主体的に学びをひろげる生徒の育成(II) : 「自ら学ぶ意欲」を高める授業の構築
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(2) 2010. 主体的に学びをひろげる生徒の育成(Ⅱ) ~「自ら学ぶ意欲」を高める授業の構築~. “ Cultivating Students Who Are Expanding Their Leaning Subjectively (Ⅱ) ” Constructing Classes to Enhance “ Voluntary Motive for Learning ”. 北海道教育大学附属釧路中学校. 研究紀要. Kushiro Junior High School Attached to Hokkaido University of Education. ■ 主 催 ■ 後 援. 北海道教育大学附属釧路中学校 北海道教育大学 北海道教育庁釧路教育局 釧路市教育委員会 釧路管内教育委員会連絡協議会 釧路校長会 釧路市小中学校校長会 釧路市学校教育研究会 北海道教育大学鶴陵会 北海道教育大学附属釧路中学校PTA.
(3) -. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 研究部. 主体的に学びをひろげる生徒の育成(Ⅱ) ~ 「自ら学ぶ意欲」を高める授業の構築 ~ は じめ に 我 が国 は ,第 二次 世界大戦 以後 ,国民 の教 育水準の 向上 や機 会均 等を 目指し ,近代 化を スロ ーガ ン に掲 げ ,生 活の「 豊かさ 」を 求めて ,社会 の発展 のた めの 人材 育成 に努め てき た。ま た ,日 本国 憲 法に より ,健 康で 文化的 な最 低限 度の 生活 が全て の国 民に 保障 され ,高度 経済 成長 期を 経た 今日 , 物 質的 な豊 かさ を獲 得した とい うこ とは 紛れ もない 事実 であ ろう 。し かし同 時に ,物 質的 な豊 かさ は 価値 観を 多様 化さ せ ,ニ ート や引 きこ もり の出現 をは じめ ,希望格 差が社 会問 題化 して いる 。ま た , 利 便 性 の 追 求 や 生 産 性 の 重 視 に 伴 う 効 率 化 は ,「 変 化 の 激 し い 社 会 」 を 前 提 に , 未 来 の 形 を 見 え にく いも のと した 。つま り ,現 代社 会は ,物 質的 な豊 かさ と未 来に 対する 不安 感が 背中 合わ せの 状 況に ある とい うこ とがで きる だろ う。 そ のよ うな 社会 の状 況を背 景に ,地 域社 会や 家庭の 教育 力の 著し い低 下が指 摘さ れ ,学校 にお い て は ,学 力低 下や 不登校 ,学 級崩 壊 ,意欲 格差 等 の 問題 が指 摘さ れて いる。し たが って 現在 ,学 校 教 育に 求め られ てい るもの は ,従来 とは 質的 に異な る状 況で ある こと を的確 に捉 える 必要 があ ると い える 。 そ うし た中 ,2008 年 1 月 の中 央教 育審 議会 答申に おい ては ,「 基礎 的・基 本的 な知 識や 技能 の習 得 」, 「知識・技 能を 活用し て課 題を 解決 する ために 必要 な思 考力・判 断力・表 現力等 」, 「 学習 意欲」 が 学力 の重 要な 要素 である と明 確に 示さ れ ,同年 3 月 の告示 とな った 新学習 指導 要領 にお いて も「知 識・技 能の 習得 と思 考力・判断 力・表現 力等 の育成 のバ ラン スを 重視 するこ と」が改 訂の 基本 方針 の 1 つ とし て位 置付けら れた 。「さら に学 習意欲 を向 上さ せ, 主体 的に学 習に 取り 組む 態度 を育成 す るこ と 」 が重 視さ れてい る。 本研究は,一昨年度までの附属釧路小学校との連携研究から導き出された課題の解決に向けて , 「 学習 意欲 」の 向上 に視点 をあ てた 「授 業改 善」が その 中核 をな すも のであ る。 本 研究 の目 的は ,自 ら学び を ひ ろげ る生 徒の 育成の ため に ,動機 づけ を「内 発- 外発 」と いう 従 来 の二 項対 立 的 なも の では なく , 「 自ら 学ぶ 意欲 」 ( 櫻井 ,2009)注 1 ) とい う新 たな 枠組 みで 捉え , 「自 ら 学ぶ 意欲 」を 高め る授業 の構 築の 方法 を , 各教科 の責 任に おい て明 らかに する こと にあ る。 学 習意 欲に 関す る研 究につ いて の報 告数 は多 く,「 今さ ら」とい う感 じは否 めな い。しか し ,「目 の 輝 き が 増 し た 」, ま た は 「 雰 囲 気 が 盛 り 上 が っ た 」 と い う よ う な 非 科 学 的 な も の で は な く , さ ら に は「 興味・関心 」を 高め るだ けの もの でも ない。 つま り,我 々の“手 立て ”に よっ て喚 起され た 行 動 が ,「 強 化 」 さ れ る ま で の 「 意 欲 の 持 続 」 と , そ れ に 伴 う 「 自 己 の 調 整 ( 学 習 方 略 や 家 庭 学 習 の 仕方 等 )」の機 能 に 視点 を当 てる 必要 があ ると考 えた 。それ はすな わち ,『 これ まで の 学 習意 欲を 高 め る 我 々 教 師 の 視 点 が ,「 興 味 ・ 関 心 」 を 高 め る こ と に 閉 じ て い た の で は な い か 』 と い う 反 省 に 基 づい たも ので ある 。本研 究は ,主 題達 成に 向けた 方法 論と その 適応 に向け て 各 教科 指導 を中 心に 取 り組 んだ 本校第 13 次研 究の 途中 経過 を報 告する もの であ る。. Ⅰ. 本 校教 育の 目指 す人間 像及 び理 想の 授業. 1. 本 校の 教育 研究 の立場 本校 の教 育研 究は ,1969 年 の 開校 以来 一貫 して「授 業の 改善 」(=授業 の最 適化 )を 基底 として. -1-.
(4) -. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 研究部. い る。 こ の立 場は 奥野 (1974)の「『 授業 の中 で人を つくる 』という 自負 の基 に授業 を何 より も確 かな 教 育 対象 に据 え,こ れを 科学 的方 法論 の下 で研 究する こと によ って,有効 な技 術の 根拠 とな りう るよ う な理 論を 見出 そう」とい う考 え方. 注2). に依 拠して いる。すな わち,最適な 授 業 の 在 り 方 を 実 証 的. に 明ら かに する こと で,教 育の 究極 の目 標で ある「 人格 の完 成」 を目 指そう とす るも ので ある 。 1975 年 度か らは ,「人 間化 の視 点か ら 」とい う副題 (詳細は資料編1を参照)を つ けるこ とに より , 目 指す 人間 像を「文 化(諸 価値 )を内在 化し ,その 創造 にか かわ りう るよう な人 間 」と規 定す るこ と によ って ,こ の立 場をよ り鮮 明に した 。. 2. 教 育研 究の 指針 として の「 理想 の授 業」. 先 に述 べた 人間 化の 視点か ら授 業の 最適 化を 図るた め ,以下 に示 す「 理想の 授業 」の 実現 によ っ て ,私 たち は目 指す 人間像 に近 づこ うと 考え ている 。本 校の 研究 テー マやそ の内 容は ,常 にこ れら と かか わり をも って いる。 視 点1 視 点2 視 点3 視 点4 視 点5. 文 化( 教科 ・教材 )に 対し て即 事的 な態度 が培 われ るよ うな 授業( 人間 ) 情 動や 体験 を介し て深 く限 りな くか かわっ てい ける よう な授 業(人 間) 学 ぶこ とを 自分た ちの 生き 方に かか わらせ るよ うな 授業 (人 間) 価 値の 諸面 を包括 的に わか って いけ るよう な授 業( 人間 ) 協 同的 な学 習集団 の中 で, 積極 的に 学び合 って いけ るよ うな 授業( 人間 ). 「理想の授業」の実現を図るためには,従来と異なる新たな方法を開発する必要がある。また, そ のよ うな 方法 を組 み込ん だ授 業が「理 想の 授業」にど れだ け近 接し たかを 評価 する こと も大 切で あ る。そこ で,上記 の「視 点 1」~「視 点 5」を表 1 に 示す よう に 細 分化し ,毎 年 12 月 実施 の「学 習 に関 する アン ケー ト(ス クー ルサ ーベ イ) 」を授 業改 善の 素材 とし ている 。 私 たち の研 究の 場は ,あく まで「日 常の 授業 」であ り,消極 次元 から 積極次 元へ と変 容し てい く こ とを 想定 し た「日 々の授 業実 践の 累積 こそ 重要」と の自覚 に立 った 研究を 進め たい と考 えて いる。. 表1 視. 本校 にお ける 理想の 授業 の評 価の 視点 点. 視点1 学習における 即事的態度. 視点2 認知の深化. 視点3 反省と 自覚の関与 視点4 包括的な 理解 視点5 協同的な 学習意識. 消. 極. 次. 元. 学習の義務感 功利的学習観 受身・無関心の態度 文化の道具観 嫌悪,抑圧のポーズ 被強制と苦役の意識 情動的基底のない知・技 言葉として覚えている知・技 漠然とした知・技 ステレオ・タイプの知・技 そのことだけの知・技 教科書・答案用の知・技 一通りの知り方(でき方) 知っている(できる)という段階 実践や生活とは外在的な知・技 価値無記の知・技 個性の選択と形成に無縁な知・技 辞書的理解 二者択一的理解 視点の固定化 断片的で低いレベルの理解 学習におけるエゴイズム 他のつまずきに無関心 冷ややかな孤立 得意と务等の感情支配 相対的な競合の意識. 積 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・. -2-. 極. 次. 元. その克服 その克服 積極的な克服の態度 文化への愛 喜びと力感のある享受 自由と自己成長の意識 情動に支えられている知・技 生き生きとした経験に媒介されている知・技 わからない点が限定されていくような知・技 視点の転移によってもたらされるような知・技 大きく転換しうる知・技 生きて使える知・技 「偽」「拙」の否定において知ることができる 自分と自分たちにかかわらせる段階 実践や生活にかかわるような知・技 価値の選好にかかわるような知・技 個性づくりにかかわるような知・技 広い連関的な理解 矛盾を許容する展望 視点変換の柔軟性 統合的で高いレベルからの理解 その克服 いたわりの感受性 暖かい助け合い 他の貢献を志向 共感,協同の意識.
