• 検索結果がありません。

照明の色温度が人の体感温度へ与える影響

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "照明の色温度が人の体感温度へ与える影響"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

173回 月例発表会(20169月) 知的システムデザイン研究室

照明の色温度が人の体感温度へ与える影響

冨田 龍太郎

Ryutaro TOMITA

1

はじめに

近年,オフィス環境の改善に注目が集まっており,オ フィス環境の構成要素として,光・温熱・空気・空間・音が 挙げられる.従来より,照明の色温度が高いと人は寒く感 じ,色温度が低いと人は暑く感じるというhue-heat仮説 が提唱されており,様々な検証が行われてきた.石井ら1) は白色蛍光ランプ(4200 K)と白熱電球(2850 K)で異な る色温度環境において被験者実験を行った.白熱電球の下 で白色蛍光ランプの下よりも被験者は暑く感じるという申 告結果より,hue-heat仮説2) は正しいという結論を出し ている.松原ら3) は室温・音・照度が人の体感温度へどの ような影響を与えているのかに関する研究を行った.ミン ミンゼミの音を流した場合に被験者は暑く感じるという結 果を得ており,人の温熱感には温熱以外の室内の様々な要 因も影響を与えていると述べている.しかし,室温を上げ た時に色温度をどの程度上げれば人は同程度の体感温度と 感じるかを検証した研究は少ない.そこで,本研究では人 が感じる体感温度に照明の色温度がどのような影響を与え ているかを検討する.また,本稿では被験者の感じ方が日 によって変わるのかを検証する予備実験について述べる.

2

予備実験

2.1 実験概要 実験環境をFig. 1に示す.空調条件として,室温・湿度 を人の快適な範囲とされている25C,50 %とした.光 条件として,机上面の照度を作業を行う際に十分な照度で ある500 lxとし,色温度を3000 K,5000 K,7000 Kとし た.また,作業内容として紙面作業を想定した.作業内容 は,作業内容の集中度が被験者毎に異なることを考慮し, 書籍の黙読とした.書籍は現代社会か日本史の高校の教科 書から,被験者に選択させた. 240 cm 600 cm 720 cm 300 cm Fig.1 実験環境 被験者実験の手順を以下に示す. (1)実験開始 (2)温度湿度順応 (3)アンケート (4)色温度変更 (5)色温度順応 (6)項目(3)に戻る 被験者が実験室に入室し,5000 Kの環境下で実験室の 室温・照度・色温度への30分間の順応を行う.その後に色 温度を変更し,変更5分後にアンケートを行い,色温度が 体感温度へどの程度影響を与えるかをSD法により計測し た.色温度を変更する際の順番として,順応のために5000 Kで点灯した後,3000 K,5000 K,8200 K,5000 Kに 変更した.アンケート内容として,寒暑感,涼暖感,明暗 感,快適感の4個の項目を7段階で回答させた.実験室の 温熱感のみを考慮して寒暑感に回答し,視界から得られる 情報などを考慮した温熱感として涼暖感の質問を行った. また,色温度の変更にって明暗感へ影響がでる可能性を考 慮して明暗感を,空間全体の総合的な快適性を計測するた めに快適感の質問を行なった.体感温度へ与える影響の大 きい要因として被験者の着衣量が挙げられる.しかし,同 一の衣類を着ても被験者の体質などによって体感温度への 影響は大きく異なるため,被験者が来ていた衣類を用いて 実験を行なった.また,被験者の感じ方にバラツキがある かの判定を行うために3日間の実験を想定しており,今回 は2日間の実験を行なった.被験者実験は6月13日19 時,14日11時に行った.

3

実験結果

被験者実験のうち,2日間の実験結果を示す.アンケー トを行った寒暑感,涼暖感,快適感,明暗感をFig. 2,Fig. 3,Fig. 4,,Fig. 5に示す. Fig.2 温熱感に関する実験結果 5

(2)

