新歓論文 食品製造1班 東洋水産
1班長 岡怜奈
班員 青山咲、浅田嵩暁、新井翔太、各務成、北見優生子、島田和典、徳永雄大、
野瀬もなみ、飯田遼太郎、奈良祐汰
ファシリテ 池野颯人、上野真由子、八木洋樹、吉澤雄大
新歓論文 食品製造1班 東洋水産
2目次
1. はじめに …P3
2. 業界分析 …P4~5
3. 3C分析
2-1.自社分析 …P6~7
2-2.他社分析 …P8~10
2-3.顧客分析 …P11~12
4. SWOT分析 …P13
5. 問題提起 …P14~15
6. 政策提言 …P16
7. 4P分析 …P17~21
8. おわりに …P22
9. 出典 …P23
新歓論文 食品製造1班 東洋水産
31.はじめに
即席麺発祥の国である日本では即席麺の中でもとりわけカップ麺が庶民の食
卓で大きな存在感を示している。近年、独身世帯数が増加するに伴いカップ麺
の需要は日々増加しているといって差し支えない。日清食品が 1958 年に発売
した「チキンラーメン」に端を発する即席麺市場は、今や一巨大市場へと遂げ
現在も数多の即席麺が発売されてはしのぎを削っている。お湯を注ぐだけで食
にありつける即席麺は世界規模で高い需要があり、年間で世界累計約 1027
億食(世界ラーメン協会調べ 2012 年 5 月 12 日現在)が消費されていると言わ
れている。
そうした中で今回我々食品製造 1 班は、「マルちゃん正麺」などで昨今話題の
東洋水産を取り上げ、業界一位の日清食品との比較を交えつつ、東洋水産の
企業戦略について分析を試みた。
新歓論文 食品製造1班 東洋水産
42. 業界分析
図1:即席麺業界における売上高のシェア(2005年) 図1のように、即席麺業界は独自のブランドをもつ四つの企業が参入しているため、新商品の開発競争が非常 に激しいものとなっている。そのため参入障壁が高く、寡占市場となっている。 図2:袋麺とカップ麺の生産量の変化 また図2を見ると、1980年代後半からカップ麺の生産量が袋麺の生産量を抜き出したのがわかる。これはこ の時期から現在まで人々はより手軽で便利なものを求めるようになったからである。このことから即席麺業界 において、より大きな売り上げを得るには人々のニーズに対応して、袋麺よりもカップ麺産業に力を入れるべき だといえる。 日清 40% 東洋水産 19% サンヨー食 品 12% 明星食品 10% エースコッ ク 8% その他 11%
新歓論文 食品製造1班 東洋水産
5日本の即席麺事情(平成26年のデータ)
製造メーカー58社が日本即席食品工業協会に参加 (日本即席食品工業協会即席麺とはインスタントラーメンや加工米飯を製造する食品会社を対象とした 業界団体。日清食品創業者の安藤百福が設立時より理事長、1989 年 5 月より会長を務めてきた。) 年間生産数量 袋麺 17億1678万食 カップ麺 35億1030万食 生タイプ 1億5211万食 日本人一人当たりの平均消費量 42.4食 日本全国で発売された銘柄数(JAS 製品) 1331種 全インスタントラーメン中売り上げ一位はサッポロ一番味噌ラーメンとなっている製品の値上げ
業界首位の日清食品は2015年1月1日より、主要の製品価格を値上げした。
また、2位の東洋水産も値上げを発表、サンヨー食品も追随した。
値上げ幅、時期、理由などは業界内でおおむね同様。
値上げの背景には、
原材料価格が新興国での需要増や円安で上昇
していることや、包材・資材や物流
コストが上昇していることなどがあげられる。
新歓論文 食品製造1班 東洋水産
63. 3C分析
3-1.自社分析
東洋水産株式会社
・基本情報
売上高 3812.6 億 従業員 4566 名 純資産 2599 億 シェア 19% 2015 年 3 月期の全体の売上高と各事業の割合(図3)・主な商品
赤いきつね・緑のたぬきシリーズ マルちゃん生麺シリーズ 水産食品事業 9% 海外即席麺事業 23% 国内即席麺事業 31% 低温食品事業 17% 加工食品事業 5% 冷蔵事業 4% その他事業 11%2015年3月期
売上高
381,259
百万円
新歓論文 食品製造1班 東洋水産
7hanauta シリーズ マルちゃん焼きそば
・事業内容
東洋水産は 1953 年に創業し、1962 年から「マルちゃん」ブランドで即席麺の販売を開始した。創業以来、時代 が変わっても一貫して変わらないのは「顧客第一主義」という顧客のことを第一に考える姿勢と想いである。 商品やサービスを通して顧客の笑顔に出会えることが最大の喜びであり、その笑顔が社員一人一人の喜びに 繋がると考える。また東洋水産は以下にあげる製造・販売を行っている。 ・冷凍魚介類の仕入れ・加工・販売 ・即席麺類の製造・販売 ・生麺類の製造・販売 ・魚肉ハム・ソーセージの製造・販売 ・風味調味料・スープの製造・販売 ・かつお削り節の製造・販売 ・レトルト食品の製造・販売 ・冷凍冷蔵保管業 ・倉庫・運輸・通関業 ・その他新歓論文 食品製造1班 東洋水産
83-2.他社分析
日清食品ホールディングス
・基本情報