(5) -. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 研究部. Ⅱ 研究 の目的 1 主題 設定の 背景 ⑴ 研 究の 経緯 ① 小 中連 携研究 から 2005 年 度から 2008 年度ま で 附 属学 校の 特性 を生 か し ,「 知 ・ 徳・体」をバランスよく培うことに視点を 当てた小中連携教育 の 研究 (第 12 次研 究) を 進め てき た。 それぞれの発達の段階に応じた言語活動を取り入れた「認知 の深化」のための授業法の開発は一定の成果が見られ,言語活 動がさらに効果的に作用するための「協同的な学びの質を高め (櫻 井・ 高野, 1985). る 工夫 」が ,今 後も 継続し た課 題と して 確認 された 。. ま た, 9 年間 の義務 教育に おい て, 小学 校の 学習指 導は 具体 的な 体験 を通し て基 礎・ 基本 を身 に つ けさ せる 比重 が大 き く,中学 校に おい て は ,学習 内容 が 具 体か ら抽 象へと 大き く移 行す る段 階で あ るこ とが 明ら かに なった が, その 段階 の変 化に伴 うか のよ うに ,内 発的動 機 づ けが 小 6 から中 1 に かけ て大 きく 低下 するこ とが ,櫻 井・高 野 (1985)の 研究 によっ て報 告され てい るこ とに 着目 した。 そ こで ,各教 科 ,道徳 部会 で 義 務教 育 9 年間 におけ る「 培 いた い力 系統表 」を 作成 し ,組 織的か つ 意図 的に 学習 の指 導に 取 り組 んだ が ,生徒 の学習 意欲 の低 下の 改善 には至 らな かっ た。以上 のこ と から ,本 校で は「 抽象的 な学 習内 容に おい て,い かに 生徒 の学 習意 欲を高 める か」が今 後の 課題 と なり ,そ の解 決に 向けて 新た な研 究を 推進 してい くこ とに なっ た。. ② 昨 年度 の研究 から ~「自 ら学 ぶ意 欲」 小 中連 携研 究の 課題 を受け るか たち で ,昨 年度から 新た な研 究(第 13 次研 究 )が スタ ート した 。 研 究主 題を「主体 的に 学び をひ ろげ る生 徒の 育成」とし( 詳細 はⅡ -2 におい て後 述),主題 が全 人 的 な発 達に かか わる もので ある から ,「『教 科のよ さ 』の 実感 へ導く 授業の 構築 」とい う副主 題を 設 定し ,新 学習 指導要 領を 念頭 に置 きつ つ,「 学習 意欲 」の 向上 を目指 した 授業 改善 の可 能性 を模 索 して きた 。その 中で ,本 研究 にお ける「 学習 意欲 」の 枠組 みを, 従来 の「 内発 的動 機づけ・外 発 的 動機 づけ」とい う 二 項対 立的 なも ので はな く,櫻 井( 2009)が 提案 する「 自ら学 ぶ意 欲」と して 捉 える こと と し た。 櫻 井 は , 学 習 の 目 標 は 学 習 そ れ 自 体 で は な い が ,「 学 習 に 対 し て 目 標 を も っ て 自 発 的 に 取 り 組 ん で いる 」生徒が 尐な くない とい う 従 来の「内 発←→ 外発 」という 学習 意欲 の 分類 上の 問題 点を 指摘 し ,この ような 現実 と教育 上の 好ま しさ をあ わせて 考え , 下の図 2 の ような 分類 が「 一般 の人 たち が考えている価値判断に 近 づく であ ろう し,さらに は文科省のとらえ方とも 合 致 す る 。」 注 3 ) と 述 べ て い る。 こ の「自 ら学 ぶ意 欲」と は ,興 味 ・関 心が 学習 に対 無. する第一の動因でなくて も ,自 ら進ん で学 習に 取り. 図2. -3-. 気. 力. 学習意欲の分類.
(6) -. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 研究部. 組 んで いる 状態 を指 し,そ の 考 え方 は , 本研 究の中 核を なす もの であ る。 昨 年度 ,教 科 の「よ さの実 感」を授 業構 築の キーワ ード とし たの は ,生徒が 教科 を学 ぶ意 義に 自 然 と 気 づ く よ う な 手 立 て を 講 じ た 授 業 を 展 開 す れ ば ,「 も っ と 学 び た い 」 と い う 知 的 好 奇 心 に 基 づ い た学 習活 動 が 継続 される だろ うと 期待 した からで ある 。 し かし ,昨 年 12 月 の「学 習に 関す る意 識調 査」 の 結果 では ,学 習意 欲 の高 まり が見 られ た生 徒 は 半数 以下 にと どま った。ま た ,各 教科の 反省 から は「よ さ 」の解 釈の 幅が 曖昧 にな り ,問 題意識 の 共有 がで きて いた とはい えな い状 況で あっ たこと に , 問題 の所 在が あると 考え た。. ⑵ 全国 的な中 学生 の実態 こ こ数 年 ,国 際的 ,全 国的 な学 力調 査が 実施 され,我 が国 の中 学生 の学習に 対す る意 欲の 低下 が 大 きな 課題 とし て挙 げられ てい る。中で も,2006 年 に Benesse 教 育研 究開発 セン ター が行 った第 4 回 学習 基本 調査 の報 告書 (中 学生 版 )にお いて ,次の よう な課 題. 注4). が 報告さ れて いる 。. ① まじ めだ が受 け身 教 師か ら与 えら れた 課題を きち んと こな すと いう受 け身 のま じめ さで あって ,自 分か ら能 動 的に ,ま た学 校の 勉強の 範囲 を超 えて 学習 に取り 組も うと いう まじ めさで はな い。 ② 学習 する が学 校に 閉じて いる 授業の延長に位置づくような学習や生涯学習につながっていくような学習をしている比 率 は決 して 多く はな い。( 中略 )学 習を 通して 受け た知 的好 奇心 のよ うな感 覚を 行動 によ っ て さら に深 めよ うと いう取 組に は必 ずし もつ ながっ てい ない 。 また ,2004 年と 2009 年に実施された子ども生活実態調査報告書. 注5). において,次の課題が見. られた。 ① 「勉 強す る理 由」の質問 で , 中学 生は 否定 的な理 由が 上位 2つ を占 めるこ と。 ② 「学習 の取り 組み 方 」の質 問で ,否 定的 な理 由は学 年を 追う ごと に上 昇する こと 。 ③ 中学 生の 家庭 学習 時間に 大幅 な減 尐が 見ら れる (表 2)。ま た、家 庭学 習時 間の 二極 化が 進 み ,成 績中 位層 の学 習時間 の低 下幅 が大 きく なって いる 点 が 目立 つこ と 。 ④ なり たい 職業 が「 ある」 と回 答し た 中 学生 は ,62.0% → 54.2% と減 尐して いる こと 。. 表2. 平日. 家庭学習の平均時間(学校段階別,経年比較)注6) 小学生 中学生 高校生. 2004 年 52.4 60.5 61.5. < >. 2009 年 58.9 53.8 61.6. 休日. 小学生 中学生 高校生. 2004 年 48.1 75.1 85.0. < >. 2009 年 54.0 65.2 85.7. 注1)<>は5分以上差があることを示す。 注 2 )平 均 時 間 は「 ほ と ん ど し な い 」を 0 分 , 「 3 時 間 以 上 」を 2 1 0 分 の よ う に 置 き 換 え て ,無 回 答・不 明 を 除 い て 算 出 し た 。. (3) 本 校生 徒の 実態 ① 結果 とし ての 学力 に比べ ,過程 にお ける 積極 性や 充実 感な どが 低く,双方 の関 連性 や影 響等 が 見 えに くい 。 素 直に 課題に 取り 組む が積 極性 に欠け ,待 ちの 姿勢 が目 立つ。 「勉 強は する が, 学 ぶこ とに 閉じ てい る」と 表現 でき る。. -4-.
