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全文

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ITを活用した授業の創造に係る調査研究

〈小・中学校

国語科〉

はじめに 埼玉県教育委員会は平成13年の6月から7月にかけて、県内小・中・高等学校の児童生徒及 びその保護者に「教育関係意識調査」というアンケートを実施した。この調査報告書に興味深い 結果が示されている。 「好きな教科・嫌いな教科等のランキング」という項目があり 「国語」は好きな教科のラン、 キングで小・中学校ともに最下位。嫌いな教科では小学校で算数に次いで2番目。中学校でも3 番目という結果が出ている。ちなみに、好きな教科の上位にあるのは、家庭(技術・家庭)や図 画工作(美術 、音楽や体育(保健体育)といった教科である。) なぜ、国語や算数は嫌われ、家庭科や音楽等が好かれるのか。様々な要因があるのだろうが、 一つにはいわゆる座学を嫌い、机やイスから離れた活動的な授業に興味を惹かれるということが あげられるのではなかろうか。国語の教員もこうした子どもたちの声をしっかりと受け止て、学 習活動に工夫を凝らし、魅力的な授業を創造していかなければならない。 では、具体的にどのような指導の工夫が考えられるだろうか。子どもたちの実態にあったさま ざまな創意工夫があろうが、コンピュータの活用もその一つに入るであろう。前述した調査報告 書に「学校の先生に期待すること(がんばってほしいこと 」という項目もあり 「コンピュー) 、 タなどを活用できる力を高めること」が上位にきている。子どもたちが私たちにコンピュータ技 能の向上を求めるということは、コンピュータを活用した授業を望んでいるということである。 学習指導要領でも、特に中学校の「A話すこと・聞くこと 「B書くこと」において話題を求」 めたり、課題を見付けそれに関連する材料の収集方法としてコンピュータや情報通信ネットワー ク等を取り上げている。また、古典への親しみを深めるために、映像メディア等の活用などの工 夫も述べられている。 今後、ミレニアムプロジェクトの推進に伴い、コンピュータ室へ移動しての授業ではなく、普 段の授業の中でいかにコンピュータを活用するかが問われてくる。教室にある1台のコンピュー タで、どのように児童・生徒を授業に惹きつけ、興味・関心を持続させるか。そして、いかにし て学習内容を確実に身に付けさせるかを追究しなければならない。 この研究では、 ・ 1台のコンピュータで実施できる授業資料の作成。 ・ コンピュータとプロジェクタを使った資料提示を中心に実施する授業。 ・ 操作が簡単で、すべての国語教師が利用可能なもの。 ・ コンテンツだけではなく学習指導案を添付する。 という、基本的な考え方でコンテンツ等を作成した。

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指導の具体例 【小学校 第5学年】 1 教材名 「言葉の研究レポート (光村図書」 5上) 「ふだんの言葉をふり返ろう (教育出版」 5下) 2 対応する学習指導要領の内容 第2 各学年の目標及び内容 〔第5学年及び第6学年〕 2B( ) ア1 目的や意図に応じて、自分の考えを効果的に書くこと。 ウ 自分の考えを明確に表現するために、文章全体の組立ての効果を考える こと。 言語事項 ウ(エ) 語感、言葉の使い方に対する感覚などについて関心をもつこと。 3 指導目標 相手に自分の気持ちが伝わるように、意図をはっきりさせて話したり、言葉の使い方に注意し て話したりすることができる。 4 コンピュータ活用のねらい 「そういえばぼくにも経験がある 「わたしもいやな思いをしたことがある」といった実体験」 に基づく内容が、簡単な紙芝居形式にまとめられている。導入段階で扱うことにより、この単元 の学習活動がより楽しいものとなる。 5 学習指導案 単元指導計画(全体指導時間 4時間) ( ) ・コンピュータの事例により学習の見通しを持つ。 1時間 本時 ・事例を画用紙やCPでまとめ、互いの作品をみて言葉の役割について考え、感想をまとめる 3時間 本時の目標と展開 ・学習の見通しを持ち、自分の課題に取り組もうとしている。 (関心・意欲・態度) ・コンピュータの事例から、自分の体験を思い出して意見や感想を話し合うことができる。 (話すこと・聞くこと) 学 習 活 動 学 習 内 容 ●IT 指導援助と評価の創意工夫 ①話し合いをする。 ・課題の確認 ②CP画面を見て ●よりよい話しの仕方 ・なぜ困っているのか、どうしてけん 感想を話し合う。 ●思いやりの言葉や時間場所など かになってしまうのかを考え、解決 の方法を話し合っていたか。 (関心・意欲・態度)(話すこと・聞くこと) ③自分の体験をふり返 ・学習の計画 ・事例や自分の経験を想起した感想か り、会話の中での失 ら、みんなで事例づくりをする課題 敗談や成功談をまと を提示する。 め発表することを知 り、学習の見通しを 持つ。 6 実践のポイント 自分たちの生活経験に即した内容の作品づくりをすることをつかませる。 7 成果と課題 ・ コンピュータが自分の表現を高める参考になる。 ・ 会話例により自分の経験にあわせた楽しい内容の作文を書くことができた。 ・ あまりたくさんの例示を見せると、同じ内容になりがちになる場合もあるので、CP画面 の見せ方は取捨選択してもよい。

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【小学校 第6学年】 1 教材名 「人類よ宇宙人になれ (教育出版」 6下) 2 対応する学習指導要領の内容 第2 各学年の目標及び内容 〔第5学年及び第6学年〕 2A( )イ 話し手の意図を考えながら話の内容を聞くこと。1 ウ 自分の立場や意図をはっきりさせながら,計画的に話し合うこと。 3 指導目標 討論会(パネルディスカッション)の進め方について知り、立場の違う相手の意見を聞くこと や、自分の意見を相手に伝えることができる。 4 コンピュータ活用のねらい 「パネルディスカッションとは何か 」を画面上で話す形式を例示するとともに、話すことや。 聞くことのチェックポイントを示すことによって、児童一人一人が話す視点、聞く視点を持てる ようになることが大切である。自作VTRも用いて、よい例を示し、具体的なイメージをつかま せていく (プレゼンテーションソフトを使った字幕教材と討論例示の。 mpeg 形式ビデオ教材) 5 指導略案 ※評価の観点 単元指導計画 (全8時間) ・論説文「人類よ宇宙人になれ」を読みとる。 ・・・・6時間 ・意見交換をする。 ・・・・2時間(本時1/2) 本時の目標と展開 ・相手の意見を聞いて、自分の意見を話すことができる (話すこと・聞くこと)。 学 習 活 動 学習内容 ●IT 指導・援助と評価の創意工夫 1 「地球に残りたい」か「宇宙 ○討論の立場の確認 ・クラスの児童に自分の立場をはっき 人になるか」の考えを聞く。 りし、討論の動機付けをする ・。 「人類はどうすべきか」考えて討論しよう。 2 討論の仕方を確認する ●討論の方法の理解。 ・VTR教材のサンプルを途中で止め 3 コンピュータ画面をみて討論 ●課題に沿った討論の て、解説しながら見せる。 の形式を身につける。 仕方。 ・2回行い、1回目は画面を見ながら 役割を変えて2回行う 2回目は画面を離れるようにする。 4 よくできた例を見る。 ○本時の討論の評価。 ・話し合いのポイントを押さえておく 教師が録画(録音)したもの ※ 相手の意見をふまえて、自分の意 をみて相互評価する。 見を相手に伝えようとしている。 (話すこと・聞くこと) 次時の予定 クラス全体討論の後に、自分の考えを書かせる。 6 実践のポイント 論説文「人類よ宇宙人になれ」を学習すると、子供たちは、地球の危機や筆者の大胆な発想や 考えに出会う。そこで子供たちに、地球の今後の問題点について、意見や考えを主張しあう場面 を設定し、話し合わせることが大切である。 7 成果と課題 ・ 実際の討論の様子と字幕で話し合いの形式を理解し、ほとんどの児童が討論することがで きた。 、 。 ・ 児童の発言をビデオカメラに映し ふりかえることでより良い評価活動することができた ・ 32人で1台のプロジェクターを使った活動は難しかった。少人数で行ったほうが良かっ た。

