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フランス公営企業の管理組織 -- 鼎立管理組織の成立と失敗の諸要因 --

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Academic year: 2021

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(1)フ ラ ンス. 公営 企 業 の 管 理 組 織. ー鼎立管理組織 の成立と失敗 の諸 要因I. 田. 和. i o nali se e ) という 範疇は、フラン スにあっては、 そ que ) 、公営企 業( E nt r e pr i s enat 公企 業( E nt r e pr i sePubli. の歴史を遠くからひもとかねばならない。 ルイ十四世治 下の王立産業、あるいは、十九世紀 の国家独占企業から説 く. sg iete d' 必要は少ないとしても、第一次大戦後、 採られた公所有経営、特にフランス的性格の公私共同企 業 (. e ) の観察は、戦後公営諸企 業がよって来たったその経由を知 る上に不可欠でもある。 xt Ec ono mi emi. ここで展開せんとする第二次大戦の、公有に基く 公営化の管理組織について観る場合には、実は、 少くとも第一 次 大戦後の、特に労働運動の面を等閑に附すことはでき ないのである。. 戦後公営化が発作 的に生じたと見 える点は外見 上少くない。しかし、特にフラ ンスでは、戦争は一契機にしかすぎ. ない。公営化成立を助 長する役 割を大き く果したという 意味でのみ、この特殊 条件は考えられるぺき なのである。 フ. ランスの公営化は、 長い間の国家財政への産業依存と、労働階扱及 び左翼諸政党 の産業社会化要求の戦争という 媒体 を通して生れた自然 の結果である、と見 ることができ るからである。. 73. 宏. 従って、本来なれば、 戦後の公営化はそこから跡づ けさ るべき である。しかし 、そこに至 ったその歴史的縁由は、. — —. 堀.

(2) 尚今 ―つの研究 テー マをなす程のものである。従って、本稿に於 いては、 これには触れずにおき、戦 争がもたらした. 公営 化諸動因と、戦前からの渚在 的要因がどのように結びつき、そ れらがフランス独自の公営企 業にどのように現 れ. ているかをまず第一 に観ん とするのである。しかし、この吟味は直ちに本論の目的をなすものではない。この分析は. 次の如き問題解決に資する資料を与 えてくれるのである。即ち、 例えばイギリスのような公営産業の管理組織と決定. 的に相違するところのフランス独自の利益代表制に基づ く「 鼎立管理組織」の成 立。さらには、 この組織の事実上の. 失敗の「 原因」についての示唆 を与 えてくれるのである。. 本稿の焦点をここに置 くことにより、次のような叙 述過程を以 って、展開 しようとする。. 一、公営化成立の動因。 一 、管理機関の職能と理事会構成 。. 一 、理事会失敗の原因。. 一 、結語。. 公営 化 成立 の動 因. 主として、一 九四五年 後半より、四六年 前半期の、基幹諸産業及 び金融諸制度 の公営化 という徹 底した 構造改革. は、結果 的には何よりもまず、フランスのレジスタ ンス運動の諸要求の一 部分を履行 したと いうこと であ る。 これ. は、第一には、政府が私企 業授助 のため産業内に介入 して来たというフランスの特殊性と、第二には、レジ スタンス. の掲げた計画は、実は、労働階級諸集団 の経済社会化への要求の一 表現でしかなかったのである。その要求は少 くと. - 74ー.

(3) も一九 二0年代 より徐 々に 大きく高ま っていたのである。 かくして、必然的ではないが、 長い間 その成 立基盤を一必. 要条件として形成 して来たという意味で、自然の結果 と言える のである 。従って、これらは、あくまでも潜在的動因 と見 倣さ ねばならぬのである。. フラン スの、産 業への政府干 渉、逆に言えば、私企 業の国家財 政への依存は、あまりにも有名である。国民経済の. 基本的部面 に従事する私企業に対する財政授助 は慣行となっておって、これが結果 に於 いて、戦前の国家統制や、 国. 家所有に導いていたといえる 。. しかしながら、戦前の国家企 業、もしくは公私共同企 業は、各 ヶー ス毎にその動機や目的は多種であるが、いずれ. 75. も産 業社会化を企図したものはなく、また経済 の全域、ある いは大部分、もしくは支配的部分の窮極的公共所有を目. 途した社会主義的諸改革 と、あるいは、それを主張しつづけた社会主義勢力とは、何ら関係しておらず、無縁のもの 註① であったと言い得る 。. ところが 、戦後の公営諸企 業の管理組織には、経営への労鋤参加を狙う利益代表制が導入さ れておる。これが長年. の労働運動のスロ ーガ ンであり、社会主義的要求の一部分の貫徹 を表象していると 見 られる 以 上、戦後の 公営化に. は、戦前 のそれとは質的に異った要因がその成 立に役 立ったことを意味している。従 って、結論からいえば、戦時 中. の産業の全般的統 制が他方で政府干 渉の歴史より、より直接的な公営化基盤を讀成 していたことは間違いないとして. も、社会主義的圧 力の下で公営化は成 立したということが考えられる。 註炉 問題は、社会主義的理念の”経済社会化“が一応 妥当 なものとして やむを得ないものとして、受け入れられた点. である 。そこで、特にかかる要求が受け入れられた社会情勢こそが、 鼎立管理組織の公営諸企業を生んだ直接の主導. — —.

