(1)19-5671; Rev 1; 2/11
MR16およびその他12V AC入力ランプ用、
MOSFET内蔵LEDドライバ
概要
MAX16840は、照明アプリケーション用のLEDドライバ
ICです。このデバイスは、12V ACおよび24V AC入力
(MR16など)の電球用の低部品数のLEDドライバの設計に
必要なすべての機能を備えています。独自の入力電流制御
方式によって、このデバイスを使用したLEDランプは電子
トランスとの互換性があり、(電子トランスが存在する)標準
的なトレーリングエッジ調光器による調光が可能です。
このICは、バック、ブースト、およびバックブースト構成
および機能で使用することができます。0.2Ω (max)、
48VスイッチングMOSFETを内蔵しています。
このICは、定周波数平均電流モード制御を使用しています。
FB端子の電圧を介して入力電流を検出して、その平均値
を安定化させます。入力端子(REFI)によって、入力電流
レベルを設定することができます。この端子の電圧が一定
のスレッショルドを下回っている場合、入力電流はこの
電圧に比例しますが、その電圧がスレッショルドを上回っ
ている場合、入力電流は固定の、あらかじめ定義された
レベルに設定されます。REFIはこのような非直線的な挙動
を示すため、NTC抵抗に接続することによって、サーマル
フォールドバックを実現するために使用することができ
ます。
また、このICはIN端子に過電圧保護を内蔵しており、LED
ストリングがオープンの場合、またはLEDストリングの電
圧が高すぎる場合に、内蔵のスイッチングMOSFETを損
傷から保護します。
このICは独立したEXT端子を備えており、電子トランスで
適切な動作をさせるために、低入力電圧での通電時に電流
のキックスタートの存在を保証するために使用することが
できます。EXTは、外付けのnpnトランジスタを駆動します。
INの電圧が5.5VのUVLOスレッショルドを超えた時点で、
EXTがグランドにプルダウンされ、外付けのnpnトランジ
スタがオフになります。
このICは3mm x 3mm、10ピンTDFNパワーパッケージで
特長
S 平均入力電流の制御によって電子トランスを使用した
動作および調光を実現
S バック、ブースト、SEPIC、およびバックブースト構成
S 0.2Ω (max) 48VスイッチングMOSFET内蔵
S アナログ調光およびサーマルフォールドバック
S 出力過電圧保護
S 温度過昇保護内蔵
S 動作温度範囲:-40℃〜+125℃
S 10ピンTDFNパッケージ(3mm x 3mm)
型番
+は鉛(Pb)フリー/RoHS準拠パッケージを表します。
*EP = エクスポーズドパッド。
標準動作回路
L1 BD1
C1
C4
R3
L2 D1 C2
LED-LED+
EXT
COMP SOURCE
IN
GND
DRAIN
12V AC
REFI
FB
R1
R2
MAX16840
PART TEMP_RANGE PIN-PACKAGE
MAX16840ATB+ -40NC to +125NC 10 TDFN-EP*
(2)MAX16840
MR16およびその他12V AC入力ランプ用、
MOSFET内蔵LEDドライバ
Stresses beyond those listed under “Absolute Maximum Ratings” may cause permanent damage to the device. These are stress ratings only, and functional
operation of the device at these or any other conditions beyond those indicated in the operational sections of the specifications is not implied. Exposure to absolute
maximum rating conditions for extended periods may affect device reliability.