(7) -. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 研究部. 2009 年 5 月 に実施 した『学 習に 関す るア ンケ ー ト 調査 』(詳細は資料編 4 を参照)で は ,本 校の 生徒 は「友 達と話 し合 う,先生 が黒 板を 使う,班で 取 り 組む 授業 」を 好み ,「個 人で 考え る,工夫 して 発表する授業」を嫌う傾向にあることがわかっ た 。つ まり,本校の 生徒は ,熟 考した り工 夫し た りする活動が苦手で待ちの姿勢であるという課 題 が浮 き彫 りと なっ た。 一 方,家庭で の学 習の 様子 にお いて は,「 与え. 図 3. 家族に言われなくても自分から進んで勉強する. ら れた 宿題 をき ちん と行う が,授業 で習 った こと を さら に調 べる ,計 画を立 てて 勉強 する など 主体 的 に学 習に 取り 組ん でいな い」 こと がわ かっ た。 これらの実態は,先述した全国的な中学生の実態 と同様の傾向にあるといえる。 右 の図 3,図 4 は,今 年度 実施 の『 学習 に関 す る アン ケー ト調 査』 におけ る「 学習 の自 己統 制」 を 問う 質問 項目 の抜 粋であ る。 「自 己統 制」 は,. 図 4. 机に向かったら,すぐに勉強に取りかかる. 自 分の 感情 や欲 望を 抑えて ,最 後ま で学 習を やり 遂 げよ うと する 意識 である が, どち らの 項目 も, 学 年を 追う 毎に「は い」と 答え た比 率は 減尐 して お り,自ら 進ん で勉 強に取 りか かれ る生 徒の 比率 は 決し て高 いと はい えない 状況 であ る。 図 5,図 6 は ,全 国の 中学 生と 本校 3 年生 との AAI検査(教研式学習適応性検査)注7)におけ る「自 己統 制」の項 目の抜 粋を 比較 した もの であ る 。成 績層 の層 はN RT( 教研 式全 国標 準 診 断的 学 力検 査) を 基 準と した。 全国 調査 の傾 向で は,. 図 5. 勉強しようとしたときはすぐに取りかかれる. 全 国 の 中 学 生 の A A I 検 査 の 結 果 抜 粋 ( 辰 野 千 壽 , 2010) ※. 成 績の 上昇 に伴 って ,望ま しい 反応 を示 す比 率が 増 加し てお り,学 力と の相 関が 辰野( 2010)によ っ て報 告さ れて いる 。本校 生徒 は,数値 的に は全 国 の中 学生 を上 回っ てはい るが ,望 まし くな い反 応 を示 す比 率が 尐な くない こと がわ かる 。昨 年度 の 数値 との 比較 では ,同一 の母 集団 にお いて ,成 績上位層と下位層の数値は大幅に改善が見られ た 。しかし ,中位層 の数値 は改 善に 至ら なか った。. 図 6. 勉強しようとしたときはすぐに取りかかれる A A I 検 査 3 学 年 抜 粋 ( 2010 年 4 月 実 施 ). ま た,家庭 での学 習時 間の 平均 は,80 分程 度と , 全 国平 均の 60 分程 度を上 回っ ては いる が, 十分と はい えな い状 況で ある。 学習 の質 はと いう と, ラ ジオ やT V,CD などを つけ っぱ なし で勉 強する 割合 も全 体の 3 割 を超え てお り,「な がら 勉強 」 の 実態 も明 らか にな った。 (次 ペー ジ図 7 参 照) つ まり ,本 校生 徒の 家庭に おけ る学 習は ,量 と質に おい て高 くは ない といえ る。図 8 では ,こ つ. -5-.
(8) -. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 図 8. 研究部. こつこつと勉強できなくて困る. こ つと 努力 を積 み重 ねられ なく て困 って いる 生徒 も 学年 を追 う毎 に増 加の傾 向が 見ら れ,根本 的な 「 学習 に向 かう 姿勢 」の改 善が 必要 と思 われ る。 こ れ ら の 状 況 は , 学 習 基 本 調 査 の 報 告 書 (中 学 生 版 ) や 子 ど も 生 活 実 態 調 査 報 告 書 で 報 告 さ れ た 全 国的 な実 態と 同様 であり ,これら の改 善に 向けた 学習 方略 を含 めた 学習指 導の あり 方が 問わ れて い ると いえ る。. ② 学習 の楽し さや 喜びを 感じ てい ない 生徒 が多い 。 本校では,毎年 12 月に (詳細は資料編 2 を参照)生徒の「学習に対する意識調査(スクールサーベイ)」 を実施している。表3は,学習に対する即事的態度「ど ん な 気持 ちで 日々勉 強し てい ます か 」の過去 8 年間の経年変化を示すものである。2009 年には従来の内発的動機づけにあたる項目(9)以外に,自ら進 んで進学のために学習する項目(6)と同一化を目指して自ら学習する項目(8)を新設し,(6),(8), (9)を合わせて「自ら学ぶ意欲」を計る指標とした。 2008 年の調査では,(9)「 学 習自体 が楽 しく 喜びを 感じ る」と回 答し た割合 は前 年よ り8 %上 昇 し た 。し かし ,生 徒全 体の 32.8%に とどま り ,5 と 7 の 進学 や将 来の ためと いう「 義務 感」と回 答 し てい る割 合が 47.4%を 占め た。 表3. 「学習に対する即事的態度の過去 8 年間の経年変化」(%) 質問項目. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ★. 勉 強 さえなければ,学 校 はどんなに楽 しいかな どと考 えがちである。 勉 強 なんかおもしろくないのだが,親 や周 囲 の人 がとにかく「や れ,やれ」「やらないとこうかい後 悔 する」などとうるさく言 うので, その声 に押 されるような気 持 ちでやっている。 ただ「テストでよい成 績 がとればそれでいいのだ」と自 分 に言 い聞 かせて勉 強 のつらさに耐 えている。 「仲 間 に負 けてはいられない」とか「みんなに水 を開 けられないようにしたい」という気 持 ちに引 きずられてやっている。 勉 強 そのものはたいして好 きではないが,高 校 や大 学 へ進 学 するために仕 方 なくやっている。 希 望 する高 校 や大 学 へ進 学 するために,自 分 から進 んで勉 強 している。 かなり辛 いことではあるが,今 やっている勉 強 が出 来 なくては大 人 になったときに困 ると思 ってやっている。 大 人 になったときに役 立 つと思 うので,自 分 から 進 んで勉 強 している。 たいがいの教 科 はやればおもしろく,勉 強 していく間 に も楽 しさやむずかしさを越 えていく喜 びがあり,とにかく その授 業 に心 を傾 けていくことができる。. 02年. 03年. 04年. 05年. 06年. 07年. 08年. 09年. 7. 5.1. 5.6. 4.3. 6.1. 9.8. 6.8. 2.9. 8.1. 5.9. 6.2. 5.5. 3.9. 3.8. 6.5. 5.8. 2.6. 1.7. 1.5. 1.5. 3.4. 1.7. 1.5. 0.9. 7.5. 8.5. 5.9. 4.0. 8.0. 4.9. 5.3. 4.9. 23.8. 28. 30.5. 27.8. 29.4. 34.5. 32. 36.2. 20 16.2. 14.8. 14.5. 13.8. 16.8. 19.6. 20.0. 15.4. 29.9. 22.3 7.5. 36.2. 37.3. 36.7. 自 ら学 ぶ意 欲 に関 わる項 目 ⑥⑧⑨. 40.1. 29.4. 25.0. 32.8. 19.4 43.2. -6-.
(9) -. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 研究部. 9. 2009 年の調 査で は, ( 9) 単体 での 数値 は減 尐し た が, 「自 ら学 ぶ意 欲」の 枠組 みで 考え ると ,自ら 進 んで 学習 に取 り組 んでい る生 徒が 増加 した といえ. 50. る 。し かし,トー タル でも 43.2%と 全体の 半数に は. % 36.2 37.3 36.7. 40. 届 かず,「 義務 感」と 答え た生 徒の 割合が 42.3% で. 43.2. 40.1 32.8. 29.4. 30. あ る。 「進 学」と「同 一化 」の 動機 づけ の合 計は 66.1%. 25 19.4. と ,全 校生 徒の 2/3 にのぼ り, 本校 の学 校経 営方針. 20. に 示さ れて いる 精神 的風土 「 学習 が楽 しく て仕方が. 10 h14 h15 h16 h17 h18 h19 h20 h21 h21. な い」 とい う学 習意 欲に満 ち溢 れた 生徒 の育 成が十 分 に達 成し てい ると はいえ ない 状況 であ る。. 図9. 意識調査における項目⑨の推移. ③ 授業 の中で 楽し さや喜 びを 感じ たり ,は じける よう な躍 動感 を体 験した りす る機 会が 尐な い。 感 動が 尐な い。 ま た, NR Tの 成績 層ごと にク ロス 集計 を行 った結 果, 成績 上位 者 (5 段階 評価 平均 4.0 以上 )の 30.1% が学 習に 楽し さや喜 びを 感じ てお らず ,成績 が高 い生 徒は 学習 の楽し さや 喜び を感 じて いる かというと,必ずしもそうではない実態も明らかになった。また,学習成績においては 「二極化」 の 傾向 が見 られ るが ,上位 が伸 びて いる わけ ではな い。 右 の 図 は 「学習に対する意識. 質問2-1 「ハッ」とおどろかされたり、感動したりすること があった. 質問2-6 「これは難しい、しかしやりがいがある」と感じ、 夢中になった. 180. 調査」において,「認知の深化」. 180 154. 160. 及び「反省と自覚の関与」に関. 137. 140 120. する調査の抜粋である。 調 査 の. 154. 119 105. 160. 138. 136 116. 140. 124. 107. 100. 中でも数値的に高い項目であ. 徒 は「 質 問 2-1」は 44.6% , 「質 問 2-6」に おい ても 37.7% にと ど まっ てい るの が現 状であ る。. 135. 128. 123. 125. h15. h16. 127. 129. 127. 130. h18. h19. h20. h21. 119. 100. 人. る が,積極 次元 とし て答え た生. 127. 120. 人 80. 80. 60. 60. 40. 40. 20. 20 0. 0 h12. 図 10. h13. h14. h15. h16. h17. h18. h19. h20. h21. h12. h13. h14. h17. 認知及び反省の自覚と関与に関するアンケート調査より(抜粋). 一 方,今 年度 実施 の『学習 に関 す るア ンケ ート 調査』では ,右 の図 11 に示 すよう に「 努 力 を し て も 成 績 が上 が らな い 」 と 感 じ て いる 生 徒が , 学 年 を追 う毎 に増 加し ている こと がわ かる 。 学 習 内 容 が 抽 象的 に なる 度 合 に 伴 う か のよ う 思わ れ る が ,特 に 現 2 年生 の数 値の 増加 が突 出し てい ること がわ か る 。 こ れ ら が 集団 の 個体 差 に よ る も の であ る かの 精 査 を 含め て , 継続 した 調査・ 研究 が必 要で ある 。. 図 11. 努力しても思うように成績が上がらない. ま た , 失 敗 の 原因 帰 属を 努 力 に す る こ との 重 要性 に つ い ては ,波多 野・稲 垣( 1981)が述べ るよ うに ,こ れら の数 値の 改善 のため の方 策は ,本研 究を 支 え る一 つの 視点 とな ると考 えら れる 。. 以 上の 考察 から ,学 習に対 して 楽し さや 喜び を感じ ,主体的 に学 習活 動に取 り組 む生 徒の 育成 を 目 指し て, 本研 究主 題を設 定し た。. -7-.