(4) 的基盤 である、ということが推察さ れる。. さて、前記二つの渚在 的なる動因を内に含 みながら、戦争は、 ドイッ 占領、国 家の荒 廃を通して、如何なる政治 的. ・ 社会的・ 経済 的諸情勢を形成したであろうか。十分条件を満たしたものは何かである。. "により、 「 独占的生産の危大な e anc t s i 一九四四年三月、レジスタン スの要求は、. nalde l o i ^ ilNat e a Res Cons 註③ も る諸手段、協同の成果、 エネ ルギー 源、地下資源、保険、 銀行 の諸成果の国民への帰 属」 として定形化さ れた。 こ r. 拘らず、 どの産業、 どのような私企 業を公営化すべきかについては、全般的な一致 すら未だ存しなかったのである。. しかし乍ら、解放に従って、公営化は具 体的大問題に発展 し、 ここに至って、 その公営化範囲も‘ その主張諸政党も 明確になり始めたのであった。. 左翼諸政党、レジスクンス諸集団 はもちろん、解放後には公営化反対の立場 を明白に採るに至った保守主義者です. ら、全般的に 受け入れた公営化推進の理由は、戦争による焦土から 立上るには、経済 再建が急 務であるということか. らであった。もともと近代化の遅 れた フラン ス産業では、戦争による打撃の補填と、老朽化した設備の革 新のために 註仕 は、巨大なる資本を必要とした 。私企 業の資本投資が戦前に於いてすら、国家財政に大きく依存していた事実から. 経済 再建は、私企 業に委ね得ないという見 方が一般的であったのである。. 第二には、 特に頻繁に主張された点であるが、 フランス経済 を支配していた独占組織及 び金融寡頭政治 に対する政. 治 的・ 社会的反動と、私的独 占の幣 害に対する経済 的一治 療策として公営化が正当 ずけられたことである。一般に、. 経済 の基幹的部面の国家所有 は、国家主権、国家の権威をこれら独 占勢力から保護し、民主主義を確保するものであ. る、と考 えられた政治 的理 念であり、 また同時に、 経済的修一 屯案 と見倣されていた。一方では、恐慌 •敗 北・ 占領と. - 76—.

(5) いう環境 の中で、一般に私的独占への反感を、ー特に被 占領時代に於いて独占経済 がド イ ツに協力したという乙とに. 対す る異 常な反感をー表現しており、他方では、 ド・ゴー ルのとった立 場となって現 われている。保 守的な ド・ゴー. ルも公営化の賛成 派であったけれども‘これはVジ スタン ス勢力に対する迎 合のためであったのである。解放後、事. 実上、公営化引延し作 戦を用 いたことがこれを示しているのであるが、 それはさておき、彼の意図は、 ルノー 会社の. edi t )の組織に見 られる如く、所謂、労働集団のいう”産業社会化“ i o 理事会、銀行 評誤 会(GmgilNat naldeCr. ではない。む しろ逆に、国家権力の集中化のための公営化にあったのである。. 留意すべきは、このように、 表面上同一の公営化を掲げながら、 その意図 において、一方 は労働参加による経営統. 制を、他方は国家による集中的統 制をという相反するものが混 在 したまま公営化が成 立し、成立時の政府の色彩によ. り、労働参加の程度 に相対性が見出されるけれども、いずれもこの両者の矛盾 は解決されていない点である。. 第三には、Vジ スタン ス運動がイニイティア テー プを以 って 主張した私企 業資本家排除である。この運動の主要分. 子は労働集団であり、左翼諸政党 であった。解放後Vジ スタン スが英 雄的存在 となったと対照的に、協力者としての. 私企 業資本が非 常な反感をもってむかえられていた。公式 的には公営化の理由に経済的・政治 的意味を含ませていた. が、政治 運動であると同時に社会改革運動であったVジ スタン スは、何よりもまず、感性的に私資本排除を要 求した 註固 のであった ゜これを明白 に示すものこそ、協力者の懲罰 方法としての財産没収による公営諸企 業が成 立した事実であ 註⑥ る 。ちなみに、 それら企 業は、 それぞれ孤立 したケー スとして扱う以 外に扱いようがないところの発作 的公営化なの. である。しかも、 輿味あることは、 これら企 業の成 立が保 守的政権の下で、他の公営化に先 がけて行 われた 点であ 註⑦ る。純 経済的・ 政治 的な独占の幣害の排除を目 途す るものならば、厳しい国家統 制方 法も考 えられようが、 なにより. - 77—.

(6) 註⑧ も解放という空気の中では、 私企 業不 信は感性的であったと見 られよう。”公営化は一精神運動であ った“というの はこのことなのである。. 以 上、 要するに、私的資本の伝統的固 渇性の故に、公営化方策が戦争のもたらした経済再建のための全国民経済の 註岡 ”指揮のテコ“として、 採り上げられるのに容 易であったという一方、過去 二0年 来の労働諸勢力の産業社会化一方. 策としての公営化要求が、これも戦争を直接契機とする、労働諸集団を中核とするレジ スタンス運動の感情的要求と. いう否景 の下に、大き く伸 ばされたことの結果 、公営諸企業の成立を見 たといえよう。. 公営化諸動因には以 上のものが交錯していたことは認められるとして、フランスの公営諸企業の戦前・戦後を区別. ) を中心とする産業社会化要求の貫徹 —最高 管理組織に於け Conf e r gceGeneraldu Travail する分岐 点はCGT (. る利益 代表制ーと、懲罰 方法としての公営化の二点に絞 られる。 従って、動因は多々あっても、独 特の公営企 業と管. フラン スの公営化」の主導的動因は、経済的諸動因よりも、私的資本・ 国 理組織を生んだことに照らしてみれば‘ 「. 家権威 に対する不信、労働 中心のレジ スタン ス集団の勢力化ー従っては、労働階級の勢力化ーがもたらした社会的・. 政治 的動因と考えねばならぬ。経済 的というよりも、社会的であり、 レジ スタンスが一社会改革運動であったことか. ら、 Vジ スタンス集団を中心とする公営化運動は、 ”―精神運動であり“一般フランス人 には神話 的性格をもってい 註⑩ たのである。それ故に、 公営化成 立は、解放という異常なる雰 囲気の下での結果 として、一社会政策としての意味を 註皿 も大き く果すことになったと見 ることができ るのである゜. 主たる動因が 感性 的・社 会的なものであり、その要 求内容 は理念的なものであったことから、 次の如き 問題が生ず. る。つま り、公営化に瑞いた主要動因 とは別 に、一動因であった経済 回復という目的が、公営化が具 体化すれば、事. — 78 -.

