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学級経営に視点を当てた講義の報告 : 総合講義「教育実践研究Ⅱ」の実践を通して

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(1)

学級経営に視点を当てた講義の報告 : 総合講義「

教育実践研究?」の実践を通して

著者

下古立 浩

雑誌名

鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要

27

ページ

319-328

発行年

2018-03-30

URL

http://hdl.handle.net/10232/00030176

(2)

− 319 − 1.はじめに  本科目は,交流人事により鹿児島県教育委員会から派遣されている4人の教員で担当している。この県教育委員 会からの交流人事は,平成19 年度にスタートし,この年最初の4人が赴任した。本科目は,この最初の4人の派 遣教員を中心に,実践的科目はどのようにあればよいかという検討の中で構想され,平成20 年度より開講されて いる。以後,平成28 年度まで9回開講されてきたが,本年度(平成 29 年度)より,本学に教職大学院が設置され たことに伴い,現在休講の措置にある。  この「教職実践研究Ⅱ」の取組については,これまでの担当者が計4回論文として報告している。これらを踏まえ, 本稿では,これまでの取組を振り返りつつ,筆者ら4人が担当した平成28 年度の「教職実践研究Ⅱ」の取組につ いて学生の意識調査の結果を中心に報告したい。 2.これまでの「教育実践研究Ⅱ」の報告について 2.1.本科目の当初の構想  大久保,隈元は,県教育委員会から鹿児島大学への交流人事がスタートしたときの最初のメンバーである。大久 保らは,「実践的教職科目を軸とした新しい教育学部教員養成カリキュラムを設定し,高度な実践的資質をもつ教 員養成体制を整えるとともに,総合大学である本学全体の教員養成にも総合的・継続的に支援できる体制の整備を 図る」ことを目的とした実践的教職科目の一つとして,本科目の構想を述べている(大久保・隈元 2008)。  また,開設のねらい及び内容等は,実践的教職科目における本科目の位置付けに制約されるとして,科目群の構 想(表1)を示しており,本科目をコンセプト「関わる」と位置付けている。  大久保らは,学生が本科目に至るまでの「教職基礎研究」と「教職実践研究Ⅰ」を学修することを踏まえ,次の ような3点の構想の意図を述べている。 ① 教職及び児童生徒の理解,学習指導の基本的な理解を基盤に,学級経営及び生徒指導に視点を広げさせる。 一般的な学習指導の考え方を基盤に,離島・へき地での学習指導の取組についても関心をもたせる。 ③ グループ活動における課題追究活動を重視し,協働性の大切さを経験させる。

報 告

Bulletin of the Educational Research and Development, Faculty of Education, Kagoshima University 2018, Vol.27, 319-328

学級経営に視点を当てた講義の報告

-総合講義「教育実践研究Ⅱ」の実践を通して-

      下古立 浩

[鹿児島大学教育学系(教職大学院 )]

Report on a lecture about class management

− Through practice of an overall lecture "educational action-training-research II"−

SHIMOFURUTACHI Hiroshi

(3)