IN, DRAIN to GND ...-0.3V, +52V
EXT, COMP, REFI to GND ...-0.3V, +6.0V
FB, SOURCE to GND ...-0.3V, +1.5V
Maximum RMS Current, FB, SOURCE to GND ...0.8A
Maximum RMS Current Through DRAIN and SOURCE ... Q2A
Continuous Power Dissipation (TA = +70NC)
TDFN (derate 24.4mW/NC above +70NC) ...1951mW
Any Pin to Any Pin ESD Rating ... ±2kV (HBM)
Operating Temperature Range ... -40NC to +125NC
Maximum Junction Temperature ...+150NC
Storage Temperature Range ... -65NC to +150NC
Lead Temperature (soldering, 10s) ...+300NC
Soldering Temperature (reflow) ...+260NC
ELECTRICAL_CHARACTERISTICS
(VIN = 12V; VEXT = VSOURCE = VFB = VGND = 0V; COMP, REFI, and DRAIN = open; TA = TJ = -40NC to +125NC, unless otherwise
noted. Typical values are at TA = +25NC.) (Note 2)
ABSOLUTE_MAXIMUM_RATINGS
TDFN
Junction-to-Ambient Thermal Resistance (BJA) ... 41NC/W
Junction-to-Case Thermal Resistance (BJC) ... 9NC/W
PACKAGE_THERMAL_CHARACTERISTICS_(Note_1)_
Note_1: Package thermal resistances were obtained using the method described in JEDEC specification JESD51-7, using a
four-layer board. For detailed information on package thermal considerations, refer to japan.maxim-ic.com/thermal-tutorial .
PARAMETER SYMBOL CONDITIONS MIN TYP MAX UNITS
Operating Voltage Range VIN 6.5 48 V
IN Supply Current IIN
When MOSFET fully on 1 2
mA
When MOSFET switching, VCOMP = 2V,
drain to 5V through 50I 1.5 3
Undervoltage Lockout UVLOIN IN rising 5 5.6 6.1 V
UVLO Hysteresis 200 mV
Overvoltage Protection on IN VOVP IN rising 43.6 46 48 V
OVP Hysteresis 1.2 V
Switching Frequency 270 300 330 kHz
Ramp P-P Voltage 2 V
FB Average Voltage TA = +25NC 196 200 204 mV
-40°C P TA P +125NC 190 210
Transconductance gm 550 FS
No-Load Gain A 75 dB
COMP Sink Current ISINK VCOMP = 2V, VFB = 0.65V 150 250 350 FA
COMP Source Current ISOURCE VCOMP = 2V, VFB = 0V 70 115 160 FA
Power Switch On-Resistance RDSON IDS = 1A 0.1 0.2 I
Switch Leakage Current ILEAK VDRAIN = 48V, VCOMP = 0V 25 FA
DRAIN Rise Time tRDRAIN IDS = 1A 10 ns
DRAIN Fall Time tFDRAIN IDS = 1A 10 ns
(3)MAX16840
MR16およびその他12V AC入力ランプ用、
MOSFET内蔵LEDドライバ
ELECTRICAL_CHARACTERISTICS_(continued)
(VIN = 12V; VEXT = VSOURCE = VFB = VGND = 0V; COMP, REFI, and DRAIN = open; TA = TJ = -40NC to +125NC, unless otherwise
noted. Typical values are at TA = +25NC.) (Note 2)
Note_2:_ All devices are 100% tested at TA = TJ = +25NC. Limits over temperature are guaranteed by design._
PARAMETER SYMBOL CONDITIONS MIN TYP MAX UNITS
SOURCE Current-Limit
Comparator Propagation Delay 25 ns
FB Input Bias Current IFB VFB = 0V and VFB = 0.3V -1 +1 FA
FB Current-Limit Comparator
Leading-Edge Blanking 50 ns
REFI Source Current VREFI = 1.224V 47.5 50 52.5 FA
Foldback Kick in Threshold Falling on REFI 1.135 1.2 1.255 V
FB Average Voltage During
Foldback
VREFI = 1.15V 178 189 201
mV
VREFI = 1V 153 164.5 176
VREFI = 0.8V 120 132 143
FB Average Voltage to REFI
Gain VREFI = 1V 6.075
EXT Drive Current VIN = 2V, VEXT = 1V 12.5 40 mA
EXT Pulldown Resistance 5 10 20 kI
Thermal-Shutdown Temperature Temperature rising 165 NC
(4)MAX16840
MR16およびその他12V AC入力ランプ用、
MOSFET内蔵LEDドライバ
標準動作特性
(TA = +25°C, unless otherwise noted.)