(7) 実 上 フラ ン ス が 直 視 すべ き具 休 的命 題と して 現れ る こと である 。. 一 動因 と して の 、 混 乱 期に 於ける 経済 回復 ・急 速を 要 する 経済 再 建に は 、何 より も まず 、 統 一的·集 中的な 包 括 計. 画 が 必要 と され な けれ ば な らな い。 国家 権 力 の 問 題は 別と して 、と も かく も 、経 済 再 建 を 課 せられ た 一 経営 体 と して. の 公営企 業に は も ち ろ ん の こと 、基 幹 公営諸 産 業の 経営群 に は 、 一貫 した リ ー ダ ー ン ップ が 確立 され て いる こと を前. 提と する 。 これ に 反 して 、 イギリ スと は 対照 的に 、企 業へ の 直 接 労 働 参 加 を表 象 する 、 上層 管 理組 織に 於ける 利益 代. 表 制に 基く 「 鼎立 管 理組 織」 が 社 会 的・政 治的要 求 の 結 果と して 採 用 され た 。 集 中統 制と 自 主 統 制と の 対立 である 。. 公営化 は 、 経 済 計 両 の 一 元的リ ー ダ ー ン ップ と 、 利益 代 表 制と して の ー分 散 的リ ー ダ ー シ ップ を必 至と する I 鼎立. (2). (1). プと して提案されなかったし、特 殊の 独占幣害の 一矯 正策と して行われたもの であった。. 37 0.参照。. 『. 『. . ,Po ,1 n k n e yN11 D11 r i dH Pi t i o n 11 l i z 11 t i o no FKe yI n d us t r i e se n dCr h eLi e p t i e n c eQuet e rl ys t e rt be11 94 7 t i o n l i t i c 11 ISc e d i tAF P·. 1. 終戦直後の ド・ゴー ル政権は労働諸集団の 要求する公営化方 式に 難渋を 示し続けたの であり、ド・ゴー ル自身は一一 部制に 基く. 理事 会を 単な る諮 問機関にせんと 考え てい たの である。 『. 『. 『. 『. 『. ' .Re ui oMa c eRo bi n E: n t er El t sd s s a is e si u rl ae p r es e n t n t i o nd a n sl oga i s a t i o nde n te n sE: pr i s epu o i t bl i qu e s v u ed uDr. `. . �照。 、 PP3 7 3�37 9. t p.ci dH Pi n k n e yo 。Dai. 1. -79—. 管 理組 織と いう 二 つ の 要 求 を内 蔵 して いる 二つ の 動因 が 混 在 され た ま ま に 、具 体 化 され た と 言う べ きな の である 。. I. 「死の 商人」に対するモ ラル改革と 、事 実上 国家が唯 の 買い手 であると いう こと より公営化されたもの であ る。ただ 一九 一一. 各々の 動機 は、不 足経営への 国家財政援助‘ 一九 一 1 1 0年代恐慌時の 財政援助に伴う 国家の 株式取 得にあり、他 方 、軍 需産業は. 註. 六年人民戦線政府の 採ったフランズ銀行改造に は、従 業員代表が取 締役 会に 参加 したけれども、その 目的 は社会化への ステ ッ. 註.

(8) 註. 註 (7). (6). (5). (4). (3). 註. 叫. (9). ⑧. 註. 註. 註. 化 問 題 の 研 究 ‘世 界 評 論 社 ‘一 九四. Ol 八. 八 年 。八. 八 頁 。参. =. 177. 参 涵 訊°. 照 。. i照 。 \ -%. 五 年 五 月 に ド •ゴ ー ル 政 権 の 下 で 公 営 化 さ れ て い る 。. 際 に は 、 ル ノ ー 自 動 車 会 社 と ‘ ノ ー ム ・リ ロ ー ル 発 動 機 会 社 に. .. F 『ancai e e. 1950. P . a Nati on l ndustri sati i se de l onal. . 23. a Science P ol que en France:et a L`E ヽ ti i ranger. Sept,oct 1957, P , 841. t c et de l publi. 。西 沢 富 夫 、 国 有. 『. 、 E:xpe ience. Rene G endarm e. L W arren C Baum 、T he French E conomy and The St ate.1958. P. , P . 38. � \ . 照 。 Rene G endarm e. op. cit. 五 年 一 月 、四. 公 営 化 に 伴 う 財 産 補 償 問 題 は 議 論 の 多 い と こ ろ で あ っ た が 、実. 没 収 方 法 が 採 ら れ た 。. . 、 P . 175 um ` op; cit 8<1. ル ノ ー 及 び ノ ー ム • リ ロ ー ル は そ れ ぞ れ 一 九四. rren C W <1. `. . P . 175 Baum , op. cit. `. . P . 34 t Rene G endarm e` op. ci W arren C. . 67. P . . n 参. 照 。. の ス ロ ー ガ ン の 下 に 、. っ た 。. , i Ant a et. . , , N ati hal A dol f Stu 『m t ヽC on!rol i n B 『i onal i zati on and W orkers t ai n and France The Journal of P oli t i cal E conom y Feb、 1953. P. Nat i onahs ati on Indus t r i el e は 、. 国 家 管 理 に よ る 公 有 化 の 拒 否 、 政 府 部 門 と し て の 公 営 企 業 の 拒 否 で あ. CGT. 管 理 機 関 の職 能 と 理 事 会 構 成. こ の 意 味 は 、. 年 よ り 、 フ ラ ン ス 最 大 の 労 連 、. を 主 張 し て 来 た 。. 一 九. t i s at i on. 一 九. (11). -80ー. 註 註 註.

(9) フランスでは、 サン デ ィカリ ズ ムの伝統 による、国家不信は労働運動 の流れ の中で 根 深く育まれていたが、 サン デ ィ. カリ ズ ム衰退 の後には、こ の思想はCG Tにより、政府 ・消費者 ・労働者を代表する 一 ― ― 集団が、公営産業を経営す べ きである、として定形化され た のであった。. s tpaset at i s erというスロー ガンとなって再 i o nali s e rne こ の思想は、一 九四四年l四五年、公営化要 求に、Nat 註川 び現れた。言 うところ のも のは、公営産業 の経営は、そ の諸資源を国家にではなく、国民に帰 属せし めることによっ. て 行 われるということであった。. かかる理念が容 れられて、フラン スでは 初めて の理念である”法人格をも つ、財 政自 治をもった商 工業的性格 の公. l ci r mme o ein er t letc ne t dus cdecarac 5bli ntpubli me e s s )が一九四四年 、北部地方 の炭欽に導 a 共設立 体“ (E. 入さ れた のであ る。そ の後、採られた公営産業はすべて こ の公共設立 休として設立さ れた のであ る。. こ の公共設 立体 ( 英米 の公共企 業体)そ のも のがフラ ンスでは初めての試 みであ った が、企 業体 の管理組織 の理 事. 最高 管理組織」を 採用した のであ る。 会構成は、 ルノ ー会社を除いて、CG T の標榜して来 た三部制よりなる 「. こ の 鼎立管理組織は 、政府 ・消費者 ・労働 者 の利益代表が、それぞれ所管大臣、 承認された 消費者 •利用者組織、. 最も代表的な労働組織 により選抜さ れ、一 般 に内閣あるいは所管大 臣により形式的に任命さ れ、公営企業 の各 管理機. 関を運営するというも のである。. とこ ろが、管理機 関 の権限 や、理事会構成には、 各 産業 の諸 条件により、また、そ の成立時 期により若干 異る点が. あ り、主要諸 産業に限っ ても、 それぞれを 概観す る必要 が生ずる のであ る。. - 81 -.