− 320 − 鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 第27巻(2018) 表1 実践的教職科目の構想(大久保・隈元 2008)        注:表中の下線は筆者  特に,②については,「本県教職員を志望する学生に共通して持たせたい認識であり,教員養成段階での位置付 けが必要であると考えているものである。」と本県の教育事情を踏まえた科目の内容であること強調している。  これを受け,構想された次の3つのステップ(以下「3ステップ」)で本科目は構成された。 ≪ステップ1≫  学級経営,生徒指導及び少人数,複式学級での学習指導などについて講義を行い,基本的な理解を図るとともに, 学校体験での観察の観点を示す。 ≪ステップ2≫  学校体験及び前後の一連の取組成果について,グループごとに企画・実践・省察・討議したものを観点に沿っ て発表をさせる。 ≪ステップ3≫  講義及び学校体験で学んだことを基に,それぞれの追究課題について教師としての考えを明確にもたせ発表さ せる。  このように本科目の授業計画の3ステップは大久保らによって構想され,本科目の基本的な枠組みとして位置付 けられ,その後の本科目の実践に引き継がれている。 2.2.初年度(平成 20 年度)実施の変更点  大久保は,2008 年の本科目の構想を受け,2009 年に科目開設初年度(平成 20 年度)実践について報告を行っ ている。  この中で,構想から実践への過程において2点の修正があったと報告している。その1つは,科目の内容を「学 級経営及び生徒指導」から「学級経営」に変更したということである。この理由について大久保は「教育実習 前のこの時期において学級経営的視点を意識させることに重点を置きたいと考えたこと,及び生徒指導面は学 級経営との関連において指導可能であると考えたことによる。」としている(大久保 2009)。これにより,変 更された授業計画が表2の右側である。 㮵ඣᓥ኱Ꮫᩍ⫱Ꮫ㒊ᩍ⫱ᐇ㊶◊✲⣖せ ➨㸰㸵ᕳ







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− 321 − 下古立 浩:学級経営に視点を当てた講義の報告 表2 本科目の授業計画(構想段階と平成20 年度実施時の比較)        注:表中の下線は筆者  第3回の講義(表2の下線部)に注目すると,構想段階では,「生徒指導の基本的な考え方【講義】」であったが, 実施時には,「生徒指導と学級経営【講義】」と変更されている。生徒指導を前面に出すのでなく,あくまで学級経 営との関連での生徒指導の在り方を学修させようとする意図が表れている。  その他の変更点をみると,ステップ1の第4回に「心の教育・保健安全教育と学級経営」の講義の追加,ステッ プ3の「『私の学級づくり』の構想」を「学級経営案発表討論会」に変更などが見られる。  この平成20 年度実施時の授業計画は,次に紹介する平成 23 年度報告及び平成 24 年度報告の授業計画,そして今 回(平成28 年度)筆者らが実践した授業計画と基本的な構成は同一のものである。構想から修正し実践された本 科目の授業計画は,その後,後任の交流人事のメンバーによって細かい点において工夫を重ねながらも,全体構成 は引き継がれ実践が継続されてきている。 2.3.平成 23 年度報告及び平成 24 年度報告について  本科目の報告については,平成23 年度に平成 22 年度の取組についての報告を楠原ら(楠原・牧原 2011)が, またその次年度(平成23 年度の取組)の報告を菊永ら(菊永・牧原 2012)が行っている。その項立ては表3のよ うになっている。 ୗྂ❧ Ꮫ⣭⤒Ⴀ࡟どⅬࢆ࠶࡚ࡓㅮ⩏ࡢሗ࿌





3

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− 322 − 鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 第27巻(2018) 表3 平成22 年度及び平成 23 年度取組の報告の項立ての比較  この2つの報告の特徴を見ると,楠原らによる報告では,2の「教職実践研究Ⅱ」の概要において,本科目のね らい,学級経営に関する基本的な知識・技能,態度等のとらえ方,目指す資質能力など本科目の基本的な考え方に 触れ,実践の概要を報告している。一方,菊永らの報告においては,授業の実際の報告を中心とし,特に本科目の 重点である「学校体験」及び「模擬PTA」の実践について詳細に報告している。  これまでの4回の報告を受け,本稿では実践を行った平成28 年度の取組について,まずその概要に触れた上で, 学生に対して行った調査の結果の考察を中心に述べることとした。 3.平成 28 年度(2016 年度)の「教育実践研究Ⅱ」の実践の概要 3.1 講義の目的と概要  平成28 年度の本科目の実施に当たっては,これまでの実践を踏まえ,基本的な枠組みを尊重する形で実践を行っ た。学習指導や学校・学級生活を支える「学級経営」に関する基本的な知識・技能と学級経営に備えた態度形成を 目的とし,ステップ1では,学級経営の基本的な考え方や学級担任の役割の習得,ステップ2では,地域の特色を 生かした少人数・複式学級のある学校現場での実地観察や経営案の事例研究,ステップ3では,実地観察校での学 級担任を仮定した学級経営案の作成とその経営案の説明を行う模擬学級PTAの3ステップで授業を構成した。学 校体験は,本学と提携をしている近隣のA 市の小規模で複式学級を有する小・中学校9校で行った。  平成28 年度の本科目の担当は,県からの交流教員4人と教育実践総合センターの研究者教員1人の5人で担当 した。受講者は,12 人で,2年後期の学生を中心にした科目であるが,12 人の内訳は,2年生が6人,3年生が4人, 4年生が2人であった。 㮵ඣᓥ኱Ꮫᩍ⫱Ꮫ㒊ᩍ⫱ᐇ㊶◊✲⣖せ ➨㸰㸵ᕳ







