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四国地方の中時間確率ハイエトグラフ算定法に関する研究-香川大学学術情報リポジトリ

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香川大学農学部学術報告 第37巻 第1号 31∼39,1985

四国地方の中時間確率ハイエトグラフ算定法に関する研究

鎌 田

STUDIES ON MIDDLE TIME PROBABLE HYETOGRAPH CALCULATIONS

IN SHIKOKU DISTRICT

TakashiKAMADA

Duringthelastdecade,theannualaveragedaniagebyfloodsinJapanamounts approximatelytomorethan

Sixlmndred billionsyen Under・thesecircumstances,itisurgentlyr・equiredtomakeandcarryoutappropriatedisasterprevention

plansincludingconstrIuCtionofdebrisbarr・iersandmultiplepurposedamsforcontrollingfloodsinupstream

&re&S Of rivers as wellas channelconservancy andinternalpump dr・ainageinmiddle・and down−Stream

areas of river・S

Theseplansarebaseduponstandar・dprojectfloodcalculationsatthebasic planning spots andin these

CalculationsprobablerIainfal1intensity・durationformulaandprobablehyetogr・aph are essentialindeter・・・

miningdesignflooddischargeanddesignhydrogr・aphrespectively

Thuswehavepresentlystudiedtheprobablehyetographcalculationsnecessaryin calculating the de$ign

hyetogr・aphbasedonvariousdataobtainedfr・Omlocalmeteor・0logicalobservatoriesinShikokudistrict

Consequentlyithasbeenrevealedthatthemostpracticalprobablehyetograph can be calculated by the

pr・Obable rainfa11intensity・duration formula based on the analysis of6and12hour・S duration probable rainfallamounts 現在,わが国土の洪水被害については,その額は,過去10ケ年のものを年平均すると,約6,000億円をも上 廻る巨大を額となっている。 この防災対策においては,河川の上流部では,砂防工事,また,洪水調節用の多目的ダム建設,さらに,河 川の中下流部では,河道改修,また,内水排除のポンプ排水工事など適切を事業の計画,実施が急務とをって いる。 この事業計画においては,その基本量は,計画基準地点の基本高水を設定することであり,この基本高水に ついては,計画高水流量の算定は,確率降雨強度式,計画ハイドログラフの算定は,確率ハイエトグラフが不 可欠をものとをる。 したがって,本研究においては,計画ハイドログラフの算定に必要な確率ハイエトグラフの算定法について, 四国地方の各地方気象台の資料をもとに調査,研究をした。 その結果,もっとも現実的を表現のできる確率ハイエトグラフの算定法については,その基本矧ま,6時間 と12時間確率降雨量を用いて解析した確率降雨強度式を適用し,解析すると,もっとも現実的を確率ハイエト グラフの算定ができることを明らかにした。 1 まえがき わが国における洪水災害の防止・軽減,すなわち,この防災計画においては,まず,その基本蜃とをる豪雨 ・洪水の最大規模の予測に閲した研究が不可欠となり,現在,洪水の最大規模の予測については,その入力は, 一・般的に,その地点の重要度に応じた計画降雨(確率降雨)を算定,採用することにしている。

(2)

したがって、筆者は、この計画降雨に閲し、計画 高水流量の算定に適用される確率降雨強度式につい て、従来、種々の面から調査、研究(5,6)を行なっ てきたので、本研究においては、計画ハイドログラ フの作成に適用される確率ハイエトグラフの算定法 について調査、研究することにした。 この確率ハイエトグラフの算定法については、近 年、石黒は、降雨強度式との関係から定める方法の 研究(1・2)を行なっているので、筆者も、この手法を 基とし、中時間確率ハイエトグラフの算定法におい ては、その基本畳は、1時間と6時間の確率降雨量

を採用、降雨強度式形は、Talt刀t形を適臥算出(5・6)

