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若年層の労働市場の現状-特に若年層の学力低下が労働市場に与える影響を中心に-

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Academic year: 2021

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(1)修士請文r若年層の労働市場の現■状一時に若年層の学力低下が労働市場に与える影響を中心に一」 要旨. 教科・領域教育学専攻. 杜 会 系コース M0 7 1 7 9 B    堀 内  哲. 1研究の日的. 3研究の概要.  本論文は、近年、議論されている学力低下が、.  第1章では、若年労働市場の現状を踏まえる. 若年労働市場にどのような影響をもたらすのか. ため、現代の日本の労働市場について考察を行. を検討するものである。. った。第1節では、日本の雇用形態の変容につ.  近年、教育現場では学力低下が問題視されて. いて考察した。本節では、かつての日本の雇用. いる。学力の低下は、経済学の視点で捉えると、. システムはr終身雇用・年功賃金・企業別組合」. 労働者の生産性の低下を招くものである。労働. と特徴づけられていたが、不況が長く続く中で. 者としての生産性の低下が起これば、企業は正. 企業は低コスト化を図ったため、r非正規雇用. 社員としての採用を抑制する方針に向かうもの. 化」と特徴づけられる雇用形態へと変容したこ. と考えられる。従って、学力の低下は、若年層. とを明らかにした。また、企業による「非正規. の就業環境を厳しくしていると考えられる。. 雇用化」は、1990年代半ば以降の新規学卒者の.  本論文の目的は、学力低下と若年層の就職状. 就職環境に、大きな影響を与えたものであるこ. 況との関係を検討し、学力低下が労働市場に与. とが明らかとなった。. える影響について明らかにすることである。.  第2節では、前節での雇用形態の変容によっ て、若年労働市場における非正規雇用化がどの. 2論文格成. 程度進んでいるかを検討した。本節では、多く. 序章 研究の動機と目的. の若者が非正規雇用者となっていることが明ら かになった。かつては、非正規雇用となった者. 第1章 現代目本の労働市場の現状. は、自己の都合によって非正規になっていると.  第1節 日本の雇用形態の変容. 考えられていた。しかし、現在では、正規雇用.  第2節 若年労働市場での非正規雇用の増加. を希望しているにもかかわらず、不本意ながら.  第3節 学校から就職への移行の変容. も非正規社員を選択せざるを得なくなっている 若者が増加していることが明らかになった。. 第2章 若年層の学力低下が労働市場に与える.  第3節では、学校から就職への移行について.      影響. 検討を行った。かって、学校から就職への移行.  第1節 学力低下間題. は、比較的スムーズに行われていた。しかし、.  第2節 企業の労働需要と学力の関係. 日本の雇用形態に変容が起こるで、学校から就.  第3節 フリーターにおける学力と若年層の. 職への移行も困難化したことが明らかになった。.      就職状況との関係性.  第2章では、本論文の問題意識である、若年 層の学力低下が労働市場に与える影響について. 終章 結論. 検討を行った。第1節では、若年層の学力低下. の実態を明らかにした。学力低下については. 一366一.

(2) 様々な議論があるが、PISAやT㎜lSSの国際調. 業からの評価は低いことが明らかとなった。フ. 査の結果や、大学生を対象にした調査において. リーターに対する評価が厳しいことから、フリ. も学力が低下していることが明らかになった。. ーターから正規雇用への移行の難しさが推測で. また、国際調査等により、学習意欲についても. きるものであった。. 低下がみられることが明らかになった。子ども たちは勉強について、何のために勉強するのか、. 4成果と課題. 勉強したことが将来役に立つのか不透明なもの.  以上のように、学力低下は、若者の労働力と. となっている。勉強に対する積極性についての. しての質を下げているため、低コストを図って. 割合は、国際的に比較してみると下位に位置し. いる多くの企業などでは、正規雇用としての採. ている。学習意欲の低下は、今後、さらなる学. 用を抑制していることが明らかになった。学力. 力低下を引き起こすものと考える。以上の状況. の低下は、非正規雇用化している現在の若年労. から判断し、本節では学力低下が起きていると. 働市場において、非正規雇用者を増加させる一. 結論付けた。. 要因となっているものと思われる。.  第2節では、前節でみられた学力の低下が、.  また、注目しなければならないことは、学習. 企業の労働需要にどのような影響を及ぼすのか. 意欲の低下である。非正規労働が増加している. という、企業の労働需要と学力の関係について. 社会の現状は、子どもの学習意欲を低下させる. の考察を行った。まず本節では、Bamoの研究等. 一要因となっているものと考えられ、今後さら. を参考にし、学力の低下が人的資本の蓄積低下. に学力の低下が起こるものと危惧される。学力. を意味し、そのことが、企業内訓練のコスト上. の低下に歯止めがかからなければ、非正規雇用. 昇につながるため、正規雇用としての労働需要. 者はさらに増加するものと考えられ、社会的に. の減少を招いていることを明らかにした。また、. 不安定な状態を生み出すと思われる。このよう. 学力低下が正規雇用としての採用の抑制を招い. な社会状況になればなるほど、子どもの学習意. ていることが、企業を対象にした調査からも明. 欲は低下するものと考えられる。. らかとなった。近年、学力が低下したと感じる.  以上のことから、学力と雇用状況は、相互に. 企業は少なくない。また、採用の際に基礎学力. 影響を受けているものであると予想される。. を重視する企業は多い。採用方針についての調.  本論文での研究を踏まえ、最後に今後の研究. 査では、基礎学力の低下によって、一人前に育. 課題が以下の2点としたい。. 成するコストが高まっていると回答した企業の ①キャリア教育から子どもの学力向上への結び. 多くは、正規採用を抑制し、中途採用にウエイ トを置くとしている。このように、学力を重視.  つきを見出す研究。. している企業は多く、学力の低下は、非正規化. ②子どもの学力を向上させ、就職環境の悪化を. している現代の労働市場において、さらなる厳.  防ぐために、社会科教師としてどのような単. しい雇用状況を引き起こすものになることが明.  元開発や教材開発をしていけばよいのかにつ. らかになった。.  いての研究。.  第3節では、これまで考察してきたことを検 討するため、フリーターに焦点を絞り、学力と 若年就職状況との関連について考察し、フリー. 主任指導教官  難波安彦. ターと学力低下の関係を推測した。ここで、一. 指導教官    難波安彦. 度フリーターを選択してしまった者に対する企. 一367一.

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