• 検索結果がありません。

19世紀前半イングランド銀行の本・支店間論争 : 「中央」銀行政策の形成と「地域」的経験

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "19世紀前半イングランド銀行の本・支店間論争 : 「中央」銀行政策の形成と「地域」的経験"

Copied!
22
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)19 世紀前半イングランド 銀行の木・支店間論争 一 「中央」銀行政策の 形成と「地域」的経験一. 口. 関. はじめに 一 バーミンガム 支店長の建議と t氏 抗一. 志. 尚. 書,. とくに 本 ・支店間の往復業務書簡であ り,. ほかに本店理事会の 議事録などを 補足的に援用. イングランド 銀行は 1826 年から 34 年にかけて. する.往復業務書簡はイングランド 銀行の Re-. 次々と地方支店網を 開設した. マンチェスター. cord OffRCe (Roehampton 所在 ) に多数の「 一. 支店は 1826 年に,バーミ ンガム, リヴァプール. 細物」の包みもしくは 綴じ合わされた「書簡 帳 ( あ るいはそれらの 筆写 ) として保管され. 両支店は翌 1827 年から営業を 始めている.本稿 は,. 19 世紀第 2 四半期のインバランド 銀行 バ一. ミンガム支店に 焦点をおいて ,バ- ミンガム. 二. ブラックカントリ「地域」の 観点から, また 支 店や地場産業の「経営」の 観点から,中央銀行. 」. ているが,本稿でとくに多用されるのは 以下の. [l-a] [1-b] および [2-a] であ. る. 2).. [ -a] ゆ Mee 笏 s. F 勿佛 B 伊笏猿笘 わ % 佛 to Lo れ do れ, Ⅰ. 1826-39. , 2@ parcels@ (original@ letters@ un-. bound). 政策の形成史を 再検討することを 課題とする. すでに私は,前稿「インバランド銀行支店経営 と 中央銀行政策」 (1) 一 (5) においてこの 課題を提起し 問題と取り組む 前提として,当. [l-b]Let 鹿 Boo 休 F 托挽 Bir 笏 Ⅰれま. 時のバーミンガム 支店の経営環境, とりわけ 政. [2-a]. 府やバンク当局に よ る中央銀行政策の 試行錯誤 的な模索の実態や , この地域に特徴的な 産業・. Ⅰ. ・. don , 1840-50. , 9@. vo. Ⅰ. れO 佛. . (ori i. 3@. to Lo れ Ⅰ. tters. bound) ん et ルア. Boo ん :S、 to Bi 打れ iれ g ん 0 笏 , j826 一58, 9. vols , (copied@ letters@bound). 前 二者は "up". ), つまりバーミンガ. (Agent) から本店. 経済構造,企業・雇用構造,文化構造 (思考・ 行動様式 ) を浮き彫りにした. また,バーミン. 店 局長 Supe,intendent of the Branch Banks. ガム支店の営業実績 や ,手形割引 [コ 座を開設し. Department) に宛てた営業報告で ,営業関係事. た 地方銀行や商工業者の 経営を明らかにするこ. 項 万般から地方銀行や 地場産業の経営状況, 市. ともできた・. これらをふまえて ,本稿ではそ う. した バーミンガム 支店の「地域」的経験が. ,. は. たして, またどのように ,「中央」銀行政策の 形成に「構成的影響力」 (A. ブリッバス ) をも ちえたのか, この点を具体的に 検討してみた レ. , 1). 主要な資料はバーミンガム 支店関係の営業文. ム 支店長. U上り. (多くの場合,. 支. 況や地域の社会的・ 政治的動向にいたるまで 克 明に記載されている. 支店長はまた 手形割引日. 座 開設申請企業の 業種.社歴,資本金,売上高, 従業員数,支払賃金額,地元での 評判など「 企 業 史研究に有用な」 3)情報を書き送っており , 「双稿」では 主としてこの 点に着目して 業務書 簡を活用した.

(2) 2 (2). 横浜経営研究. 第℡巻. (George Nicholls) は,後年「新. 救貧法の父」として , Palme,),. グラッドスト. 一. パーマー. (H.. 0 . Gladstone),. ン. ピール (R.Peel) など財界・政界の 領袖の信望 も厚かったといわれるだけに. ,. なかなか見識に. 富み行動力もあ る硬骨漢だった 4). 支店長在職 中の 8 年間 (1826 年 9 月 21 日任命 [27年 1 月 1 日間劃一 34 年 9 月 15 日辞任 ) にニコル ズ は 「半金 信 」だけでも六百数十 通 , るとおそらく. 号 (1997). ばならないからで、 この点こそ私は 重要だと考. また『救貧法則の 著者. として知られるようになり ,. 1. 方 (opinions) を総裁は知って 比較できなけれ. ところで,初代バーミンガム支店長のジョー 、ジ ・ニコルズ. 第. えますⅡ『当地とロンドンやリヴァプールとで は企業経営 (Business) が大きく異なっていま すから,一方に 適合する処方 義 (arrangement) も 他方には全く 効果がないことがあ るのですⅡ 初代バーミンガム 支店長ニコル ズ は在任中しば しばこのように. メモ類を含め. 丁. バーミンガム 経済の特殊性Ⅰ. (the@peculiar@nature@of@the@Brm"、 Trade)@ @@SS 諭 して本店の理解を 要請した 6). またバンク中 枢は所詮『地方の 実情に疎 い 7)のだから,情 報の欠如した 本店の指令を 鵜 呑 にするのは危険 であ り,支店長は「裁量権」を行使して 管理運 営の分権 化に努める才覚を 持たなければならな 』. 2 一 3 日に一度の割合で 本店に連. 絡をとっている. ことがあ ると連日のように 書. 簡が認められ ,翌々日 (早ければ翌日 ) にも 本 店からの返信 ド Down") が 送付される,「半金 信 (private letter) は "offRCialletter" に対す るものではあ るが「私信」ではなく ,業務上の 非公式書簡というか ,それだけに立ち入った 情 報や判断が盛り 込まれた「親展公文」で ,独自 」. いというのがニコル ズ の持論であ った. 1834 年 9 月に支店長職を 辞するにあ たってニコル ズ は 職務的遺言ともいうべき. 半金信を残しているが ,. その末尾で彼は 営業方針をめぐって 時に本・ 支 広間に対立があ ったことに言及し 支店長たる. な史料的価値を 有している. 当時ニコル ズ は,. 者の心得を次のように 述べて結んでいろ。. しばしば本店. ンクの支店監理諸規則は , 常に私には原則とし. ( バンク当局 ). では分からない 地. 『バ. 域経済の実情を 強調し率直な 意見の具申,懇. ては完全だが 細部ではやや 問題があ る (pe,fect. 請・嘆願, ときには職を 賭した激しい 抗議を交. inprinciple,andnearlysoindetail) よう に 思、わ れました. したがって,そうした諸規則のもと で, " 支店長たる者は , [本店から指示された ] 原則は堅持しながらも ,不断に生起する実に 様々な状況にこれを 適用するために ,時には原 則を現実的に 修正することを 心得ねばなりませ ん.支店長はしかしこれを厳しく絶対的な 自己 責任で行なわねばならず ,規則の厳密な文面か らの重大な逸脱となる 場合には全てその っど 体店に ] 報告する 26 心掛けるべきです.」8). えて,営業方針・ 金融政策の修正・ 変更や弾力 的運用を求めて 本店と対立した.本稿ではこう した 本 ・支店間の軋 礫に 焦点を集めて 業務書簡. を検討する. 「地場産業」「適格手形」「発券 銀 行 」「金融政策」などの 諸問題をめぐって 展開 された一連の 書簡論争を分析することによって. ,. 形成期中央銀行政策が 地域社会に与えた 影響 と,. 逆にまた,「現場の経験」を土台にした「地域 的発想」との 接触をつうじてこの 中央銀行政策. がより現実的なものへと 陶冶された過程を 明ら かにすることが ,ここでの狙いであ る 5).. [A] (1. 「地場産業」論 き. 支店長の心得 『私はこの書簡を 総裁に情報を 提供するため に書いています. というのは,現在わが国の異 なった諸地域で 支配的になっている 様々な考え ). じじ っ ,. ニコル ズ は開業当初から 支店長の. 「裁量権 」を精一杯活用し とくに製鉄業者を はじめとする 地元の商工業者に 対する 手 沸ききⅠ引 を積極的に展開した.後年ニコルズ は開業の日 をこう回顧している. 『それは私自身不安で 心 配な一日だったが ,. [支店. 別 営業方針を確認、. したがっていた 一般の人々にとっても 相当な関 心をひく一日だった.バーミンガムと周辺地域.

