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老人医療費の3要素に影響を及ぼす要因に関する研究

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平成10年3月15日 第45巻 日本公衛誌 第3号 225

老人医療費の3要素に影響を及ぼす要因に関する研究

山下

真宏

研究の目的  本研究では,老人医療費を入院医療費と外来医療費に分け,さらに入院医療費と外来医療費の構成要素で ある医療費の3要素(受診率・1件あたり日数・1日あたり医療費)に分解し,どのような要因が医療費の 3要素や医療費を決定しているかを分析することを目的とした。 研究方法および分析対象  入院および外来医療費の3要素を中心に,モデルを設定し,医療費に影響を及ぼすと考えられる医療の供 給量・疾病構造・家族類型・老人保健事業・社会経済など27指標との関連について分析した。分析の方法と しては,主として単相関分析および重回帰分析(ステップワイズ法)を用い,説明変数の取り込み,打ち切 りの基準はF値=2.0とし,目的変数に対する説明変数の寄与度は標準偏回帰係数を判断基準とした。  また,分析対象は,1990年度における全市の国民健康保険の老人医療費に関するデータである。 研究の成果 (1) 入院医療費の地域格差の最大要因は入院率であった。しかし,外来医療費の場合は,外来の3要素それ ぞれに因るところが大きかった。 (2) 入院医療費や入院率を決める要因は,医療の供給量や脳血管疾患であった。 (3) 1件入院日数を決める要因は,入院率を決める要因と共通していた。

 1件入院日数と入院率に大きく寄与する要因は,脳血管疾患であった。ダミー変数を用いた分析の結

果,脳血管疾患自体も1件入院日数と入院率を決める要因のひとつであると考えられる。

(4) 入院1日あたり医療費や外来1日あたり医療費を決める最大要因は,医療の供給量であり,医療ニード の影響は少なかった。 (5) 外来医療費を決める最大要因は医療ニードであり,入院医療費の場合と比較して,医療の供給量の影響 は少なかった。 (6) 外来受診率を決める要因は,都市化や医療機関へのアクセス要因であり,医療の供給量の影響は少なか った。 (7) 外来受診日数(通院日数)を決める要因は,地域の健康水準や医療の供給量であった。 Key words : 老人医療費,受診率,1件あたり日数,1日あたり医療費,重回帰分析

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