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「課題学習」の趣旨を生かした「世界の国々~様々な地域」の授業構成 : 「アメリカ合衆国の農業」の実践を通して

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(1)

社会系教

科教育学会

『社会

系教科教育学研究』第4号 1992

(pp.75

―80)

「課題学習」の趣旨を生かした

「世界の国々∼様々な地域

」の授業構成

「アメ

リカ合衆国の農

業」の実践

を通

して−

Organizing Lesson Plans

“Countries in the World

” based on the Project Study

:through the Practices on

the Lesson of

“Agriculture in the United States of America

じめに

平成5年度か

ら施行

され

る新

学習指導要領

いて

生徒の個性

を生か

関心一

意欲

を喚起

して主体性を

促す学習を実現す

るために

「適切な課題を設けて行

う学習

(以下

「課題学習」)の

充実

を図ることが明

された

。この

ことは,

中学校

における社会科

業が

これ

までの教師主導による知識注入的な教授学習シス

テム

からの脱却

を余儀な

くされた

ことを意

して

いる

同時に

,教師の個性を生か

した指導計画や授

業設計を

うことが

できることを意味

している

また

地理

的分野

「世界の諸地域∼様々な地域」

(以下

「 ̄

様々な地域

」)では,

世界の地域や国の中か

ら三つ程度

を取

り上げて学習させる

こととなった

。こ

ことは

世界の諸地域における地名物産に関する網

的な内容構成の改善を余儀

くされ

たことを意味

ている

。同時に,

教師が

主体的に世界の国や地域を選

教材

化できることを意味

している

社会科は

,社会的見方

・考

え方を育成する教科であ

。したが

って,

「課題学習」では,

これ

まで以上に

生徒の社会

的見方

・考え方

を育成できる方向で授

業が

開され

るかが鍵となる

。また

「様々な地域

」では

学習する地域や

国を通

して

,現代の社会を認識させ,

代の社会が抱

える問題について考

えさせ

ることがで

きるかが鍵となる

こで

本論では,

「アメ

リカ合衆

国の

農業」の授

業実践

を通

して

「課題

学習

」の

旨を生か

した

「様

な地域」の授

業構成について提案する

。研究仮説一

究方法は

以下の

とお

りである

《研究仮説》

「様々な地域

」の

学習において,

生徒の

多様

な発想

調査活動

を十分に生か

した

[概念探究十価値分析]

学習指導過程

で授業を設計す

るならば

現代の社会

ついての

見方

・考

え方

を育成する

ことが

できる1

《研

究方法》

① 

究仮説を組み

込ん

「アメ

リカ合衆国の農業」

の授

業を設計

し,

実践する

猪 

野  

(宮崎

県西臼杵郡

日之影町立鹿川中学校)

② 

授業記録に基づき

各段階における生徒の認識内

容を明らかにする。

③ 

内容を分析

知識の構造

し,

をフ

仮説の有効性

ーム

ワーク

と課題

して,

を明

らか

生徒の認識

にす

I 

「課

」の

旨を

生か

した

「ア

リカ

合衆

の授

業構

生徒

多様

な発

調査

を十分

した

[概

究十

価値

]の

導過

,厂

リカ合

の農

」の

を設

した

(15

間配

。単

目標

習指

以下

示す2

1 

目標

目標

知識一

理解

目標

と能

目標

にわ

て,

示す

《知識

・理解

目標

リカ合

国の

業に

つい

ての

ミク

・マ

ロな

を通

して

リカ合

の農

生産

力が

高度に

世界

的な

生産

とな

いるの

豊か

自然

を背

して

リカ合

国が

資本

主義

を行

って

るか

らで

こと

を理解

させ

カ合

国が

主義

な農

業を行

ってい

資本

力の

しい

小規

・中規

営農

場の

・小

化,

数の

によ

る農

過疎

・社会

いっ

た状

況が

じて

いる

こと

を理

させ

《能

目標

な学

習過

で授

を設計

こと

関連

社会

内在

主体

して

く能

を育

てる

。また

に価

値選

を設

定す

こと

によ

探究

的な

ロセ

で習

され

知識

を生

して,

自分

の意

を決

力を養

- 75

-2 

習指

導過

を各段

とに

な発

示で

以下

(2)

