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IRUCAA@TDC : アルコール性肝硬変症の経過中に血中マクロCK(Type 1)を認めた1例

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s) Journal URL. アルコール性肝硬変症の経過中に血中マクロCK(Type 1)を認めた1例 河野, 博久; 栫, 英夫; 上野, 真弓; 小林, 研介; 海老 原, 洋子; 船津, 和夫; 水野, 嘉夫 歯科学報, 93(5): 575-579 http://hdl.handle.net/10130/2178. Right. Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/.

(2) 575. 1岳    床アルコール性肝硬変症の経過中に血中マクロ      を認めた1例* 河 野 博 久. 柘   英 夫. 上 野 真 弓. 小 林 研 介. 海老原 淳 子. 船 津 和 夫. 水 野 嘉 夫 東京歯科大学市川総合病院内科学講座 (主任:水野嘉夫教授). 年1月26日受付) 年2月9日受理). A Case of Alcoholic Liver Cirrhosis Appeared Serum MacroICK (Type 1) in the Clinical Course Hirohisa. KoUNO, Hideo KAKOI, Mayumi UENO, Kensuke KoBAYASHI Yoko EBIHARA, Kazuo FUNATSU and Yoshio MIZUNO Department of Internal Medicine, Ichikawa General Hospital, Tokyo Dental College (Chief : Prof. Yoshio Mizuno). 既往歴:特記すべきことなし.輸血歴なし.. は じ め に. 血中マクロCKには    らにより免疫グロブリ ンと結合した    とミトコンドリアCKが何らかの 原因で巨大化した    とに分数されている。後者は 悪性腫症,肝硬変との関連で注目されている0 本例は意性腫症を伴わないアルコール性肝硬変症にマ クロ      が出現しステロイド療法にてCK値 の正常化,マクロCKの消失をみた症例であり文献的に も希な症例であるので,マクロCKの出現の機序及びス テロイドの作用機序,等臨床経過とともに若干の文献的 考察を加えて報告する。 上 症 例. 患 者:52歳 男性. 生活歴:日本酒1日4台/30年間 現病歴  年12月よりアルコール性肝硬変症にて治 療中であったが 年5月より腹部膨満を自覚したため 当院入院し,安静,食事療法等の対症療法により症状軽 快したため退院した。その後外来観察中に腹水,下肢浮腫 を認めさらに南下塵の痛みも軽度出現していたが 年11月19日約   吐血したため,再入院となった。 入院時理学的所見:身長   体重   意識は 清明,血圧       脈樺88/分整,呼吸16回/ 分整,眼醸結膜に宜血をみとめたが,黄疫は見られな かった。心,肺には異常はなかった。腹部では腹水を認 めた以外肝腫大,腹部腫癖は認めなかった。下腿に浮腫 はなく,神経学的所見も異常所見は認めなかった。 入院時検査所見(表  入院時検査成績では,検尿に. 主 訴:腹部膨蒲感 家族歴:特記すべきことなし. '本論文の要旨は第239回東京歯科大学学会(平成2年3 月10日,千葉),ならびに第25回日本肝臓学会東部会(辛 成2年11月16日,東京)において発表したO. は異常を認めなかったが検便では免疫学的潜血反応は陵 性であった。末櫓血では,赤血球数291万,血色素量7. 7 と薯血がみられまた血波凝固能の低下もみられ た。. -53-.