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【中学校 第2学年】 1 教材名 「扇の的∼平家物語∼ (光村図書」 2) 2 対応する学習指導要領の内容 第2 各学年の目標及び内容 〔第2学年及び第3学年〕 2C( ) ウ1 表現の仕方や文章の特徴に注意して読むこと。 第3 指導計画の作成と内容の取扱い 1( ) イ4 古典の指導については、古典としての古文や漢文を理解する基礎を養い 古典に親しむ態度を育てるとともに (以下、 略) 3 指導目標 「 」 、 、 、 。 ( )1 平家物語 の一節を読み 場面の展開をとらえ 状況や心情を想像して 古典を楽しむ ( ) 文語文の言葉遣いの特徴をつかみ 「平家物語」独特の文体や言葉のもつリズム感を意2 、 識して、朗読する。 ( ) 「扇の的」を題材に、好きな課題を選んで取り組み、発表する。3 4 コンピュータ活用のねらい 生徒にとっての「古典」は、日本語ではあるが意味がわかりづらく、難しいものというイメー ジがある。所々に付いている現代語訳や脚注をたよりに読み進めるのが精一杯で、その先にある 作者や登場人物の心情までは届かない。 言いかえれば、よく指導の目標とする「興味 「親しみ」からかけはなれてしまっているのが」 現状である。そのような状況の中で、本コンテンツを作成した。視覚的に作品を捉えることで、 内容理解を容易にし、古典に対する抵抗感を和らげ、興味・関心が引き出されることを期待した い。 5 学習指導略案 学習指導計画(6時間扱い) 第1時 『平家物語』について知る 歴史的仮名遣いを理解する。 第2時 冒頭部分を暗唱し、発表する。 第3時 「扇の的」の原文を読み、朗読する (本時)。 第4・5時 「扇の的」の内容を理解し、まとめる。 第6時 「扇の的」の内容をわかりやすく伝える。 本時の目標と展開 ・ 原文をすらすらと読めるように繰り返し読もうとしている (関心・意欲・態度)。 ・ 扇の的」の情景を想像しながら原文を読むことができる (読むこと)「 。 学 習 活 動 学 習 内 容 指導・援助と評価の創意工夫 1前時の復習をする。 ・歴史的仮名遣いの確認 2本時のめあてを確認 する。 「扇の的 の情景を想像しながら読めるようにしよう」 。 3原文を読む ※歴史的仮名遣いを確認し、積極的に 原文を読もうとしている。 (関・意・態) 4範読を聞き、読み方 ・歴史的仮名遣い ・漢字の読み ●コンテンツを利用し、場面の特徴を を確認する。 ・声の大きさ ・擬声語の発音 捉えさせる。 イントネーション ・ 意味の切れ目 ・リズム ・ 5朗読の練習をする。 ※工夫しながら、朗読練習をしようと

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している (関・意・態)。 6朗読する。 ・場面による特徴を捉えた朗読 ※場面の状況を想像しながら、朗読し の仕方 ている (読むこと)。 7本時のまとめをする。・朗読に対する評価の仕方 ※友達の朗読を適切に評価している か。 *明確な評価の観点 6 実践のポイント ・ 多様な学習活動に対応できるコンテンツの作成を目指した。 ・ 作品のイメージを持たせることで、登場人物の心情にせまりやすくした。 ・ 必要最小限の場面(絵)にすることにより、寸劇や紙芝居等の課題別学習のサンプルとし て活用することもできるよう工夫した。 7 成果と課題 ・ 内容を視覚的に捉えられたため、登場人物の心情も理解しやすかったようである。 ・ プロジェクターを教室へ移動させるため、設置に時間がかかった。 ・ 生徒の視点がスクリーンに向くため、教科書をじっくり見ながら、読み方を指導する際に は、範読またはCDと併用することが効果的である。 【中学校 第2学年】 1 選択教科としての「国語」 「作家プロフィールを作ろう」 2 対応する学習指導要領の内容 第3 指導計画の作成と内容の取扱い 4 選択教科としての「国語」においては、生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開 できるよう (以下略)、 第2 各学年の目標及び内容 〔第2学年及び第3学年〕 2B( ) ア1 広い範囲から課題を見付け、必要な材料を集め、自分のものの見方や考え 方を深めること。 3 指導目標 興味を持った作家のプロフィールを作成することができる。 4 コンピュータ活用のねらい ( ) 生徒個々に興味を持った作家の紹介を、従来の表現方法(レポートや模造紙・印刷物な1 ど)と共に、各学校で身近に使えるようになったコンピュータを使用して、表現する。 ( ) プレゼンテーションソフトを使用することにより、従来の発表方法に加えて、ディジタル2 カメラからの画像やイラストなどの活用という、より豊かな視覚効果が得られる。 5 学習指導略案 単元指導計画(全6時間) ・興味を持った文学作家のプロフィールを調べる。 3時間 ・調べた内容を整理し、プレゼンテーションソフト使ってプレゼンテーション用のスライド 。 ( ) を作る 3時間 本時 本時の目標と展開 ・興味を持った作家のプロフィールを、積極的に作ろうとしている。 (関心・意欲・態度) ・作家のプロフィールを整理し、わかりやすくまとめることができる (書くこと)。 学 習 活 動 学 習 内 容 ●IT 指導・援助と評価の創意工夫 ※評価の観点

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1調べた事柄を、プレ ○作家の年表の整理 ○あらかじめ各作家のプロフィールスライド ゼンテーションソフ ○作家にゆかりのある画 の柱は提示しておく。 トに適した内容にま 像の検討 ①主な作品群 とめる。 ○プレゼンテーションの ②作家年表 イメージに合う音楽の ③作家のイメージにあった音楽の選定 選定 ④ゆかりの土地・建物・少年時代の写真 (生徒が取材で取り込んだ画像など) 2文字や画像・音楽を ●プレゼンテーションソ ※作家のプロフィールを正確に調べ、工夫し 入力する。 フトによるプレゼンテ て整理し、発表しやすくまとめている。 ーション用スライドの (書くこと) 作成 ※見る側に理解しやすいスライドを作ろうと している 〈資格・音などの効果が出てい。 るか〉 (関心・意欲・態度) 6 実践のポイント ・年表など作成の際は、国語便覧や図書館の資料で見つけ出す。 ・写真や画像は長期休業(夏休み)などを利用して、撮影したり、インターネットなどで探す。 ・事前の指導で、音楽や画像に関する著作権についての指導を怠らないこと。 ・地域にゆかりのある作家や文学者に着目させることにより、独自の資料集が容易になる。 7 成果と課題 ・ 生徒達が従来のレポート形式や、模造紙での発表より、他人にはないような個性的な発表を 目指して、意欲的に活動していた。 ・ 取材をする時と場の設定には制限されることが多く、難しかった。 おわりに 本研究の検証授業の結果 「コンピュータを使った授業は大変わかりやすかった、 。」「またやっ てみたい 」という児童生徒の声が多かった 「知識・技能」はもとより「意欲・思考力・表現。 。 力」を含めた「確かな学力」を身につけさせる上でも、ITを活用した授業は大変有効であると 思われる。 ぜひ、本研究で作成していただいたこれらの資料をそのまま活用していただくとともに、十分 参考にして、各校の児童生徒の実態にあった教材開発を進めていただければ幸いである。 なお、具体的なコンテンツについてはHPを参照していただきたい。

