作図問題について : 古代ギリシャの3大作図不能問題
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(2) 作図問題について_古代ギリシャの3大作図不能問題 【目. 次 】. 序文. 第璋作図. 1. 第1節 作図とは ・…. 1. 第2節 作図できる数全体. 3. 第2章倍輔導. 10 10 12. 第1節倍積問題の由来 ・・・… 第2節作図不可能であることの証明. 三障円輔題 第1節. 14 14 17. 円積問題の由来. 第2節 πの超越性 ・・. 第4章角の3等分問題. 22. 第1節 角の3等分問題の由来 ・…. ・22. 第2節 一般には作図不可能である証明. ・24. 第5章円の等分問題. 28. 第1節 分円方程式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 28. 第2節正5角形,正7角形の作図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 30. [1]正5角形の作図可能性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 30 [2]正7角形の作図不可能性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 31. 第3節正n角形の作図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 33 [1]合同記号 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 33 [2コEisensteinの定理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 34. [3]Fer〃lat素数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 37 [4]円の等分問題の解決 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 40. 参考文献. 48.
(3) 序文 Platonによれば、完全な幾何学的図形とは直線と円だけということである。古代ギリシ. ャの幾何学は、この信念のため幾何学的作図を行う際に用いることのできる道具を定木と コンパスだけに限定していた。ここでいう定木とは、目盛りのついていない、ただ1本の まっすぐな縁をもったもののことであった。. これら2つの道具だけを用いて、広い範囲の作図を行うことができる。しかし、幾何学 的概念の中には、直観的には作図可能であるべきはずなのに、定木とコンパスだけでは不 十分なものがたくさんある。その中に、ギリシャの人々ができなかった有名な3つの作図 問題がある。. 立方体倍積問題,円積問題,角の3等分問題がそれである。 ギリシャの人々が、これらの作図問題が非常にむずかしいと悟ったのも無理もない。こ れらの作図は不可能なのである。しかし、彼らは不可能であることを示す方法ももたなか ったし、また解が存在しないのではないかという疑念ももたなかったように思われる。そ のため、彼らはそれを解こうとして、実りのない研究にかなりの才能を浪費する結果とな った。. 後に、これらの問題は”古代ギリシャの3大作図不能問題”と呼ばれるようになった。. そして、長い年月を経て、19世紀に入ってようやくこれらの未解決問題は「作図する ことはできない」という否定的な形で証明されることになるわけである。. 円の等分問題は、角の3等分問題が証明されたころ(1837年)より40年位前、ガウス によって解決されている。当時19歳で、ゲッチンゲン大学の学生だった彼は、古代語を やるべきか、数学を選ぶべきか、決心が定まらないでいたが、この問題の解決により、喜 んで数学を専門に選んだといわれている。 次に本論文の構成を述べる。. 第1章では、幾何学的作図において、これから幾つかの作図問題を考えていく上で重要 になってくる”作図できる数”について述べた。. 第1節では、幾何学的作図における定木とコンパスの使い方の定義と基本的な作図につ いて述べた。. 第2節では、与えられた2点から出発して、定木とコンパスにより、どのような点が作 図可能であるかということについて調べた。また、作図できる数と数体との関係、拡大体 の定義、数体の系列等、第2章以降で取り扱う作図問題を証明していくのに必要とされる 作図の基本的概念について述べた。.
(4) 第2章,3章,4章では、”古代ギリシャの3大作図不能問題”について取り扱った。 第2章では、その中の1つ、倍積問題について考察した。 第1節で、倍積問題の由来について触れ、第2節で、作図不可能性を証明していくわけだ が、結局は、3r7が作図できる数ではないということで解決した。 第3章では、円積問題について考察した。. 第1節では、円積問題の由来について触れ、また、代数的数の定義、作図できる数と代 数的数との関係について述べた。. 第2節では、まず、あとの証明に必要となってくる基本対称式に関する定義、性質につ いて述べ、そこから円積問題を証明していくわけだが、結局はπが超越数であることです べてが解決するものであった。. 第4章では、角の3等分問題について考察した。 第1節では、角の3等分間題の由来について触れた。 第2節では、角の3等分問題が、”一般には作図不可能である”ことを証明するための. 例として、まず、θ=600の場合を取り上げ、その後、θの値による作図の可能・不可 能の判定基準を付け加えることによって、それに幅をもたせた。. 第5章では、正多角形の作図に関連した円の等分問題について取り扱った。 第1節では、円の等分問題を考えるときに基盤となる分円方程式について述べた。. 第2節では、正多角形の例として、正5角形と正7角形を取り上げ、その作図可能性に ついて調べた。. 第3節では、合同記号について触れた後、方程式の既約性を調べるのに使われるEisen−st. einの定理、正多角形の作図と大きく関係しているFermat素数について述べた。また、正 n角形が作図できるためのnの条件について調べ、定理の形にまとめた。 最後に、日頃より懇切にご指導いただいた渡辺金治先生に、この場をかりて深謝の意を 表します。また、修士課程在学中にお世話になりました三号生方に、心より感謝します。.
(5) 第1章 第1節. 作図. 作図とは. 古代ギリシャからの伝統の中に、与えられた条件を満足する図形を作図するのに、用具 を定木とコンパスに限るという約束事があった。. これから述べていく”作図”とは、すべて、道具として定木とコンパスのみを用いて、 描いていくものである。. まず、定木とコンパスの使い方を定義する。. 定義1.1. 定木とコンパスは、以下の用い方のみ使用可能とする。 [1] 「定木」は、与えられた2点を通る直線を、描くことができる。 [2] 「コンパス」は、与えられた点を中心として、与えられた長さを半径とする円を 描くことができる。. つまり、許された作図は次の通りである。. (i)与えられた2点を通る直線を描くこと (ii)与えられた点を中心として、与えられた半径の円を描くこと (iii)2直線の交点を定めること (iv)直線と円の交点を定めること. (v)2つの円の交点を定めること (vi)与えられた2点にコンパスの針をあて、その距離を変えずに他の位置へ移すこと 以下、本論文においては、次のものを作図可能であるとして議論を進めていく。. 1.
(6) (i)与えられた線分ABの垂直2等分線を描くこと。 (ii)与えられた任意の角の2等分線を描くこと。. (tii)直線1と点Pが与えられているとき、 Pを通り、1に垂直な線を描くこと。. (iv)直線1と1上にない点Pが与えられているとき、 Pを通り1に平行な線を描くこ と。. (v)与えられた、同一直線上にない、3点A,B, Cを通る円を描くこと。 (vi)円0と円外の点Pが与えられているとき、 Pより円Oへの接線を描くこと。. このような厳格な条件は、Platonの主張するところより始まる。幾何学の作図では、直 線・円以外を用いるべきではないという主張である。. 尚、第2節で取り扱う諸命題の証明は、 『数学への誘い』,羽鳥 裕久著,培風館、. r不可能の証明』、津田 丈夫著、共立出版社を参考にさせていただいた。. 一2.
(7) 第2節. 作図できる数全体. 作図問題では、xy平面上にαを1つの正数として、2点(0,0), (α,0)が与 えられている状態から出発する。そこから、定木とコンパスのみを用いて、一体どのよう な数が作図できるかをこれから調べていくことにする。. 本論文においては、点(a,0)が作図できることを”aという数が作図できる”と表 現する。もし、点(a,b)が作図できたのなら、 x座標、 y座標の両方が作図できるの で”a,bという数が作図できる”と表現するわけである。. また、複素数a+biが作図できるとは、複素平面をxy平面と同一視させて考えて、 点(a,b)が作図できることを意味する。. 定義1.2. x,y平面において、2点(0,0), (α,0)から出発して、定木とコ ンパスを有限回用いて作図できる数全体の集合を、複素数体Cの部分集合と考えて、F。と 表す。. Fa== {O, a, ’’’”}. まず、原点から出発して、x軸の正の方向に、コンパスによってαずつ区切っていくこ. とによって、αa(aは自然数)という数が作図できる。同様にx軸の負の方向に区切っ ていくことによって作図できる数はαa(aは整数)と拡張される。 ここで、数体について少し触れておく。. 複素数体Cの部分集合K(Kは空でない)の任意の元a,bに対して、 a±b∈K,. ab∈K、 a/b∈K(ただしb≠0)であるとき集合Kを数体であるという。 今後、本論文中に出てくる記号Q,R, Cは、有理数:全体からなる集合,実数全体から. なる集合,複素数全体からなる集合を意味し、それぞれ有理数体,実数体,複素数体を表 すものとする。. 命題1.3. αa,αbがF。の元ならば、α(a±b),α(ab),α(a/b)も F。の元である。ただし、b≠0とする。 一3.
