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建設労務安全 2014.2月号

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Academic year: 2021

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で、経費負担を避けるために労働者を一 人親方にさせている事例も多く、このた め経験年数が短い者ほど、解雇などによ り非自発的な理由で一人親方になったケ ースが目立つと指摘されています。さら に、企業が社会保険料の負担を免れるた めに労働者を一人親方として独立させる ケースも増加しているといわれています。

2.一人親方の社会保険未加入問題

建設業の社会保険未加入対策の中で、 元請企業は協力会社組織等を通じて、保 険未加入対策を効果的なものにするため に、保険未加入の協力会社とは契約しな いことや、保険未加入の建設労働者の現 場への入場を認めないことを将来的に見 据えつつ、協力会社の指導に取り組んで いくことが求められています。 また、元請企業は下請企業の選定に当 たって、平成29年度以降においては、健 康保険、厚生年金保険、雇用保険の全部 または一部について、適用除外でもない にもかかわらず未加入である建設企業は、 建設業の社会保険未加入対策に関連して必ず課題として取り上げられ るのが一人親方の処遇をめぐる問題である。建設関係の技能労働者が減 少する中で、一人親方の数は相対的に高い水準にあるといわれている が、その就労環境には解決すべき課題が多数存在すると指摘されてい る。そこで今回は、一人親方の社会保険未加入問題等について特定社会 保険労務士の木田修氏に解説していただいた。 (編集部)

1.一人親方と呼ばれる人々の実態

建設労働者が、かつて職人と呼ばれて いた時代には、職人の階層は、見習工(徒 弟)、職人(技能者)、一人親方(独立自 営業者)、親方(経営者)の4つに分か れていたと伝えられています。そして、 一人親方は、親方の下で長年の技能の蓄 積を経て、見習工や職人を使用して仕事 のできる最高位の独立した職人と認めら れてきました。 一人親方は、今日においても建設工事 現場においては、なくてはならない人材 とされていますが、その実態は、かねて の独立自営業者であった時代とは大きな 違いが出てきたようです。 国土交通省が実施した実態調査によれ ば、近年では形式上の一人親方が増加し つつあり、その実態は「事業主でもあり、 労働者でもある」という曖昧な立場の者 が増加しつつあると伝えています。 その原因の1つに、建設業の受注量の 減少に伴い、企業が生き残るのに精一杯

特集

特集

建設業の一人親方問題を考える

特定社会保険労務士 

木田 修

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下請として選定しないとの取扱いとすべ きであるとされています。 このことから、一人親方が事業主の立 場、あるいは労働者の立場であっても社 会保険に未加入であれば、工事現場への 入場ができないという取扱いが行われる ことになります。 そこで、一人親方は「事業主の立場で 社会保険に加入すべきか」、「労働者(被 保険者)の立場で加入すべきか」という 問題がありますが、これについてはその 働き方に照らして判断する必要がありま す。 (1)一人親方の労働者・事業者の選別 の必要性 社会保険の未加入対策では、平成28年 度末までに建設業の許可業者の加入率を 100%、労働者単位では製造業並みの90 %前後の加入を目指すとしています。そ の目標を達成するためには、建設業の就 労の実態を把握し、一人親方等の労働者 性・事業者性の選別を行う必要がありま す。 特に社会保険未加入対策では、保険の 加入状況を確認するために行われること となった「建設業の許可の更新時の保険 加入書面の添付義務、施工体制台帳への 保険加入状況の記載義務、再下請通知書 による保険加入状況のチェック、特定建 設業者の下請指導義務、許可行政庁にお ける立入検査」などにおいて、労働者か 請負人(事業者)かの区別を明確に判断 できる体制を整えておかなければなりま せん。 (2)労働者と請負人では責任の所在が 正反対 労働者と事業者(請負人)では、その 負わなければならない法律上の責任の重 さは比較にならないほど大きなものがあ ります。それは「賃金を支払う者」と「賃 金を支払われる者」の違いによるもので す。 特に建設業の場合、現場作業に従事し ている者自身がどの立場で働いているか が不明な場合が少なくありません。ま た、社会保険の適用においても事業者と して加入しなければならないか、労働者 (被保険者)として加入しなければなら ないかの違いが分からないという問題も あります。 労働者か請負人かを区別することは、 建設業の社会保険未加入対策を進める上 で重要なばかりでなく、労働基準法、労 災保険法その他の労働関係法においても 非常に重要な意味を持つものであるた め、労使関係にあるすべての者がその違 いを理解しておく必要があります。 (3)一人親方は事業主か労働者か 現在、社会保険の未加入対策が進めら れている中、一人親方が事業者か労働者 かについて、課題として取り上げられる ようになりました。 一人親方が事業者か労働者かを見分け るためには、一人親方ごとにその就労の 実態を把握する必要がありますが、国土 交通省が一人親方向けに発行した「社会 保険加入にあたっての判断事例集」の中 に、働き方の自己診断チェック様式が示