してきたが、算出されたその降雨波形は、短時間降 雨量が現実の降雨波形より多量に出現する解析結果 とをり、その降雨波形を、もっとも.華美的を表現で 作敷す・ることが、きわめて困難を問題(4トであること を感じていた。 したがって、本研究においては、このもっとも現 実的な表現のできる確率ハイエトグラフの算定法に ついて研究することにし、まず、現実のハイエトグ ラフについて調査することが不可欠と考え、その対 象地点には、四国地方の多雨地域である高知と徳島 地方気象台、寡雨地域の高松と松山地方気象台を選 び、資料としては、各地方気象台、開局以来の過去 大豪雨時について、そのハイエトグラフを調査する ことにした。 また、−・方、その算定法の基礎となる確率降雨強 度式については、その式形が現実のハイエトグラフ に近似できるようを基本量に閲し解析、研究を行な い、もっとも現実的を表現のできる確率ハイエトグ Tablel四国各地方気象台の時間別確率降雨量 単位 mm 時 間 別 確 率 降 雨 量 確率年 1時間 2時間 3時間 6時間 12時間 高松 200 75 106 143 181 199 100 69 96 129 163 184 50 63 87 114 146 169 30 59 80 104 133 157 20 55 74 95 123 148 徳島 200 116 186 223 269 300 100 107 166 200 246 282 50 98 146 178 224 263 30 91 132 162 208 249 20 85 121 149 194 237 高知 200 139 206 283 363 448 100 126 184 250 325 406 50 114 163 219 288 365 30 105 148 198 262 335 20 98 137 181 242 311 桧山 200 62 84 112 124 150 100 57 77 100 114 141 50 51 69 89 105 131 30 48 64 81 98 124 20 45 60 75 92 118 ラフの算定法を見出すことにした。

2 四国各気象台の確率降雨王の解析

四国地方の各気象台における確率降雨量の解析については,その資料は,期間が各気象台,いずれも昭和25 年から昭和58年まで,また,降雨継続時問が1時間,2時間,3時間,6時間,12時間の毎年最大値のものを 調査,抽出することにした。 そして,この資料を基に,解析(2,3)においては,確率年数は,200年,100年,50年,30年,20年とし,岩井 法を適用,算出した。 この解析結果については,Tablelに示すとおりのものとをった。 3 四国各気象台の過去豪雨時のハイエトグラフ 四国地方の各気象台にお・ける過去に発生した大豪雨発生日の調査については,各気象台,ともに,昭和25年 から昭和58年までの降雨資料のうち ,高松,松山は,12時間最大降雨量が約100mm以上で,1時間最大降雨量 が30mm以上,徳島,高知は,12時間最大降雨量が約200mm以上で,1時間最大降雨量が60mm以上のものを調査, 抽出することにした。 そして,高松地方気象台においては,昭和54年9月30日,昭和47年9月16日,昭和40年9月10日,昭和25年 8月6日,また,徳島地方気象台においては,昭和54年9月30日,昭和49年7月6日,昭和47年9月10日,昭

和25年9月3日,高知地方気象台においては,昭和53年7月12日,昭和51年9月12日,昭和47年9月15日,昭

(3)

33 鎌田 萬:四国地方の中時間確率ハイエトグラフ算定法 和29年6月30日,松山地方気象台においては,昭和54年6月27日,昭和40年7月18日,昭和36年10月26日,昭 和29年7月4日のものを調査,抽出した。 この調査した降雨については,ハイエトグラフとして図示すべきものであるが,図面が多くなるのでTable 2において数字で示すことにした。 Table2 四国各地方気象台の過去大家雨ハイエトグラフ

豪雨の時間別降雨量

単位mm/h† 発生日 2 3 4 5 6 7 8 9 10 12 高松 54.9.30 15 26 41 28 17 4 33 18 10 4 47.9.16 2 3 4 2 5 15 30 31 40..9.10 4 0 4 14 21 26 38 8 10 2 25サ8¶6 2 6 3 7 33 67 14 2 徳島 54.9.30 3 10 25 65 46 31 18 3 13 48 71 49.7∩6 3 6 3 2 2 4 47.9…10 3 0 32 18 17 59 36 5 2 25.9.3 2 5 5 15 23 52 87 43 7 高知 53小7。12 3 67 90 61 22 14 6 13 25 23 51.9.12 26 7 28 6 46 29 96 33 74 41 47.9.15 4 3 27 14 8 16 36 92 61 13 4 14 29.6.30 2 19 12 2 4 101 25 5 17 26 7 6 松山 54.6.27 2 4 5 0 9 7 16 41 27 18 5 40.7.18 5 14 4 6 0 0 21 34 10 3 36.10.26 2 4 4 0 24 41 13 29.7.4 6 2 3 12 7 4 23 24 24 6 4 中時間確率ハイエトクラフの井定法 4−1R,とR.を用いた方法 ハイエトグラフが研究されるようにをった動機については,総降雨量が同じでも,ハイエトグラフが異なる と,出水状況が変化するので,洪水流出解析,また,確率年を検討するときには,総降雨魔のみでなく,ハイ エトグラフをも含めた研究が不可欠となる。 この確率ハイエトグラフの算定法については,近年,確率降雨強度式との関係から定める方法(1,2)がとら れている。 すをわち,降雨の始まりからの降雨継続時間tと降雨強度iの関係をi=f(t)の形で表わすと, i=f(t) つぎに,t時間の総降雨塩をRとすると, R=上tidt また,中時間確率降雨強度式の形は,Talbot形を適用すればよいので(5),t時間降雨強度iは,つぎの式 で表わされる。