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− 323 − 下古立 浩:学級経営に視点を当てた講義の報告 3.2 学修目標  学修目標は,次のとおりである。 ○ 学級経営に関する講義・演習,学校体験及び学級経営案作成演習を通して,学級経営の基本的な考え方や学 級担任の役割などを理解することができる。( 教職の意義の理解・学級経営に関する構想力 ) ○ 学級担任を仮定した模擬学級PTAでの学級経営案の説明を通して,教師としての責任や自覚などについて 理解することができる。( 保護者・地域社会との連携力 ) ○ 学校体験やグループ活動等において,進んでコミュニケーションを図るとともに,課題追究へ協働的に取り 組むことができる。( 協働実践力・コミュニケーション力・自己改善力 ) ○ 少人数の学級や複式学級における学習指導,ICTを活用した遠隔共同学習の取組について学び,離島・へ き地教育に関心をもつことができる。(情報収集力,分析力,活用力) 3.3 本科目の特徴  本科目の特徴は次のとおりである。 ○ 小規模・複式学級での学校体験 ・鹿児島県の学校の約半数を占める離島を含むへき地校等の学校の実情を体感できる。 ・複式学級における2学年に対する指導から,発達の段階への工夫などを理解できる。 ・少人数であるため,個々の児童生徒の実態を把握できる。 ・学校課題や地域の実情に応じた学校経営と直結した学級経営を実感できる。 ○ 学級経営案作成 ・管理職講話や担任との懇談により,学校教育目標と学級目標の関係を深く理解できる。 ・学校教育目標から学年・学級へと組織的・系統的に学級経営を学ぶことができる。 ・学校体験校の学級担任を想定して学級経営案を作成することで,個々の児童生徒の実態に配慮した,具体的で かつ個人差に応じる学級経営案を創意工夫できる。 ○ 模擬学級PTA での経営案の説明 ・学校体験校の学級担任を想定して説明することで,意欲的な取組が期待できる。 ・保護者への接し方や丁寧な説明の仕方などを身に付けることができる。 ・保護者役の学生の質疑等により,説明責任の重要性や諸課題への気付きが生まれる。 3.4 各授業内容  平成28 年度の本科目の授業内容は表4である。表2で示した平成 20 年度から実施された3ステップの構成及び 本稿で紹介した平成22 年度及び平成 23 年度の実践,そしてその後の実践されてきた授業を考慮し,細部の内容を 検討し行ったものである。大きくはこれまでの流れを踏襲する形での実践となった。 表4 平成28 年度の本科目(教職実践研究Ⅱ)の授業内容 回 内 容 ・ 方 法 ステップ1 学級経営の基本的な考え方の理解  学級経営の基本的な考え方や学級経営案,学級経営と心の教育や学習指導, 生徒指導等の関係などを講義・演習等により理解できるようにする。