売上高 4315.7 億 従業員 8767 名 純資産 3616 億 シェア 50%傘下 : 日清食品 (シェア 40%)
従業員数 1372 名 日清食品ホールディングス株式会社の持ち株会社化に伴う 事業会社として 2008 年 10 月 1 日に設立された。・主な商品
カップヌードル
チキンラーメン
UFO
ラ王
どん兵衛
新歓論文 食品製造1班 東洋水産
9傘下 : 明星食品 (シェア 10%)
従業員数 505 人 日清食品ホールディングス株式会社の持ち株会社化に伴う 事業会社として 2008 年に設立された。・主な商品
一平ちゃんシリーズ チャルメラ
・事業内容 (日清食品ホールディングス)
1948 年に創業し、1958 年に世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発売し、瞬く間に大ヒット商品に なった。2008 年 10 月 1 日に持ち株会社へと移行。企業理念として 「食創為世」をはじめとする 4 つの経営理念を掲げ、世の中のために食を創造するという考えを大切にしている。 また、日清食品ホールディングスは以下の事業を行っている。 ・持ち株会社としてグループ全体の経営戦略の策定、推進 ・グループ経営の監査 ・即席麺の製造、販売 ・チルド食品の製造、販売 ・冷凍食品の製造、販売 ・菓子、シリアル食品の製造、販売 ・乳製品、清涼飲料、チルドデザートの製造、販売2015 年 3 月期の全体の売上高と各事業の割合(図 4)
日清食品 51% 明星食品 9% 低温事業 13% 米州地域 8% 中国地域 7% その他 12%2015年3月期
売上高
417,620
百万円
新歓論文 食品製造1班 東洋水産
10サンヨー食品
・基本情報
売上高 1717 億(単体 792 億) 従業員 6214 名(単体 598 人) シェア 12%・主な商品
サッポロ一番シリーズ カップスター ポケモンヌードル・主なエースコックの商品
スープ春雨 ワンタンメン 茹でたて名人
・事業内容
1953 年に創業し、1981 年にエースコックと提携。サンヨー食品は創業以来「良き味の創造」を経営理念とし、「迅 速なる行動、熱心なる販売」を行動理念として掲げてきた。また、サンヨー食品はインスタントラーメンの製造、販 売に従事している。新歓論文 食品製造1班 東洋水産
113-3.顧客分析
1. 即席麺の摂取状況(平成 26 年の調査、出典:日本即席食品工業協会、図5) 最近 3 ヶ月以内に食べた人は袋麺 70.2%、カップ麺 76.8% 10 年後も食べたいと思う人は 8 割強 →即席麺が日本の食生活に深く根付いている 2. 即席麺を 1 ヶ月に食べる平均個数(性・年代別、数値は個、出典:日本即席食品工業協会、図6) →男女で消費量の差はあるものの、50 代 60 代女性を除きどの年代でも比較的需要がある 3. カップ麺をいつ食べるか(出典:MyEL、図7) →カップ麺は昼食時に最も食べられている。新歓論文 食品製造1班 東洋水産
12
4. 即席麺の良さ(平成 26 年の調査、図8)
→袋麺は『価格』『保存性』が高く評価されている
新歓論文 食品製造1班 東洋水産
134.SWOT分析
Strength ・国内では東日本でのシェア率が高い ・マルちゃんのブランド力 ・客層限定した商品の充実 ・国内と国外を合わせた売り上げがトップ Weakness ・メイン商品が少ない ・女性向け商品の知名度が低い ・PB でのシェア率が低い Opportunity ・災害の際、保存食として使える ・需要が安定している ・未婚率の上昇→独身者数の増加 ・独身者や一人暮らしをしている人の食事の助 けになる Threat ・円安→原材料の値上げ ・健康志向の増加 ・少子高齢化による若年ユーザーの減少東洋水産の SWOT 分析
東洋水産の強みは、マルちゃんというキャラクターの知名度の高さ、女性向けのカップ麺“hanauta”や男性向 けに麺の量を増やした“本気盛り”、赤いきつねと緑のたぬき 地方限定味”などの客層を絞った商品を数多く展 開していることがあげられる。国内トップの日清食品が西日本でシェアが高いのに対し、東洋水産は東日本で高 いシェアを占めている。また、東洋水産は国外にも多くの商品を売り出しており、国内国外を合わせると即席麺 の売り上げはトップを占める。一方、弱みは他社である日清食品に比べ、収入源となる主力商品が少ないこと、 プライベートブランド商品のシェア率が低いことである。 機会は、東日本大震災の影響による防災に対する意識の高まりから、長期保存が可能な即席麺を保存食とし て購入する消費者が見込まれること、また未婚率の上昇に伴う独身者・一人暮らしの増加などが挙げられる。 対して即席麺業界の脅威は、円安に伴う原材料の値上げやエネルギーコストの増加により商品販売価格が上 がっていること、国民の健康志向の高まりから即席麺の需要が減少する恐れがあること、少子高齢化の影響に より即席麺購買率の高い若年ユーザーが減少していることである。新歓論文 食品製造1班 東洋水産