VFB vs. DUTY CYCLE FOR BUCK-BOOST
MAX16840 toc01
DUTY CYCLE (%)
VFB
(mV)
90
80
70
60
50
40
160
170
180
190
200
210
150
30 100
IQ vs. TEMPERATURE
MAX16840 toc02
TEMPERATURE (°C)
IQ (mA)
0.6
0.4
0.2
10 35 60 85 110
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
0
IQ vs. VIN
MAX16840 toc03
VIN (V)
IQ (mA)
45
40
35
30
25
20
15
10
5
0.5
1.0
1.5
2.0
0
50
OSCILLATOR FREQUENCY
vs. TEMPERATURE
MAX16840 toc04
TEMPERATURE (°C)
fSW
(kHz)
110
85
60
35
10
50
100
150
200
250
300
0
ULVOIN vs. TEMPERATURE
MAX16840 toc05
TEMPERATURE (°C)
VIN
RISING AND FALLING
85
60
35
10
5.3
5.2
5.1
5.4
5.5
5.6
5.7
5.8
5.0
110
VIN RISING
VIN FALLING
VFB vs.
TEMPERATURE-COMPATIBILITY MODE
MAX16840 toc06
TEMPERATURE (°C)
VFB
(mV)
85
60
35
10
175
170
165
180
185
190
195
200
150
155
160
110
MAX16840 toc07
VREFI (V)
VFB
(mV)
0.8
0.6
0.4
0.2
250
200
150
100
50
0
1.4 1.6
1.2
1.0
VFB vs. VREFI
(5)MAX16840
MR16およびその他12V AC入力ランプ用、
MOSFET内蔵LEDドライバ
ピン配置
端子説明
1
3
4
10
8
7
SOURCE
FB
GND
DRAIN
IN
EP
+
EXT
MAX16840
2 9 SOURCE
DRAIN
5 6 REFI
COMP
TDFN
TOP VIEW
端子 名称 機能
1, 2 DRAIN 内蔵スイッチングMOSFETのドレイン
3 IN 入力。ブーストおよびバックブースト構成の場合、オープンLED時のOVP保護のため、LEDストリングのアノードに接続してください。バック構成のアプリケーションでは、十分な容量のコンデンサでバイ
パスして、INが6.5Vを下回らないようにしてください。
4 EXT 起動後に内蔵ドライバが最初にスイッチングを開始するまでの外付けバイポーラのベース駆動
5 COMP スイッチング段の補償部品接続。グランドとの間に適切なRC回路を接続してください。これはg
の出力です。 mアンプ
6 REFI
アナログ調光およびサーマルフォールドバック。このICはこの端子から50μAの電流をソースします。
この端子の電圧が1.2Vより高い場合、FBの電圧は内部の200mVリファレンスに調整されます。
この端子の電圧が1.2Vより低い場合、FBの電圧はVREFI/6に調整されます。このフォールドバック
機能をディセーブルするには、この端子を未接続のままにしてください。
7 GND グランド
8 FB 電流検出。この端子の入力には、スイッチングサイクル内の電流情報を平均化するための5kΩ/4pFの
RCフィルタが内蔵されています。この端子をSOURCEに直接接続してください。
9, 10 SOURCE 内蔵スイッチングMOSFETのソース
— EP エクスポーズドパッド。放熱のために、EPをグランドプレーンに接続してください。EPをグランドへの
唯一の電気的接続として使用しないでください。
(6)MAX16840
MR16およびその他12V AC入力ランプ用、
MOSFET内蔵LEDドライバ
詳細
MAX16840は、低電圧SSLアプリケーションにおける