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を活用した授業の創造にかかる調査研究 IT

ITを活用した現代文の授業

−抽象的なものを具体化し、理解を深めるための授業の展開− はじめに 現代文の授業を展開する中で、抽象的な概念を具体化し理解を助ける手だてや、現代文特有の微妙 なニュアンスを伝える手段として適当な方法を開発するのは難しい。日常の授業では、口頭で説明を 加えたり、黒板を使い模式図を書いて説明したりするのがせいぜいである。しかしながら、これらの 課題を解決する一つの具体的な方策として 「ITを活用した授業」があると考えられる。、 そこで、ここでは現代文「山月記」の授業において 「目に見えない抽象的なもの」や「伝えたい、 微妙なニュアンス」をITを活用することで具体化し、生徒の理解を深めるための授業を紹介する。 学習指導案 (1) 単元名 現代文(第二学年) 小説二 『山月記』 (2) 単元の目標 ・ 文学的な文章について、叙述に即して的確に読み取ったり、表現に即して読み味わったりし て、ものの見方や考え方を深めようとしている。 ・ 文学的な文章について、主題、構成、叙述などを確かめ、人物、情景、心情などを的確にと らえる。 ・ 目的や内容に応じた様々な読み方を通して、文章の読解、鑑賞を深め、自己を模索する多感 な時代に自身の問題とも関連づけて考えを深めたり発展させたりする。 (3) 単元の指導計画(7時間扱い) 時 学習内容 学習活動 教師の指導援助 評価の観点 1時 ・ 山月記 』本文の『 ・ 山月記』を音読し、文体の『 ・指名して音読をさせる。 ・自 ら進 ん で課 題 、 通読 特徴を捉える。 難解な語句の確認。 や問題点を見つけ 理解 し よ う と し て ・初 発の 感 想 文 作 ・ 山月記』について 感想文作『 ・内容・表現等、対象は いるか。 成 成。 自由に書かせる。 2時 ・作 者・ 作 品の 紹 ・便 覧 等 を利 用し、 作者の境 ・生活が作品に与える影 ・作 者に つ い て 、 介 遇、 生きた時 代、他 の作品、 響を考えさせる 。 理解できたか。 作品の傾向等を確認する。 ・ 山月記』を創った人生『 とは ・ 人虎伝』の紹介『 ・全体の構成把握 ・内容に よ り 文章を段落分け ・段落数については前も ・文章 の内容の 変 する。 って指示を出す。 化・ 展開 が 理解 で きるか。 ・音読時の注意 ・漢文調を意識して読む。 ・独特なリズム感を大事 にするよう指導する。 3時 各段落の検討 ・第1段落 ・音読・語句の確認 ・前時の注意確認 ・ 李徴」の人物像を考える。「 ・行動・特徴から人物像 ・表 現を 的 確に 理 をまとめさせる。 解しているか。 ・ 失踪」までの経緯を確認す「 ・本文の語句を用いてま る。 とめさせる。 ・第2段落 ・音読・語句の確認 ・ 袁「 ? 」の役割を考える。 ・ 袁「 ? 」の人物像から『山 ・内 容を 理 解す る と と も に 、 作者 の 月記』における役割を考え 意図 が読 み と れ た させる。 か。 ・『人虎伝』との比較

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・第3段落(前) ・音読・語句の確認 ・虎 になった 「李徴 」の心境 ・ 他の存在」になった自「 を考える。 分を想像させる。 4時 各段落の検討 ・第3段落(後) ・「李徴」を虎に変えたものを ・自分の周囲に関連づけ ・『山月記 』におけ 確認する。 て考えさせる。 る変 身の 原 因の 一 。 ・超自然、超人間的存在 ・作者の場合は つを確認できたか ・第4段落 ・音読・語句の確認 ・漢詩の鑑賞 ・口語訳で意味の確認 ・主 人 公 の 苦悩 が 感じ取れるか。 「 「 」 ・ 袁? 」の感想 ・後の段落から どこか を探させる。 5時 ・第5段落の検討 ・音読・語句の確認 ・ 李徴」自己分析から変身の ・変身の原因とその作用 ・近 ・現 代 人に も 本時 「 理由をまとめる。 の確認をさせる 。 通じ る精 神 的 苦 悩 ・臆 病な自 尊 心、尊 大な羞 ・自分の内面との比較 が理解できるか。 恥心 ・内面描写の巧みさを味わう ・プレゼンテーションソ ・作 品の 描 写か ら 主 人 公の 内 面 描 写 フトを活用し、精神の構成・関係・作用の画像を の巧みさを味わう 提示する。 6時 各段落の検討 ・第6段落 ・音読・語句の確認 ・芸術 への執着 も ・ 芸術」そのものと 人間との「 ・周囲を顧みない行為が 変身 の原 因 で あ る 関係について考えてみる。 もたらすものを自分に関 こ と を確 認 で き て 連づけて考えさせる。 いるか。 ・第 7段 落 ・音読・語句の確認 ・ 人虎伝 と結末部を比較し『 』 、 ・原作との変更がもたら ・作者 の ね ら い が 作者のねらいを考える。 す効果を考えさせる。 読みとれるか。 7時 ・作品の主題検討 ・主 題として 考え ら れ る 変身 ・全体を通して再度、変 ・全 体の 構 成が 把 の理由・意味を再確認する。 身の理由をまとめさせる。 握できているか。 ・本作品における 変身「 」 ・作者 の描き た か が何を意味しているのか っ た も の が 読み と を考えさせる。 れているか。 (5)本時の目標 ・主人公の独白の中でも、主題に深い関連を持つ部分の微妙な心理構成を的確に読みとる。その際、 視覚的補助教材を利用して、描写の具体的なイメージを構築する手助けとする。 ・人間の内面という複雑なテーマにおける、作者の描写技術の巧みさを味わう。 (6)コンピュータ活用のねらい(視点) 「目に見えないもの」を言葉による説明で、あるいは黒板に書かれた簡単な図で伝えることは難し 。「 」 「 」 、 、 い 何となく分かった から はっきりとよく分かった へ進めるよう 抽象的なものを具体化し 理解を深める手助けとなる補助教材の作成を念頭に置いてみた。 (7)本時の展開例(5/7) 学習内容 学習活動 教師の指導援助 評価の観点 ・前回までの復習 ・これまでの李徴の告白の内容 ・既に述べられた変身の ・作 品の 内 容が 把 導入 を確認する。 原因等を確認させる。 握できているか。 (5) ・音読 ・難解・難読な語句に注意しな ・読解の上で重要な意味 ・語 句の 意 味を 理 展開 がら、第5段落を音読する。 を持つ語句には特に注意 解し 、き ち ん と 音 (5) する。 読できるか。

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・段落の要点整理 ・ 李徴の自己分析による変身 ・本文中の語句を利用し ・段 落の キ ー ワ ー (5) 「 、 。 の理由」という題で簡潔にまと キーワードとも言える表 ドが探し出せるか めた文を作成する。 現を見落とさないよう注 意する。 ・微 妙な 心 理 状 態 ・プレゼンテーションソ を理解できるか。 フトで例文を提示、内容 を確認する。 (15) ・2 つの キ ー ワ ー ・ 臆病な自尊心 「尊大な羞恥「 」 ドについての考察 心」について考えてみる。 ・李徴の例を参考にさせ、 ・具 体 的 な イ メ ー 「それらを含む人間の内面」 具体的な行動と結びつけ ジを 自分 な り に つ 「それぞれの心理状態」 て考えさせる。 かみ 、理 解 の手 助 「それぞれの関係」 ・プレゼンテーションソ けと出来るか。 フトで人間の内面のモデ ル図を示し、それを構成 する要素の一つとしてそ れぞれを考えてみる。 ・プレゼンテーションソ フトで2つのキーワード は二面性を持つ一つの要 素とも考えられることも ・主人公同様の経験がないか考 える。 示す。 ・作 品の 発 する メ ・身近な例で考えさせ、 ッ セ ー ジ を つ か む ・変 身と い う虚 構 ・李徴の独白を追いながら、精 特別な人間の例ではない ことが出来るか。 (10) の意味を考える。 神の操縦を怠った者が、自分と ことを理解させる。 いう存在を失ってしまうことを ・近年の社会事件などを 考える。 通して、誰もが「李徴」 ・後悔してもどうにもならない になる可能性があること 主人公の悲しみを味わう。 を考えさせる。 ・場を盛り上げる作者の 演出にも触れたい。 ・本 時の 内 容の 確 ・本時の内容をふり返り、変身 ・本時の内容が、作品に ・要 点を 整 理し 、 まとめ 認 の原因・屈折した心理状態・変 とって非常に大事な部分 次回 の授 業 へ進 む (10) 身という虚構の意味などを再確 であることを再認識させ 準備が出来たか。 認する。 る。 ・次回の予告 コンピュータ活用の実践のポイント IT活用の場面 IT活用の視点 期待できる効果 機器、教材教具 ・見やすさ ・板 書 時 の生 徒 観 察 ・プレゼンテーションソフトで例 ・板書時間の短縮 時間の確保 文を提示、内容を確認する。 ・授業の速度向上 ○パソコン (黒板代わりに利用する) ○ディジタルソフト ○プロジェクター ・プレゼンテーションソフトで人 ・作品の理解の支援 ・視 覚 に よ る 認識 で ○ プ レ ゼ ン テ ー シ 間の内面のモデル図を示し、それ ・学習意欲の向上 理解が深まる。 ョンソフト を構成する要素の一つとしてそれ ○ワープロソフト ぞれを考えてみる。 ・学 習 自 体を 印象 づ け る こ と で今 後の 意 欲が高まる。 ・プレゼンテーションソフトで2 つのキーワードは二面性を持つ一 つの要素とも考えられることも示 す。

