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「子どもの保健Ⅰ」

「子どもの保健Ⅱ」

渡 邉   純

大阪芸術大学短期大学部 通信教育部

文部科学省認可通信教育

学習指導書

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子どもの保健Ⅰ

指定教科書 図表で学ぶ子どもの保健Ⅰ 加藤忠明・岩田力編著 建帛社 2,520 円

はじめに

今年度より、前カリキュラムでの「小児保健」と「精神保健」が統合され、 「子どもの保健Ⅰ」となった。これは、保育士養成のカリキュラム全体の見直し の中で、近年急速に変化している子どもの出生や発育を取り巻く環境を十分に、 保育者が理解し、対応できるようにしなければならないとの観点から、より保 育環境、生育環境に対する理解や、そこでの保育者の役割を修得できるように 改変されている。 今回教科書とした本書だけでなく、他の同様の教科書レベルの図書や参考資料、 専門書も活用して、子どものこころと身体の保健について学習を進めてほしい。 子どもの保健Ⅰ 教科書 1、2、3、12、13 章 今年度より、従来の「子どもの保健Ⅰ」を「子どもの保健Ⅰ」と「子どもの保 健Ⅱ」に分けることとした。 子どもの保健Ⅰでは、母子保健、虐待対応等行政にも拘わる分野と保育の場 の健康管理、安全管理、環境衛生等保育者としてしなければならない活動、並 びに、乳幼児の心身の発達状況を学ぶことが中心となる。 子どもの保健Ⅱ 教科書 4、5、6、7、8、9、10、11 章 子どもの保健Ⅱについては、小児期にみられる疾患、障害について学習する ことを主眼としている。 保育者として病気についての基礎的な知識を身につけてほしい。そのうえで、 幼稚園、保育園等の保育の現場で、保育者としてどのように対応する必要があ るかを認識して、保育に活かせるよう学習してほしい。 教科書では、発達障害を「こころの問題」としているが、こころの問題とい

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うことばを、おおまかに器質的な問題と情緒的な問題に分けて理解することが 大切と考えている。つまり、発達を支援すべき器質的問題である発達障害と、 心理的問題、養育上の対応により十分に解決が期待できる情緒的問題を区別し、 後者を「こころの問題」と理解して学習してほしい。

第 1 章 子どもの健康と保健の意義

  子どもの発達する力が十分に発揮できるように大人が支援する活動が保健活 動と言える。保育者は、保育の場では、保護者に代わって子どもの健康を維持 増進する役割と責任を負うのは当然である。そのために、知っておかなければ ならない子どもの健康に関する知識や身につけなければならない技能をこの教 科では学ぶ。その前提として、健康とは何か、保健活動は何を目的に行うのか といった基本姿勢について学習する。

第 2 章 子どもの発育・発達と保健

  乳幼児から児童期の子どもの心身の発達について習得することは、子どもに かかわる基本である。体格の発育に加えて、運動や生理機能、感覚機能等の身 体機能の発達、情緒や感情等のこころの発達の基礎を学ぶ。

第 3 章 子どもの健康状態の把握と保育

  第 1 章で子どもの健康を守る保健活動の意義を学び、第 2 章で子どもの標準 的な発達状況を知り、その上で、保育の場で、子どもの健康状況を把握する為の、 観察の視点、方法論を学ぶ。 第 4 章から第 8 章までは、子どもにみられる身体疾患の基礎的知識を学ぶ。

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第 4 章  先天異常

  子どもの疾患には、生まれながらのものがある。その疾患の発生は、遺伝子 レベル、染色体レベル、胎生期、胎児期に発生するもの。出産時等の周産期に 生じるものもある。また、中枢神経系に障害があらわれ、知的障害や身体障害 が現れるものや視覚や聴覚の障害、心臓等の内臓の障害や奇形もみられる。 代表的な先天異常について、基礎的な知識を習得する。

第 5 章  感染症

  乳幼児期にかかりやすい感染症の基礎を学ぶ。諸氏は医療従事者となるので はないから、医学的な治療という視点は必ずしも必要ではない。しかし、乳幼 児とともに生活し、発達を援助するものとして、感染症にかかった時の対応、 かからないようにする為の予防を実践できるように知識を身につけることが必 要である。

第 6 章  免疫とアレルギー疾患

  自分の身体を守るしくみである「免疫機構」の基礎を学習し、それと自分の 身体を攻撃してしまう「アレルギー疾患」の関係とは、いかなるものかを知る ことでアレルギーが何故起きるのかを学ぶ。 更に、個々のアレルギー疾患の基礎について、誤った知識や俗説に左右され ずに、保護者を指導できるよう学習を進めてほしい。