バック、ブースト、およびバックブースト構成用の平均電
流モード制御LEDドライバICです。このICは0.2Ω (max)、
48VのスイッチングMOSFETを内蔵しているため、MR16
用の照明アプリケーションおよびその他のSSLアプリケー
ションで使用することができます。このLEDドライバは定
周波数平均電流モード制御を使用して内蔵スイッチング
MOSFETのデューティサイクルを制御します。このICは、
LEDを使用するMR16照明アプリケーションに必要なすべ
ての機能を備えています。このICは、入力電流制御方式を
使用して力率改善を実現します。この機能によって、この
ICは電子トランスとの互換性を実現し、(電子トランス用の)
トレーリングエッジによる調光が可能となっています。
スイッチ電流はFBで検出されます。「ファンクションダイア
グラム」で示すように、FBの電圧はRCフィルタを経由し
ます。その後、この電圧はトランスコンダクタンスアンプの
負の入力に供給されます。g
mアンプの正の入力が、設定
される入力電流レベルになります。gmアンプの出力電圧
がスイッチング周波数のランプと比較され、デューティサ
イクルが設定されます。スイッチング周波数は300kHzに
設定されています。ICに内蔵された平均電流モードコント
ローラが、入力電流の調整を行います。また、このICは
INに46Vの過電圧保護を内蔵しており、LEDストリングが
オープンの場合またはLEDストリングの電圧が高すぎる
場合に、内蔵のスイッチングMOSFETを損傷から保護し
ます。
ファンクションダイアグラム
DRIVER
PWMC
CSLIMIT
0.65V
1.2V
IN
IN
EXT
DRAIN
SOURCE
GND
REFI
COMP
FB
5V
50µA
4pF
S
5kI gm
I0
I1
2VP-P
OSCILLATOR
IN
BG
50ns
BLANKING
LDO +
BANDGAP UVLO
POK
5V
1/6
200mV
BG
OVP
MAX16840
(7)MAX16840
MR16およびその他12V AC入力ランプ用、
MOSFET内蔵LEDドライバ
このICは、入力電流を設定するための制御端子REFIを備
えています。REFIがオープンのままの場合、ICはFBの平
均電圧を200mVに調整します。REFIの制御電圧を使用し
て入力電流を制御することができます。FBの平均電圧は、
V
REFI/6に調整されます(V
REFIはREFIの電圧です)。FBの
電圧に対する直線的な制御は、REFIの電圧が1.2Vを超え
た時点で終了します。電圧が1.2Vを超えて上昇した場合、
FBの電圧は200mVに調整されます。REFIは50μAの内部
電流ソースを備えているため、REFIとグランドの間に接続
する抵抗によってREFIの電圧を設定することも可能です。
この端子にNTC抵抗を接続することによって、この端子を
使用してサーマルフォールドバックを実現することもでき
ます。
このICは独立したEXT端子を備えており、電子トランスで
適切な動作を行わせるために、低入力電圧での通電時に
電流のキックスタートの存在を保証するために使用するこ
とができます。EXTで、外付けのnpnトランジスタを駆動し
ます。レギュレータMOSFETが初回のスイッチングを行い、
INの電圧が5.5VのUVLOスレッショルドを超えた後で、
EXTがグランドにプルダウンされ、外付けのnpnトランジ
スタがオフになります。
内蔵発振器
このICは、300kHzの固定スイッチング周波数の発振器を
内蔵しています。
入力電圧(IN)
このICは、INに印加する電圧によって動作します。INの動
作電圧範囲は6.5V〜48Vです。内部のUVLOは5.6Vに設
定されています。5.4V以下では内蔵パワーMOSFETのス
イッチングは行われず、MOSFET用のゲートドライバは
ローになります。UVLOスレッショルドのヒステリシスは
200mV (typ)です。5VのLDOが内蔵されており、すべて
の内部回路および内蔵スイッチングMOSFET用のゲート
ドライバへの給電に使用されます。INの電圧が46Vを上