(8) [証明]a,bをつぎの3つの場合に分けて証明する。. (i)a,b>0のとき(a≧bとして考える). 次の図1,2,3よりα(a±b),αab,α(a/b)はF。の元であることがわか る。. ct b. x. d(a−b) σく召. d(召+b) 図1. ぴ. 。く久. φ6丸. 図2. 図3. (iDa,b∈Rのとき (i)の場合を除くab<0、又はa,b<0のときを考えればよい。 これらの数の演算α(a±b)の結果は、次のいずれかになる。 a (lai±lbl) ・ ”a (lal±ibl). αa∈F。のとき、一αa∈F。は明らかなので、これらはすべてF。の元であることがわ かる。. また 一4.
(9) a (a b) =± ala llblE Fa ・ or. (a/b) =±a (lal/lbl) EFa である。. (ima,b∈Cのとき a=a1+a2i,b=・b1+b2i(a1, a2, b1, b2∈R)とおくと a (a±b) =a { (ai±bi) 十 (a2±b2) i} となる。. ここで、αa∈F。⇔αal,αa2∈F。である。. (ii)よりα(al±b1),α(a2±b2)∈F。なので、α(a±b)∈F。となる。 また. aab=:a { (aibi−a2b2) 十 (aib2−a2bi) i} EF.. ・(÷)一・(a藷含i身2+a藷含iタ2i)∈F・ も(ii)より導き出すことができる。. したがって、F。のすべての元をαで割った集合(1/α)F。は数体である。. 0でない元を含む数体として、最小のものは、有理数体Qなので、F。はαのQ倍の元を すべて含む集合である。. よって、作図できる数は、αa(aは有理数)と拡張される。. 命題1.4. αaがF。の元ならばα∫万もF。の元である。. [証明]命題1,3と同様に3つの場合に分けて考えていく。. (i)a>0のとき 図4のように、直径が(a+1)で. /鯉 函’1、、. ある円を描き、αaとαの間に垂線を. ノ’ @/’. 、\. \\、.. 立て、左右2つの直角3角形を作ると、. ズ. これらは相似になるので、対応する辺. \\. ’. の比から、 び. ぴ(λ. aa:x=x:a. ノ. /. x>0より、 x=α、/一ぞ「. ノ .,/. よって、αゾ五∈F。となる。. ’X”,K. (ii)a∈Rのとき 一5 一. \. 図4.
(10) a<0の場合を考えればよいので、α」百=iα≠Tガ「となる。. i∈F。、 (i)よりα∫T司一∈F・なので、命題1・3を用いるとiαJ15「一 ∈F。が得られる。 よって、αノ『万∈F。となる。. (iii)a∈Cのとき. a=a1+a2i(a1, a2∈R)とおく。 複素平面における図5より、αr万∈F。がわかる。. t .dia ・ d.(d3のん) ヒ. 〆∫琢. ≒了F』1. 図5 命題1.5。 Kを数体、βをKの元で、βの正の平方根X万がKの元でないとき、集合 K’=: {y十z Vi一 ilruz; y, z E K}. はKとf万を含む最小の数体である。 [証明]yl,y2, zl, z2∈K,y2+z,」吾≠0とすると、. (y且十z,」77)±(y2十z2」万)=(yl±y2)十(z1±z2)」万∈K’ (y ,+ z ,./一 B一) (y ,+ z ,vf一 一B一) = (y,y ,+ z , z 2 B). 十 (YiZ 2十 y2z ,) V一 nBr EK, (y i+ z iV一 一B一) 一 (y ,y ,一 z,z ,B) + (y ,z,一 y,z ,) 」’ ”B一’. EKt. (y 2+z2V一 nB一) y,2−z,2B したがって、集合K’はKとザβ7を含む最小の数体である。. 定義1.6. Kを数体、βをKの元で、βの正の平方根X万がKの元でないとき、集合 Kt== {y十zvr jlr; y, zEK} 一6一.
(11) をK(」3)と表わし、Kにf万を付加して得られる数体という。 また、数体K(vf’β)の元が、 y+ZV「β, y「+z’V一’ B一てy, z, y’, z’∈K). のように、2通りに表されたとすると y+ZJ.β「=y’+ZfV一一βL (y−y’) = (z−z’) V−Br. となる。z≠z’と仮定すると. y−y’ EK ≠万=. z−zr. となり矛盾するので、 Z=Z’, y==yr. つまり、数体K(ゾ石)の元の表し方は、ただ1通りである。 (表現の一意性). ところで、定木とコンパスによる作図では、作図を進めていく段階で、新たに作図でき. る数になるものとして、2直線の交点,2つの円の交点,円と直線との交点があるが、こ ,れらの交点がどのような集合に属するかを、次に調べていく。. (1)2直線の交点. 異なる2点A(αx、,αy、),B(αx2,αy、)を通る直線1と異なる2点C( αx、,αy、),D(αx、,αy、)を通る直線mが1点(αp,αq)で交わる場合、 p、qはx、,…. , x、, yl,…. , y、を含む最小の数体に属する。. なぜならば、1,mの方程式は 1:ax十by=αc. 一一一一一一一・一一一一一一一一一一一一一 (1). m:a’x十b’y=ac’ 一一一一一一一一一一一一一 (2). とかける。ただし∼a=y2−yl, b== x・一x2, c=x・(y2−y・♪一y・(x2−x・♪ a’=y4−y3, b’=x3−x4, c’==x3(Y4−Y 3,一Y 3(x 4−x3,とする。. したがって btc 一b c’. p=. abLa’b. ac ’一 a’c. q ==. ab t一 a’b. となる。. (II)円と直線との交点. (.1)における直線1と中心C(αx,,αy、),半径αrの円0が(αp,αq)で 交わる場合、x、,…. , x3, y、,… , y3, rを含む最小の数体Kのある元s> 一7一.
(12) 0をとれば、p、 qはK(4一百)に属する。. なぜならば、円0の方程式は O: (x 一 a x 3) 2,十 (y 一 a y 3) 2= (a r) 2 一一 一一一一一一一一 一一一 (3). とかける。. したがって、pはxの方程式 Lx2十 2 aMx十a2N == O. の解となる。ただし、L, M, NはKの元である。. ゆえに、pはs=M−LNとするとK(」冨)の元である。 (皿)2つの円の交点. (II[)における円0と中心A(αx、,αy、),半径αtの円0’が(αp,αq)で 交わる場合、x1, x,, y、, y3, r, tを含む最小の数体Kのある元s>0をとれば、. p,qはK(∫す)に属する。 なぜならば、円0’の方程式は O’: (x 一 a x i) 2十 (y 一 or y i) 2== (a t) 2 一一一一一一 一一一 一一一一 (4). とかける。. (4)一(3)を考えるとp,qは(3)式とL’x+M’y=αN’を満たす。ただし、 L’,M’, N’はKの元である。. したがって、 (II)の場合と同様の結論を得る。. (1)∼(皿)より、1回の作図操作によって生じる交点は、Kを数体、β∈K、!万 ミKとすると、集合αK(V“ 怐jの元となる。 以上のことから、次のことがいえる。. 命題1.7. aがF。の元でαQの元でないとき,K・=Qとして、次の性質をもつ数体の 系列K。,K、, K2,…. ,K。が存在する。. K1=K。(V−7BTII),β、∈K。, A/一.βπミKo. K2=K、(rBi),β2∈Kl,価ミK、 Kj== K j−i (VTBTi・一) , B j E K j−i, VTBT;・ ’X,Kj−i (j 一一 1, 2, …. aヤミαK。一、,a∈αK。. 特に、0<a∈Rの時はβj>0にとれる。 今までの議論から 一8. , n).
(13) Fa=aFi となることは明らかである。. 尚、第2章以下の作図問題では、初めに与えられている点が、 (0,0), (1,0) であるとして考えていくことにする。. 一9.