145.問題提起
・hanauta 概容
商品コンセプト hanauta は「女性をちょっとごきげんにする、女性のためのカップ麺」をコンセプトとしている 容器の色鮮やかなデザインやもちやすい形状など、女性のための工夫が多くなされている。職場でのランチや 自宅での忙しい家事の合間に食べることを推奨している。 ・他社商品 ・カップヌードルライト メタボリックシンドロームを代表とした生活習慣病を危惧するユーザーに対して作られた商品。独自のミスト・ド ライ製法によりカロリーを低く抑えることに成功した。購入層は当初想定していた40代前後の男女を中心に、普 段あまりカップ麺を食べない若い女性にも広まった。198kcal ・スープはるさめ 低カロリーながらしっかりとした食感で食べごたえがあるため、女性に人気が高い。 71kcal カップヌードルライトはあくまで生活習慣病を気にし始める、中年の男女がターゲット。 それに対して hanauta は女性をメインターゲットとして、女性への配慮を第一に、多少 の贅沢感のでるものとなっている。 hanauta とスープはるさめは二つとも女性がターゲットであり、ラーメンとはるさめで あるため比較しづらいが、hanauta の方がより外装に力を入れている印象がある。 現在、hanauta として売られている商品は三種類である。 商品名 hanauta ハワイアンヌードル hanauta 鶏白湯ラーメン hanauta きつねうどん kcal 296kcal 306kcal 304kcal 内容量 68g 72g 69g比較対象として、日清のカップヌードルとカップヌードルライトと比べてみる。 商品名 カップヌードル カップヌードルライト
kcal 353kcal 198kcal 内容量 77g 53g 表から、hanauta はカップヌードルよりは低カロリーではあるが、カップヌードルライトほど低カロリーではないこ とがわかる。 私たちの班は、さらに hanauta について知るために実際に試食をしてみた。 その時に出た感想をあげてみると、 ふたが丸まって机汚れる 容器に紙とプラスチックを用いているので、捨てにくい 鶏白湯やハワイアンヌードルなど、変わった味の商品だが食べてみるとそこまで味に個性はない 中身の自社と他社の比較と実際に試食をしてみて、hanauta は中身では他社商品との差別化が図れていない ことがわかる
新歓論文 食品製造1班 東洋水産
15 次に、hanauta の外装をカップヌードルライトと比較したい 【http://www.maruchan.co.jp/products/search/2908.html】 【https://www.nissin.com/jp/products/brands/cupnoodle/】より引用 hanauta は、パッケージが女性を意識したおしゃれでかわいいデザインとなっているが、カップヌードルライトは カップヌードルとそれほど変わらないシンプルなデザインとなっている。 以上のことから、hanauta は、中身ではなく外装を女性向けにすることで他社商品と差別化をしようとしている ことがわかる。 外装を女性向けにすることの利点は、他人がいる前であってもカップ麺を気兼ねなく食べられることである。逆 にいえば、この商品は一人で昼食を食べる女性、例えば専業主婦には需要がないことが推定できる。では、日本 にはどの程度専業主婦がいるのだろうか。 厚生労働省の平成22年の調査によるとその数は約 1495 万 2000 人いる。少なくとも、これだけの女性が hanauta の販売戦略上、買いづらいとなると hanauta は売り方を変える必要がある。問題点
上記で述べたように、hanauta は外装に特色があり、他社と差別化を図っているがその需要が確保できていな いため、SWOT 分析で述べたように女性向け商品の知名度が低くなっている。目標設定
問題点を受けて、私たちの班はhanauta の売上を伸ばす
ことを目標に設定した。新歓論文 食品製造1班 東洋水産
16
6.政策提言
hanauta の売上を伸ばすには hanauta の特徴である外装を活かす売り方をし、さらに試食の際にでた hanauta の持つ問題を改善すればよい。そこで、私たちの班は hanauta を 20 代、30 代 OL 向けに販売することを政策提 言とした。 なぜ、OL を対象とするのか。下のグラフをみてほしい。 http://reposen.jp/1680/3/66.html 【朝日大学マーケティング研究所より引用】 この二つのグラフは、首都圏在住の 20-49 歳の未婚女性の OL を対象にしたアンケートの結果であるが、これら から OL は会社のデスクで昼食を食べることが多いことがわかる。つまり、OL は社内という他人がいる環境での 食事が多いので hanauta の外装を活かした売り方ができるということだ。 0% 20% 40% 60% 80% 100% 300人~ 50人~299人 ~49人 40代 30代 20代 全体