(3) 河野,他:マクロCK(タイプ1)を認めた肝硬変. 576. 表1入院時検査成績 TTT. Urine. Suger Urobilinogen Occult blood. 4. 4U Tumor marker. T.Bil. L                    ′/. GOT. Peripheral blood WBC. 51IU/L CA19-9     84U/ml. GPT. 18TU/lJ. LDH. 612IU/L. AIP. 6.9K・A 118IU/L. γ. RBC. △PH. l. 291× 104/. Hb. 83mg/dl. 7. 7g/dl T・cho. Hct Plt Blood coagulation. 24. 1%     TIG・. lO5mg/dl. 8. 7×     〕UN Cr. 13. 6mg/dl. 15. 0sec Blood electrolyte. PTT. 39.. Blood chemistry. 4sec. 4% 1% 13%. 3. 7mEq/I. 62%      K C1 5.. 74%. 131111Eq/1. Na. 92mTl:q/I. T.P. Alb. 426U/L. 0. 75mg/d1. PT. HPT. 1111. 0. 9111g/dl AFP      2. 5ng/1111. ]⊃. D cp KMMMBBBBN. Bilirubin. )   ) )  )  ) I l   ±   l   + (   (  (  (  (. Protein. 3. 4mEq/I. 2g     つt・i. 39.2% (2. 1g/dl) Serological. Lr 1-gl. 0. 2mg/d1. 2. 8%     CRP. a 21gl. 4. 1%    IgG. β 一g1. 9. 8%     IgA. /dl. 43. 9%    IgM. 174mg/d1. 7' -gl ZnTT. 2374mg/dl. 32. 5%. 15. 7U ICG15 min・. 血液生化学検査では. 同年11月に食道静脈癌からの出血で吐血し同月再入院. 一   △P札 アルブミン 蛋自分画ではγ       であったo. となったが腹水,下肢の浮腫,南下髄の病みはみられな かった。入院後プレドニゾロン   臼より開始した. 又腫症マーカ-は陰性を示し腹部エコーでは肝硬変のパ ターンを示し,腹水を認めるが他に異常所見はみられな かった。. 約1週間の間隔でプレドニゾロ.ン5mgずつ漸減し,以 後プレドニゾロン    日投与の時点では, CKの上 昇はみられずマクロC Kの消失や自覚症状の改善を認め. 入院後経過(図    年12月から  年1月までの. たoその後も約1週間の間隔でプレドニゾロンを5mg. 第1回入院中のCKの上昇は認められなかったが,免疫. ずつ漸減していきプレドニゾロン    にて維持座. グロブリンの上昇が認められた.以後肝硬変の治療を行. 法としたが   年3月中旬頃より再度CK値,肝機. うにもかかわらずCK値及びトランスアミナーゼ, LD. 舵,免疫グロブリンの上昇及びマクロCKの出寛を認め. H等の上昇が認められ   年10月南下髄の痛み出窮し. たため再度プレドニゾロン     と増量し約1ケ月. たがステロイドの投与は行わなかった.その後CK値が. 後プレドニゾロンを    日に減量したが,血液生化. 除々に上昇し10月にはマクロCKの出現がみられた。 C. 学検査ではCK値   値の低下とマクロCKの消失. Kは電気泳動法により本例では異常分画(分画4 )が認め. をみたが免疫グロブリン     の低下はみられな. られた(図      免疫グロブリン凌合体(マクロ. かった。. CK)の検査として酵素一免疫固定法によって抗IgA抗 体及び     抗体により固定された本例における C Kの異常がIgA-    型との免疫凌合体形成に よるものとわかった(図3)2)0 一54 -. 考     察 マクロCKの報吾は   年金光3)ら   年 ら   年   らにより報吾されてい.

(4) 歯科学報. 577. 臨床絃過 (午) 1988 89 (月) 12 1 入院期間. 2. 10. 11. 12. 90 1. 2. 3. 4. 5. ‥日. 6. 7. 10 1]. 日ト+l」. PE m凋 「l「 ll/19 吐血. 臨床症状 maCr0 CK. (十. 「. 二). 過/ フ CK O l ■ ㊥ ( U / L ) LDH △ ■ ■ ■ △ 0 0 ( U / L )5 G0T○ ll00 200 ( U/L) GPT△ l■ △ (U/L) 100 γ ( U/L) 0 l gG l gA Z gMI ( mg/ dl )( T ng/dl )( mg/dl ) 肝. 」. . メ. ‡. ) 〇 一. ▼ / = ⊃. 炉 {. {. ∑≡ ≡ ≡≧ ▼. W. ト 、 ー ト 可. → ト 戸 』. ,ト ■ ■ ■ ー●. ○ ■ ■ ○△ ■ 屯. 図1 臨床後経過. 図     免疫複合体(マクロC K)の証明 酵素一免疫固定法 薄層ゲル連過法によ る蛋白染色 (B)上段:対象 下段:患者血清をそれぞれセルロゲル上 で電気泳動し抗   抗 抗体    抗体にて 免疫固定し十分水洗いした後C K 染色. 図2 異常高値CKの検索      セルロゲ ルを主体とした電気泳動法により     間 に       矢印)をみとめた. -55-.