第 7 章 慢性疾患

  第 4 章で示した先天異常や第 6 章のアレルギー疾患等の影響によって生じる 慢性の病気や、てんかん、小児の糖尿病、白血病等の悪性腫瘍や腎臓病等長期 にわたって入院治療しなければならない病気や食事や運動等の生活面の制限を しなければならない病気がある。長い治療や生涯にわたる生活の制限を強いら

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れる子どもたちやその保護者の心情も理解した上で、それらの疾患の基礎的知 識を習得する。

第 8 章 小児期からの生活習慣病予防の重要性

  現代の生活習慣が子どもたちの心身の発達に影響を与えていることには異論 はないであろう。特に、食習慣の問題は大きく懸念され、「食育基本法」が成立 するにいたった。そこでは、国全体で、食育に取り組むことが謳われ、その担 い手としての保育者の役割が明記されている。保育者となる諸氏自身の食にか かわる習慣や知識、経験を振り返り、次代の子どもたちに伝えていくべき食習 慣をしっかり身に付けてほしい。そのことが「生活習慣病」予防の道である。 更に、生活の中で身体を動かす習慣の減少や、夜型の生活習慣、生活環境の変 化等総合的な視点で、生活習慣病から諸氏自身も、子どもたちも守る為にする べきことを実践できるように学んでほしい。 第 9 章と第 12 章と第 13 章は、健康管理、安全管理を行う為の保育者の役割と 基礎的知識を習得する。

第 9 章 子どもの疾病の予防と適切な対応

  第 4 章の先天異常から第 8 章の生活習慣病までに取り上げられた様々な疾患 には、予防の可能なものも不可能なものもある。しかし、少しでも子どもたち を病気や障害から守るために出来ることは何かを学ぶ。 それは、予防接種や検診制度といった国全体の制度としての活動から、日常 の「手洗い・うがい」の習慣付けの実践といったものまで多様である。保育者 としての最低限の基礎的知識と実践の方法を身につけてほしい。 更に、応急手当や救急処置等の基本も理解しておく必要がある。 第 10 章と第 11 章は、子どものこころと発達の問題について理解し、子どもの こころの育ちを支えられる保育者として基本的姿勢を身につける。

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第 10 章 子どもの生活環境と精神保健

  子どものこころの健康を考えたとき、生活環境、特に、養育の環境が大きく 影響することは周知のことであろう。 第 8 章で取り上げたような生活習慣の問題は、子どもの身体ばかりでなく、こ ころにも大きな影響を与える。更に、虐待に代表されるような保護者からの不 適切な養育は、子どものこころに長期にわたって影響を与え続ける。そのよう なことのないように、保育者として行動しなければならないこと、身につけな ければならないこと、保護者に支援できること等を学ぶ。  更に、個別の子どものこころの問題についての基礎的な理解と対応について も学習する。

第 11 章 子どもの心の健康とその課題

─ 発達障害を中心に ─

集団での保育の場において、全体の発達が明らかに遅れているのではないが、 行動やコミュニケーション等が「気になる子」の存在が、指摘されるようになっ てきた。 そこには、様々な要因が考えられる。子ども自身の発達の問題、養育する環 境の問題、保育者や保護者の観察力や対応力の問題、社会全体の価値観や要求 水準の問題等が影響していると考えられ、個々の事例においても、それらが複 雑に影響しあって、結果として「子どもの問題」として現れていることを理解 してほしい。 その上で、この章では、「発達障がい」と総称される広汎性発達障がい、学習 障がい、注意欠陥多動性障がい等について、保育者として基本的な理解と、集 団場面での保育の在り方、基本姿勢を学んで欲しい。彼らが「異常」であり、 正常である定型発達者に合わせられるようにと訓練するという発想だけは持た ないようにすることが必須である。

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第 12 章 保育環境と衛生・安全管理

  保育者が、子どもの健康と安全を守るためには、何が必要かを学ぶ。環境を 整えることは保育を実践する中で、一番重要と言えるものであるが、それは、 安全な環境であることが大前提である。事故や災害、犯罪から子どもを守る環 境の整備とはなにか、子どもの健康を予防し、且つ、増進するための環境とは 何かを知り、実践できる方法を身につける。

第 13 章 健康および安全の実施体制

  保育の場において、前章で学んだ安全や健康の管理について、効果的に、且つ、 システマチックに実施していく為には、組織としての教職員集団の有機的連携 が必要である。更には、その連携は、保護者との連携も加わり、地域との関わり、 行政機関との関わりもあって、効果的に実施できるものとなっていく。 そのためのチームとしての役割分担の在り方や、それぞれの地域での専門機 関や行政組織との連携交流の実施体制を学んでおく必要がある。教科書だけの 学習に終わらず、地域の実態を調べて、活用できるようにしておくべきである。

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