Fig.3 涼暖感に関する実験結果 Fig.4 快適感に関する実験結果 Fig.5 に関する実験結果 Fig. 2に関して,1日目は色温度を変更した際に申告値 が変動することはなかった.2日目に,色温度を5000 K から8200 Kへ上昇した際に申告値が減り,被験者は寒く 感じた.色温度が上がり,照明が寒色系となったことによ る影響と考えられる. Fig. 3に関して,1日目と2日目の両方において色温 度を5000 Kから3000 Kに変化させた際と8200 Kから 5000 Kへと変化させた際に申告値が変化した.日の変化 により,深刻値の大きさに差はあるが,照明が寒色系に変 化した際に申告値が下がり,被験者は涼しく感じている. また,照明が暖色系に変化した際に申告値が上がり,被験 者は暖かく感じている. Fig. 4に関して,2日目は申告値に変化は無かった.1 日目に色温度が5000 Kから3000 Kへ変化した際に申 告値が下がり,被験者は不快と感じている.3000 Kから 5000 Kへ色温度が変化した際に申告値が上がり,被験者 は快適と感じている. Fig. 5に関して,照度は一定であるにも拘らず色温度が 下がった時に暗く感じ,色温度が上がった時に明るく感じ るという申告値が得られた

4

考察

照明の色温度を変化によって部屋全体の色合いが変化す ることにより,被験者の寒暑感,涼暖感,快適感に影響があ ることが分かった.今回行った実験結果より,照明が寒色 系に変化した際に人は寒く感じ,暖色系に変化した際に人 は暖かく感じるという傾向が見られた.申告値に差があっ たが,日によってこの傾向が変わることは無かった.この ことより,hue-heat仮説は正しいと推定することができ, 色温度と体感温度にはある程度の相関関係にあると考えら れる.しかし,一人の被験者のみの実験結果であるため, 今後被験者を増やして再度実験を行う必要があると考えて いる.

5

今後の展望

本研究では,照明の色温度の変化が人の体感温度へどの 程度影響を与えているのかの調査を目標としている.その 調査結果より,空調温度と照明の色温度を連動させた新た なシステムの開発に繋がると考えている.また,従来の空 調システムでは実現が困難であった各執務者に対して個 別に体感温度を制御することが可能であると考える.執務 者の机と空調の吹き出し口の関係性によって,執務者は着 衣などの行為によって体温調節を行う必要があった.これ は,温熱は空間内で温度に偏りが無いように動いているた めであり,各執務者へ適した温度の空調を提供することが 困難であったためであるしかし,照明の色温度は各執務者 へ個別に制御することが可能である.

参考文献

1) 石 井 仁, 堀 越 哲 美,”異 な る 作 用 温 度・照 度 レ ベ ル・光 源 の 組 み 合 わ せ が 人 体 の 生 理・心 理 反 応 に 及 ぼ す 複 合 的 影 響”, 日 本 建 築 学 会 計 画 系 論 文 集,13404210, 日 本 建 築 学 会 ,1999,64,517,85-90,http://ci.nii.ac.jp/naid/110004655385/

2) Bennett.C.A, and Rey.P ”What’s So Hot About Red?”, Human Factors, Vol14, No2, pp149-154,1972 3) 長野 和雄,松原 斎樹,藏澄 美仁,合掌 顕,伊藤 香 苗,鳴海 大典,”環境音・室温・照度の複合環境評価 に関する基礎的考察 : 特異的評価と非特異的評価 の 関 係”, 日 本 建 築 学 会 計 画 系 論 文 集,13404210, 社 団 法 人 日 本 建 築 学 会 ,1996,61,490,pp55-61,URL=”http://ci.nii.ac.jp/naid/110004654508/” 6

参照

関連したドキュメント

の総体と言える。事例の客観的な情報とは、事例に関わる人の感性によって多様な色付けが行われ

赤外線サーモグラフィ診断 6ヶ月/1回 正常 原則頻度で点検 振動診断 3ヶ月/1回 監視強化 傾向監視強化を実施.

採取量 一日の揚湯量( m 3 / 日)、ゆう出量( L/min ) 温度 温泉の温度.

至る場合の炉心温度  設定根拠  ベースケース      K  MAAP 推奨範囲のノミナル値 . 感度解析ケース 

項目 評価条件 最確条件 評価設定の考え方 運転員等操作時間に与える影響 評価項目パラメータに与える影響. 原子炉初期温度

RPV 代替温度計は N-10 ノズル内、 RPV 外側壁面より 5cm 程度内 側に設置→既設 RPV 底部温度計と同様に、 RPV

原⼦炉圧⼒容器底部温度 毎時 毎時 温度上昇が15℃未満 ※1 原⼦炉格納容器内温度 毎時 6時間 温度上昇が15℃未満 ※1.

原⼦炉圧⼒容器底部温度 毎時 毎時 温度上昇が15℃未満 ※1 原⼦炉格納容器内温度 毎時 6時間 温度上昇が15℃未満 ※1.