回った場合、INに内蔵されている過電圧保護によってス
イッチングが停止します。INの立上り電圧が46Vを超えた
時点で内蔵MOSFETのスイッチングが停止して、INの電
圧が46VのOVPスレッショルドを1.2V下回るまでオフの
ままになります。
外部BJTドライバ(EXT)
EXTは、外付けnpnトランジスタ用の独立したドライバで
あり、INの入力電圧がUVLO以下の場合に外付けの抵抗
性負荷の駆動に使用されます。これは、低入力電圧で電子
トランスを使って動作させる場合に便利です。この端子の
最小電流能力は20mAです。
内蔵スイッチングMOSFET
このICは、最大RDSONが0.2Ω (+125℃時)のスイッチング
MOSFETを内蔵しています。+25℃でのR
DSONは0.1Ω
(typ)です。これによって、このICを最大20Wの電力レベル
までのブーストLEDドライバおよび最大7Wの電力レベルま
でのMR16のバックブーストアプリケーションに使用する
ことができます。MOSFETの最大電圧定格は、48V動作
です。内蔵MOSFETのドレインはDRAIN端子に接続され
ており、内蔵MOSFETのソースはSOURCE端子に接続さ
れています。
電流検出(FB)
内蔵MOSFETのソースはSOURCEに接続されているた
め、SOURCEとグランドの間に電流検出抵抗を接続する
必要があり、電流情報はFBによって読み取られるため、
SOURCEをFBに接続する必要があります。電流の設定ポ
イントはREFIによって決定されます。REFIをオープンのま
まにした場合、FBの平均電流検出電圧はICの制御ループ
によって200mVに調整されます。独立したピーク制限コン
パレータが存在して、FBの電圧が650mVを超えた場合
に各サイクルのスイッチングを終了させます。このコンパ
レータのリーディングエッジブランキング時間は50ns
です。
制御ループ
このICは、平均電流モード制御方式を使用して入力電流
の調整を行います(図1)。制御ループが、FBの平均電圧
を調整します。内蔵のRCフィルタが、この端子に出現する
電流スパイクを除去します。必要に応じて、フィルタを追
加することが可能です。電流調整ループは、電流検出抵
抗RCS、図1に示すRCフィルタ、トランスコンダクタンス
エラーアンプ(gm)、300kHzのランプを提供する発振器、
g
mアンプの正の入力の制御電圧、およびPWMコンパレータ
(PWMC)で構成されます。
(8)MAX16840
MR16およびその他12V AC入力ランプ用、
MOSFET内蔵LEDドライバ
ピーク制限コンパレータ
このICは、スイッチングMOSFETのピーク電流を制限す
るピーク制限コンパレータを備えています。FBの電流検出
電圧が0.65Vを上回った場合、ピーク制限コンパレータが
そのスイッチングサイクルのスイッチングを終了させます。
これによって、過渡時のスイッチングMOSFETとインダク
タのピーク電流が制限されます。
PWMコンパレータ
PWMコンパレータ(PWMC)は、gmアンプの出力と2VP-P
のランプ信号を比較することによって、サイクル単位でス
イッチングMOSFETのオン時間を決定します。各クロック
サイクルの開始時に、RSフリップフロップがリセットされ、
ゲートドライバがスイッチングMOSFETをオンにします。
ランプ信号がCOMP電圧を上回り次第、コンパレータが
フリップフロップをセットして、オンサイクルを終了させ
ます。
電流リファレンス入力(REFI)
このICは、電流リファレンス入力(REFI)を備えています。
V
REFI > 1.2Vの場合、内蔵リファレンスが入力平均電流
を200mV/RCSに設定します。VREFI < 1.2Vの場合、入
力電流がV
REFIに比例して低減され、0まで低減すること
が可能です。入力の最大耐電圧は6Vです。REFIは50μA
の内部電流ソースを備えているため、REFIとグランドの
間に接続する抵抗によってREFIの電圧を設定することも
可能です。この端子にNTC抵抗を接続することによって、
この端子を使用してサーマルフォールドバックを実現する
こともできます。
図1. 制御ループ