建設業の一人親方問題を考える

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ックの内容ですが、右欄に○が多い場合 は事業者性が強く、左欄に○が多い場合 は一人親方ではなく、雇用されるべき労 働者として判断される場合があるとされ ています。 ならないか、適用を除外されるかは非常 に重要な問題です。そこで、事業者の立 場でみた場合及び労働者(被保険者)の 立場でみた場合の社会保険への加入の判 断基準について、表2、表3を作成しま したので参考にしてください。 〈表1〉働き方の自己診断チェック          ①仕事先から意に沿わない仕事を頼まれたら自分の判断で断る自由はありますか? ( )自分に断る自由はない ( )自分に断る自由がある ②仕事が早く終わった時などに仕事先から予定外の仕事を求められた場合に断る自由があり ますか? ( )自分に断る自由がない ( )自分に断る自由がある ③仕事先の会社の就業規則など服務規律の適用を受けていますか? ( )受けている ( )受けていない ④仕事先から仕事の就業時間(始業・終業)を決められていますか? ( )仕事先から決められている ( )自分で決められる ⑤当日の仕事が早く終わった時に自分の判断で仕事を終えることはできますか? ( )仕事を終えてよいかは仕事先の了 解が必要である ( )自分の判断で仕事を終えることができる ⑥仕事が早く終わった時に、自分で見つけた他の現場の仕事をすることができますか? ( )別の現場の仕事を行うことは許さ れない ( )別の現場での仕事を行うことができる ⑦仕事先からの工程調整上の指示や事故防止のための指示を除き、日々の仕事の内容や方法 はどのように決めていますか? ( )毎日細かな指示、具体的な指示を 受けて働く   ( )毎日の仕事の量や配分、進め方は自分の裁量で判断している ⑧あなたの都合が悪くなり、頼まれた仕事を代わりの者に行わせる場合はどのようにしてい ますか? ( )会社が代わりの者を探す ( )自分の判断で代わりの者を探す ⑨あなたの頼まれた仕事を代わりの者が行った場合の報酬(工事代金または賃金)は、仕事 先から誰が受取りますか? ( )代わりをした者 ( )自分 ⑩あなたのミスやあなたの責任による作業遅延によって損害が生じた場合、誰がその損害を 負担しますか? ( )仕事を依頼した会社が負担する ( )自分が負担する ⑪あなたが仕事で使う機械・器具(手元工具を除く)は誰が提供しますか? ( )仕事を依頼した会社が提供する ( )必要な機械・器具は自分で持込む ⑫あなたの報酬(工事代金または賃金)はどのように決められていますか? ( )一日当たりの単価など働いた時間 による ( )工事の出来高見合い

