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HA機能を有するFAを用いたモバイルIPソフトウェアの設計

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Academic year: 2021

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(1)1H-4. 情報処理学会第66回全国大会. HA 機能を有する FA を用いたモバイル IP ソフトウェアの設計 原 正寛. 加藤 聰彦. 伊藤 秀一. 電気通信大学 大学院 情報システム学研究科. 2.. 提案方式の概要. (1) MN がネットワークを移動した後に発呼を行う際は、 現在の移動したネットワーク上の FA から発呼用の IP ア ドレスを入手し、移動先のネットワークを自身のホーム であるとする。このアドレスにより MN と CN の間で HA を介さない通信が可能となる。また MN がさらにネット ワークを移動する場合には発呼用の IP アドレスを割り振 った FA がホームエージェントとして機能し、フォワー ディングを行う。この HA の機能を持った FA を Home FA (HFA) と呼ぶ。 (2) HFA に HA の機能を持たせるためには、HFA と MN との間で互いに認証しあう必要がある。しかし不特定の FA に移動する MN に対して、HFA が事前に秘密鍵を持 つことは想定できない。そのため HA が HFA と MN のた めの一時的共通秘密鍵を生成・配布することとする。 (3) MN が HFA と HA に対して発呼用 IP アドレスの割り 当てを要求するために、HFA Registration メッセージと呼 ばれる新しいメッセージを導入する。HFA Registration メ ッセージは、ある HFA のネットワークにその MN が存在 することを通知するためにも用いる。MN がさらにネッ トワークを移動した際には Registration メッセージを用い て本来の HA と発呼用のアドレスを割り当てた HFA の双 方に対して登録を行う。 (4) 本方式では MN が本来のホームアドレスを含めて複数 のホームアドレスを持ち、セッション毎に異なる IP アド. “Design of Mobile IP Software Using FA with HA Functionality” Masahiro Hara, Toshihiko Kato and Shuichi Itoh University of Electro-Communications. レスを使用して通信する場合がある。各セッションの開 始及び終了は個別のプロセスが管理するため、ホームア ドレス対応付けはアプリケーションレイヤで行うことと する。. 3.. ソフトウェア設計. 筆者らは CMU (現在は Rice University)で行われている Monarch プロジェクトの Mobile IP ソフトウェアをベース に提案する方式を実装している。Monarch のソフトウェ アは、HA および FA の Mobile IP 手順を実現する Mipd と、 MN における手順を実現する Mobiled に大別される。以下 ではそれぞれに対する実現方法を述べる。. 3.1. MN 用ソフトウェアの設計. 図 1 に MN におけるソフトウェア構成を示す。Mobile IP の基本手順は、Mobiled と、カーネル空間内の Mobile IP 関連モジュールにより実装されている。Mobiled は Registration Request/Reply の処理を行い、Mobile IP 関連モ ジュールは受信した Agent Advertisement の Mobiled への 通知などを行う。 図に示すように、アプリケーションプロセスと Mobiled と計算機内のローカルなデータグラムソケットにより接 続されている。アプリケーションプロセスは、起動時ま たはセッション開始時に Mobiled に対して、発呼に使用 するアドレスを要求し、その返答を待つ。その後、開始 するセッションに対応するソケットを生成し、そのソケ ットと Mobiled から通知された IP アドレスとを、bind()シ ステムコールを用いて関連付け、セッションを開始する。 TCP を使用する場合は、セッションを開始するたびに、 インターネット用の INET ストリームソケットを割り当 て、発呼用 IP アドレスを関連付け、connect()システムコ ールにより TCP コネクションを確立するという処理を繰 り返す。一方 UDP を使用する場合は、アプリケーション がセッションを開始すると判断した時点で、Mobiled に発 呼用 IP アドレスを要求し、インターネット用のデータグ ラムソケットと関連付け、UDP データグラムの送信を行 う。一方、セッションが終了する時点またはアプリケー ションプロセスが終了する時点で、そのセッションまた. ユーザ空間. はじめに. 近年モバイルインターネットが発展しており、基本プ ロトコルとして Mobile IP [1]が採用されている。Mobile IP では、移動端末(MN: Mobile Node)は、移動した先の他 ネットワークに存在する FA (Foreign Agent)から気付けア ドレスを取得し、そのアドレスを MN 自身のホームネッ トワーク上に存在する HA (Home Agent)へと通知し移動 登録を行う。その結果、MN あてに送られたトラヒック は、HA から FA へ IP によるトンネリングを用いてフォ ワーディングされ MN まで配送される。このため、大規 模なモバイルインターネットにおいては、HA から FA の トンネリング処理のオーバヘッドが HA に集中してしま うという問題が生ずる。 これに対し筆者らは、FA にアドレス割り当て機能と HA 機能を持たせる方式を提案している[2]。この方式で は、移動先のネットワークで MN が発呼する場合は、FA が発呼用の IP アドレスを割り当て、そのアドレスを使用 した通信については、アドレスを割り当てた FA が HA と し て 動 作 す る 。 現 在 こ の 方 式 を CMU で 開 発 さ れ た Mobile IP ソフトウェア Monarch [3]上に実装している[4]。 本稿では、そのソフトウェア設計について報告する。. カーネル空間. 1.. 3−195. ローカルソケット. TCPベース アプリケーション プロセス. Mobiled UDPベース アプリケーション プロセス INETストリームソケット INETデータグラムソケット. UDP. TCP. IP. IPアドレス 構造体. Mobile IP関連 モジュール. Interface (e.g. Ethernet). 図1. MN におけるソフトウェア構造.

