえ る。

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 本研究の対象となった女性のほとんどが正期産で出 産し,正常分娩とした女性たちであり,それ以外の女 性は少数だった。そして研究対象施設が第1段階では 13施設,そして第2段階では1施設で60名と限られて いたため,結果に偏りが生じた可能性がある。そのた め今後はデータ収集の範囲を広げ,データの蓄積を行 うことで,WCC-preg尺度の妥当性と信頼性を高めて いくことができると考えられる。  また,WCC-preg尺度の項目数は50項目であり,簡 便性を高めるために,さらなる内容の検討が必要であ ると考える。

Ⅴ.結   論

 本研究では,医療者が妊娠中の女性に対して行う女 性を中心としたケアを,ケアの受け手である女性がど のように認識したかを測定するWCC-preg尺度の作成 を行い,その妥当性と信頼性の検討を行った。その結 果,尺度の妥当性として構成概念妥当性と基準関連妥 当性は確認できた。信頼性としては安定性に課題があ ったものの,高い内的整合性があることが確認できた。 またWCC-preg尺度は「妊婦健診時の満足度」と高い相 関を示したことから,WCC-preg尺度をケアの評価に 用いることができると考えられる。そしてWCC-preg 尺度の作成段階で抽出されたWCCの6つの下位概念: 【励まし】【尊重】【良好な相互作用】【医療者への信用】 【意思決定への支援】【負担が少ない】は,妊娠中の女 性に対するケアを行う際の重要な要素であると考えら れる。 謝 辞  本研究にご協力をいただきました女性の方々および 施設長の皆様に深く感謝いたします。また,研究のご 指導をいただきました聖路加看護大学の堀内成子教授, 柳井晴夫教授に心より感謝申し上げます。なお本研究 は,2008年度聖路加看護大学大学院看護学研究科修士 論文の一部です。  本研究は,聖路加看護大学青木奨学金を受けて実施 することができました。深く感謝申し上げます。 引用文献

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