(10) 一、 石 炭. 一部 分の炭 拡は戦後最初に公共設 立体とし て公営化された。解放後、 戦時 中の経営者の下での 就労 拒否と いう北部. 諸 炭鈴の労働不穏は激化した。そこで、一 九四四年 九月に、それら経営 者暦は 休職 せられ、 協定により暫 定経営者の. 任命にまで 至ったが、同 年十 二月の 仮政令により、当 地域の炭 鉱会社 十 八社は単一 の公共企 業体とし て統一さ れた。. 雇用 者二十万 であった。こ れら 炭組はフラ ンス産 炭額の %を 占め 、 s ai al detdu Pasde c rsdu Nor e i ll こ れが Houi 註図 nnages bo 全 石炭産 業はCg r に及 ぶ大 規模のものであったが、四 六年五月十 七日の法令により、極少 炭鉱少 数を除き 、. anc eとい う管 理体の下に運 営さ れる公共設立体とし て、 改め て統一され、民営公有から、 公営公有 に変 ったの du Fr. であ る。. eは 三部制よりな る理事 会により連営さ れ、全体とし ての 石炭産業の 指 揮・ 管理 anc sduFr bonnage 中央機 関Char. ・ 調整の 任に当 るものである。炭 鉱の生 産設 備計画を政府 承認ー所 管大 臣及 び経済相ーを求め て提 案し、価格に関 す. る提 案も行 い、設備金融、技術研 究、職 業指導 にも当り、 均等化基 金で 各炭 鋲の 財政均衡を果し 、生産計 画 遂行の た 註③ めの 貸付けの保証を 特う という資にあ る。 かく て、この 中央機 関はまず 各 炭釣に対す る管 理・ 謂整機 関 てあり、 第 二. に軍要 諸計画の樹立機 関であ る。. この 中央機 関 の下に、炭 暦のあ る 九地区にそれ ぞれ分離し た 炭拡地方機関 ( Houill i e rsdeBas s i n)が設立さ れ て お り、それ ぞれが 生産 ・販売 経営 に つい て祖任をも つのである。. 中央機関は 十 八名の 理事 により管 理さ れ る。 これ には、関係諸大臣により任命さ れる六名の政府代表、消費者を代. 表す る 六名 ( 内 三名は産業の ユー サー、他は 家庭消費者の代表。 この内二名は労働組合から任命さ れる)。 残り 六名. - 82 -.

(11) が種 々の 階膳の スタ ッフ代表で、 一般 労務者 、職長、上級スタ ッフ等 々であ り、それ ぞれ 自己の 属する組合よ り任命 さ れる。. 各地方機 関 にも 十九名構成の理事 会があ り、六名は 中央機 関、 二名は 商業会議所 任命の 産業上の ユー サー 代表、 ニ. 名は地方 談会任命の 家庭消費者 、二名は 一般消費者 で、これは経済 相 により推せんさ れた者である。残り 七名はその 地方 の諸労組 により任命さ れる種々の階語のスタ ッフである。. この 地方 機関は、それぞれ に自治を与 えら れ てい る が、中央と これら の 地方機 関との 調整を 行 うため に、地方 機 関. の理事 長はその炭鉱 に関する問題審誤 には 、 いつ で も 中央機関の理事 会 に コン サ ルタ ン トの 権能で 参加でき る。逆. に、各 地方機関の理事 会 には中央機 関の代表が 参加し ている わけ である。 この 二つの 調整方法 から 、特 にイギ リスの. 堀合 に比較し て、その組織はより分権的であ り、理念 的 に、下部組織の常規的経営 に高い自治を保障するとみられ て 註④ い るの で あ る. 二、電力及 びガ ス. 電カ・ ガ スは 一九 四六年 四月、 アルジ ェリ アなどの 植民 地をも含 めて公営化された。全般管理はそれ ぞれ の 中央機. 関 に委託され、その下 に特定 地区 に供給す る任務を持つ地方機 関があ る。. ,Serv ,Ser 電力 の 中央機 関は巴 gt r i ci t edeFr anc e i ceNat i ona l であ り、六地 区 にEl ec tr i ci t e deFr vic ede ance. s i but i onがあ る。それぞれ地理上の名称を 冠し て呼ばれる。 di t r と ガ スも同様で、GazdeFr vi c eNat i o nal anc e,Ser. ,Ser GazdeFr vi c edePr ance on etdedi odugi s t r i bnt i on に分 かれ ている。. - 83 ー.