(14) 第2章 第1節. 倍積問題. 藁積問題の由来. 今から二千数百年前、ギリシャのデロス島で、悪疫が流行したので、神様にお伺いを立 てた所、”今の立方体の祭壇を、ちょうど2倍の体積をもつものに作り変えよ”という神 託があった。. ところが、柱や梁(りょう)の長さを変えて、1辺がもとの2倍の立方体の祭壇を作っ てしまったので、体積は8倍になってしまい、悪疫は止むどころかますます猛威を振るっ たという。. そこで、Platonは、体積を2倍にするためには、柱や梁の長さをどのように定めればよ いかを考えた。. これが倍積問題の始まりといわれている。. この伝説の神は、デロス島の守護神なので、この問題は別名『デロスの神殿の問題』と 呼ばれている。. さて、この問題を幾何学的に言い換えると次のようになる。. 「1辺αの立方体がある。そのちょうど2倍の体積をもつ立方体の1辺を作図せよ。」. 求める立方体の1辺をxとすれば x3== 2 a3. x=a3f2 つまり、2点(0,0), (α,0)が与えられている時、定木とコンパスのみを用い て、α3v「7が作図可能な数かどうかということである。. ところで、第1章における命題1.7の後に述べた関係式 F.==aFi. より、第2節では、計算を簡素化するために、α=1として考えていくことにする。. 一10 一.
(15) 尚、第2節で取り扱う諸命題の証明は、. 『数学への誘い』,羽鳥 裕久著,培風館を参. 考にさせていただいた。. 一 il.
(16) 第2節. 作図不可能であることの証明. 命題2.1. 3V「一2一は無理数である. [証明]㍉「2が有理数であると仮定し、3」2=m/n(m,nは互いに素な自然数)と おく。. 両辺を3乗ずると 2n3==m3 一一一一一一一一一一一一一一一一 (1). となる。. 左辺は偶数なので、右辺のm3も偶数である。 ゆえに、mは偶数となり、m=2m’(m’は自然数)とおける。. これを(1)式に代入すると. n3=4mr3 となるので、同様の論法より、nは偶数であることがわかる。. よって、m, nは公約数2をもつことになり、仮定に矛盾する。. ゆえに、3Mは無理数である。. 命題2.2. 3V「7は定木とコンパスを有限回用いて作図できる数ではない。 [証明]3V一2が作図できる数であると仮定すると、3」一2一\Qであるので、第1章におけ. る命題1.7より次のことがいえる。 K。=Qとして次の性質をもつ数体の系列K。,K、, K2,… , K。が存在する。 Ki=:Ko (V−TBTT) , O〈BiEKo, vFJB−XKo K,=K, (VTBT5) , O〈B,EK,, V一/BJ−5 X K,. Kj=Kj一, (VTBT・), O〈BjEKj一,, V−rBTi・一ks.Kj−i (j ==1, 2, …. , n). 3」2一ヤミK。一1,3r7∈K. このとき、3V「2=y+ZJβTMF(y, Z∈K。.、, Z≠0) …一一………一一一一(2) とかける。. (2)式の両辺を3乗ずると 一12 一.
(17) 2 == y3+ 3 y2z fB一+3yz2B n+ Z 3BnfB=. =y3+3yZ2βn+(3y2Z+Z3βn)V一“rBrL i となる。. ここで、y3+3yZ2β。,3y2Z+Z3β。∈K。一、なので、第1章における定義1。6 の次に述べたK(」β)の元に関する表現の一意性より. y3+3yz2Bn=2, 3Y2Z+Z3Bn=O となる。. また、これらより、. 2 =y3+3yz2Bn m (3y2z+Z3Bn) JTBTF = (Y−zV−TBTI) 3. と変形できる。. よって、実数の範囲で、2は立方根として、y±z研の2つももっことになり矛盾す る。. 故に、3」2は作図できる数ではない。. 13 一.
(18) 第3章 第1節. 円頭問題. 円積問題の由来. 与えられた多角形と面積の等しい 3角形は、容易に描くことができる。. また、図1にしたがうと x2十r2=z2 一一一一一一一“ (1). という関係式を得るが. k. r2== y2+ ( t a一 一i一 h) 2,. x. ズ. ・・一y・+(÷・+÷h)・. o 吾. x. より(1)式は. ・,/. N ’x. x2= 4ah 2. a. ’i’. h AX“sN.L..h−h....一tf”. 7. と変形されるので、底辺aと高さhが与. 図1. えられた、3角形と面積の等しい正方形 (1辺x) を描くことができるということがわかる。. したがって、辺の数が無限に大きくなった場合を考えて、”与えられた円と面積の等し い正方形が作図できるか?”という円積問題が生まれた。. ところで、第1章における命題1.7の後に述べた関係式. Fa=aFi より、今後、計算を簡素化するために、与えられた円の半径を1として考えていくことに する。. 一14.
(19) 円の半径を1,求める正方形の1辺をxとすれば x2== 1.1.X より. x=ザヲガ となる。. 第1章における命題1.4より、πが作図可能な数であればJTもまた作図可能な数で ある。. ここで、代数的数について触れておく。. 定義3.1. 有理係数の多項式 f (x) == x”十 aix”一i十...十an−ix十an. の零解になる数を代数的数という。. 命題3.2. 2個の代数的数a,bに対して、a±b, ab, a/bも代数的数である。 この命題の証明は省略させていただく。. 尚、詳しい証明に関しては『ガロワと方程式』草場 公邦著、朝倉書店を参照していた だきたい。. この命題より、代数的数の全体からなる集合は体をなしていることがわかる。. 命題3.3. Flの元は代数的数である。 [証明]まず、βが代数的数の時、v「育も代数的数であることを示す。. βは代数的数なので B”+ ciB ”一’+ . . . + c. :O. となるCj∈Q(j=1,2,…. ,n)が存在する。. よって、f万は x2n十cix2”一2十 . . .十cn=O の解である。. したがって、X万は代数的数となる。. 有理数は代数的数なので、a∈F、, alKQとすると第1章における命題1.7より、次 一15 一.
(20) のことがいえる。. K・=Qとして次の性質をもつ数体の系列K・,K、, K2,… , K。が存在する。 Ki=Ko (V−TBTI) , O〈B,EKo, VM’JBJ−ll’is〈Ko. K2=K, (rB5), O〈B,EK,, [BSXK, Kj=Kj一、([BTI・),0<βj∈K,.、, V一βダ了ミKj_、(j=1,2,…. , n). a’1{gK.一i, aEKn. 次に、Kjの元が代数的数であるとき、 K」.、の元も代数的数となることを示す。. Kjの元は代数的数であるので、βj+1∈Kjから価7f も代数的数であることがわか る。. また、x∈Kj(V一βj.、)とすると、 x=y+z研;T(y, z∈Kj)と表されるが 命題3、2より xは代数的数となることがわかる。 ゆえに、K。の元は代数的数ということになり、 F、の元は代数的数であるという結論を 得る。. また、有理係数の多項式. f (x)=xn十alxn一1十…. 十an_1x十a.. の三二にならない数、つまり代数的数でない数を超越数という。. 結局、円積問題は「πは超越数である」ということを証明すれば解決する。 以下、第2節ではπの超越性について調べていくことにする。. 尚、第2節で取り扱う諸命題の証明は、『ガロアの理論』1.スチュワート著、永尾 汎監訳、新関 章三訳、共立全書を参考にさせていただいた。. 一16.
(21) 第2節. πの超越性. ここでは、まず、基本対称式について少し触れておくことにする。. 定義3.3. fを数体K上の多項式とする。 Kの元αがfの単根であるとは、f(t)が、 (t一α)で割り切れて、 (t一α)2で 割り切れないときをいう。. また、元αがfの多重度mの根であるとは、f(t)が、 (t一α)mで割り切れて、 (t一α)m+1で割り切れないときをいう。. 多重度が1より大きい根を重複根、あるいは多重根という。. (多重度も数えて)r1個の1次因子の積として表されるn次多項式を考える。 f (t) =k (t−ai) (t−a2) …. ただしk∈Kで、αi(i=1,2,…. (t−a.). ,n)は必ずしも異なるとは限らないCにお. ける根である。 f (t) == ao十 ait十・..十a.t”. と仮定し、はじめの式を展開したものと係数を比較すると. an=k a.一i =一 k (ai十 a2十 ...十a.) a..2 :k (a1 or 2十ala3十 ’ ’ ’十an−1an). ao= k (一 1) ”evior 2. .. a.. を得る。. 右辺のα、,…. ,α。に関する(±kを度外視した)式は特別な名でよばれている。. 定義3.4. 不定元t、,… ,t。に関するr次の基本対称式 Sr (t 1, ’”, tn). とは、元t、,… ,t。の中から、互いに異なるr個の元をとって積をつくったものす べての和である。 一17 一.