に示す。

《概念探究過程》

【情報収

集段階】

① 

日本の

豆腐の原料(=大豆)は

どこで生産

され

いるだろうか

② 

日本はア

メリカ合衆国か

らどんな農産物

を輸入

いるだろうか

③ 

アメ

リカ合衆

国では

日本人何人分の農畜産

物を生

しているだ

ろうか。

④ 

アメ

リカ合衆国ではどんな農産物

をどれ

くらい生

しているのだ

ろうか

⑤ 

メリカ合衆国で生産

され

る農産物は世界の

どれ

くらいを占めているだ

ろうか

【学

習問題発見

・把握段階】

① 

これ

までの学習でわかった

こと

疑問に思ったこ

とをノー

トに書こう。

② 

これ

らの

事実をもとに

学習問題

を設定

しよう。

メリカ合衆国は

なぜ

多くの種類の

農産物

を大

量に

生産できるの

だろうか

【予想

・仮説設定段階】

①・

由を予想

してみ

よう。

② 

予想

した内容をクルー

ピンク

して仮説へ

と高め

う。

③ 

仮説

を再吟味

しよう。

④ 

アメ

リカ合衆

国の農場の様子

をビデオ

で視聴

して

仮説

を焦点化

しよう。

⑤ 

収集

した情報

をも

とに,

り深まった仮説

を設定

しよう。

【資料収集

・調査活動

・検証段階

I】

① 

当に仮

説が

正しいか

どうか

,グルー

プにわかれ

て調べてみ

よう

。(

人の

興味

・関心に応

じて選

択)

② 

グルー

プごとに

どんなことを調べれ

良いか話し

合お

う。

③ 

調査の視

点をも

とに

必要な資料

を収集

しよう。

④ 

収集

した

資料

をも

とに,。

仮説の

有効性

を検

証しよ

う。

⑤ 

調査

した結

果を整理

して

発表

しよう。(

発表会)

⑥ 

発表内容を検

討しよう。

【資料収集

調査活動

・検証段階II

① 

すべ

ての

農場が大規模に生産を行っているのだ

うか

②・ア

メリカ合衆国の農畜産物の大量生産

を担ってい

るのは

全体の10

%にも満た

ない大規模

な農場だろ

うか

。それ

とも,

それ

以外の90

%も占め

る中小規模

農場だ

ろうか

【仮説間の

関係考察

・ま

とめ段階

① 

学習問題の答

これ

までに明

えを整理

らか

にな

しよう

ったことを比較

・考

して

《価値分析過程》

【応用段階

① 

アメリカ合衆国の農

業はどんな

問題を抱えている

だろうか

② 

メリカ合衆国の農業が大規模

化している

ことか

どん

な問題が生

じて

いるだ

ろうか。

③ 

アメ

リカ合衆国の農業が大規模化せ

ざる

をえない

のは

なぜだ

ろうか

【価値分析段階

① 

これ

までの学習

を踏ま

えて,

次の問題について考

えてみ

よう

アメ

リカ合衆

国政府は

農産物

生産の競争力を強

める政策を取るべ

きか

。それ

とも,農村社会を保護

する政策を取るべ

きか。

② 

直観的にどち

らの

立場

をとるか

判断を

下そ

う。

③ 

各立場ごとに

それぞれ

の判断の

うらづけとなる

事実

を分析

判断の

有効性

を検

しよう。

④ 

各立場ごとに

それぞれの

判断が将来

どの

ような

影響をもた

らすかを予測

しよう。

⑤ 

各立場ごとに調査

した内容を発

表しよう

⑥ 

これまでの学習を踏まえて

自分の考えを整理

し,

再度判断を下そう。

⑦ 

二つの立場に分かれ

討論会

を行おう。

⑧ 

今後のアメ

リカ合衆国の農

業に

ついて

自分の考

えをま

とめよう。

II 

究過

ける

生徒

内容

とそ

の分

Iで

した

習指

に基

を実施

(対象

生徒

6名

。概念

導入

階か

とめ

あた

この過

おけ

予想

とま

階で

生徒

を知

識の

構造

を分析

レー

して分

して

く。

予想

では

「ア

カ合

なぜ

くの種

畜産

大量

生産

きる

のか

。」

とい

う学

して

6名の

徒か

らのべ52

予想

出され

。た

えば

「土地が

いた

「農

畜産

くる

気候

して

いる

「品種

いるた

。」

「機

化が

でいるため

。」

「み

なが

して

いる

「がん

ろうと思

いる

ら。

「農

して

人が

多いか

。」

予想

され

いる

また

とめ

では

問題

いて次の

な結

導か

。す

なわ

ち,

「10

も満た

い大

場が

リカ合

全農

の50

以上の

(3)

