(仮称)甲府市公共施設再配置計画等策定支援業務委託仕様書
1 業務名
(仮称)甲府市公共施設再配置計画等策定支援業務委託(以下「本業務」という。)2 業務の目的
公共施設等の老朽化に伴う重大事故の発生を受け、全国各地で施設の耐震性や安全性を再確認する 取り組みが広がっている。 本市においても、これまで整備してきた公共施設等の老朽化が進んでおり、今後、多くの公共施設 等が耐用年数を迎える中、建替えや改修等に要する多額の費用が見込まれる一方、少子高齢化の進展 等に伴う社会情勢の変化により、財政状況は一層厳しさを増していくことが予測されている。 このような状況を踏まえて、本市では、安定かつ適切な公共サービスの継続を目指し、平成27年 度に「甲府市公共施設等総合管理計画」(以下「管理計画」という。)及び「施設カルテ」を策定し、 公共施設の最適化に向けた基本的な考え方を整理したところである。 本業務は、管理計画の考え方に基づきながら、本市公共施設マネジメントの推進体制を構築すると ともに、時代に即したまちづくりと適切な公共サービスの確保を着実に推進していくための「(仮称) 甲府市公共施設再配置計画」(以下「再配置計画」という。)及び再配置計画をより実効性の高いもの とするための第1次実施計画(以下「実施計画」という。)の策定等に必要となる各種業務支援につい て、知識、技術、経験等を有する事業者へ委託するものである。3 対象施設
甲府市が所有する公共施設等 【参考】285施設 延床面積:約618,397㎡(管理計画策定時 平成25年度末現在)4 履行期間
契約の日から平成30年7月31日までとする。5 業務委託金額の上限額
16,516,000 円(消費税及び地方消費税相当額を含む。)6 委託業務内容
委託業務の内容は、次のとおりとする。なお、各業務は、本市が設置する庁内会議(甲府市公共施設 等マネジメント会議)及び今後設置を予定している外部有識者からなる委員会等(以下「委員会等」と いう。) と連携を図りながら遂行するものとする。(1)公共施設の現況把握と評価 本市の現況・将来の見通し及び公共施設の課題等について、管理計画、施設カルテ及び固定資産台 帳等を基に詳細を把握・整理するとともに、次の①~④の業務と精度の高い分析やシミュレーション による施設評価を実施し、施設毎の最適化案の抽出と、その実施時期や効果を検証するものとする。 ① 施設所管課からの情報収集及び施設カルテの更新補助 ② 公共施設の配置状況の整理及び分析地図の更新及び作成 ③ 施設の分析評価(個別対応・類型別対応・地域対応・広域対応等)及び再編・再配置の検討 ④ 施設の総合評価(維持・改善・転用・建て替え・廃止等)及び再編・再配置の検討 ⑤ 達成すべき目標(短期及び中長期)の設定
※ ②の分析地図は、紙媒体と合わせ、本市統合型 GIS で閲覧・修正可能な形式(Shape File)を 作成すること。 ※ 施設の評価にあたっては、管理計画での評価結果、施設カルテ、地図データ(Shape File)を 貸与し、これを基本情報とするが、業務遂行に不足する情報は、受託者が必要に応じて実態調査 等(専門的な劣化診断・耐震診断は除く)を行うこと。 ※ ③及び④の施設評価の成果は、今後の運用に活用できるよう、データベース化すること。 ※ 評価にあたっては、建物としての視点のみならず、提供するサービス、コスト効果及び防災対 策の視点からも分析やシミュレーションを行うこと。 ※ 施設の評価結果を示す際には、詳細な調査・分析結果及び実施時期も明確にすること。また、 今後も活用すべきものと判断した施設については、更なる有効活用案を合わせて示すこと。 ※ ⑤の目標設定にあたっては、管理計画の数値目標との整合性を図ること。 (2)公共施設マネジメントの推進支援 公共施設マネジメント及び再配置等を着実に推進するため、①~③の業務をはじめ、庁内の合意形 成に資する提案を行うとともに、全庁的な推進体制の構築及び進行管理の方法等を検討するものとす る。 ① 会議の運営支援等 委員会等の会議の運営等について、会議資料の作成及び議事録(要旨)の作成等の支援を行うと ともに、各会議へ出席し、資料説明及び質疑に対する回答等を行うこと。 ※ 会議に必要な費用(講師派遣、資料作成等)は委託料に含む。 ※ 会場は市役所庁舎等を想定し、会場確保は市が行う。 ※ 委員会等の委員報酬は、市が負担する。 ② 施設所管課のヒアリング 庁内組織の合意形成と公共施設マネジメントの推進体制を醸成するため、業務の実施にあたって は、必要に応じて施設所管課等の意見を収集し、反映すること。 ③ 職員研修等の開催 職員の公共施設マネジメントに係る意識改革を目的とした研修会等を開催する。なお、職員研修 の他にも、庁内の意識改革に有効な事例等があれば積極的に提案し、検討すること。 ※ 研修に必要な費用(講師派遣、資料作成等)は委託料に含む。 ※ 会場は市役所庁舎等を想定し、会場確保は市が行う。