(22) 尚、上の等式は a.一, == k (一 1) rs, (a i, . . ., a.). と簡単にまとめることができる。. これらの多項式は、不定元t・の置換によって不変であるという意味で対称的である。 基本対称式以外にも対称式は存在する。. たとえば、t12+t22+… +t。2などがそうである。 しかし、すべての対称式は基本対称式で書き表される。. ここで、πの超越性を証明するのに必要な命題を1っ紹介しておく。. 命題3.5. 体K上のtl,…. ,t。に関する任意の対称式は、次数が与えられた対称. 式の次数以下の、基本対称式S,(t、,…. ,t。) (r=0,…. , n)に関するK. 係数の多項式で表される。. この命題の証明については、ここでは省略させていただく。 尚、詳しい証明に関してはSalmon, G, Lessons introductor y to the〃modern、Higher/Algebra,及. び、吻π4ε7肱er4επ, B, L, Modern Algebra (2vols)を参照していただきたい。. 最後に、1882年、Lindemannによって発見された「πの超越性」の証明によって、 円積問題は見事、解決をむかえるわけである。. 命題3.6. πは超越数である。. [証明]πをある0でないQ上の多項式の根であると仮定する。 その時、i=、π=丁とするとiπも代数的数となる。. そこで}θ、(x)∈Q[x]をその根がα1=iπ,α2,…. ,α。であるような多. 項式とする。. Eulerの有名な定理より elx十 1= O. であるから (e i”+1) (e a2+ 1) . . . (e a”+1) == O 一一一一一一一一一一一一・一一一一一一 (1). 一18 一.
(23) 次に、整係数の多項式で、その根が(1)式を展開したときに現れるeの指数α、、+・ ・・. {α、,(1≦r≦n)であるようなものを構成する。. 例えば、eαSeαt・1… 1となる項は指数α,+α、を与える。 対S、tをすべてとってα、+α2,… ,α。一、+α。が得られる。. これらの基本対称式はα、,… ,α。の対称式ともなるから命題3,5よりそれらは α1,…. ,α。の基本対称式の多項式として表される。. すると、これらはα、,…. ,α。を根としてもつ多項式θ1の係数で表現される。 よ. って、対S,tからつくられた和α、+α、はある方程式θ2(X)=0を満たす。 ここで、θ2は有理数を係数とする多項式である。. 同様にして、α、のk個の和の全体はQ上のある多項式θ、(x)の根となる。. そのとき、θ、(x)θ2(x)…. θ、(x)はQ上の多項式で、その根は(1)式に. おけるeの指数である。. xのある適当なべきで割り、ある適当な整数をかけると根が(1)式の展開式における 0でない指数β、,… ,β,であるようなZ上の多項式θ(x)が得られる。 ところで、 (1)式は次の形. eBi+...+eBr十eO十...十eO==O すなわち. eBi十…. 十eBr十k==O (kEZ) 一”””一””一”一一一”一’ (2). の形で書かれる。. (1)式の展開式には1・1・…. 1なる項が現れるからk>0である。. さて、θ(x)を e (x) =cox r+ cix r−i + ・ ・ . + c. (co 7E O). とおく。ここで、0はθの根でないからC,≠0である。 そこで csxp“i {e (x) }”. f (x) =. (p−1)!. とおく。. ここで、s=rp−1でpは任意の素数とする。 また. F(x)ニf(x)十f’(x)十… 十f(s+P)(x) と定義する。. ここで、f(s+P÷1)(x)=0であることに注意すると. d. dx{e−XF. (x) } =一emXf (x). を得る。. 19.
(24) よって. e一。F(x)一F(。)一一∫e一。f(y)dy O. ここで、y=λxとおけば ユ F(x)一,.F(。)一一x∫。・1一・・。f(λ。)dλ O. Xをβ、,… ,β,上にわたって動かしてその和をとると(2)式より ,S .(β、)+kF(。)一一圭β、1,,、一、、)β、f(λβ、)dλ. 」=1. j=1 0. 一一一一・一一一一一一一一一一一一一一一一一・ (3). を得る。. ここで、十分大きいすべてのpに対して上式の左辺の値は0でない整数となることを以 下に示す。. o〈t<pならば. r. Σf(t)(βj)=O. j=1. 次に0でない項を得るには{θ(x)}Pを少なくともp回微分しなければならないから p≦t≦s+pなるtに対して各微分f(t)(β」)はpを因数にもつ。 そのような任意のtに対して. r. Σf(t)(βj) 」=1. は次数がs次以下のβjの対称式である。. したがって、それは命題3.5より次数がS次以下の係数C、/Cに関する多項式である。 f(x)の定義における因子csにより上の式は整数となる。. よって、t≧pのときは適当なkt∈Zに対して. r. Σf(t)(βj)=pkt j=1 とかける。. さて、F(0)に注目する。. 適当な1、∈Zに対して f,。(。)一{1、llチ2t了8一、). 1tP (t≧P) したがって、 (3)式の左辺はあるm∈Zに対して 一20一.
(25) mp十kcSc,P(P≦t) となる。. ところで、k≠0, C≠0, C,≠0であるから. P>max(klcllc・1) となるように素数pを選べば、 (3)式の左辺はpで割り切れない整数となるから0では ない。. 最後に(3)式の右辺を評価する。. lf(λβ・)1≦ csβ」pぞ。讐lj!))p. ここで、m(j)=suplθ(λβj)1 0≦λ≦1 したがって. 1一至β、∫1e・・一・・β・f(λβ、)dλL』1β ’lplc sllm(j)IPB. j=1O. j=1. (P−1) !. ここで. B−maxl∫。・・一・,β、dλ[. J. む. よって、上の式はp→o。のとき0に収束するため矛盾する。 ゆえに、πは超越数である。. 一 21.
(26) 第4章. 角の3等分問題. 角の3等分問題の由来. 第1節. 任意の大きさの角を、定木とコンパスを用いて、2等分することは簡単である。. また、その角をさらに2等分することによって、任意の大きさの角を4等分することも 可能である。. では”3等分は?”と考えて生まれたのが角の3等分問題である。 つまり、角の3等分問題とは、 「与えられた任意の大きさの角を3等分せよ」 というものである。. まず、図1のように、xy平面上に、. B. 0を原点、OA=1となるように点A をx軸上にとる。. OB=1、∠AOB==θとすると点 Bの座標は、. c. B(cosθ,sinθ)と表される。 / e!イー/ /一. 仮に、∠AOBが3等分できたとし て、3等分線上に、OC=1となるよ. 0. うに点Cをとると、点Cの座標は、. e .. 旦 s. e. c lc os m5一, sin 5一. となるので、角の3等分問題では、. 図1 この点Cを求めることに帰着される。. 一 22.
(27) ところで、加法定理を利用すると、. le 一3cos 1T cos e == 4cos3e[ 1一 :一1 31 VVVV [3. と変形できる。ここで、cosθ=α、計算の都合上、2cos(θ/3)=xとおくと 角の3等分方程式 x3−3x−2a=O 一一一一”’一一”一一一一一一一 (1) を得る。. 結局、:角の3等分問題では、 (1)式の解が、与えられた2点(0,0), (1,0) を出発点として、定木とコンパスを有限回用いて、作図可能かどうか調べていけばいいと いうことになる。. ところで、角の3等分問題が、”一般には作図不可能である”ということを証明するた. めには、1つでも反例(作図できない例)をあげればいいので、第2節では、θが一般角 の場合について考えていく一方で、3等分できない代表的な角として、θ=60.の場合 をとりあげて考えていこうと思う。. 尚、第2節で取り扱う諸命題の証明は、 『数学への誘い』,羽鳥 裕久著,培風館、及 び、柳原 弘志氏による講義録「作図不能問題」を参考にさせていただいた。. 一 23.
