184 (79) 氏名(生年月日)
本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
アル ガ アツシ有 賀 淳(昭和
博士(医学) 乙第1243号平成4年2月21日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
Induction of autologou爵t㎜or-speci血。 cytotoxic T cells in patients with liver cancer=Characterizations and clinical utilization (肝癌患者における.自己癌特異的CTLの誘導,解析及び臨床応用に関する研 究) (主査)教授 羽生富士夫(副査)教授小幡 裕,肥田野信
論文内容の要旨
目的 肝癌に対する養子免疫療法としてLAK細胞の肝動 注療法を試みたが臨床成績は不良であった.本研究は LAK細胞に代わる新たなキラー細胞として自己癌特 異的CTLの誘導を試み,その有効性をin vitro, in vivOにおいて検討し,臨床応用を目指したものであ る. 対象及び方法 CTL(cytotoxic T lymphocyteMま患者自己単核球 と,自己肝癌細胞を50:1の割合で5日間混合培養し た後に,rlL-21031U/mlを添加してさらに5日間培養 して誘導した.自己癌に対するキラー活性を,ヌード マウス皮下移植自己肝癌をtargetにして51Cr release assay法にて測定し,同時に誘導したLAK細胞と比 較した.さらに非自己癌に対するキラー活性を測定し てCTLの自己癌特異性について検討した. CTLの解 析はロゼット形成によるT細胞分離及びモノクロー ナル抗体を用いたnegative selectionにて施行した. in vivoの実験系としてヒト肝癌移植ヌーヂマウスに CTLを皮下注,静注して腫瘍の増殖抑制効果を検討し た.臨床応用として治癒切除不能多発肝癌症例15例(肝 細胞癌13例,転移性肝癌2例)に対してCTLの肝動注 療法を施行し臨床効果を超音波,CTによる画像診断 にて判定した. 結果及び考案 上記方法にて誘導されたCTLは自己肝癌に特異的 でLAK細胞に比較し強力なキラー活性を示し,その 主体はCD8陽性T細胞であった. in vivoにおいても ヌードマウス皮下移植ヒト肝癌はCTLの皮下注,静 注によりその増殖が有意に抑制された.臨床施行15例 中2例に腫瘍の完全消失(CR),3例に50%以上の縮小 消失(PR)を認め著効率(CR+PR)は33%,有効率 (MR以上)は60%であった.副作用は6例に一時的発 熱,1例に軽度のGOT, GPTの上昇,1例に腹水の 増加を認めたがいずれも投薬にて容易にコントロール 可能であった.この成績は肝癌に対するLAK細胞の 肝動注療法自験例の臨床成績(著効7.7%,有効15%) と比較して明らかに優れており,CTLを用いた養子免 疫療法の有効性が確認された. 結論 肝癌患者自己単核球と自己癌との混合培養により, 自己癌特異的CTLの誘導に成功し,治癒切除不能多 発肝癌症例に対する肝動注療法において優れた臨床成 績を認め,新しい養子免疫療法として期待されるもの であると考えられた. 一788一185