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<表2> 事業主としての加入義務 事業規模 保険制度名 加入義務 内 容 ①法人事業所で常時労 働 者 を 使 用 し て 行 うもの 健康保険 あり 常時使用する従業員が1人でもいれば従業員数に関係なく適 用事業所となる。 厚生年金保険 あり 雇用保険 あり ②個人事業所で常時5 人 以 上 の 労 働 者 を 使用するもの 健康保険 あり 適用事業所となる。 厚生年金保険 あり 雇用保険 あり ③個人事業所で常時使 用 す る 労 働 者 が 5 人未満のもの 健康保険 なし 適用から除外される(従業員の2分の1以上が希望すれば適 用事業所になることができる)。 厚生年金保険 なし 雇用保険 あり 常時使用する従業員が1人以上の場合は適用事業所となる。 ④個人で人を雇わずに 単 独 で 事 業 を 行 う もの 健康保険 なし 適用除外となる(国民健康保険、国民年金に加入しなければ ならない)。 厚生年金保険 なし 雇用保険 なし <表3> 労働者(被保険者)としての加入義務       保険制度名 被保険者になる人 被保険者にならない人 健康保険 適用事業所(表2の加入 義務「あり」の事業所) に使用される者及び任意 継続被保険者(右欄に掲 げる者を除く) ①日々雇入れられる者(1ヵ月を超えて引続き同一事業主に使用され る場合を除く) ②2ヵ月以内の期間を定めて使用される者(所定の期間を超えて引続 き使用される場合を除く) ③所在地が一定しない事業所に使用される者 ④季節的業務に使用される者(継続して4ヵ月を超えて使用される場 合を除く) ⑤臨時的事業所に使用される者(継続して6ヵ月を超えて使用される 場合を除く) ⑥国民健康保険組合の事業所に使用される者 ⑦後期高齢者医療の被保険者 ⑧健康保険組合または共済組合の承認を受けた者(健康保険の被保険 者でないことにより国民健康保険の被保険者であるべき期間に限る) 厚生年金保険 適用事業所(表2の加入 義務「あり」の事業所) に使用される者であって 70歳未満の者(右欄に掲 げる者を除く) ①日々雇入れられる者(1ヵ月を超えて引続き同一事業主に使用され る場合を除く) ②2ヵ月以内の期間を定めて使用される者(所定の期間を超えて引続 き使用される場合を除く) ③所在地が一定しない事業所に使用される者 ④季節的業務に使用される者(継続して4ヵ月を超えて使用される場 合を除く) ⑤臨時的事業所に使用される者(継続して6ヵ月を超えて使用される 場合を除く) 雇用保険 適用事業所(表2の加入 義務「あり」の事業所) に雇用される者(右欄に 掲げる者を除く) ①65歳に達した日以後に雇用される者 ②1週間の所定労働時間が20時間未満の者 ③同一事業主に継続して31日以上雇用されることが見込まれない者 ⑤季節的に使用される者

3.一人親方と仕事の契約の原則

一人親方と呼ばれる人々の多くは、従 来からの慣習によって請負人か労働者か を認識しないまま働くことが多いと思わ れますが、一人親方だからといって必ず しも請負人とは限りません。一人親方で あっても状況によっては労働者とみなさ れる場合があります。 自分の働き方が請負人性の強い働き方

建設業の一人親方問題を考える

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してみると容易に判断できるものと思わ れます。 そこで、事業者(請負人)性が強いと 判断した場合と、労働者性が強いと判断 した場合では、その契約の方式は大きく 変わりますので、以下を参考にして契約 を締結してください。  (1)事業者(請負人)性が強いと判断 した場合 事業者(請負人)性が強いと判断した 一人親方が、建設工事を請け負おうとす る場合には、工事代金の多少にかかわら ず、注文者(契約の相手方)と「工事の 内容、請負代金の額、工事の着手時期及 び完成の時期」、その他の重要な事項が 記載された請負契約書を作成し、契約の 相手方と相互に交付しなければなりませ ん。 その場合、短期間の工事について継続 的な契約を取り交わす場合には、当事者 間で署名または記名押印した基本契約書 を締結して相互に交付し、個別の具体的 な工事を請け負う場合には「注文書及び 請書」の交換によることや、注文者及び 請負人があらかじめ同意した内容の「基 本契約約款(建設工事標準下請契約約 款)」を添付または印刷し、注文者、請 負人がそれぞれ署名または記名押印した 注文書及び請書の交換による契約が認め られています。 (2)労働者性が強いと判断した場合 一人親方が、「働き方の自己診断チェ 係は労働契約とみなされます。労働契約 は、労働者が使用者に使用されて労働 し、使用者がこれに対して賃金を支払う ことを約束する契約です。労働契約の基 本原則は、次のようなものです。 労働契約の原則(労働契約法) ①労働契約は、労働者及び使用者が対等 な立場における合意に基づいて締結 し、または変更すべきものとする。 ②労働契約は、労働者及び使用者が、就 業の実態に応じて均衡を考慮しつつ締 結し、または変更すべきものとする。 ③労働者及び使用者は、労働契約を遵守 するとともに、信義に従い誠実に権利 を行使し、及び義務を履行しなければ ならない。 ④労働者及び使用者は、労働契約の基づ く権利の行使に当たっては、それを濫 用することがあってはならない。 また、労働者と判断された者は、使用 者から速やかに雇入れ通知書を発行して もらう必要があります。雇入れ通知書は、 「賃金、労働時間、休日、休暇」などの 基本的な事項について記された書面なの で、必ず事業主から発行してもらってく ださい。 (3)労働者と判断された場合の権利と 義務 一人親方が労働者と判断された場合に は、次のような権利と義務が発生します ので、そのことを十分に理解した上で働 かなければなりません。