(28) 第2節. 一・. ハには作図不可能である証明. 第1節の角の3等分方程式 x3−3x−2a==O ’一一”一一”一一一” (1). において、θが一般角の場合について考えていくわけだが、ここでは、 (1)式をもう少 し一般化させた次の命題の証明から始めることにする。. 命題4.1. 整係数3次方程式 ax3十bx2十cx十d==O (atO) 一一一一一一h一一一 (2) の解が、作図可能な数であるとすると、 (2)式は少なくとも1つの有理数解をもつ。. [証明] (2)式の解をx、,x2, x,とし、 x1が作図可能な数で有理数でないとすると. 第1章における命題1.7より次の事がいえる。 K・=Qとして次の性質をもつ数体の系列K。,K、, K,,…. , K。が存在する。. K,一 K6 (VM7BJT) , B,一 一 1. K,==K, (JB7E) , B,EK,, JBi X K,. Kj=・Kj.,(rB:・),βj∈Kj一、, JB:「逢ミK」一1(j=1,2,…. , n). x,ミK。一、,x正∈K。 このとき、. X1=y十Z>一β一K(y、 Z∈K。一1, Z≠0) とかける。. これを(2)式に代入すると、 a (y十z[B一) 3十b (y十zJB一) 2十。 (y十zfB一) 十d==O. ay3+3aBnyz2+by2+bB.z2+cy+d +(3ay2Z+aβnZ3+2byZ+CZ)凧=0. 一一一一一一一一・・一・・一一・一一一一一 (3). となる。. ここで、. A= ay3+3aB.yz2+by2+bB.z2+cy+d,. B=3ay2z+aB.z3+2byz+cz −24 一.
(29) とおくと(3)式は、. A+Bノ「丑=0 とかける。. .. A,B∈K。.iなので、第1章における定義L6の次に述べたK(ゾβ)の元に関する 表現の一意性より A=O, B == O となる。. また、これらを用いると、 A−B [B− == O. となることから、A, Bをもとにもどすと、. O=ay3+3aB.yz2+by2+bB.z2+cy+d 一 (3ay2z+aB.z3+2byz+cz) V“TB− =a (y−zVTBT−K) 3十b (y−z[B−) 2十。 (y−zV−JB−) 十d. となるので、y−zV−JB。も(2)式の解の1つということがわかる。 また、X2=y−ZV一β玉ζおくと、 X2XK。.1, X2∈K。は明らかである。. ここで、解と係数の関係を用いると、x、+x2+x3=一b/aとなるので、 (y十zfB一) 十 (y−zJB=) 十x3==一b/a つまり、. x3=一2y一 (b/a) を得る。. y,a, b∈K。.iより、 X3∈K。一、となるが、 K。一iよりも手前にある数体の元である 可能性も出てくる。. そこで、X、RK。とし、 X,ミK龍、, X3∈Kmとなる自然数mが、1,2,…. ,. n−1の中に存在すると仮定すると、 x3= y’ 十z’ VTBTill (y’, z’ E K.一i, z’ t O). とかけて、前述のx、に対する議論と同様の論法より、x、, x2のいずれか一方が、 y’ 一Z’. 冝i∈Km)と一致するはずである。. ところが、X1, X2ヤミK。.、より、 X、, X2ミKmとなり矛盾する。. よって、x、∈K。、つまり、 x、は有理数でなければならない。. したがって、 (2)式の解が、作図可能な数であるとすると、 (2)式は少なくとも1 つは有理数解をもつ。. 例えば、θ=60.の時、 (1)式は、 x3−3x−1=O 一一一一一一一一一一一一 (4) となる。 .25曜.
(30) 命題4.1を用いると、もし、60.が3等分可能ならば、 (4)式は少なくとも1っは 有理数解をもつはずである。. 命題4.2. x3−3x−1=0は有理数解をもたない。 [証明コ (4)式が有理数解をもつと仮定し、x=m/n(m, nは互いに素な整数)と おき、 (4)式に代入すると m3一 3mn2一 n3= O 一一 一一一一一 一一一 (5). m3=n (3mn十n2) となる。. ここで、nが素因数pをもっているとすると、左辺も素因数pをもっことになる。 つまり、pはmの素因数となるので、 m, nが互いに素であることに矛盾する。. よって、n=±1となる。 逆に、 (5)式をn3=m(M2−3n2)と変形することによって、同様の論法より、. m=±1が得られる。 したがって、x=±1となるが、これは(4)式の解とはならない。 すなわち、 (4)式は有理数解をもたない。. 第1節でも述べたが、”任意の大きさの角は一般には3等分できない”ことの証明はθ =60。の時の作図不能性を示せば十分であるが、これだけではあまりにも物足りないの で、以下の判定条件を付け加えておく。. 命題4.3. 整係数3次方程式 ax3十bx2十cx十d=0(a≠0). 一一一一一一一一一一一一一一一一・ (2). が有理数解m/n(m,nは互いに素な整数)をもっとき、 mはdの約数であり、 nはa の約数である。. ただし、d≠0とする。 [証明]x=m/nとして(2)式に代入すると、 am3十bm2n十cmn2十dn3== O 一一一一一一一一一一一 (6). dn3=一m (am2十bmn十cn2) となる。. ここで、mは右辺の因数で、しかも、 m, nは互いに素ということから、 mはdの約数 一26 一.
(31) ということがわかる。. また、 (6)式をam3=一n(bm2+cmn+dn2)と変形することによって、同 様の論法より、nがaの約数であることを得る。. 例えば、命題4.3を用いると、θ=60.の時、 (4)式よりmは一1の約数、nは1 の約数となり、x=±1を得るが、これは(4)式の解とはならないので、60.の3等 分は不可能ということが判断できる。. 最後に、ここではその証明については触れないが、一般にn。の作図可能性について次 の命題が成立する。、. 命題4.4. nを自然数とするとき、n。が作図可能となるための必要十分条件は、 nが 3の倍数となることである。. この命題より、n=3m(mは自然数)としたとき、任意の角θが3等分可能であるた めの必要十分条件は、θ=3n、すなわちθが9の倍数となることであるという結論を得 る6. 一 27.
(32) 第5章 第1節. 円の等分問題. 分円方程式. 第2章から第4章まで、3つの作図不能問題について考えてきた。 この章では、作図不能問題ではないが、定木とコンパスのみを用いての作図問題として、 円の等分問題をとりあげることにする。. 円の等分問題とは、原点を中心とした半径1の円周上に、z。=(1,0),z、, z、, …. ,Z。.、のn個の点を等間隔にとることによって、円に内接する正n角形を作図する. ものである。. まず、方程式 zn == 1 一一一一一 一一 一・一一一一 一一一一一一一一一一一. (1). を複素平面上で考える。. θ=2π/n(n≧2)とおくと、・n個の点zo=1,z、=cosθ+isinθ,z2=. cos2θ十isin2θ,… ,zn_、=cos(n−1)θ十isin(n−1)θは 単位円をn等分する。 do Moivreの定理より、. zkn==cos (nke) 十isin (nke) =1 となり、z、はn次方程式(1)の解であることがわかる。. よって、円の等分問題では、この分円方程式zn=1の解が作図できる数であるかどうか を調べればよい。. 第2節以降では、z。, z、, z、,…. , zn一、を解とした分円方程式を. Zn−1= (Z−1) (Zn−1十Zn−2十…. 十Z十1). と変形して、z。=:1とおき、z、=cosθ+isinθの実部が作図できる数であるか 28.
(33) どうかを調べていくことにする。. Z、が作図できる数なら、Z2, Z,,…. もコンパスを用いると作図できるというわけ. である。. 尚、第3節における諸命題の証明は、 『不可能の証明』、津田 丈夫著、共立出版社,. r初等幾何学作図問題』、窪田 忠彦著、内田老鶴圃新社を参考にさせていただいた。. 一 29.
(34) 正5角形,正7角形の作図. 第2節. [1]正5角形の作図可能性. 第1節よめ、n=5のとき、分円方程式は z5−1== (z−1) (z‘十z3十z2十z十1). となりz1は. z4十z3→一z2十z十1=0 の解となる。. z≠0より両辺をz2でわると z2+z+1+’. @t+ t, =O ”一”一一一一一“”一’ (2). となるので、 t=z+2一とおき(2)式に代入すると z. t2十 t−1 =O となる。よって、 t =:. 一1±」ぢ 2. となり、tをもとにもどすと ・+. ?黶p1吉伍より. 2z2+(1一ノー一5一)z+2=0 一一一 1 +」一5一± i ”’cr; z ==. 4. となる。. 同様に ・+. ?鼈?i巧より. 一1一ザ「5一±iゾ丁0−2 」’5. z ==. 4. が得られる。. Zlは実部,虚部ともに正であるので 一1十,/一一一5一→一iV一丁「〔rF−2−7””9”. Z1==. 4 一 30.