土地を所有

アメ

リカ合衆

国の全農場の60

以上を

占め

ているか

。」

「日本

よりもは

るかに

面積が

く,

気候にも恵まれ

自然条件

を生か

した適

地適作が行わ

てお

り,

昔から農業生産に力を入れ

ている

「アメリ

カ合衆

国の農業には,

大型の機械や品種改

良が加わっ

ている

。」

ところで

,概念探究過程における知識の構造

を示す

と図

1のよ

うになる

リカ合

業に

ける

国=世界

生産

力の

的な

発展

業生

B少数

模経

営農

場へ

生産

C農産

生産

化の

D農

関連

業の

E農

業に

連す

る技

革新

1 

概念

探究

ける

知識

構造

1を分

ワー

して

業の

予想段

とま

とめ

ける

生徒

を分

した

。そ

予想

階で

次の

2点が

らか

った

① 

問題

して

1のB,

C,

Dに関

する

想が

った

く見

られ

。す

なわ

ち,

資本

主義

的な

業の

しての

少数

模経

営農

場へ

生産

中化

産の

地域

の進

,農

関連

業の

いて

認識

され

② 

1の

Eに

して

され

いる

予想

が具

体性

に乏

しい

。例

Aに

しては

,厂

リカ合

国は

土地が

業に適

して

いるか

ら。」

「気候

って

いるた

。」

。また,

Eに関

して

,厂

品種

良が

るた

。」匚

日本

りも

規模

くいっぺ

おわ

して

しま

うた

「 ̄

進ん

いるた

」等

とめ

階に

。ま

とめ

ける

内容

を分

と次

頁の

2の

うに

なる

を分析

した

2点が

らか

った

① 

自然

条件

数の

大規

場へ

生産

中化

生産

地域

展,

業に関

技術

新の

ては

内容

をも

とに

とめ

られ

いる

77

② 

関連

業の

つい

十分

では

ある

され

いる

上の

予想

りも

とめ

階のほ

り具

富み

りの

認識

内容

となっ

とが

らか

とな

この

らか

Iで

した

程は

生徒

に資本

主義

生産

シス

テム

とい

う視

点か

らア

リカ合

国の

業に

て認

させ

とが

きた

ある

。同

時に

生産

を行

って

地域

いて

り深

った

させ

とが

きた

とい

Ⅲ 

分析

ける

生徒

とそ

の分

析過

階か

ら価

析段

あた

。事

分析

予測

を各派

こな

った

後,

2時

間か

けて

を行

った

。討

論の

中か

ら,

両派

主張が

明確

述べ

ある

下に

示す

《大

推進

・ 

この

前の

ビデオ

を見た

き,

ブラ

ジル

生産

リカ

国の

生産

ち込

んで

いま

した

国が

規模

を進め

生産

を増

して

カ合

国の

経済

も影

くる

と思

大規

を推進

して

必要

ある

と思

います

それ

で,

中小

規模

場を

を進

くとア

リカ

国全

体が

可能

ある

には

問題が

と思

ます

・ 

中小

模の

場の

人が

をや

り,

自殺

した

りす

のは

リカ

全体

と他

国の

生産高

えて

るか

らで

小規

も倒

しな

うに考

えて

を進

よい

。大

を進

こと

って

業に

関す

様々な

況が

くなっ

自殺

と思

いま

・ 

この

前の

ビデオ

で,

を売

った

で小作

して働

いて

いた

人が

いま

した

あの

人たちは

千万

かの

を抱

いて

それ

も農

業をや

くて

大規

で働

いて

り,

つかは

買い戻

と頑

って

いま

した

。だ

ら,

して

土地

を持

って

る人

も実

をす

人が

した

大規

小作

して働

けれ

くとも収

入が

あるわ

けだ

し,

好きな農

業が

きるわ

けだ

ら収

くても

には

と思

ます

・ 

業の

とだ

け考

えれ

ば,

小規

模の

がかわ

いそ

うにみ

える

けれ

大規

して

生産

を増や

いか

なれ

国全

貿

易が

って

経済

的な状

況が

くな

るか

らで

。つ

り,

しな

けれ

ばな

(4)

