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シクロプロペニウムイオン系化合物の合成 第4報

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Academic year: 2021

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シクロプロペニウムイオン系化合物の合成

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堀 卓 也 ・ 井 上 真 一

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Takuya HORI

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INOUE

要 旨 第

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〉・第2議・第 3議で, シクロプロぺニル系化合物のp-置換トリフェニルシクロプロぺニウムイオ ンの合成とそのスペクトル特性について報告した. 本報では,引き続きアトJレカルベンとアリールアセチレンの反応 (Breslow• ChaI帆 よ る 提 条 ) を 利 用し m-置換トリフェニJレシクロプロペニウムイオン(ー置換体)の合成を試みたので,その給果を報告す る.合成物は

m-ブロム

m-クロ)V

m-メトキシトリフェニルシクロプロプロペニルブロマイドである. 1 . 緒 言 Huckel則に従って各種の三員環芳香族化合物が合成 されたが,母体シクロプロぺニウムイオン自体の合成も 成功した.シクロプロペニウムイオン系の合成法として は, 1)ジフェニルアセチレンにフェニルジアゾアセトニ トリル続いて三フッ化ホウ素の作用.2)二置換アセチレ ンにジアゾ酢酸エステルを作用, 1, 2ー置換シクロプロ ペンカルボ、ン酸とし脱炭酸する方法. 3)トリ震換シクロ プロペンの脱水素陰イオン反応. 4)テトラクロルシクロ プロペンからハロ陰イオンの引抜き. 5)シクロプロぺノ ンからの反応.等が知られている. 三員環合成法の一般的方法は1)に示される様にアリー ルカルベンとアリールアセチレンの反応で, ζれは多く の文献に示されている.第2報では,このアリールカJレ ベンとアリールアセチレンの反応を利用し p~置換トリ フェニルシクロプロペニウムイオン(非局在化エネルギ ーの増大により安定化されると考えられる〉の合成を行 い,その脊在と構造是確認した.ここでも同様の考えか らmー置換トリフェニルシクロプロぺニウムイオンが安 定に存在しうると推定し,その合成を読み色々のカルベ ン(ブロム,クロルのハロゲン置換,メトキシ置換の三 種類)を使用し合成を行怠ったものである.また第2報 から推察された過剰カルベンの反応による収率向上をも 検討し.その他実験条件の検討も行なった.

2

.

合 成 法 Breslow, Chang はアリールカルベンとアリーJレア セチレンの付加反応を使用したが,ここではアセチレン をジフェニルアセチレンに限定し,カルベンに種々のも のを使用した. カルベン発生については次表に示す様に,ハロゲン置 換物はベンズアルデ、ヒド,メトキシ置換は m-クレゾー ルを出発物とし各々の置換ベンズアJレデヒドへ,次い で,それに五塩化リンを作用させハロゲン化し m-置換 ベルザルクロライドを合成する.

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(2)

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シクロプロペニウムイオン系化合物の合成(第4報) 三員環合成は第 2 報に示した様に塩化 111~置換ベンサ ルのベンゼン溶液Iζカリウム三級ブトキサイドを作用さ せ,クロルアリ-)レカルベンを発生させる. ζのカJレベ ンをジフェニJレアセチレンに付加させ, 111-置換トリフ ェニルシクロピロぺニウム塩化物をつくり,さらに塩素 を三級ブトキサイドに変え,乾燥臭化水素ガスを通して 目的の 111-置換トリフェニルシクロプロぺニウムイオン を合成した.合成物としては, 間一ブ、ロム, 111-クロ J,レ 111-メトキシトリフェニJレシクロプロペニJレブロマ イドである.これらの化合物は:m.p.,U. V, 1. Rの 測定により構造を推定した.

母了い」時了

R

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CHO CHC1

:CCl R=Cl, Br, OCH3

⑤ C=C~

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合 成 物 の 確 認 comp. m.p. yield

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L R abs R 。C

%

Amax(mp) (εmax) C皿 1 H 268~271 3.0 304 (4.52) 1420 (ー〉 S. 1 Br 217~218 3.7 304 (5.13) 1420 (1395) S 2 Cl 206~208 3.8 302 (4.21) 1420(1395) S 3 OCHa 191~193 3.2 317 (4.13) 1430 (1400) S 表 E S: strong comp. m.p. yield

U

.

V

.

L R abs R

5

Amax (mμ) (εmax) cm-1 1 Br 241~245 2.8 310 (4.63) 1420 S, 2 Cl 233~237 7.8 310 (4.50) 1420 S. 3 OCH3 173~175 15.0 328 (4.23) 1425 S 表

I

V

S : strong

(3)

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真 上 也,井 卓 堀

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-U U Z 4 門 出 向 。 凹 門 戸 ︿ 3

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合成物の確認は, ID.P., U

Y,1. Rで行ない表E 1 1:,

P

一置換体との比較も 表lVl1:示した. ID.p. は p~置換体と同様 に高温で分解をするので分 解点であると考えられる. また安定さは室温にて数週 間放置してもその分解点は 変化しなかったことからも 確認できる.図

u

乙示した U・V スペクトJレにおいて もやはり第2報で述べたと とく置換基によるシフトは 予期された事を満足し,三 員環吸収とみなされる

3

0

0

~320mμ に吸収帯を示し た.しかし

p-置換体と 比較するとその置換基効果 は少し弱い.次に 1.R ス ペクトJレであるが,シクロ プロペニウムイオンの特性 吸収帯と考えられる 1400~

1

4

3

0

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1の吸収も在在し, 他の吸収も明らかにトリフ ェニルシクロプロペニウム イオンである事を示してい る.1. Rスペクトルは図 III1:示す. 三員環の

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スペクトル 図I

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900 1100 1300

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-1 口n 三員環の 1.R スペクトル 図E

(4)

38 シクロフ。ロぺニウムイオン系化合物の合成(第4報) 図Eから, J.Chatt

& R

.