(10) -. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 研究部. 2 研究 主題の 解説. 研究主題. 主体的に学びをひろげる生徒の育成(Ⅱ). 文 部科 学省 は平 成1 0年改 訂の 学習 指導 要領 で,子 ども たち に基 礎的・基本 的な 内容 を確 実に 身 に付け,自ら学び自ら考える力などの「生きる力」を育むことを大きなねらいとして打ち出した。 こ の「生き る力 」を支える 上で 特に 重要 とさ れてい るの が,「 確か な学力」・「豊 かな 心」・「健 や かな 体 」で ある。「確か な学 力」が ,知識 や技能 はも ちろ んの こと,学ぶ 意欲 や自 分で 課題 を見 付 け,自ら 学び ,主 体的に 判断 し,行動 し,よりよ く問 題解 決す る資 質や能 力等 まで 含め たも ので あ ると いう 基本 理念 は,今 回 改 訂さ れた 学習 指導要 領で も変 わる こと はない 。 学 習指 導要 領の 中で 強調さ れて いる「 自ら 」や「主 体的 」と い う言 葉は ,生 徒た ちが 自己 をつ く り ,こ れか らの 社会 を生き 抜い てい くた めに 必要な「意 欲や 態度・資 質」の 基盤 をつ くる もの であ る。 エ リク ソン( 1959)は,青 年期 前期 の課 題を「 自分 らし さの 獲得」とし てお り,この発 達段 階に お ける 課題 が解 決さ れなけ れば ,次の 段階で の課題 の解 決は ない とし た。ま た ,意 志決 定の連 続に よ って 次第 に形 成さ れてい く も のが 『自 己』 である とし てい る。 マ ーシ ャ( 1966)は アイデ ンテ ィテ ィ達 成状 況を 4 つ の類 型で 提案 して いる が ,「ア イデ ンティ テ ィ 達 成 」 の 対 概 念 を ,「 主 体 的 で は な い 状 態 」 ま た は 「 無 気 力 の 状 態 」 と し た 。 つ ま り , 主 体 性 の 獲 得 に お け る 自 己 の 決 定 は , ア イ デ ン テ ィ テ ィ 獲 得 と 相 互 関 係 に あ る と い え る 。 我 々 は ,「 ア イ デ ンテ ィテ ィ獲 得」や「キ ャリ ア形 成」に 向け た『 主体 性』の 可能性 の追求 につ いて,共通 認識 に 立 つべ きと 考 え るの である 。 本 研究 にお ける「 主体的」と は ,自 ら学 ぶ意欲 に満 ち溢 れ ,自 分の 意志・判 断に よっ て行 動す る 状 態を 表す 。生徒が 主体的 に行 動す るた めに は,正 しい 判断 の基 とな る知識・技能 を習 得して いる こ と , 自 分 で 決 定 す る 経 験 を 多 く も つ こ と な ど が 必 要 で あ る と 考 え る 。「 主 体 的 」 と い う 言 葉 は よ く 耳に する 言葉 であ るが,教 科の学 習に 閉じ るよう なも ので はな い。逆に言 えば ,教 科に おけ る『自 律 的な 学び 』が 積み 重なっ て実 現す ると 考え られる 。 「 学び 」は ,あ らゆる 学習 活動 を指 す 。し かし ,本 研究 にお いて は , 生徒が 学習 する 意義 を理 解 し た上 で 自 ら学 習に 取り組 み ,新 しい 知識や 技能を 獲得 して こそ 成立 するも のと 考え る 。また ,仲 間 とと もに 学ぶ 楽し さを味 わえ たと き学 びが 豊かに なる と考 える 。し たがっ て,生徒 が知 識や 技能 を 獲得 する ため に単 なる操 作的 な繰 り返 し学 習を行 った 場合 ,学 び が 成立し たと 考え るこ とは でき な い。 こ れら のこ と を 前提 として ,さら に「も っと知 りた い 」「も っと やって みた い 」と 自ら 進ん で学 習 活動 に取 り組 むと き,学 びの 質は 高い もの となる 。つ まり , 生 徒が 自ら「 現状 から 一歩 踏み 込ん だ 学習 活動 に取 り組 む」こ とで 「学 びが ひろ がる」 と考 える もの であ る。 こ れ ま で 述 べ て き た よ う に ,「 主 体 的 に 学 び を ひ ろ げ る 」 こ と は , 全 人 的 な 発 達 に か か わ る こ と で あり ,その検 証は 難しい 。しか し ,本校 研究 の立 脚点 であ る「 授業 の中で 人を つく る」視点 から, 「 授業 改善 」 の 立場 で副主 題を 設定 し, 主題 の達成 を目 指す こと とし た。. -8-.
(11) -. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 研究部. 3 副主 題の解 説. 研究副主題. 「自ら学ぶ意欲」を高める授業の構築. 「 自ら 学ぶ 意欲」や昨 年度 の研 究の 反省 につ いては ,Ⅱ -1 で先 述し た通 りで ある が ,昨年度 の副 主 題と の関 連を 確認 してお きた い。 教 科の「 よさ 」の概念 が曖 昧と なり 教科 毎の ブレ幅 が大 きく なっ たた めに ,各 教科 研究 によ る共 同 研究 の立 場を とる 本研究 とし ては ,副主 題を再検 討す る必 要が あっ た。ま た ,教 科に「よ さ 」が あ れば「 悪さ 」が ある のか とい う指 摘も あっ たが ,「 よ さ← →悪さ 」という よう な二 項対 立の 概念 と して「よさ 」を捉 えたわ けで はな いこ とを 確認し てお きた い。な ぜな ら ,この「 よさ」を実 感す る こと は ,その 教科 を学べ てよ かっ たこ とへ の実感 であ って ,次 にそ の教科 の学 習に 際し て強 化さ れ る動 機づ け ,つ まり心理 的な 契機 とし ての「よさ の実 感 」だ と考 えた から であ る 。す なわ ち ,「 よ さ 」と いう 文言 に 問 題 の 所 在 が あ っ た の で あ り , 基 本 的 な 考 え 方 の 方 向 を 転 換 す る も の で は な い 。. (1) 動 機づ けの 機能 右 の図 は ,速水( 1998)に よる 動機 づけ機能の流れである。動機づけは 【 行動 の喚 起】が【行 動の 強化 】に 辿 り 着く ため には , 【行 動の 持続】と【持 続 に関 わる 自己 調整 】の道 筋が 関与 す. 図 12. 動 機 づ け の 機 能 の 流 れ 図 ( 速 水 , 1998). る とい うも ので ある 。 研 究 の 目 的 で 先 述 の 通 り , 学 習 意 欲 の 向 上 の た め に 「 行 動 の 喚 起 」 に は 手 を 打 っ て き た が ,「 行 動の持続」やそれにかかわる「自己調整」について は我々の関心が向いていなかったというのが , 今 年度 の研 究の 立脚 点 であ る 。. (2) 動 機づ けと 自己 調整機 能と のか かわ り 次 ペー ジの 表 4 は,櫻 井 (2009)によ って 示さ れた動 機づ けに 関す る自 己調整 の各 段階 にか かわ る 「 他律 ←→ 自律 」のモ デル であ る。内発 的調整 と統 合に よる 調整 との 間に理 論の 一貫 性が 失わ れる 可 能性 を問 題視 しつ つ,外 発 的 な動 機づ けの 状態に あっ て,自発 的な学 習を して いる 子ど もを 発見 し て構 成さ れた 点に おいて ,行 動の持 続に 関す る我 々の かか わり 方の 視点と して 大い に参 考に なる も ので ある 。 ま た , 速 水 ( 1998) は , 外 か ら の 動 機 づ け が 内 面 化 す る こ と は 簡 単 で は な く ,「 働 き か け を 受 け 入れる体制が十分できて,初めて内面化が進む」注8)と子どもの責任にも触れながら,初期の段階 に おけ る外 的刺 激の 重要性 を指 摘す る。櫻井 (2009)は状 況に 応じ て必 要であ れば ,賞 賛を 与え るこ と も あ り う る と 述 べ て い る 。 そ れ は ,「 知 覚 さ れ る 因 果 」 を 内 的 に 向 か わ せ る た め の も の で あ り , こ の段 階を 日常 の学 習を自 己決 定行 為の 連続 体とし て捉 えた 日々 の教 育活動 が必 要な ので ある 。. -9-.