ア メ リカ 合 衆 国 の 農業 は生 産力 が 高 い 。 ア メ リ カ 合 衆 国 は 世 界 的 な 農業 生 産 国 で あ る。 1「 [豊 か な 自 然 条 件卜 一 一一一一一--一一 ○ 日 本 よ り も は る か に 面 積 が広 く, 気 候 に も恵 ま れ, ・ ・ ・ ・ ア メ リ カ合 衆 国 の農 地 面 積 は 4 億 1382 万ha ( ア メ リカ 合 衆 国 の 土 地 の 約46 % ) で 世 界 第 4 位 , 耕 地 面 積 は 希回-   1 億8788 万ha ( アメ リ カ合 衆 国 の土 地 の 約20 % ) で 世 界 第 2位 にな っ て い た。 等

資 本主義的な農業

………- ……… −[少 数 の 大 雛 経 鷦 業 へ の生 齟 蚪 化 ]…… ……… ○10 % に も満 た な い 大 規 模 農場 が,ア メ リ カ 合 衆 国 全 農 場 の50 %以 上 の土 地 を 所 有 し,ア メ リ か 合 衆 国 の 全 農 場 の売 り 上 げ の60 % 以 上 を 占 め て い る。 ・ 農 地 面 積400ha 以 上 の農 場 ∼ 約6% (1978) 。・ 売 り 上 げ10 万 ド ル以 上 の 農 場 ∼ 約9 % (1978) 。 ・ 農地 面 積400ha 以 上 の 農 場 ∼ 全 農 場 の 農 地 面 積 の約58 % を 所 有(1978) 。 ・ 売 り 上 げ10 万 ド ル以 上 の農 場 ∼ 全 農 場 の売 り 上 げ の約62 % を 占有(1978) 。 ・ 農 地 運 用 会 社 が 農 場 を 管 理 し , オ ー ナ ーは 他 の仕 事 を し て い る( 医 者 , 会 社 の 社 長 な ど ) 農 場 もあ る。 等 「 曲 十1 臨 心 十・-l 汕 岫 /り しxT、`迚g ¬ ○ ・ ‥ 自 然 条 件 を 生 か し た適 地 適 作 が 行 わ れ て お り , 昔 か ら農 業 生 産 に 力 を 入 れ て い る 。 ・ ア メ リカ 合 衆 国 で は自 然 条 件 を 生 か し た 適 地 適 作 が 行 わ れて い る。 ・ 潅 漑 農業 を 行 う こ と に よ っ て , 農 地 を 拡 大 し て い る。 等 「 曲 当 け 朋 壬 2 廿 余 岔 妬zr、 こ社 日i!1 ○ ア メ リ カ 合 衆 国 の 農 業 に は, 大 型 の機 械 や 品 種 改 良 が 加 わ って い る。 ・ 工940年 と80年 の1ha 当 たり の 収 穫 を 比 較 す る と ,た と え ば ,小 麦 で 2 ト ンか ら 3ト ンヘ , と う も ろ こ し で 3 ト ン か ら 6 ト ンに 増 え て い る 。 こ の よ う に 農 産物 の生 産 も年 々 増 え て い る こ と が わ か る 。 ・ 品 種 改良 の代 表 的 な も ので あ る ハ イ ブ リ ッ ド コ ー ン が1950 年 代 に と う も ろ こ し を 生 産 す る す べて の 農 家 に 導 入 さ れ た。 そ の結 果 , 生 産 が大 幅 に ア ッ プ し た 。 ・ 機 械 の 性 能 も向 上 し て い る。 た とえ ば, 小 麦 1ト ン 収 穫 す る の に か か る時 間 が1940 年 に は15 時 間 か か っ た の が,1980 年 に は 3 時 間 と短 縮 さ れて い る。 等 ………¨……… …[ 農類 連 麒 ( 麒 に 関 す る 分 業 体 制 )の 発達 ]……-… ……… ・ 種 子 を つ く る 会 社 が 数 社 あ り , こ れ ら の 会社 が 競 争 を し な が ら, 品 種 改 良 を 行 っ て い る。 ・ 小 麦 刈 り 取 り 業 者 が 存 在 し て い る。 図 2  図 1 を フ レ ー ムワ ー ク と し て 分 析 し た ま と め段 階 に お け る生 徒 の 認 識 内 容 らな い の は,貿 易 を 通 し て 国 を 豊 か に する た めで す。 もし 貿 易 で 他 の国 に 負 け れ ば ,国 が 貧 し く な っ て し ま う か ら で す 。 そ の こ と に つ い て は納 得 し ま す 。 資 料 に 載 っ て い る危 機 に 陥 っ て い る の は 中小 規 模 の農 場 が 集 ま っ て い る と こ ろ で ,そ こ に あ る お 店 を 守 っ てい こ う と し た ら ,中 小 規 模 の 農 場 か ら 守 っ て い か な け れ ば な ら な いと思い ます。 し かし,農業 をして いる人 た ちだ けを守 って いくこと はで きないか ら,これ以上 貿 易 を少 なくし てい った らアメリカ合衆国 の立場 は悪く な るば かり で,工業 の面 でも悪い影響 が出 るん じ ゃ な いかな と思 うので ,少 しでもいい から大規模 化 を 進 めてい く必 要があ ると思います。 そんなこ とはない と思 う。 今 まで中小 規模 の農場