(3) 19 世紀前半イングランド 銀行の本・支店間論争 を 見舞った倒産は. 商業的信用をほとんど 壊滅さ. (関口. 尚志 ). (3) 3. (the@enterprising@and@productive@classes)@ <7)@/@. せ,あらゆ 6 種類の商工業者を 大変な混乱と 窮. めに口座を開いている』と. 状に陥れていた. なかでも スタ ツフォード、ン. 想」「ニコルズ 戦略」を『最も 賢明』で『業績. ャ 一の製鉄業者たちは ,既存の諸銀行が彼らの. 的にも即効のあ る』『正しいシステム』. 手形を割引いたり 通常の銀行貸付をすることが できず, またしたがりもしなかったために ,深 刻な苦境にあ えいでおり,なんらかの救援を新 支店に期待していた.その他の商人や製造業者. していた,0).. にしても同じだった・. [支店の ]. ". (system of management). 経営方針. はもちろんロンドン. の [バンク ] 当局によって 指令されていたが ,. 多くのことが 当然に支店長の 裁量 (theagent,s discretions) に委ねられていた. そして幸いな ことに,全体として世論は決定的にわれわれの. 述べ , 「ニコルズ構. と評価. 開業初期のバーミンガム 支店の営業成績は 顕 著であ り,その手形割引額は 1829, 30 , 31 年に リヴァプールやマンチェスターを. 凌いで全支店. 甲 第一位, き朽 l収入では. 28 年から 32 年までの 5 年間, また「正規の 割引口座」開設 数 では開業 以来十数年間, 断然,首位を独走した. 同支店 の割引シェアは 1829 年に割引高で 全支店合計の 3 分の 1,. 割引収入で 4 割, 口座敷では 5 割近. くを記録した・. 顧客 別 (Banker. .. T,aderW の. 味方だったのです. " われわれは全力を 尽くし. の 割引実績を 1835 年についてみると ,商工業者. たので, イングランド 銀行バーミンガム 支店の. への割引が 3 割強を占め ,. 開設は ,今 [1857伺でも製鉄・ 鉄工業界では. 4 % 弱,バーミンガムを除く全支店合計の 18%. 公益にかなう 一大快挙として 語り継がれてい. 弱と比べて注目すべき 高さを示している. リヴ. る .』 9). ァ プール支店では「例覚的」. リヴァプール 支店の. な 非銀行企業への. 手形割引がバーミンガム 支店では「重要な」銀. (2) 支店長ニコル ズ の経営構想. 行業務だったといってよ い 11,. 同支店は「中. こうして企画されたのが 当時「・ニコルズ 氏に よって採用されたシステム』. として注目された. 独自な経営構想、 ・企業戦略であ った. それは 『的確な地域情報 (local informatlonⅡ と 『通 貨創出者 (Creators ofCurrency) の利点』を. 央銀行」支店として「通貨の 銀行」「銀行の 銀 行」であ るとともに「割引銀行」「競争銀行」 0 行動様式を色濃くもち ,「地域の銀行」「地場 産業の銀行」として 機能したのであ る. この点、 に 「ニコルズ・システム」の 特徴が存在した.. 19 世紀第 2 四半期にバーミンガム 支店は「 鉄. 活用して地場産業のために 割引口座を積極的に. 開設し,. 『高く. 格 4才けできる商人や 製造業者に. は 惜しみなく大量に』 間銀行が拒絶するような. いう. ときには隠地の 民 手形ロ - 割引くと. 『大胆で選別的な 信用供与の原則』. ・. (prlnclpIe 0f bold. but dIscrlmInallVe ・・ ・. ・. ・. and. カントリの大小多様な. ・. 全国的にみれば「特. 殊西部ミドランド 的中小規模製鉄資本」と 特徴 づけられている. Judl・. 屋の銀行」「製鉄所の 銀行」としてブラック・. 製鉄業者を顧客とし ,. また. 「鉄工所の銀行」「 W 工場の銀行」としてバーミ. cious conndence) を意味している. イングラン. ンガム = ブラック・カントリ 地域の中小の 金属. ド銀行批判の 論陣を展開した 業界 誌 『銀行家回. 加工業者の割引口座を 開設した.その業種は銃. 報』は,バンク 当局や多くの 地方諸支店が『ロ. 砲・刀剣, 装 身金具・ボタン , 釘 ,金物 ( ヤカ. (Money Inte,est of London) や 『無知で投機的な 商人』の側に 立 ち,『勤勉で道徳的な』『地方的利害』 (Country Interest)を蔑ろにしているなかで ,バーミ ン. ン や スプーンなどの 台所用品等 ) . 刃物, ピ. ンドンの金融的利害』. ガム支店は例覚的に『地元の 企業者的生産者層. ン. ・. 針 ,針金, その他. (傘の製造等 ). 多岐に分. 化しており, また, なかには, 『従業員は女性 ばかりの 10 人で,難しい工程はすべて の ] パートナー. 二人. 供 同経営者 ] 自身が担当し ,.

(4) 4 (4). 横浜経営研究. 第M 巻. 製品の一点一点を 先任パートナーが 仕上げてい る』. といった零細規模の 装身金具. メ. 一ヵ一. に 226] 「双稿」第 7 表 (C) 承認番号 226 の企 業の意味.以下,同様 ) が, 『注意深い仕事ぶ く. り』を評価されて 最小規模の割引口座. (割引. 残. 高 最高限度額 500 ポンドの口座 ) を開設したと いう事例も存在する '2).金属加工業者だけで はない.当地にはほかにも多様な地場産業, な かには「雑業」的な 中小,零細企業も存在して, 支店に口座を 設けていた.製紙, 櫛 細工, タイ ルエ,. リボン織屋, ブラシ製造, ワニス製造,. 皮なめし,製革,ホ 工業, ガラス・陶器・カッ トバラス, 絨椴 製造,石鹸・アルカリ製品製造, 宝石加工・金銀細工, ロープ・麻裳製造, テ一 プ 製造,. 漆職 ,等々.支店長は , これらの企業 が多くは規模こそ 小さいが,経営主は 『立派な ,性格の持ち主で,市場で引張り凧の良い 商品を 製造している』 13)と強調して,割引の 門戸を開 くょ ぅ本店首脳を 説得した、。). ところで,バンクが支店網を開設した 第一義 的な目的は『インバランド 銀行券の流通を 大幅 に増大』 して『全国的な 紙 券 流通に対するバン クのコントロールをより 完全なものにし』『 通 貨の急激な膨張や 収縮に起因する 惨状』の『再 現を防止する』こと に. 26. 15),すなわち「発券独占」. 「中央銀行」政策の「地方」浸透に 求め. 第 1 号 (1997) され. 『支店は求められた 時に国内の銀行や 商. 工業の信用を 維持するために 迅速で効果的な 支 援を行なう目的で 存在する』のだから ,. 『. 必、 要. 経費に見合う 公正で妥当な 収益のみ』を 期待す れば足りると 補足されている 17).ニコルズ 支. 店長のバーミンガム 支店が「攻撃的競争政策 (aggressive competitive policy) で信用市場に 割り込み,迅速に地方銀行の貸出業務の 一部を 奪取した」 轄 ことは,「バンクを通常は割引両 場の圏外に置く」という 本店首脳の「公式の 構 図」に照らせば「重要なルール 違反」なのであ った 19). しかし,バーミンガムニ ブラックカントリ 地. 域には発券銀行が 多く,支店は発券銀行への 手 形 割引を原則として 禁止されていた.他方,支. り,個人銀行の. 店開設時に株式銀行は 皆無であ. 経営基盤は概して 脆弱だったから ,製鉄業者や 地場産業の支店への 期待は大きかった. このよ うな背景でニコル ズ は. 高度に専門化した 中. 堅・小型企業の 豊かな経営 計 資源 的な ) に信頼しつつ 引を構想した. ( とりわけ人. 広範な一般企業への 割. 20). もちろん,ニコル ズ も,『支. 店が直接に商業社会と 取引するよりも ,地方の 銀行業者を介して 営業するほうが…より 安全で 確実で有利』であ. り,. 丁. 非発券銀行業者. を奨励することこそイングランド. 銀行の支店と. とくに. られていた. だから,当面の主眼は「支店での. して正しい政策』であ ると述べている よう に ,. 博 ] 割引便宜の供与を 見返りにして 地方銀行. 地域経済に対するバンクの『間接的影響』を 重 視した 2,).そのうえで彼は『ビジネスが 大き くなってこそ ,はじめて,支店設置の 重要な目 的を果たせる 力をもてる』 ことを強調する. 『一般顧客 (thePublic) をイングランド 銀行支. の発券放棄を 誘導」 16)することに置かれており , 支店が「競争銀行」として 振舞い一般企業と 直 接に取引することは , 完換 再開後の「低収益時. 代」に対処する 営業改革の一環としては 歓迎さ れる場面もあ ったが,「健全な 通貨の供給」と. 店から追い出し 彼らを個人銀行家の 手に追い. ればならないというのが 銀行当局の大方の 意向. 返 刊 とすれば, 『われわれの 取引高が激減す る』だけではない.地域経済や地場産業の経営. であ った. この点について 理事会は必ずしも 首. 体質. いう本来の目標を 損なわない程度にとどめなけ. ( したがって「手形の. 質」 ). の改善や銀行. 争銀行 (Banks ofCompetition)として行動す. 政策 ( したがって「健全な 通貨」 ) の浸透など, バンク本来の 使命も達成し 難くなる. 『支店の 取引が増大し 地方業務でより 大きな比重を 占め. べきであ るというのは 論外だと考える』. るようになった 時に, この W と近在における 紙. 尾 一貫していたわけではないが. ,. 1833 年 11 月 14. 日の議事録には , 『理事会はバンク 諸支店が競 と明記.