CZ
RCF
COMP
CONTROL
VOLTAGE
CP
PWMC
5kI
DRIVER
SOURCE
FB
RCS
10pF
LED+
INPUT
gm
2VP-P
L1
MAX16840
(9)MAX16840
MR16およびその他12V AC入力ランプ用、
MOSFET内蔵LEDドライバ
アプリケーション情報
ブースト構成
MR16およびその他の12V AC入力アプリケーションでは、
LEDストリングの電圧が18Vを超える場合ブースト構成が
使用されます。すなわち、一般的に、アプリケーション内で
直列に接続されるLEDの数が6 LED以上の場合、このICを
ブースト構成で使用することによって最高の効率が提供さ
れます。図2にブーストMR16アプリケーションを示します。
LEDの個数は、6〜10 LEDの範囲が可能です。LEDスト
リングにかかる最大電圧が40Vを超えないようにしてくだ
さい。
ブースト構成の場合、インダクタの電流は電流検出抵抗R1
の電流と等しくなります。
抵抗(R1)
抵抗R1の電流は、インダクタL2の電流と同一です。50Hz
または60Hzの12V ACで求める最大出力電力がPOUTで
ある場合、入力電力PINは次式で与えられます。
PIN = POUT/
n
ここで、
nは効率を示します。入力電流は次式で与えられ
ます。
IIN = PIN/10.8V
抵抗R1は次式で与えられます。
R1 = 0.2V/I
大ピーク電流は、最も高い入力電圧のピーク時に発生し
ます。この入力電圧でのP-Pリップルは∆ILです。最も高い
入力電圧は13.2V ACであり、標準値より10%高い値です。
インダクタのピーク電流は、次の通りです。
IPK = IIN + 0.5∆IL
LEDストリングの出力電圧は、VLEDによって与えられます。
1次近似として、LED電圧が一定であると仮定します。した
がって、入力電圧のピークにおけるデューティサイクルは
次のようになります。
×
= − = −
MIN
LED LED
13.2V 2 18.66V
D 1 1
V V
P-Pリップル率は一般的に最大入力電流の30%〜60%の
範囲で選択されます。60%
P-Pインダクタ電流リップルを
想定した場合、最大インダクタ電流は次式で与えられます。
IPK = 1.3IINMAX
最小インダクタ値は次式で与えられます。
×
=
× MIN
MIN
INMAX
18.66V D
L
0.6I 300kHz
ここで、スイッチング周波数は300kHzです。インダクタ
の飽和電流がP-Pよりも高く、IP-Pでのインダクタの最小値
がLMINを上回っている必要があります。
アプリケーション内のインダクタの温度は+90℃〜+100℃
図2. ブーストLEDドライバ
L1 BD1
C1
C4
R3
L2 D1
LED-LED+
EXT
COMP SOURCE
IN
GND
DRAIN
C3
12V AC
REFI
FB
R1
R2
MAX16840
(10)MAX16840
MR16およびその他12V AC入力ランプ用、
MOSFET内蔵LEDドライバ
ブーストダイオード(D1)
電力消費を低減するために、整流ダイオードD1にはショッ
トキーダイオードを使用する必要があります。ダイオード
D1の電圧定格は、最大出力電圧より高い値である必要が
あります。+90℃〜+100℃の範囲の温度での消費が最小
限になるダイオードを選択してください。このダイオードは、
最大出力電圧時の逆方向リーク電流が最小限であるとと
もに、ダイオード導通時の順方向損失が最小限のものを
選択する必要があります。
ループ補償(R2、C4)
最高の性能を実現するために、ループのクロスオーバー
周波数を最大限に高くする必要があります。R2の最大値
は次式で与えられます。
MAX
LED m
2 300kHz L2
R2 in k
R1 V g
× ×
= Ω
× ×
ここで、R1の単位はΩ、V
LEDはV、g
mはエラーアンプの
トランスコンダクタンスで単位はμS、インダクタL2の値は
μHです。R2には上記より20%低い値を選択してください。
C4、R2によるゼロ点は、次の位置に設定する必要があ
ります。