(12) 電力 では 、中央機 閲が全設立体を管理するが、その管理 の下に、発電は地方 機 関の 手中 にあり、分 散 さ れて いる. が 、ガスでは、生産供給とも地方機 関で 行 われ、中 央機 関が 全体を管理することになっている。. この中央機 関の理事会は、両産業とも所管大臣推せんの政府 代表 六名 、消費者 代表 六名 (この内四名は以前 サービ. スを行って いた公共団体の全国協会により任命され、 一名は主 要消費産業 から、 一名は農業組合 ( 電力の場 合)もし. くは消費者組合 ( ガスの場合)である)残り 六名が 職員代表で、その内三名は 上級 職員・技師、 二名は 一般 労務者、. 一名は事 務員で、それぞれの諸組合により推挙され、経済相 により任命される。また各 地方機 関も 、それ ぞれの理事. 会により管理されるが、それには、中央機 関代表 四名、種 々階屑の 職員六名 、消費者 代表八名 からなる。. , anc e フランスでは、 イギ リスの場 合に比較して 、 かなりの相違点が見出される。 まず 、 中 央機 関El e ct ri c i t edeFr. i o nal は送電の場 合にのみ独 占的権限を持っている。発電それ自体は 、中央機 関の管理の下で、各地方機 Se rvi ceNat. 閲にその運営は委ねられて いる。第二に、地方機 関の 各理事 は中央機 関により任命され、理事十 八名中四名の中央機. 閲の 代表を入れなければならず、その上、各地方機関の全般 管理者の任命を認可する権限が 中央機 関に与 えられて い. る。 これは、石炭の 中央と地方との間の 調整方法とは異って、上 から下 への一方的 調整であって 、雷カ・ ガ ス生産の 註固 特 殊諸条件のために、集中的管理を必要とするものと考えられる。第三に、電力とガスとの関係が 特に密接であ り、. その 間 の 調整と統合が準備さ れて いる点である。この両産業の金融と開 発計画のための Cai s s e Nat i onal ed' egui. ' peme ntdel el ec tr i c i t eetdu Gaz(一九四 八年 十一月、法令により Cai s seNat i o 忌l edeI'Ene rgi eに変った). が 設 立され、この役員会は、政府 ・電カ ・ガス ・全国金融 評議会 ( GmgiiNat i edi onaldeCr t ) その他団 体の代表. 9 nseil. 者 から 構成され ている。ま た、国会議員 ・ 政府 諸 部局・ 地方自治体・消費者 ・従業員の同 数 の各代表による. - 84 -.

(13) がある。これは諸 々 の統制に ついて の草 案に対し 諮問機能を果 し 、設 立体に 諸 e etdu gaz t ci i r urde l' e i ect r l e upe s. 行. 免許を与 える 関係 当局と設 立体の 間 の紛争に最終的手 段として 仲裁を行 うのである。このように両者の関係は完全に 註畑 分離されてい ないが 特に 電力の剰余金がガ ス の欠損 の補填に使 われもする関係にもある のである。. 三 、銀. ”公営化“という言菓は使 われなか ったが 、 フラン ス銀行 は 、一 九三六年 七月に 、すでに人 民戦 線政府により再組. 織されていた。 ここでは、個人 株主は排除されなかったけれども、政府 の銀行に対す る 指揮・管理の 比重は 増大し. た。取締役会内部 の個人 株主は、国家代表、利害関係者 ( 例 えば、農 業 ・労働諸組合) 銀 行従業員の代表増加 のため. 最少限に抑えられていた。と同 時に、その 任命権は政府に委ねられていたわけ である。. 一九 四 五年十二 月、この フラ ンス銀行及 び四大預金 銀 行が公営化され、そ の株式 は公共所有となった のである。. edeCr tが設立されている。こ の誤 長 nal o i edi lNat ei ns 他の 非公営 諸金融機関を も 包摂す る中央機隔として、Co. は政府 任命による大 臣である。 この議長の 諸権限を フラン ス銀行 総裁に委譲することが でき 、彼は職務上 の副議長な. のであ る。 この 評脹会は三 八名から構成さ れる。この内十名は、農 業 。消費協同 組合、商 工会誤所 の如き 多種の産業. 及び利害関係 団 体を代表し、経済 省令により任命される。 七名 は各省大臣代 理 、七名は金融あるいは銀行 について能. 力ありと考えられる人 々で、大 蔵大臣 の任命による。 七名は、公的 ・準公共的金融諸機 関 の代表である。残り 七名が. 内三名はこれら諸組織 の利益 代表 で、他の四名は上級及 び下級の銀行 最も代表的な労働諸組織により推挙される。 ( 職員を代表し、それ ぞれ経済相・ 労働大臣が 任命する). 一. - 85.

(14) こ の中央機 関 の職能は、国家財政政 策、銀行 組織、経済再建に要する 金融 の諸問題に それ ぞれ関係 する 。まず、財. 政 政 策 に ついて は 、銀行預金、利 子率 、開発基金等に ついて 、大蔵 大臣に 勧告するも のである。第二 に、銀行 組織に. ついて 、 フラ ンス銀行を通 じて 全 金融機 関 の全般統 制を行い、銀行 の開 設 ・ 閉鎖 •合併計画に参与 する 。第 三に、経. 済近代化 ・ 輸出入計 両 の金融に関する全般金融政 策に ついて 、経済相 の諮問に応 ずる。. 要する に、こ の評談会は 、銀行す べて公私に拘らず、全体統 制を行う。提 案・ 勧告が主 であり、諮問及 び計画立案. . 機 関 として 、諸関係 大臣に 直氣するも のである 。 これに次いで、藍督機 関 とい う べき Co mm. 1 s s 1 o n deCo nt rol edes. がある 。公営 四大 銀行に於 いて は、 これが 株主総 会 の機能 を持ってい る のである。こ の委 員会 の職能 は 、 バ Banques. ラ ンス・ ンー ト の検 在 •藍壺を行い、情報を要求するこ とができる。違反 の場合には、瞥告・ 譴貴、指 定 された 営業. の禁 止、貞任役 員 の一時 解雇、 メン バー・ リス トから の削除 とい う 懲戒 決定を行うこ ともできる のである 。. さて 、他方 、各 々 の公営 銀行内で の理事 会は、十 二名か ら構成 される 。内 四名は銀行 サービス の利用者 と見倣 され. る 農・ 商・ エの諸組合から代 表 され 、他 四名は 銀行従 業員 の労組代表 、二 名 は フラ ンス銀行 の代表 か、他 の公 立金融. 諸制 度 の代表 であり、残り二名は銀行経検者 の資格で指名 され る のである。. 四、保 険. eil 4、 四0社が 一九 四六 年 四月二十五 日公営 企業に 移 された。こ の保険 業 の中央機関は 、Cons 全 保 険会社 の約 •. esであり、 これは 銀行 の制度 と同 じく 、公私全保険会社全てを 包摂す る 最高機 闇である 。 こ nc a ur s naldeAs o i Nat. の峨能は、保 険諸会社 の運営 、忍約夜び保険率、保除事 業を現制する技術諸 原則、当産業全 体 の組 織・ 翡整 •合 埋化. - 86 -.