(5)

とし て や っ て き た わ け で ,も し も 米 な ど 作 物 の 値 段 が 下 が らな け れ ば ,つ ぶ れ る こ と はな か っ た と 思 い ま す 。 そ し て 農 業 は 自 分 の身 につ い て い る わ け だ か ら,大 丈 夫 だ と 思 い ま す。 《 中 小 規 模 農 場 保 護 派 》 ・ し か し ,現 在 で も中 小 規 模 の農 場 の 農民 の中 か ら, 自 殺 す る人 が 出 て い る の だ か ら ,大 規 模化 を 進 め て い け ば ,自 殺 す る人 が増 え て い く ので は な い か 。 ・ な ぜ 保 護 政策 を 取 る の が良 い か と い う と ,こ の ま ま ア メ リカ 合 衆 国 の農 業 が大 規 模 化 し て い け ば ,中 小 規 模 農 場 の 倒 産 が 増 加 し ,さ き ぼ ど 述 べ た よ う に 自 殺 す る農 民 が 増 え て く る。 ま た ,離 農 す る 農 場 が 多 い 農 村 社 会 で は ,車 の デ ィ ー ラ ーや 家 具 店 ,洋 服 店 ,食料 品 店 の売 り上 げ が 減少 し ,店 を 閉 め る 人 が 後 を た た な い と い う こ と で あ る。 し た が っ て ,中 小 規 模 の 農場 を 保 護 す る政 策 を 打 ち 出 さ なけ れ ば , 農 村 社 会 の崩 壊 が 今 以 上 に 進 んで い く と考 え られ ます。 で も ,土 地 を 持 っ て い る の は ,農業 を し て い る 人 た ち だ けで な く ,他 の 仕 事 につ い て い る人 た ち も い る。 そ う い う人 た ち が ,農 業 を し て い る人 と一緒 に, 大 規 模 化 す ると な る と ,他 の仕 事 に つ い て 土 地 を 持 っ て い る人 は,二 つ の 収入 が あ る わ け で , そ ち ら の 方 が 有 利 に な る。 し た が っ て ,共 同 し て 大 規 模 化 す る の は難 し い と 思 い ま す。 さ っ き中 小 規 模 の農 場 が 共 同 し て大 規 模 化 を 進 め て い け ば 良 い と い っ た け ど ,現 在 の ア メ リ カ 合 衆 国 が 進 ん で い る大 規 模 化 の方 向 と は違 う と思 い ます が , そ の こ と に つ い て ど の よ う に 考 え て い る の で す か。 な ぜ 離 農 す る 農 家 や 自殺 す る 農 民 が 後 を立 た な い の に ,他 の 国 と 競 争 し なけ れ ば な ら な い の で す か 。 ス プ リ ン グ大 統 領 の方 は大 規 模 化 を 進 め て い か な い と ア メ リ カ合 衆 国 全 体 が 危 機 に 陥 る と い う 意 見 で す が 資 料 に よ る と ,現 に 店 がつ ぶ れ る な ど 農業 以 外 で も危 機 に 陥 っ て い ると こ ろ も あ る。 農 地 運 用 会社 は プ ロ の農 民 し か 雇 わ な い と い っ て い る わ け で, 一 度 農業 に 失 敗 し た 農 民 を 雇 っ て 経 営 を 行 っ て い っ た ら ,売 り 上 げ が落 ち る ので はな い か。 と こ ろ で ,価 値 分 析 過 程 に お け る知 識 の構 造 を 示 す と図 3 のよ う にな る。 79

匹│

呑  H 中 ・ 小 規 模 の 農 場 の離 農 ・ 経 営 悪 化 凸 農 村 社 会 の崩 壊 ・ 過 疎 化

回 已

図 3  価 値 分 析 過 程 に お け る知 識 の構 造 ’図 3を 分 析 フ レ ー ム ワ ー クと して ,両 派 の生 徒 の 認 識 内 容 を 分 析 し た 結 果 ,そ れ ぞ れ図 4 ,5 のよ うに な っ た。