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− 324 − 鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 第27巻(2018) [第1回] 10/7 ○ オリエンテーション(授業計画・学校配置,事前診断 等) ○ 学級経営についての基本的な考え方【講義】  ・学級経営の機能,視点 ・学級経営案の意義,学校経営との関係 ・設営  ・学級事務 ・学級経営案作成演習 ・児童生徒理解の観点 等 [第2回] 10/14 ○ 学習指導と学級経営【講義】  ・学級づくりと学習指導  ・学習指導上の配慮事項 ・複式授業VTR  ・複式学級の主な指導方法の理解 等 [第3回] 10/21 ○ 生徒指導と学級経営【講義】  ・生徒指導の観点からみた学級経営  ・ソーシャルスキル(演習)  ・学級経営の柱の構想  ・自己指導能力を育成する学級経営 [第4回] 10/28 ○ 心の教育及び保健安全教育と学級経営【講義】  ・生きる力と心の教育  ・心の教育のキーワード,推進計画と具体策   ・健康安全指導のポイント,健康安全教育の推進計画と具体策 ステップ2 学級経営の観察・成果発表  学校体験における観察の観点を設定し,学校体験に臨む。また,以後の演習にお いて振返りや発表資料作成を行い,学級経営について得られた学びを交流し合う。 [第5回] 11/4 ○ 学校体験に向けた準備【グループ活動】    ・日程確認,留意事項   ・観点設定 ・その他 [第6・7回] 11/18 ○ 学校体験(1日)【フィールドワーク】   ・学級経営の観察 ・校長講話,担任懇談 ・交流 等  [第8回] 11/25 ○ 学校体験の省察【グループ活動】  ・記録整理,構造化(KJ 法),考察  [第9回] 12/2 ○ 発表資料作成【個人・グループ活動】  ・発表資料作成 [第11 回] 12/16 ○ 学校体験の成果発表及び集団討議【討議】  ステップ3 学級経営案の作成  ステップ1,2の学びを生かし,自分なりの学級経営案を作成する。また,離 島・へき地における情報教育を活用した取組について関心をもつ。 [第10 回] 12/9 ○ 情報教育技術を活用した教育方法や教員研修の取組(離島・へき地におけ る情報教育の活用)【講義】 (注:講師の都合により第10 回に実施) [第12・13 回] 1/6,1/20 ○ 学級経営案作成【演習】  ・学校,学年経営案及び学級の実態に関する考察 ・学級経営案作成等 [第14 回] 1/27 ○ 学級経営案の発表討論会【演習】  ・学級経営案発表+質疑応答,討議  ・指導助言 等 [第15 回] 2/3 ○ 実践研究Ⅱのまとめ 【講義】  ・学習の成果及び今後の課題,事後診断 等

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− 325 − 下古立 浩:学級経営に視点を当てた講義の報告 4. 学生の意識調査の結果から 4.1 学校体験アンケート結果  第6・7回で行った1日学校体験(フィールドワーク)実施後にアンケートを実施した。対象は,学生11 人。評 価は5段階(5:強くそう思う,4:そう思う,3:どちらでもない,2:そう思わない,1:全くそう思わない) で実施。質問項目は,次の4つである。 質問1「学校体験は,あなたにとって有意義でしたか。」 質問2「教師の仕事についての理解は深まりましたか。」 質問3「へき地,小規模校の教育に対する理解や関心は深まりましたか。」 質問4「この学校体験は,教育実習に向けて役に立つと思いますか。」  質問別のアンケート結果(図1)から,全ての質問について肯定的な回答であることが分かる。あえて数値の差 に着目すると,質問2の教師の仕事の理解が他の3つの質問の結果より少し低い結果である。このことについて, ある学生の自己評価カードの感想の記述を見ると,「…略…。学ぶことが多かった。その中で感じたのは,理論を 実践していくことの難しさと懸命に学級経営について考えられている現場の先生方の存在が児童にとって居心地の よい学級(学校)につながっているということである。とても有意義な一日であった。」とあり,理論を実践する 困難さと教師の努力とその存在感に気付いている。このように,教師の職務の幅の広さや内容の深さなど,実際の 教師の職務の難しい面などに直接触れたことで,それまで学生が考えていた「教師の仕事」についての理解を大き く超えていると感じたことなどが要因の一つではないかと推察する。  このようなことから,学生が実際に普段の学校を体験することは,大学の講義で学んだ理論と現場の実際の差へ の気付きにつながるなどの教職への理解を深める手立てとして有効であることを再認識することができた。 4.2 授業毎の自己評価結果  本科目においては,第1回〜第15 回の全ての授業において,授業後の自己評価を学生に行わせた。評価は,4 段階(4:めあてを達成できた,3:だいたい達成できた,2:あまり達成できなかった,1:ほとんど達成でき なかった)で実施。  授業毎の自己評価結果(図2)を見ると,第6・7回の学校体験,第10 回の情報教育,第 15 回の総括講義につ いて多くの学生がめあてを達成できたと感じていることが分かる。一方,めあての達成が十分でないと感じた授業 が,第9回の学校体験の発表資料作成と第12 回の学級経営案作成である。どちらも作成する作業であり,構成か ら学生自身が創造していく授業である。創り出す難しさが自己評価に反映した可能性は高いと考えられる。 図1 学校体験アンケート結果(質問別) 4Cn JrsFyd!~uHD