(5) 19 世紀前半イングランド 銀行の本・支店間論争. 券 流通 (PaperCircuIation) の一般的的性格の 改善について ,支店はより決定的な影響力をも って行動できる』というのであ る 22). r 健全な 通貨」が第一. という関係が , 「競争銀行」として 割引. も ! ). 実績. (抵触しない限りで「営業成績」. ( シェア ). を向上させなければ「中央発券. 銀行」としての 影響力もあ りえないという 脈絡. に読み替えられているのであ. り,そこに, 中央. 銀行政策形成親における 一つの現実的な 発想、を みてとることが 可能であ る. (3) 提案と論争 一般企業 (Traders) への手形割引 外信用業務 non.Bankers. 一. 尚志 ). ( 「割引銀行」 ). (5) 5. 派が. 一時的にせ. (対 銀行. さまざまな提案. と論争となって 展開した. [a] 「バンク・レート」問題. よ. 多数を占めたことは 興味深い. 割引歩合の引下げを 西部ミドランズ 地域の経 済 界は歓迎した. 『鉄の建値は 即座にトン 当た 10 シリング上昇』 し ダ ドリ一で開かれた 製 鉄 業者の集会は『バーミンガム 支店の成功と 支 店長の健康を 祈って三度乾杯 した.有力な製 鉄 業者で支店の 割引顧客であ った J. w. フォス 円 27] は集会の議長としてこれをニコル ズに 報告し,引下げが『国全体の経済に計り 知 れない貢献をするきわめて 重要な措置』だと 絶 り. コ. タ. 賛した. ところでフォスターは ,. credit business) を重. 視するニコル ズ の経営戦略は ,. 銀行」. (関口. この書簡で ,. 『製鉄業と支店銀行との 取引を拡大する ぅえ で の [残され 川 特別な 困劉 ( アンダーライン は 原文.以下, 同様 ) として,バンクが割引 適. 俗手形の期限を. 3 ケ月. 以内に限っており ,その. ため『製鉄業の 確立した慣習』であ. る 4. ケ月手. まず,バンク・レートの引下げが主張された. 形 が割引けない ,という事情を強調する,,,. 適格手形に対する 支店の割引歩合は 本店バン ク・レートと 同率の 5 % G高利禁止法の 上限 ). この「適格手形」問題については 後段に譲. とされていたが 23) それは市場レートを 大幅. に上回っていたから ,「ニコルズ 構想」の重大 な障害となっていた. しかしイングランド 銀行 理事会は, 1827 年 上回る は る』. [バンク. 叫. 1. 月, 『市場レ - トを大幅に 割引レートを 維持すること. [割引収入を低下させ ]. 株主の利益に 反す. という決議案を 否決して,. 5. % 維持の動議. を可決した 24).ニコル ズ は『多くの私営銀行 業者が得意客には 4% で割引いている』 25)等の 情報を示してバンク・レートの 引下げを要請し た.. 7. 月,理事会は方針を変更し ,. 偽 替手. 形・約束手形の 割引歩合の変更の 適否を時折検 訂 しバンクの レ一 トを 銀行業者その 他の市場 割目 @ ートに近づけることは ,バンクが割引業 務 における公正なシェア (a fair share) を確 保するためにも ,. また人々に正当な 融資を与え. り. ここでは次に「小額口座」問題を 取り上げ , ぅ. も. 一つの「地場産業」論争を 検討しておこう. [b] 割引口座. ( とくに「小額口座」 ). の開. モアⅠ. 五又. Ⅱ割引残高の 上限が ] 1,000 ないし 2,000 ポン ド 未満 [ という小額 ] の割引口座は [ きわめ て ] 稀な例外を除いて 認めないという 理事会の 方針についてですが ,. これが実施されれば 当地. の 大多数の製造業者はわが 支店の割引業務から 完全に排除されてしまうと 私は思います. バ一 ミンガムは小規模製造業者の 集合体で , 彼らは. 旺 盛な活力と企業心の 持ち主ですが ,資本は細 介 され,売上も一人一人でみれば 小さな金額で す . " この点でバーミンガムはマンチェスター や リーズなどとは 異なり,その結果,資本が分. 敬 し業種も多様なため ,他の工業諸地域に蔓 延 する不況も当地では 比較的軽 い のです.』 『バーミンガムの 製造業者が振出しその 間で. る観点からも ,妥当であ る』という決議を 可決 して,バンク・レートを 4% に引下げた 26).. 流通している 手形は,大部分,真正の 商取引か. 公定歩合の機動的・ 弾力的な変更が 定着するの. ら 生じたもので. はまだ後年のことであ るが, この時点で「競争. 本質的にきわめて 優良です. この人たちの 割引. , ほとんど全て 小額ではあ るが.

(6) 6 (6). 横浜経営研究. 第℡巻. 口座は, たとえ僅か 500 ポンドの規模でも , 間. " ば 相当な割引総額になる 筈です.』. 違 い なく頻繁に利用されるから. ,. 年末になれ. 開業早々の 1827 年 1 月から 2 月にかけて, 二. 第 1 号 (1997) に 禁止規定を緩和した. 29).. ②『小売業者に 割引口座を認めるのは 慣例に. 反する』という 理事会に対して ,ニコルズ は 凹地の製造業者の 非常に多くが ,広く業者に. コル ズ はこのような 趣旨を繰り返して 本店に書. 御売で ] 供給するほか ,工場の棟続きに 店舗. き 送り ,. をもって,製造した商品を小売している. 『バーミンガムの 場合には』. 線 で強調して一一. 『. と傍. 500 ポンドの小口な 割引目. 座を開設して 優れた業者から 優れた手形を 受取 る Ⅰことによって. , Ⅰこの地方の 流通手段のあ. を指摘し. めて. こと. ユ. 書籍南や 銀 匠 などの取り扱いを 含. 弾力的な配慮を 要請した 30).. ③製鉄業者等が 食料品や日常 品の. 「売店」. 方に好ましい 影響を効果的に 与えることがで きるⅠと論じている 28).地域と支店の 実,清を. 支払うトラック 制がこの地域で 蔓 延していたが ,バンクは「ト. 無視したバンク 当局がロンドンやマンチェス. ラック親方」に 延払いで商品を 納入する食肉御 簡 旧 16] 等には割引口座の 開設を拒絶した・. り. タ. 一の物差で小額口座を 禁止したのに 対して,. を 直営し賃金をそのチケットで. この規制や干渉を 緩和し撤廃することこそ , 支. 本来現金でなされるべき. 店の営業に有益なばかりでなく ,. 場合 [食肉 商が 製鉄業者宛てに 振出す手形の 満 期日まで ] 繰り延べられる』わけで ,その手形 の割引は『架空資本 (falseCapital) の創出』. バンクの 通. 貨 ・金融政策の 地方への浸透を 促すことになる というのであ る. ニコル ズ の提言を本店は 採用した. 2 月 8 日,. 資本金 1,000 ポンドの麦芽製造業者 D2l] と 従業員 20 一 30 人の製紙業者 山 22] に 500 ポン ド ロ座が認可され ,以後, 「町工場の銀行」に ふさわしく,多数の小規模な「バーミンガム 座 」が活動を開始した.. ロ. 500 ポンドロ座は バ一. ミンガム支店だけに 認められた. 19 世紀第 2 回 半期に同支店に 開設された全口座敷 の 4 分の 1 は 1,000 ポンド以下の 小額口座であ り, 口座の 過半数が 5,000 ポンド未満だったのに 対して, マンチェスター 支店では 1 。 000 ポンド以下は 皆. 無 , 5,000 ポンド未満でも. 7 % にみたなかった. 表 ). 商工業者による 割引口座の開設を 容易にする. ( 「双稿」第 8. ために, ニコル ズ はさらに一連の 規制緩和を提. Ⅰ直書した.たとえば, ① f 外国人には割引口座の 開設を認可しな. 『賃金の支払が ,. この. を助けるというのであ る.支店側は「売店」 へ の 納品業者から. 供与される信用のおかげで 製鉄. 業者は丁赤字にならずにやっていける』という. 点や,「売店」の 商品のほうが 一般の零細な 小 売店の品物よりも Ⅰ良質で安価』であ り,労働 者の『飲酒や 浪費もはるかに 少なくなる』こと を 理由に「売店」制を 擁護したが,総裁は『売 店が既に拡張し 過ぎた信用制度をさらに 膨らま せる手段となる』 という見解を 繰り返して, こ の 問題ではその 立場を譲らなかった 31). ④ニコル ズ は正割引口座をもたない 業者に も手形が優良なら 支店長の権 限で割引ける』こ とが『どこよりも 当地では』望ましいと 再三訴 えた. 1828 年. 月,理事会は「正規の割引口 座」 (ReguIar DiscountAccount) とは別に ,支 店長が振出口座を 保有する顧客のため 随時カウ 4. ンタ一で手形を 割引く「口座覚割引勘定」. (Mis.. い 』という理事会の 方針を批判して ,ニコルズ. cellaneous Discount Account) の制度を新設し. (Commercial. た. ニコル ズ はこれが『支店業績の 拡大に決定. は アメリカ国籍の. 丁商業代理人Ⅰ. Agent) が多 い ことを指摘しっ. っ, Ⅱギリス. 大 であ ろうがなかろうが ,割引がイギリス経済. 的に有効』で ,. とくに顧客開拓効果が 大きい. のためになるなら 問題な い 』と反論した. 1828. えず試みに口座外割引で 来店した顧客 が,通常は当店の 営業システムに 満足して,正規. 年 ,バンク当局は F5 年以上の営業魔』を 条件. の割引口座を 申請する』. ( 『とりあ. ). と本店に報告する. 32)..