(12) -. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 研究部. 表 4 動機づけのタイプ,自己調整のタイプを中心にした自己決定連続体のモデル 行動 非自己決定的(他律的) 自己決定的(自律的) 動機づけ. 無動機づけ. 自己調整 (段階). なし. 外発的動機づけ. 内発的動機づけ. 同一化に よる調整. 外的調整. 統合によ る調整. 自己調整 に関する 事項. ・非意図的 ・無価値 ・有 能 感 の 欠 如 ・統 制 感 の 欠 如 ・随 伴 性 の 欠 如. ・従順 ・外 的 な 報 酬 や 罰. ・自我関与 (評価懸念) ・内 的 な 報 酬 や 罰. ・個 人 的 な 重 要 性 ・近 く さ れ た 価 値. ・調和 ・気づき ・自 己 と の 統 合. ・興味…関心 ・楽しさ ・生 得 的 満 足 感. 知覚され た因果の 位置. 非自己的. 外的. やや外的. やや内的. 内的. 内的. やりたいと思 わない. 「お母さんに 言われるから 仕方なく」 「やらないと 叱られるから」. 「自分にとっ て重要だから」 「将来のため に必要だから」. 「やりたいと 思うから」 「学ぶことが 自分の価値観 と一致してい るから」. 「おもしろい から」 「楽しいから」 「興味がある から」 「好きだから」. 学習場面 における 理由の例. 櫻 井 (2009). (2)「自 ら学ぶ 意欲 」の再 考 Ⅱ -1-(1)②で 述べ た通り ,昨年 度の研 究の 成果は ,「動 機づ け」の枠 組み を ,「 内発 ←→ 外発 」と い う二 項対 立で はな い概念 で捉 えた こと であ る。ま た,こ れま での 反省 点に 立ち 研究 を進 めて いく 過 程 で , 昨 年 度 追 求 し よ う と し た 「 よ さ 」 の 概 念 が ,「 自 ら 学 ぶ 意 欲 」 の 段 階 に お い て 包 含 さ れ て い るこ とも 明ら かに なった 。 し か し , 授 業 改 善 を 目 指 す 本 研 究 に お い て ,「 自 ら 学 ぶ 意 欲 」 と , 我 々 が 実 践 し て い く 「 各 教 科 の 授業 」の 関係 性を 明らか にし てお く必 要が あった 。 櫻井( 2009)は 内発 的動 機づ けを 最 目 的 的. も 上 位 の 動 機 づ け と し つ つ も ,「 他 律 ← → 自 律 」 の 枠 組 み 以 外 に ,「 手 段 ← → 目的 」の枠組 みに ついて も ,そ の重. 完全なる 内発的動機づけ. 要 性を 示し てい る。動 機づ けの 位置 づ け にか かわ る若 干の 相違は ある が,そ の 重 要 性 は 速 水 ( 1998) も 指 摘 す る 。 両 者 の 考 え を 参 考 に ,「 他 律 ← → 自 律」 ・ 「手 段←→ 目的 」の枠 組み を本 研. 他律的. 自律的 統合による動機づけ. 究でどのように捉えるのかを示した も のが 図 13 で ある 。 「 他律 ←→ 自律」の枠 組み にお ける. 同一化による動機づけ. 完全なる 外発的動機づけ. 「 授業 」の位置 づけ は ,我 々が 授業 の. 取り入れによる動機づけ. 目 標及 び目 指す 生徒 像を設 定し,その 実 現に 向け て,そ の流 れを コン トロ ー. 動因の幅. 手 段 的. 自ら学ぶ意欲. ル する もの であ るか ら,生 徒た ちの 視 点 で見 れば「 他律 」と いう こと にな る。. 図 13. 速 水( 1998)の 動 機 づ け の 二 次 元 分 と 櫻 井 (2009)の 内 発 的 - 外 発的動機の分類を参考に作成. - 10 -.
(13) -. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 研究部. ま た ,「 目的← →手 段」と いう 枠組 みに おい ては, Ⅰ -2 で述 べた 「理 想の 授業 」の 視点 から 考えて も , 手 段 的 な も の が 第 一 義 的 と は な ら な い 。 つ ま り ,「 自 律 的 か つ 目 的 的 な 動 機 づ け 」 を 目 指 し た 「 他律 的か つ目 的的 」な位 置づ けと する こと が妥当 と考 えた 。 速 水 (1998)は , そ の 枠 組 み は 「 表 層 的 な お も し ろ さ を 与 え る こ と か ら く る 疑 似 内 発 的 動 機 づ け 」 と 肯定 的に は捉 えて いない が,前述 の理 由か ら,本 研究 にお いて は「 教師の 効果 的な かか わり によ る 疑似 内発 的動 機づ け」と 肯定 的に 捉え るも のとす る。 一 つの 行動 に関 する 動機づ けは 必ず しも 一つ ではな い 。つま り ,学習 におい ても ,そ の意 欲の 源 は 限定 的な もの では ない。外的 な刺 激( 教師 による かか わり や教 材と の出会 い等 )に よる 取り 入れ や ,同一 化,外発 的な 動機 づけ の中 で,行き つ戻り つを 繰り 返し ,そ の中で ,さま ざまな 動因 が複 雑 に絡 み合 いな がら ,内発 的な 動機 づけ に ベ クトル が向 かう もの が出 現する と考 える ので ある 。 し かし ,学 びの 楽し さだけ を追 求す るこ とは ,機械 的な 記憶 が必 要な 基礎学 力の 形成 をや やお ろ そ かに する 危険 性も 可能性 とし て存 在す る 。学習が 統制 的に 傾い ては ならな いが ,必 要に 応じ た外 発 的動 機づ けと のバ ランス を重 視す る必 要も ある。. Ⅲ. 研 究仮 説. 『各教科の授業において,自己効力感を味わえるようにすることで, 生徒の「自ら学ぶ意欲」は高まるであろう』. 「 自律 性」 と自 己効 力感 「 自ら 学ぶ 意欲 」は 自律性 が前 提で ある こと は,こ れま で述 べて きた 通りで ある が,波多 野・稲 垣 (1981)は 「 自 律 性 の 感 覚 」 と 効 力 感 と の 関 係 性 に つ い て 次 の よ う に 述 べ て い る 。「 効 力 感 の 形 成 に は,努力 の主 体,つまり 行動 をは じめ ,そ れをコ ント ロー ルし たの は,ほ かな らぬ 自分 であ ると いう感覚――自律性の感覚が必要不可欠だと思われる」注9)ということである。すなわち,行動を は じめ ,自 分が 主体 として やっ たの だと いう 感覚が 自己 効力 感を 実感 するた めの 前提 条件 であ ると い うこ とが でき ると 考えた 。 こ の場 合の 自己 効力 感とは ,物事の 達成 の 範 疇のみ なら ず,向社 会的 である とこ や学 びの 共同 体 的 なも のを 含む と考 える。 そこ に正 のフ ィー ドバッ クが あっ たと する ならば ,尚 のこ とで ある 。 ま た ,自 己効 力感 には 2 つ の側 面が あり ,一方はそ の行 為自 体に やり がいを 感じ るも の 。も う一 方 はそ の行 為に よっ てもた らさ れた 感覚 や感 情等に やり がい を感 じる 場合で ある 。し かし ,そ の両 者 に共 通し てい える ことは ,そ の行 為が 「自 己向上 」の 実感 と関 連す るとい うこ とで ある 。 効 力 感 の 実 感 は ,「 好 ま し い 変 化 が 生 ぜ し め た 活 動 が 「 み ず か ら 」 始 め た も の だ 」 と い う 「 自 律 性 の感 覚 」と 密接に つなが って いる 。そこで 中心的 な役 割を 果た すも のが学 習に 関す る「自己 効力 感 」 で あ り , 自 己 向 上 の 楽 し さ や 喜 び 等 の 体 験 を 欠 く こ と は で き な い と 考 え ら れ る 。 伊 田 ( 2003) は ,有能感 の獲 得と アイデ ンテ ィテ ィ獲 得や キャリ ア形 成と の関 連を 指摘し てい るが , 「自 己向上」 の 実感 や有 能感 の感 得の積 み重 ねが ,動 機づ けの持 続・強化 の鍵 とな るもの だと 考え るこ とが でき る。 すな わち ,自律性 の感覚 や自 己向 上か ら来 る有能 感の 積み 重ね から「自己 効力 感 」を 味わえ るよ う な授 業を 構築 する ことで ,内 発的 に動 機づ けられ た, 目標 自体 を「 より高 い,ある いは 深い もの に 変容 させ てい く」状態を 志向 する 主体 的な 生徒を 育成 する こと がで きるの では ない かと 考え るも の であ る。. - 11 -.