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生徒の反応 生徒の多くが、現代文の授業においてコンピュータを利用した経験がなく、その新鮮さから興味や 関心を抱いた生徒が多かったようである。また、その一方で黒板での授業に慣れているために拒否反 応を示す生徒もいた。 コンピュータの画面を利用し、抽象的な概念や心理を図を用いて説明したことについては 「見や、 すく、わかりやすい 「理解の補助に役立つ」という感想もあり、好意的に受け止めた生徒が多かっ」 た。抽象的な概念は、言葉の説明だけよりも理解しやすいということが窺えた。しかしながら、視覚 的要素を生かしたディジタルコンテンツが、内容の理解に役立つ一方、想像することで作品や登場人 物のイメージを構築する力を養うことも大切になると思われる。 また、今回の授業では、板書の代用としてのディジタルコンテンツと、抽象的な概念の理解を助け るディジタルコンテンツがあったが、これらを明確にしていなかったため、生徒の中にはノートへの 書き込みが十分出来ず、不満を持つ生徒もいた。このことから、事前に授業のねらいや授業形態等に ついてガイダンスを行わないと、生徒が十分に授業について行けないことが窺えた。内容を精選し、 「ノートに残すべきディジタルコンテンツ」と「見て理解の補助とするディジタルコンテンツ」の区 別が出来るよう、事前の説明や教材への工夫が大切である。また、黒板の代用としての「ノートに残 すべきディジタルコンテンツ」は授業中にプリントとして配布するなどの工夫も必要である。 成果と課題 ここ数年、普通教室へのコンピュータの導入など、授業においてもコンピュータ活用が求められて いる。新学習指導要領にもコンピュータの活用が示され、実際小中学校において、コンピュータを活 用した授業を受けてきている生徒も多い。各教科においては、コンピュータをいかに生かしていくか を考え、積極的に取り入れる姿勢が今まで以上に必要になってくるだろう。何でも便利に・スピーデ ィにすればよいというものではないが、コンピュータ活用の可能性も追求していく必要がある。 一 方、パソコンをワープロ機能のみで、日常的に利用していない教師にとって、その操作による結果が 予測できないものに対して必要以上抵抗を持つことも事実である。また、日ごろ使い慣れないプレゼ ンテーションソフトについても、かけた時間の割に、できあがったディジタルコンテンツは平凡なも のかも知れない。ITを活用した授業の想像は、改めて教師に「試行錯誤しながら新しいことに取り 組む」姿勢を持たせてくれるものと言えよう。実際、授業後の生徒の声を聞き、ディジタル教材の改 良・応用にとどまらず、今までの自分の授業自体の見直しを真剣に迫られるものであった。この授業 改善に役立つことも一つの成果であったと思う。 実際、授業の成果としては、(1)興味・関心をもたせるのに役立つ。(2)抽象的な概念の理解に役立 つ。(3)効率よくスピィーディに授業を行うのに役立つ。といった成果が挙げられる。 一方課題としては、(1)授業のねらいやガイダンスを丁寧に行った上で授業を行う必要がある。(2) 単なる板書としての活用と理解補助のための活用なのかを明確にする必要がある。といったことが挙 げられる。 ITを活用した授業には展開の仕方により、多くの課題を有するが、様々な取り組みをする中で、 授業の改善を図り、生徒に「国語の力」を付けるよりよいものを作り上げることが大切である。 なお、今回の調査研究は、本校国語科の松原康二教諭の御協力・御助言を頂きながら進めたことを 追記する。 資料 プレゼンテーションソフトを用いて作成したディジタルコンテンツ(例) 例文を提示し、内容を確認 人間の内面のモデル図 (1)李徴の心理の図式化 (2) (3) (板書の代用としての活用)

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ITを活用した授業の創造にかかる調査研究

ITを活用した古典の授業

−学ぶ楽しさを味わう授業を目指して− はじめに 現在、コンピュータの利用については、ワープロや表計算機能の他にはインターネットを利用する 程度の教員が多く、コンピュータを活用した授業は避けて通っているのが現状ではないだろうか。し かし、新学習指導要領においてもコンピュータの活用が示され、各教室にもコンピュータが配置され る現状を考えた時、コンピュータの利用に対して目に見えない「壁」を感じている教員も、コンピュ ータを活用した授業を展開する必要があると考えられる。 ここでは 「古典」において、ITを活用した授業の実践を通じて、生徒が「学ぶ楽しさ」を味わ、 えることを目指した授業を紹介する。 学習指導案 (1) 単元名 古典 説話「一 大江山の歌 ( 古今著聞集」『 巻第五』より) (2) 単元の目標 ・説話を読み、古典文学に親しむことによって、ものの見方や感じ方を広げる。 ・会話や内容の展開に即して登場人物の心理や感情を理解し、要旨を的確にとらえる。 ・和歌の機知や技法を理解するとともに、それが評価された時代背景を理解する。 (3) 単元の指導計画(4時間扱い) 時 学習内容 学習活動 教師の指導援助 評価の観点 ・読みの確認 ・範 読に続い て音読 し、読み ・3回繰り返す中で、1 ・意 欲を 持 って 取 1時 を確認する。 度目は短く切り、2度目 り組 み、 き ち ん と は文の内容で切って、3 声を 出し て 読ん だ 度目には句読点で切る。 か。 ・読 みの難し い部分 をチェ ・歴 史 的 仮 名 遣 い ックする。 を理 解し て 読ん で いたか。 ・本文の筆写 ・本文をノートに写す。 ・口語訳や語句の意味な どを後で書き込めるよう に、ノートの使い方を指 示する。 ・口語訳の準備 ・本 文を写し 終わ っ た者は、 ・次時に作る口語訳の準 ・適 切な 位 置を 考 ( ) 注に 訳な ど があ るものについ 備であることを意識させ え な が ら 、 必要 な て、ノートに転記しておく。 る。 部分を写したか。 ・読みの確認 ・範 読に続い て音読 し、読み ・2回繰り返す中で、1 2時 、 を確認する。 度目は文の内容で切って 。 2度目には句読点で切る ・重要語の確認 ・列 ごとに分 担して 、古語辞 ・口語訳作成の鍵になる ・分 担し た 語句 を 。 典で 語句の意 味を調 べ、発表 語句をピックアップして きちんと調べたか する。 おき、指定する。 ・発表された中で、必要 なものは板書する。 ・口語訳 ・順 次、和歌 の出て く る 部分 ・指名し口語訳させる際、 ・文 の お お ま か な まで、口語訳を行う。 訳が詳しくなりすぎない 意味 が理 解 で き て よう注意する。 いたか。 ・読みの確認 ・範 読に続い て音読 し、読み ・1度、句読点で切って 3時 を確認する。 読ませる。