(4)

a i= tb よって,t時間の総降雨量をRとすると, R=()・t ここで,式(2),式(4)を微分すると, dt =i dR a(t+b)−at dt (t+b) したがって,式(5)と式(6)より,つぎの式をうる。 a・b 1= (t+b)2 この式は,降雨ピークが最初にあるときのハイエトグラフの式であるので,いま,全降雨継続時間をtとし 降り始めの時刻を0,終わりを1.0,ピークを原点とし,ピ、−ク前のtをtb,ピ、−ク彼のtをtaとすると, tb==r●t ta==(1−ー)・t tb ここに r■= すをわち,ーは,一題降雨中のど・−ク部発生位置を示すことになる。 したがって,ピーク前のハイエトグラフ式をib,ピ・−ク彼のそれをiaとすると,式(7)は,つぎの式で表 わされる。 a・b ib= 〈(づう・b〉2 a・b

つぎに,式(10),式(11)に含まれている地方定数のa,bの算出については,1時間(Rl)と6時間確率降雨

量(R6)を採用したときは,つぎの式で求めることができる。

a l+b 6a 6+b 式(12)と式(13)より,地方定数,a,bの値は,

R6−Rl

a=Rl 1+6 6Rl−R6 6(R6−Rl) b= 6Rl−R6 とをる。 4−2 R,とR、2を用いた方法 この確率ハイエトグラフの算定法においては,3時間(R8)と12時間確率降雨量(R;2)を採用して算出され た確率降雨強度式を用いて解析する方法である。 すをわち,このときのTalbot式の地方産数a,bは,つぎの式で求めることができる。

(5)

鎌田 萬:四国地方の中時間確率ハイエトグラフ算定法 35 R12−R8 a=R3 1十4 4R8−R12 12(R12−R8) b= 4R3−R12 4−3 R.とR.2を用いた方法 この確率ハイエトグラフの算定法においては,6時間(R6)と12時削確率降脚l=R12)を深川して算用され た確率降雨強度式を用いて解析する方法である。 す■をわち,このときのTaIk札式の地方定数a,bは,つぎの式で求めることができる。 R12了R8 a=R8い+2( 2R8−Rl乞 12(R12−R6) b= 2R6−R12 いま,四囲地力の各気象・台のそれぞれの算定法による地力竃数については,Tabte3にホすとぉりのものと なった。 Table3 確率降雨強度式(Talbot)の地方定数 確率降雨崩 Rl、R6探川 R3、Rl:Z採用 R。、R12採用 確率年 Rl R3 R6 R12 a b a b a b 高松 mm 100 69 50 63 114 146 169 199 2.16 201 2.28 201 2.28 徳島 100 107 200 246 282 332 2.10 328 1。92 330 2.04 50 98 178 224 263 304 2爪10 313 2.28 318 2仙52 高知 100 126 250 325 406 474 2.76 510 3.12 540 3.96 50 114 219 288 365 415 2.64 473 3.48 495 4一.32 松山 100 57 100 114 141 143 1。50 164 1.92 185 3“72 50 51 89 105 131 133 1.61 157 2..28 174 3。96 また,この地方定数を用いた確率降雨強度式から解析した,四囲地方の各気象・わの確率ハイエトゲラフにつ いては,高松と徳島は,50年確率,高知と松山は100咋確率のものをTable4に数字でホすことにした(,

(6)

Table4 四国各地方気象台の確率ハイエトグラフ

時 間 別 降 雨 量 単位m/hr

算定法 2 3 4 5 6 7 8 9 10 12 高松

Rl,R6

R3,R12 3 3 6 3 6 9 12 18 29 63 15 4

R6,R12 0 3 6 3 6 9 12 18 29 64 15 4

徳島 Rl,R6 R8,R12 0 5 9 5 9 14 18 27 46 99 24 6 R6,R12 5 5 5 10 10 10 21 26 51 90 27 7 高知

