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FTIR-ATRを用いた皮膚角層細胞間脂質モデル膜に対する重水浸透の研究

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Academic year: 2021

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FTIR-ATRを用いた皮膚角層細胞間脂質モデル膜に対

する重水浸透の研究

著者

岡 浩平

(2)

2014 年度 修士論文要旨

FTIR-ATR を用いた皮膚角層細胞間脂質モデル膜に対する

重水浸透の研究

関西学院大学大学院理工学研究科

物理学専攻 加藤研究室 岡 浩平

ヒト皮膚角層の細胞間脂質層は、主にセラミドとコレステロールと遊離脂肪酸で構成されており、これらの組 成はほぼ等モル比であることが知られている。細胞間脂質の組成は皮膚のバリア機能に大きく関与していると考 えられている。細胞間脂質の炭化水素鎖の側方充填構造には「流動相」「ヘキサゴナル構造」「オーソロンビック 構造」が存在することが知られており、これら側方充填構造は、組成や温度により変化することが報告されてい る(図 1)。また、組 成 を 変 化 さ せ る こ と で オ ー ソ ロ ン ビ ッ ク 構 造 の 存在比や、転移温 度も変化する。 角層中の脂質の組成は個人によって多少異なるが、その組成によって、バリア機能が大きく変化することも知 られている。アトピーなどの皮膚病患者の細胞間脂質の炭化水素鎖の側方充填構造は、健常者の皮膚に比べてオ ーソロンビック構造が減少していると報告されおり、このことから脂質分子側方充填構造は皮膚のバリア機能に 密接に関与していると示唆されている。 本研究では、細胞間脂質の炭化水素鎖側方充填構造が皮膚のバリア機能に対してどのように関与しているかを 解明し、皮膚のバリア機能に関する理解を深めるために、セラミド、コレステロール、遊離脂肪酸の組成比を自 由に制御できるモデル膜を用いて、組成と物質透過性の関係を研究した。研究を進めるために浸透性の評価と構 造解析をすべて FTIR-ATR で行う方法を新たに開発した。FTIR のプリズムの上にスプレー法を用いて直接作 製した膜に対して、重水を滴下させ、全反射赤外線のもぐり込み範囲内に達した重水分子からのシグナルを連続 測定することにより、物質透過性を時定数𝜏の逆数として定量的に評価した(図 2)。また、CH2のscissoring モー ドのシグナルから脂質分子の側方充填構造を評価した。その結果、オーソロンビック構造の存在比率𝑟と物質透 過性1/𝜏が負の相関を示すことがわかった(図 3)。 図 1:ヒト皮膚角層の細胞間脂質の側方充填構造 黒丸は炭化水素鎖の位置を示している。 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0 0.2 0.4 0.6 0.8

r

1/

τ

2100 2300 2500 2700 Abs orbanc e( a.u.) Wavenumber(cm-1) 経過時間 図 2:重水のピークの経時変化 図 3:オーソロンビック構造の存在比率𝑟と物質透過性1/𝜏の相関 流動相 ヘキサゴナル構造 オーソロンビック構造

参照

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