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、 ・口語訳 ・順 次、和歌 の出て く る 部分 ・指名し口語訳させる際 から、口語訳を行う。 訳が詳しくなりすぎない よう注意する。 ・和歌の鑑賞 ・改 めて「大 江 山 … 」の和歌 ・掛詞や詠み込まれた地 ・歌 の技 巧 が理 解 の内 容を学習 し、そこにこめ 名等を指摘し、即興で凝 できたか。 られた小式部の内侍の心情(主 らした技巧を理解させる。 ・定 頼へ の 返答 の 張)を読み取る。 形で あ る こ と が 理 解できたか。 ・助動詞の確認 ・本 文 中 の助 動 詞 の 意味、活 ・説明が煩雑にならない 用形等を確認する。 よう注意する ・読みの確認 ・範 読に続い て音読 し、読み ・1度、句読点で切って 4時 を確認する。 読ませる。 本時 ・内容の再確認 ・本 文の内容 を再 確 認し、読 ・プレゼンテーションソ ・既 習 事 項 を理 解 みを深める。 フトを活用し、人物関係 した 上で 、 画面 の 展開が追えたか。 や地名の位置関係などを 口語訳の再確 提示する。 認の際、説明が煩雑にな 。 りすぎないよう注意する ・和歌の鑑賞 ・和 歌に つ い て学習 したこと ・プレゼンテーションソ ・既 習の 技 巧や 返 を再確認する。 フトを活用し、和歌の内 答と し て の 性格 は 。 容や、使われている技法 理解できていたか などを再確認する。 ・まとめ ・全 体の構成 を考え な が ら 、 ・プレゼンテーションソ ・結 果に 到 る流 れ 話の展開をとらえる。 フトを活用し、全体の構 の道 筋が 理 解で き たか。 成を図示して、話の展開 をとらえる。 (5)本時の目標 ・登場人物について、相互の関係を理解させる。 ・地名の実際の位置を知り、内容の把握や、作歌技法の巧みさの理解に役立てさせる。 ・既習内容を再確認してまとめることで、知識の定着を図る。 (6)コンピュータ活用のねらい(視点) ・情報機器を利用することで生徒の興味を喚起し、学習意欲を向上させる。 ・教科書にない地図や古典常識・教養を画像で紹介することによって、作品の理解を支援 すると同時に、親しみやすい形で知的好奇心を刺激し、学ぶ楽しさを向上させる。 ・情報機器を活用して派生事項の紹介等を能率的に行い、生徒の注意力が途切れないよう 配慮すると同時に、基礎基本の定着のための時間をより多く確保できるようにする。 (7)本時の展開例(4/4) 学習内容 学習活動 教師の指導援助 評価の観点 導 入 ・学習の準備 ・板 書された 日付や 題名等を ・出欠確認を通じて生徒 (10) ノートに写すなどの、学習の 状況の把握を行う。 準備を行う。 ・範 読に続い て音読 し、読み ・前 時ま で の学 習 ・読みの確認 ・1度、句読点で切って を確認する。 読ませる。読む速度や声 内容 を意 識 して 読 んでいたか。 量、区切り方等に注意す る。遅滞や躊躇、読み間 。 違いにきちんと対応する ・既習事項を簡潔に確認 ・本 時の 予 定を 確 ・本時の内容がこれまでの「ま 、 。 認 とめ」であることを確認する。 し まとめを意識させる

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・ 歌詠みにとられ ・本 文の口 語 訳を再 確 認 しな ・位 置を 画 面で 確 展開 「 ・プレゼンテーションソ て詠 み け る を」 ま がら 、画像を 手が か り に 読み 認できたか。 (35) フトで地図を示し、京都 −丹後間の位置関係を理 での内容の再確認 を深める。 解させる。 ・和 泉 式 部 と 小式部 の内侍の ・プレゼンテーションソ ・順 に展 開 する 関 関係を再確認する。 フトで関係図を示し、人 係図が追えたか。 物関係や和泉式部の歌才 を確認する。 ・ 袖をひかへて」「 ・本 文の口 語 訳を再 確 認 しな ま で の内 容 の再 確 がら 、画像を 手が か り に 読み ・プレゼンテーションソ ・性 別、 服 装、 女 認 を深める。 フトで教科書の挿絵を拡 性の た し な み等 を 確認できたか。 大して示し、そこから得 られる情報に気づかせる ・和歌の鑑賞 ・和 歌に つ い て学習 したこと ・プレゼンテーションソ ・既 習 内 容 の技 巧 を再確認する。 フトを活用して、詠まれ や、 定頼 へ の返 答 と し て の 性 格は 理 た地名を地図で確認し、 解できていたか。 天橋立の写真を提示して、 読みを深め、掛詞などの 技法を確認する。 ・まとめ ・全 体の構成 を考え な が ら 、 ・結 果に 到 る流 れ まとめ ・プレゼンテーションソ 話の展開をとらえる。 の道 筋が 理 解で き (5) フトを活用し、全体の構 たか。 成を図示して、話の展開 をとらえる。 コンピュータ活用の実践のポイント IT活用の場面 IT活用の視点 期待できる効果 機器、教材教具 ・作品の理解の支援 ・状況設定を理解し ・プレゼンテーションソフトで地 やすい 図を示し、京都−丹後間の位置関 係を理解させる。 ・学習意欲の喚起 ・人物に興味を持つ ・プレゼンテーションソフトで関 ・学ぶ楽しさの向上 ・人物関係を把握し 係図を示して、人物関係や和泉式 ・作品の理解の支援 やすい ○プロジェクター 部の歌才を確認する。 ○可動式スクリーン ○パソコン ・思考力の育成 ・積極性が高まる ○ プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ・プレゼンテーションソフトで教 ・学習意欲の喚起 ・場面設定を理解し ンソフト 科書の挿絵を拡大して示し、そこ ・作品の理解の支援 やすい ○ワープロソフト から得られる情報に気づかせる。 ○インターネット ○スキャナー ・学習意欲の喚起 ・和歌の作るイメー ○ディジタル資料 ・プレゼンテーションソフトを活 ・学ぶ楽しさの向上 ジを理解しやすい 用して、詠まれた地名を地図で確 ・作品の理解の支援 ・即興性と技巧とを 認し、天橋立の写真を提示して、 ・和歌の修辞法に関する 味わう助けとなる 読みを深め、掛詞などの技法を確 基礎・基本の定着 ・学習内容が定着 認する。 ・学習過程の理解 ・作品の全体構成を ・プレゼンテーションソフトを活 ・思考力の育成 考えながら、流れ 用し、全体の構成を図示して、話 ・学ぶ楽しさの向上 を理解しやすい の展開をとらえる。 ・作品の理解の支援 ・結 論 に 到る 筋道 が 理解しやすい