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− 326 − 鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 第27巻(2018) 図2 自己評価カード(授業毎評価) 図3 自己評価自由記述欄の共起ネットワーク(学生C)  図3は,任意に抽出した学生Cの授業後の自己評価の全ての授業分の自由記述欄に記入された「理解した内容等」 をKHコーダーによりテキスト分析した共起ネットワーク分析である(※注)。  出現率が多い語は,「学級」「学校」「経営」「体験」等であったが,図3を見ると,「スライド」「発表」が用語の 中心なり,他の語と関係性を築いている箇所が見られる。このことより,学生は学校体験の発表資料作成や学級経 営案を作成しての模擬PTAを授業全体の中でも強く意識していたのではないかと推察する。また,それは本科目 において,学校体験の発表会や模擬PTAが,講義の中で重要なポイントとなっていたことを示しているのではな いかと考える。  学生別の自己評価結果(図4)を見ると,全15 回の講義の自己評価の平均が 3.0 〜 3.9 と概ね学生はめあてを達 成できたと考えられる。ただし,学生Dと学生Hの評価が他の学生に比べ低い。それぞれの自己評価カードを確認 したところ,学生Dについては学級経営作成・発表において,学生Hについては学校体験において,「2あまり達 成できなかった」と評価していた。どちらの授業も学生が能動的に取り組む授業であることから,学生が能動的に 学修する授業においての手立てや配慮は更に工夫する必要があると考えられる。 4Cn JrsFyd!~uHD