(14) -. ・ 手立 て ・ 諸条 件 ・ 評価 ・ 課題 ・ 環境 ・ 安心 ・ 刺激 ・ 情報 ・ 締切 ・ 試験 日. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 研究部. 動機づけ WILL 行動の喚起. ・動因効果 ・目標効果 行動の持続. 知 的好 奇心. 情 報収 集. 向 社会 的欲 求. 自 発学 習 挑 戦行 動. 行動の強化 有 能感 充 実感. 深 い思 考 独 立達 成. 等. 行動の調整. 図 14. 本研究における動機づけのモデル(※速水,櫻井らの動機づけプロセスを参考に作成). 図 14 は 速水 (1998),櫻 井( 2009)の プロ セスモ デル を参 考に ,本 校が作 成し た動 機づ けの モデ ル であ る。図 中の 矢印 は「 動機 づけの 強化 の流 れ」を意 味する が ,同 時に「 自己 効力感 」を伴 うと 考 えて いる 。. Ⅳ. 研 究の 方法. 1. 本 校に おけ る実 証的研 究の 考え 方 本 校の 各教 科の 授業 改善に おけ る研 究は ,仮 説演繹 によ る実 証的 研究 である 。教育を 確か な研 究. の 対象 と見 据え ,よ り科学 的な 方法 論と その 適応を 示す こと は ,本校 の教育 研究 にお ける 使命 の一 つ だと 考え てい る。 ま ず ,「 理想の 授業 」に迫 るた めの 「授 業改 善(最 適化 )」の概 念を 次のよ うに 規定 する 。 ① 何 を も っ て , ど の よ う な 状 態 に な っ た と き に 「 授 業 改 善 ( 最 適 化 )」 さ れ た の か と い う , つ ま り 授 業 改 善 の 指 標 で あ る が ,こ れ は「 授 業 効 果 の 最 大 化 」と し て 生 徒 の 側 に 実 現 さ れ る 効 果 で あ り ,従 属 変 数 ま たは効果変数として捉えている。 ※ 本 研 究 に お い て は ,動 因 効 果 の 高 ま り を 目 指 す も の で あ る が ,同 時 に 目 標 効 果 が 伴 わ な け れ ば な ら な い も の と 考 え て い る 。 つ ま り ,「 意 欲 は 高 ま っ た が , 成 績 が 伴 わ な い 」 と い う 状 況 の 改 善 が な け れ ば , 自 己効力感の実感もなく,自己調整の機能が作用しないと考えている。 ② 何 を 何 に 対 し て 改 善 す る の か と い う ,つ ま り 研 究 方 法 に お け る 独 立 変 数 ま た は 研 究 変 数 で あ る が ,こ れ には次のAとBの二つの方法操作が設定されている。 A) 授 業 の 全 過 程 の 中 に 教 育 の 方 法 概 念 と し て の 評 価 活 動 を 組 み 入 れ て い く 授 業 を 実 践 す る 。 B) 教 材 の 特 質 に 最 も 適 合 す る と 考 え ら れ る 授 業 方 式 を 考 究 創 出 し ,授 業 の 基 本 過 程 を 構 成 し て 授 業 を 展 開する。. 本 校の 研究 は,「 指導 方法 に関 する 実証 的な 手法を 用い た研 究」を 基底 とし てい る (詳細 は資 料編 3 を 参照)。日 々の 授業,ある いは 生徒 の実 態か ら問題 を確 定し,仮説 を構 築 し ,問 題を解 決す るた め に 計画・実 践・検証 のサイ クル を繰 り返 し ,仮説の 検証 ,成 果と 課題 につい て科 学的 根拠 を示 すこ と が本 研究 の目 的で ある 。 全体 の階 梯は 以下 に示す 通り であ る。 (1) (2) (3) (4) (5). あ る実 践的 問題 につい て仮 説を 構築 する ~仮説 仮 説に基 づい て,こ れま でと は違 った 実践を 計画 する ~計 画 計 画に従 って 実践を 行う ~実 践 実 践でね らっ ている 目標 の到 達度 を調 査する ~効 果の 測定 仮 説の確 かさ を検討 する ~検 証・ 考察. - 12 -.
(15) 第 13 次研究総論(2 年次)-. -. 2. 研究部. 「 自ら 学ぶ 意欲 」を見 取る 手立 て 意 欲と は「物 事を 積極的に しよ うと する 気持 ち」で ある 。心理 学の 世界では「 動機 づけ 」とも 表. 現 され てい ると おり ,心の 状態 を示 すた めに 教師側 から の見 取り が難 しいと いわ れて いる 。「 今日 の 授業 で,Aく んの 目が輝 いて いた から 意欲 的であ った 」 「B さん は一度も 挙手 をし なか った ので, 意 欲的 では なか っ た 」 と い う よ う な 表 面 的 な 行 動 の 観 察 だ け で は , 正 確 に 生 徒 の 「 自 ら 学 ぶ 意 欲 」 を 捉え たと はい えな い。よ り正 確な 見取 りの ために ,一 人一 人の 生徒 に対し て多 面的 に捉 える こと が 望ま しい と考 える 。. (1) Q -分類簡 便法 …短期 的な スパ ン (手立 てを講 じた 授業 後に 実施 )で, 自ら 学ぶ 意欲 を見 取る 本 校で は下 の 図 15 に示し た『 Q -分 類簡便 法 』と いう 自己 評価 を行 ってい る。これ は, 動因 効果 測 定の ため の一 つの 方法で あ り,一単位 時間 の 授 業に お け る学 習意 欲を 数値 として 測 定で きる よう に本 校が開 発 した もの であ る。 15 項目 の短 文のう ち,自 分 の感 想に 似て いる 文を 5 項 目選 ぶ。算 出法 より 得ら れ た 値で 講じ た手 立て の有効 性 を判 定す る も ので あ る。. 授業をうけて自分の気持ちに似ているものを5つえらんでください。 1.あまりよくわからなかった。 2.よく考えることができた。 3.ますます勉強がいやになった。 4.新しいことがわかってうれしかった。 5.やさしすぎて,はり合いがなかった。 ○ 6.もっとこの授業がつづけばよかった。 7.これという感じはのこっていない。 ○ 8.とても楽しかった。 × 9.家で勉強した方がよくわかった。 10.つらかったが,ためになったような気 がする。 ×1 1 . と て も 時 間 が 長 く 感 じ ら れ た 。 12.思うように考えたり活動したりするこ とができなかった。 ×1 3 . お さ え つ け ら れ る よ う な 気 持 ち だ っ た 。 ○14.勉強のしがいがあるように思われた。 ×1 5 . だ ら け た 気 持 ち で す ご し た 。 ○ × ○. 図 15. ※. 2. 4. 6. 8. 14 を 選 ん だ 数 ×20= A 3. 9. 11. 13. 15 を 選 ん だ 数 ×(- 20)= B A+B=得点 最高点. + 100. ~20. 最 低 点 - 100. ほとんど効果がない. 20~40. やや効果がある. 40~70. 効果がある. 70~90. かなり効果がある. 90~. きわめて効果がある. Q- 分類簡 便法質 問紙. (2) 認 知・ 感情 ・行 動の傾 向 ア ンケ ート … 中 期的な スパ ンで ,自 ら学 ぶ意欲 を見 取る 「 動 機づ け 」の 高ま りを , 一 般的 に 可視 的に 判断す る こと は 難し く , 教師の 主 観が 伴 う場 合は , 客 観性 に欠 ける 危険 性もあ る。また ,教科 の学 習は ,学 校の 授業 だけで 完結 する もの では なく ,家 庭 や塾 など 学校 外に おいて も生 徒の 学習 活動 は存在 する 。 そ のた め,本研究 は一 単位 時間 に加 えて 日々 の生徒 の変 容を 見取 るた めに実 践期 間の 前後 また は 節 目 にお ける ア ンケ ート調 査 を位 置 づ け る。 行動が 喚 起さ れ動 機 づけ が強化 に 向か うの で あれ ば , 認 知や 感情 ,行 動の変 化が 伴う はず であ り ,そ れら の変 化が 見ら れた 場合に「自 ら学 ぶ意 欲」が 高 ま った と判 断す るも のであ る。 下 の表 5 は , 「 自ら 学ぶ意 欲」の判 断の ため の 評価 の観 点 で ある 。本 研究で は 図 14 の「 行動 の持 続 」で 示し た櫻 井 (2009)の 動機 づけ のプ ロセ ス を参 考に し ,生徒 自身が「自 ら学 ぶ意 欲」の状態 を 評 価す るた め, 具体 的な 認 知や 感情 , 学 習の 様子 (学 習行 動 )を示 す5 つの項 目を 設定 した 。 表5. 本研 究に おけ る 認知 ・感 情・ 行動 の傾 向. ① 情 報収集 …… 「え ~ (既 知との ギャ ップ隔 たり )」や「ど うし て (疑 問 )」,「も っと 知り た い ・や って みた い (興味・ 関心 )」など の声 が聞こ える 等 。(知 的好 奇心) ② 自 発学習 …… 進ん で辞 書や 資料 で調 べる。挙手 する 。メ モを 取る。話し 合い に積 極的 に 参 加 (質 問)する 等。 ③ 挑 戦行動 …… 自分 が現 在で きる 課題 よりも 尐し 難し い課 題に 挑戦し よう とす る等 。 ④ 深 い思考 …… 集中 して 課題 に取 り組 む等。 ⑤ 独 立達成 …… 他者 の力 を借 りず に , 自分の 力で やり 抜こ うと する等 。. - 13 -.