(7) 19 世紀前半イングランド 銀行の本・支店間論争. [c]. 口座運営の弾力化 ニコル ズ はまた,現場の経験, とくに地元の. 中小産業企業家との 交わりをふまえて ,割引口 座の弾力的な 運営のためにいくつかの 具体策を. (関口. 尚志 ). (7) 7. 『第一級の』優良手形に 限った『緊急』・『例 外』・『短期の. 試 〒』として, 朱 引受手形の割引 ィ. という『特別の 優遇』を承認した. 34).. は, 製造業者の委託代理商ないし 巡回商人. ③バーミンガム 支店が割引いた 手形のなか には, この地方の製造業者が 各地の代理商宛て に 振出し後者がこれを 引受けるという 『手形振 出・手形引受 d (D ,fts o, Acceptances between. (Facto s and the Travelle s of Manufacturing. the Manufacturers. 本店に進言した.たとえば,. の Ⅰバーミンガムで 出回っている 手形の多く. Ⅰ. HOUSeS). Ⅱ. 力ざ. イングランド , スコットラン. ド およびウェールズの 全域にまたがる. 旅先. で商品を販売して 受取った手形を 当地に送付し たものです.』『これらの手形 引 一一と,ニコ ル ズ は割引顧客で 従業員 30 人規模のボタン 製造 業者 [C14] の場合を例にあ げて説明する Ⅱ 、 額で,銀行業者の 手数料を避けるためか ,. here and his Iocal co. Ⅱ espon-. dent[s]) に基づくものも 多数存在した・それ らは『ほとんど 常に小額手形Ⅱであ 35), (足 業員は女性ばかりの 10 人』という双述した 零細 な装身金具メーカー ㎏ 226] でさえ『顧客の 引受手形 (ACe 。 止 ) を割引に出す』ために 割引 口座を開設した 36).割引依頼人本人が 振出し た 手形の割引については ,融通手形を警戒した り. 『. 個人銀行に対する 一種の不信感があ るためか, しばしば [銀行払 い ではなく ] 引受人のロンド ン代理店で支払われることになっていますⅡ. が依頼人であ る場合や口座外割 @ 定を利用す る場合には, 自己振出手形 (their own Dfts). バンクの規則では 銀行 払 いでな い 他地域宛ての. の 割引は全面的に 拒絶すべきことが 支店長に通. 手形は割引けないことになっていたが. ニコル. 達されていた 37).そのなかでバーミンガム 支. は,銀行払いに執着して顧客を『個人銀行家 の手に追い返す』ことのないよう 本店を説得し. 店に対しては ,地場産業の『活力と企業 心 』を. たのであ る. 総裁は『規則が 有効し ; 実施される. 製造業者に関して ,引受人が第一級の尊敬すべ き人物で, 引 渡された商品について 振出された. ,. ズ. ことを 熱 劃 したが,ニコルズ の『抗議に配慮. した結果』, 条件付きでニコル ズ の『裁量 (discetion) に委ねる』ことを 承認した 33). 「. ②この地域ではまた ,引受人が子署名なま まで手形が割引に 出される習慣が 存在した・ 『土曜はバーミンガムの 全ての製造業者の 賃金 支払. 目. ですが,巡回商人や顧客からの. の ] 送付が木曜・. 金曜に集中することがあ. [手形. りま. す . 受 取った手形の 引受を求める 余裕がない場. 合,製造業者は当支店では割引けず ,容易に現 金化してくれる 個人銀行に持ち 込まざるを得な いのです.』ニコル ズ は『朱引受手形には 地方 銀行やスコットランドの 諸銀行がロンドン 代理 店 宛てに振出した 手形も多い』ことを 付言して, バンクもその 割引に踏み切る よう に上申した. 総裁は『不完全な』手形の 割引は『原理原則に 反する』と説きながらも ,『かなりな跨 曙の後』,. イングランド 銀行は慎重で ,. とくに貿易代理商 弓. 応えて, Ⅱ、規模. 高く評価する 支店長の書簡に. ものならば, その [製造業者の ] 振出手形 (d afts) を割引のために 受取ることができる』 旨 ,本店の親展公文で保障されていた 38). ④ニコル ズ の情報や提案を 土台にして,本 「. 店と支店は有力顧客を 獲得するために ,. ときに. は隠密の連係プレイを 展開した.たとえば,ニ コル ズ は小額銀行券の 回収 (再発行の禁止 ) を ひかえて,鋳貨不足を懸念する地方銀行や 製鉄 業者の動静を 折に触れてロンドンに 報告したが, 本店 (支店同局長 ) は VIp 口座」供与を 「. 示唆する. 微妙で入念な 指示を親展で 送って. いる. 『正式にバンクの 意向だと公表すること は 望ましくあ りませんが,貴下が個人的な立場 でバンクはこれこれの 支援を予定していると 述. べることに総裁は 反対ではあ りません. つまり …信用と評判のあ. る製鉄業者なら ,バーミンガ.

(8) 8 (8). 横浜経営研究. 第M 巻. 第 1 号 (1997). ム 支店に割引口座を 申し込みさえすれば ,即座 に欲しいだけの ソ ヴリン (1 ポンド金貨 ) を融. になる 41).. 資されるということです.. 因には,市況や金融構造の変 ィヒ ( とくに株式銀 行の発展 ) も存在したが ,政府やバンク首脳の 銀行政策・金融戦略の 転換も大きかった.総裁. " この趣旨の伝達は. くまで貴下自身の 裁量でなされなければなり ませんが,同時に,貴下の意見に重みをもたせ. あ. るため,貴下の個人的な立場での 発言は,あ る 程度の断固とした 態度で行なわれることが 必要. です, J39) ⑤ 1831 年 7 月, 偽 替の状況からみてロンド ン 市場からインバランド 銀行券を引揚げる 必要 があ る場合,支店から送られてくる 過剰な割引 手形をロンドン [市場 ] で再割引に出す』とい う『総裁の計画』について ,ニコルズ は,対象. このような「ニコルズ・システム」後退の. 原. パーマ一のもとで「割引銀行」「競争銀行」か ら「通貨の銀行」「銀行の 銀行」に登すべきこ. とが強調され ,支店もまたその「戦略を明白に 認識」して「ナショナル な 金融政策の道具」と. なることが求められたのであ る 42). 1831 年, 総裁は噸 客 が支店から他の 銀行に移ることは [支店の ] 銀行勘定の増加にっながり d F 支店が 発券銀行 (BanksofCi,culation)となる』こと. となる手形を『支店が 銀行家から受取ったもの のみ』に限らずに ,商工業者からの手形も加え る主旨の修正案を 提出し,総裁もこれに同意し. 望まいⅡという 見解を表明した・. た・バーミンガム 支店には『銀行業者の 口座の. 事会も. ほかに 200 の割引口座が 存在する』というニコ. Competition) として行動すべきであ るという のは論外』であ る旨の決議を 採択した 43).. ルズ の自負が窺われる・そのさ い, 彼が『為替 の状態に関する 本店からの折々の 情報 [ だけで なく,. こ. 川に,わが支店の個々の口座の 活動. 状況を勘案して』,『必要と判断すれ別手形を ロンドンに送り 出す ,. と 述べていることに 注目. 『一般顧客勘定 (p,ivate accounts) が減少し銀行勘定が 増大することが を意味するから ,. 1833 年,理. 『バンク諸支店が 競争銀行. (Banks of. ニコル ズ の挫折感も大きかった.. 受 取った指示には 厳格・迅速に 従 う のが私 の義務であ り性格です.いつもそうしてきまし たが, ただ現実 (actual eXisting circumstanc『. しておきたい 40).後段で詳述するように ,「為 替の動向」だけではなく「地方の 状況」も金融. es) だけは直視しなければなりません.. 政策の判断基準として 重要だと釘をさしている のであ る.. で機能しているものは 個人銀行や株式銀行の 口. " 努力. はしましたが ,その結果,わが 支店の割引口座 座を除けばほとんど 無くなってしまったのです. …最も独立心に 富み , 最も良い , 最も安全な顧. (4) ニコルズ構想の 挫折と先見性 1831/2 年を頂点にバーミンガム 支店の営業 成績は後退し 多くの商工業者が 店を去った. 1831 年末までの 5 年間に商工業者が 開設した 割 刃口座は 200 件を超えたのに 対して, 32 年から 44 年 ( ピール銀行法制定 ) までの 13 年間には管 見のかぎり僅かに 30 名前後が新規口座を 開設し. 35 年までの. 年間に口座数は 半減し休眠 の口座も増えたから ,一般企業の支店での割引 とその構成比は 加速度的に縮小した. 35 年には た・. 5. まだ 3 割を超えていた 商工業者の手形割引は ,. ピール法制定の 前年には. 1. 割まで落ち込むこと. 客…が支店を 去り, よそで取引しています.』 (1832年 11 月 27 日 ) Ⅱ支店 円 発券銀行 (BankofIssue) として 公共機関であ るとともに割引銀行 (Bank of 団 scount) です. しかも,われわれは割引とい う手段を通してのみ 地域の通貨流通に 影響力を もてるのですⅡ (12月 1 日 ). 怖れわれの業務,他の一切の業務がそれに 多くを依存する 割引業務が減少しているという. 事実に目を閉じることはできません.われわれ の顧客掌握力はかつてのように 堅固ではないの です・ " 余裕をみても 書記 2 名と守衛 1 名が余.

