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加東市内に局所的に自生するササユリ(Lilium japonicum Thunb.)の系譜的関係を解析するためのSTSマーカーの開発

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Academic year: 2021

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(1)加東市内に局所的に自生するササユリ(〃肋㎜ノ砂。〃ω㎜Thunb)の.      系譜的関係を解析するためのSTSマーカーの開発 教科・領域教育学専攻 自然系(理科)コース. M 0 8 1 9 2 E. 山 本   博 史  研究室で保存されていた加東市内に自生する. 1.序論  ササユリ(Z〃。㎜ノ幼。〃jω㎜Thmb.)はユリ. ササユリの遺伝子をテンプレートにし、RAPD. 属の日本固有種で、現在、全国的に自生固体数. 法を行った。得られた300から600bpのバンド. は減少している。そのため、各都道府県の内7. のうち、特異的なバンドもしくは切り出しやす. 県が、ササユリを絶滅危惧I A類、絶滅危惧I. そうなバンドを抽出・精製した。精製したDNA. B頚あるいは絶滅危惧II類に指定している。さ. をT・vectorpMD20にライゲーションし、大腸. らに2県は、準絶滅危倶類に指定している。加. 菌(JM109株)に形質転換した。そして、それを. 東市(杜地区)でも、昔は自生のササユリが多く. アンピシリン、IPTG,X・ga1を含むLB培地に. みられたが、現在ではほとんど見られない。兵. 播種後、37℃で一晩培養した。得られたコロニ. 庫県立「やしろの森公園」では、開園当時(2000. ーをブルー・ホワイトセレクションで選別し、. 年)数個体しかササユリが確認されていなかっ. 候補のコロニーからプラスミドを抽出した。. た。ところが、7年後に436個体も自生ササユ.  シーケンスには、ダイクーミネータ・サイク. リが確認されている。そこで,本研究室は加東. ルシーケンス法で行った。精製したプラスミド. 市内に自生するササユリがどのようにして広が. をテンプレートとしBig Dye(v1.I)を用いて. っていったのか、その分布の変動を調べること. PCRを行った。PCR産物を3130シェネティ. を目的とした。市川(2007)は、加東市内に自生. ックアナライザー仏pp1ied Biosystems杜)を. するササユリと他府県産の個体合わせて65個. 用いてで配列を調べた。. 体を対象にRAPD(RandomAmp11丘ed. 3、結果および考察. Po1ymo叩hic DNA)法(Wi1iamら、1990)を用.  得られた配列からRAPD法で用いたプライ. いてどの程度遺伝子の交流があるのかなど系譜. マーの配列を検出した。そして、そのプライマ. 的関係の分析を試みた。その結果、採取した地. ーから3’端側へ8塩基伸ばした20塩基をプラ. 域全体で遺伝子の交流が行われていると報告し. イマーの候補とした。設計したプライマーが,. た。だが、RAPD法は、再現性や信頼性が低い. PCR反応で特異的に任意配列を増幅させるこ. など欠点があげられる。そこで、RAPD法の結. とができるかは,使用するプライマーのアニー. 果をもとに本研究は、再現性が高く、より多く. リング温度に依存する.今回,設計したプライ. の遺伝情報を得るためにRAPD法で得られた. マーは,組み合わせごとにGCとATを含む割. バンドを同定標識(STS;Sequence Tagged. 合が異なる.そこで、今回の組み合わせに合っ. Sites)化し、遺伝的解析に有効なプライマーの. た温度設定をする必要があった。アニーリング. 開発を試みた。. 温度の基準となるTm値の推定には,最近接塩. 2.材料及び操作方法. 基対法(Nearest Neighbor method),Wa11ace. 一370一.

(2) 法,GC%法の3つの方法がある.今回設計した. が行われていることが推測できた。さらに、池. プライマーの組み合わせは,いずれの計算方法. 之内と馬瀬は、ヘテロ型の遺伝子を示すプライ. でもTm値に差が生じた.一番大きな温度差は,. マーセットは、1つだけだった。この結果から. 最近接塩基対法で16℃であった.そこで,比較. この2ヶ所は、徐々に外部との交流が減少し閉. 的温度差の小さいGC%法で計算したところ各. 鎖的な交配へと移行していると思われる。. プライマーの組み合わせのうち,低い温度を必.  一方、鴨川の郷では、多くのヘテロ型の遺伝. 要とするプライマーのTm値が52.2から. 子が検出され、最も遺伝子の交流が盛んな地域. 58.3℃と55℃前後の温度を示していた.この結. と考えられた。. 果から全てのプライマーに対してアニーリング.  今回の研究で設計したプライマーを用いて. 温度を55℃と設定した.. PCRし、電気泳動した結果バンドの濃淡や.  設計したプライマーの有効性を確認するため. 100bp付近でのバンドの増幅が検出された。こ. にやしろの森公園、上久米、上鴨川6種類をテ. の増幅産物は、非特異的な増幅によるものと思. ンプレートにしてPCRと電気泳動を行った。. われる。そこで、これらを解決するために各プ. その結果、12種類のプライマーセットでバンド. ライマーセットにおけるアニーリング温度や反. の有無が確認された。その結果,プライマー6. 応時間の再検討が必要と思われる。さらに、よ. セットでバンドが見られた。そこで、バンドの. り正確に遺伝子の交流を調査するために現在設. 増幅が確認できなかったプライマー、テーリン. 計したプライマーの組み合わせを変えて多くの. グが見られたプライマーをそれぞれプライマー. 遺伝情報を得ることが、有効と思われる。また、. 設計を再度行った。. 別の視点から遺伝子の交流を調査するために.  この結果、本研究で作成した12セットのプ. SSR(Simp1e Sequence Repeats)マーカーの開. ライマーセットは加東市内で自生するササユリ. 発も有効と思われる。. の遺伝的交流を知るツールとして有効であると.  今回実験で用いた個体数は20個体である。. 判断した。. 地域的に見てみると各地域2個体でしか設計し.  さらに、今回設計したプライマーを用いてや. たプライマーを用いてPCR、電気泳動を行って. しろの森公園、上久米、池之内、上鴨川、下鴨. いない。そのため、今回の結果が地域性を示し. 川、馬瀬、鴨川の郷のそれぞれ1個体以上を使. ているということは言えない。そこで、これか. い合計20個体の遺伝子の解析を行った結果、. ら、本研究室で保存しているササユリのサンプ. やしろの森公園という同地域内でも中央の谷、. ル約100個体を調べる必要がある。. 西の谷、東の谷でそれぞれ異なる結果を得た(図. 2)。中央の谷では、ほとんどホモ型の遺伝子し. か確認できず閉鎖的に交配が行われていると推 測された。一方、西の谷と東の谷では、同じプ ライマーでヘテロ型を示す個体が検出された。. このことから同じ地域から花粉や種子がそれぞ れの地域へ侵入した可能性が考えられた。. 図設計したプライマーでPCRを行ったサンプルの.  また、下鴨川と上鴨川は、どのプライマーセ.  電気泳動像 a:ヘテロ型遺伝子   b:ホモ型. ットを用いてもホモ型の遺伝子しか示さなかっ.       主任指導教員渥 美 茂 明. た。このことからこの2ヶ所は、閉鎖的に交配.       指導教員渥美茂明. 一371一.

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