(3)再配置計画基本方針の策定 本市の総合計画や行政改革大綱及び管理計画等(以下「上位計画」という。)の方向性及び上記(1) ~(2)の成果等を踏まえ、次の①~③の成果等を整理した再配置計画基本方針(以下「基本方針」と いう。) を平成29年3月末までに策定するものとする。 ① 上位計画との関連性を図りながら再配置計画の位置づけや計画期間について検討すること。 ② 本市公共施設全体を最適化するための基本的な考え方を検討すること。 ③ 再配置計画及び実施計画の策定を見据えた内容とするため、再配置に向けた具体的な方策を整理 するとともに、その適用方法や手法についても検討すること。 (4)モデル事業の提案と実行計画の策定 上記(1)~(3)の成果及び(7)で集約した意見等を踏まえながら、モデル事業を提案し、抽 出した施設の再配置実現に向けた実行計画を策定するものとする。 ① 提案にあたっては、実効性・緊急性等の高い施設を抽出すること。 ② 提案にあたっては、複数の施設を抽出のうえ、施設毎に複数の再配置手法を提案すること。 ③ 提案にあたっては、それぞれのメリット・デメリット及び効果額(概算)等を明らかにすること。 ④ 市民合意形成の支援を行うとともに、合意形成後には、事業化に向けた実行計画を策定すること。 (5)実施計画の策定 管理計画及び再配置計画との整合性及び上記(1)~(4)の成果及び(7)で集約した意見等を 踏まえながら、5年~10年を見据えた実現可能なアクションプランとして、実施計画を策定するも のとする。 ① 実施計画は、各施設が実施すべき事項を具体的なスケジュールに展開する構成で策定すること。 ② 実施計画書には、公共施設の再配置を推進していくための組織体制、財源の確保、進捗管理等の 推進方策の検討結果について、記載すること。 ③ 実施計画を市民に分かりやすく周知するための概要版を作成すること。 (6)再配置計画の策定 管理計画との整合性及び上記(1)~(5)の成果及び(7)で集約した意見等を取りまとめ、再 配置計画を策定するものとする。 ※ 再配置計画を市民に分かりやすく周知するための概要版を作成すること。 (7)市民合意形成支援 公共施設マネジメント及び上記(1)~(6)の業務を着実に進めていくため、各状況に応じた市 民合意形成方法に係る企画を提案・検討し、実施等の支援を行うものとする。 ① 市民への周知、啓発資料 市民周知、意識啓発に効果的な事例があれば積極的に提案するとともに、リーフレット等を作成 すること。 ② 市民の合意形成と意見収集 市民の合意形成と意見収集を行うため、市民シンポジウム、市民参加によるワークショップ及び パブリックコメント等の企画を提案し、実施等の支援をすること。 ※ 各企画は市主催の実施とし、資料作成、会議のコーディネート等の支援を行うこと。
※ 各企画の実施にあたっては、最も効果的な時期、回数、手法等について提案すること。 ※ 実施に必要な費用(講師派遣、資料作成等)は委託料に含む。 ※ 会場は市役所庁舎等を想定し、会場確保は市が行う。 ※ ①で作成する周知資料等については、イラストやマンガ等を取り入れ、市民が関心を持てるよ うなデザインに留意すること。 (8)公共施設自主点検マニュアルの作成 施設の損傷や故障の発生に伴い修繕を行う「事後保全」から、日常的・定期的な点検や診断により 機能の低下の兆候を検出し、事前に使用不可能な状態を避けるために行う「予防保全」への転換の第 一歩として、自主点検(施設管理者が自主的に行う点検)の対象となる部位や方法について整理した 公共施設自主点検マニュアル(以下「自主点検マニュアル」という。) を平成29年3月末までに作 成するものとする。 (9)その他 ① 上記(1)~(8)の各業務の実施予定、進行管理に資するロードマップを作成すること。なお、 作成するロードマップは、実施計画の終了年度までの期間における中期的な視点を含め、平成28 年度から平成30年度までの履行期間内の時間軸と本市との役割分担を明確にする等、具体的なも のを作成すること。 ② 基本方針、実施計画及び再配置計画の策定にあたっては、上位計画との関連性や位置づけを明確 にすること。 ③ 各業務の遂行にあたり必要又は有効な情報があれば、先進事例等の導入を含め、より多くの情報 を積極的に提案すること。 ③ 本仕様書に明記がなくとも、受託者の提案により、本市が必要と認めた事項については、委託業 務に含めるものとする。 ④ 履行期限が明記されていない業務の履行期限は、本業務の履行期間内に遂行すること。
7 業務体制
(1)管理責任者 ① 受託者は、受託業務の遂行を統括する管理責任者を定めること。 ② 管理責任者は、本業務の遂行に必要な知識と経験を豊富に有する者とすること。 ③ 管理責任者は、常に業務全体を把握するとともに、業務に従事する者(以下「業務従事者」とい う。)を指揮・監督し、業務の円滑な進捗に努めること。 (2)業務従事者 ① 業務従事者は、本業務に類する業務へ従事した実績を有する者とすること。 ② 業務従事者は、本業務の遂行に必要な知識と業務経験を有し、公共施設マネジメント等の動向や 事例等に精通した者とすること。 (3)受託者 ① 受託者は、管理責任者及び業務従事者を変更しなければならない特別な事情が生じた場合は、迅 速に本市の承諾を受け、その後速やかに届出を行うこと。② 万一管理責任者を変更する事態が生じた場合は、業務の遂行に支障のないよう万全を期すること。