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生徒の反応 生徒は、機器に対して興味を示し、開始時の着席状況も良好であった。しかしながら 「教科書を、 読む」作業や「口語訳の確認」に集中できない生徒は、画面と本文を結びつけて理解することが難し かったようである。ただ、同じ画面を間を置いて繰り返し出てくるよう意識して設定したため、確認 させたい内容については理解できた。 生徒が、反応を強く示したのは「天橋立の写真」であり、画像が教材の興味を喚起する力があるこ とが理解できた。単に、写真や口絵にはない興味の示し方であった。そのため、天橋立の伝説や日本 三景のことにも集中して耳を傾けていた。 意外な反応としては、教科書の挿絵の拡大利用や、チョークでの板書と差があまりないような構成 図に対しても積極的な反応と理解を示したことである。キーワードが順に出てくる画面では、単語が 画面に登場する度に生徒が表情の変化を見せ、解説にも耳を傾け、質問にも積極的に答えていた。 検証授業後のアンケートでは、全体の7割の生徒が「大変良い・良い」と肯定的であった。特に、 映像と解説が同時に進むわかりやすさについては肯定的であった。また、全体の7割の生徒が国語の 授業でもコンピュータを利用すべきと考えており、特に復習に活用してもらいたいと考えている傾向 が見られた。 成果と課題 今回の調査研究では、次の3点で成果が得られた。まず、第1点目としては 「ITならではの特、 別なコンテンツ」でなくても、生徒の興味関心を高め、授業への注意力を喚起することができること である。生徒は、写真や口絵を画像で提示するだけで強い関心を持ち、授業に積極的に取り組む姿勢 が窺えた。 第2点目としては、プレゼンテーションソフトを活用して派生事項や簡単なエピソードの紹介をす る際、板書する時間を節約できるだけでなく、授業の流れを止めずに展開できたことが挙げられる。 このことは、指導事項の精選につながるとともに、生徒の思考の過程を整理するのにも役立つことが 分かった 「IT活用には特別なアイディアが必要」という考えにとらわれる必要はなく、すべては。 日常の教科指導の延長線上にあるということである。 第3点目としては、ITを活用することによって、板書しながらの説明がなくなり、生徒をより細 かく観察でき、内容理解に配慮しながら授業を展開できるということである。これにより、観察によ る評価も丁寧にできる。また、画像を利用することで、取り扱うべき内容を網羅できることも挙げら れる。 課題としては、(1)授業の準備に必要な時間が、経験しないと予測がつかないこと、(2)ディジタル コンテンツの著作権の確認が必要なこと、(3)コンピュータ機器の準備と管理が必要なこと、(4)画像 を安定して高画質のものにする必要があることなど、コンピュータ機器の利用に関する課題が挙げら れる。また、実際の授業における課題としては、概して授業の進みが早くなりがちなので、ノートに 記録させる内容についての明確な指示が必要であり、生徒が写すための時間をきちんと確保するか、 あらかじめ資料として配布する必要があることが挙げられる。 以上から、ITを活用した授業には、これから解決すべき課題はあるものの、授業の動機づけやま とめに活用できる有効な手段と言える。また、生徒が「授業を楽しむことができる」大変有効な手段 と言えよう。しかしながら、ITは、あくまで「道具」に過ぎない。授業内容は教員の工夫と、教員 自らの技量の向上とにかかっているのはいうまでもない。 なお、今回の調査研究は、総合教育センターの専門研修「コンピュータを活用した国語科研修会」 において、Eグループ(朝霞高等学校、黛穂高教諭・杉戸高等学校、知久元三教諭・吹上高等学校、 新井康之)の三人で作成したディジタルコンテンツをもとに、修正をして作成したものを活用した。 資料 プレゼンテーションソフトを用いて作成したディジタルコンテンツ(例) (2)掛詞などの技法を確認する (3)全体の構成を図示して (1)人物関係や和泉式部の歌才を確認 話の展開をとらえる

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ITを活用した授業の創造に係る調査研究<社会科、地理歴史科・公民科> Ⅰ はじめに 情報通信ネットワークの整備に伴い、社会科、地理歴史科・公民科授業においてもインターネ ット等の IT 活用が図られるようになった。今後、問われなければならないのは、授業改善のた 。 、 めのIT活用の方途をいかに具体的に探っていくかということである 現行の学習指導要領では 特に、IT 活用の工夫により社会科、地理歴史科・公民科の授業を<豊か>にしていく必要性を 強調している ( 指導計画の作成と内容の取扱い」等 。。「 ) では、いかにして授業を<豊か>にするか。まず注目しなければならない取組は 「ミレニア、 ム・プロジェクト――教育の情報化――」であろう。このプロジェクトの目標は、誰もが自由自 在に情報にアクセスできる社会の実現である。ソフト・ハード両面において様々な取組が行われ る中で、従来にない特徴的な傾向が見られる。それは、コンピュータを十分活用し得る「体制を 整備する」部分に力点が置かれている点であり、公立学校教員の研修と質の高い教育用コンテン 。 、 、 ツの提供が基本的な方針として示されている つまり 先進的な取組を目指しているのではなく の普及・一般化が優先されているのである。こうした文脈における先行実践例としては、文 IT 部科学省の HP にリンクしている「“IT 授業”実践ナビ」があげられる。事例として小中高の社 会科、地理歴史科・公民科の HP を見てみよう。埼玉大学教育学部附属中学校の青柳慎一教官は 「中学校・1年地理」における IT 活用について、○地図の入手のため、○調査方法を工夫する ため、○課題を調べるための情報源として、○直接体験できない地理的事象を提示するための4 つの目的にIT 活用が有効であると述べている。また、小学校の事例では、IT を活用しての交流 活動の有効性が指摘されている。つまり、調べたことをテレビ会議や電子メール、Web 掲示板 などを活用し、ほかの学校や地域と比べたり、意見を交換したりすることによって、お互いをよ り深く理解し、自分の考えをはっきりさせることができる、というのである。 そこで、本研究では、以上概観したような現状や先行研究を基に,( )小中高それぞれの授業1 において IT をどのような場面で活用すると有効なのかを明らかにする。そして、その成果を基 に、( )多くの教員の授業づくりのヒントとなるコンテンツを作成することを目的とする。2 Ⅱ 研究方法 前項( )の目的に迫るために、小中高の教員が、それぞれの学校が設置されている地域の社会1 的事象を素材としたコンテンツを 作成し、授業における教育的効果 を測定した。また前項( )の目的2 に迫るために「電子的な単元の指 導計画表」を作成した。IT の活用 場面を具体的に示すため、プレゼ ンテーションソフトを用いた指導 計画表を作り、そこから直接、具 体的な IT コンテンツ(画像・動 画 、ワークシート(ワープロ文) 書)をリンクさせたものである。

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Ⅲ 実践例 1 小学校の事例 事例 1 「北川辺町のようす (社会科:3・4年」 11時間扱い) (1) 単元の目標 ○町の様子は場所によって違いがあることやそれぞれの場所の特色を理解し、自分たちが日々生 活している町に対する誇りや愛情をもつ。 ○町の特色のある地形などの様子や主な公共施設の場所と働きを、観察して調べ、町の場所によ る様子の違いや特色を具体的に考える。 ( ) 単元の指導計画2 つ か む 追 究 す る まとめる・ひろげる ①北川辺町の動画を見て ④北川辺町のおすすめスポット 田んぼ「 」 ⑩できあがった北川 どこの場所であるか考 について調べよう。 辺町のおすすめス える。 ポットを発表し、 ②みんなの地図に、調べ ⑤⑥北川辺町の様子についてグループご みんなで確認しよ てきたおすすめスポッ とに調べる。 う。 トをまとめる。 ③おすすめスポットにつ ⑦⑧⑨北川辺町のおすすめスポットにつ ⑪おすすめスポット いてグループごとに調 いて調べたことをまとめよう。 の場所を地図にま べるために計画をたて とめる。 る。 ( ) コンテンツの解説3 左 の 図に あ る 提 示 画 面 は 、教 室 の 板書 と し て 活用 す る 。画 面 に は 、児 童 に 投げ か け る 課題 や 指 導 計 画 (学びの地図 、ヒン) ト となる 映 像 がボ タ ン として 用 意 さ れ て いる。

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下の図にある北川辺町の動画の画面は、ボタンをクリックすると、その地域の映像を見ること ができる。一斉に児童に見せてもよいし、児童が操作をする形で自由に見せてもよい。 ( ) 成果と課題4 提示画面では、本時の課題や指導計画(学びの地図)を児童に提示できるため、学習意欲を高 めるだけでなく、児童一人一人が見通しをもって学習に取り組むことができた。また、北川辺町 の動画の画面では、授業時間内では見学にいけない地域を見ることができ、児童が効率よく学習 に取り組めた。また、短い時間の動画であるため、繰り返し見せたり、見せたい場面だけを即時 に見せたりすることができたので、児童の意欲を継続することができた。 情報活用能力については、コンテンツの活用により一定の育成は図られたが、本単元だけで大 きな成果を得ることは難しい。そこで、このような実践を今後も継続して行い、積み重ねを通し て育成していく必要があると考える。