(15) について、大 蔵大 臣に対して 諮問機能を果すものであ り 、同時 に保険諸会社の監督を 行う もので ある。 こ の 他 に. Cai s s eCent ra l edeReas s ura nc e が大 蔵大 臣統制の下 に設立されておる。 これが事実上、監督統計機 関として機能. する。前 者 の 巖長は 大蔵大臣であ り、その 評巖会は ニ ―名 より構成される。関係諸大 臣任命の 政府 代表 七名 、被 保険. 者 代表 七名 で、この内労連より二名が選出される。他 の 七名は保険会社職員で、各 々ト ップから下級職員を代表 して おり、それぞれ所 属する全国職業諸組織により任命される。. 他方、各公営保険会社の理事会は、保険の知識 と経 験を持つ三名 ( 中央機 関が 任命す る)政府 代表 一 二名、池三名は. 最も代表 的な職員組織 により任命される。残り三名は被 保険者代表で、経済 相が 任命を行う。 尚、この各 公営 企業の. 全般 管理者・理事 長は理事 会 との 協議後、大蔵大 臣任命 によるのである。. 以 上ですでに明らかなように、各公営 産業の 最高機 関に権 限 として 、 経営方策決定権が与 えられているものはない。. 財 政面の政府 集 中管理は不可避なもの として 、金 融 諸産業を除いても、その事実は明白 である。. 中央機 関は下部機 関に対する管理体であるけれ ども 、経営の柱をなす ところの生産設 備計 画決 定、金融計画価格設. 定は全て政府・ 諸大臣の 承認を まって効力を発する。. 従って 、最高 管理組織 としての中央機 関は 、即ち 最高 意 思決 定機 関たり得ないのである。下部組織に対する指揮・. 管理権は与 えら れて いる。しかしながら、所謂 ト ップ機 能 と目さ れる諸決定には、単に諮問 の立楊か、立案機 関の 地. 位にしかない。下に対するテ クニ カ ル・リー ダー ン ップは与 えら れてはいるが、 上に対しては諮問機関化されている とい う こ とである。. かかる実体が 、す でに法により規定されている点こそが我 々の 関心事なのである。. - 87 —.

(16) の 本 来. の 政 府. な る 要 因 に よ り 円 滑. ence des N ati " 1947. ons. sati i onal D ヽExpe 『i. に 行 使 さ れ て な い か を 観. 在. っ て. こ. る こ と こ そ 真 の. で. で 展 開 す る と こ. 統 制 集 中 管 理 が. 二 に は 、 次 章. に よ る 大 巾 の. で き る と い う 点 。 第. 一産 業. の 、 あ る い は 具 体 問 題 と し て の 、 経 済 目 的 を 達 成. ま ず 、 管 理 方 式 ー 理 事 会 構 成 方 式 ー が 如 何 様 で あ ろ う と も ‘. そ 、 公 営 化. で あ る 。. な る 欠 陥 に よ り 、 ま た 如 何. ろ で あ る が 、 利 益 代 表 制 理 事 会 を 意 思 決 定 機 関 と 見 倣 す こ と よ り 、 そ の 批 判 を 行 う ぺ き で な く 、 与 え ら れ た 権 限 内. の 二 点. の 機 能 が 組 織 方 法 自 体 の 如 何. る こ と 、. o. 『. . . The Structur e oF N ati n France. onal i zed Enterpri ses i " op. ci 、 pp 360� 361• t. ` ^ •. 、 PP. 312� 314. 参 照 。 op. cit.. l i 、 P. 360 d. bi f Sturm th11 A dol. `. ' P ol . 1952. P. 359. A dol f Sturm thal " The Str ucture of N ati i ti cal Science Q ua terl onali zed Entreri ses i n France.' y sept. . 、 pp. 311 � 31 2. W i = l i 8m A. Robson op. cit. ` `. よ り 、 以 下 引 用. . ew . V ol oct、 1946 54. sept, ". I nternati onal Labour Revi ndustri es i n France onali sati on of Banks and I • •N ati. M arcel V entenat. ^ ^ `. 法 規 定 に つい て は 、. 4 父). can Pol i ti cal Sci ew June 1950, P. tai n and F 『ancce. The A m eri ence Revi n Bri nduscri es i n、 N ati onal i zed l W i =i am A. Robso.. t. 、 P. 181 um 、 op. ci rren C . B11 W 11. 批 判 た り 得. m. 岡. 固. `. A. Robson W i =i em. ゜. 詳 し く は Ad I F Stur m thal. - 88 —. 註. 註. 註. (2) (4) (6). 註 註 註.

(17) 鼎 立管 理組 織 の失敗. 労働諸集団 の長年 の願 望であった経営権 への 労働参加を表 象する鼎立管理組織方式 は、事 実法により保障された。. 産業社 会化への一ステ ップとして、この意義は大き かった筈である。. 註②. ところが 、多 くの論者の一致するところでは、 この方式 は失敗に終ったのであり、労働代表排除の方向が 強 いので 註 m ある。. 数種の所説 を要 約すれば お よそ次の如き 理由に帰するようである。. まず第一に、理事会の制度 そのものに帰 さる べき 欠点として。. 理事は非 常勤であり、かつ、その 職務に対す る報酬を受け 得ないものである。従 って 、その結果 は、まず 、大規模. かつ複雑な企 業経営を管理することは不可 能であ ること。第二に、もともと特定利害を代表する理事は、報 酬及 びそ. の 地位をその 自 己の 属する利害集団に於 いて確保しなければならな い。ここに理事 は、企 業そのものよりも 、特定利. 害集 団 に、 さら に一 層依 拠す るという結果を 招 く。. か くて 、利害を それぞれ異にした理事会の中に、 さらに強力な利害対立を形 成 させることになる。目的に於 いて統. 一 され、一 貫した政策を常に保持して いなけ ればなら な い最高 管理組織としての理事会は 利害対立の場と化し、一 貫 した 政策の遂行 を不能 にす る。. 第二には、政治 的環境 であ る。. まず、一 利 害集団を形成すべき 消費者 •利用 者は確たる組織を持たな いと いう点 から、労働集団 から藤々消費者 ・. - 89 —.