(2) は プ ロ セ ス で 使 用 し た 発 呼 用 IP ア ド レ ス の 解 放 を Mobiled に要求する。 Mobiled は上記の処理を実現するために、カーネルの Mobile IP 関 連 モ ジ ュ ー ル か ら 通 知 さ れ る Agent Advertisement により検出したその時点の HFA のサブネッ トアドレスと、使用されている発呼用 IP アドレスと、ア ドレスとそれを利用しているアプリケーションプロセス の対応を管理する。アプリケーションプロセスからアド レスの要求があると、現在のサブネットに対して発呼用 IP アドレスを所有しているかをチェックし、あればそれ をアプリケーションプロセスに返し、アドレスとプロセ ス と の 対 応 を 記 録 す る 。 な け れ ば 、 HFA Registration Request を HFA に送信する。対応する HFA Registration Reply を受信すると、それに含まれる発呼用 IP アドレス をカーネルに登録し、その IP アドレスとプロセスとの対 応を記録し、要求元のプロセスに返す。カーネルへの登 録は、カーネル内の IP モジュールが持つ、IP アドレスと インタフェースとを管理する構造体に、IP アドレスを追 加するシステムコールまたはコマンドを実行することに より実現可能である。 一方、アプリケーションプロセスから、使用した発呼 用 IP アドレスの解放を要求され、そのアドレスを使用し ているプロセスがなくなった場合は、その IP アドレスを カーネル内の IP アドレスの管理用の構造体から消去する。 Mobiled は発呼用 IP アドレスを管理するために、発呼 用 IP アドレスが現在の HFA のサブネットに対応する場 合は、R フラグが 0 の HFA Registration Request を送信し、 そうでない場合は、通常の Registration Request をその IP アドレスを割り当てた HFA に対して送信する。 このような実装方法により、トランスポートプロトコ ルおよび IP は複数の IP アドレスとセッションへの対応 付けを自律的に管理する必要がなくなる。IP アドレス (およびポート番号)とセッション(実体はアプリケー ションが使用するローカルのソケット)との対応付けは、 アプリケーションプロセスによる指示に従って、通常の オペレーティングシステムの機能により実現される。. 3.2. HFA および HA 用ソフトウェアの設計. 本方式では HFA は、MN が移動した後に自身が HA と して動作するため、従来の FA に対して HA の移動登録機 能を持たせるというアプローチを用いる。一方 HA は鍵 の生成のみを実装して管理機能は持たないこととする。 Monarch の Mipd では、HA 配下のネットワークで管理 する端末情報リストとして security_bindings、そして移動 した場合にフォワーディングを行う端末リストとして binding_tbl の 2 つのリストを制御することで、HA 機能を 実現している。また、ビジタリスト binding_table により FA 機能を実現している。security_binding はあらかじめ、 利 用 す る 端 末 情 報 と し て 、 IP ア ド レ ス 、 Security Parameter Index、タイムスタンプ、鍵情報などを起動時に 設定ファイルから読み込んでプログラム内で保持するよ うになっている。しかし HFA では登録する端末情報は動 的に変化してしまうため、HFA Registration メッセージに よってリストを動的に生成し、端末情報にライフタイム を追加して管理するようにした。 Mipd の実装は 2 つの処理に分かれている。一つは select によって Registration メッセージを受信した場合に. 呼ばれる処理、他は 1 秒毎に呼ばれる登録のライフタイ ムを監視する処理である。この内、メッセージの受信処 理の中に、HFA Registration と Reply を受信した場合の処 理を追加する。