(35) となる。. このz1の実部が作図できる数かどうかを調べるわけだが、. 一1+」5 GQ (VMr13rr) 4. よりこれは明らかである。. ゆえに、正5角形は作図可能である。 次に、具体的な作図法を紹介しておく。. まず、図1のように、半径rの円に内. 接する正10角形の1辺ABの作図から. 考える・. ,淑\. 一/,p. 単位円周上に点Aをとり、・OQ⊥OA,. /. o脳ご二難論分 /. 図1 [2]正7角形の作図不可能性 正5角形の作図のときと同様に考えると、z且は z 6十 z 5十 z 4十 z 3十 z 2十 z 一i一 1 == O. の解となる。. 両辺をz3でわると z 3+ z 2+ z+1+ t + ÷, + t, == O 一”” 一’一一’h一一一’一’ (3). となるので、t=z+ 1 とおくと z. ・・+i、一(・+1)2−2 ==・・一2 z3+ t, == (z+ t) (z 2一 1+ t, ) =t (t 2一 3). より(4)式は t3十t2−2t−1 =O 一一一一一一一一一一一一一一一… (4). 31 ..
(36) と変形できる。. 第4章命題4.3より、 (4)式が有理数解m/n(m,nは互いに素な整数)をもてば、. m,nはそれぞれ1,一1の約数となるので、(4)式はt=±1を解にもっことになる。 ところが、 (±1)3+(±1)2−2×(±1)一1=不1(複合同順) となりこれは矛盾する。. したがって、 (4)式は有理数解をもたないということになり、第4章命題4.1より、 (4)の解は作図可能な数でないことがわかる。. ここで、z’=cosθ+isinθとおくと. 1 A,. . A. 1. t == z十 i == ine十 cose十is. z vv 一’ v”一’“v’ cose十isine cose−isine. ==cose十isine十 (c ose十isin e) (c ose−isin e). =2cose となりtが作図可能な数でなければz1の実部も作図可能な数でないということがわかる。 ゆえに、正7角形は作図不可能である。. 一 32.
(37) 第3節. 正n角形の作図. [1]合同記号. 円に内接する正3角形,正4角形,正5角形,正6角形は作図可能で、正7角形は作図 不可能であることがわかった。. それでは、一般にはnがどのような数のとき作図可能となるかを、これから調べていく ことにする。. まず、今後の証明に必要となってくる合同記号について、次のように定義する。. 定義5.1. a−b=・ np(a,b,n,pは整数) であるとき、すなわちaとbの差がpの倍数のとき a=一=b (modp). と表し、これをpを法とする合同式といい、記号”≡”を合同記号という。. 合同記号は、同値性の条件を満足する。. (i) aEa (modp) (ii)a…≡b(modp)ならば、 b…≡a(modp). (jii)a≡b(modp),b≡c(modp)ならば、 a≡c(modp). 命題5.2. a≡a’(modp),b≡b’(modp)ならば、 a±b ii a’± b’ (modp). abia’b’ (modp) ,. が成り立つ。. [証明]定義5.1より、a’=a+mp, b’=b+np(m, nは整数)とおくと a’±b’=a±b十 (m±n) p. よって、a±b≡a’±b’(modp) a’b’== (a十mp) (b十np) 一33 一.
(38) == ab十anp十bmp十mn p2 =ab十 (an十bm十mnp) p よって、ab≡a’b’(modp). 命題5.3. pが素数のとき、ab≡0(modp)ならば. a≡0(modp)、またはb…手0(modp)である。 証明は簡単なので省略する。. [2]Eisensteinの定理. ある方程式が既約であるかどうかを調べる手段として、Eisensteinの定理が使われる。. ここでは、その証明を考えていくわけだが、その前にまず、次の定理から証明すること にする。. 定理5.4.(Gaussの定理)整係数の多項式. aoXn十alXn−1十a2Xn−2十。・・十an が有理数体で可約とする。. すなわち、2つの有理係数の多項式の積に分解されるときは、実はそれは、2つの整係 数の多項式の積に分解できる。. [証明コ (i)a。,a、, a,,… 条件より、有理数α。,α、,…. , a。の公約数が1以外に存在しないとき. ,α,,β。,β、,… ,β、を適当にとると. aoXn十a1Xn−1十a2Xn−2十… 十an = (or oxS+ aix S−i+ . . . + a ,) (Box t+ Bix ‘”i+ . . . + B t). 一一一一一一一一一一一 @(5). と分解される。. 右辺の係数の共通分母をとって整理すると. 右辺=⊥ (boXs+b、Xs’1千∴・+b、) (C・Xt+CIXt’1+●●●+Ct) p (b。,b、,… ,b,, c。, c、,…. ただし、b。,b、,…. , c,は整数)と変形できる。. ,b、の公約数が1以外に存在せず、c・,c・,…. −34 一. ,Ct.
(39) の公約数も1以外に存在しない。また、p(>0),qも互いに素な整数と定めることが できる。. ここで、p>1として、 pの素因数の1つをp’とすると、 b。, b、,… , b、の公. 約数は1以外に存在しないので、p’で割り切れないものが1つはあることになる。この 順に見ていって、最初にp’で割り切れないものをb。とする。. 同様に、C。, C、,… ,C、をこの順で見て、最初にp’で割り切れないものをCk とすると. (5)式の右辺におけるxh+kの係数= ⊥{bhck+(bh−lck+1+b,一2ck+2 p. + . . .) + (b ,.,C k−i+ b h+2C k−2+ . . .) }. となるが、p’が{ }内の約数とはならないのは明らかである。また、 p’とqは互いに. 素であることから、p=1を得る。 (ii)a。, a、, a 2,…. ,a。に最大公約数r>1が存在するとき. a。=ra。「,a、=ra、’,…. ,a。=ra。’とすると. ao’Xn十a1’Xn−1十a2’Xn−2十…. 十an’. は可約であるので(i)より整係数多項式の積にかける。よって、 aotx ”十aitx ”一i十a2’x ”一2十 . . . 十a.’. =q (boxS十bixS−i十...十b,) (coxt十cix‘+i十...十ct) であるので、両辺をr倍して aox”十aix”一i十a2x”一2十 . . .十a.. =r q (boXs十blxs−1十…. 十b、) (Coxt十CIXt}1十…. となる。. (i), (ii)よりGaussの定理は証明された。. 定理5.5. (Eisensteinの定理)整係数の多項式 f (x) = ao十 aix 十 a2x2十 ...十 a.x”. がある素数pに対して. [i]a。はpで割り切れない [ii]a。, a、,…. , a。.1はpで割り切れる. [iii]a。はp2で割り切れない が成立するとき、f(x)は有理数体において既約である。 [証明]f(x)が有理数体において可約であると仮定すれば 一35 一. 十Ct).
(40) ao十aix十a2x2十 . . .十a.x”. =(bo十b1X十b2×2十… 十b、Xs) (Co十CIX十C2x2十…. 十Ctxt). と変形でき、定理5.4よりb。,bl,b、,… ,’b、,C。, Cl, C、,… , C、を 整数と定めてもよい。. まず、a。=b。c。で、条件[ii], [iii]より、 b。≡0(modp),c。)Eil(mod p)とすることができる。. j=0,…. ,k(<s)のとき、bj≡0(modp)が成立すると仮定すると、」. =k+1のとき ak+i=boc k+i十bic k十 ’ ’ ’ 十bkc i十bk+ico. で、仮定より、bk+、≡0(modp)を得る。. よって、b。≡b、≡… ≡b、≡0(mOdp)となるが、a。=b、Ct≡0(mOd p)となり条件[i]に矛盾する。 ゆえに、f(x)は可約ではありえない。. 命題5.6. pが素数であるとき 一一一一一一一一一一一一一一一 @(6). f (x) =:xP−i十xP’2十...十x十1. はQ上既約である。. [証明]f(x)が既約であることと、f(x+1)が既約であることは同値なので (x 一 1) f (x) == xP一 1. において、xをx+1におきかえると. xf1(x十1)=(x十1)P−1 となる。. よって f (x+1) = i (,C,x p+ ,C,x p−i+ . . . +,C ,x P−k+ . . . +,C ,.,x,. x. 十pCP_1x1十pCp−1) p−1. ==xp一’i十 2 ,Ck−ixP−k十p 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 (7). k=1 となる。. ところで p (p−1) …. (p−k). (1$kSp−2) k (k−1) … 2・1. pCk==. より、。Ckはpの倍数となることは明らかなので、 (7)式に定理5.5を適用すると、. 一36 一.