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事例 2 「栗橋町に残る古いもの」(社会科:3・4年 9 時間扱い) (1) 単元の目標 地域に残る文化財や史跡、年中行事に関心を持ち、それらについて、見学・調査、地域 の高齢者などからの聞き取り等により調べ、それらのものには、人々の生活の安定や向上、 地域のまとまりなど様々な願いがこめられていることに気付き、地域に残る文化財や史跡 の意味を考え、自分たちもそれらを大切に受けつごうという気持ちを持とうとする。 (2) 小単元の指導計画 つ か む 追 究 す る まとめる・ひろげる ① 学校の周りの地域にあ る文化財や史跡・お祭 り等について調べる。 ② 学校の周りの地域に残 る古いもの調べの学習 に見通しを持ち、学習 計画を立てる。 ③④学校の周りの地域に出かけ、 古いもの調べをする。 ⑤⑥調べたことをまとめ、友達と 情報交換する。 ⑦ 1回目の調査の時には未解決 だった疑問や新たな疑問につい て2回目の調査をする。 ⑧ 「調査マップ」をもと に、気付いたことを話 し合う。 ⑨ 町内に残る昔から伝え られてきたものについ て調べ、話し合う。 (3) コンテンツの解説 【提示画面】 web 形式で保存してあるので、どのコ ン ピ ュ ー タ の ブ ラ ウ ザ で も 見 る こ と ができる。1時間目から9時間目まで の授業の目標やクイズ、取材のヒント 等を掲載してある。また、栗橋町内の 古いものをまとめたホームページ「栗 橋町の古いもの」や動画資料「吉田さ んのお話」にもリンクすることができ る。 【吉田さんのお話】 【栗橋町に残る古いもの】 栗橋町の国道4号線沿いの道路には、利根川の洪水から人々の生 命や財産を守った「水塚(みづか)」がある。その所有者である 吉田さんのお話を動画資料にまとめてある。水塚がなぜ作られた のか、いつころできたのか、また、昭和22年のキャサリン台風 の時のできごと、水塚の中にある蔵の内部の様子等を説明を交え た形で見ることができる。

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栗 橋 町 に 残 る 古 い も の を ホ ー ム ペ ー ジ 形 式 で ま と めた。トップページはクリ ッ カ ブ ル マ ッ プ に な っ て いて、クリックすると見た い 場 所 を 見 る こ と が で き る。説明は最小限にとどめ てあり、実際に見学するた め の 資 料 と い う 位 置 付 け になっている。 (4) 成果と課題 栗橋町はかつて日光街道の宿場町として栄え、今でも町のいたるところにその名残があ る。また、町の歴史をひも解くと、人々は常に利根川の洪水の脅威と戦ってきたことが分 かる。そのため、史跡や行事にとどまらず、水塚の所有者である吉田さんのような方々も 多くおられる。写真資料や、そうした方々の貴重な証言を保存しておくことが、地域学習 の充実を図る上でも重要であると考えた。今回、吉田さんから昭和22年のキャサリン台 風時の体験など貴重な体験談をお聞きして、それを動画ファイルで保存した。プレゼンテ ーションソフト上で一斉に提示したり、ホームページ上で児童が必要な時に閲覧したりす ることができる。こうした活用の仕方は従来実現し得なかったもので、IT を授業に活用す ることには大きな意義があると感じた。 今後も吉田さんに限らず多くの証言を集め、資料に加えていきたい。このような取組を 広めていけば、子どもたちの学習の幅を広げることにもなるだろう。

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地図を使って地域の様子を確認しよう 地図を使って地域の様子を確認しよう l l地形図上で自分の地形図上 で自分の家を探してみよう家を探してみよう l l通学コースとまわりの 様子通学コースとまわりの様子 l l地図を読む、地図を読む、地形図地形図比べてみよう比べてみよう l l土地の起伏を表す土地の起伏を表す 等高線等高線三角点三角点 l l地図上 で2点を決めて、その間を歩いて地図上で2点を決めて、その間を歩いて みよう。 みよう 。 l l読図=まわりの様子が見えてくる読図=まわりの 様子が見えてくる 2 中学校の事例 事例 1 「身近な地域の調査 (地理的分野:1年」 10時間扱い) ( ) 単元の目標1 身近な地域における社会的諸事象を取り上げ、観察や調査などの活動を行い、生徒が生活して いる土地に対する理解と関心を深めさせるとともに、市町村規模の地域的特色をとらえる視点や 方法、地理的なまとめ方や発表の方法の基礎を身に付けさせる。 ( ) 単元の指導計画2 ・地理的情報の収集 第 1 時 地図を使って地域の様子を確認しよう 第 2 時 校舎の屋上から身近な地域を観察してみよう 第 3 時 地図を持って郊外へ出て調べてみよう(野外調査) ・地理的事象の発見 第 4 時 集めた情報から分布図を作ろう 第 5 時 身近な地域の特色をとらえるための課題を考えよう ・調査計画と考察 第 6 時 課題を追究するための調査計画を立てる 第7・8時 課題追究のための観察や調査 ・調査結果の整理・伝達 第 9 時 観察や調査の結果をまとめる 第 10 時 自分たちの身近な地域を紹介しよう ( ) コンテンツの解説3 本単元では、プレゼンテーションソフトを使ってコンピュータを黒板代わりに使い、地図や写 真を提示することにより、生徒への指示や指導を視覚を通して示せるという点に着目した。 (第1時の提示画面) 1:50000 学校付近の (学校の位置を表示し 拡大していく、 ) 第1時の提示画面では、地形図に初めてふれる生徒 であるので、教師の指示を徹底するためにも地図を表 示し、拡大することがポイントとなると考える。 また 「地図を歩く」場面では、地図上と実際の様子、 とが画面上で確認できるように撮影した写真にリンク できるようにしておく。実際の様子を写真で示すこ とで、読図作業が初めての生徒であってもすぐに確認 できる。 写真とリンク

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右の地図は第2時 で使用する地形図。 第1時でも使用した 1:25000 ものである。 の地形図を図として 取り込んである。提 示画面からペイント にリンクされるた め、地形図を表示しながら様々な書き込みが簡単にできるの で、ポイントを指摘しやすくなる。 右上に示したスライドは学区の屋上から撮影した写真が表 示できるようになっている。 右図は「1:5000 の地形図と川越全図 。授業での提示用とし」 て もコ ン ピ ュ ー タ室での 学 習 用としても利 用できる ス ライドである。 最後に「川越の地形 。地」 形 図と、 地形や 土地利用 の わかる写 真ス ラ イ ド シ ョ ー が リンク できる 。川越市 の 高低差は 50 m程度で、高低 差には特に特徴的なものは見られない。しかし、地域によっ て土地利用に特徴が見られるので、地形図と写真を比べるこ とによって、川越の特徴がよりとらえやすくなる。 ( ) 成果と課題4 身近な地域の地理的な特色をとらえる視点や方法を身に付けるためには、地域を調査・観察す ることだけでなく、地形図の読み方も十分に理解する必要がある。直接体験できる地域(学校の まわり)などで IT を活用すると、地形図と写真などを併せて提示することができ、地形図の読 み方の理解も深まった。また、地形図を拡大していくことにより、生徒の視点を一点に置くこと ができるなど、生徒全体に対する指示の際にもITの活用は有効であった。更に、写真の利用に よって調査範囲を広げることができ、授業時間内では直接体験できない地域までも調査対象とな った。川越市全体の地形の様子を調査する際、本校の場合には一番高いところは直接調査できる が、低いところは時間的に無理である。このように直接経験のできない地域については、IT の 活用によって補うことが可能になる。以上、地形図の読図において、IT の活用は様々な点で有 効であった。 この授業では、直接的な調査・観察などの活動時間を制限してしまった面があり、生徒の自由 な活動が十分にはできなかった。また、資料収集等ではインターネットの活用が有効であり、画 面からリンクできるととても有効に使えると考えられる。この点についての工夫も課題である。 校舎の屋上から身近な地域を観察してみよう 校舎の屋上から身近な地域を観察してみよう l l地形図を使って地形図を使って学校の位置学校の位置を確認してみを確認してみ よう よう l l地形図から地形図から学校のまわりの様子学校のまわりの様子を調べよを調べよ l l学校のまわりの土地利用の様子を学区図学校のまわりの土地利用の様子を学区図 に描いてみよう に描いてみよう l l描いた地図を実際の様子と比べてみよう描いた地図を実際の様子と比べてみよう l l屋上からの観察屋上からの観察