Rl,R6

R8,R12 10 10 10 10 20 20 31 41 71 129 44 13

R6,R12 0 14 14 14 27 14 41 41 68 .104 43 15 松山 Rl,R6 R8,R12 2 2 2 4 4 6 8 14 26 59 14 3 R6,R12 0 4 4 4 9 9 9 18 22 40 16 5 ● S54930 0 S47916 ▲ S40910 ▲ S25 8…6 −…−− RlとR6 −−−仙一 RsとR12 + R8とR12 5 考 察 中時間確率ハイエトグラフ算定法の考察において は、四国地方の各気象台で観測した過去大豪雨時の ハイエトグラフ Table2の降雨と,いま,解析から 求めた確率ハイエトグラフ Table4 の降雨を降雨 強度曲線に変換し,各気象台ごとに,過去大豪雨時 の現実のハイエトグラフと,いま解析から求めた3 方法の確率ハイエトグデフを比較,考察することに した。 5−1高松 0 2 4 6 8 10 12hr

Fig.1高松の各豪雨と50年確率降雨強度

高松地方気象台における昭和25年以降の大豪雨の うち,もっとも大きいハイエトグラフは,昭和25年 8月6日のもので、このときのRlとR2の確率年は

志・R8は去・R6とR12は去に該当するものであった。

この算定法の検討に用いる確率ハイエげラフについては,その確率年は嘉のものを解析する

したがって ことにした。 すなわち,F癌1は,これらの関係を図示したもので,これを考察すると,昭和25年8月6日のハイエトグ ラフに,もっとも近似の確率ハイエトグラフについては,いずれの算定法を用いても,かをり近似したものに なる。 また,このことを数量的に考察するため,中時間帯の確率ハイエトグラフにおいては,RlからR6位までの 降雨波形が洪水流出に,もっとも影響度が高いものと考え,その評価は、1時間と6時間の降雨強度勾配,す をわち,上二立− の値を算出し比較,考察することにした。 6

(7)

鎌田 萬:四国地方の中時間確率ハイエトグラフ算定法 37 すなわち,この評価法においては,昭和25年8月6日のものは7い7,RlとR6を用いたものは6.8,R8とR12 を用いたものは65,また,R6とR12を用いたものは6,.5となり,いずれの算定法においても,その値は,さ ほど差異がをく,かをり近似していることが考察された。 5−2 徳島 徳島地方気象台における過去のもっとも大きいハイエトグラフは,昭和25年9月3日のもので,このときの

芸警冨警誓遠註きデご浩;警‡…寓言諾謹呈霊芸‡三き≡‡‡三き0したがって,この算定法の検

1すをわち,Fig2はこれらの関係を図示したものである。

これを考察すると,昭和25年9月3日のハイエトグラフに,もっとも近似する確率ハイエトグラフはR6と

R12を用いて解析したものである。また,このことを数量的に考察する⊥言キの値については昭和25年9月

3日のものは8.2,RlとR6を用いたものは10。5,R8とR12を用いたものは10”2,R6とR12を用いたものは

8い7となり,R6とR12を用いて解析した確率ハイエトグラフは,昭和25年9月3日のものと,よく近似してい

ることが考察された。 5−3 高知 高知地方気象台における過去のもっとも大きいハイエトグラフは,昭和51年9月12日のもので,このときの た0したがって’この算定

這;主

すをわち,Fig3はこれらの関係を図示したものである。 これを考察すると,昭和51年9月12日のハイエトグラフに,もっとも近似する確率ハイエトグラフはR6と R12を用いて解析したものである。 このことを数量的に考察する⊥テ虹 の値については,昭和51年9月12日のものは7け2,RlとR6を用いた ものは11…5,R3とR12を用いたものは12.5,R6とR12を用いたものは8い7とをり,R6とR12を用いて解析し た確率ハイエトグラフは,昭和51年9月12日のものに,かなり近似していることが考察された。 5−4 松山 松山地方気象台における過去のもっとも大きいハイエトグラフは,昭和封年6月27日のもので,このときの m/hr ● S53.7.12 0 S51.9“12 ▲ S479.15 A S29.6.30 −−−… RlとR¢ _._._R8とR12 R¢とR12 0 2 4 6 8 10 12hr 0 2 4 6 8 10 12hr Figl2 徳島の各豪雨と50年確率降雨強度 Fig..3 高知の各豪雨と100年確率降雨強度

(8)