(9) 19 世紀前半イングランド 銀行の本・支店間論争. 分 になっています.仕事がないままに放置する ことは悪徳です.J (m2月 14 日 ) 『大多数の割引口座は 休眠しているか ,. [B] 「適格手形」の 条件. 市況が回復すれば 徐々に活発になるかもしれま せんが,積極的な期待はできません.かつては ガム, ウルヴァハンプトン 両 バンキンバ・・カン. パニ一に関心をもち ,取引を移してしまったか らです,個人銀行や株式銀行が提供する 便宜・ 便益はいまや 全ての点でわれわれが 提供できる 限度を超えています.昔はこうではありません でしたⅡ (1833年 1 月 4 日 )44) 一一業績不振は「市況が 回復すれば取り 戻せ る 」といった一時的・ 循環的なものではなく ,. 政策的・構造的な 要因に. よ. るものだ,. と ニコル. ズ はいうのであ る,. ところで, 「単一発券」と「健全な 通貨」を 保障する「中央銀行」としてのインバランド 銀 行の使命を宣言したピール 銀行法 (1844年 ) を 転機に, 同行支店の手形割引における 錘 anker)の比重が一転減少し. 行 rader)へ. 0 割引が激増する. ( 「双稿」第 2. 表,第6. ピール銀行法は ,. イングランド 銀行の「発行. 図). (9) 9. に具体的に検討してみよう.. ごく. われわれの最大の 顧客だった人々が ,バーミン. 尚志 ). 処遇,「金融政策」のあ り方の側面から , さ も. " 若干の口座は. 稀に利用されているだけです.. (関口. (1. ). Ⅰフアンダメンタル・ルーノ. レ』. と. 『地域. の ビジネスⅠ. 商工業者が割引く 手形だけでなく ,銀行業者 が持ち込む再割引手形も 含めて, 「バーミンガ ム手形」は一般に 額面が小さいほか 48),手形 の 期限や記名人の 知名度など, いくつかの点で. 地域的な特徴をもっていた. これに対して 本店 は , 何を割引適格手形とするかについて「ラン カシャー. = ロンドン基準」ともいうべき『基本. 規定 J (fundamenntal Rule)49) をもっていて , 厳格な規則や 手続きを「強制」 し ,支店業務を 枠 付け」 た 50). ルールの第一は ,満期まで 3 ケ月 以内 ( 正確 には 95 日まで ) の手形に割引を 限ること 51), 第二は,銀行家などの裏 書保証は別にして ,手 形そのものが 信用あ る当事者間の「真正の (bona de) 商品取引」に 起源をもっことで , 後者について ,具体的には『二名の信用あ る者 の 記名』が求めれれた 52). 適格手形のなかで 「. 且. も. 「一級手形」に 格付けできるのは ,. 『ロンド. 部」に関しては 厳格な銀行券供給のルールを 義 務づけた反面,「銀行部自由競争主義」を採用 した点では「 反 中央銀行法」 (anti-cent,aIbank act)45) の性格をもち ,「インバランド銀行を以. ンで販売可能な 手形』 にンドンで名双を 知ら れた者の記名があ る手形 ) に限るとされてい る。3). この第二第二を 両軸として,詳細な. 前よりも中央銀行らしくなく」. したといわれて. ならびに手形の 品質に関するバンクの 厳格な諸. いる. )46).支店は銀. 規定 (st。 rn,ulesU 54)が構成されていた.本店. ( ピール銀行法の「逆説」. 『支店割引口座の. 実施諸原則し eaIprinciples) 』. 『これからは 銀行. はこのルールの 画一的な遵守を 各支店に求めた. 業者であ る顧客に対しても 商工業者であ る顧客. が, それは『貨幣製造 人 (Maker of Money). に 対しても, より大きな自由度をもって 割引く. 発行を優良手形 に対してだけに 限定しなければならない』 55)か らであ り, またそのためにも『ビジネス ( とく に為替手形で 営まれるビジネス ) の正常化』つ. 行部の管轄に 組み入れられ ,. としてのバンクは. [銀行券の ]. ことが支店長の 裁量の範囲となる』 と通達され ているのであ る 47),こうしてみると ,挫折し たかにみえる「ニコルズ 構想」の先見性という べきか 地場産業との 緊張という「現場の 経 験 」が中央銀行政策の 試行錯誤的な 形成過程で. 合わせることがきわめて 望まし. もちぇ た 「構成的影響力」にあ. desirabIe. らためて関心が. 収飯する.「適格手形」の 条件,「発券銀行」の. まり 『バーミンガムの 経済をバンクの 諸規制に to. レ. bring the trade 0f M. c0nform to the Bank. Ⅱ. (itis very. r 而 ngham. to. regulations)56) と考えられ.

(10) 10 (10). 横浜経営研究. 第℡巻. たからだった・. 1. 号 (1997). した西部ミドランズ 地域の製鉄業界が ,. しかしニコル ズ からみると, これは T 地方 の 実情 (LocalKnowIedge) に疎 い 57)本店が仕 』. 組んだプロクルステー ス の寝台にほかならない. F 当地のビジネスと. 第. 当地の手形の ,性格はロンド. T 支店. 銀行との取引を 拡大する ぅ えでの 峻 され 川 特別な困難』 として,バンクが割引適格手形の 期限を 3 ケ月 以内に限っている 点を指摘したこ とについては 上述した.業界の有力な指導者で. ンの ビジネス, ロンドンの手形とは 全く異なっ. 支店の割引口座保有者でもあ. て お Ⅱ『他の工業諸地域と 比較しても対照的』. 支店長宛ての 書簡で,『4 ケ 月の手形で支払を 受けることが 製鉄業の確立した 慣習となって い る 』と述べ,長期手形を 即座に割引くことが 製 鉄 企業経営上の 下至上命題』であ ると,次のよ. であ. る. 58).手形の大多数は 小額,長期で,手. 形記名人も,地元企業としては信用が十分だが , ロンドンでは 知名度に欠ける 場合がほとんどで ,. 一一支店長としてⅡ本店の ] 指示には最大の 注意を払い』,現に 私営銀行なら 即座に割引 引 ような『非常に 多くの手形を 拒絶してい る が 『バンクの諸規制に 厳格に従えば 当 地 で流通している 手形の 20 分の 19 は支店では割 引けない.』59) このようなⅡ地域の ] 現実を直視する』 60). に説明する.. う. 『製鉄業は,第一に ,作業場.機械,鉱山開. 丁. 』. 必要を訴えて ,ニコルズ は. 伎 店の正規の顧客. に 大きな不都合を. 与えたり地域の 経済を混乱さ せたりするような 障害や不公平な 影響がないか ぎりで,現実的にバンクの原則に従うよう 努力 する』 61)という自己の 姿勢を率直に 表明した. そして,バーミンガム手形の「正常化」に 関し. ては,「時と忍耐」,そして 何よりも積極的な 割 引政策に 26 支店「シェアの 拡大」こそ,地元 企業の経営体質や 手形の品質の 改善を促す支店 の「指導力」を 増す道だと力説する. にの W と 近隣地域における 流通証券の一般的改善とい う総裁が指摘する 重要な目的については ,私は 既に若干の進展がみられたと 信じています.支 店の営業が拡大して 地方の倒引業務のより. ったフォスターは ,. 発に 巨額の資本投下を 必要としています.それ らはすべて固定化された 支出です.次に,支払 の 主要部分は毎週現金で 支払われる賃金です. 加えて,作業工程では膨大な原料の 在庫が必要 です.更に, 時には凍結や 補修で交通が 途絶し. たり,市場での需要が不足したりして ,完成鉄 製品の巨額な 在庫を抱え込むこともあ ります. あ れやこれやが 重なって… 受 取った手形を 即時 に 割引くことが 待ったなしの 至上命題となるの です.] 『. こう述べたうえで ,. フォスターは. ケ 月の期限なら 地方銀行業者に 割引いても. 4. らうのに何の 困難もな イングランド 銀行が. 4. し. Ⅱと指摘して ,. Ⅰいま. ケ 月期限の手形を 割引く. ことにすれば ,現在地方銀行に依存している 人々を完全に 転向させ,バーミンガム支店の割 引 規模を大幅に. 拡大することができる』と 強調 する.支店長ニコル ズ はこの書簡を 本店宛ての. 大きな割合を 占めるようになれば , さらに決定 的な影響力を 行使できる筈です.』 62)一一長期. 親展公文に同封し 『一般規則への 例外として, 製鉄業に [ 限って ] 4 ケ月 手形の割引を 許可す る 』よう, そ う すれば 支店の窓口にずっと 優 良 な手形が持ち 込まれるようになる』 という. 手形と手形記名人の 問題を中心に , 本 ・支店間. [ 確ィ言Ⅰを添えて陳情した. の論議を具体的に 振り返ろう. 日,. 丁. いう. (2) 長期手形の取り 扱い [a] 4 ケ 片手形 ( 鉄 手形」 ) 特別割引の提 「. 案 1827 年 7 月のバンク・レートの 引下げを歓迎. 『. -. 63). 一 一 しかし 翌. 一 産業に限ったⅠ特例措置は 認めないと. 総裁の見解が 伝えられた. 64).. [b] 長期手形担保の「 っ なぎ融資」 4. ケ月 手形の割引に 対する代案として , 1823. 年 10 月,理事会はバーミンガム支店を「メーン バンク」とする 割引顧客だけへの 特別の『 譲.