(16) -. 表6. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 本研 究に おけ る 認知 ・感 情・ 行動 の傾 向アン ケー トの 例( 美術 科) ( R) は 逆 転 項 目. 現 在 の 自 分 に つ い て 答 え て 下 さ い 。( 4 … は い 番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20. 研究部. 質. 問. 3…どちらかといえばはい. 項. 2…どちらかといえばいいえ. 1…いいえ). 目. いろいろな美術作品を鑑賞したい。 鑑賞の授業で,時間の経過が早く感じられることがある。 授業で触れた作家の作品を鑑賞することがある。 作品を通して,作者が何を表わしたかったか知ろうとしている。 作品について,自分が感じたこと・思ったことを友達と語り合いたい。 作 品 を 見 る よ り , ま ず 詳 し い 解 説 を 聞 き た い 。( R ) 作品について語り合うより,まずは自分で深く味わいたい。 作 品 の 読 み 取 り が 難 し い と , や る 気 が な く な っ て し ま う 。( R ) 作品から,目で見えないものを感じ取ろうとしている。 美術の授業以外にも,美術館やTVなどで鑑賞する機会が増えた。 落 ち 着 い て 考 え , 深 く わ か っ て い く 喜 び が な く て 不 満 で あ っ た 。( R ) 作品についてあれこれ考えるのが楽しい。 大切だと思うことは,メモをとるようにしている。 鑑賞の授業は,ハっと驚いたり感動したりすることがある。 今まで関係がないと思っていたことにも ,こんなつながりがあるかと感じた。. こんな勉強なら将来もずっとやっていきたいと思った。 ど う す れ ば よ い か と い う こ と だ け で な く ,作 品 の 見 方 や 味 わ い 方 が わ か っ た 。 ど う し て こ の 教 科 は こ ん な に お も し ろ く な い の だ と 思 っ た 。( R ) 自分が好きな感じの作品が,最近増えた。 こんなことだと思っていたが,みごとにくつがえされた。. 情報収集 深い思考 自発学習 情報収集 情 報・思 考 深い思考 独立達成 挑戦 深い思考 自発学習 深い思考 感情 情報収集 感情 感情 感情 認知 感情 感情 認知. (3) 学 習に関 する 意識調 査… 長期 的な スパ ン (毎 年 12 月に実 施 )で ,自ら 学ぶ 意欲 を見 取る 一 年間 の研 究の 成果 による 生徒 の変 容を 見取 る手立 てと して ,前 出の「 学習 に関 する 意識 調査(ス ク ール サー ベイ ) 質 問1」 を用 いる 。( 資料 編 2 を 参照 ) こ の質 問は 学習の 理由 また は学 習動 機と 捉 えて も差 し支 えな い。個 人ま たは 学級 単位 の学習 動機 の傾 向を 把握 するこ とは , 「自 ら学 ぶ意欲」 を 高め る指 導に 役立 つと考 える 。 ま た,本研 究で は,学習の 動機 が進 学や 将来 のため であ って も,自発 的に学 習し てい れば「自 ら 学 ぶ意 欲」とし て認 めてい こう と考 えて いる 。しか し,あく まで 理想 とする 回答 項目 は 9 の「 たい が い の 教 科 は や れ ば お も し ろ く ,( 中 略 ) 喜 び が あ り , と に か く そ の 授 業 に 心 を 傾 け て い く こ と が で きる 」で ある 。. (4). 教 師によ る観 察法. 生 徒の 学習 意欲 を多 面的に 捉え るた めに ,教師によ る観 察法 を併 用す る。観 察の 視点 とし て ,前 出 の「自 ら学 ぶ意欲 の発現 プロ セス 」におけ る 5つ の学 習 行 動を 用い る。挑 戦行 動と 独立 達成 行動 に つい ては ,前 ペ ー ジ表 5 の 質問項 目を その まま観 察の 観点 に置 き換 えて用 いる こと が可 能で ある。. Ⅴ. 研 究を 支え る諸 側面の 取り 組み. 1. 「 放課 後の 時間 割」と 「セ ルフ コン トロ ールシ ート 」 本研 究は ,主 題達 成に向 けた「授 業改 善」のため の手 法を 提起 する ことを 目的 とし てい るが ,そ. れ らを 支え ると 考え られる 取り 組み につ いて 触れて おき たい 。 生徒 の主 体的 な態 度に「 自 律性 の感 覚」のか かわ りが 大き いこ とは 前述の 通り であ るが ,そ れは 学 習す るこ と自 体が 「目的 的」 であ るこ とを 指す。. - 14 -.
(17) -. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 研究部. 家 庭に おけ る学 習の 大切さ を認 識し つつ も ,「生徒 のや る気 の問 題」等と ,問題 の所 在を 生徒 に 預 けて しま って は ,「 行動 の持 続 」に 対す る 我々の 関与 とは なら ない 。また ,積極 的に 学習 事項に 関 する 情報 収集 を す る,ノ ート をと る ,授業 後にわ から ない とこ ろを 質問す る ,ま たは 定着の ため の 学習 に繰 り返 し取 り組む 等,どの よう にし たら目 的に 効果 的に 接近 できる のか を考 え ,多く の学 習 方 略 を 準 備 し て い る 場 合 の 方 が , 目 標 に 到 達 で き る 可 能 性 が 高 い 。 速 水 (1998)に よ る 測 定 で は , 「自己調整学習方略を多く持つ生徒の方が学習目標を持っており ,学ぶこと自体を楽しんでいる」 注10). ことが 明ら かに された 。つ まり,自己 調整 や学 習方 略に 視点 を向 けるこ とは ,生 徒 の 学 習 行 動. や学習にかかわる動機づけを持続させ る とと もに ,学習 に対 する 目的 的な 意識 を 高め るサ ポー トと なると 考え た。 そ こで ,図 16 に示 す,「 放課 後の 時 間 割 」を ,先 行拘 束( プリ コミ ット メン ト )とし て ,「セ ルフ コン トロ ール シー ト 」を 内 省( セル フモ ニタ リン グ )と捉 え ,自 己調 整の 指導 を行っ てい る。 日 中は 学校 の時 間割 で ,学 習の 教科 や 内 容,時刻 等が生 徒の 感情 や意 志と は関 係 なく 規定 され てい る。し かし ,「家 庭 で の学 習」は ,取り 組む教 科や その 内容 , 開始時間や終了時間を生徒が主体とな っ て決 める もの であ る。目 的的 に学 習に 取 り組 み ,その結 果が 予想 した よう にう ま くい かな けれ ば ,そ の取 り組 み方 を修 正 して いく 必要 があ る。そ のた めの アド バ イス を ,研究と して の位 置づ けで はな く ,学 級担 任が生 徒一 人一 人を 対象 とし た「教 育相 談の 場」で 活用 させ てい くこ と で,生徒 の学 習に対 する「自 律性 の感 覚 」が 高ま ると 考え るので ある 。. 図 16. 自 己調 整機 能を高め るた めの 取り 組み. 2 教科 指導に 生き る生徒 指導 機能 「生徒指導」という言葉は,教育現場ではよく耳にする言葉であるが ,その意味は広義である。 し かし , 「積 極的 にすべて の生 徒の それ ぞれ の人格 のよ りよ き発 達を 目指す とと もに ,学 校生 活が , 生 徒の 一人 一人 によ っても ,ま た,学級 や学 年 ,更 に学 校全 体と いっ た集団 にと って も ,有意 義か つ 興味 深く ,充 実し たもの にな るよ うに する 」 注 1 1 ) こと が最 大の 目標 である 。 隠 岐忠 彦・ 佐藤 周策 ( 1993)は ,「生徒 指導 」には 指導 的 , 治療 的, 開発的 の 3 つの 機能 を 相 互 補 完 的 に 関 係 さ せ た り 重 複 さ せ た り し な が ら ,「 一 人 一 人 が 生 き が い を 感 じ る よ う な , 内 面 的 充 実 を 図る 日々 のか かわ りであ る」注 1 2 ) とし てい る。個 人の 可能 性を 最大 限に発 揮さ せ自 己 実 現 へ と 向 か わせ るた めの 指導 や援助 が「 生徒 指導 」で あり,その 中で 最も 重要 な のは ,生 徒が 日々 の生 活の 中 で「 生き がい 」 を 経験す るこ とで ある 。そ の過程 にお いて は図 17 に示す よう に , 充実 感や 有用. - 15 -.