確率年数は,Rlが去,R2とR3が忘,R6とR12が志に該当するものであった。したがって・この算定法の検 言寸に用いる確率ハイエトグデフに・ついては,忘のものを解析することにした0

すなわち、F癌4は、これらの関係を開示したも のである。 これを考察すると、昭和別年6月27flのハイエト グラフに、もっとも近似する確率ハイエトグラフは R6とR12を用いて解析したものである。

また,このことを数量的に考察する草

の値 tこついては,昭和54年6月27日のものは3・5,Rlと R8を用いたものは6.3,R8とR12を用いたものは 6。3,R8とR12を用いたものは31・5となり,R6と R12を用いて解析した確率ハイエトグラフは,昭和 54年6月27日のものに,よく近似していることを考 察することができた。 m/■hr ● S54627 0 S407.18 ▲ S361026 ▲ S29。74 −−−−− RlとR6 −・− −R3とR.2 R8とR12  ̄ 、 _ 8 10 12hl 0 2 4 6

Fig4松山の各涙雨と100年確率降雨強度

9.8 7.8 58 38 18 0 2211r Fig.5 高松200年確率ハイエトグラフ 98 78 58 38 18 0 22hr Fig‖8 松山200年確率ハイエトグラフ 98 78 58 38 l8 0 22hr Figい7 高知200年確率ハイエトゲラフ

98 78 58 38 18 0 22h†

Fig..6 徳島200年確率ハイエトグラフ

(9)

39 鎌田 萬:四国地方の中時間確率ハイエトグラフ算定法

つぎに,各気象台,ともにrTable2から明らかなごとく,現実のハイエトグラフをみると,ハイエトグラフ

のピーク発生の位置を表わすーの値については,おおよそ0.8の値が妥当であることも考察することができた。

5−5 考察

以上のとおり,四国地力の各気象台において,気象台ごとに,過去に観測したもっとも大きい現実のハイエ

トグラフと筆者が研究している3方法により解析された確率ハイエトグラフを比較,考察した結果,現実のハ

イエトグラフによく近似できる算定法については,その基本量は,6時間と12時間確率降雨量を用いた降雨強

度式を基礎とした方法が,もっとも現実的を表現のできる算定法になることを明らかにすることができた0

また,ハイエトグラフのピ、−ク発生の位置についても,その位置を表わすーの値については,0・・8を採用する

ことが妥当であることも明らかにすることができた。

したがって,四国地方の各気象台における中時間確率ハイエトグラフについては,その算定法は,R6とR12

を用い,確率年数は去のものを解析し,Fig5からFig8に図示することにした。

6 結 語

確率ハイエトグラフの算定法については,近年,石黒は確率年数の概念を導入することができる降雨強度式

との関係において研究をしているので,筆者も従来,この手法を基に中時間確率ハイエトグラフの算定には,

1時間と6時間確率降雨量を採用,解析を行をってきた。

ところが,この方法で解析された降雨波形においては,確かに,短時間降雨量は,現実の降雨より多量に算

出されることにをる。

したがって,本研究においては,四国地方の各気象台の過去大豪雨時,現実に発生したハイエトグラフを充

分に調査し,一男,確率ハイエトグラフの算定法については,この解析に,きわめて重要な確率降雨強度式に

ついては,その形式が,現実の降雨波形に,もっとも近似できるような,その基本量を見出すことにした0

その結果,四国地方において,もっとも現実的を表現のできる中時間確率ハイエトグラフの算定法について

は,その基本畳は,6時間と12時間確率降雨量を用い,式形は,TLalbt形の降雨強度式を適用,解析すると,

もっとも現実的を確率ハイエトグラフの解析ができることを明らかにすることができた。

最後に,本研究に当っては,昭和59年度文部省科学研究費,自然災害特別研究で行をったものであり,関係

の方々に厚く御礼を申し上げる次第である。 参考文献

5)鎌田萬:中小河川治水計画に適用する計画降

雨の合理的算定法に関する研究、香大農紀要 (30)、(1976)

6)鎌田萬:四国地方の中時間確率降雨強度式に

関する研究、農土論集、109(1984) (1985年5月31日 受理) 1)金丸昭治・高樺琢馬:水文学、朝倉書店 (1975)

2)岩井重久・石黒救儀:応用水文統計学、森北

出版(1972) 3)亀田弘行・池渕周一・・春名攻:新体系土木工 学、2確率・確率解析、技報堂(1981)

4)田中礼次郎・角屋睦:降雨強度式に関する研

究、農土論集、83(1979)

参照

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