(11) 19 世紀前半イングランド 銀行の本・支店間論争. 歩 65)として,『 4 』. ケ. 月を超えない 手形を担保. (関口. 尚志 ). (11)@11. であ り, この場合,第三,第四の署名は 無関係で. にバーミンガム 支店長ニコルズ 氏が 1 ケ 月を超. す.つまり責任ある当事者間の 真正の商品取引に. え な い 期間を定めて 臨時の融資を 行な. 起源をもっと 確信できる手形に 対してのみ, 総裁. う. するこ. とを承認』した 66).この特例はニコルズ 退任 後の 1835 年 5 月に打ち切られたが ,後任の支店 長も 『全ての 4 ケ月 手形の無条件的な 拒絶』は 『地域の主要産業であ る製鉄業に対する 支店の 行動範囲を非常に 制約Ⅰすると 抗議して,長期 手形に対する『規制緩和』 (a relaxation ofthe RUle) を 執劫に 要請した 67).「つなぎ融資」は 1840 年代にも間 歌 的に実施されている 68).. は銀行券の発行 [= 手形割引に同意するのです. 幾度もいいましたが , バンクに. よ. る割引手形の 受. 入れにとって 裏 書は第一義的な 根拠にはなりませ ん.』 (9 月 3. ◆ 支店 > く. 日. )70). r 当 支店にとって. 困難なのは,そうした. 原則を, われわれが取り 扱う実に特殊な 性格の ビ 、ジネスに適用することです.. もう一つ知名度に 欠けている. " 振出人や引受人が. (notperhaps parti.. cularlystrong)場合,優れた裏 書のあ る手形なら. (3) 手形記名人の 要件等. 通しても良いのではないでしょうかⅡ『わがバー. [a] 適格手形,一級手形の要件. ミンガムの仲買人や 製造業者は,商品の販売先の. 割引適格手形, またそのなかの 一級手形に記. 人物が信用できるかどうか. 分からない場合には ,. 載 されるべき手形当事者の 信用度をめぐっても ,. その約手 (p/n) や引受手形 (acceptance)ではな. 本 ・支店間に 軋礫が 存在した. ここでは, 1831 年 6 月から 33 年にかけての 書簡論争に的を 絞っ. く,大概は銀行業者の 裏 書のあ る優良な雑手形 (a good Miscellaneous Bill) で支払を受け ,. て ,応酬の舞台を垣間見てみ よ. を 支店に持ち込みます.. ①前述のように ,. コ. り. (支店長ニコルズ ). が次のように 切. 出して,本店 (支店局長 ) とのやり取りが. 以. 下 のように展開した ◆ (支店 ) 『当地のビ ジネス ー. と. ロンドン やリヴァ. プールとでは 非常に多くの 点で大きな相違があ. り. ますから,一方に適した取り決めでも 他方では 全 るのです J 0].831年 6 月 2. く. 機能しないことがあ. 日. ), p この点を貴方にはっきりと 理解して頂くた. めに私の考えをど. う. 説明したら良いのか ,私はい. っも 途方にくれている 有様です.J (31年 9 日. お客は多分手形の 起源を. 知りません,振出人や引受人のことを 訊ねても,. 適格手形の要件として. 『二名の信用あ る者の記名Ⅰ (銀行家や割引依頼 人の裏 書は除く ) を 求めるのがバンクの『一大 指導原理 となっていた. これに対してバーミ ンガム支店. この手形. 1. 月. )69). 裏 書人を見てくれというわけです. J (9 月 7 日. )71). この問題では ,結局,バンク 当局は基本原則 を 譲らなかった.. ②適格手形のうち 一級手形にランクされる のは『ロンドンで 販売可能な手形』 (首都で知 られた名前が 記載されている 手形 ) だった. 1830 年以来. ニコル ズ の建議で. 各支店に. 開設が認められた「非発券銀行を 優遇する最低 金利適用の割引口座」 72)の場合,自行の 銀行券 を発行していない 地方銀行は, この口座を活用 して,上記の「一級手形」を3 % で に 出すことによってインバランド することができた. 支店はこれを. [再 ]. 割引. 銀行券を調達 しばしば 本り苫に 3差 ィ寸. ◆ (本店 ) 『総裁は手形の 評価についての 貴下の立. バンクのスタンプを 押さないで. 場 に決定的に反対で ,却下します. - 既存の流通. し市況に応じてロンドンの 市場で販売. 貨幣を所持する 銀行業者ならそれをどのような. 券 に投じても勝手ですが ,貨幣製造 人 (Maker of. 割引する. ところで,バーミンガムでは『ロ ンドンで販売可能な』一級手形は 少なかったか. Money). ら,優遇口座. としてのバンクは. 証. [銀行券の ] 発行を優. 見手形に対してだけに 限定しなければならないの. (「 3. [再々. % 口座」 ) の連用は本・ 支店. 間の係争の種となった.. ラヴェル = グッド銀行.

(12) 12@ (12). 横浜経営研究. 第℡巻. 第 1号. (MessrsLovelle,Goode& Co.) のケースをみよ. (1997). ③ 雑 手形多 (miscellaneousbills). 非発券. れるべきであ り,現在受 取られている 多くの手形. 銀行優遇口座および一般顧客の正規の 割引口座 の限度枠を超えて 割引かれる手形 やそうした口 座を持たない 顧客にカウンタ 一で割引かれる 手. のように,大部分の当事者がロンドンでは 知られ. 形. ◆く本店 > r 岐遇. 金利 ] での割引は一級手形に 限ら. ていないといった ,地方の取引で出回っている 手. 形であ ってはなりません.』 (1931年 9. )73). ク. に関しては,バンク当局は. P 全て. [ ロン. ド Ⅰ市場で現金化できるものでなければなら. バーミ ンガムとその 近在の商工業者に 限られてい. ず,それ以外の手形は受取ってはならない』と いう立場だった 77).ちなみに,本店側は,各 支店に対して , き 5@ た 手形のきわめて 大き. ます. ロンドンとはほとんど 関係がなく,市場で. な 割合を , 表にも裏 にもスタンプせずに. その記名が第一級手形の 構成要件とされるロンド ンの 大商社とは全く 関係があ りません. 同行が顧. すべきことを 指示している 78). 手形を公開市場 ( 「売りオペ」 ) に出すにさいし. 客から受取る 手形は正直で 健全で真正な 取引に基. ては, イングランド 銀行の裏 書をしないことが. づくものと私は 確信していますが ,いずれにせ よ. 望ましいと考えられていたのであ る. ともあ れ,バーミ ンガム支店に 対しては, 本 店の態度はとくに 厳しかった.. 月 29. 日. ◆ 支店 > 『ラヴェル ニ グッド銀行の 業務は全て く. 同行はこの手形を 支店に持参して 流通貨幣. グランド銀行券. ]. [ イン. を手に入れるしかあ りません,. これらの手形は 大部分が小額で ,. ロンドンで販売. 『. Ⅱ. [ ロン. ドン 勺送ィ引. ◆ 本店 > く. F貴 支店の割引総残高はここしばらくじ. が 可能な手形と 比べれば外見上の 魅力に乏しいの. わじわと増え 続けています ,総裁はこれを減らす. ですが, バンクが不可欠な 要件と位置付ける 二大. ことが必要だと 考え,試みたのですが,販売可能. 原則, すなわち安全,性 と真正の起源という 見地か. な手形の割合が 実際にはとても 少なくて, 目的を. らみれば, よそのどの地域の 手形にも, いや実際,. 達成することができないでいます.. 首都の手形にも 遜色はないのです.』 日. (9. 月. 30. )74) う. した小額手形を 必要とし. よう , 特別な注意が 必要です.』 (1832 年 1 月 20. この手形が. 『当地方の銀行業の 土台を形成している』 を 強調し. [ロンドンで ] 即座に販売できない. 手形を割引くことは ,一切, 断固として拒絶する. ニコル ズ は『バーミンガム 商工業の特殊性Ⅰ. がこ. 度額を超えて ,. 定められた限. こと. また操業 5 年の経験でいえばⅢ 、 額. 手形のほうが 危険が少なく 素姓も疑いない』 述べて,一級手形ではないこの手形を「 座 」で割引く. よ. 3. と. % 口. う要請した.. ◆ 本店 ) 接 するにこの種の 口座の管理上最も く. 重. 日. )79). ロンドンで販売可能な 手形の送付実績を 基準 にして,その『地域への公正な割引枠を 割当て る 』方針がとられたことも. ,ニコルズ の支店に. は打撃だった 80). ④とりわけ,為替の 逆 調 に対処して手形割 引の抑制. ( 窓口規制 ). と公開市場操作. ( 手形の. 要 なことは,銀行業者の名前以外に少なくとも 二. 売オペ ) を行な. 名の確実な保証があ る手形だけを 割引く点なので. ニコル ズ の営業方金十を「割引残高至上主義」と. す .』 (10月 20 日 )75). して激しく難詰 し ニコル ズ もこれに応酬した.. う. ことを基本と 考えた本店は ,. この最後の文面はバンク 首脳が一級手形への. ◆ 本店 ) 総裁は割引で 受取る手形の 品質という. こだわりを撤回し 『銀行業者の 裏 書なしでは [ ロンドン 刊 処分できないがその 裏 書なして も 問題なく確実な (unquestionable) 手形』 (適. 単純な点に繰り 返して言及せればならないことを 優良」でなければならず , 「銀行業者から 受取る手. 格 手形 ) なら「. 形でもその裏 書に頼ってはならない」という. 3. % 口座」で割引ける ,. したことを意味している 76). と 譲歩. く. 大変遺憾とされています.. " 手形は「それ 自体で. ,. イ. ングランド銀行の 割引口座に関する 一大指導原理.