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<権利> ①労働組合活動をする権利(団結権、団 体交渉権、団体行動権) ②人種、性別、宗教、思想、信条、国籍、 社会的身分等において差別的取扱いを 受けない権利 ③労働条件について使用者と対等の立場 で決定する権利 ④正当な理由なく解雇されない権利 ⑤危険、有害業務を忌避し安全を保障さ れる権利 <義務> ①使用者の承諾を得なければ自己に代わ って第三者を労働に従事させてはなら ない義務 ②使用者の指示・命令に従って誠実に労 働しなければならない義務 ③職場規律を遵守しなければならない義 務 ④使用者から取得しまたは開示された営 業秘密について、不正の競業、不正な 利益を得る目的で、または損害を与え る目的で使用しまたは開示してはなら ない義務 ⑤労働義務に違反して使用者に損害を与 えたときは、債務不履行に基づく損害 賠償責任を負わなければならない義務

4.一人親方と労災補償

労働者災害補償保険(労災保険)は、 労働者の業務災害及び通勤災害に対する 保護を目的とした保険制度です。このた め事業主や自営業者など労働者以外の者 は対象外とされています。しかし、労働 者以外の者の中には仕事の実態等に照ら して、労働者と同じように保護する必要 のある者も存在するため、これらの者に ついても特別に保護する制度が設けられ ています。 この制度を労災保険の「特別加入」と いい、建設業においては労働者を使用し ないで行う一人親方、その他の自営業者 については、自営業者等の団体である 「労働保険事務組合」に加入することに より、労災事故から救済するというもの で、一人親方等が労災保険事務組合に加 入することにより、労働保険の事務組合 を事業主とみなし、組合の加入者を事務 組合に雇用されている労働者とみなし て、労災保険に加入できるというもので す。 (1)特別加入に当たって注意すべきこと 労災保険への特別加入に当たって注意 しなければならないのは、労災保険料は すべて自己負担しなければならないこと です。そして、保険料の算定及び保険給 付の基礎となる給付基礎日額は、実際の 収入を勘案して3500円から2万円までの 額が示されています。どの金額にするか は自主判断に任されることになっていま す。 一人親方等の個人事業主は、従事する 業務の内容を明確にしておかなければな りません。業務内容が曖昧であれば労働 災害等が発生した場合に、業務上または 業務外の認定の際に労災と認定されない おそれがあるからです。また、保険料が 滞納されている期間中の事故について