LED m
R1 V g R2
fz
12V L
× × ×
=
× π ×
したがって、C4は次式で与えられます。
=
× π × ×
1
C4
2 fz R2
バックブースト構成
MR16アプリケーションでは、LEDの個数が3〜5 LEDの
範囲の場合にバックブースト構成が使用されます。図3に、
バックブーストLEDドライバの回路図を示します。LED+の
最大電圧が40Vを超えないようにしてください。
抵抗(R1)
50Hzまたは60Hzの12V ACで求める最大出力電力が
P
OUTである場合、入力電力P
IN端子は次式で与えられ
ます。
PIN = POUT/
n
ここで、
nは効率を示します。入力電流は次式で与えられ
ます。
IIN = PIN/12V
抵抗R1は次式で与えられます。
R1 = 0.2V/IIN
ここで、R1の単位はΩ、I
INの単位はAです。
バックブーストインダクタ(L2)
最高の効率を実現するために、インダクタを連続伝導モード
で動作させる必要があります。インダクタの最大ピーク電
流は、最も高い入力電圧のピーク時に発生します。この入
力電圧での
P-Pリップルは∆I
Lです。最大入力電流は、最も
高い入力電圧で発生します。通常、最も高い入力電圧は
13.2V ACであり、標準値より10%高い値です。
インダクタのピーク電流は、次の通りです。
IPK = IINDMIN + 0.5∆IL
L1 BD1
C1
C4
R3
L2 D1 C2
LED-LED+
EXT
COMP SOURCE
IN
GND
DRAIN
12V AC
REFI
FB
R1
R2
MAX16840
(11)MAX16840
MR16およびその他12V AC入力ランプ用、
MOSFET内蔵LEDドライバ
LEDストリングの出力電圧は、V
LEDによって与えられます。
1次近似として、LED電圧が一定であると仮定します。した
がって、入力電圧のピークにおけるデューティサイクルは
次のようになります。
×
= − = −
+
+ ×
MIN
LED
LED
13.2V 2 18.66V
D 1 1
V 18.66V
V 13.2V 2
P-Pリップル率は一般的に最大入力電流の30%〜60%の
範囲で選択されます。60% P-Pインダクタ電流リップルを
想定した場合、最大インダクタ電流は次式で与えられます。
IP-P = 1.3IIN
最小インダクタ値は次式で与えられます。
2
MIN
MIN
IN
18.66V D
L
0.6I 300kHz
×
=
×
ここで、スイッチング周波数は300kHzです。インダクタの
飽和電流がI
P-Pよりも高く、I
P-Pでのインダクタの最小値が
LMINを上回っている必要があります。
出力ダイオード(D1)
電力消費を低減するために、整流ダイオードD1にはショット
キーダイオードを使用する必要があります。ダイオードD1
の電圧定格は、最大ピーク入力電圧と最大出力電圧の和よ
り高い値である必要があります。+90℃〜+100℃の範囲
の温度での消費が最小限になるダイオードを選択してくだ
さい。このダイオードは、最大出力電圧時の逆方向リーク
電流が最小限であるとともに、ダイオード導通時の順方向
損失が最小限のものを選択する必要があります。
パッケージ
最新のパッケージ図面情報およびランドパターン(フットプリ
ント)はjapan.maxim-ic.com/packagesを参照してください。
なお、パッケージコードに含まれる「+」、「#」、または「-」は
RoHS対応状況を表したものでしかありません。パッケージ図面
はパッケージそのものに関するものでRoHS対応状況とは関係
がなく、図面によってパッケージコードが異なることがある点
を注意してください。
パッケージ
タイプ パッケージコード 外形図 No. ランドパターン No.
10 TDFN-EP T1033+1 21-0137 90-0003
(12)MAX16840
MR16およびその他12V AC入力ランプ用、
MOSFET内蔵LEDドライバ
改訂履歴
版数 改訂日 説明 改訂ページ
0 12/10 初版 —
1 2/11 最低温度を-40℃に変更 1, 2, 3, 8