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日本人2型糖尿病患者における膵β細胞機能への寄与因子とインスリン治療選択における血清Cペプチドを用いた指標の有用性の解析

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s). Citation. Issue Date. URL. Analysis of factors influencing pancreatic β-cell function and utility of indices using C peptide levels for indication of insulin therapy in Japanese patients with type 2 diabetes( Abstract_要 旨) Funakoshi, Shogo. Kyoto University (京都大学). 2011-05-23. http://hdl.handle.net/2433/142550. Right. Type. Textversion. Thesis or Dissertation. none. Kyoto University.

(2) 京都大学 博士( 医. 学 ). 氏 名. 船 越 生 吾. Analysis of factors influencing pancreatic β-cell function and utility of indices using C peptide levels for indication of insulin therapy in Japanese patients with type 2 diabetes. 論文題目. (日本人 2 型糖尿病患者における膵 β 細胞機能への寄与因子とインスリン治療選択における血 清 C ペプチドを用いた指標の有用性の解析). (論文内容の要旨) 背景・目的:2 型糖尿病はインスリン抵抗性とインスリン分泌低下により特徴づけられる多因子 疾患であり、年余にわたり治療法の変更が必要な進行性疾患である。その一因として糖尿病治療薬 投与なしの患者、経口薬治療患者の 5 年間の観察期間で示された進行性の膵 β 細胞機能低下との関 連が示唆されている。β 細胞機能に影響する臨床的因子をより長期の糖尿病罹患患者、インスリン 治療患者も含めて評価するため、2 型糖尿病患者の血清 C ペプチド (CPR)を解析した。また、残存 内因性インスリン分泌能と、良好な血糖コントロール達成のためのインスリン治療の必要性との関 連を評価するため、2 型糖尿病患者 CPR を用いた指標を評価した。 対象:β 細胞機能に影響する臨床的因子を評価するため、700 名の日本人 2 型糖尿病患者を対 象とした。また、残存内因性インスリン分泌能と、良好な血糖コントロール達成のためのインス リン治療の必要性との関連を評価するため、入院中に血糖コントロール目標を達成した 201 名の日 本人 2 型糖尿病患者を対象とした。これらの対象者に対し、横断的解析を実施した。 方法:β 細胞機能は空腹時 CPR (FCPR)、1mg グルカゴン静注 6 分後 CPR (CPR-6min)、CPR 増加分 (ΔCPR)で評価した。FCPR、CPR-6min、ΔCPR それぞれを従属変数、種々の臨床的因子を独立変数 として単回帰分析を行い、その後変数増加重回帰分析を行った。また、上記の CPR を用いた β 細 胞機能指標以外に、SUIT index (SUIT): 1500×FCPR (ng/ml) /[空腹時血糖値(FPG)-61.7 (mg/dl) ]、C. (論文審査の結果の要旨) 2 型糖尿病においては年余にわたり治療法変更が必要であり、その一因として進行性 β 細胞機能低 下が示唆されている。β細胞機能に影響する臨床的因子をより長期の糖尿病罹患患者、インスリン 治療患者も含めて評価するため、日本人2型糖尿病患者 700 名の血清 C ペプチド (CPR)を解析 した。また、残存内因性インスリン分泌能と、良好な血糖コントロール達成のためのインスリン治 療の必要性との関連を評価するため、入院中にコントロールを達成した 201 名の 2 型糖尿病患者の 様々な CPR を用いた指標をインスリンで良好なコントロールが得られた群とインスリンを用いず に良好なコントロールが得られた群で比較し、各指標の ROC 曲線を作成し、最適なカットオフ値 と尤度比を決定した。その結果、数十年以上にわたる内因性インスリン分泌能の漸減が明らかとな り、罹病期間と Body mass index が β 細胞機能の重要な寄与因子であることが判明した。また、良好 な血糖コントロールを達成するためにインスリン治療選択をする際の CPR を用いた指標の中で C peptide index [100×空腹時 CPR (ng/ml) /空腹時血漿血糖値 (mg/dl)]の優位性と最適なカットオフ値が 示されたが、CPR を用いた指標の予測能は最適値における感度・特異度からも限界があることも判 明した。 以上の研究は2型糖尿病の病態の解明及びβ細胞機能評価に貢献し、糖尿病治療法の選択に寄与 するところが多い。 したがって、本論文は博士( 医学 )の学位論文として価値あるものと認める。なお、本学位授与 申請者は、平成 23 年 5 月 9 日実施の論文内容とそれに関連した試問を受け、合格と認められた ものである。. peptide index (CPI): 100×FCPR (ng/ml) /FPG (mg/dl) も含めた β 細胞機能指標についてインスリンを 用いて良好なコントロールが得られた群(インスリン群)と用いずに良好なコントロールが得られ た群(非インスリン群)について比較した。各々の指標について、ROC 曲線を作成し、最適なカ ットオフ値と尤度比を決定した。 結果:診断年数とBody Mass Index (BMI) がβ細胞機能を予測する主な独立変数であった。診断年数 は、CPR-6minと負の相関 (P<0.0001, r=-0.271) を示し、回帰直線の傾きはCPR-6minにおいては 1 年 あたり、-0.050ng/mlであった。BMIはCPR-6minと正の相関 (P<0.0001, r=0.369)を示した。BMI (kg/m2) を 25 未満、25 以上で 2 群に分け、診断年数を(-9.9, 10.0-19.9, 20.0-29.9, 30.0-)で 4 群に分けた比較で は、FCPR、CPR-6min、ΔCPRは診断年数 20 年未満ではBMI25 以上群で有意に高かったが、診断年 数 20 年以上ではBMI25 未満と 25 以上群間で有意差はなかった。CPRを用いた全てのβ細胞機能指 標は、インスリン群のほうが、非インスリン群よりも低値であった。5 種の指標の最適値での尤 度比[()内]は、FCPR (2.0)、CPR-6min (2.1)、 ΔCPR (1.6)、SUIT (2.3)、CPI (2.8)であった。CPI の最適なカットオフ値は 1.1 ng/mgであった。CPIの最適値での感度、特異度は各々61%、78%であ った。 結論:数十年以上にわたる糖尿病罹病期間における内因性インスリン分泌能の漸減が横断研究で明 らかになった。糖尿病罹病期間と BMI が日本人 2 型糖尿病患者の β 細胞機能における重要な因子 であることが示された。また BMI は CPR と正に相関するが、BMI による CPR への効果は罹病期 間が短期であると観察されるが、長期であると観察されないことが明らかとなった。また、良好な 血糖コントロールを達成するためにインスリン治療選択をする際の CPR を用いた指標の中で CPI の優位性が示された。しかし、CPR を用いた指標の予測能は最適値における感度・特異度からも 限界があることも考慮するべきである。 要旨公開可能日:. 年. 月. 日 以降.

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