それぞれの処理のフローを図 2 に示す。 フォーマット・ 認証チェック. フォーマット・ 認証チェック. True. HAとして 動作. 一時的な共通 秘密鍵の生成. FAとして 動作. HFA Reg Repを 作成・送信. True 一時的な秘密 鍵の取得. False FAとして 動作. False. Error return. True. Rフラグ. True MACアドレスの キャッシュ登録. False ホームアドレス のリストを検索. Security_binding に登録. HFA Reg Repを 作成・送信. HFA Reg Reqを 送信. False. Error return. IPアドレスの割 り当て security_binding への記録 HFA Reg Repを 送信. Return. Return. (b) HFA Registration Replyの処理 (a) HFA Registration Requestの処理. 図 2 HFA Registration Request/Reply の処理の流れ HFA Registration Request に対しては、HA として動作す る場合は、MN と HFA が使用する一時的な共通秘密鍵を 生成し、それを HFA Registration Reply に入れて送信する。 HFA が HFA Registration Request を受信した場合は、その メッセージに R フラグが設定されている場合は、新たに IP アドレスを要求しているため、そのメッセージを HA に転送する。一方 R フラグが設定されていない場合は、 対応するホームアドレスのエントリを検索し、ライフタ イムを延長し、HFA Registration Reply を返送する。HFA Registration Reply の受信は、HFA において実行され、HA から通知された一時的な共通秘密鍵を取り出して、MN に 割 り 当 て る IP ア ド レ ス を 生 成 し 、 そ の 値 を HFA Registration Reply に設定して、MN に送信する。 また、select でのタイムアウトが1秒に設定されており、 タイムアウトになる度に実行されて security_bindings、 binding_tbl、binding_table の各エントリのライフタイムは 1秒ずつ減らされ、ライフタイムが 0 になったエントリ は削除される。. 4.. おわりに. 本稿では、筆者らが提案している、移動先で MN が発 呼する場合は、移動先の FA (HFA)がホームアドレスを生 成しホームエージェントとして動作する方式について、 CMU の Monarch プロジェクトで開発された Mobile IP ソ フトウェアに実装する場合の設計について述べた。 参考文献 [1]: C. Perkins, Ed., “IP Mobility Support for IPv4,” RFC 3344, Aug. 2002. [2]: 原 他, “発呼トラヒックのための HA 機能を FA に持た せるモバイル IP プロトコル,” 情報処理学会 MBL 研究会, MBL-25, Jul. 2003. [3]: D. Johnson, “David Johnson’s Home Page,” http://www. cs.rice.edu/~dbj/. [4]:原 他, “HA 機能を有する FA を用いたモバイル IP プロ トコルの実装に関する検討,” FIT2003, M-083, Sep. 2003.. 3−196.

(3)

図 2  HFA Registration Request/Reply の処理の流れ  HFA Registration Request に対しては、 HA として動作す る場合は、 MN と HFA が使用する一時的な共通秘密鍵を 生成し、それを HFA Registration Reply に入れて送信する。

参照

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