建設業の一人親方問題を考える

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親方等の従事する業務が、特別業務(粉 じん業務、振動業務、鉛業務、有機溶剤 業務)である場合には、業務歴、健康診 断書などの提出が必要となります。 (2)有期事業の一括と一人親方の立場 建設業の事業で、数次の請負によって 行われる事業の場合、労災保険の取扱い については、元請負人のみが使用者とみ なされます。これは、数次の請負によっ て行われる建設の事業については、個々 の下請負人を独立した事業主としては取 り扱わず、原則としてすべて下請負人を 含めた全体の事業を元請負人の事業とみ なして一括して労災保険の適用を受ける というものです。 しかし、これは労災保険に加入してい ない下請事業主や一人親方までも一括し て元請の労災の適用を受けるというもの ではなく、一人親方等は労災保険への特 別加入手続きがなされていない限り、労 災保険による保護を受けることはできま せん。 (3)一人親方の労災保険不支給処分事件 マンションの新築工事現場で手の指を 切断した一人親方(大工)が、実質的に 元請会社の指揮監督の下で作業する立場 にあったため、従業員と同じとして労災 補償を求めていた訴訟の上告審判決で、 最高裁は“労働者には当たらない”とし て、一人親方の男性の主張を退けた事例 があります。 これは、平成19年6月に最高裁判所第 (行ヒ)145)」で、同裁判所は上告を棄 却する理由について次のように述べてい ます。 <一人親方(大工)を労働者と認めなか った理由の要旨> ①上告人は、自分の判断で工法や作業手 順を選択することができた。 ②上告人は、事前に現場監督に連絡すれ ば工期に遅れが出ない限り、仕事を休 み、所定の時刻より後に作業を開始し、 所定の時刻前に作業を切り上げること も自由であった。 ③上告人は、他の工務店の仕事をするこ とを禁止されていなかった。 ④上告人は、請求書によって報酬の請求 をし、報酬は他の従業員に比べ相当高 額であった。 ⑤上告人は、一般的に必要な大工道具一 式を自ら所有し、これらを現場に持ち 込んで使用していた。 ⑥上告人は、就業規則及びそれに基づく 年次有給休暇や退職金制度の適用を受 けず、また国民健康保険組合の被保険 者となっていた。 ⑦上告人は、職長会議に出席してその決 定事項や連絡事項を他の大工に伝達す るなどの職長の業務を行い、現場監督 が不在の場合の代理として他の大工に 対する指示の取り次ぎなどの役割を依 頼されていた。

5.個人事業主と一人親方の違い

近年の就業構造の多様化に伴い個人型 の就業者が増加しつつあるといわれてい ます。建設業の場合、一人親方と同じよ

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うな働き方をする者として家事従事者や 手間請負という働き方があります。それ らの個人型就労者を事業主とみるか、労 働者とみるかという問題があります。な ぜそのような区別が必要かという疑問も ありますが、それは労務管理上の重要な ポイントとなるからです。 つまり、労働者であることは、労働基 準法をはじめ労働関係法において保護さ れる立場にあることを意味し、事業者で あることは、労働基準法その他の労働関 係法において労働者を保護しなければな らない立場にあることを意味するからで す。さらに、仕事中や通勤途上でケガや 病気をした場合に労災保険が適用される か適用除外になるかなどの違いがありま す。 (1)手間請負人の取扱い 手間請負という言葉は多様な意味で用 いられていますが、労働基準法研究会の 報告によれば、手間請負は建設業におけ る労務提供方式と定義され、「工事の種 類、坪単価、工事面積等により総労働量 及び総報酬の予定額が決められ、労務の 提供者に対して労務提供の対価として、 労務提供の実績に応じた割合で報酬を支 払うこと」と説明されています。 手間請負人も一人親方と同じように、 単にその呼び名だけで労働者か請負人か を判断することは困難です。建設業の場 合、手間請負に係る仕事に従事する人 は、従来「親方、子方、配下、世話役」 などと呼ばれた人が多かったようです が、今日においては、労働者か請負人か の判断に当たっては、契約の形式にとら われず、その実態が使用者の指揮命令の 下において従属的に仕事に従事している か、使用者から独立して自らの意思や判 断で仕事に従事しているかなど就労の実 態に照らして判断する必要があります。 (2)家事従事者の取扱い 小規模な建設工事を個人で行っている ような場合の家族従事者は、事業者か労 働者かの判断が容易ではありません。 労働基準法第116条は、これらの家族 従事者について「この法律は、同居の親 族のみを使用する事業及び家事使用人に ついては適用しない」と定めています。 このため同居の親族や家事使用人は労働 者とは認められませんが、以下に掲げる 「労働者とみなされる基準」に該当する 場合は労働基準法上の労働者として取り 扱われることになります。 労働者とみなされる基準 同居の親族は事業主と居住及び生計を 一にするものであり、原則として労働基 準法上の労働者には該当しないが、同居 の親族であっても、常時同居の親族以外 の労働者を使用する事業において一般事 務または現場作業等に従事し、かつ、業 務を行うにつき、事業主の指揮命令に従 っていることが明確であり、始業及び終 業の時刻、休憩時間、休日、休暇等、賃 金の決定、計算及び支払いの方法、賃金 の締切り及び支払いの時期等について、 就業規則その他これに準ずるものに定め るところにより、その管理及び就労の実 態が他の労働者と同様になされている場 合には労働基準法上の労働者として取扱 う(昭和54年4月2日・基発153)。

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