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大学教職課程における効果的な小学校社会科授業力育成に関する実践的研究―小学校社会科教育法の講義・演習の実践を通して―

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Academic year: 2021

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(1)

大学教職課程における効果的な小学校社会科授業力

育成に関する実践的研究―小学校社会科教育法の講

義・演習の実践を通して―

著者

三浦 和美

2

学位授与機関

Tohoku University

学位授与番号

教情博第24号

URL

http://hdl.handle.net/10097/59748

(2)

学位の種類 学位記番号 学位授与年月日 学位授与の要件 研究科・専攻 学位論文題目 論文審査委員 み うらかず み

浦和美

博士(教育情報学) 教情博第 24 号 平成 25 年 3 月 27 日 学位規則第 4 条 1 項該当 東北大学大学院教育情報学教育部(博士課程後期 3 年の課程) 教育情報学専攻 大学教職課程における効果的な小学校社会科授業力育成に 関する実践的研究 一小学校社会科教育法の講義・演習の実践を通して一 (主査) 教授渡部信一 教授熊井正之 准教授中島 平

〈論文内容の要旨〉

本研究では、小学校社会科教員を養成するための大学教職課程において、効果的な授業力育 成を目的とした実践的研究を行っている. 第 1 章では本研究の問題と目的を示している.本論文では、小学校社会科が公民的資質の基礎 を養う重要な教科であるにも関わらず,子どもたちも教師も苦手であるという問題意識から出発 している.また,近年,教員の大量退職の時代が到来し,授業力のある教員の養成が求められて いることもあげている.さらに,先行研究からこれまで小学校社会科の講義内容の検討に関する 研究が少なく,講義内容と小学校社会科の授業内容が相互に関連し合っていないところに問題の 所在があることを指摘している. こうした社会的背景から教職課程において効果的な小学校社会科授業力育成を図る必要がある と考えたことを,本研究に取り組む動機としている. 本章ではまず,本研究において育てたい「小学校社会科授業力」を定義し,その系統性を示し

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ている.また,効果的な小学校社会科授業力育成の視点として,1.理論と実践を兼ね備えた講義内 容の構築と 2. ICT を活用した「振り返り」の実施の 2 つを設定している. 第 2 章では,上の第 1 の視点に立って「社会科概論 J r社会科の指導法J r社会科教材研究」の 3 つの講義で理論的学習を行ったのち,実践的学習を実施している. まず社会科概論」で育てたい小学校社会科授業力として「社会科に関心を持つ・社会科が好 きになる」と設定している.受講前には社会科が苦手とした学生が,講義の中で社会科誕生の経 緯や社会科の目標を理解し,授業スケッチという実践的な学習を経ることで,社会科や授業作り に積極的に関わろうとするような変化が生じた. 特に,講義後の感想、を分析した結果社会科概論」においては「社会科に関心を持つ・社会科 が好きになる J という小学校社会科授業力が育成されたとしている. 次に社会科の指導法」で育てたい小学校社会科授業力を「授業を構想する力」と設定し、教 科書分析や 10 分間の模擬授業を行う活動を実践している。講義の後、学生の感想、には「指導案の 書き方や授業をどう進めたら子ども達に分かりやすい授業にできるかを考えることができた J r こ こまで授業の内容について考えたことはなかった.これからも回数を重ね,子どもの状況に応じ て瞬時に構成を考えられるようになりたい」などの記述が多く認められ,これらの活動を通して 授業を構想する力をつけたとしている. 最後に社会科教材研究」で育てたい小学校社会科授業力は「基礎的な実践力」と設定し、実 践を行っている。学生による授業評価結果から,講義を理解したことや本講義が自分にとって有 意義で、あったことが明らかになった.さらに,自由記述においても実際に授業を行うことで自分 の授業の良さや改善点に気付くことができたという記述が見られた. また, 3 講義を連続受講した 6 名の学生へのアンケート調査・インタビュー調査結果から,本研 究の講義実践前後で変わったこととして,①社会科が好きになった②社会科への関心がました、 そして③社会自体への関心が深くなったことが挙げられた. 第 3 章では,第 2 の視点である ICT を活用した「振り返り J として,学習管理システム (LMS) によるミニットペーパーの活用法を実践している.毎回の講義の感想や質問に対して LMS を活 用し,学生に素早くフィードパックすることで,講義の振り返りが効果的にできるようになった. また, ICT の活用によって情報に対する関心を高め,新たな学びへの取り組みを促すことが明ら かになったとしている. 第 4 章では,少人数の演習を対象とした小学校社会科授業力育成の実践を行っている.