(13) 19 世紀前半イングランド 銀行の本・支店間論争. (theonegreatprinciple)の明白な無視が 問われて いるのです. d (1832年 2 月 18 日 )81). 上 )84). ◆く本店 > [支店局長からニコル. ◆ 支店 ). ズ への親展の私信. ]. (関口. 尚志 ). (13) 13. なれば,私は即座に職を辞するつもりですⅡ. く. 『現在 生 支店でみられる. (同. 割引の縮小は ,. 『有能な友人を 仕事のことで 各め 立てするのは 辛 い. 余りに急激です. 割引の源泉が 詰まったり停止し. のですが,職掌がら直言します.発券銀行や多く. たりすれば,製造業者の営業は即座に 府庫. の貴 支店の ト般 ] 顧客・銀行業者に 対して,. ,惨と窮乏に見舞われます.割引の多くは地方的な. くに割引勘定の 引綿. [が必要な ]. と. 時に貴下がとっ. し悲. 取引で,大部分の商業手形はロンドン 市場では全. ている一般的な 行動をみて,総裁…は ,支店割引. く販売不能なのです. このため当地の. 勘定の縮小を 極力回避することが 貴下の不変の. 通をロンドンで 販売可能な証券で 規制することは. 目. [通貨 ]. 流. 標 であ り, そのために貴下は 時に地方支店割引 日. 困難です.実際,当地の[通貨 ] 流通はそうした. 座 に関する現存の 諸原則や受取手形の 品質に関す. 証券 [の割引で発行されているのではなく. る バンクの厳格なルールを 見失い力。らになる,. 般にロンドンのブローカーが. と. ,一. 見向きもしない ,地. 判断しています. 総裁は貴下が 諸規則を即刻遵守. 域の普通の取引上の 手形. しないかぎり 貴下は直ちに 理事会と衝突すること. いるのです.. になる旨を跨 路 なく明確に表明されています、 (そ. に 流人するロンドンの 資本は, ここまでは少なく. してこうして 私が個人的に 総裁の気持を 貴下に伝. とも同様な容易さでは 乗り入れてこないのです.. えるよ. う. 要請されました.). Ⅰ. ( 同上 ¥5幻. [の割引 ]. で発行されて. したがって他の 大商業地域には 容易. だからこそ徐々に 形成されっ っ あ るイングランド. ◆ 支店 ) 『私は支店の 正規の顧客に 大きな不都合. 銀行. を 与えたり地域の 経済を混乱させたりするような. です.J (2. 障害や不公平な 影響がないかぎりで ,現実的にバ. ◆ (支店 ). ンク の原則に従 うよう 努力する積もりです. ] (2 同 20 日 )83). してまたかなり 急、 速に減少しています. その理由. はほかにもあ るでしょうが ,主としては総裁の見. ◆ 支店 ). 解…に従って 者支店が友人であ る銀行客や一般 客. く. く. [ニコル. ズ から支店局長への 親展の私信 ]. 『お手紙に感謝します.. [玄同. との結び付きが 重要な意味をもつの. 月 27 『. 日. )85). 当 支店の割引額は. 過去 3. ケ. 月の間一貫. しかし私は原則に 反しては. 0 割引を削減しようと 努力した結果です. 地方に. いないと確信し 確固とした根拠に 立つ者が経験. は一般にロンドンでは 見られない感情があ ります. するあ る種の信念と ,職責を忠実に果たしてきた. から, 一度ひどい目にあ れされた名誉あ る業者と. という達成感に 守られて,心の平穏を保っていま. くに銀行家は ,. す.. ょう. 関係を保つにはわれわれが 首尾一貫した 態. どうか適当な 機会に総裁に 説明してください. も う. ほとんど戻ってはこないでし. 私は支店をバンクの 収益に寄与する 効率的なもの. 度 で彼らと取引することが 必要なのです.. とするため真剣に 努力してきましたが ,支店の割. ちらで. 引. 支店の割引が 持続的に減少することはほとんど. [実績 ]. を強引に押し 上げたり,公正で適法な. も う. こ. 慨到る ] 減らそうと努力しなくても , 当. ¥86). 手段以覚の方法で 営業を拡大し 維持しようとした. 実です. J (3. りしたことは 一度もあ りません. ". ◆ 本店 ) 『総裁は, 貴 支店の割引が 最近の不況と. [ただ ] わが. 月 31 日. 確. く. 地方の諸地域で 仕事をうまくやっていく 方法は ,. 為替の逆調の 期間に減少したことを 満足をもって. 大都会の首都で 営業する場合とは 大きく異なって. ¥5ん 総裁は同時に ,今度は市況の 回復が近いこと. いるのです. そして, うまくいった 場合にも, そ れを保っためには 配慮. と. 一貫した行動が 必要です. 一度失われた 顧客や損なわれた 関係は,二度と取 り. 戻すことができません. ! …もし自分自身満足し. 納得して上司に 従うことができないということに. 注目しています.』 (4 月 3. 日. を予測して,割引需要の増大に支店長が『適切 な 裁量で山積極的に 対処できる よ う準備するこ とを指示したが ,バーミンガム支店の手形割引 額は以後 1831 年のピークを 回復することなく ,.