(5) 578. 河野,他:マクロCK(タイプ1)を認めた肝硬変. る。マクロCKは    と    に分楽されてい. の肝炎の増悪,特に急性増悪となる可能性もあるため注. るoマクロCKの出現の機序としては一般に①免疫グロ. 意する必要がある 本例では,ステロイド投与によりCK値の正常化やマ. ブリンとの結合, ②免疫グロブリン以外の血中成分(多 粧体,リボ蛋白等)との結合, ③CKの重合体の存在,. クロCKの消失,自覚症状の改善が認められたことは筋. ④ミトコンドリアCKが何らかの原因で巨大化した場合. 細胞の透過性が低下し,その結果,膜の安定化により抗. が考えられている。特に    は免疫グロブリンとの. 原であるCKが減少するものと患われたOつまりステロ. 結合が考えられており     は④によると考えられ ている. 測された。. イドの投与によって異常なIgAの産生を抑制したと推. 五味7)らによると     は悪性腫症以外では筋ジ ストロフィー,筋炎,演症性大腸炎,急性心筋梗塞,糖. お わ LJ に. 尿病,肺線維症によく出現すると報害しており,下田9). 今回我々はアルコール性肝硬変の治療中にC K値の異. らは    は悪性度症,肝硬変によく出窮すると報吾. 常増加とともに,通常の肝硬変症で出場してくる頻度の. している.又    における免疫凌合体としては,五. 高いマクロ       と異なったマクロ. 味7)らは統計的にH亀が    亀が     との結. 1)の出場を認めた症例を経験したoマクロCKの消失. 合が最も多く次いで      型と報吾している。. とステロイド療法との間に関連性を認めたので若干の文. 異常C Kの検索は現在セルロゲルを主体とした電気泳. 献的考察を加えて報吾した。. 動法により待られ,組織における分布から分画1は脳内 に分画3は心筋に分画5は骨格筋に存在しているが本例. 文     献. では,異常分画(分画4)がみられた。. 、               、. stein, M. (1982) : Macro creatine kinase : Deter-. マクロCKの検索としては,酵素-免疫固定法により. mination and differentiation of two types by. 待られた患者血清をセルロゲル上で電気泳動し抗. ▼. 抗       抗体    抗体にて免疫固定し十. 2)下中浩之,山本達雄   悪性高熱と酵素結合性 免疫グロブリン,麻酔 3)金光房江,他    免疫グロブリンに結合した 臨床病空  補 4) Uldal, P, and Landass, S. (1979) : Macro creatine kinase BB in serum, and some deta on its ,25: 5) Bohner, J., Stein, W., Kuhlmann, E. and. 分水洗いした後CK染色を行うことによって本例では, IgA一    型の免疫夜合体が得られた。今回我々 の経験したアルコール性肝硬変症にみられたマクロCK に関しては,悪性腫症,肝硬変,筋骨格系及び結合織系 疾患に伴うマクロCKは   が多くみられ,肝硬変 に    が出窮する機序として     下田9)らは. Eggstein, M. (1979) : Serum creatine kinase BB linked to immunoglobulin G. Chim. Acta, 97 :. 編胞内にミトコンドリアが豊富に存在する肝細胞の破壊 または再生のためと報害している。本例では    が. 83-88.. 認められ臨床経過より,おそらく長期飲酒による慢性肝. 6) Stein, W., Bohner, J., Krais, J., Muller, M.,. 障害に起因するA T Pの不足が筋細胞の透過性元進を来. Steinhart, R. and Eggstein, M. (1981) : Macro. した結果何らかの原因で変性したものかあるいは長期に. creatine kinase BB : Ebidence for specific binding between creatine kinase BB and immunoglobulin G. J. Clin. Bioellem.. 19 : 925-930.. わたり高値を示していた変性CKに対する特異的IgA 抗体が出現(産生)しその結果,免疫夜合体を形成した可. 7)五味邦英,高木 康      結合性免疫グロブ リン.臨床病理 8)山根清美,他     過性の高 血症で出窮したCK結合性免疫グロブリンの臨 床的意義.東女医大誌 9)下田和哉,他    高マクロクレアチニンキナー ゼ血症をきたした肝性脳症の1例.日内会誌. 能性があると思われる1°。又,免疫グロブリン   自 体の異常の可能性も考えられるが1つは変性IgAの荷 電の変化が推測され,もう1つば正常のCKに対する異 常なIgA抗体の出場が考えられたo 従来ステロイド療法は,勝原病,自己免疫性疾患,感. 680-681.. 染症等に対して行われてきた。 アルコール性肝硬変症において,肝線権化抑制作用及. 10) Stein, W., Bohner, J., Renn, W. and Maulbe-. び肝血流量の増加を期待しての短期投与は有用と考えら. tsch, R. (1985) I. Macro creatine kinase type 2 : Results lOf a prospective study in hospitalized. れるが,肝実賛糸田胞の滅少している場合の投与は離脱後. patients. Clin. Chem., 31 ・. 1959.. -56-.

(6) 歯科学報 ll)江口 清,山根清美,佐藤玲子     結合性  12)石井裕正,海老原淳子   アルコール性肝障 免疫グロブリン    を伴った1例.臨床神経,   害,消化器疾患最新の治療 26 : 1169-1173.. Hirohisa KoUNO, Hideo KAKOI, Mayumi UENO, Kensuke KoBAYASHI, Yoko EBIHARA, Kazuo FUNATSU and Yoshio MIZUNO : A Case of AIcoholic Liver Cirrhosis Appeared Serum MacroICK (Type 1) in the Clinical Course, Shikwa GakLLh0, 93 : 575-579, 1993. (Department of Internal Medicine, Ichikawa General Hospital, Tokyo Dental College, Ichikawa 272, Japan) 、                                                                      -ll- -. A man (52 years of age) admitted to our hospital because of hematemesis had been on diuretics for alcoholic liver cirrhosis and ascites since December, 1988, and had been complain-. ing of palnS in both legs since the middle of October, 1989. Biochemicalstudies revealed a high serum CK value (426U/IJ) and Macro-CK (Type 1). The MacroICK was thought to have resulted from the formation of an immunoglobulin-CK complex as the consequence of increased serum immunoglobulin・ Steroid therapy lowered the CK level and eliminated the Macro-CK.. -57-.

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