(18) -. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 研究部. 感が主体的な態度と密 接に関係しており,本 校が目指す研究との一 致点を見いだすことが で きる 。 し か し ,「 生 徒 指 導 」 は,問題行動に対する 対策や不登校に代表さ れるような情緒的混乱 に対する治療的なかか わりとして,集団への 適応のための基本的生 活習慣の指導等として の理解等,その一面ば かりが強調されること も尐なくない。そうな ると,治療的機能と指 導的機能しか発揮しな. 図 17. 「自 己実現 を図る 生徒 指導 の過 程」. 隠岐 ・佐 藤 (1993). い,消極的で狭義の生 徒指導になってしまう。 消極的生徒指導と呼ば れるいわゆる対症療法 的な生徒指導は勿論重 要であるが,積極的生 徒指導である開発的な. 図 18 「生き がい を感 じさ せる 生徒 指導 の構 え」. 隠岐・佐 藤 (1993). 視点が伴わなければ, 生 きが いを 経験 させ ること もま まな らず ,子ど もた ちが「自 己実 現」に 向か うこ とは ない と考 える 。 「 生徒 指導 の手 引き -改訂 版 」に よれ ば ,「 教科の 指導 は ,教 科に おける生 徒指 導に よっ て推 進さ れ , 逆 に , 生 徒 指 導 は , 教 科 の 指 導 に よ っ て 推 進 さ れ る 」 注 1 3 a) も の で あ る と さ れ て お り , ま さ に 「 安定 感・ 充実 感・ 有用感 」(図 18)に 代表 される 生徒 指導 の要 素は ,教科 指導 にお いて も欠 かす こ とは でき ない 。ま た,「 生徒 指導 の手 引き -改訂 版」には 以下 の 3 点が「 教科 の指 導へ の生 徒指導 の 貢献 」 注 1 3 b) と して 示され てい る。 ① 教科 の学 習を 直接 助ける 指導 ② 学級 の生 活条 件の 改善に 関す る指 導 ③ 学習 活動 の条 件整 備の指 導 具体 的な 実践 例 と して「 授業 の約 束」の規 定とそ の指 導が あげ られ る。 そ のね らい は ,授業 の効 果 を高 め る とと もに ,礼儀 を弁 える こと や共 同体と して の意 識を 高め ること にあ る 。前 述の「生 徒 指 導 」の 意義 を開 発的な視 点で 捉え つつ ,我々の「 生 徒指 導 」機能 の共 通理 解を 図り ,生徒 たちが 学習者としてのスキルを高めていく必要があると考えるものである。尚 ,この「授業の約束」は,. - 16 -.
(19) -. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 研究部. 第 12 次 研究で 見直 され規 定さ れた もの であ り ,附 属釧 路小 学校 との 共通指 導事 項で ある 。 [ 授業 前] ○ 休み 時間 のう ちに 学習用 具を 整え る。 [ 授業 中] ○ 姿勢 を正 して ,目 を見て あい さつ をす る。 1 みん なには っき り聞こ える 大き さの 声で 話す。 2 話し ている 人を 見て最後ま で話 を聞 く。 3 友だ ちのこ とは 「君, さん 」を つけ て呼 ぶ。 指 名され たら 元気よ く「 はい 」と 返事 をする 。 ○ 姿勢 を正 して ,目 (め )を 見て あい さつ をす る。 [ 授業 後] ○ 休み 時間 のう ちに 学習用 具を 片付 ける 。 図 19. 附属 釧路小 学校・ 中学 校に おけ る「 授業の 約束 」. 上に 示し た「 授業 の約束 」は ,最 低限 の指 導事項 であ るが ,こ れを 全教職 員が 共有 し指 導す るこ と に意 義が ある と考 えてい る。これ 以外 にも ,授業 開始 時 の 机を 整頓 や黒板・チ ョー ク受 け 等 ,学 習 環境 の整 備の 観点 からの 指導 は勿 論 ,教科 におけ る学 習ル ール や授 業に 臨 む姿 勢の 指導 ,支 持的 風 土醸 成の 指導 等を『 当た り前 のこ と』と して 徹底 化す るこ とが , 「授 業改 善」を 支え ると 考える。. 3 「言 葉で伝 え合 う 活動 」に おけ る手 立て 一昨 年度 まで の研 究(第 12 次研 究) にお いて , 生徒 の思 考・ 判断 力や表 現・ 処理 の技 能を 高め て いく 場面 で ,ペア やグル ープ など によ る「 交流場 面」の設 定が 効果 的であ ると の知 見を 得た 。 本 校 にお ける ,生 徒間 相互の 「交 流場 面」 の方 法 の一 例 を 以下 に紹 介す る。 ● 何 のた めの 交流 活動 かを明 確に する ・意 見や 回答 を一 致させ るた め ・見 方・ 考え 方を ひろげ たり ,深 めた り, 補った りす るた め ・交 流す るこ とで ,より よい もの はど れか を選ぶ ため ・交 流す るこ とで ,自他 の違 いを 認識 させ るため 等 ● 交 流の 方法 を明 確に する ・誰 と何 を, どの ような 目的 で交 流す るの か…( ペア かグ ルー プか ) ・役 割分 担( 司会 は班長 ,記 録は 班員 全員 等) ・ど のよ うな 順番 で発表 する のか … (単 純な 意見 の交 流であ れば 班長 から 時計 回り等 とな るが , 複 数の 答え を問 う場 合は, 気付 いた 数の 尐な い生徒 から 発表 する ) ・発 表の 後に 何を するの か ・時 間の 目安 はど の程度 か. 等. ※交流の後は誰に指名してもグループの意見,個人の意見が発表できる状態にして,責任を明 確 にす る( ジグ ソー 学習も その 一つ とし て捉 える) ※ 発表 場面 の前 に, 自分の 考え を相 手に 伝え 合うペ ア学 習の 実践 ※ 交流 時の 机間 指導 では, 停滞 の状 況に 注意 しつつ ,指 名計 画を 練る ことも 必要 ※ 事前 に発 表を 予告 する場 合も ある. - 17 -.
(20) -. Ⅵ. 第 13 次研究総論(2 年次)-. 研究部. 今 年度 の成 果と 課題, 次年 度( 最終 年度 )への 展望 本 研究 は ,自ら 学び を ひろ げる 生徒 の育 成の ために ,動 機づ けを「内 発-外 発」とい う従 来の 二. 項 対立 的で はな く ,「 目的 ←→ 手段 」の軸 と ,「自 律← →他 律 」の 軸の枠組 みで 捉え たこ と ,さらに は 自 己 調 整 の 段 階 に 着 目 し つ つ , 疑 似 内 発 的 動 機 づ け を 肯 定 的 に 捉 え ,「 自 ら 学 ぶ 意 欲 」 を 高 め る 授 業の 構築 の方 法を ,各教 科の 責任 に お いて 明らか にす るこ と を 目的 として きた 。 この こと につ いて は ,各 教科 にお ける 検証 の結果 を参 照し てい ただ きたい が ,いず れの 教科 にお い ても「認知・感情・行動 の傾 向ア ンケ ート」にお いて ,数値 の高 まり が認 めら れて いる。一部 有 意 差の 確認 でき なか った教 科も ある が ,相対 として の「 授業 改善 」は ,一定 以上 の効 果が あっ たと 考 えて いる 。 また , 「 自ら 学ぶ 意欲」の高 まりや 動機 づけ の強 化に 伴う と考 えて いた目 標効 果 で ある が ,芸 能 4 教 科以 外に おい ては ,NR T( 教研 式全 国標 準診断 的学 力検 査)とC RT( 教研 式観 点別 到達 度学 力 検査 )の評定 5 と 4 の合 計人 数を 研究 初発 時と今 年度 実施( CRT は昨年 度末 )とを 比較し たデ ー タが ,下 の図 20~ 23 で ある 。. 2009年4月. 2010年4月. 2009年4月. 80%. 80%. 70%. 70%. 60%. 60%. 50%. 50% 国語. 図 20. 社会. 数学. 理科. 英語. 国語. 第 2 学 年 ( 41 期 生 ) の N R T の 前 年 度 比 較. 図 21. 社会. 2010年4月. 数学. 理科. 英語. 第 3 学 年 ( 40 期 生 ) の N R T の 前 年 度 比 較. (※第2学年実施の理科NRTは,単元構成を組み替えるカリキュラムの研究中に,未習問題が出題されたため数値が低い). 2009年4月. 2010年3月. 2009年3月. 100%. 100%. 90%. 90%. 80%. 80%. 70%. 70%. 60%. 60%. 50%. 50% 国語. 図 22. 2010年3月. 社会. 数学. 理科. 英語. 国語. 第 2 学 年 ( 41 期 生 ) の C R T の 前 年 度 比 較. 図 23. 社会. 数学. 理科. 英語. 第 3 学 年 ( 40 期 生 ) の C R T の 前 年 度 比 較. 本 校第 2 学 年と第 3 学年に おい て ,多 数の 教科での 効果 を認 める こと ができ る 。つ まり ,多数の 教 科に おい て , 「自ら 学ぶ 意欲」の高 まり や動 機づ けの 強化 と目 標効 果(成 績)の 相関 が認 めら れ , こ れま での 研究 の課 題や ,本校 生徒 の実 態の 改善の 傾向 が見 られ てい るとい える 。今 年度 末実 施予 定 のN RT およ びC RTに おい て ,今年 度の 研究の 成果 を問 われ るこ ととな る。そこ での 数値 の改 善 を目 指し た実 証的 研究を 積み 重ね てい きた い。一 方 ,芸 能教 科にお いては ,客観 的に 数値の 変動 を 示す こと が難 しく ,更な る実 践の 積み 重ね と検証 方法 の確 立が 必要 だと考 えて いる 。. - 18 -.
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