(14) 14 (14). 横浜経営研究. 第M 巻. リヴァプール ,マンチェスタ 一両支店の成績に. 追い越され,大きく水を開けられることになる ( 「双稿」第 4 図 ). [b] 『バーミンガム 手形の定評あ る乱脈 さ ①適格手形, 一級手形の記名人に 係る要件 のほか,バンク当局は様々な 点で丁バーミンガ 』. ム手形の定評あ る乱脈 さ 』を指摘して ,そうし た「バーミンガム 手形」 ( さらにはその 背後に あ る「バーミンガム 経済」や「バーミンガム 的. 通貨流通」 ) の是正㎝正常 4 目 ) な経営課題として 要求した.. を. 支店の重要. 97). レ. 根を張った. 、 ずれも. もみられはする. 『長期にわたって 深く広く. 慣ィ〒』であ. り,上述した長期手形や. 手形記名人の 問題と同様に , な改善の成果をあ げるには』,. F 決定的・恒久的 p 時と忍耐』,. そ. して下支店のビジネスとその 結果としての 影響 力の大幅な拡張』を 待たなければならないもの であ った 98).だから『細かい 技術的な』難点 にこだわって 顧客を遠ざける 愚はやめて,割引 、ンエ アを拡大しつつ 長い目でみて 良い客を育て. ◆く本店 > 『バーミンガム 手形の定評あ る乱脈 さ. らない」というのが 支店長の基本的な 考えであ. (the@well@known@irreg ℡ arity@of@Birmigham@Bills). った・. ニコル ズ は,手形が満期に落ちなくても , 翌. い , 貴 支店の割引手形の 引受人に多くその 傾向が. 日 か翌々日にはほとんど 必ず支払われるもので ,. みられるような ,無頓着な (negligent)当事者と. それは当事者の 信用とか支払能力には 関係なく, 当地の慣行に 根ざした一般的な 行動様式なのだ という よう に, ロンドンからみたら 驚くような, しかしそれなりに 地域に根ざした 経験的・現実 的な観察や発想を 得意とした. たとえば, こう. の 取引を適切にチェックするなどの. す .』 (1827年 7 『きし. 月 15. 日. 措置が必要で. )88). 派 さⅠの例としては , 引受人の「だらし. 支払が遅れる ! ) など手形 当事者の性格や 行動様式のほか ,必要な手形券 面上の文言 げ Value reCd","ValueinGoodS" な ど ) の欠落や誤記 89), 字句の抹消や 変更 90), なさ」. ( 『無頓着』で. 署名がほとんど 判読不能であ るといった体裁. (、pp 。、,、 n 。。) 』上の暇 疵 9 、 ), 等々 , ニコル ズ からみると. 時には一一. 『手形の細かい 技術的. な点』 92) を含めて多くの. 問題点が指摘され ,支 店長は『呈示された 手形のスタイルと 品質の改 善 が必要なことを 割引顧客に全力で 説得するこ と. が. すでに『徐々に 明瞭な改善』. るべきであ る. 「取引を止めたのでは 悪習は直. に鑑みて,問題が起こるつど緊密に 連絡を取りあ. 丁. 第 1 号 (1997). J93)に忙殺された.「バーミンガム 手形」の. 改善を通じて 地域の『ビジネス. ( とくに為替手. 形で営まれるビジネス ) の正常 4 日 94)を図り , こうして『バーミンガムの 経済をバンクの 諸規 制に合うように』改造する 95)ことによって , 『通貨. 疏圃. を健全な状態に 山導くことは ,. 当初から,支店創設の 目的として強調されてい たのであ る 96). ②『支払 日 厳守の欠如』 (want0fpunctuality) にせ よ 『手形振出の 様式・形式 (mode or form Ⅱの不備にせ. よ ,ニコルズ. に. ょ. れば一一. であ る. ◆ 支店 ) く. 呼 形は通常小額で ,満期日にはしばし. ば不渡りとなるのですが ,. ほとんどの場合,. コ. 二日後には当事者によって 支払われます. このパ ンクチュアリティ. 一の欠如は非常に 一般的なので ,. 不名誉とは考えられなくなっています.地方銀行 業者はこれを 見越しおそらく 間接的にこれを 奨 勅 しています,催告,通知,延期,等々,追加手 数 料で利益が大きくなるからです.. " 私は,絶対. に 必要な場合は 別として, これを支店の 不渡り. リ. ストに加えるのは 良くないと思っています.』. (1827年 7 月 8. 日. )99). ③割引口座の 開設は理事会の 認可事項であ り, また「すべての 手形はロンドン 輪番委員会 (Committee inWaiting) によって認可されなけ ればならなかった.」各支店長は 同委員会と 「毎週折衝を 行なった」といわれている 100).と くに 1831/32 年には支店割引業務への 監視が強 化された. 1831 年 2 月には『各支店の 割引状況 を調査するための』委員会が 設置され 101),翌.

(15) 19 世紀前半イングランド 銀行の本・支店間論争. 年からは常設の 割引委員会 (Committee on Discount) がその任務を 兼ねることになっ. が 02).1832 年. 5. f。, B,"" 。h B"nk,). (15) 15. 尚志 ). 当然Ⅰバーミンガム 手形の定評あ る乱脈 さ 』に 対する風当りは 強かった.支店長ニコル ズ は. 月,支店委員会 (C0mmittee の勧告にもとづ い て,理事. (関口. 為替の動向が 発券調整・割引規制の 唯一の. 尺度ではないという 後段で詳述する 論点のほか バーミ ンガム ニ ブラック・カントリ 地域. 会は各支店長に 対して 技店 割引顧客の取 lA犬 況 に関する一件毎に 必要な説明を 付した年次特. の 経済と手形流通の 特殊性を指摘してロンドン. 別報告劃の作成を 要請した 103).さらに同年. ニランカシャ 一基準の一律的な 適用を戒めたり. 弓. 7. 月には,支店委員会小委員会の検討をふまえ. て,理事会が一部割引顧客の 格付けの変更を. 各. 支店長に指示している・ 割引顧客の一部は 『マーク A のリストに従って 割引限度額を 改訂』 し, 他の一部は『口座を 閉鎖する』 か 『マーク B リスト適用の 口座 丼 勘定 (Ⅵ scellaneous accounts) に移るⅠことを 求められたのであ る. 104). 支店業務に対するこの ょう な管理強化の 背景 には,すでにみたようなバンク 首脳の銀行政 策・金融戦略における 転換が存在した・ 銀行当 局は地金の流出人や 外為相場の騰落をガイドラ インとしてイングランド 銀行券の発行を 調整す る必要を自覚し , 1832 年には『一切の 要求払い 債務』. (. 預金プラス銀行券 ) に対して『望まし. いと思われるおよその 嘩備 ] 率は証券で 3 分 0 2, 地金で 3 分の 1 』であ るという「パー マ一のルール」が 総裁によって 公示された,05). またバンクは「割引銀行」「競争銀行」ではな く. 「通貨の銀行」「銀行の. 銀行」に登すべきこ. とが強調され , 1833 年には,バンク特許状が更 新されイングランド 銀行券に対して 法定通貨の. に. 手形の期間や 名義人の知名度,手形の形式 ( さ らには満期日の 支払 ! ) などに多少の 問題はあ っても「割引銀行」「競争銀行」として. 積極的. に手形割引市場でのシェアを 拡大することが 「通貨の銀行」「銀行の 銀行」への捷径であ ると いう論法で本店を 批判する論陣を 展開した・. ニ. コル ズ は,「発券独占」という「基本戦略」を. 達成する ぅ えで,地方の民間発券銀行とも 取引 をもって信頼関係を 醸成し,やがて発券放棄を 説得するという「徐々なる 単一発券化」の「戦 術」を構想し ,それゆえバンク首脳との相違は 原貝lJJ (Prjnciple)の差ではなく「手法」の 違 レ 『平穏、に J (easiIy)行 なうか『,性急、 に』 (suddenly) 内子定規に』 ( igidIy)行 なおう とするか であ ると釈明しているが 107),r 適 格 手形」論争においてもこの「手法の 違い」は 『. Ⅰ. 「. 鮮明だった. 1832 年 ml 同 27 日づけのニコル ズ の半金 信は, やや長文で, またすでに断片的に 行なった引用 と重複する部分もあ るが,後に言及するm2 月 1 日の書簡とともに 彼の主張と心情を 良く表現し ているので,これに対する本店の 返書とともに ,. 地位が賦与されたことと 関連して,理事会は 正バンク諸支店が 競争銀行 (BanksofCompetition) として行動』することを『論覚 ] であ る と 決議した.各支店は,中央銀行の支店として. その大要を訳出しておこう. 総裁パーマーは. 『バンクの銀行券の 流通の漸次的な 拡 矧 ,. とり. 諾 するのであ る. わけ 技店 開設地域での 拡月 をはかり,. また. ンガム手形の 特殊,性についてのニコルズ の 説明に理解を 示し形式的な 暇疵 のあ る手形. の割引について 支店長に一定の『裁量権 』を承 ◆ 支店 ) 『私は当支店で 割引かれた手形が 全ての く. 緊急の要請に 応じて『銀行や 商工業の信用を 維. 点では委員会の 満足を得ていないことを 知り ,. き. 持するために 迅速で効果的な 援助を行な う 』こ とを目的とするのだから , 『公正で妥当な 収益. ね めて遺憾に思います. 私が説明できるのは ,. た. のみ』で足れりとすべきだというのであ. る. 106).. ④支店割引業務への 締め付けのなかでも. ,. だ,それらの手形がこの町と 周辺地域のビジネス に基づいて自然ににまた 公正に取り組まれたとい うことです.. 当地のビジネスそのものが 特殊.

参照

関連したドキュメント

 回報に述べた実験成績より,カタラーゼの不 能働化過程は少なくともその一部は可三等であ

この小論の目的は,戦間期イギリスにおける経済政策形成に及ぼしたケイ

 被告人は、A証券の執行役員投資銀行本部副本部長であった者であり、P

欧州委員会は再生可能エネルギーの促進により 2030

推計方法や対象の違いはあるが、日本銀行 の各支店が調査する NHK の大河ドラマの舞 台となった地域での経済効果が軒並み数百億

3 当社は、当社に登録された会員 ID 及びパスワードとの同一性を確認した場合、会員に

・この1年で「信仰に基づいた伝統的な祭り(A)」または「地域に根付いた行事としての祭り(B)」に行った方で

  支払の完了していない株式についての配当はその買手にとって非課税とされるべ きである。