(18) 利用 者代表という 口実 の下に、労働 組 合員が 登場す る。 さら に、官吏は、少なからず組合員であ り、か くて、理事 会. は労働 組合 の指 導的地位にあ るCGT の一人 舞台と化 してし ま ったという 事実。次ぎに、こ のCG T は実は共産 党 の. 支配す ると ころであ ったという歴史的事 実に より、結局 のところ、共産党勢 力が 各理事会に大き な作 用を及 ぼしてい. たという 点であ る。 ( 註、こ の点は戦後 の一時期 の政党と労組 と の関係より結果 した一時的幣 害ではない。 フラ ン ス. の諸 労働組合は、各種 労 働 者 を 代 表 す る と 同 時 に 、 各 種 政 党をも代表してい る のであ って、理事会内へ の政 治的圧力 註③ は 不可 避な のであ る。 「 非 政 治化を唱えて 、再 政治化を行う 」という よう に常に政 争 の具 に されてい るこ の特殊 性は. 大き な問題点であ る。従 って 、公営 化成立から 二年前 後 の諸 文には、共 産党 の暴挙を指して、理事 会失敗 の因となす. 90. も のがあ るが 、これは、偶 々そ の時 期に、共 産党がかなり の主導権を握 っていたが故にであ って、 単 に共 産党 のみに. 限 らない のであ る。) 第一 ― 一 に、公営化成立時 の経済 的 •財政的 条件が挙げられ る。. もともと経営資金 の微少な上 に、戦後 の累積的イン フレ のため 、事 実上、再設備投資は政府によ って のみなし得 る l. ところであ った。かくて、政府は厳格 な統 制を行い、価格 ・賃銀は、 九 五0年 まで政府 の統制す るところとな って. い て 、企 業 の法により与 えられた財政自治は存す る余地 のなか ったことであ る。. かか る諸理由により、決定形成機 能は政府諸 大臣か、もしくは常勤役 員であ る全般管理 層 の手中 に在 り、理事会そ. れ自体が それを放棄した か、横 領 されたと され るのであ る。. 成 程 、容 易にう なづけ るとこ ろであ るが 、実は、そ の諸 原因をより深めて 、整理 す る要が感じられ る のであ る。. まず第一 に、我 々は先 に、 鼎立管理組織 の導入は、産 業社会化要求を満たしたも のと 規定して来たが、これは実体. — —.

(19) に於い て誤りである ことが再認される 必要がある。公営 企業皮 び公営産業に、公酋 の一 要素である 法人格と 財政自治. は法により確かに年えられた 。し かし 、こ のこ と自体は 即 ち決定形成 機 関とし ての 鼎立組織を導き 出すも のではない. ことは明らかである 。諸 法律は中央機 関にす ら 、そ の当 該産業 の管理機 関とし てのテ ク ニカル・ リ ーダー シ ップ の権. 限 のみを与 え ている にす ぎない。従っ て、 まず 労働 諸集 団 のス ローガンであ った 産業社 会化を狙う第一歩とし ての最. 高機関に於ける 利益 代表制は、形式 的に のみそ の要求が満たされたという事実である 。実体に於 い ては、最初 から経 営決定権 へ の労働者参加は法により賦与され ていない。. かく て、 鼎立組織に於ける理事会 の失敗を論ず る 場合に、結果とし て、理事会が諸 決定機 能 を放 棄、もしくは 横領. されたとい う べき ではない。理事会 の批判は まず 何よりも、法により保障された諸改革 の内容と 、労働集団 の抱い て. 来た理念と の間 の乖禽を 認識し て展 開されねばなら ない のであ る 。そ の後に於い て、技術的管理組織とし ての理事会. の欠陥を綸ず べき な のである。こ の間 の区別 は載然 としなければならない。. し かしなが ら 、法が 各理事会に自主 決定を与 えなかった こと自体は、経済 全体 の立場 から見 れば、当然 のことと言. わねばならない。なん となれば、基幹諸産業 の部分 的 公営化は統一統制が 前 提とならねばならぬ 。元来、国家により. 疸接管理される も のではないとはいえ、経済 均衡 ひい ては社会的均衡のた め 、公営 化 は 国家が行 う計画 の有 効な一要. 具たる べきも のである 。. ところが 一方で 、 鼎立管理組織推進 の モー テプは、労働 集団 の経営権へ の参加 であ り自主 決定であ った。こ の両者. が同時に混在された まま 公営化が成立したことを先に見た わけであるが、こ の矛盾 は、実際 の産業経営 には、統一計. 画により解消さ れた のである。即ち、法は形式に於い てのみ 鼎立組織を、実 体に於い て一 元 的 リ ー ダー ン ップを形成. - 91 -.

(20) せ しめ、決 定形成機能を政府 に、技術的管理機 能 を各管理機 関に与 えることにより 、相 反する二つの成 立動因を同時. に満たしたものと言える。. 従って、 鼎立組織失敗の 一結果 としての決定機能の転位を論ずぺき で なく 、技術的管理機能を充分果 し 得 ないその. 原因 を探し求めることが、現 実の 鼎立組織の批判と なり 、 ひい て は また 、改良さ る べき 点を導き 出 す証 拠と なすこと. ができ るのである。. さ て 、しからば、法の与えた 限りでの 諸権限は、何 故円滑に行 使され なかっ たのであろうか。. それに対 する回答は 、先 に要約した 諸点 に帰 するであろう。ただ、第三の政府統 制が厳格であったという理由は、. か なり妥当 性 を持た ないことに注意 す べき である。 政府 統制の内容 は、すでに法がその決 定権を与 えてい ないという. ことと、法の措置は経済目的から当 然 そうある べきものであって、特にフラ ン スに限ったことでは ない と の 二面から で あ る。. 利害対立」にあ る。 「 原因は、要 するに 「 利害対立」とは具 体的に如 何 なる意味であろうか。. すでに前 記の諸論文が指摘した如く 、 消費者 ・利用者は今迄のところ労働 組合員にとって代られているとい われ る 。. その 限りでは、対立は三者の対立閥係で は なく、政府と労働集団の対立に転化されている。. ところで、 鼎立組織内の利害の対立といえば 、公営産業にあ っては 、 経済的動機にあるのでは ない。 むし ろ . 理事 会. の 中に政治的介入と言うより党 略的色彩が浸透していることより生ずる政略的対立こそ強力で問題 と なるのであ る。. 労働諸組合と左翼諸政党 の結びつき は、フラン スの 一特殊性を なすが 、特に戦 後、従来独自性を保持してい た CG. Tは 、レジ スタン ス時代を契機として 、共産党 の支配 するところとなった。 ここに、両者の相 互関係 は支配閲係 に変. - 92 ー.