(41) f(x)が既約であるという結論を得る。. [皿]Fer〃lat素数. 命題5.7. f(x),g(x)は数体Kにおける多項式で、 g(x)はKにおいて既約 であるとする。Cにおける多項式とみると、 f(x),g(x)が公約式(定数以外の共. 通因数)をもつならば、f(x)はg(x)で割り切れる。. [証明]f(x)がg(x)で割り切れないと仮定する。この時f(x)とg(x)との. 最大公約数r(x)はK上の多項式で、0<degr(x♪<deggでx♪である。. なぜなら、degr(x♪=degg(x♪ならば、g(x)がf(x)の約数となり矛盾 し、また、degr(x♪=0ならば、f(幻とg(x)が公約式をもつことに矛盾する からである。. 一方、r(x)はg(x)の約数であるから、 g(x)・=q(x)r(x) (ただし、. q(x)はK上の多項式)とかけ、g(x)の既約性に矛盾する。. 命題5。8. 数体の系列 Ko, Kb K2, ’”, Ki ただし、βj∈Kj.、,佃了ミKj.、, Kj=Kj.、(JBi・) (j=1,2,… , k). があって、K。(=・K)において既約なn次多項式g(x)が、 K,において初めて可約に なる(K1, K2,… ,KI.、において既約)とき、 nは偶数で、 g(x)はKlにおけ. る2つのn/2次既約多項式の積として表せる。 [証明]g(x)はK,において可約なので、因数分解を可能な限り続けると、Klにおけ る最低次数の因数Φ(x)が存在する。このとき、Φ(x)の係数はK,の元なので Φ(X)=(yo十ZoV”一7BTII)Xm十(yl十ZIV一βπ)X、m−1十…十(ym十ZmN「β「,) ただし、y。, Z。, y、, Z、,… , ym, Zm∈Kl.、, y。+Z。4一βk≠0. と表すことができて・最低次数ということから・Φ(x)はKlで既約で 2mSn 一一一一一一一一一一一一一 (8) となる。. また. Ψ(X)=(yo−Zo≠一β珪)Xm十(yl−ZIVTBTI)Xm−1十…十(ym−Zm、「颪k) 一37 ..
(42) もK,における多項式である。. ここで、2つの多項式の積Φ(x)Ψ(x)を計算すると. Φ(X)Ψ(X)=(yoXm十y、Xm−1十… 十ym)2 一βn(ZoXm+Z、Xm−1+… はK,一、における2m次多項式とわかる。. +Zm)2 /. これをCにおける多項式とみると、g(x)とΦ(x)Ψ(x)は公約数Φ(x)をも つので、命題5.7において、K=K,.1, f(x)=Φ(x)Ψ(x)とおくと、’2m 次多項式Φ(X)Ψ(X)がg(X)で割り切れる’という結論が得られるので 2m)n, 一一一一一一一一一一一 (9) となる。. したがって、 (8), (9)式より2m=nとなり ¢ (x) W (x) ==hg (x) (hEKi). と表すことができる。. ゆえに g (x) =h一’O (x) W (x). となり、Φ(x)は最低次数であることから、h”1Ψ(x)はK、における既約多項式とな る。. 次に、命題5.7,命題5.8をもとに、いよいよ正n角形の作図を考えていく。 まず、pを素数として、正p角形が作図できたとすると. 2z . . 2z. p Z1=COS m十1Sln− p. の実部,虚部が作図できる数となる。. z、≠1よりz、は(6)式のf(x)を用いるとp−1次方程式f(x)=0の解であ る。. また、z、ミQであるので、第1章命題1,7より次のことがいえる。 K・=Qとして、次の性質をもつ数体の系列K・,K・, K・,… , K。が存在する。 K,=’ K, (・VTB7T) , B,= 一 1 K,== K, (VTBT5) , B,EK,, VMIBTS St1K. K,. Kj=Kj一、(fB:・),βj∈Kj一,,研庵ミK」一、. ziXKn−i, zieKn すると、f(X)はK。においてX−Z、で割り切れて、商もK。における多項式となる。 すなわち、命題5.6より、f(x)はK。では既約、 K。では可約となるわけである。 そこで、この数体の系列をK。,K、, K、,… の1頂に見ていくと、 f(x)はK。,. 一38 一.
(43) K、,…. ,K。.、では既約、 K。では可約となるような番号g(1≦g≦n)が存在する. はずである。. よって、命題5.8より. p−1=2m(mは自然数) と表せて、f(x)はK。における2つのm次既約多項式の積として、φ、(x)Ψ、(x) と因数分解される。. m≧2のときは、Φ、(z・)=0、又はΨ・(z、)ニ0なので、前者が成り立つとする と、〈P 1(x)はK。では既約,K。では可約なので、 f(x)の場合と同様の議論より m==2m’(m’は自然数) を得る。. 以下、m’≧2のときは、同じ論法を続けていけば. P−1=2h(hは自然数) と表せることがわかる。. また、hが h=(2k+1)h’(k, hは自然数) のように奇数の素因数をもっていると仮定すると x2k+i十1= (x十1) (x2k−x2k−1十x2k−2一. . .一x十1). にx=2h’. 代. キると. 2h十1=(2h’十1)n(nは整i数) となり、n=1のときはh=h’となり、 n≠1のときは2h+1が素数であることに矛盾 する。. ゆえに. h=21(1は負でない整数) と表せる。したがって、次の結論を得た。. 命題5.9. pが素数のとき、正p角形が作図できれば. p=2h+1 (h=21,1は負でない整数) と表すことができる。. 素数pがこのような形をしているとき、これをフェルマー素数という。. 例えば、玉=0のときp=3,1=1のときp=5,1=2のときp=17,1=3の ときp=257,1=4のときp=65537となり、これらはすべて素数となっている。 しかし、1ニ5のとき 一39 一.
(44) p==4294967297=641×6700417 となりフェルマー素数でないことがオイラーによって発見された。. 現在、pが4万桁以下では、フェルマー素数は上記の5個しか見つかっていない。. 定理5.10. pがフェルマー素数のとき、正p角形が作図できる このことについては、ガウスによって証明されているが、. ここでは省略させていただく。. 尚、くわしい証明については、 『初等幾何学作図問題』、. 窪田 忠彦著、内田老鶴圃新. 社を参照していただきたい。. [4]円の等分問題の解決. 命題5。11. 自然数a,bの最大公約数をdとするとき xa−yb=d 一一一一一一一一一一一一一一一一一 (10). となる自然数x,yが存在する。 [証明]a≧bとして、a, bの最大公約数を互除法によって求めると次のようになる。. a=q、b+r、(q、, r、は自然数で、0≦rl<b). b=q、r、+r2(q2, r2は自然数で、0≦r、<rl) rr=q・r2+r・(q,, r3は自然数で、0≦r,<r、) rk−2ニq、r、一、+r、(q、, r、は自然数で、0≦r、≦rk) rk一、=qk+、rk(qk+、は自然数). このrkがa, bの最大公約数となるので、d=rkである。このとき. r、=a−q,b=自然数×a一自然数×b r2== b−q2ri =b−q,(自然数×a一自然数×b) =自然数×b一自然数×a r3== r 1−q3r2. =自然数×a一自然数×b−q、(自然数×b一自然数×a) ==自然数×a一自然数×b. −40一.