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事例 2 「歴史の流れと地域の歴史 (歴史的分野:2年 6時間扱い)」 (1) 単元の目標 ○我が国の歴史について、関心ある主題を設定し、まとめる作業的な活動を通して、時代の移り 変わりに気付かせるとともに、歴史を学ぶ意欲を高める。 ○身近な地域の歴史を調べる活動を通して、地域への関心を高め、地域の具体的な事柄とのかか わりの中で我が国の歴史を理解させるとともに、歴史の学び方を身に付けさせる。 ( )2 単元の指導計画 第1時 テーマを決めよう 「飯能百科」 第2∼4時 テーマについて調べ、まとめよう 「飯能市郷土館所蔵資料目録」 第5・6時 発表をしよう ( )3 コンテンツの解説 本単元では、身近な地域の歴史に関する様々 な資料を活用して歴史的事象 を多面的・多角的 に考察するために、博物館、郷土資料館との連 携を図る必要がある。しかし、地理的な事情等 から見学や調査が実施できない場合も考えられ る。また、複数の単元で所蔵資料を参照するケ ースも想定される。そこで、本実践では、それ らのケースに対応するために 郷土館の所蔵資料 目録や図録をネット上にリンクさせ、生徒が自 らの興味・関心に応じて活用できるようなコン テンツを作成して活用した ( 写真資料目録1―明治∼昭和初期― )。「 」 ( )4 成果と課題 飯能市郷土館の学芸員によれば、所蔵資料の中で一 番活用されるのが写真資料であった。この事実からも わかるように写真資料は多くの人々の興味・関心を呼 ぶ。本実践でも、生徒は IT コンテンツを興味深そう に閲覧し、テーマを設定したり課題を追究したりして いた。特に戦前期に撮影された「古写真」からは、衣 ・食・住など生活全般が現在と大きく異なっているこ とが見て取れ、思考を深化させることができた。この ように画像を中心としたコンテンツの内容を充実させ ていく場合、問題になるのが著作権である。本実践の 場合,教員では収集が難しい「古写真」を郷土館から 提供してもらうことができた。地域の歴史に関する資 料を IT コンテンツ教材として作成する場合は、地域 、 。 の博物館や学芸員の理解を求め 所蔵資料の提供などの協力をお願いしていく必要があるだろう ( 飯能村絵図 (天保『 』 13年5月)を使った発表会の様子)

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3.高校の事例 事例 1 地域調査「身近な河川を調査する」 (1) 本時の目標 これまでの地形学習の成果を踏まえ、氾濫原の土地利用について調査・考察させる。今回の野 外調査は、コンピュータ上で擬似体験(シミュレーション)をさせることで、生徒たちに体験的な 取組になるよう工夫した。学校所在他である熊谷市近郊の「星川」とその流域の農地開発を中心 に、教師の取材した調査資料を素材として、教室内で野外調査の擬似体験を行なう。これらに必 要なITを生かしたディジタルコンテンツを制作し、プレゼンテーションソフトを使って生徒に 提示することで、現実の野外調査法を理解させる。 (2) 指導計画(計3時間) 報告書の 作成・発表 野外調査法② フィールドワーク (野外調査) 本時 野外調査法① 目標設定・予備調査 地理歴史科「地理 B」の学習指導要領では、「(2)現代世界の地誌的考察」で様々な規模での地 誌学習が示されているが、市町村規模の地域を取り上げ、地域調査法とあわせて理解させること になっている。そこで、学校を中心とする生活圏を身近なフィールドとして、「野外調査」を実施 することにした。もちろん、野外調査は、フィールド(現場)で行うことでその意義が深まるもの であり、地理学を体現化する重要な「学び」の場である。今回は本研究のテーマである「ITを 生かした授業の創造」の応用事例として取組むのであり、「野外調査」自体を否定するつもりはな い。ただ、とかく体験が不足している生徒たちに、コンピュータという窓を通して地理的スキル(技 能)を身につけさせることができないかと考えた。 (3) コンテンツの解説 プレゼンテーションソフトを使い一斉に画面を提示するプレゼンテーション形式(全 19 ページ) ①表紙 H15 「ITを生かした授業の創造に係る調査研究」

調査対象地

調査対象地

((「星川」「星川」<<元荒川水系・一級河川元荒川水系・一級河川>)>) E F G H I J K back ②現地調査の進め方(1) − 野外調査の目標設定・事前調査(予備調査) ③現地調査の進め方(2) − 野外調査の現地調査(フィールドワーク)・ 成果の整理・まとめ(報告書作成・発表) ④熊谷高校周辺の地形を読む − 地形用語の解説ページと相互リンク(2つ のコンテンツがハイパーリンクするよう に設定している) − 後半の地形図・資料写真とも相互リンク (情報のリンクこそコンピュータの利点)

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⑤沖積平野の開発(1) − 一般的な集落立地(開発)と水利条件について(水の豊かな熊谷) − 扇状地・氾濫原・自然堤防・三角州・輪中(集落)などの地理的述語も相互リンク ⑥沖積平野の開発(2) − 水利条件の違いと集落や水田開発について − 薩摩藩の「手伝い普請」による治水工事 → 宝暦治水と薩摩義士 − 輪中の仕組み(水屋・水塚) ⑦調査対象地(「新星川」<元荒川水系・準用河川> 熊谷市大原1丁目∼熊谷市上之) − 熊谷市が管理する「新星川」の流域 → 本校の至近に起点をもつ河川 − 国土地理院発行 1/25,000 地形図に写真撮影地をマークし、後半の資料写真と相互リンク ⑧調査対象地(「星川」<元荒川水系・一級河川>) 熊谷市上之∼行田市見沼 − 埼玉県が管理する一級河川「星川」の流域 → 地形図は熊谷市上之∼行田市池上付近まで − 国土地理院発行 1/25,000 地形図に写真撮影地をマークし、後半の資料写真と相互リンク ⑨∼⑲資料写真(デジカメによる撮影) − ⑨本校周辺、⑩新星川起点付近、⑪新星川除草作業中、⑫清水尻橋(新星川の終点) ⑬星川の起点、⑭星川遊水地、⑮国体スタジアム、⑯自然堤防に立つ住宅 ⑰砂質の畑(手のひらと砂)、⑱護岸工事されず昔ながらの景観を残す星川 ⑲後背湿地に広がる水田 (4)成果と課題 ・IT時代の授業を創造するために 近年のITの進歩は目を見張るものがある。国などの施策により普通教室にもPCが整備され るようになったが、立派なハードウェアが揃っても教室での学習活動に具体的に活用できなくて は宝の持ち腐れとなる。ソフトウェアの充実(活用法の研究)が急務であろう。 コンピュータを使った学習活動は作業的であり疑似体験的な側面を持っているので、生徒たち の感性に強く訴えることができると感じた。コンピュータという窓を通して様々な体験を提供す ることは、本物の体験をするための支援になり得る可能性を持つ。また、ITが実現させる「情 報の共有化」「情報の双方向化」「情報のネットワーク化」などは、教室内の新たな知的活動の可 能性を示唆しているのではないだろうか。IT時代に相応しい授業の創造を行うために、多くの 教師が活用できるソフトウェア(ディジタル・コンテンツ)が開発され、教師自身によって簡便にコ ンテンツ作成ができるような環境を整えていく必要がある。 ・検証授業から感じたこと 検証授業を行ってみたところ生徒たちの反応は上々だった。机上の学習だけでは体験できない 「擬似フィールドワーク」によって、地理的なスキル向上につながる取組になったと思う。理論 ばかりでとかく体験が不足している生徒たちにとっては理解を深める絶好の機会であったと確信 している。しかし一方で、今回準備したコンテンツの完成度はまだまだ低く、よりよく分かるコ ンテンツの必要性を痛感した。私が理想と考える教室内のコンピュータが備えるものの一つには、 このようなプレゼン機能に特化した、いわば「マルチメディア黒板(動く黒板)」としての機能が 挙げられる。生徒に伝えるべき情報がディジタル化され、マルチメディア化されてきている今日、 教室に整備されるPCには、ぜひ「動く黒板」としての活用を期待したい。

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