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− 327 − 下古立 浩:学級経営に視点を当てた講義の報告 図4 自己評価カード(学生別) 4.3 本科目に関係する「教師の資質能力」についての自己診断結果  本科目と関係する「教師の資質能力」を次のとおりとした。 1 職務遂行や資質能力の改善・向上  1課題把握 2修正 3評価 2 児童生徒理解・学級経営  ①児童生徒理解       4実態把握 5変化把握 6課題設定  ②指導・態度      7コミュニケーション 8信頼関係 9効果的指導 10 生徒指導  ③計画的指導・学級経営       11 学級経営の理解 12 指導方針 13 集団活動の指導 14 説明責任 3 教科等の指導力  ①指導内容       15 教育課程 16 教材分析   ②指導技術       17 指導案 18 機器活用 19 少人数・複式学級指導   ③授業設計・評価      20 評価規準 21 個への対応 4 職責感,教育的愛情  ①職責感・情熱       22 専門職の自覚 23 誠実・責任感 24 子どもの安全成長         25 教員の使命・職責 26 倫理観   ②連携・協働      27 社会人としての基本 28 組織の一員 29 保護者等との連携   本科目の授業前と授業後に,本科目に関係する「教師の資質能力」についての自己診断を行った。自己診断は4 段階(4:概ね該当する,3:やや該当する,2:やや該当しない,1:ほとんど該当しない)で実施。結果をグ ラフ化したものが図5である。  授業前と授業後の結果を比較すると,学生の自己診断結果のポイントが授業を通して全体的に伸びている。特に, 学級経営に関する項目(「11 学級経営の理解」「12 指導方針」「13 集団活動の指導」「14 説明責任」)が顕著に伸びて いることが分かる。また,児童生徒理解の「6課題設定」についても伸びも大きい。  学生は授業を通して,項目によって差はあるが全体的に教師として資質能力を身に付けることができたのではな いかと考える。その中でも特に学級経営に関する項目についての伸びが大きいのは,A 市での学校体験や模擬PT Aなどの取組による成果ではないかと推察する。また,児童生徒理解の「6課題設定」の伸びについては,実際に 学級経営案を作成する実習により,児童生徒の課題をもとに指導すべき内容を設定することへの自信が深まったこ とが考えられる。ただ,項目の中にはいくつか受講前と受講後のポイントの伸びが小さく,更に授業に工夫が必要 と思われる項目も見られたので,今後の課題とする必要がある。 ĉcˆ|¤Ùû¤Ù‚õÄÊÏá ÍĎē‹

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− 328 − 鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 第27巻(2018) 図5 「教師の資質能力」自己診断結果 5. おわりに  本科目は,観察する視点を決めて学校体験を行いその成果の報告する,また,自ら学級経営案を作成して模擬P TAにおいて説明するなど学生自身が時間をかけ考え創り出していく学修が多く,学生への負担は大きいもので あった。しかし,受講した学生はとても意欲的にそして熱心に毎時間の講義に取り組んでいた。このことは,この 科目がこれまでの担当者により,教職を目指す学生のニーズを捉え構成された科目であったこと,そして,受講し た学生の意欲が高かったことによるものと考える。本科目は現在休講中であるが,再開講した後にはそんな学生の 意欲に更に応えられる科目にしていくことが求められる。 注 KH コーダーは,樋口耕一(『社会調査の ための計量テキスト分析内容分析の継承と発展を目指して』ナカニシ ヤ出版、2015 年)に 基づく。http://khc.sourceforge. net/ よりダウンロード(2017 年 8 月 29 日取得)。 引用・参考文献 大久保直志・隈元浩二郎(2008)「実践的な指導力を備えた教員の養成に関する研究(2)−総合講義「教職実践研 究Ⅱ」の構想について−」『鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要』第18 号,221-226 頁。 大久保直志(2009)「実践的な指導力を備えた教員の養成に関する研究(3)−総合講義「教職実践研究Ⅱ」の実践 と今後の課題−」『鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要』第19 号,291-300 頁。 楠原豊・ 牧原勝志(2011)「総合講義「教職実践研究Ⅱ」の実践」『鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要』第 21 号, 309-318 頁。 菊永俊郎・牧原勝志(2012)「学級経営の実践的指導力の育成を図る「教職実践研究Ⅱ」の取組−実地観察をもとに した学級経営案の作成を通して−」『鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要』第22 号,257-264 頁。 越中康治・高田淑子・木下英俊・安藤明伸・高橋潔・田幡憲一・岡正明・石澤公明(2015)「テキストマイニングに よる授業評価アンケートの分析−共起ネットワークによる自由記述の可視化の試み−」『宮城教育大学情報処理セ ンター研究紀要』第22 号,67-74 頁 鈴木久米男・髙橋和夫(2017)「教職大学院で取り組まれている教育実践研究の検討 −カリキュラム編成及び院生 の研究への取り組みに注目して−」『岩手大学大学院教育学研究科研究年報』第1 巻,69-81 頁。 㮵ඣᓥ኱Ꮫᩍ⫱Ꮫ㒊ᩍ⫱ᐇ㊶◊✲⣖せ ➨㸰㸵ᕳ







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