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ここでは,手書きパッドを活用し授業のリフレクションを支援するためのシステム開発を行っ ている.これにより講義の「映像J r授業評価データ J r記述」を結びつけた気づきを得ることが でき,初学者であってもピンポイントで効果的に授業を振り返ることができることが示唆された としている.この学習体験は,多忙を極める教育現場に入ったのちにも自律して授業改善を行う ことにつながるとしている. 第 5 章で本論文全体をまとめている.本研究の結果から、効果的な小学校社会科授業力育成を 図るには,1.理論と実践を兼ね備えた講義内容の構築 2.ICT を活用した「振り返り」の実施が 有効であることが示唆されたとする. さらに,残された課題として、小学校社会科教育法の講義内容のさらなる改善と教員となった 卒業生の追跡調査が必要不可欠であることを示している。

〈論文審査の結果の要旨〉

審査会では、 20 分間のプレゼンの後、 30 分間の質疑応答を実施した。 本研究は小学校社会科教員を養成するための大学教職課程において効果的な授業力育成を目的 とした実践的研究を行っている点は、大学における教員養成見直しが大きな話題になっている今 日的テーマとして評価できる。また,近年,教員の大量退職の時代が到来し,授業力のある教員 の養成が求められている点からも重要なテーマである。さらに,これまで小学校社会科の講義内 容の検討に関する研究が少なく,講義内容と小学校社会科の授業内容が相互に関連し合っていな いことが指摘している今日、有意義な研究テーマと言える. 本論文ではまず,本研究において育てたい「小学校社会科授業力」を「社会科に関心を持つ・ 社会科が好きになる」そして「授業を構想する力」と定義し,その系統性を示している.また,効 果的な小学校社会科授業力育成の視点として, (1)理論と実践を兼ね備えた講義内容の構築と (2) ICT を活用した「振り返り」の実施の 2 つを設定している. 第 2 章では,上の第 1 の視点に立って「社会科概論 J r社会科の指導法J r社会科教材研究」の 3 つの講義で理論的学習を行ったのち,実践的学習を実施している.また、第 3 章と第 4 章では第 2 の視点に立ち、 ICT を活用した「振り返り」の実施を行っている。具体的には、第 3 章では学習 管理システム (LMS) によるミニットペーパーの活用を、第 4 章では手書きパッドを活用し授業 のリフレクションを支援するためのシステム開発を行い、ともにそれらの実践が大きな効果を上 げたことが示されている。

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第 5 章で本論文全体をまとめているが、効果的な小学校社会科授業力育成を図るには「理論と 実践を兼ね備えた講義内容の構築」および rrCT を活用した振り返りの実施」が必要と結論づけ ている。 審査の結果、筆者自身が実践者としてこれまでの実践をまとめ、さらにその成果を最先端の研 究手法と融合することにより発展させている点が高く評価された。実践を中心に研究を進めてお り、研究の信頼性に関して一部不十分なところも見受けられるものの、筆者が長年、小学校の現 場教師として実践を重ねており本論文はその経験に基づいている点を鑑みると、研究の視点や発 想、は高く評価できるものと審査員全員の意見の一致をみた。 よって、本論文は博士(教育情報学)の学位論文として合格と認める。

参照

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