G. Guyの示した 1400~

1430crn-1の肩として,また完全に分離して表われる1390 crn-1付近の吸収帯がm-置換体で1ま完全に分離して表わ れる.とれは置換位置の相違からくる置換基効果と考え られるが,実証するためにはさらに多くの事実(データ ー)が必要とされるので,次の機内会にスペクトル特性l乙 関しての報告に詳しく述べる。 3. 実 験 3-1 m-ブロムベンザルクロライドの合成 五塩化リン7CJ CO.336moめを,反応容掃に投入しm ーブロムベンズアルデヒド4.7CJ (0.335mole) を滴下 ロートから滴下する.反応温度は室温以下lこ保ら必要な ら氷水で冷却する.滴下後, 2~3時間(五塩化リンが完 全に反応するまで)放置し,減圧蒸溜する圃最初オキシ 塩化リンが留出し次いで主留分が留出する .125~12TC /171/1II1Hg,収率42.4%,淡黄色透明溶液. 3-2 m-クロルベンザルクロライドの合成 五塩化リン 7rf (0.336mole), mクロルベンズアル デヒド4.7rJ(0.335mote)を用い, 3ー1の操作に従い合 成する. 123~1250C/26側Hg, 収率46 園 7% ,淡黄色透明溶液. 3-3 mーメトキシベンザノレクロライドの合成 五塩化リン7CJ (0.336mole), 間ーメトキシベンズア ルデヒド4.6CJ (0.335mole)を用い, 3-1の操作に従い 合成する. 135~13TC/17JnlllHg , 収率52.3弘無色透明溶液。 3-4 m-ブロムトリフェニルシクロプロペニルブロマ イドの合成 還流冷却器,撹持器,窒素ガス導入口の付いた 200加t 三ツ口フラスコにジフェニルアセチレン 3.01CJ (0.017 mole)

カリウム三級ブトキサイド 2.77CJ (0.024 mole), m-ブロムベンザノレクロライド4‘06CJ (0.017 mole),精製ベンゼン 571.泌を加え窒素カ、スを通しよく撹 持する.窒素ガスを通じながら3時間加熱撹持する.反 応終了後,水を加え無機塩を溶解し,水層を分離し2回 エーテJレ抽出し抽出液はベンゼン層と共にし,無水硫酸 マグネシウムで乾燥さす.乾燥臭化水素ガスを飽和さす と組成のm ブロムトリフェニルシクロプロペニルフロ マイドが析出する.アセトニトリルから再結晶。 m.p. 217~2180C ,収量0.267CJ• 収率3 巴 7% ,黄色針状結晶. 1 .1eCN U. VA1nax 304 mμεma

5.128 1.

R

142Gc皿1 1395crn-1 3-5 m-クロルトリフェニルシクロプロペニルブロマ イドの合成 ジフェニJレアセチレン3.01CJ (0.017mole) , カリウ ム三級ブトキサイド2.77CJ (0.024mole),mークロルベ ンサ、ルクロライド4.06CJ (0.021mole)

精製ベンゼン 57J/

t

t

を使用し, 3-4の操作に従って合成を行う. アセト ニトリルから再結晶.m. P.206~208'C ,収量0.248CJ, 収率3.8%,淡黄色粒状結品。 n k u ハ H V つ ム 4 z

l m r εα F h u n 同 U 中 日 目

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ハ U QU 1 i z 泊 四 ほ ん 肌 J 九 η つ 白 山 川 止 日 u

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R O U I 3-6 mメトキシトリフェニルシクロプロペニルブロ マイドの合成 ジフェニルアセチレン8.5CJ (0.048mole),カリウム 三級ブトキサイド 7.9CJ (0.068ηzole), mーメトキシベ ンザルクロライド9.2CJ (0.0482mole), 精製ベンゼン 1601ll

t

を使用し, 3-4の操作に従って合成を行う.アセ 卜ニトリルから再結晶.m.p.191~1930C ,収量0.576 rJ 9収率3.2%,褐色針状結晶. JvleCN U • V Amax 317mμε刀wx 4.130 1 • R 1430crn-1 1.400crn-1

4

.

ま と め m 置換体も予想通りに安定な化合物で,アリールカ Jレベンとアリールアセチレンの付加反応を合成に利用で、 きる乙とがわかった. p-置換体の合成の際 lこ少し誌みた過剰カリウム三級 ブトキサイドの投入による収率向上について mー置換体 でも試みた. その結果, やはり P置換体と同様に過剰 のカリウム三級ブトキサイドを加える事により収率は向 上した.従って三員環合成にあたり実験条件を改良する 事によりさらに収率の向上ができると指定され,今後の 課題の1っとたtるものである. J長後l乙,本研究に協力された高崎浩一君に謝意を表し ます. 文 献 1) 堀卓也局付敬三愛知工大研報, 3 129(1967) . 2) 掘卓也,安田伍朗,井上真一 愛知工大研報, 6 91(1971)肉 3) 掘卓也,安田伍朗,井上真一 愛知工大研報, 7 59 (1972) . 4) R. Breslow & H. W. Chang,

J

.

Am. Chem.

Soc., 83, 2367 (1961) .

5) A. S. Kende

J.Am. Chem. Soc.,

8

5

1882 (1963),

6) R. Breslow,

J

.

Lockhart, H. W. Chang,

J

.

A m園 Chem. Soc.

83, 2375 (1961) .

7) S. W. : Toley, R. W巴st,

J

.

Am. Chem.

Soc., 86, 1459 (1964); A. W. Krebs,

参照

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