(21) ったのであ る。レジ スタ ンス運動を媒介とした この両者の 圧力の下に公営化が成 立した 時、両者は強力に 連帯したの. である。労働集 団が 政党に より支配 されると いう 特色 は 、直ちに理事会を 政争の具 とする大きな要素とな ったと 見る. べきであ る。理事会は政府与 党 対野党 の政 争の 延長の 場と化 し てしまい、また 労働を擁護する政党が権力を得れば、. 本来の利 益代表制を無意味にもし、公営企業の全般利 益の観 点を無視する結果 となる。. 要するに 、理事会は事実に於い ては 政府 代表と労働組合代表との二部制の組織であるが、政党 からの労働集団の 独. 図. 『. f. 『. f . ,'• Ad I Stur Nati mth�I onal i zati on and W or 『ヽ Co nt r oli n Bsi ke s ance" PP. 59� 60 nd Fr tai n ,s. f. Adol St mthel The Stuct ur e o Neti ur oneli zed l: nter pi ses i ance. PP. 369- 375. n Fr. ,P. 314- 31 . 8 t W . A. Robsonヽop. ci. . 昭咬》 �\ 、P. 482.! n op. ci t ce Robi i Meur. `. 公共共同企業に変えることにより、専門家・資本所有者の参加を増そうという方向にある。. (1). ゜. · ci . PP. 181- 185 t. . P. 843 n op, ci t ce Robi i Maur. W . C. Boum op 、. ` ` ` ` `. . PP.113� 124 t me op. ci Ren<iG endar. - 93 —. 立が存しないが故に、この中への政略の浸透は さらに不 可避のものとなるのであ る。利 益代表制は有名無実の存在と 註④ なり、 「鼎立組織の笑 ぅ べき神話 」となっ ているのであ る。 そう であ る限り、公営企業の満足な経営、満 足な成果を. 労働代表が指示されていな い範囲の利害については、その代表はそれを代表してはならないという規定。あるいは公営企業を. 収め得るの か否 か、といったことは論外であるという べきであろう。. 註. 註.

(22) (4). (3). . 、P.60. t F St AdoI ur mthel 、Neti onel i zeti on end W o k oli n Br i tei n end Fr enceヽ0p. ci r · s Contr 『e. . 、P.116 t meヽop. ci Rene G endar. 語. 理事 会に残され た活 動 余地は 管理・ 統 制組織とし てのそれ以 外に存し得なかっ た のであ り、ま た存し得ない のであ. い ては、決 定機能は政府に 集 中され た のであっ た。決定機 関とし ての理事 会は 理念 の上に 止まっ たにす ぎなかっ た。. 産 業社会化 の第一歩とし て貫徹 さ れ たことにはならなかっ た。実は 形式 に於い てのみそ の要求は満 たされ 、実質に於. 表 組織 の理事 会を形成せ しめ たことは 忍められるとし ても‘これが直 ちに、労働集団 の目的 たる経営権へ の参加が 、. しかしながら、 レジスタン ス の要 求に集約される如き、社会的・ 政治 的動因が 主尊的で、それが故に、 鼎立利益代. 集 中統制を前 提とし てこ そそ の存 立 の意義を持つからである。. て抽 出されねばならない のであ る。何 んとなれば、基 幹諸産業 の公営化は経済 目的という具 体問 題 の中では、国家 の. ならない のであ り、そ の意味で批判さ れねばならない。 鼎立理事 会 の自 主経 営 理念そ のも のが失敗 の窮極的原因とし. ば 、そ の限りでは、 原因は相反する二つ の公営化成立動因ー経済 的・社会的動因ー の対立に深く 根 ざす と 見な ければ. 前 節で掲 げ た諸論者 の言 う如く 、理事 会が決 定機 閑と理解さ れ、それと見倣され て、失敗 原因が 求められる なら. 註. こ の段階に於い て充分機 能 する限り、そ の任務を果 すも のとい える のであ る。. かく て、現にあ る理事 会 の失敗 の原因は 、 そ の範囲内に於い て求められねば ならない。. - !:i4 ー. 糸吉. 註. ゜. る.

(23) 利 益代 表制そのもの は、理念としても、現に存 在するものとしても、こ れを 否定す るこ とはできない。制度 自体に. 原因を 求めるこ とは何 ら の 意味もなく 、誤れるものと言える。 まず第一に、 フラ ン スの理事会機構に問題があるので. ある。理事 はす べて非 常勤で、しかも理事会に於け る職能 は彼ら理事にとって は第 二義的ならざるを得ないとい う悪. 条件がある。一 方 に於いて決定機能を有する政府 が、他方に於 いて全般 管理屑としての専従 ス ク ッフが存する以 上、 理事会 は最 初から宙に浮いた 存在を 余儀なくさ れる地位を 持た ざるを得ない。. 第二に、かかる機 構上の欠陥と相侯って、事実に於いて は、理 事 会は政争 の 場と化し、かくて、彼ら理事 は管理能. カの故に理事な の ではなくなる性向を持つ。従って 、法により規定さ れた 職能 遂行 の 余裕もなけ れば、ま た能力もな. いとい う価値なき 理事会へと導く ことになったのである。. 鼎立組織のその 効果 は、戦後の檄化した社 会不穏 を少しでも軽減させ 、一社会政 策の意味を果 し、経営 への 労働 参. 加と いう ―つの精神的な ンン ポ ルとしての消極的な役 割を果したにすぎないのであ る。. アン チ・ エクテ ィザ ン ョンの一方式 と捩榜さ れて成 立した公営企 業の鼎立管理組織 は、経済・ 経営の民 主化ー利益. 代表制ーと生産性ー集 中統 制を 不可避とするーとの調和を果す べく 期待さ れた方式 であったが 、理事会機構そのもの. の 欠陥と、これをとりまく 政治 的環境 の故に、公営諸産 業の自治 は、この方式 故に さ ら に逆に 縮少さ れる 傾向とな. り、皮肉にも エクテ ィザ ン ョン ヘの方向をより容 易にして ゆく と考えられるのである。. - 95 ー.

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