(45) のように続き、kが奇数のときは. d=自然数×a一自然数×b となり(10)式が導かれる。. まだ、kが偶数のときは. d=自然数×b一自然数×a となるが、この式の右辺を変形して. d=(bm一自然数)、×a一(am一自然数)×b(mは自然数) とすると、mを十分大きくとることによって、2つの()の中は正にすることができる ので、やはり(10)式が導かれる。 この命題において、d=1のとき、 a, bは互いに素というわけである。. 命題5.12. a,bが互いに素な自然数で、正a角形と正b角形が作図できるとき、正 ab角形も作図できる。. [証明]a,bは互いに素なので、命題5.11より xa−yb==1 一一一一一一一一一一一一一一一一一 (11). となる自然数x,yが存在する。 ここで、正a角形が作図できるとき、2π/aの角も作図できることに注目すれば、命. 題5.12は、’2π/aの角と2π/bの角が作図できるとき、2π/abの角も作図で きる’といいかえることができる。. (11)式の両辺に2π/abをかけると. 2z 2 z 2 z. 6一 x−Ty = 一s−rt となる。. 2π/aの角と2π/bの角が作図できるとき、2π/bのx倍の角,2π/aのy倍 の角が作図でき、その差も作図できる。 (ただし、2πを超える角が出てきた場合は、2 π未満の角に直して考える). ゆえに、命題5.12は証明された。 最後に、次の命題を考えていく。. 命題5.13.. pが素数のとき、正p2角形は作図できない .41 一.
(46) 第1節より、n=p2のとき、分円方程式は z p2 一1= (z p) p一一一 1= (z p一 1) { (z p) p”i+ (z p) pfi 2+ . . . +1} 一一 O. と変形できるので、z、は zp(p−i)+zp(p−2)+. . .+zp+1=O 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 (1 2). の解となる。. ここで、少し原始n乗根に?いて触れておく。. 定義5.14. 1のn乗根のうち 三竺i. (1$k$n−1) zk== en と定めたとき、kとnが互いに素となるものを1の原始n乗根という。. 特に、nが素数のとき、1以外の(p一ユ)個の1のp乗根は、ユの原始p乗根である。. 命題5.15. G(z)=zP(P“1)+zP(P『2)+…. +zP+1(pは素数). はQ上既約である。. [証明]f(z)を整i係数の多項式で、f(1)……1(modp)であるとし、 Fi (z) ==f (z) f (z2) …. f (z p). F2(z) 一一一f (z) f (z2) …. f (z p) f (zp’t) …. =Ao十A,z十A2z2十… (Ao, A1, A2,…. f (z s}7). は整i数). 一一.一.一一.一一一一一一一一.”t一 (13). とし、1の原始p乗根をα1,α、,…. ,α,一1,1の原始p2乗根をβ1,β,,…. βpz一. Pとおく。. ところで、f(z)を整係数の多項式で、 f(1)−…1(modp)とし、. co =cos 2π +isin 2π とおき、次のように考える。 p. p. F (z) == f (z) f (z 2) …. =Ao十Alz十…. (Ao, Al,…. とおき、zの代わりに1,ω,ω2,… (ω2)k,…. f (z p−i). は整数) 一一一………一一一一t(14). ,ωP−1を代入して辺々加えると(ω1)k,. , (ωP−1)kは、k≠npのとき、全体としてω,ω2,… ,ωP『1. に等しくなり、k=npのときは、すべて1となる。 一42 一. ,.
(47) また・1+(ω1)k+(ω2)k+.’●+(ω吟k ==. o91蕪器1. であるから、 (14)式は f (1)P“”1十 (p−1) f (ω) f (ω2) …. f (ωP−1). ・=p(Ao十Ap十A2p十・・・) ≡…0 (rnodp) と変形でき、. (P−1)f(ω)f(ω2>…. f(ωP“1)≡一1(modp) 一一……(15). という関係式を得る。. 1と)p2乗根をすべて(13)式のzに代入して、辺々加えると次のようになる。 P 一P. P −P. ユ. … f (βkP) Σf(βk)f(βk2) ΣF2(βk)、=. k・=1. k=1. =(P2−P)F2(β1). P−1. P−1. 2. … f (αkP) f(αk2) Σf(αk) ΣF2(αk)= k=1 k=1. =(P−1)F1(α1)P より. (13)式の左辺=(p2−p)F2(β1)+(p−1)F1(α1)P+f(1)P また、. (13)式の右辺=ΣAkzk(k・=O,1,… ) な =ΣAk(1+βlk+β12k+・一+β1(P’1) k) で’1+β’k+β’2k+●”+β1(p一”k., @[g・(嵩pJl) より. ・. (13)式の右辺==p2(A。+A,■+A2♂+…. ). となる。. よって、. (p2−p)F2(β1)+(p−1)F1(α1)P+f (1)P ==p2(Ao十A♂十A2p2十…. ). ≡0(modp2) となり. (p2−p)F2(β1)+(p−1)F1(α1)P+1≡0(modp2) 一一一一一一一・一一一一・・一一一一一一一一 (16). という関係式を得る。. 一43一.
(48) さて、G(x)が既約でなく、2つの整係数の多項式f(x),g(x)の積に分解さ れたとすると、G(x)=0の根はすべて1の原始p2乗根であって、 f(x)=0の根は その一部となるから f (B i) f (B 2) f (B 3) ・eo f (B ,a 一,) == o. となる。. よって、 (13)式より F, (B ,) == O. となり、これを(16)式に代入すると (p 一 1) F, ( ev ,) P= 一 1 (m o d p 2) 一一 一一一一一 一一一 一一 (1 7). という関係式を得る。. (17)式の両辺に(p−1)P−1をかけると (p 一 1) PFi (a i) P1 (p 一 1) P−i1一 (1 十 p) (m odp2). となるので、 (p−1)Fl(α1)≡一1(modp)を用いて上式の左辺を変形すると (p 一 1) ”Fi (a i) P= { (p 一 1) Fi (a i) } P. = {一1十np}P. EE−1 (modp2) となる。よって. 一11一 (1十p) (modp2) より. P=O (modp2) となり矛盾する。. ゆえに、G(x)はQ上既約である。. 命題5.16. K上既約多項式f(x)の零点が作図可能であるならば、f(x)の次数 は2m(mは自然数)である。 [証明]f(X)=a。Xn+a1X”’1+…. +a.(a。, a1,…. , a。∈K). とおき、f(x)は数体Kでは既約で、数体K(ノーi) (α∈K)では可約であるとする。 この時、f (x)は f (x) = {p (x) 十q (x) /一一EE’} {s (x) 十t (x) V+“EeU} (p (x) , q. (x),s(x),t(x)はKにおける多項式). 一一一………………一・(18). と分解される。よって f (x) = {p (x) s (x) 十aq (x) t (x)}十 {p (x) t (x) 十q (x). 一44一.
(49) s(x)}必α となるが、f(x)はKにおける多項式なので p (x) t (x) 十q (x) s (x) =O 一一一一一一一一一一一一一 (1 9). とならなければならない。. ここで、p(x),q(x)に共通因子があるとして p (x) =r (x) p’ (x), q (x) =r (x) q’ (x). とすれば f (x) =r (x) {p’ (x) s (x) 十aq’ (x) t (x)}. となりKにおける既約性に矛盾する。. したがって、p(x),q(x)は共通因子をもたない。 同様にして、s(x),t(x)も共通因子をもたないことがいえる。 そこで、 (19)式を変形して. 綴i一一、q(Y5)一・(・) とおくと、c (x)はK(哲α)における多項式で p (x) =c (x) s (x), q (x) ==一。 (x) t (x) となる。. ところが、p(x)とq(x)は共通因子をもたないので、 c(x)は一定数。でなけ ればならない。. よって p (x) =cs (x), q (x) =一ct (x) となる。. そこで(18)式は f (x) =c {s (x) 一t (x) v一一Ee一} {s (x) 十t (x) v一一Eir} 一一一一一一一一一一一一一一一一・ (20). と変形できるが、S(X)一t(X)∫万とS(X)+t(X)!Zlは次数が同じである。 したがって、f(x)の次数はその2倍である。 ところで g (x) :s (x) 一t (x) JMZin, h (x) =s (x) 十t (x) V7 rmEe一. はいずれも数体K(♂一石)で既約である。. なぜなら、例えばh(x)が. S(X)十t(X)∫−={U(X)十V(X)∫α}{W(X)十Z(X)≠α} (u(x),v(x),w(x),z(x)はKにおける多項式) と分解されたとすると s (x) =u (x) w (x) +av (x) z (x),. 一45一.
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