_I_

│ 大 規模 化 |

兮 m r…---ア メ リ カ 合 衆 国 の 経 済 へ の 影 響...….. | ア メ リ カ 合 衆 国 の 生 産 高 の落 ち 込 み | 兮 │--…他 の 国 ∼ 大 規 模 化 ⇒ 生 産 の増 加 イ |   ブ ラ ジ ル の 農 業 生 産 の 増 加   |

1,

大規模推進政策

図 4 大規模化 推進派 にお ける知識 の構造

(6)

匚百 石

凸 一 一 皿,- 一 一 中 ・小 規 模 の農 場 の 倒 産 自殺 す る農 民 の 増 加 凸 │… … ゛"' ゛'`¨‘"" ‘齟 社 会 の 崩 壊 … … … | .        l i  車 の デ ィ ー ラ ー や 家 具 店 , 洋 服 店 , | |  食 料 品 店 の 売 り 上 げ が 減 少 し , 店 を  | |  占 め る 人 が 後 を た た な い .      | 1...・・・---やー---゛-4----S`--・2

中小規模農場保護政策

図 5 中小規 模農場保護 派における知識 の構造 図 4 , 5 を 分 析 す る と , 両 派 の 知 識 の 構 造 は , 《 [ 原 因 ⇒ 結 果 ]・ 争主 張 》 とい う 構造 に な って い る。 こ の 構 造 に示 さ れ る よ う に ,個 々 の 具 体 的 な事 象 に 関 わ る の も の で は な く ,よ り 説 明 力 の 広 い 概 念 化 さ れ た 事 実 を 根 拠 に し た主 張 と な っ て い る。 以 上 の分 析 か ら, 両 派 は そ れ ぞ れ大 規 模 化 の原 因 と 大 規 模 化 の 影 響 を 根 拠 と し て ,各 派 の立 場 の正 当 性 を 主 張 し て い る。 つ ま り,生 徒 は 厂大 規 模 化 」 に つ い て 調 査 し た 内容 を 十 分 に 生 か し て ,討 論 を 行 って い る の で あ る。 こ の 結 果 か ら 明 ら か な よ う に ,I で 示 し た 価 値 分 析 過程 は,アメリカ合衆国 の農業 が抱え る問題 につ いて 生徒 に合理 的な意志決定 を行 わせ ること がで きた ので あ る。同時 に,資本主義的生 産活動を行 って いる地 域 や国 が抱 える問題 につ いて,より深 く考えさ せる こ と が できたといえ よう。 お わり に 本論で は,「課 題学習」 の趣 旨を生か した 匚様 々な 地 域」 の授業 構成について 提案 した。 今回 の分析で,「様々 な地 域」の学習 にお け る生徒 の社会 的見 方・考え方 を育 成す る上 で,生徒 の多 様 な 発想や 調査活動を十分 に生 かし て[概念 探究 十価値 分 析] で学習指導過程を設 計す ることの有 効性 の一端 が 明 らかとなっ たといえよう。し かしな がら,仮説 に基 づ いて設計し ,実 践した授業 が一 つであ り,分 析結 果 として十分 とはい えない。今後 研究の蓄 積に よって仮 説 の有 効性を確か なものにして いく必要 があろ う。 < 注> 1) 生 徒 の多 様 な 発 想 や調 査活 動 を 十 分 に 生 か し た [概 念 探究 十 価 値 分 析 ] の 学 習 指 導 過 程 に つ い て は , 以 下 の 文 献 を参 考 に し た。 ・  岩 田 一 彦 他 編 著 『 中 学 校 社 会 個 を 生 か す 「 課 題 学 習 」 と は』 東 京 書 籍,1990. ・  岩 田 一 彦 編 著 「 小 学 校社 会 科 の 授 業 設 計 」 東 京 書 籍。1991. 2) 授 業 設 計 に お け る教 科 内容 及 び学 習 内 容 に つ い て は ,以 下 の論 文 に詳 し い 。 ・  拙 稿 「 内 田 義 彦 氏 の 経 済 認 識 の モ デ ル を 組 み込 ん だ 社 会 科 教 科 内 容 の研 究 」 社 会 系 教 科 教 育 学 会 『 社 会 系 教 科 教育 学 研 究 』 第2 号,1990, pp. 81-86.

参照

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